JP2007228320A - 圧電薄膜デバイス - Google Patents
圧電薄膜デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007228320A JP2007228320A JP2006047822A JP2006047822A JP2007228320A JP 2007228320 A JP2007228320 A JP 2007228320A JP 2006047822 A JP2006047822 A JP 2006047822A JP 2006047822 A JP2006047822 A JP 2006047822A JP 2007228320 A JP2007228320 A JP 2007228320A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- piezoelectric thin
- piezoelectric
- filter
- base substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
【課題】圧電薄膜デバイスの特性を向上する。
【解決手段】4個の圧電薄膜共振子R11〜R14を含む圧電薄膜フィルタ1は、圧電薄膜フィルタ1のフィルタ機能を提供するフィルタ部11と、フィルタ部11を機械的に支持する平坦なベース基板13とを接着層12を介して接着した構造を有している。圧電薄膜フィルタ1では、圧電体薄膜111の非励振領域E1Xに形成されたキャビティ形成膜114を介して圧電体薄膜119をベース基板13に接着することにより、圧電体薄膜111の励振領域E11〜E14を無規制の状態で空中に保持し、励振領域E11〜E14の上面及び下面が他の部分と接することがないようにしている。
【選択図】図2
【解決手段】4個の圧電薄膜共振子R11〜R14を含む圧電薄膜フィルタ1は、圧電薄膜フィルタ1のフィルタ機能を提供するフィルタ部11と、フィルタ部11を機械的に支持する平坦なベース基板13とを接着層12を介して接着した構造を有している。圧電薄膜フィルタ1では、圧電体薄膜111の非励振領域E1Xに形成されたキャビティ形成膜114を介して圧電体薄膜119をベース基板13に接着することにより、圧電体薄膜111の励振領域E11〜E14を無規制の状態で空中に保持し、励振領域E11〜E14の上面及び下面が他の部分と接することがないようにしている。
【選択図】図2
Description
本発明は、単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイスに関する。
従来、単数又は複数の圧電薄膜共振子(FBAR;Film Bulk Acoustic Resonator)を含む圧電薄膜デバイス、例えば、発振子、トラップ、フィルタ、デュプレクサ及びトリプレクサ等の圧電薄膜デバイスは、図12及び図13の断面模式図に示すように、ベース基板91の上に形成された支持層92の上に、スパッタリング等により下部電極93、圧電体薄膜94及び上部電極95を順次成膜し、圧電体薄膜94の励振領域E91の下方にエッチング等によりキャビティ(空洞)C91を形成することで製造されてきた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来の技術では、圧電体薄膜の励振領域が支持層に接触しているので、励振された振動が阻害され、圧電薄膜デバイスの特性が劣化するという問題があった。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、圧電薄膜デバイスの特性を向上することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイスであって、圧電体薄膜と、前記圧電体薄膜を含む所定の部材を支持する支持体とを備え、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持している。
請求項2の発明は、請求項1に記載の圧電薄膜デバイスにおいて、前記圧電体薄膜の非励振領域に形成されたスペーサを介して前記圧電体薄膜を前記支持体に接着することにより、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持している。
請求項3の発明は、請求項1に記載の圧電薄膜デバイスにおいて、前記圧電体薄膜の励振領域に陥没を形成し、前記圧電体薄膜の非励振領域を前記支持体に接着することにより、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持している。
請求項4の発明は、請求項1に記載の圧電薄膜デバイスにおいて、前記圧電体薄膜の励振領域に対向する前記支持体の所定の領域に陥没を形成し、前記圧電体薄膜の非励振領域を前記支持体に接着することにより、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持している。
請求項1ないし請求項4の発明によれば、励振された振動が阻害されないので、圧電薄膜デバイスの特性を向上可能である。
以下では、4個の圧電薄膜共振子(FBAR;Film Bulk Acoustic Resonator)を組み合わせたラダー型のフィルタ(以下、「圧電薄膜フィルタ」)を例として、本発明の圧電薄膜デバイスの望ましい実施形態について説明する。しかし、以下で説明する実施形態は、本発明の圧電薄膜デバイスが圧電薄膜フィルタのみに限定されることを意味するものではない。すなわち、本発明における圧電薄膜デバイスとは、一般的に言えば、単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイス全般を意味しており、単一の圧電薄膜共振子を含む発振子及びトラップ等並びに複数の圧電薄膜共振子を含むフィルタ、デュプレクサ、トリプレクサ及びトラップ等を含んでいる。ここで、圧電薄膜共振子とは、支持体なくしては自重に耐え得ないような薄膜に励振されるバルク弾性波による電気的な応答を利用した共振子である。
<1 第1実施形態>
<1.1 圧電薄膜フィルタの構成>
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る圧電薄膜フィルタ1の構成を示す図である。ここで、図1は、圧電薄膜フィルタ1を上方から見た平面模式図、図2は、図1のII−IIの切断面を前方(−Y方向)から見た断面模式図、図3は、図1のIII−IIIの切断面を右方(+X方向)から見た断面模式図となっている。また、図4は、圧電薄膜フィルタ1に含まれる4個の圧電薄膜共振子R11〜R14の電気的な接続状態を示す回路図となっている。なお、図1〜図3には、便宜上、左右方向を±X軸方向、前後方向を±Y軸方向、上下方向を±Z軸方向とするXYZ直交座標系が定義されている。
<1.1 圧電薄膜フィルタの構成>
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に係る圧電薄膜フィルタ1の構成を示す図である。ここで、図1は、圧電薄膜フィルタ1を上方から見た平面模式図、図2は、図1のII−IIの切断面を前方(−Y方向)から見た断面模式図、図3は、図1のIII−IIIの切断面を右方(+X方向)から見た断面模式図となっている。また、図4は、圧電薄膜フィルタ1に含まれる4個の圧電薄膜共振子R11〜R14の電気的な接続状態を示す回路図となっている。なお、図1〜図3には、便宜上、左右方向を±X軸方向、前後方向を±Y軸方向、上下方向を±Z軸方向とするXYZ直交座標系が定義されている。
図1〜図3に示すように、圧電薄膜フィルタ1は、圧電薄膜フィルタ1のフィルタ機能を提供するフィルタ部11と、フィルタ部11を機械的に支持する平坦なベース基板13とを接着層12を介して接着した構造を有している。圧電薄膜フィルタ1の製造にあたっては、単独で自重に耐え得る圧電体基板を除去加工することにより圧電体薄膜111を得ているが、除去加工によって得られる圧電体薄膜111は単独で自重に耐え得ない。このため、圧電薄膜フィルタ1の製造にあたっては、除去加工に先立って、圧電体基板を含む所定の部材を、支持体となるベース基板13にあらかじめ接着している。
<1.1.1 フィルタ部>
フィルタ部11は、圧電体薄膜111と、圧電体薄膜111の上面に形成された上部電極1121〜1124と、圧電体薄膜111の下面に形成された下部電極1131〜1132と、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132が圧電体薄膜111を挟んで対向する励振領域E11〜E14の下方にキャビティ(空洞)C11〜C14を形成するキャビティ形成膜114とを備える。
フィルタ部11は、圧電体薄膜111と、圧電体薄膜111の上面に形成された上部電極1121〜1124と、圧電体薄膜111の下面に形成された下部電極1131〜1132と、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132が圧電体薄膜111を挟んで対向する励振領域E11〜E14の下方にキャビティ(空洞)C11〜C14を形成するキャビティ形成膜114とを備える。
○圧電体薄膜;
圧電体薄膜111は、圧電体基板を除去加工することにより得られる。より具体的には、圧電体薄膜111は、単独で自重に耐え得る厚み(例えば、50μm以上)を有する圧電体基板を、単独で自重に耐え得ない膜厚(例えば、10μm以下)まで除去加工で薄肉化することにより得られる。また、励振領域は、円形の場合は直径30から300μmの範囲で、多角形の場合は最長の対角線長が30から300μmの範囲である。
圧電体薄膜111は、圧電体基板を除去加工することにより得られる。より具体的には、圧電体薄膜111は、単独で自重に耐え得る厚み(例えば、50μm以上)を有する圧電体基板を、単独で自重に耐え得ない膜厚(例えば、10μm以下)まで除去加工で薄肉化することにより得られる。また、励振領域は、円形の場合は直径30から300μmの範囲で、多角形の場合は最長の対角線長が30から300μmの範囲である。
圧電体薄膜111を構成する圧電材料としては、所望の圧電特性を有する圧電材料を選択することができるが、水晶(SiO2)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)及びランガサイト(La3Ga3SiO14)等の粒界を含まない単結晶材料を選択することが望ましい。圧電体薄膜111を構成する圧電材料として単結晶材料を用いることにより、圧電体薄膜111の機械的品質係数が向上し、低損失でスカート特性が良好な圧電薄膜フィルタ1を実現可能となるとともに、圧電体薄膜111の電気機械結合係数が向上し、広帯域の圧電薄膜フィルタ1を実現可能となるからである。
また、圧電体薄膜111における結晶方位も、所望の圧電特性を有する結晶方位を選択することができる。ここで、圧電体薄膜111における結晶方位を、圧電薄膜共振子R11〜R14の共振周波数や反共振周波数の温度特性が良好となる結晶方位、望ましくは、周波数温度係数が「0」となる結晶方位とすれば、通過帯域の中心周波数等の温度特性が良好な圧電薄膜フィルタ1を実現可能になる。
圧電体基板15の除去加工は、切削、研削及び研磨等の機械加工並びにエッチング等の化学加工等により行う。ここで、複数の除去加工方法を組み合わせ、加工速度が速い除去加工方法から、加工対象に生じる加工変質が小さい除去加工方法へと除去加工方法を段階的に切り替えながら圧電体基板を除去加工すれば、高い生産性を維持しつつ、圧電体薄膜111の品質を向上し、圧電薄膜フィルタ1の特性を向上することができる。例えば、圧電体基板を固定砥粒に接触させて削る研削及び圧電体基板を遊離砥粒に接触させて削る研磨を順次行った後に、当該研磨によって圧電体基板に生じた加工変質層を仕上げ研磨により除去するようにすれば、圧電体基板を削る速度が早くなり、圧電薄膜フィルタ1の生産性を向上可能であるとともに、圧電体薄膜111の品質を向上することにより、圧電薄膜フィルタ1の特性を向上可能である。なお、圧電体基板の除去加工のより具体的な方法については、後述する実施例において説明する。
圧電薄膜フィルタ1では、圧電体薄膜111の膜厚が励振領域E11〜E14及び非励振領域E1Xで一定となっている。このため、圧電薄膜フィルタ1は、周波数低下型のエネルギー閉じ込めに適した構造を有している。
このような圧電薄膜フィルタ1では、圧電体薄膜111をスパッタリング等により成膜した場合と異なり、圧電体薄膜111を構成する圧電材料や圧電体薄膜111における結晶方位が下地の制約を受けないので、圧電体薄膜111を構成する圧電材料や圧電体薄膜111における結晶方位の選択の自由度が高くなっている。したがって、圧電薄膜フィルタ1では、所望の特性を実現することが容易になっている。
○上部電極及び下部電極;
上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132は、導電材料を成膜することにより得られた導電体薄膜である。
上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132は、導電材料を成膜することにより得られた導電体薄膜である。
上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132の膜厚は、圧電体薄膜111への密着性、電気抵抗及び耐電力等を考慮して決定される。なお、圧電体薄膜111の音速や膜厚のばらつきに起因する圧電薄膜共振子R11〜R14の共振周波数や反共振周波数のばらつきを抑制するため、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132の膜厚を適宜調整するようにしてもよい。また、エネルギー閉じ込めの程度を制御するために、励振領域E11〜E14の膜厚を非励振領域E1Xと異ならせてもよい。
上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132を構成する導電材料は、特に制限されないが、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属から選択することが望ましく、安定性に優れるアルミニウムを選択することが特に望ましい。もちろん、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132を構成する導電材料として合金を用いてもよい。また、複数種類の導電材料を重ねて成膜することにより、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132を形成してもよい。
圧電薄膜フィルタ1では、長方形形状を有する4個の上部電極1121〜1124が圧電体薄膜111の上面に形成され、長方形形状を有する2個の下部電極1131〜1132が圧電体薄膜111の下面に形成されている。4個の上部電極1121〜1124は、圧電体薄膜111の上面内で上下対称かつ左右対称となるように縦2行×横2列に配置され、2個の下部電極1131〜1132は、圧電体薄膜111の下面内で上下対称かつ左右対称となるように縦2行×横1列に配置される。
上部電極1121〜1122は、それぞれ、励振領域E11〜E12において、圧電体薄膜111を挟んで下部電極1131と対向している。また、上部電極1123〜1124は、それぞれ、励振領域E13〜E14において、圧電体薄膜111を挟んで下部電極1132と対向している。これにより、圧電薄膜フィルタ1には、上部電極1121〜1122を一端、下部電極1131を共通の他端とする2個の圧電薄膜共振子R11〜R12が形成され、上部電極1123〜1124を一端、下部電極1132を共通の他端とする2個の圧電薄膜共振子R13〜R14が形成されている。これらの圧電薄膜共振子R11〜R14で利用する振動モードは、特に制限されず、バルク波の厚み縦振動及び厚みすべり振動等から選択することができる。
○キャビティ形成膜;
キャビティ形成膜114は、絶縁材料を成膜することにより得られた絶縁体膜である。キャビティ形成膜114は、圧電体薄膜111の非励振領域E1Xの下面に形成され、圧電体薄膜111の励振領域E11〜E14をベース基板13から離隔させるキャビティC11〜C14を形成している。このようなスペーサとしての役割を有するキャビティ形成膜114により、圧電薄膜共振子R11〜R14の振動がベース基板13と干渉しなくなるので、圧電薄膜フィルタ1の特性を向上可能である。すなわち、圧電薄膜フィルタ1では、圧電体薄膜111の非励振領域E1Xに形成されたキャビティ形成膜114を介して圧電体薄膜119をベース基板13に接着することにより、圧電体薄膜111の励振領域E11〜E14を無規制の状態で空中に保持し、励振領域E11〜E14の上面及び下面が他の部分と接することがないようにしている。そして、圧電薄膜フィルタ1では、励振領域E11〜E14の上面及び下面を露出させることにより、従来の圧電薄膜デバイスで問題となっていた支持層92(図12及び図13)による特性の劣化を防止している。
キャビティ形成膜114は、絶縁材料を成膜することにより得られた絶縁体膜である。キャビティ形成膜114は、圧電体薄膜111の非励振領域E1Xの下面に形成され、圧電体薄膜111の励振領域E11〜E14をベース基板13から離隔させるキャビティC11〜C14を形成している。このようなスペーサとしての役割を有するキャビティ形成膜114により、圧電薄膜共振子R11〜R14の振動がベース基板13と干渉しなくなるので、圧電薄膜フィルタ1の特性を向上可能である。すなわち、圧電薄膜フィルタ1では、圧電体薄膜111の非励振領域E1Xに形成されたキャビティ形成膜114を介して圧電体薄膜119をベース基板13に接着することにより、圧電体薄膜111の励振領域E11〜E14を無規制の状態で空中に保持し、励振領域E11〜E14の上面及び下面が他の部分と接することがないようにしている。そして、圧電薄膜フィルタ1では、励振領域E11〜E14の上面及び下面を露出させることにより、従来の圧電薄膜デバイスで問題となっていた支持層92(図12及び図13)による特性の劣化を防止している。
キャビティ形成膜114を構成する絶縁材料は、特に制限されないが、二酸化ケイ素(SiO2)等の絶縁材料から選択することが望ましい。
<1.1.2 接着層>
接着層12は、圧電薄膜フィルタ1の製造途上で圧電体基板を除去加工するときに、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成された圧電体基板をベース基板13に接着固定する役割を有している。加えて、接着層12は、圧電薄膜フィルタ1の製造後に、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成され、上部電極1121〜1124が上面に形成された圧電体薄膜111をベース基板13に接着固定する役割も有している。したがって、接着層12には、圧電体基板を除去加工するときに加わる力に耐え得ることと、圧電薄膜フィルタ1の製造後にも接着力が低下しないこととが要請される。
接着層12は、圧電薄膜フィルタ1の製造途上で圧電体基板を除去加工するときに、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成された圧電体基板をベース基板13に接着固定する役割を有している。加えて、接着層12は、圧電薄膜フィルタ1の製造後に、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成され、上部電極1121〜1124が上面に形成された圧電体薄膜111をベース基板13に接着固定する役割も有している。したがって、接着層12には、圧電体基板を除去加工するときに加わる力に耐え得ることと、圧電薄膜フィルタ1の製造後にも接着力が低下しないこととが要請される。
このような要請を満足する接着層12の望ましい例としては、有機接着剤、望ましくは、充填効果を有し、接着対象が完全に平坦ではなくても十分な接着力を発揮するエポキシ接着剤(熱硬化性のエポキシ樹脂)およびアクリル接着剤(光硬化と熱硬化を併用するアクリル樹脂)により形成された接着層12を挙げることができる。このようなエポキシ樹脂を採用することにより、キャビティ形成膜114とベース基板13との間に期待しない空隙が生じることを防止し、当該空隙により圧電体基板の除去加工時にクラック等が発生することを防止可能である。ただし、このことは、これ以外の接着層12によってフィルタ部11とベース基板13とが接着固定されることを妨げるものではない。例えば、フィルタ部11のキャビティ形成膜114とベース基板13とが拡散接合層によって接着固定されるようにしてもよい。
<1.1.3 ベース基板>
ベース基板13は、圧電薄膜フィルタ1の製造途上で圧電体基板を除去加工するときに、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成された圧電体基板を接着層12を介して支持する支持体としての役割を有している。加えて、ベース基板13は、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成され、上部電極1121〜1124が上面に形成された圧電体薄膜111を接着層12を介して支持する支持体としての役割も有している。したがって、ベース基板13にも、圧電体基板を除去加工するときに加わる力に耐え得ることと、圧電薄膜フィルタ1の製造後にも強度が低下しないこととが要請される。
ベース基板13は、圧電薄膜フィルタ1の製造途上で圧電体基板を除去加工するときに、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成された圧電体基板を接着層12を介して支持する支持体としての役割を有している。加えて、ベース基板13は、下部電極1131〜1132及びキャビティ形成膜114が下面に形成され、上部電極1121〜1124が上面に形成された圧電体薄膜111を接着層12を介して支持する支持体としての役割も有している。したがって、ベース基板13にも、圧電体基板を除去加工するときに加わる力に耐え得ることと、圧電薄膜フィルタ1の製造後にも強度が低下しないこととが要請される。
ベース基板13の材料及び厚さは、このような要請を満足するように、適宜選択することができる。ただし、ベース基板13の材料を、圧電体薄膜111を構成する圧電材料と近い熱膨張率、より望ましくは、圧電体薄膜111を構成する圧電材料と同じ熱膨張率を有する材料、例えば、圧電体薄膜111を構成する圧電材料と同じ材料とすれば、圧電薄膜フィルタ1の製造途上において、熱膨張率の差に起因する反りや破損を抑制することができる。また、圧電薄膜フィルタ1の製造後において、熱膨張率の差に起因する特性変動や破損を抑制することができる。なお、熱膨張率に異方性がある材料を用いる場合、各方向の熱膨張率がともに同じとなるように配慮することが望ましい。
<2 第2実施形態>
<2.1 圧電薄膜フィルタの構成>
本発明の第2実施形態に係る圧電薄膜フィルタ2は、第1実施形態に係る圧電薄膜フィルタ1と類似の構成を有しているが、キャビティの形成方法が圧電薄膜フィルタ1と相違している。
<2.1 圧電薄膜フィルタの構成>
本発明の第2実施形態に係る圧電薄膜フィルタ2は、第1実施形態に係る圧電薄膜フィルタ1と類似の構成を有しているが、キャビティの形成方法が圧電薄膜フィルタ1と相違している。
すなわち、圧電薄膜フィルタ2に含まれる1個の圧電薄膜共振子R21に着目して説明すれば、図5の断面模式図に示すように、圧電薄膜フィルタ2は、上部電極1121、圧電体薄膜111、下部電極1131、接着層12及びベース基板13に相当する上部電極2121、圧電体薄膜211、下部電極2131、接着層22及びベース基板23を備えている。また、圧電薄膜フィルタ2では、圧電体薄膜211がベース基板23と平行に対向した状態となるようするために、ダミー電極となる下部電極2135が圧電体薄膜211の下面に成膜されている。
しかし、圧電薄膜フィルタ2は、キャビティ形成膜114に相当する構成を有しておらず、その代わりに、圧電薄膜フィルタ2では、圧電体薄膜211の励振領域E21に対向するベース基板23の所定の領域に、キャビティC21を形成する陥没(凹部)S21を形成し、圧電薄膜共振子R21の振動がベース基板23と干渉しないようにしている。すなわち、圧電薄膜フィルタ2では、圧電体薄膜211の励振領域E21に対向するベース基板23の所定の領域に陥没S21を形成し、圧電体薄膜211の非励振領域E2Xをベース基板23に接着することにより、圧電体薄膜211の励振領域E21を無規制の状態で空中に保持し、励振領域E21の上面及び下面が他の部分と接することがないようにしている。そして、圧電薄膜フィルタ2では、励振領域E21の上面及び下面を露出させることにより、従来の圧電薄膜デバイスで問題となっていた支持層92(図12及び図13)による特性の劣化を防止している。
圧電薄膜フィルタ2でも、圧電体薄膜211の膜厚が励振領域E21及び非励振領域E2Xで一定となっている。このため、圧電薄膜フィルタ2は、周波数低下型のエネルギー閉じ込めに適した構造を有している。
<3 第3実施形態>
<3.1 圧電薄膜フィルタの構成>
本発明の第3実施形態に係る圧電薄膜フィルタ3は、第1実施形態に係る圧電薄膜フィルタ1と類似の構成を有しているが、キャビティの形成方法が圧電薄膜フィルタ1と相違している。
<3.1 圧電薄膜フィルタの構成>
本発明の第3実施形態に係る圧電薄膜フィルタ3は、第1実施形態に係る圧電薄膜フィルタ1と類似の構成を有しているが、キャビティの形成方法が圧電薄膜フィルタ1と相違している。
すなわち、圧電薄膜フィルタ3に含まれる1個の圧電薄膜共振子R31に着目して説明すれば、図6の断面模式図に示すように、圧電薄膜フィルタ3は、上部電極1121、圧電体薄膜111、下部電極1131、接着層12及びベース基板13に相当する上部電極3121、圧電体薄膜311、下部電極3131、接着層32及びベース基板33を備えている。
しかし、圧電薄膜フィルタ3は、キャビティ形成膜114に相当する構成を有しておらず、その代わりに、圧電薄膜フィルタ3では、圧電体薄膜311の励振領域E31の下面に、キャビティC31を形成する陥没(凹部)S31を形成し、圧電薄膜共振子R31の振動がベース基板33と干渉しないようにしている。すなわち、圧電薄膜フィルタ3では、圧電体薄膜311の励振領域E31に陥没S31を形成し、圧電体薄膜311の非励振領域E3Xをベース基板33に接着することにより、圧電体薄膜311の励振領域E31を無規制の状態で空中に保持し、励振領域E31の上面及び下面が他の部分と接することがないようにしている。そして、圧電薄膜フィルタ3では、励振領域E31の上面及び下面を露出させることにより、従来の圧電薄膜デバイスで問題となっていた支持層92(図12及び図13)による特性の劣化を防止している。
圧電薄膜フィルタ3では、励振領域E31の膜厚が非励振領域E3Xよりも薄い。このため、圧電薄膜フィルタ3は、周波数上昇型のエネルギー閉じ込めに適した構造を有している。
以下では、本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る実施例1〜実施例3と本発明の範囲外の比較例1とについて説明する。
[実施例1]
本発明の第1実施形態に係る実施例1では、圧電体薄膜111及びベース基板13を構成する圧電材料としてニオブ酸リチウムの単結晶、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132を構成する導電材料としてアルミニウム、キャビティ形成膜114を構成する絶縁材料として二酸化ケイ素及び接着層12を構成する材料としてエポキシ接着剤を用いて圧電薄膜フィルタ1を作製した。
本発明の第1実施形態に係る実施例1では、圧電体薄膜111及びベース基板13を構成する圧電材料としてニオブ酸リチウムの単結晶、上部電極1121〜1124及び下部電極1131〜1132を構成する導電材料としてアルミニウム、キャビティ形成膜114を構成する絶縁材料として二酸化ケイ素及び接着層12を構成する材料としてエポキシ接着剤を用いて圧電薄膜フィルタ1を作製した。
実施例1の圧電薄膜フィルタ1は、図7の断面模式図に示すように、製造原価の低減のために、多数の圧電薄膜フィルタ1を一体化した集合体U11を作製した後に、集合体U11をダイシングソーで切断して個々の圧電薄膜フィルタ1へ分離することによって得られている。なお、図7には、3個の圧電薄膜フィルタ1が集合体U11に含まれる例が示されているが、集合体U11に含まれる圧電薄膜フィルタ1の数は、4個以上であってもよく、典型的に言えば、集合体U11には、数100個〜数1000個の圧電薄膜フィルタ1が含まれる。
続いて、図8及び図9を参照しながら、実施例1の圧電薄膜フィルタ1の製造方法を説明する。以下では、便宜上、集合体U11に含まれる2個の圧電薄膜共振子R11〜R12に着目して説明を進めるが、集合体U11に含まれる他の圧電薄膜共振子も圧電薄膜共振子R11〜R12と同時平行して製造されている。
図8を参照して、最初に、厚み0.5mm、直径3インチのニオブ酸リチウムの単結晶の円形ウエハ(36度カットY板)を圧電体基板15及びベース基板13として準備した。
そして、圧電体基板15の一方の主面の全面に厚み1000オングストロームのアルミニウムの膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いて、エッチングにより下部電極1131のパターニングを行った[下部電極作製工程]。
続いて、圧電体基板15の、下部電極1131が形成された主面の全面に厚み1μmの二酸化ケイ素の膜114aをスパッタリングにより成膜し[SiO2成膜工程]、フッ酸を用いたウエットエッチングにより、圧電体薄膜111において励振領域E11〜E12となる圧電体基板15の所定の領域に成膜された二酸化ケイ素の膜を除去した。これにより、圧電体薄膜111において非励振領域E1Xとなる圧電体基板15の所定の領域に、キャビティC11〜C12を形成するキャビティ形成膜114が形成されたことになる[キャビティ形成工程]。
下部電極作製工程、SiO2成膜工程及びキャビティ形成工程で作製された部材P11を裏返して図示する図9を参照して、ベース基板13の一方の主面の全面に接着層12となるエポキシ接着剤を塗布し、ベース基板13のエポキシ接着剤が塗布された主面と、部材P11のキャビティ形成膜114とを張り合わせた。そして、ベース基板13及び圧電体基板15に圧力を印加してプレス圧着を行い、接着層12の厚みを0.5μmとした。しかる後に、張り合わせたベース基板13及び部材P11を200℃の環境下で1時間放置してエポキシ接着剤を硬化させ、ベース基板13と部材P11のキャビティ形成膜114とを接着した[接着工程]。これにより、部材P11はベース基板13に接着され、圧電体薄膜111において励振領域E11〜E12となる圧電体基板15の所定の領域の下方には、横50μm×縦100μmの長方形形状を有し、深さが約1μmのキャビティC11〜C12が形成された。
ベース基板13と部材P11との接着固定が完了した後、部材P11をベース基板13に接着固定した状態を維持したまま、ベース基板13の他方の主面を炭化ケイ素(SiC)で作製した研磨治具に接着固定し、圧電体基板15の他方の主面を固定砥粒の研削機で研削加工し、圧電体基板15の厚みを50μmまで薄肉化した。さらに、圧電体基板15の他方の主面をダイヤモンド砥粒で研磨加工し、圧電体基板15の厚みを2μmまで薄肉化した。最後に、ダイヤモンド砥粒による研磨加工で圧電体基板15に生じた加工変質層を除去するために、遊離砥粒及び不繊布系研磨パッドを使用して圧電体基板15の仕上げ研磨を行い、厚みが1.00μm±0.01μmの圧電体薄膜111を得た[除去加工工程]。
さらに、圧電体薄膜111の研磨面を有機溶剤で洗浄し、研磨面の全面に厚み1000オングストロームのアルミニウムの膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いて、エッチングにより上部電極1121〜1122のパターニングを行った[上部電極作製工程]。
このようにして得られた圧電薄膜フィルタ1において、圧電薄膜共振子R11の周波数インピーダンス特性を測定して、厚み縦振動の振動応答を評価したところ、共振周波数1.95GHz、反共振周波数2.10GHz及び機械的品質係数980が得られた。また、1.90GHz〜2.20GHzの範囲内において、副共振に起因するスプリアスが観察された。なお、共振周波数の−20℃〜80℃における温度特性を周波数温度係数で評価したところ、70ppm/℃であった。
[実施例2]
本発明の第2実施形態に係る実施例2では、SiO2成膜工程及びキャビティ形成工程を実行する代わりに、圧電体薄膜211の励振領域E21に対向するベース基板23の所定の領域に、キャビティC21を形成する陥没S21を接着工程に先立って形成した点が、実施例1と異なっている。
本発明の第2実施形態に係る実施例2では、SiO2成膜工程及びキャビティ形成工程を実行する代わりに、圧電体薄膜211の励振領域E21に対向するベース基板23の所定の領域に、キャビティC21を形成する陥没S21を接着工程に先立って形成した点が、実施例1と異なっている。
陥没S21の形成を行う陥没形成工程について、図10の断面模式図を参照しつつ説明すると、まず、ベース基板23の一方の主面の全面に厚み2μmのモリブデンの膜をスパッタリングにより成膜し、フォトリソグラフィ及びウエットエッチングにより陥没S21を形成すべき部分のみベース基板23を露出させ残余の部分を被覆するマスクパターンM21を形成した[マスクパターン形成工程]。
しかる後に、60℃に加熱したフッ酸を用いてベース基板23のエッチングを行い、横50μm×縦100μmの長方形形状を有し、深さが約1μmの陥没S21をベース基板23に形成した[エッチング工程]。
このようにして得られた圧電薄膜フィルタ2において、圧電薄膜共振子R21の周波数インピーダンス特性を測定して、厚み縦振動の振動応答を評価したところ、共振周波数1.95GHz、反共振周波数2.10GHz及び機械的品質係数980が得られた。また、1.90GHz〜2.20GHzの範囲内において、副共振に起因するスプリアスが観察された。なお、共振周波数の−20℃〜80℃における温度特性を周波数温度係数で評価したところ、70ppm/℃が得られた。
[実施例3]
本発明の第3実施形態に係る実施例3では、SiO2成膜工程及びキャビティ形成工程を実行する代わりに、圧電体薄膜311において励振領域E31となる圧電体基板35の所定の領域に、キャビティC31を形成する陥没(凹部)S31を下部電極作成工程に先立って形成した点が、実施例1と異なっている。
本発明の第3実施形態に係る実施例3では、SiO2成膜工程及びキャビティ形成工程を実行する代わりに、圧電体薄膜311において励振領域E31となる圧電体基板35の所定の領域に、キャビティC31を形成する陥没(凹部)S31を下部電極作成工程に先立って形成した点が、実施例1と異なっている。
陥没S31の形成を行う陥没形成工程について、図11の断面模式図を参照しつつ説明すると、まず、圧電体基板35の一方の主面の全面に厚み1μmの金の膜をスパッタリングにより成膜し、フォトリソグラフィ及びウエットエッチングにより陥没S31を形成すべき部分のみ圧電体基板35を露出させ残余の部分を被覆するマスクパターンM31を形成した[マスクパターン形成工程]。
しかる後に、60℃に加熱したフッ酸を用いて圧電体基板35のエッチングを行い、横50μm×縦100μmの長方形形状を有し、深さが約1μmの陥没S31を圧電体基板35に形成した[エッチング工程]。
このようにして得られた圧電薄膜フィルタ3において、圧電薄膜共振子R31の周波数インピーダンス特性を測定して、厚み縦振動の振動応答を評価したところ、共振周波数1.95GHz、反共振周波数2.15GHz及び機械的品質係数980が得られた。また、1.90GHz〜2.20GHzの範囲内において、副共振に起因するスプリアスは観察されなかった。
[比較例1]
比較例1では、図12に示す断面構造を有する圧電薄膜フィルタを作製した。当該圧電薄膜フィルタの作製においては、まず、厚み0.5mmのシリコン(Si)単結晶(111面)の3インチウエハをベース基板91として、ベース基板91の一方の主面の全面に厚み1μmの窒化珪素の膜をスパッタリングにより成膜した。次に、窒化珪素膜上に厚み1000オングストロームのアルミニウムの膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いて、エッチングにより下部電極93のパターニングを行った。
比較例1では、図12に示す断面構造を有する圧電薄膜フィルタを作製した。当該圧電薄膜フィルタの作製においては、まず、厚み0.5mmのシリコン(Si)単結晶(111面)の3インチウエハをベース基板91として、ベース基板91の一方の主面の全面に厚み1μmの窒化珪素の膜をスパッタリングにより成膜した。次に、窒化珪素膜上に厚み1000オングストロームのアルミニウムの膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いて、エッチングにより下部電極93のパターニングを行った。
続いて、下部電極93の上に、厚み1μmのニオブ酸リチウムの膜をスパッタリングにより成膜し、c軸配向の多結晶の圧電体薄膜94を得た。
さらに続いて、圧電体薄膜94の上に、厚み1000オングストロームのアルミニウムの膜をスパッタリングにより成膜し、一般的なフォトリソグラフィプロセスを用いて、エッチングにより下部電極95のパターニングを行った。
一方、ベース基板91の他方の主面にクロムの膜をスパッタリングにより成膜し、フォトリソグラフィ及びウエットエッチングによりキャビティC91を形成すべき部分のみベース基板91を露出させ残余の部分を被覆するマスクパターンを形成した。
しかる後に、60℃に加熱したフッ酸を用いてベース基板91のエッチングを行い、横50μm×縦100μmの長方形形状を有するキャビティC91をベース基板91に形成した。
このようにして得られた圧電薄膜フィルタにおいて、圧電薄膜共振子の周波数インピーダンス特性を測定して、厚み縦振動の振動応答を評価したところ、共振周波数1.95GHz、反共振周波数2.00GHz及び機械的品質係数240が得られた。
上述の説明から明らかなように、実施例1〜実施例3では、共振周波数と反共振周波数との差が、比較例1の50MHzから150MHz〜200MHzへと大幅に上昇しており、電気機械結合係数の大幅な上昇を実現できている。また、実施例1〜実施例3では、機械的品質係数が比較例1の240から980へと大幅に上昇している。特に、実施例3では、エネルギー閉じ込めにより、副共振に起因するスプリアスを抑制することに成功している。
1〜3 圧電薄膜フィルタ
11 フィルタ部
12,22,32 接着層
13,23,33 ベース基板
14 圧電体基板
1121〜1124,2121,3121 上部電極
1131〜1132,2131,2135,3131 下部電極
111,211,311 圧電体薄膜
114 キャビティ形成膜
C11〜C12,C21,C31 キャビティ
E11〜E14,E21,E31 励振領域
R11〜R14,R21,R31 圧電薄膜共振子
S21,S31 陥没
11 フィルタ部
12,22,32 接着層
13,23,33 ベース基板
14 圧電体基板
1121〜1124,2121,3121 上部電極
1131〜1132,2131,2135,3131 下部電極
111,211,311 圧電体薄膜
114 キャビティ形成膜
C11〜C12,C21,C31 キャビティ
E11〜E14,E21,E31 励振領域
R11〜R14,R21,R31 圧電薄膜共振子
S21,S31 陥没
Claims (4)
- 単数又は複数の圧電薄膜共振子を含む圧電薄膜デバイスであって、
圧電体薄膜と、
前記圧電体薄膜を含む所定の部材を支持する支持体と、
を備え、
前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持していることを特徴とする圧電薄膜デバイス。 - 請求項1に記載の圧電薄膜デバイスにおいて、
前記圧電体薄膜の非励振領域に形成されたスペーサを介して前記圧電体薄膜を前記支持体に接着することにより、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持していることを特徴とする圧電薄膜デバイス。 - 請求項1に記載の圧電薄膜デバイスにおいて、
前記圧電体薄膜の励振領域に陥没を形成し、前記圧電体薄膜の非励振領域を前記支持体に接着することにより、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持していることを特徴とする圧電薄膜デバイス。 - 請求項1に記載の圧電薄膜デバイスにおいて、
前記圧電体薄膜の励振領域に対向する前記支持体の所定の領域に陥没を形成し、前記圧電体薄膜の非励振領域を前記支持体に接着することにより、前記圧電体薄膜の励振領域を無規制の状態で空中に保持していることを特徴とする圧電薄膜デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006047822A JP2007228320A (ja) | 2006-02-24 | 2006-02-24 | 圧電薄膜デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006047822A JP2007228320A (ja) | 2006-02-24 | 2006-02-24 | 圧電薄膜デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007228320A true JP2007228320A (ja) | 2007-09-06 |
Family
ID=38549668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006047822A Pending JP2007228320A (ja) | 2006-02-24 | 2006-02-24 | 圧電薄膜デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007228320A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011139295A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Ngk Insulators Ltd | 障害物の超音波検知デバイス |
-
2006
- 2006-02-24 JP JP2006047822A patent/JP2007228320A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011139295A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Ngk Insulators Ltd | 障害物の超音波検知デバイス |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4811924B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4627269B2 (ja) | 圧電薄膜デバイスの製造方法 | |
JP4804169B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4877966B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4963193B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP5027534B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP2009005143A (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP2007243521A (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP5047660B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4804168B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4963229B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP5073329B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP5020612B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4828966B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP2007228320A (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP2007282192A (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP2007228321A (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4811931B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP4739068B2 (ja) | 圧電薄膜デバイス | |
JP2008236633A (ja) | 圧電薄膜デバイス |