JP2003103740A - ペーパー層と繊維ウェブ層の複合体シート及びその製造方法、多機能トップシート、吸収体製品及びその製造方法、吸収性複合体シート及びその製造方法 - Google Patents
ペーパー層と繊維ウェブ層の複合体シート及びその製造方法、多機能トップシート、吸収体製品及びその製造方法、吸収性複合体シート及びその製造方法Info
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- JP2003103740A JP2003103740A JP2001297161A JP2001297161A JP2003103740A JP 2003103740 A JP2003103740 A JP 2003103740A JP 2001297161 A JP2001297161 A JP 2001297161A JP 2001297161 A JP2001297161 A JP 2001297161A JP 2003103740 A JP2003103740 A JP 2003103740A
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Abstract
機能複合体シートの提供及びそれを製造するための方法
の提供。 【解決手段】 ペーパー層と繊維ウェブ層とが互いに接
合された複合体シートにおいて、前記繊維ウェブ層は高
密度領域と低密度領域とからなり、かつペーパー層の表
面が平滑な面を形成し、繊維ウェブ層の表面が嵩高な面
を形成している。ペーパー層と繊維ウェブ層とを重ね合
わせて積層ウェブを形成し、ついで前記積層ウェブの所
望領域の厚さを周辺領域よりも薄くする表面形状賦型処
理を行って、薄く高密度な高密度領域と、これよりも厚
く低密度な低密度領域とを形成する。前記表面形状賦型
処理として、前記積層ウェブの加熱圧着、または前記ペ
ーパー層面、もしくは前記繊維ウェブ層面に、2.06
MPa以上の水流ビームあるいは水蒸気ビームを高圧噴
射することにより、両層の交絡接合および形状賦型を行
う。
Description
繊維ウェブ層の複合体シート及びその製造方法、多機能
トップシート、吸収体製品及びその製造方法、吸収性複
合体シート及びその製造方法に関する。
して、水で解繊し易いティッシュと繊維ウェブとを水流
交絡させた複合素材が知られている。例えばデュポン社
の“ソンタラ”(商品名)がこれに該当する。この複合
素材は、ポリエステルウェブにティッシュを組み合わせ
て、その両者の微細繊維を相互に交絡させた、組織の緻
密なバイオバリア性を備えた素材である。
クセル”(商品名)がある。これは、PPスパンボンド不
織布にパルプの微細繊維を交絡させたもので、疎水性の
コアに親水性の表面を賦与した、寸法安定性のよい複合
材料として高く評価されている。
ュペーパーと繊維ウェブを使用し、強い全面的な水流交
絡処理によりティッシュを解繊してペーパー状組織を完
全に破壊し、改めて合成繊維とパルプ微細繊維を均一に
共存、複合させ、その両繊維相互を交絡させた新しい組
織を形成させるところにその特徴がある。
ような従来の複合素材は、ティッシュを解繊してペーパ
ー状組織を完全に破壊し、改めて合成繊維とパルプ微細
繊維を均一に共存、複合させたものであるために、ペー
パーが有している特性がほとんど喪失しており、したが
って吸収体製品の主要構成成分である表面トップシート
あるいは吸収体の基材として適用した場合、ペーパーの
持つ平滑性や浸透、拡散性が活かされないという欠点が
ある。
維ウェブ層との複合体からなる複合体シートは、その構
成成分であるペーパー層が有している組織および特性
と、繊維ウェブが有している組織および特性とをそのま
ま温存し、その上で両者を部分的な厚みの差と密度の差
を持つようにネットワーク状に接合して一体化すること
により、接合体としての新たな機能が賦与されているこ
とにその特徴がある。
維ウェブ層とが互いに接合された複合体シートであっ
て、前記複合体シートは、密度が高く、厚みの薄い複数
の高密度領域と、この高密度領域に対して相対的に密度
の低い複数の低密度領域とからなり、かつ前記ペーパー
層の表面は平滑な面を形成し、前記繊維ウェブ層の表面
は嵩高で凹凸のある面を形成していることを特徴とする
複合体シートが提供される。
れぞれ帯状をなし、かつ各高密度領域と各低密度領域と
が交互に配置されている。
びるように配置され、前記低密度領域が、前記高密度領
域で囲まれた分断層として配置されている。
前記低密度領域内に分布した状態で配置されている。
0.1g/cm3以上であり、前記低密度領域が、厚さ
1mm以上、密度0.1g/cm3未満である。
/m2である。
m2、ガーレー法通気度として3sec以内の通気性を
有する。
るドライクレープ紙である。
する側で毛羽立った表面を有し、その反対側でフラット
な表面を有している。
P、PE/PET、PET誘導体/PET、および部分
架橋PVAのいずれかの、繊維長30mm以下の融着繊
維系成分を含有している。
系およびPE系のいずれかのエマルジョンまたはサスペ
ンジョンで表面処理され、これにより表面熱融着性が付
与されている。
の繊度を有し、かつ、PE系、PP系、PET系、ナイ
ロン系およびアクリル系の合成繊維ステープルのいずれ
か1種もしくは少なくとも2種を主成分とするものであ
る。
ス・コア型複合繊維を含むものである。
発生するサイド・バイ・サイド型の複合繊維を含むもの
である。
り水濡れ性を向上させたものである。
ース系の親水性繊維を含むものである。
と、3〜30mmのカット長を持つセルロース系、PV
A系及びその混合体繊維のいずれかに起因する水崩壊性
と生分解性とを持つ。
れている。
前記繊維ウェブ層がアクイジション層として、かつ前記
ペーパー層が拡散層として機能するように構成されてい
る。
は、ペーパー層と繊維ウェブ層とを重ね合わせて積層ウ
ェブを形成し、ついで前記積層ウェブの所望領域の厚さ
を周辺領域よりも薄くする表面形状賦型処理を行って、
薄く高密度な高密度と、これよりも厚く低密度な低密度
とを形成することを特徴とする。
の前記ペーパー層面、もしくは前記繊維ウェブ層面に、
2.06MPa以上の水流ビームあるいは水蒸気ビーム
を高圧噴射することにより、両層の交絡接合および形状
賦型を行う処理である。
ーム間隔で配置されたノズルを用いて、前記積層ウェブ
の実質的全面で処理することにより、前記ペーパー層と
前記繊維ウェブ層とをその界面で接合して低密度領域を
形成した第1賦型積層ウェブを構成する第一段処理と、
ついで5mm〜30mmのビーム間隔で配置されたノズ
ルを用いて、前記第1賦型積層ウェブをさらに処理する
ことにより、前記低密度領域内に所望形状の高密度領域
を形成した第2賦型積層ウェブを構成する第二段処理
と、を備えている。
凹凸を有するロール上を通過させることにより、前記ペ
ーパー層と前記繊維ウェブ層との接合および表面形状賦
型処理を同時的に行う。
に、前記界面においてホットメルト接着剤を塗布し、つ
いで前記ペーパー層と前記繊維ウェブ層とを接合して積
層ウェブを構成し、凹凸を有する熱ロールに前記積層ウ
ェブを接触させて表面形状賦型処理を行う。
くかつ厚みの薄い複数の高密度領域とこの高密度領域に
対して相対的に密度の低い複数の低密度領域とが形成さ
れるようにペーパー層および繊維ウェブ層を相互に接合
した複合体シートからなる多機能トップシートであっ
て、前記ペーパー層は平滑な拡散機能層を、前記繊維ウ
ェブ層は嵩高なアクイジション機能層をそれぞれ形成し
ていることを特徴とする。
シートを有し、前記複合体シートの前記繊維ウェブ層面
が着用者の身体に接し、前記ペーパー層面が吸収体に接
するように配置されていることを特徴とする。
が吸収体の表面の5〜50%を被覆するように前記吸収
体の表面に近接して配置された液分配ユニットとして設
けられていることを特徴とする。
がSAP粒子を担持してなり、その複合体シートを吸収
体成分として備えていることを特徴とする。
くかつ厚みの薄い複数の高密度領域とこの高密度領域に
対して相対的に密度の低い複数の低密度領域とが形成さ
れるようにペーパー層および繊維ウェブ層を相互に接合
した複合体シートであって、前記複合体シートにはSA
P粒子が担持されていることを特徴とする。
は、密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密度領域とこの
高密度領域に対して相対的に密度の低い複数の低密度領
域とが形成されるようにペーパー層および繊維ウェブ層
を相互に接合した複合体シートであって、前記複合体シ
ートにはSAP粒子が担持されている吸収性複合体シー
トを製造する方法において、(1)前記ペーパー層として
10〜50g/m2のドライクレープ紙を用い、そのペ
ーパー層上に2〜12dの繊度を持つ化合繊繊維から構
成された10〜50g/m2の目付の繊維ウェブを積層
して積層ウェブを調製する工程と、(2)前記積層ウェブ
に、5〜30mmのビーム間隔で、2.06MPa以上
の水流ビームを作用させて交絡することにより、前記ペ
ーパー層と前記繊維ウェブ層とを線状に接合した複合体
シートを調製する工程と、(3)前記複合体シートに、エ
タノール/水系の混合溶媒に分散したSAPスラリーを
塗工した後、脱溶媒することにより吸収層を形成する工
程と、を備えていることを特徴とする。
は、密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密度領域とこの
高密度領域に対して相対的に密度の低い複数の低密度領
域とが形成されるようにペーパー層および繊維ウェブ層
を相互に接合した複合体シートであって、前記複合体シ
ートにはSAP粒子が担持されている吸収性複合体シー
トを製造する方法において、(1)前記ペーパー層として
10〜50g/m2のドライクレープ紙を用い、そのペ
ーパー層上に2〜12dの繊度を持つ化合繊繊維から構
成された10〜50g/m2の目付の繊維ウェブを積層
して積層ウェブを調製する工程と、(2)前記積層ウェブ
に所定の間隔で帯状にSAP粒子を散布することによ
り、前記SAP粒子の存在部位と前記SAP粒子の非存
在部位が交互に存在するSAP担持積層ウェブを調製す
る工程と、(3)前記SAP担持積層ウェブの前記SAP
粒子の非存在部位を選択的に圧着することによって、前
記繊維ウェブ層と前記ペーパー層とを接合して前記高密
度化層を形成する工程と、を備えていることを特徴とす
る。
持積層ウェブに、さらに前記SAP粒子の脱離をカバー
するための第2の繊維ウェブを積層する工程を備え、前
記工程(3)において、前記ペーパー層、前記繊維ウェ
ブ層、および前記第2繊維ウェブ層を接合する。
繊維ウェブ層とをホットメルト樹脂で接合する工程を含
み、前記工程(3)が、前記SAP担持層ウェブと前記
第2繊維ウェブ層とをホットメルト樹脂で接合する工程
を含む。
るウェブであり、前記工程(3)における圧着が部分熱
圧着により行われる。
は、密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密度領域とこの
高密度領域に対して相対的に密度の低い複数の低密度領
域とが形成されるようにペーパー層および繊維ウェブ層
を相互に接合した複合体シートであって、前記複合体シ
ートにはSAP粒子が担持されている吸収性複合体シー
トを製造する方法において、(1)前記ペーパー層として
10〜50g/m2のドライクレープ紙を用い、そのペ
ーパー層に粘着性ホットメルトを塗工してSAP担持ペ
ーパー層を調製する工程と、(2)前記ペーパー層の前記
粘着性ホットメルト塗工面に、任意の間隔で帯状にSA
P粒子を散布することにより、前記SAP粒子の存在部
位と前記SAP粒子の非存在部位が交互に存在するSA
P担持ペーパー層を調製する工程と、(3)前記繊維ウェ
ブ層として2〜12dの繊度を持つ化合繊繊維から構成
された10〜50g/m2の目付の繊維ウェブに粘着性
ホットメルトを塗工する工程と、(4)前記SAP担持ペ
ーパー層と前記繊維ウェブ層とを各々のホットメルト塗
工面が向き合うように積層して接合することによりSA
P担持積層ウェブを調製する工程と、(5)前記SAP担
持積層ウェブを前記SAP粒子の非存在部位で部分圧着
することにより一体化する工程と、を備えていることを
特徴とする。
たようにペーパー層、繊維ウェブ層およびその接合層の
3つの層を構成している。したがって以下に、ペーパー
層、繊維ウェブ層およびこれら両者の接合層がそれぞれ
有する3つの機能に分けて説明し、さらに複合体として
の特徴について、具体的な実施の形態について説明す
る。
層の基本的な構成とその基本物性を表1に示す。
では相対的にソフトで、目付および密度が低く、かつ通
気性の高い、液の毛細管移動が可能なポーラス性を持っ
たペーパーを意味し、例えば和紙、薄葉紙といったタイ
プに属するものである。したがって、コート紙、印刷紙
のような緻密かつ平滑で目付が高く、通気性の低い、い
わゆる洋紙といわれているタイプのペーパーは、本発明
には適切ではない。
表1に要約して示したように、第一に、本発明の複合体
シートを吸収体製品に応用した際に、このペーパー層が
他の成分、特に吸収体成分と接触する面となるので、大
きな凹凸のない、見掛け上平滑な面を持っていることが
必要である。このため、ペーパー層の外面を「平滑面」
と呼ぶこともある。
があることが必要である。このペーパー層による液拡散
は、ペーパー層中の親水性成分による表面の濡れおよび
浸透と、ミクロポーラス構造に基づく毛細管移動であ
る。このような拡散性は、液の浸透性で評価するが、少
なくとも1分間に10mm以上の浸透性を有することが
望ましい。一方、このような浸透性による液の浸透が生
じた状態でも所望の構造を維持するために、ある程度の
強度、特に湿潤強度も必要である。
の役割も演ずる。例えば、本発明の複合体シートを、S
AP粒子を担持するための基材として用いた場合、SA
P粒子はある粒度分布(一般には直径50〜1,000
μ)を持っているので、大略500μ以下の部分は、複
合体シートのウェブ層を容易に通過してしまう。しか
し、繊維ウェブ層を通過した微細SAP粒子は、ペーパ
ー層のフィルター作用によりトラップされる。
できるペーパー類のタイプは、次に2つのグループに分
けられる。 (i)パルプ100%のドライクレープ紙類 このタイプは、いわゆる化粧用あるいは衛材用ティッシ
ュ類、および吸収体製品のキャリアーとして使用される
ような、ドライクレープ紙あるいは薄葉紙と呼ばれるも
のである。
ジンパルプを主成分としたものであり、洋紙のように叩
解度を高くせず、比較的低叩解度のままで抄造する。耐
水性を向上させるために若干のサイズ剤加工を行う場合
もある。一般にソフト化、ポーラスな構造を与えるた
め、ドライクレープ加工を行うことから、ここではドラ
イクレープ紙と総称することにする。このドライクレー
プ紙の代表的な物性を表2に示す。
に接触するため、この両者間の密着状態を保つために
は、平滑性がよいことが望ましい。平滑度は、ドライク
レープ紙の上面および下面の両方に必要なものではな
く、最外表面(下面)が平滑であればよい。むしろ繊維ウ
ェブに接合する面は、ウェブとの噛み込みを容易にする
ために、比較的にラフで毛羽立ちがある方がよい。例え
ば、ドライクレープ紙を製造する際に使用される乾燥ロ
ール面は鏡面状を呈するため、これに接触するペーパー
面も平滑となるが、キャンバスやフェルトとの接触面は
相対的にラフになるので、本発明においては、平滑面を
外表面に、ラフな面を繊維ウェブに接する面として使用
することが望ましい。またラフ面をより積極的に高湿分
にしたり、機械摩擦によりよりラフにしたりすることが
望ましい場合もある。
レープ紙は、熱接合性を有さないので、EVA系、アク
リル酸系、PE系のエマルジョンあるいはサスペンジョ
ン、もしくは粉体で表面処理を行って表面熱融着性を賦
与し、繊維ウェブとの接合性を改良してもよい。
合わせて使用するドライクレープ紙は、逆に木材パルプ
100%でしかもサイズ剤等の紙力増強剤を使用しない
ものがよい。 (ii)化合繊繊維混合ペーパー類 本発明複合体シートのためのペーパー層として、パルプ
繊維にレーヨン、リヨセル、PP、PET等の化合繊繊
維をブレンドして抄造して作られるペーパーを使用する
こともできる。ブレンドする目的は、強度の向上、ポー
ラス性のコントロール、ヒートシール性の賦与等である
が、その目的によって、使用される繊維類が異なる。た
だし、シート化の方法が湿式成形によるため、繊維長に
は限界があり、用いられる繊維長は30mm以下、好ま
しくは3〜20mmである。
るためには、レーヨン、リヨセル、あるいはPET繊維
が主として用いられる。ペーパー層の強度増強、特に湿
潤強度の改良の目的では、熱水易溶性の部分架橋PVA
繊維、熱易溶性のバイコンポーネント繊維であるPP/
PP、PE/PET、PET誘導体/PETのような低
融点ポリマーを鞘に相対的に熱安定性のポリマーを芯に
した繊維、等をブレンドして使用することも行われる。
(デニール)は、通常は1.0〜5dの範囲のものが使用
されるが、物理的な強度を向上させる目的で、シェアや
機械的力により1本の繊維を複数本に細分割して極細デ
ニール化した、いわゆる分割繊維を使用することもでき
る。
嵩高で凹凸を持つシート状の繊維マットであって、いわ
ゆるステープル状繊維を解繊し得られるカードウェブ、
より短い繊維を気流処理して得られるエアレイドウェ
ブ、あるいはこれらのカードウェブやエアレイドウェブ
を接合不織布化したものを意味する。この繊維ウェブ層
に求められる能力は、第一に、アクイジション機能、す
なわち液の一時的保有能力であり、第二に、身体から排
出された体液を吸収体表面に分配、分流する機能であ
り、第三に、吸収体と利用する際に求められる、SAP
粒子の収容、担持能力である。
「へたり」難さ、すなわちレジリエンス(圧縮回復性)の
高さに大きく関係する。嵩高性としては、見掛け密度で
表現すると、少なくとも0.1g/cm3未満が好まし
く、より望ましくは0.06g/cm3以下である。そ
の意味では、繊度の大きい、疎水性の合成繊維が望まし
く、湿潤状態でへたり易いセルロース系繊維は望ましく
ない。しかし一方、水の浸透性や生分解性などを考慮す
ると、セルロース系素材が望ましい。したがって使用用
途に応じて、繊維素材の組合せや表面処理を選択するこ
とが望ましい。
素材としては、PE系、PP系、PET系、ナイロン
系、アクリル系などの合成繊維の単独あるいはそれらを
混合したものが上げられる。繊度としては1.5〜12
dが望ましく、さらに望ましくは4〜12dの、一般に
布団綿として使用されているような太デニールの巻縮繊
維、さらには中空でサイド・バイ・サイドの構造を持つ
巻縮繊維等が望ましい。
合状態のものでもよく、あるいは不織布化したものでも
よい。嵩高な不織布化加工には、PE/PP、PE/P
ET、PET誘導体/PETのようなシース・コア型の
易熱溶性の複合繊維をブレンドし、いわゆるスルーエア
ー法の不織布化プロセスにより熱ボンドする方法があ
り、この方法で得られた不織布は、本発明に有利に適用
することができる。
であっても、液の浸透性を確保する必要がある。この目
的で、表面活性剤をスプレー、あるいはフォーム状で添
加して表面親水性処理を行うこともある。カード法でウ
ェブを作る場合には、カード適性を維持するために使用
される静電防止剤などの紡績油剤が、その親水化剤の代
行をする場合もある。あるいは前述したように、疎水性
繊維に対してレーヨン、リヨセル、コットン、PVAな
どの親水性繊維を添加して、混合繊維系ウェブを形成す
れば、安定した水浸透性が得られる。
ようなフラッシャブル性(水崩壊性)あるいは生分解性を
賦与するためには、前述したようなパルプ100%のペ
ーパー層に加えて、繊維ウェブ層にもフラッシャブル性
および生分解性の少なくとも一つを賦与する必要があ
り、そのためには繊維長の短い、例えば3〜30mmの
レーヨン、リヨセル、コットンリンター、PVA繊維の
エアレイドマットを繊維ウェブとして用いることができ
る。
について図面を参照して詳細に説明する。
を積層し、相互に接合した複合体シート10の基本構造
を示し、(A)は部分平面図、(B)は(A)のA−
A’線に沿った断面図である。ペーパー層1と繊維ウェ
ブ層2とは、その接合面全体で密着し、例えばホットメ
ルト接着剤で接合されている。
複合体シート10の一方の表面を形成する平滑な第一面
1aを有している。
aを有し、この第二面2aの異なる領域に、厚さの薄い
高密度領域(H)と、嵩高な低密度領域(L)とが存在
している。肉厚の薄い高密度領域(H)では、繊維ウェ
ブ層2がペーパー層1の内部まで噛み込んでいるのに対
して、嵩高な低密度領域(L)では、ペーパー層1とウ
ェブ層2との間には空隙が存在している状態となってい
て、このような状態は、例えば高圧水流で部分的交絡加
工することにより形成することができる。
ートの諸元について説明する。表1に要約したように、
全体の目付の好ましい範囲は20〜120g/m2、よ
り好ましくは30〜80g/m2である。20g/m2以
下では十分な高さの凹凸構造を得ることが難しい場合が
あり、また120g/m2を超えるとコストアップする
と同時にハンドリングが難しくなる。
間の相違を、厚みと見掛け密度で表現すると、高密度領
域(H)では、好ましくは厚み1mm未満、より好まし
くは0.3〜0.8mmの範囲である。1mmを超える
と、剛性が高くなってシートとしての柔軟性を保つこと
が難しくなる。見掛け密度は、好ましくは0.1g/c
m3以上、より好ましくは0.15〜0.5g/cm3で
ある。0.1g/cm 3未満であると、物性的に寸法安
定性を欠くことがある。
しくは1mm以上、より好ましくは2〜10mmの範囲
である。厚みが1mm未満では、充分な嵩が確保できな
い場合がある。見掛け密度は0.1g/cm3未満、よ
り好ましくは0.02〜0.06g/cm3の範囲であ
る。0.1g/cm3を超えると、やはり充分な空隙が
確保できないことが生じる場合がある。
(L)の分布状態について、図2および図3の平面図を
参照して説明する。
域(L)がともに連続相として存在する例を示し、図2
(A)は、高密度領域(H)が低密度領域(L)の中に真
っ直ぐな帯状に存在する例、図2(B)は、高密度領域
(H)が低密度領域(L)の中で曲線状に存在する例を
示す。
度領域(L)がそれぞれ連続相または分断相として分布
している例である。図3(A)および(B)は、格子状に形
成された連続相の高密度領域(H)により、低密度領域
(L)が分断相として分布している例、図3(C)、
(D)および(E)は、連続相の低密度領域(L)内に高
密度領域(H)が分断相として分布している例を示して
いる。
の複合体シートを製造する方法について説明する。
シートは、まずペーパー層と繊維ウェブ層との積層ウェ
ブを形成し、ついで両層を相互に接合し、さらに厚/薄
の表面賦型処理を行うことにより、薄く高密度な高密度
領域(H)と、厚く低密度な低密度領域(L)を形成す
るステップを経て得られる。
は、ペーパー層と繊維ウェブ層の接合の方法と、凹凸表
面賦型の方法の種類およびそれらの組合せによって、様
々な態様が考えられる。
蒸気等により交絡させる接合、熱融着による接合、およ
びホットメルト樹脂による接合が可能である。それぞれ
の代表的な例について図面を参照して説明する。
繊維ウェブ層とを相互に交絡させて接合し、ついで表面
賦型する工程を含む、複合体シート製造方法のプロセス
フローシートを示すものである。ここでは、レーヨン、
PET繊維、およびPE/PET繊維の3種類の繊維か
らなる原綿A、B、Cをそれぞれオーブナで処理し、原
綿Cはそのままカード41aおよび41bに、原綿Aお
よびBはブレンダを経てカード41cに供給し、繊維ウ
ェブ42a,42b,42cを調製する。これらのウェ
ブを、20g/m2のティッシュペーパー43上に積層
して積層ウェブ44とする。次に、この積層ウェブ44
のティッシュペーパー側あるいは繊維ウェブ側から、高
圧水流を、まず第一段処理として3.04MPa(30
kgf/cm2)の水圧下で適用して交絡処理する。
領域(H)を形成する上で重要な要素である。図5
(A)、(B)にノズル50を詳細に示す。このノズル
50は、図5(B)に示すように角度を変化させたノズ
ル断面を持ち、ノズル間隔は1.0mm、ノズル出口の
口径は0.1mmである。このノズル50を用いて、積
層ウェブ全面を処理して、ペーパー層と繊維ウェブ層を
接合し、まず低密度領域(L)を形成する。なお、この
第一段処理においては、ノズル間隔は少なくとも2mm
以下になるように密に配置し、水圧は2.06〜4.0
2MPa(20〜40kgf/cm2)の範囲で比較的
低圧で行うのが望ましい。
に第二段処理として、図6(A)、(B)に示した第二
段用ノズル、すなわちノズル間隔15mm、ノズル口径
0.15mmのノズル51を用いて5.00MPa(5
0kgf/cm2)の水圧で処理し、15mm間隔で細
い帯状の高密度な部分である高密度領域(H)を形成す
る。
隔は、第一段処理に比較して広くするのが望ましく、そ
の間隔は例えば5〜30mmが望ましい。処理水圧は、
少なくとも3.04MPa(30kgf/cm2)以
上、好ましくは4.02〜9.90MPa(40〜10
0kgf/cm2)の比較的高圧で行うことが望まし
い。
よび表面賦型された積層交絡シートは、図4のプロセス
フローに従って脱水、乾燥することにより、本発明の複
合体シート10として完成される。
は、構成するペーパー層および繊維ウェブ層いずれか一
方もしくは両方に易熱溶融性分を共存させ、積層ウェブ
とした状態で、グリッド状の表面凹凸を持つ加熱ロール
で部分圧着処理をする方法であり、これにより、グリッ
ド状に圧着された高密度領域(H)が連続に形成され
る。このような方法によって、図3(B)で示したような
パターンで高密度領域(H)および低密度領域(L)を
持つ複合体シートが得られる。
について説明する。この方法は、ペーパー層面、繊維ウ
ェブ層面の両面、あるいはそのいずれかの面にホットメ
ルト接着剤を、コーティングあるいはスプレー等の手段
で塗工し、その塗工面で両層を接合して積層ウェブとす
る。この積層ウェブに、凹凸面を持つ熱エンボスロール
を圧着すると、その凸部の形状に応じて高密度領域
(H)が形成される。この工程で用いられるホットメル
トは、タック性のある粘着性ホットメルトでもよいし、
EVA樹脂などのノンタック性のものでもよい。
特性、および高密度領域(H)と低密度領域(L)の特
性ならびに配置に応じて、種々の用途に対応する性能を
有する素材として広範な用途を有する。以下に、本発明
の複合体シートを吸収体製品へ応用した例について説明
する。
収体製品に適用されているトップシートは、吸収体製品
の最表面の、着用者の肌に接する位置に置かれ、吸収体
からの吸収成分の脱離防止と、着用者の肌をできるだけ
ドライに保つと同時に、液の浸透、移動を容易にする役
割を担う。
シートとして吸収体製品に適用した場合、繊維ウェブ層
が液の一時貯留能力を発揮してアクイジション層として
働き、ペーパー層が液の急速な拡散層として働くため、
従来のトップシート、アクイジションシートおよび拡散
(トランスファー)シートの3つの機能を兼ね備えた多機
能性を発揮する。
トップシートとして使用した場合における他の要素との
配置の一例を示している。繊維ウェブ層2の表面(第二
面)を着用者の皮膚に接する方向に配置し、ペーパー層
1の表面(第一面)を吸収体60に密着するように配置す
ることが望ましい。吸収体60の外側には防漏シート6
1が配置される。
ての応用例>図8(A)の斜視図および図8(B)の断
面図で示すように、本発明の複合体シートからなる液分
配ユニット62は、下面に帯状に吸収層64を設けたシ
ート状吸収体63の上面に接するように配置され、排出
された液を瞬間的に吸液し、その吸液した液を長さ方向
および幅方向に素早く分配、分流する機能を有する部材
を意味する。
する場合、この複合体シートが液分配ユニットとして効
果的に働くためには、第一に、複合体シート中に極めて
多数の網目状の液の通路が存在し、しかもその通路が排
出液の吸液状態でも維持されることが必要である。その
ためには、嵩高な構造とレジリエンス、特に湿潤時のレ
ジリエンスの高いことが必要である。このような要求に
適合する素材としては、例えば8dのPETの中空コン
ジュゲート繊維からのみ構成される繊維ウェブが挙げら
れる。
入れ、しかも瞬間的に排出可能とするために、液の複合
体シートへの浸透性および透水性が極めて優れているこ
とが重要であり、これには表面活性剤による表面処理が
有効である。透水性としては、例えば100mlの生理
食塩水を溢れさせず、20秒前後で処理できるような性
質が望まれる。
ションシートのように吸収体表面全面に配置させる必要
はなく、尿排出口相当部分の近辺にのみ集中的に配置す
ればよい。必要面積は吸収体面積の5〜50%、絶対面
積でいえば10cm2以上、たとえば20〜50cm2あ
れば充分である。これによってコスト的負担も軽減され
る。
置するが、トップシートが別に存在する場合には、トッ
プシートとの位置関係に応じてその位置が変更される。
すなわち、吸収体に直接に接触するように液分配ユニッ
トを配し。その上にトップシートを配置する場合と、吸
収体の上にトップシートを配し、そのトップシート上に
液分配ユニットを配置する場合がある。吸収体に直接液
分配ユニットを配する場合には、平滑なペーパー層面を
吸収体側に、凹凸のある繊維ウェブ層面をトップシート
側に配置するのが望ましい。トップシートの上に液分配
ユニットを配する場合には、平滑なペーパー層面を、身
体表面側に凹凸のある繊維ウェブ層面をトップシート側
に配置するのが望ましい。
吸収体製品>本発明の複合体シートに、その製造過程
で、あるいは製造後にSAP粒子を担持させることによ
り、新しい機能を持つシート状吸収体を構成することが
できる。SAP粒子は、複合体シートのペーパー層に担
持させることも、また繊維ウェブ層に担持させることも
可能であり、その担持させる層に応じて、著しく異なる
性能を発揮する。
を担持させた吸収性複合体シートの断面を示す模式図で
ある。この複合体シートの繊維ウェブ層2は、その嵩高
な組織、つまり組織間空隙内に多量のSAP粒子70を
安定に収容、担持することができる。ペーパー層1は、
この場合にも拡散層として効果的に働き、シートの表面
全体を均一に利用して、短時間で排出体液の吸収、固定
に寄与する。このため、いわゆる超々薄型吸収体として
極めて優れた性能を発揮する。
る方法については、後述する実施例で具体的に説明する
が、SAPの粉体を乾燥状態でウェブ層に散布する方
法、SAPを溶媒中に懸濁させたサスペンジョンスラリ
ーを繊維ウェブ層に湿式コートする方法等を含む種々の
方法から適切な方法が選択される。
収体製品>図10は、複合体シート10のペーパー層1
にSAP粒子70を含む帯状の吸収体層80を担持させ
ることにより構成された吸収体製品の断面を示す模式図
である。この場合には、繊維ウェブ層2は液のアクイジ
ション機能層として、ペーパー層1は拡散機能層として
機能すると共に、ペーパー層1の下層部がSAP粒子7
0を担持する吸収層として機能する。この場合には、ペ
ーパー層1には空隙が少なく、SAP粒子を物理的に担
持できないので、ペーパー層1にあらかじめ粘着性ホッ
トメルトをコーティングし、その上にSAP粒子を固定
し、さらに非粘着性のホットメルトでSAP粒子をカバ
ーするなどの、SAP粒子を安定に固定するための処置
を施すことが望ましい。
具体的な実施例を示す。
して複合体シートを製造するプロセスに、SAP粒子の
担持プロセスを組み込んだ、図11に示すプロセスによ
り吸収性シートを製造した。
ライクレープ紙をペーパー層として使用した。6d×6
0mmのPET繊維を原綿として25g/m2のカード
ウェブを作り、ティッシュ状に積層して積層ウェブとし
た。この積層ウェブに図6(A)、(B)に示した第二
段用ノズルのみを用いて、ネット上でライン交絡加工を
行って、交絡積層ウェブを調製した。ノズル間隔は15
mm、水圧は5.00MPa(50kgf/cm2)で
あった。この交絡積層ウェブに、カーテンコーター装置
を用いて、SAP/ミクロフィブリル化セルロースの共
分散スラリーを、180g/m2の付着量になるように
コーティングした。なお、SAPスラリーは次のような
構成のものであった。
体を真空除去した後、図11のフローシートに従って乾
燥して吸収体製品とした。
層2との接合を、水流交絡によって行ったが、前述のよ
うに、積層ウェブにSAP粒子を担持させた後に、SA
P粒子の非存在部位のみで熱融着により接合して吸収体
製品としてもよい。熱融着の代わりにホットメルトを接
合剤として用いてもよい。
トメルトを接合剤として、ペーパー層にSAP粒子を担
持させた吸水性複合体シートを製造するステップを示し
ている。
のドライクレープ紙101の表面に、合成ゴム系の粘着
性ホットメルトをスパイラル状にスプレーして、相互に
平行な帯状のホットメルト層102を形成した。次に、
ホットメルト層102のスプレーパターンに応じてパタ
ーンでSAP粒子103を、チューブフィーダー(図示
せず)から帯状に散布し、SAP粒子の存在部位とSA
P粒子の非存在部位が帯状に交互に存在するようにSA
P粒子を担持させた。
d×51mmからなる目付25g/m2のエアスルー不
織布ウェブ201を用意し、その表面に、前述のドライ
クレープ紙101上のSAPパターンに応じて粘着性ホ
ットメルト層202を帯状に接触コーティングした。
プ紙101と不織布ウェブ201とを、各々のホットメ
ルト層102および202が相互に向き合うように重な
り合わせて積層した後(図13(A)、(B))、SA
P粒子103の非存在ゾーンを線状に圧着、熱シールし
て高密度領域(H)を形成して一体化して、複合体シート
にSAP粒子が担持された吸水性複合体シートを調製し
た(図13(C))。
にSAP粒子を担持させたが、逆にエアスルー不織布の
方にSAP粒子をまず担持させて、ドライクレープ紙を
その上に貼り合わせるプロセスを採用してもよい。
ップシートに利用した吸収体製品、あるいは複合体シー
トにSAP粒子を担持させて得られる吸水性複合体シー
トを組み込んだ吸収体製品は、吸収特性に優れ、しかも
極めてコンパクトな形状を持つことから、女性用ナプキ
ン、軽度/中度失禁パッド、子供用/大人用おむつ等の
用途に極めて有用である。
ートは、平滑な表面を有するペーパー層と、凹凸面を持
つ繊維ウェブ層とを部分的に圧着結合することにより、
圧着された高密度領域と、圧着されていない低密度領域
とが混在している。従って、ペーパー層が有している、
毛細管による液拡散性と、繊維ウェブ層が有している液
の一時貯留(アクイジション)機能およびクッション効
果とが十分に保持されているとともに、圧着された高密
度領域において、シート物性の強化部となり、また液の
移動のためのチャンネル効果を発揮し、種々の吸収体製
品のトップシートとして使用して優れた性能を発揮す
る。
は、繊維ウェブ層が有している嵩高性を利用して、その
部分にSAP粒子を確実に固定、保持することが可能で
あり、高性能の吸収体シートとして利用することが可能
である。
し、(A)はその部分平面図、(B)は(A)のA−
A’線に沿った概略的断面図を示す。
に適用される、連続する高密度領域のそれぞれ異なるパ
ターンを示す平面図である。
用される、高密度領域または低密度領域が分断層として
存在する、それぞれ異なるパターンを示す平面図であ
る。
プロセスを示すフローシートである。
ルを示し、(A)は平面図、(B)はその縦断面図であ
る。
ルを示し、(A)は平面図、(B)はその縦断面図であ
る。
て使用した場合における他の要素との配置の一例を示す
概略的断面図である。
ットとしてのシート状吸収体と組み合わせて構成した吸
収体製品を示す斜視図、(B)は(A)に示した吸収体
製品の縦断面図である。
製品の断面を示す概略的断面図である。
む帯状の吸収体層を担持させることにより構成された吸
収体製品の断面を示す概略的断面図である。
ートを製造するプロセスに、SAP粒子の担持プロセス
を組み込んだプロセスを示すフローシートである。
P粒子を担持させたペーパー層を示す説明図、(b)は
ホットメルト層を設けた繊維ウェブ層を示す説明図であ
る。
を積層して吸水性複合体シートを製造するステップを示
す説明図である。
Claims (35)
- 【請求項1】 ペーパー層と繊維ウェブ層とが互いに接
合された複合体シートであって、前記複合体シートは、
密度が高く、厚みの薄い複数の高密度領域と、この高密
度領域に対して相対的に密度の低い複数の低密度領域と
からなり、かつ前記ペーパー層の表面は平滑な面を形成
し、前記繊維ウェブ層の表面は嵩高で凹凸のある面を形
成していることを特徴とする複合体シート。 - 【請求項2】 前記高密度領域および前記低密度領域が
それぞれ帯状をなし、かつ各高密度領域と各低密度領域
とが交互に配置されている請求項1に記載の複合体シー
ト。 - 【請求項3】 前記帯状の高密度領域が相互に交差して
延びるように配置され、前記低密度領域が、前記高密度
領域で囲まれた分断層として配置されている請求項2に
記載の複合体シート。 - 【請求項4】 前記高密度領域が多数の小領域からな
り、前記低密度領域内に分布した状態で配置されている
請求項1に記載の複合体シート。 - 【請求項5】 前記高密度領域が、厚さ1mm未満、密
度0.1g/cm3以上であり、前記低密度領域が、厚
さ1mm以上、密度0.1g/cm3未満である請求項
1〜4のいずれかに記載の複合体シート。 - 【請求項6】 複合体シート全体の目付が20〜120
g/m2である請求項1〜5のいずれかに記載の複合体
シート。 - 【請求項7】 前記ペーパー層の目付が10〜120g
/m2、ガーレー法通気度として3sec以内の通気性
を有する請求項1〜4のいずれかに記載の複合体シー
ト。 - 【請求項8】 前記ペーパー層が、木材パルプ繊維から
なるドライクレープ紙である請求項7に記載の複合体シ
ート。 - 【請求項9】 前記ペーパー層が、前記繊維ウェブ層に
接する側で毛羽立った表面を有し、その反対側でフラッ
トな表面を有している請求項7または8に記載の複合体
シート。 - 【請求項10】 前記ペーパー層が、PE、PP、PE
/PP、PE/PET、PET誘導体/PET、および
部分架橋PVAのいずれかの、繊維長30mm以下の融
着繊維系成分を含有している請求項7に記載の複合体シ
ート。 - 【請求項11】 前記ペーパー層が、EVA系、アクリ
ル酸系およびPE系のいずれかのエマルジョンまたはサ
スペンジョンで表面処理され、これにより表面熱融着性
が付与されている請求項7に記載の複合体シート。 - 【請求項12】 前記繊維ウェブ層が、1.5〜12d
以上の繊度を有し、かつ、PE系、PP系、PET系、
ナイロン系およびアクリル系の合成繊維ステープルのい
ずれか1種もしくは少なくとも2種を主成分とするもの
である請求項1〜6のいずれかに記載の複合体シート。 - 【請求項13】 前記繊維ウェブ層が、熱融着性を持つ
シース・コア型複合繊維を含むものである請求項12に
記載の複合体シート。 - 【請求項14】 前記繊維ウェブ層が、熱収縮により巻
縮を発生するサイド・バイ・サイド型の複合繊維を含む
ものである請求項12に記載の複合体シート。 - 【請求項15】 前記繊維ウェブ層が、表面親水性処理
により水濡れ性を向上させたものである請求項12〜1
4のいずれかに記載の複合体シート。 - 【請求項16】 前記繊維ウェブ層が、PVAまたはセ
ルロース系の親水性繊維を含むものである請求項12〜
15のいずれかに記載の複合体シート。 - 【請求項17】 前記繊維ウェブ層が、1.5〜5dの
繊度と、3〜30mmのカット長を持つセルロース系、
PVA系及びその混合体繊維のいずれかに起因する水崩
壊性と、生分解性とを持つ請求項1〜9のいずれかに記
載の複合体シート。 - 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかに記載の前
記繊維ウェブ層に、SAP粒子が担持されている複合体
シート。 - 【請求項19】 請求項1〜17のいずれかに記載の前
記ペーパー層にSAP粒子が担持され、前記繊維ウェブ
層がアクイジション層として、かつ前記ペーパー層が拡
散層として機能するように構成されている複合体シー
ト。 - 【請求項20】 ペーパー層と繊維ウェブ層とを重ね合
わせて積層ウェブを形成し、ついで前記積層ウェブの所
望領域の厚さを周辺領域よりも薄くする表面形状賦型処
理を行って、薄く高密度な高密度領域と、これよりも厚
く低密度な低密度領域とを形成することを特徴とする複
合体シートの製造方法。 - 【請求項21】 前記表面形状賦型処理が、前記積層ウ
ェブの前記ペーパー層面、もしくは前記繊維ウェブ層面
に、2.06MPa以上の水流ビームあるいは水蒸気ビ
ームを高圧噴射することにより、両層の交絡接合および
形状賦型を行う処理である請求項20に記載の複合体シ
ートの製造方法。 - 【請求項22】 前記表面形状賦型処理が、 2mm以下のビーム間隔で配置されたノズルを用いて、
前記積層ウェブの実質的全面で処理することにより、前
記ペーパー層と前記繊維ウェブ層とをその界面で接合し
て低密度領域を形成した第1賦型積層ウェブを構成する
第一段処理と、 ついで5mm〜30mmのビーム間隔で配置されたノズ
ルを用いて、前記第1賦型積層ウェブをさらに処理する
ことにより、前記低密度領域内に所望形状の高密度領域
を形成した第2賦型積層ウェブを構成する第二段処理
と、を備えている請求項21に記載の複合体シートの製
造方法。 - 【請求項23】 前記積層ウェブを、表面に所望パター
ンの凹凸を有するロール上を通過させることにより、前
記ペーパー層と前記繊維ウェブ層との接合および表面形
状賦型処理を同時的に行う請求項20に記載の複合体シ
ートの製造方法。 - 【請求項24】 前記ペーパー層または前記繊維ウェブ
層に、前記界面においてホットメルト接着剤を塗布し、
ついで前記ペーパー層と前記繊維ウェブ層とを接合して
積層ウェブを構成し、凹凸を有する熱ロールに前記積層
ウェブを接触させて表面形状賦型処理を行う請求項20
に記載の複合体シートの製造方法。 - 【請求項25】 密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密
度領域とこの高密度領域に対して相対的に密度の低い複
数の低密度領域とが形成されるようにペーパー層および
繊維ウェブ層を相互に接合した複合体シートからなる多
機能トップシートであって、前記ペーパー層は平滑な拡
散機能層を、前記繊維ウェブ層は嵩高なアクイジション
機能層をそれぞれ形成していることを特徴とする多機能
トップシート。 - 【請求項26】 請求項25に記載の多機能トップシー
トを有し、前記複合体シートの前記繊維ウェブ層面が着
用者の身体に接し、前記ペーパー層面が吸収体に接する
ように配置されていることを特徴とする吸収体製品。 - 【請求項27】 請求項1〜19のいずれかに記載の複
合体シートが吸収体の表面の5〜50%を被覆するよう
に前記吸収体の表面に近接して配置された液分配ユニッ
トとして設けられていることを特徴とする吸収体製品。 - 【請求項28】 請求項18または19に記載の複合体
シートはSAP粒子を担持してなり、その複合体シート
を吸収体成分として備えていることを特徴とする吸収体
製品。 - 【請求項29】 密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密
度領域とこの高密度領域に対して相対的に密度の低い複
数の低密度領域とが形成されるようにペーパー層および
繊維ウェブ層を相互に接合した複合体シートであって、
前記複合体シートにはSAP粒子が担持されていること
を特徴とする吸収性複合体シート。 - 【請求項30】 密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密
度領域とこの高密度領域に対して相対的に密度の低い複
数の低密度領域とが形成されるようにペーパー層および
繊維ウェブ層を相互に接合した複合体シートであって、
前記複合体シートにはSAP粒子が担持されている吸収
性複合体シートを製造する方法において、(1)前記ペー
パー層として10〜50g/m2のドライクレープ紙を
用い、そのペーパー層上に2〜12dの繊度を持つ化合
繊繊維から構成された10〜50g/m2の目付の繊維
ウェブを積層して積層ウェブを調製する工程と、(2)前
記積層ウェブに、5〜30mmのビーム間隔で、2.0
6MPa以上の水流ビームを作用させて交絡することに
より、前記ペーパー層と前記繊維ウェブ層とを線状に接
合した複合体シートを調製する工程と、(3)前記複合体
シートに、エタノール/水系の混合溶媒に分散したSA
Pスラリーを塗工した後、脱溶媒することにより吸収層
を形成する工程と、を備えていることを特徴とする吸収
性複合体シートの製造方法。 - 【請求項31】 密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密
度領域とこの高密度領域に対して相対的に密度の低い複
数の低密度領域とが形成されるようにペーパー層および
繊維ウェブ層を相互に接合した複合体シートであって、
前記複合体シートにはSAP粒子が担持されている吸収
性複合体シートを製造する方法において、(1)前記ペー
パー層として10〜50g/m2のドライクレープ紙を
用い、そのペーパー層上に2〜12dの繊度を持つ化合
繊繊維から構成された10〜50g/m2の目付の繊維
ウェブを積層して積層ウェブを調製する工程と、(2)前
記積層ウェブに所定の間隔で帯状にSAP粒子を散布す
ることにより、前記SAP粒子の存在部位と前記SAP
粒子の非存在部位が交互に存在するSAP担持積層ウェ
ブを調製する工程と、(3)前記SAP担持積層ウェブの
前記SAP粒子の非存在部位を選択的に圧着することに
よって、前記繊維ウェブ層と前記ペーパー層とを接合し
て前記高密度化層を形成する工程と、を備えていること
を特徴とする吸収性複合体シートの製造方法。 - 【請求項32】 前記工程(2)で調製された前記SA
P担持積層ウェブに、さらに前記SAP粒子の脱離をカ
バーするための第2の繊維ウェブを積層する工程を備
え、前記工程(3)において、前記ペーパー層、前記繊
維ウェブ層、および前記第2繊維ウェブ層を接合する請
求項31に記載の吸収性複合体シートの製造方法。 - 【請求項33】 前記工程(1)が、前記ペーパー層と
前記繊維ウェブ層とをホットメルト樹脂で接合する工程
を含み、前記工程(3)が、前記SAP担持層ウェブと
前記第2繊維ウェブ層とをホットメルト樹脂で接合する
工程を含む請求項31または32に記載の吸収性複合体
シートの製造方法。 - 【請求項34】 前記繊維ウェブが易熱熔解性繊維を含
有するウェブであり、前記工程(3)における圧着が部
分熱圧着により行われる請求項31〜33のいずれかに
記載の吸収性複合体シートの製造方法。 - 【請求項35】 密度が高くかつ厚みの薄い複数の高密
度領域とこの高密度領域に対して相対的に密度の低い複
数の低密度領域とが形成されるようにペーパー層および
繊維ウェブ層を相互に接合した複合体シートであって、
前記複合体シートにはSAP粒子が担持されている吸収
性複合体シートを製造する方法において、(1)前記ペー
パー層として10〜50g/m2のドライクレープ紙を
用い、そのペーパー層に粘着性ホットメルトを塗工して
SAP担持ペーパー層を調製する工程と、(2)前記ペー
パー層の前記粘着性ホットメルト塗工面に、任意の間隔
で帯状にSAP粒子を散布することにより、前記SAP
粒子の存在部位と前記SAP粒子の非存在部位が交互に
存在するSAP担持ペーパー層を調製する工程と、(3)
前記繊維ウェブ層として2〜12dの繊度を持つ化合繊
繊維から構成された10〜50g/m2の目付の繊維ウ
ェブに粘着性ホットメルトを塗工する工程と、(4)前記
SAP担持ペーパー層と前記繊維ウェブ層とを各々のホ
ットメルト塗工面が向き合うように積層して接合するこ
とによりSAP担持積層ウェブを調製する工程と、(5)
前記SAP担持積層ウェブを前記SAP粒子の非存在部
位で部分圧着することにより一体化する工程と、を備え
ていることを特徴とする吸収性複合体シートの製造方
法。
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