JP2008222588A - 1−(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体 - Google Patents

1−(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、より大きいΔεと低い粘度を同時に有する液晶組成物の成分として適している材料を提供することにあり、またそれを用いて、実用的な液晶組成物を提供することにある。
【解決手段】 1-(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体、および当該化合物を1種または2種以上含有する液晶組成物。本願発明の化合物は、Δεが負であって極めて大きい絶対値を有し、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、現在汎用されている液晶化合物あるいは液晶組成物との相溶性に優れているため、低電圧駆動が可能である実用的な液晶組成物の成分として適している。
【選択図】 なし

Description

本発明は電気光学的液晶表示材料として有用な、1-(トリフルオロメチル)ナフチル基を有する新規液晶性化合物、それを含む液晶組成物およびそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型あるいは高速応答が可能なFLC(強誘電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリックス方式が実用化されている。
これらに用いられる液晶材料としては、これまでにも非常に多種類の化合物が合成されてきており、その表示方式や駆動方式あるいはその用途に応じて使用されている。
液晶化合物は通常コアと呼ばれる中心骨格部分と両側の側鎖部分から構成されている。通常、側鎖部分の少なくとも一方は鎖状基であることが多いが、誘電率異方性が正のいわゆるp型液晶の場合には、他方の側鎖部分は極性基であることが多い。
液晶化合物に用いられる極性基としては、シアノ基が代表的である。このシアノ基を有する液晶化合物は極性が強く液晶性にも優れる反面、粘性が比較的大きく、また高い電圧保持率が得られないため前述のアクティブマトリックス駆動方式には使用することができないなど問題点も多い。そのため、極性基としてフッ素原子が用いられることが多くなっている。この極性基としてフッ素原子を有する液晶化合物は上記シアノ系の液晶化合物と比較すると極性が弱く、誘電率異方性(Δε)は小さいけれども、粘度が小さくまた高い電圧保持率を得ることも容易である。
ところで極性基として用いられるこれらのフッ素原子は、通常分子末端のフェニル基に直結する構造で導入されている。従って、化合物としては分子の片方の末端に4-フルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基または3,4,5-ジフルオロフェニル基を有する化合物にほぼ限定されており、その化学構造の変化の幅が非常に小さい。そのため、これらのフッ素系の液晶化合物のみでは年々高度化する液晶組成物に対する要求特性には充分応えきれなくなってきているのが実情である。
そこで、トリフルオロメチル基を有する化合物が報告されている(特許文献1、2)。例えばトリフルオロメチルフェニル基を有する液晶化合物は、際立ったΔε値を有する液晶相を得ることができる化合物であり、アクティブマトリックス駆動方式に有利に使用することができることが報告されている。しかしながら、トリフルオロメチル基を有する化合物を用いても、十分大きいΔεを有する液晶組成物を得ることはできないのが現状である。
Δεを増大させるために、コア部位としてフルオロナフチル基(特許文献3及び4)、あるいは(トリフルオロメトキシ)ナフチル基(特許文献5)を有する化合物が報告されている。当該化合物、一例として6-フルオロナフチル基を有する液晶化合物は、Δεが大きく、広い温度範囲で液晶相を示し、また高速応答が可能である液晶組成物の成分として適していることが報告されている(特許文献4)。しかしながら、これらの引用文献記載の化合物は粘性が増大する問題、Δεが大きい割には閾値電圧の低減効果が不十分である問題があった。
一方、ベンゼン環の側方にトリフルオロメチル基を有する化合物は報告されている(特許文献6)。しかしながら、ベンゼン環の側方にトリフルオロメチル基を有する化合物は、Δεは大きいものの極性が負であるため、強誘電性液晶組成物の構成成分としては有効であるが、Δεが正の化合物を必要とする用途には使用できないものであった。 以上のように、大きいΔεと低い粘度を同時に有する液晶組成物の成分として適している液晶化合物の開発が望まれている。
特表平05−500204号公報 特開2000−119207号公報 特開2000−63305号公報 特開2001−19649号公報 特開2000−169413号公報 特開平8−40953号公報
本発明が解決しようとする課題は、より大きいΔεと低い粘度を同時に有する液晶組成物の成分として適している材料を提供することにあり、またそれを用いて、実用的な液晶組成物を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、一般式(I)
Figure 2008222588
(式中、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基または炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、-CN基、-SCN基または-SF5基を表し、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基において、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの-CH2-基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCOO-に置換されていてもよく、
A1、A2、B1およびB2は、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、
L1、L2、M1およびM2は、それぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH≡CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-OCO-、-COO-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-COS-または-SCO-を表し、
X1およびX2は、それぞれ独立的に水素原子またはフッ素原子を表し、
p、q、rおよびsは、それぞれ独立的に0または1を表す。)で表される1-(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体を提供し、一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上含有することを特徴とする液晶組成物、更に、当該液晶組成物を構成要素とする液晶素子を提供する。
本発明に係わる一般式(I)で表される化合物は、工業的に容易に製造でき、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、現在汎用されている液晶化合物あるいは液晶組成物との相溶性に優れているだけでなく、Δεが大きくかつ粘度が小さいことから、低電圧駆動および高速応答が可能である実用的な液晶組成物の成分として適している。
一般式(I)において、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基または炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基において、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの-CH2-基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCOO-に置換されていてもよいが、炭素数1〜8のアルキル基、あるいは炭素数2〜8のアルケニル基がより好ましく、特に炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基、あるいはビニル基、3-ブテニル基、トランス-1-プロペン-1-イルまたはトランス-3-ペンテン-1-イル基が好ましい。
R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、-CN基、-SCN基または-SF5基を表し、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基において、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの-CH2-基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCOO-に置換されていてもよいが、フッ素原子、塩素原子、-CN基、-OCFH2基、-OCF2H基、-OCF3基または-CF3基がより好ましく、特にフッ素原子、-OCFH2基、-OCF2H基、-OCF3基または-CF3基が好ましい。
A1、A2、B1およびB2は、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表すが、トランス-1,4-シクロヘキシレン基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基が好ましく、無置換の1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基または3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基がより好ましい。
L1、L2、M1およびM2は、それぞれ独立的にL1、L2、M1およびM2は、それぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH≡CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-OCO-、-COO-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-COS-または-SCO-を表すが、それぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-または-CF2CF2-であることが好ましく、単結合または-CH2CH2-であることがより好ましい。
X1およびX2は、それぞれ独立的に水素原子またはフッ素原子を表すが、Δεをより大きくするためには、X1およびX2がフッ素原子を表すことが好ましく、低粘度成分としては、X1およびX2が水素原子であることが好ましい。
p、q、rおよびsは、0または1を表すが、p+q+r+sが1以上かつ3以下の整数であることが好ましく、p+q+r+sが1または2であることがより好ましい。
上述のように一般式(I)の化合物はそのR1、R2、A1、A2、B1、B2、L1、L2、M1、M2、X1、X2、p、q、rおよびsの選択により多種の化合物を包含しうるわけであるが、これらの中では以下の一般式(I-a-a)〜一般式(I-e-j)で表される各化合物が好ましい。
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
さらに、上式中では(I-a-a)、(I-a-d)〜(I-a-f)、(I-b-a)、(I-b-d)〜(I-b-f)、(I-c-a)、(I-c-d)〜(I-c-f)、(I-d-c)〜(I-d-e)、(I-e-a)、(I-e-d)〜(I-e-f)、(I-e-i)〜(I-e-k)、(I-f-a)、(I-f-d)〜(I-f-f)、(I-f-i)〜(I-f-k)、(I-g-a)、(I-g-d)〜(I-g-f)、(I-g-i)〜(I-g-k)、(I-h-c)〜(I-h-e)、(I-h-j)〜(I-h-l)、(I-i-d)、(I-i-f)〜(I-i-j)の各化合物が特にに好ましい。
本発明の(I)の化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
一般式(II)
Figure 2008222588
(式中、R1、R2、A1、A2、B1、B2、L1、L2、M1、M2、X1、X2、p、q、rおよびsは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるナフタレン誘導体を、N-ヨードコハク酸イミド、ヨウ素等によりヨード化して1-ヨードナフタレン誘導体(III)
Figure 2008222588
(式中、R1、R2、A1、A2、B1、B2、L1、L2、M1、M2、X1、X2、p、q、rおよびsは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)を得る。得られた化合物(III)を、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非極性プロトン溶媒中、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のフッ素化物および塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等の銅塩存在下、トリフルオロメチルトリメチルシランを作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
あるいは、2-ナフトール誘導体(IV)
Figure 2008222588
(式中、R1、A1、B1、L1、M1、X1、X2、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)を、N-ヨードコハク酸イミド、ヨウ素等を作用させることより1-ヨード-2-ナフトール誘導体(V)
Figure 2008222588
(式中、R1、A1、B1、L1、M1、X1、X2、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)を得る。得られた1-ヨード-2-ナフトール誘導体(V)にピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩化p-トルエンスルホニル、塩化メタンスルホニル等を作用させることにより、1-ヨードナフタレン誘導体(VI)
Figure 2008222588
(式中、R1、A1、B1、L1、M1、X1、X2、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を表し、Z1はトリフルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基等の脱離基を表す。)を得る。化合物(VI)にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル(II)、トリス(アセチルアセトナト)鉄(III)等のパラジウム、ニッケルあるいは鉄系遷移金属触媒存在下、有機金属化合物(VII)
Figure 2008222588
(式中、R2、A2、B2、L2、M2、rおよびsは一般式(I)におけると同じ意味を表し、Z2は塩化マグネシウム、塩化亜鉛、リチウム、銅、銅リチウム、トリアルキルケイ素、ホウ酸等の金属あるいは金属塩を表す。)を作用させることにより、一般式(III)で表される化合物を得ることもできる。
あるいは、2-ナフトール誘導体(IV)にピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩化p-トルエンスルホニル、塩化メタンスルホニル等を作用させることにより、ナフタレン誘導体(VIII)
Figure 2008222588
式中、R1、A1、B1、L1、M1、X1、X2、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を表し、Z1はトリフルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基等の脱離基を表す。)を得る。得られた化合物(VIII)に、N-ヨードコハク酸イミド、ヨウ素等を作用させることより1-ヨードナフタレン誘導体(VI)を得ることもできる。
あるいは、1-ヨード-2-ナフトール誘導体(V)にN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非極性プロトン溶媒中、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のフッ素化物および塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等の銅塩存在下、トリフルオロメチルトリメチルシランを作用させることにより、1-(トリフルオロメチル)-2-ナフトール誘導体(IX)
Figure 2008222588
(式中、R1、A1、B1、L1、M1、X1、X2、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)を得る。得られた1-(トリフルオロメチル)-2-ナフトール誘導体(IX)にピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩化p-トルエンスルホニル、塩化メタンスルホニル等を作用させることにより、1-(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体(X)
Figure 2008222588
(式中、R1、A1、B1、L1、M1、X1、X2、pおよびqは一般式(I)におけると同じ意味を表し、Z1はトリフルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基等の脱離基を表す。)を得る。得られた化合物(X)にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル(II)、トリス(アセチルアセトナト)鉄(III)等のパラジウム、ニッケルあるいは鉄系遷移金属触媒存在下、有機金属化合物(VII)を作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を得ることもできる。
一般式(I)で表される化合物の多くは、他の液晶材料に対し比較的優れた相溶性を示す。また分子軸に対し2個以上のフッ素原子が同方向に導入されている場合は、極性が大きく、強いp型液晶としての特性を示す。また、高い比抵抗や電圧保持率を得ることも容易である。従って、他の液晶化合物との混合物の状態で液晶表示セル用材料として、好適に用いることができる。一般式(I)で表される化合物はその添加により誘電率異方性(Δε)を大きく増大させてその閾値電圧を低減することが可能であり、かつ高速応答と、屈折率異方性(Δn)の増大が可能であるといった特長を併せ持ち、前述の各種表示方式のいずれにおいても使用可能であるが、単純マトリックス駆動あるいはアクティブマトリックス駆動のTN型表示素子、及びSTN表示素子に用いることが適しており、特にアクティブマトリックス駆動のTN表示素子の液晶材料の極性成分として用いることが好ましい。
このように、一般式(I)で表される化合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第1成分として一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第2成分および第3成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物の第2成分として、Δεの絶対値の小さい、一般式(A)
Figure 2008222588
(式中、RaおよびRbはそれぞれ独立的に水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基または少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数2〜15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個または2個以上の-CH2-はそれぞれ独立して-O-が相互に直接結合しないものとして-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCO-O-により置換されていても良く、
Ba、BbおよびBcはそれぞれ独立的に
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-または隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-または-S-に置換されていてもよい。)、
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=または隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置換されていてもよい。)、および
(c) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)または基(c)はそれぞれ-CN、-Fまたは-Clで置換されていても良く、
oは0、1または2を表し、
La、LbおよびLcはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-または-C≡C-を表し、LbおよびBcが複数存在する場合は、それらは同一でも異なっていても良い。)で表される化合物を含有することが好ましい。
一般式(A)において、RaおよびRbは、炭素数1〜15のアルキル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表すことが好ましく、直鎖状炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜8のアルケニル基を表すことがより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表すことが特に好ましく、アルケニル基ではビニル基、3-ブテニル基、トランス-1-プロペン-1-イルまたはトランス-3-ペンテン-1-イル基がさらに好ましく、アルケニルオキシ基では2-プロペニル基、トランス-2-ブテニル基、4-ペンテニル基またはトランス-4-ヘキセニル基がさらに好ましい。また、RaおよびRbは同一でも異なっていても良いが、同一分子中のRaおよびRbは異なっていることがより好ましい。
LaおよびLbは、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-C≡C-、-(CH2)4-または単結合を表すことが好ましく、-CH2CH2-、-C≡C-または単結合を表すことがより好ましく、-CH2CH2-または単結合を表すことが特に好ましく、LaおよびLbが複数存在する場合、少なくとも一つは単結合を表すことが好ましい。
oは、0または1を表すことが好ましい。
Ba、BbおよびBcはそれぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基または3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基を表すことが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基または1,4-フェニレン基を表すことより好ましく、Ba、BbおよびBcのうち、少なくとも一つはトランス-1,4-シクロへキシレン基を表すことが好ましい。
一般式(A)で表される化合物は、具体的な構造として、以下の一般式(A-0)で表される構造が好ましい。
Figure 2008222588
(式中、RcおよびRdは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシル基、あるいは炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜6のアルケニルオキシ基を表し、Bdは1,4-フェニレン基またはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、rは0または1を表す。)
一般式(A-0)で表される化合物は、さらに具体的な構造として、以下の一般式(A-1)〜 (A-3)で表される構造が好ましい。
Figure 2008222588
(式中、RcおよびRdは、前述におけると同じ意味を表す。)
また、一般式(A)で表される化合物として、以下の一般式(A-4)〜(A-11)で表される構造も好ましい。
Figure 2008222588
(式中、RcおよびRdは、前述におけると同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物の第3成分として、Δεの比較的大きい、一般式(Ba)、一般式(Bb)、一般式(Bc)、一般式(Bd)および一般式(Be)
Figure 2008222588
(式中Reは、一般式(A)におけるRaと同じ意味を表し、Ca、CbおよびCcはそれぞれ独立して、
(d) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個の-CH2-または隣接していない2個以上の-CH2-は、-O-または-S-に置換されていてもよい。)、
(e) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=または隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置換されていてもよい。)および、
(f) 1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基およびデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(d)、基(e)または基(f)はそれぞれ-CN、-Fまたは-Clで置換されていても良く、
Ka、KbおよびKcはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-または-C≡C-を表し、
Xb、Xc、Xd、XeおよびXfはそれぞれ独立して水素原子または-Fを表し、
pおよびqはそれぞれ独立して、0、1または2を表すが、pおよびqの和は2以下であり、
Xaは、水素原子、-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3、-CHFCF3、-CF2CF3または一般式(A)におけるRaと同じ意味を表す。)で表される化合物を含有することが好ましい。
一般式(Ba)、一般式(Bb)、一般式(Bc)および一般式(Bd)においてReは、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基または炭素数2〜15のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を表すことがより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基または炭素数2〜6のアルケニル基を表すことが特に好ましく、アルケニル基ではビニル基、3-ブテニル基、トランス-1-プロペン-1-イルまたはトランス-3-ペンテン-1-イル基がさらに好ましく、アルケニルオキシ基では2-プロペニル基、トランス-2-ブテニル基、4-ペンテニル基またはトランス-4-ヘキセニル基がさらに好ましい。Ka、KbおよびKcは、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-C≡C-、-(CH2)4-または単結合を表すことが好ましく、-CH2CH2-、-C≡C-または単結合を表すことがより好ましく、-CH2CH2-または単結合を表すことが特に好ましく、Ka、KbまたはKcが複数存在する場合少なくとも一つは単結合であることが好ましい。pおよびqは、0または1を表すことが好ましい。Ca、CbおよびCcはそれぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基または3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基を表すことが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基または1,4-フェニレン基を表すことがより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基を表すことが特に好ましい。
Xaは-F、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3を表すことが好ましく、-Fを表すことが特に好ましい。
一般式(Ba)で表される化合物は、具体的には以下の一般式(Ba-0)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2008222588
(式中、Rfは炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシル基、あるいは炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜6のアルケニルオキシ基を表し、KdおよびKeはそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-または単結合を表し、Cdは1,4-フェニレン基またはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、XhおよびXiは、それぞれ独立して水素原子または-Fを表し、nは0または1を表し、Xgは-F、-Cl、-CN、-CF3、-OCH2F、-OCHF2または-OCF3を表す。)
さらに具体的には以下の一般式(Ba-1a)〜(Ba-3d)
Figure 2008222588
Figure 2008222588
Figure 2008222588
(式中、Rf、Xg、XhおよびXiは、前述におけると同じ意味を表す。)で表される構造が好ましい。
一般式(Bb)で表される化合物は、具体的には以下の一般式(Bb-1)〜(Bb-2)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2008222588
(式中、Rf、Xg、XhおよびXiは、前述におけると同じ意味を表す。)
一般式(Bc)で表される化合物は、具体的な構造として以下の一般式
Figure 2008222588
Figure 2008222588
(式中、Rf、Xg、XhおよびXiは、前述におけると同じ意味を表す。)で表される構造が好ましく、
一般式(Bd)で表される化合物は、具体的な構造として以下の一般式
Figure 2008222588
Figure 2008222588
(式中、Rf、Xg、XhおよびXiは、前述におけると同じ意味を表す。)で表される構造が好ましい。
一般式(Be)で表される化合物は、具体的には以下の一般式(Be-1)〜(Bb-2)で示される構造を表すことが好ましい。
Figure 2008222588
(式中、Rf、Xg、XhおよびXiは、前述におけると同じ意味を表す。)
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外共鳴スペクトル(IR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。
(実施例1)2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-6-プロピル-1-(トリフルオロメチル)ナフタレン(I-1)の合成
Figure 2008222588
(実施例1-1)1-ヨード-6-プロピル-2-ナフトール
(以下、ドラフト中で行う。)6-プロピル-2-ナフトール(11.0 g、0.168 mol)、N-ヨードコハク酸イミド(120.0 g、0.533 mol)のアセトニトリル(600 ml)懸濁液を16時間加熱還流した後、水を加えて反応を停止させた。反応液をセライトを用いて濾過して不溶物を除いた後、濾液を濃縮し、水層から酢酸エチルで抽出した(3回)。有機層を集めた後、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、3 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗條し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、再結晶(アセトン)することにより、黄色の粉末(67.3 g)を得た。(収率 80.5%)
(実施例1-2)6-プロピル-1-(トリフルオロメチル)-2-ナフトール
(以下、窒素雰囲気下で行う。)1-ヨード-6-プロピル-2-ナフトール(67.3 g、0.215 mol)、フッ化カリウム(14.0 g、0.241 mol)、ヨウ化銅(I)(45.0 g、0.236 mol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(330 ml)懸濁液を激しく攪拌している中に、(トリフルオロメチル)トリフルオロメタン(61.2 g、0.430 mol)を加えた。70℃で24時間加熱攪拌した後、反応液を放冷し、水に空けて反応を終了させた。セライトを用いて銅塩を濾別した後、塩を酢酸エチルで洗滌し、濾液を合わせ、有機層を分離し、水層から酢酸エチルで抽出した。有機層を集めた後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗條し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた橙色の固体をカラム(シリカゲル/ヘキサン+ジクロロメタン)を用いて精製し、再結晶(エタノール)することにより、無色の針状晶(42.5 g)を得た。(収率 78.0%)
(実施例1-3)トリフルオロメタンスルホン酸6-プロピル-1-(トリフルオロメチル)-2-ナフチル
(以下、ドラフト中で行う。)6-プロピル-1-(トリフルオロメチル)-2-ナフトール(42.5 g、0.167 mol)のジクロロメタン溶液(170 ml)を5℃以下に冷却しながら激しく攪拌している中に、内温を保ちながらトリフルオロメタンスルホン酸無水物(51.8 g、0.184 mol)を滴下して加えた(約10分間)。さらに内温を保ちながら、ピリジン(29.0 g、0.367 mol)を滴下して加えた(約10分間)。そのまま内温を保ちながら1時間攪拌を続けた後、水を加えて反応を停止させた。反応液の有機層を分離し、3 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗條し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をカラム(シリカゲル、ヘキサン+酢酸エチル)により精製し、さらに再結晶(エタノール)することにより、白色の固体(52.9 g)を得た。(収率 82.3%)
(実施例1-4)2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-6-プロピル-1-(トリフルオロメチル)ナフタレン(I-1)
(以下、窒素雰囲気下で行う。)トリフルオロメタンスルホン酸6-プロピル-1-(トリフルオロメチル)-2-ナフチル(22.9 g、0.059 mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(2.0 g、0.002 mol)のテトラヒドロフラン(150 ml)懸濁液を激しく攪拌している中に、無水炭酸カリウム(8.3 g、0.060 mol)の水(30 ml)溶液を加えた。70℃で24時間加熱攪拌した後、反応液を放冷し、水に空けて反応を終了させた。セライトを用いて触媒を濾別した後、有機層を分離し、水層から酢酸エチルで抽出した。有機層を集めた後、3 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗條し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた橙色の固体をカラム(シリカゲル/ヘキサン)を用いて精製し、再結晶(エタノール+メタノール)することにより、無色の針状晶(7.3 g)を得た。(収率 33.2%)
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ(ppm) 0.98 (t, 3H), 1.76 (sextet, 2H), 2.77 (t, 2H), 7.20-7.62 (m, 6H), 8.06 (s, 1H)、相転移温度(℃) Cr 40 Iso
(実施例2)液晶組成物の調製(1)
低粘性で温度範囲の広いネマチック液晶として特にアクティブマトリックス駆動用に好適なホスト液晶(H)
Figure 2008222588
を調製したところ、ネマチック相上限温度(Tni)は116.7℃であった。このホスト液晶(H)をセル厚4.5μmのTNセルに充填して液晶素子を作成して測定した物性値ならびに電気光学特性は以下のとおりである。
ネマチック相上限温度(Tni) : 116.7℃
誘電率異方性(Δε) : 4.80
屈折率異方性(Δn) : 0.090
閾値電圧(Vth) : 1.88 V
粘度(η) : 19.7 cP
次に、このホスト液晶(H)に実施例1で得られた化合物(I-1)
Figure 2008222588
の化合物を20%添加して、ネマチック液晶組成物(H-1)を調製したところ、Tniは87.6℃であった。この組成物(H-1)を150℃で1時間放置した後、そのTniを測定したが、ほとんど変化がみられなかった。また、紫外線を1時間照射したが、Tniに変化はみられなかった。次にこの組成物の電圧保持率を測定したところ、調製時、加熱後及び紫外線照射後ともにホスト液晶(H)と同様に充分高い値を示した。
次に、組成物(H-1)をセル厚4.5μmのTNセルに充填して液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(Tni) : 87.6℃
誘電率異方性(Δε) : 7.28
屈折率異方性(Δn) : 0.104
閾値電圧(Vth) : 1.55 V
粘度(η) : 22.5 cP
組成物(H-1)のΔεは大幅に増大し、このため閾値電圧(Vth)はホスト液晶(H)と比較すると約20%減少している一方で、屈折率異方性(Δn)および粘度(η)は、殆ど変化しなかった。
以上のように一般式(I)で表される化合物は、液晶組成物のΔεを増大し、Vthを低減するため低電圧駆動可能な液晶組成物の調製するうえにおいて、非常に有用であることがわかる。
(比較例1)
ホスト液晶(H)に化合物(I-1)と比較的類似の構造を有するが、トリフルオロメチル基をフッ素原子に替えた化合物(J-1)
Figure 2008222588
をホスト液晶(H)に同量(20%)添加して調製した液晶組成物(H-A)の物性値ならびにそれを用いて作成した液晶素子の電気光学的特性値は以下のとおりとなった。
ネマチック相上限温度(Tni) : 85.4℃
誘電率異方性(Δε) : 7.28
屈折率異方性(Δn) : 0.104
閾値電圧(Vth) : 1.51 V
粘度(η) : 24.5 cP
従って、化合物(J-1)の添加により、ホスト液晶(H)と比較するとΔεおよびVthは改善した。また、組成物(H-A)は、組成物(M-1)と比較してネマチック相上限温度(Tni)は2.2℃も低く、粘度(η)は2.0cPも大きいことがわかった。
(実施例3)液晶組成物の調製(2)
実施例1で得られた化合物(I-1)を用いて、低粘性で温度範囲の広い実用的な、特にアクティブマトリックス駆動用に好適な液晶組成物(M-1)および(M-2)を調製した。得られた組成物(M-1)および(M-2)をそれぞれセル厚4.5μmのTNセルに充填して液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定した結果、以下のとおりであった。
表中、化合物略号は以下のとおりである。
末端のn(数字) -CnH2n+1
F -F
-m(数字)dn(数字) -(CH2)n-1-CH=CH-CmH2m+1
Figure 2008222588
Figure 2008222588
化合物(I-1)を用いた組成物(M-1)および(M-2)のΔεは非常に大きく、1.8V付近の低電圧で駆動することができた。また、これら組成物(M-1)および(M-2)を150℃で1時間放置した後、そのTniを測定したが、ほとんど変化がみられなかった。また、紫外線を1時間照射したが、Tniに変化はみられなかった。次にこれら組成物の電圧保持率を測定したところ、調製時、加熱後及び紫外線照射後ともに同様に充分高い値を示した。
(比較例2)
化合物(I-1)を用いていない、低粘性で温度範囲の広い実用的な、アクティブマトリックス駆動用に好適な液晶組成物(M-3)を調製した。得られた組成物(M-3)をセル厚4.5μmのTNセルに充填して液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定した結果、以下のとおりであった。
Figure 2008222588
組成物(M-2)と比較してΔεが0.40大きいものの、Vthは0.04V高くなった。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 2008222588
    (式中、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基または炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、R2は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、-CN基、-SCN基または-SF5基を表し、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基において、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの-CH2-基は独立的に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-または-OCOO-に置換されていてもよく、
    A1、A2、B1およびB2は、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表し、
    L1、L2、M1およびM2は、それぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH≡CH-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-OCO-、-COO-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-COS-または-SCO-を表し、
    X1およびX2は、それぞれ独立的に水素原子またはフッ素原子を表し、
    p、q、rおよびsは、それぞれ独立的に0または1を表す。)で表される1-(トリフルオロメチル)ナフタレン誘導体。
  2. 一般式(I)において、R1が、1個以上の水素原子が独立的にフッ素原子に置換されていてもよい、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシル基、炭素数2〜7のアルケニルオキシ基を表し、R2が、1個以上の水素原子が独立的にフッ素原子に置換されていてもよい、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシル基、炭素数2〜7のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子または-CN基を表す請求項1記載の化合物。
  3. 一般式(I)において、A1、A2、B1およびB2が、それぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基または1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基を表す請求項1記載の化合物。
  4. 一般式(I)において、L1、L2、M1およびM2が、それぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-または-CF2CF2-を表す請求項1記載の化合物。
  5. 一般式(I)において、X1およびX2が、それぞれ独立的に水素原子を表す請求項1記載の化合物。
  6. 一般式(I)において、p、q、rおよびsが、p+q+r+sが1以上かつ3以下の整数を表す請求項1記載の化合物。
  7. 一般式(I)において、R1が、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数2〜8のアルケニル基を表す請求項1記載の化合物。
  8. 一般式(I)において、R2が、フッ素原子、塩素原子、-CN基、-OCFH2基、-OCF2H基、-OCF3基または-CF3基を表す請求項1記載の化合物。
  9. 一般式(I)において、L1、L2、M1およびM2が、それぞれ独立的に単結合または-CH2CH2-を表す請求項1記載の化合物。
  10. 一般式(I)において、p、q、rおよびsが、p+q+r+sが1または2を表す請求項1記載の化合物。
  11. 請求項1〜10記載の一般式(I)で表される化合物を1種または2種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
  12. 請求項11記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素子。
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