JP2008238106A - 排ガス処理用触媒および排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用触媒および排ガス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、排ガス中の有機化合物を分解除去するに好適な触媒、およびこの触媒を用いた排ガスの処理方法に関するものであり、詳しくは、PtやPdなどの貴金属を2種以上担持した触媒であって、高い触媒活性を示し、しかも耐久性に優れた排ガス処理用触媒、およびこの触媒を用いた排ガス処理方法を提供するものである。
【解決手段】本発明は、この排ガス処理用触媒は、タングステン含有無機酸化物担体と該担体に担持してなるPt、Pd、Rh、Ru、IrおよびAuから選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排ガス処理用触媒および排ガス処理方法に関し、詳しくはタングステン含有無機酸化物担体とこれに担持した白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)および金(Au)から選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有する、排ガス中の有機化合物を分解除去するに好適な触媒、およびこの触媒を用いた排ガスの処理方法に関する。
アルミナ、チタニアなどの無機酸化物担体にPt、Pdなどの1種または2種以上の貴金属を担持した触媒を用いて、排ガス中に含まれる有害物質を分解除去することは一般によく知られている。
例えば、特開2001−129400号公報(特許文献1)には、アルミナ担体にPtとPdとを担持した触媒を用いて、排ガス中の低濃度炭化水素を酸化分解することが記載されている。
特開2001−129400号公報
本発明者らは、アルミナ、チタニアなどの無機酸化物担体にPt、Pdなどの貴金属を2種以上担持した触媒について検討したところ、貴金属を2種以上組み合わせて担体に担持した触媒は、組合せによる相乗効果により、貴金属をそれぞれ単独で担持した触媒を2種以上混合して使用する場合に比べて、触媒活性や耐久性が向上する例は多いものの、工業的に使用するには、なお改善の余地があることがわかった。
かくして、本発明の目的は、PtやPdなどの貴金属を2種以上担持した触媒であって、高い触媒活性を示し、しかも耐久性に優れた排ガス処理用触媒、およびこの触媒を用いた排ガス処理方法を提供することにある。
本発明者らの研究によれば、例えば、無機酸化物担体にPtとPdとを担持した触媒においては、使用の過程でPtとPdとのそれぞれの粒子の凝集が不可避的に発生し、PtとPdとからなる貴金属粒子(以下、Pt−Pd粒子と表記する。)が生成するが、従来のアルミナなどの担体にPtとPdとを担持した触媒においては、このPt−Pd粒子中のPtとPdとが均一に存在しないため、PtとPdとによりもたらされる相乗効果が損なわれ、長期にわたり安定して高い触媒性能を発揮できないことがわかった。
そこで、本発明者らはさらに研究を進めたところ、タングステンなどを含む担体にPtとPdとを担持して得られる触媒においては、Pt粒子とPd粒子とが凝集しても、生成するPt−Pd粒子中のPtとPdとは実質的に均一であり、そのため、PtとPdとによりもたらされる相乗効果が実質的に損なわれることがなく、長期にわたり安定して高い触媒活性が保持されることをわかった。
本発明は、上記のような知見により完成されたものであり、次のとおりである。
(1)タングステン含有無機酸化物担体と該担体に担持してなる白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金から選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有することを特徴とする排ガス処理用触媒。
(2)タングステン含有無機酸化物担体と該担体に担持してなる白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金から選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有する排ガス処理用触媒であって、空気雰囲気下、800℃にて150時間加熱処理した後の貴金属粒子において、該貴金属粒子を構成する貴金属が実質的に均一に存在することを特徴とする排ガス処理用触媒。
(3)10個の貴金属粒子を選択し、各貴金属粒子の5点における、該貴金属粒子を構成する貴金属の原子比を測定したとき、合計50点における貴金属の原子比の標準偏差が8以下である上記(2)の排ガス処理用触媒。
(4)タングステン含有無機酸化物担体がタングステンとアルミニウム、セリウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種とを含有する上記(1)ないし(3)のいずれかの排ガス処理用触媒。
(5)タングステン含有無機酸化物担体がさらにイットリウム、ランタンおよびプラセオジムから選ばれる少なくとも1種を含有する上記(4)の排ガス処理用触媒。
(6)有機化合物を含む排ガスを、上記(1)ないし(5)のいずれかの触媒に接触させて、排ガス中の有機化合物を分解することを特徴とする排ガス処理方法。
(7)有機化合物が炭素数1〜6の有機化合物である上記(6)の排ガス処理方法。
本発明の触媒は、排ガス中の有機化合物の分解効率が高く、しかも耐久性に優れたものである。したがって、本発明の触媒を用いることにより、排ガス中の有機化合物を高効率で、長期にわたり安定して分解除去することができる。
本発明で用いるタングステン含有無機酸化物担体とは、その成分の少なくとも一つとしてタングステン(W)を酸化物の形態で含有するものを意味する。具体的には、例えば、タングステン酸化物(WO、W、WOなど)、あるいはタングステン酸化物と、この種の無機酸化物担体に一般に用いられている金属元素の酸化物とを含有するものを挙げることができる。なかでも、タングステン酸化物と、Al、CeおよびZrから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物とを含有するものが好適に用いられる。これらのなかでも、CeとZrとの少なくとも一部が複合酸化物または固溶体を形成しているものが好ましい。
Wと、Al、CeおよびZrから選ばれる少なくとも1種の元素とに加えて、さらに、Y、LaおよびPrから選ばれる少なくとも1種、特にLaを酸化物の形態で含有するものが好適に用いられる。なかでも、CeとZrとY、LaおよびPrから選ばれる少なくとも1種とを含み、これらの少なくとも一部が複合酸化物または固溶体を形成しているものが好ましい。
以下、CeとZrとの複合酸化物または固溶体をCe−Zr複合酸化物と表示する。また、CeとZrとY、LaまたはPrとを含み、これらが複合酸化物または固溶体を形成しているものをCe−Zr−La複合酸化物などと表示する。
タングステン含有無機酸化物担体の具体例としては、(1)W酸化物、(2)W/Al酸化物(W酸化物とAl酸化物とから構成される;以下、同じ。)、W/Zr酸化物、W/Ce酸化物の二元系酸化物、(3)W/Al/Ce酸化物、W/Al/Zr酸化物、W/Ce/Zr酸化物の三元系酸化物、(4)W/Al/Ce/Zr酸化物の四元系酸化物、(5)W/Al/Ce−Zr複合酸化物、(6)W/Al/Ce/Zr/Y酸化物、W/Al/Ce/Zr/La酸化物、W/Al/Ce/Zr/Pr酸化物の五元系酸化物、(7)W/Al/(Ce−Zr−La複合酸化物)酸化物、W/Al/(Ce−Zr−Y複合酸化物)酸化物、W/Al/(Ce−Zr−Pr複合酸化物)酸化物などが挙げられる。
上記のなかでも、(5)、(6)および(7)が好適に用いられる。
タングステンの原料としては、酸化タングステンのほかに、焼成によって酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いることができる。具体的には、例えば、タングステンの水酸化物、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などを用いることができる。
アルミニウムの原料としては、α−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナなど任意のアルミナを使用することができる。なかでも、比表面積の大きいγ−アルミナが好適に用いられる。
そのほか、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、ランタンおよびプラセオジムの原料としては、それぞれの酸化物のほかに、焼成によって酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いることができる。具体的には、例えば、各金属の水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、ゾル状溶液、コロイド溶液などを用いることができる。
本発明のタングステン含有無機酸化物担体の調製方法について、W、Al、CeおよびZrを含有し、しかも、CeとZrとがCe−Zr複合酸化物の形態で含まれている担体を例に挙げて説明する。
最初にCe−Zr複合酸化物の調製方法について説明するに、このCe−Zr複合酸化物自体は公知であり、一般に知られている方法に従って調製することができ、その調製方法は特に限定されない。例えば、固相法、アルコキシド法、共沈法、気相法などが用いられる。また、ジルコニウム酸化物にセリウム塩を含む水溶液を加え、混合した後、乾燥、焼成して調製することもできる。この焼成の際の温度は、400〜1000℃とするのが好ましい。Ce−Zr複合酸化物が形成されていることは、X線回折図において、セリウム酸化物の結晶ピークが認められないことによって確認することができる。また、Ce−Zr複合酸化物のBET比表面積は10m/g以上、好ましくは30m/g以上である。
次に、上記Ce−Zr酸化物粉体にタングステン酸化物粉体およびアルミニウム酸化物粉体を加え、混合、粉砕した後、一般に用いられている成型法に従って所望の形状に成型するか、あるいは上記混合物のスラリーを調製し、これを、例えば、セラミック製ハニカム成型体に塗布して、担体とすることができる。
W、Al、CeおよびZrからなる担体中のWの含量は、WOとして、0.5〜40質量%、好ましくは1〜40質量%である。タングステン含量が0.5質量%未満ではタングステンと貴金属との相互作用が弱まるため、得られる触媒について、十分な活性が得られず、一方、40質量%を超えると比表面積の低下などにより貴金属の分散性が低下し、触媒活性が低下する。
また、上記担体中のCeおよびZrの合計含量(それぞれ、CeOおよびZrOとして)は、1〜80質量%、好ましくは1〜40質量%である。合計含量が1質量%未満では十分な酸素吸蔵放出(OSC)機能が得られず、一方、40質量%を超えると逆に触媒活性が低下するおそれがある。なお、両者の割合については、CeO:ZrO=1:8〜1:1、好ましくは1:5〜1:1(質量比)である。
また、上記担体中のアルミニウムの含量は、Alとして、5〜98.5質量%、好ましくは10〜98.5質量%である。5質量%未満では、得られる触媒の比表面積が低下するため好ましくない。また、98.5質量%を超えると得られる触媒の活性が低下するおそれがある。
W、Al、Ce、Zrと、Y、LaおよびPrから選ばれる少なくとも1種、例えば、Laとを含有し、しかも、CeとZrとLaがCe−Zr−La複合酸化物の形態で含まれている担体の場合、上記Ce−Zr複合酸化物と同様にして調製することができる。具体的には、例えば、ジルコニウム酸化物にセリウム塩およびランタン塩を含む水溶液を加え、混合した後、乾燥、焼成すればよい。この焼成の際の温度は、400〜1000℃とするのが好ましい。Ce−Zr−La複合酸化物が形成されていることは、X線回折図においてセリウムとランタンとの酸化物のピークが認められないことにより確認することができる。
上記担体中の、Y、LaおよびPrから選ばれる少なくとも1種(X)の含有量は、Xの酸化物とZr酸化物とが、Xの酸化物:ZrO=1:1.5〜1:60、好ましくは1:1.5〜1:40となるように決定するのがよい。
なお、Ce−Zr−La複合酸化物などの複合酸化物は市販されており、市販のものをそのまま用いることもできる。
本発明の触媒は、上記タングステン含有無機酸化物担体にPt、Pd、Rh、Ru、IrおよびAuから選ばれる少なくとも2種の貴金属を担持することにより得られる。これら貴金属のなかでも、Pt、PdおよびRhから選ばれる少なくとも2種を適宜組み合わせて用いるのが好ましく、特にPtおよびPdの組合せが好適に用いられる。
担持方法には、特に制限はなく、無機酸化物担体に貴金属を担持するのに一般に用いられている含浸や浸漬などの方法に従って担持することができる。貴金属原料としては、貴金属の硝酸塩、ハロゲン化物、アンモニウム塩、アンミン錯体、ジニトロアンミン塩、水酸化物などの溶液(例えば、水溶液)またはコロイド溶液(例えば、コロイド水溶液)が挙げられる。なかでも、貴金属のアンミン錯体、水酸化物などの塩基性水溶液が好適に用いられる。
貴金属の担持量は、触媒の全質量基準(但し、セラミックハニカムなどに担持するときは、このセラミックハニカムを除く。)で、0.02〜5質量%、好ましくは0.02〜3質量%、より好ましくは0.1〜2.5質量%である。担持量が少なすぎると触媒活性が低下し、一方、5質量%を超えて担持しても、それに見合った触媒活性の向上は望めず、かえって原料コストが増大する。
触媒の形態としては、通常、排ガス処理用触媒として用いられるものであればいずれでもよく、例えば、ハニカム状、板状、波板状、球状、円柱状、円筒状のものなどが用いられ、そのまま所望の形状に成型してもよく、また、コージェライトやアルミナ、ゼオライトなどの成型体にウォッシュコートしてもよい。特に、ハニカム成形体にウォッシュコート、または球状であることが好ましい。
本発明の触媒は、高い触媒活性と優れた耐久性とを示す。その理由は、上述したとおり、例えば、PtとPdとを、タングステン含有無機酸化物に担持したとき、触媒の使用の過程でPt粒子とPd粒子とが凝集しても、生成するPt−Pd粒子中のPtとPdとの原子比はほぼ同一であり、そのため、PtとPdとによる相乗効果が十分に発揮されるからである。
本発明の触媒を空気雰囲気下、800℃にて150時間加熱処理した後に、触媒表面を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−2100F)で撮影し、この写真(TEM写真)の貴金属粒子について、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDS)を行い、各粒子を構成する貴金属の原子比を求めると、その原子比は実質的に同一であることがわかる。具体的に、PtとPdの2種の貴金属を用いた場合について説明すると、TEM写真から任意の10個のPt−Pd粒子を選び、その粒子表面の任意の5点についてEDS分析を行い、各点におけるPtとPdの量を測定し、式:A/(A+B)(×100)(ここで、AはPtの量、またBはPdの量を示す。)に従って原子比を求め、その標準偏差を算出すると、標準偏差は8以下の範囲にある。なお、3種の貴金属を用いる場合は、[A/(A+B+C)](×100)(ここで、AはPtの量、BはPdの量、またCは第三の貴金属の量を示す。)の式が用いられる。
上記のように、本発明の「原子比」とは、上記の式:A/(A+B)(×100)、または[A/(A+B+C)](×100)(A、BおよびCは上記のとおりであり、いずれの場合もPtの量が分子となる。)に従って求めたものである。なお、Ptを含まない場合は、他の主たる貴金属を分子とする。
また、本発明の「標準偏差」は次のようにして算出した。すなわち、各点におけるPtとPdの量の数値としては、実測値(小数三位までの数値)の小数二位を四捨五入して得られる小数一位までの数値を用い、上記の式:A/(A+B)(×100)または[A/(A+B+C)](×100)から原子比を算出する。得られる数値の小数二位を四捨五入し、その小数一位までの数値をもって「原子比」とする。次に、この原子比の平均値を求め、その小数二位を四捨五入して得られる小数一位までの数値を平均値とする。そして、この平均値を用いて標準偏差を求めるが、得られる数値の小数二位を四捨五入し、小数一位までの数値をもって標準偏差とする。
上記のように、加熱処理により凝集した貴金属粒子の表面の任意の点における、この粒子を構成する貴金属の原子比が実質的に同一であることは、本発明の触媒においては、上記加熱処理後においても、貴金属粒子を構成する貴金属が実質的に均一に存在することを意味している。
本発明の触媒のなかでも、タングステン含有無機酸化物担体とこの担体に担持してなる白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金から選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有する排ガス処理用触媒であって、空気雰囲気下、800℃にて150時間加熱処理した後の貴金属粒子における、各貴金属粒子を構成する貴金属の原子比が実質的に一定であるものが好ましく、なかでも、上記加熱処理後に任意に選択された10個の貴金属粒子について、それぞれ、任意に選択された5点における、貴金属粒子を構成する貴金属の原子比の標準偏差が8以下、特に5以下のものが好ましい。
発明の触媒を用いて処理する排ガスとは、燃焼排ガス、化学品製造プラントや印刷、塗装などの工程から排出される排ガスである。特に、有機酸を含有する排ガスの処理に好適に用いられる。
この有機酸としては、ギ酸、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、酒石酸、フタル酸、マレイン酸などが挙げられるが、なかでも、本発明の触媒は、炭素数1〜6のカルボン酸、特に酢酸の分解除去に好適に用いられる。
処理対象とする各種排ガスの温度については、100〜700℃であることが好ましく、より好ましくは200〜700℃、更に好ましくは250〜700℃である。排ガス量は、空間速度で100〜100000Hr−1、好ましくは1000〜100000Hr−1である。
本発明の有利な実施態様を示している以下の実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。組成分析およびTEM−EDS分析は次のようにして行った。
<組成分析>
触媒組成の分析は、蛍光X線分析により、下記条件で行った。
分析装置:リガク製、RIX2000
分析時の雰囲気:真空
試料スピン速度:60rpm
X線源:Rh管球
<TEM−EDS分析>
TEM写真は下記装置を用いて撮影した。
装置:日本電子製 透過型電子顕微鏡(JEM−2100F)
加速電圧:200kV
また、EDS分析はSTEM(走査透過測定)により行った。すなわち、TEM像を観察しながら、貴金属粒子状の任意の点についてEDS分析を行い、薄膜近似法により元素含有量を算出した。
(実施例1)
<工程1>
γ−アルミナ粉体480g(比表面積=150m/g)、酸化セリウム60g(第一稀元素化学工業(株)製、比表面積=170m/g)、WO粉体60g(日本無機化学工業(株)製)、および硝酸水溶液400gを磁性ボールミルに投入し、混合、粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライトハニカム(1.0L、200セル/平方インチ(1インチ=2.5センチ))に付着させ、空気流にてセル内の余剰スラリーを除去した後、100℃で乾燥し、空気雰囲気下にて500℃で3時間焼成して、Al/Ce/W酸化物(Al:CeO:WO=80:10:10(質量比))コートハニカムを得た。コート量は100g/Lであった。
<工程2>
ヘキサアンミン白金水溶液とテトラアンミンパラジウム水溶液の混合溶液を、上記Al−Ce−W複合酸化物コートハニカムに室温にて30分間含浸させ、空気流にてセル内の余剰液を除去した後、100℃で乾燥し、空気雰囲気下にて500℃で3時間焼成して、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPd含有量は、それぞれ1.9質量%および1.0質量%(コージェライトハニカムを除く触媒の全質量基準;以下同じ。)であった。
得られた触媒をボックス型電気炉に入れ、空気雰囲気下、800℃で150時間加熱処理を施した。処理後の触媒のTEM写真を図1に示す。また、このTEM写真おいて任意に選択した10個の粒子に関し、1粒子あたり任意に選択した5点ずつ、合計50点についてEDS分析を行い、PtおよびPdを量を求めた。この量に基づいて算出した原子比とその平均値、標準偏差を表1、2に示す。標準偏差は表3にも記載した。
(実施例2)
<工程1>
実施例1の工程1において、酸化セリウムの代わりに、Ce−Zr複合酸化物(第一稀元素化学工業(株)製、CeO:ZrO(質量比)=16:84、比表面積=30m/g)を使用したこと以外は同様にして、Al/(Ce−Zr複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを得た。
<工程2>
実施例1の工程2において、Al/Ce/W酸化物コートハニカムの代わりに上記Al/(Ce−Zr複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを使用したこと以外は実施例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ1.9質量%および1.0質量%であった。実施例1と同様にして求めた標準偏差を表3に示す。
(実施例3)
<工程1>
実施例1の工程1において、酸化セリウムの代わりに、Ce−Zr−La複合酸化物(第一稀元素化学工業(株)製、CeO:ZrO:La(質量比)=30:50:20、比表面積=60m/g)を使用したこと以外は同様にして、Al/(Ce−Zr−La複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを得た。
<工程2>
実施例1の工程2において、Al/Ce/W酸化物コートハニカムの代わりに上記Al/(Ce−Zr−La複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを使用したこと以外は実施例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ1.9質量%および1.0質量%であった。
得られた触媒をボックス型電気炉に入れ、空気雰囲気下、800℃で150時間加熱処理を施した。以下、実施例1の工程2におけると同様に算出した、原子比とその平均値、標準偏差を表1、2に示す。標準偏差は表3にも記載した。
(実施例4)
<工程1>
実施例1の工程1において、酸化セリウムの代わりに、Ce−Zr−Y複合酸化物(第一稀元素化学工業(株)製、CeO:ZrO:Y(質量比)=30:50:20、比表面積=60m/g)を使用したこと以外は同様にして、Al/(Ce−Zr−Y複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを得た。
<工程2>
実施例1の工程2において、Al/Ce/W酸化物コートハニカムの代わりに上記Al/(Ce−Zr−Y複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを使用したこと以外は実施例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ1.9質量%および1.0質量%であった。以下、実施例1の工程2におけると同様に算出した標準偏差を表3に示す。
(実施例5)
<工程1>
実施例3の工程1と同様にして、Al/(Ce−Zr−La複合酸化物)/W酸化物コートハニカムを得た。
<工程2>
実施例3の工程2において、テトラアンミンパラジウム水溶液の代わりにヘキサアンミンロジウム三塩化物水溶液を使用したこと以外は実施例3の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ1.9質量%および1.0質量%であった。以下、実施例1の工程2におけると同様に算出した標準偏差を表3に示す。
(比較例1)
<工程1>
実施例1の工程1において、酸化セリウム、WO粉体を添加せず、硝酸水溶液を320gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、アルミナコートハニカムを得た。
<工程2>
実施例1の工程2において、Al/Ce/W酸化物コートハニカムの代わりに上記アルミナコートハニカムを使用したこと以外は実施例1の工程2と同様にして、完成触媒を得た。得られた触媒の組成を分析した結果、PtおよびPdの含有量はそれぞれ1.9質量%および1.0質量%であった。
得られた触媒をボックス型電気炉に入れ、空気雰囲気下、800℃で150時間加熱処理を施した。処理後の触媒のTEM写真を図2に示す。以下、実施例1の工程2におけると同様に算出した、原子比とその平均値、標準偏差を表1、2に示す。なお表2は表1の続きであり、表1と表2で計50個のデータを記載している。標準偏差は、表3にも記載した。
(実施例6)
実施例1〜5および比較例1の触媒に関し、空気雰囲気下、800℃にて150時間加熱処理する前の触媒とこの加熱処理を行った後の触媒について、下記の性能評価試験を行った。
<酢酸除去試験>
試験条件:
排ガス組成=酢酸:5000ppm、O :5%、N :バランス
反応器入口ガス温度=330℃
空間速度(STP)=40000Hr−1
酢酸除去率算出式:
酢酸除去率(%)=〔(反応器入口酢酸濃度)−(反応器出口酢酸濃度)〕/(反応器入口酢酸濃度)(×100)
結果を表3に示す。なお使用した各触媒の組成、標準偏差も併記している。
Figure 2008238106
Figure 2008238106
Figure 2008238106
実施例1で得られた触媒の表面を透過型電子顕微鏡で撮影して得られた図面代用写真である。 比較例1で得られた触媒の表面を透過型電子顕微鏡で撮影して得られた図面代用写真である。

Claims (7)

  1. タングステン含有無機酸化物担体と該担体に担持してなる白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金から選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有することを特徴とする排ガス処理用触媒。
  2. タングステン含有無機酸化物担体と該担体に担持してなる白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよび金から選ばれる少なくとも2種の貴金属とを含有する排ガス処理用触媒であって、空気雰囲気下、800℃にて150時間加熱処理した後の貴金属粒子において、該貴金属粒子を構成する貴金属が実質的に均一に存在することを特徴とする排ガス処理用触媒。
  3. 10個の貴金属粒子を選択し、各貴金属粒子の5点における、該貴金属粒子を構成する貴金属の原子比を測定したとき、合計50点における貴金属の原子比の標準偏差が8以下である請求項2記載の排ガス処理用触媒。
  4. タングステン含有無機酸化物担体がタングステンとアルミニウム、セリウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種とを含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の排ガス処理用触媒。
  5. タングステン含有無機酸化物担体がさらにイットリウム、ランタンおよびプラセオジムから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項4記載の排ガス処理用触媒。
  6. 有機化合物を含む排ガスを、請求項1ないし5のいずれかの触媒に接触させて、排ガス中の有機化合物を分解することを特徴とする排ガス処理方法。
  7. 有機化合物が炭素数1〜6の有機化合物である請求項6記載の排ガス処理方法。
JP2007085009A 2007-03-28 2007-03-28 有機酸含有排ガス処理用触媒および該排ガス処理方法 Active JP4700648B2 (ja)

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