JP2008237381A - 吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材を備え、該吸収体素材は、点在する点在部を有し、該点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高い吸収性物品。
【選択図】図3
Description
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
<<吸収性物品の全体構造>>
先ず、本実施形態の吸収性物品の一例として、生理用ナプキン(以下、吸収性物品1)を例に挙げ、該吸収性物品1の構成例について図1を用いて説明する。図1は、吸収性物品1の模式平面図である。図1には、矢印にて吸収性物品1の長手方向と幅方向とが示されている。以下の説明では、吸収性物品1が有する表面のうち、当該吸収性物品1の着用者の身体に接触する面を肌面と、下着に接触する面を反対面とする。また、着用時に着用者の前側に位置する端を前端、後側に位置する端を後端とする。なお、図1は、吸収性物品1の肌面側を示している。
次に、本実施形態の吸収体素材12の構造について、既述の図1と、図2及び図3とを用いて説明する。図2は、吸収体素材12の模式平面図であり、該吸収体素材12の肌面側を示している。図3は、点在部13の断面構造を示す図であり、図2のA−A’断面を示している。また、図2中、矢印にて吸収体素材12の長手方向と幅方向とが示されている。
次に、本実施形態の吸収性物品1の製造方法について図4を用いて説明する。図4は、吸収性物品1の製造フローを示す図である。
吸収性物品1の製造方法は、吸収体10を製造する吸収体製造ステップS100と、該吸収体製造ステップS100により製造された吸収体10と、表面シート20と、サイドシート25と、裏面シート30とを用いて吸収性物品1を製造するメイン製造ステップS200と、吸収性物品1を包装可能な状態とする包装前処理ステップS300と、吸収性物品1を包装する包装ステップS400とを有している。また、本実施形態では、吸収性物品1の各材料及び製造物がコンベア等の搬送装置によって搬送されながら、上記の各ステップが実行される。以下、吸収性物品1の製造フロー中、吸収体製造ステップS100の詳細について説明する。
吸収体製造ステップS100について図5乃至図9を用いて説明する。図5は、吸収体製造ステップS100のフロー図である。図6は、吸収体製造ステップS100において吸収体10が製造されていく過程を模式的に示した図である。図7は、粉砕パルプを集積して吸収体素材の基材15を形成するために用いられる『型』の一例としてのメッシュパターン48を示す図である。図8は、基材15に対してSAPを供給するために用いられる『ローラ』の一例としてのパターンローラ70を説明するための図である。当該図8には、パターンローラ70の正面図(上図)、該パターンローラ70のA−A’断面図(中図)、及び、該パターンローラ70の外周に設けられた窪み70aと基材15に設けられた穴部15aとの対応関係を示す図(下図)が示されている。図9は、吸収体素材12の変遷を示す図であり、基材15にSAPが供給された様子(上図)と、点在部13が形成される様子(中図)と、最終製品としての吸収性物品1内に吸収体素材12が薄葉紙11に被覆された状態で取り付けられている様子(下図)と、が示されている。
前記吸引装置の吸引によって、パターンローラ70の窪み70aに収容されていたSAPが基材15の穴部15aに吸い寄せられる際、図9の上図に示すように、当該吸引装置の吸引により、隣接部の上部(すなわち、反対面側にある部分)に集積した粉砕パルプも吸い寄せられる。これにより、前記隣接部の上部に集積された粉砕パルプの一部が穴部15a内に向けて脱離するようになる。換言すると、前記吸引装置の吸引圧が、粉砕パルプを脱離させ当該粉砕パルプが穴部15a内に供給されるように調整されている。そして、脱離した粉砕パルプは、穴部15a内でSAPと混合され、やがて該穴部15a内に集積するようになる。この結果、図9の中図に示すように、基材15から吸収体素材12が形成されるようになる。つまり、穴部15aに吸収体素材12の点在部13が形成されるようになる。なお、前記基材15の穴部15a以外の部分は吸収体素材12の連続部14となる。
本実施形態の吸収性物品1は、集積された粉砕パルプとSAPとを有する吸収体素材12を備え、該吸収体素材12は、点在する点在部13を有し、該点在部13における粉砕パルプの密集状態が該点在部13の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部13におけるSAPの体積占有率が該点在部13の周りにおける該体積占有率より高いことを特徴とする吸収性物品である。これにより、吸収性物品1における隆起の発生を抑制し、該吸収性物品1の着用者に異物感を与えることを防止することが可能になる。
以上、上記実施形態に基づき、主として本発明に係る吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。特に、本発明の実施形態は、上記の説明中に記載した数値、又は、各材料の材質に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、『吸収性繊維』の一例として粉砕パルプを説明したが、他の吸収性繊維として、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維などが用いられることとしてもよい。また、吸収体素材12中に、粉砕パルプやSAPの他、粒状消臭材、粒状抗菌材、粒状冷却材等が密集していてもよい。さらに、上記実施形態においては、『被覆部材』の一例としてティッシュ等の薄葉紙11を説明したが、他の被覆部材として、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維等から形成された織布又は不織布が用いられることとしてもよい。
10a 膨らみ部、10b 包囲部、
11 薄葉紙、12 吸収体素材、13 点在部、
14 連続部、14a 肉厚部、14b パルプ集積層、
15 基材、15a 穴部、20 表面シート、
20a 深溝部、25 サイドシート、30 裏面シート、
32 保持部、40 サクションドラム、
42 パルプ開繊装置、44 パルプ掻き取り機構、
46 パルプ供給ローラ、48 メッシュパターン、
48a 凸部、48b 凹部、50 薄葉紙供給ローラ、
60 サクションコンベア、62 薄葉紙屈曲部、
70 パターンローラ、70a 窪み、71 SAP供給機構、
72 SAPフィーダ、80 吸収体カッター
Claims (10)
- 集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材を備え、
該吸収体素材は、点在する点在部を有し、
該点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高いことを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載の吸収性物品において、
前記高吸収性樹脂が前記点在部内に分散していることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の吸収性物品において、
前記吸収体素材を被覆するための被覆部材が備えられていることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項3に記載の吸収性物品において、
前記吸収体素材と前記被覆部材とを一体化させるためのエンボス加工が、前記点在部及び該点在部の周りのうち、該点在部の周りに相当する位置のみに施されていることを特徴とする吸収性物品。 - 集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材であって、点在する点在部を備えた吸収体素材、を有する吸収性物品の製造方法であって、
前記点在部に相当する位置に穴部を有する前記吸収体素材の基材、を形成するための型であって、該基材中に前記穴部を設けるための凸部を該型の底部に備えている型、
の内に前記吸収性繊維を集積させて前記基材を取得するステップと、
前記基材から前記吸収体素材を得るために、各穴部内に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給するステップであって、
前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が前記点在部の周りにおける該密集状態より疎になり、かつ、前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が前記点在部の周りにおける該体積占有率より高くなるように、該吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給するステップと、
を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 請求項5に吸収性物品の製造方法において、
前記各穴部内に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給するステップは、
前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎になるように、前記基材の前記各穴部と隣接した部分から、当該部分に集積された前記吸収性繊維を脱離させ、該吸収性繊維を前記各穴部内に供給するとともに、
前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高くなるように、該高吸収性樹脂を前記各穴部内に供給するステップであることを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 請求項6に記載の吸収性物品の製造方法において、
前記各穴部内に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給するステップでは、
前記高吸収性樹脂を供給するために回転するローラであって、該ローラの外周上に点在した前記高吸収性樹脂を収容するための窪み、を有するローラ、
の下方に前記基材を通過させ、該基材の表面が該ローラの外周と対向している間に、各窪みに収容された高吸収性樹脂を前記各穴部内に供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 請求項7に記載の吸収性物品の製造方法において、
前記各窪みは円穴状の窪みであり、
前記外周上における前記窪みの点在パターンと、前記基材中における前記穴部の点在パターンとが対応しており、
前記各穴部内に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給するステップでは、
前記各窪みに収容された前記高吸収性樹脂を、当該各窪みと対応した位置にある前記穴部内に供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の吸収性物品の製造方法において、
前記各穴部内に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給するステップでは、
前記基材を吸引しながら該基材を載置するための吸引台、に該基材を載置した状態で、
該基材の前記吸引台と対向する面とは反対位置にある面側から、前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の吸収性物品の製造方法において、
該吸収体素材を被覆するための被覆部材により該吸収体素材を被覆するステップと、
該吸収体素材と前記被覆部材とを一体化させるためのエンボス加工を、前記点在部及び該点在部の周りのうち、該点在部の周りに相当する位置のみに施すステップと、
を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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