JP4385202B2 - フェニルデカヒドロナフタレン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規液晶性化合物である、デカヒドロナフタレン誘導体とそれを含有する液晶組成物に関するものである。これらは電気光学的液晶表示用、特に温度範囲が広いネマチック液晶材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリックス方式が実用化されている。
【0003】
これらの表示方式や駆動方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求されている。中でも温度範囲が広いことはほとんどの場合に共通して非常に重要であるが、これにはネマチック相上限温度(TN-I)が充分高いことと、融点(TC-N)あるいはスメクチック−ネマチック転移温度(TS-N)が充分低いことを含んでいる。
【0004】
また、他の液晶化合物や汎用液晶組成物に対する相溶性も重要である。この相溶性が不良の場合には、析出や相分離の危険を避けるために非常に多数の液晶化合物を混合させる必要が生じ、組成物の調製には非常な手間がかかり、高コスト化が避けられなかった。
【0005】
また、駆動電圧が充分低いことも多くの場合に共通して重要な特性であり、そのためには閾値電圧(Vth)が低い必要がある。
【0006】
また、応答が高速であることも同様に重要な特性であり、そのために液晶の粘性はできるだけ小さいことが要求されている。
【0007】
また、屈折率異方性(Δn)も重要な特性であり、その表示方法に応じてさまざまな値が要求されるが、製造の容易なセル厚の大きい液晶素子の場合には小さい値が要求されることが多い。
【0008】
ところで、一般に液晶表示素子の閾値電圧はその自乗が、誘電率異方性(Δε)に逆比例し、弾性定数に比例することが知られている。従って、誘電率異方性が大きいいわゆるp型であって、かつその弾性定数が比較的小さく、粘性が比較的小さい液晶化合物が上記要求を満足させるために有効であり、その目的でこれまでにも種々設計あるいは合成されてきている。
【0009】
液晶化合物は通常コアと呼ばれる中心骨格部分と両側の側鎖部分から構成されている。通常、側鎖部分の少なくとも一方は鎖状基であることが多いが、誘電率異方性が正のいわゆるp型液晶の場合には、他方の側鎖部分は極性基である。
【0010】
液晶化合物に用いられる極性基としては、シアノ基が代表的である。このシアノ基を有する液晶化合物は他の極性基を有する液晶化合物と比較して、やや粘性が大きいけれども、極性が強く、液晶性にも優れるという優れた特性を示す。これらのシアノ基は、通常分子末端のフェニル基に直結して導入されている。従って、化合物としては分子の片方の末端に4−シアノフェニル基を有する構造が大半を占めている。
【0011】
一般に液晶化合物は構造的に中心骨格(コア)部分と側方基(側鎖および極性基)から形成されており、そのコア部分を構成する環構造としては、1,4−フェニレン基(フッ素置換されていてもよい)やトランス−1,4−シクロヘキシレン基をはじめとして、ピリジン−2,5−ジイル基やピリミジン−2,5−ジイル基等の複素芳香環、ジオキサン−トランス−1,4−ジイル基やピペリジン−1,4−ジイル基等の飽和複素環等、既に多くのものが知られている。しかしながらこれらの環構造から構成されたシアノ系の液晶化合物のみでは年々高度化する液晶組成物に対する要求特性には充分応えきれなくなってきているのが実情である。
【0012】
ところで上記のトランス-1,4-シクロヘキシレン基をトランス−2,6−トランスデカヒドロナフチレン基に変換することにより液晶性が向上することは知られている。p型の誘導体としてもトランス−6−アルキル−2−(4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン(P)
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、Raは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表す。)が報告(ドイツ公開特許3150312号公報)されている。しかしながら、この(P)の化合物はネマチック液晶性には優れるものの閾値電圧の低減という点ではそれほど優れたものではなく、他の液晶材料との相溶性も充分とは言えず、さらに液晶としてのその他の物性や電気光学特性もほとんど知られていない。
【0015】
ところで液晶化合物により大きい誘電率異方性が求められる場合には、シアノ基が結合したフェニル基にさらにシアノ基と同方向に1〜2個のフッ素原子を導入することが効果的である。従って、前述の液晶化合物における4−シアノフェニル基を3−フルオロ−4−シアノフェニル基または3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル基に変換した化合物も開発されている。しかしながら、デカヒドロナフタレン誘導体としては、そのような化合物はこれまで全く知られていなかった。
【0016】
また、アクティブマトリックス駆動においては液晶材料の電圧保持率が非常に高くなければならないという制約がある。一般に閾値電圧は誘電率異方性(Δε)の平方根に逆比例するため、閾値電圧を低減するためには極性の基を液晶分子の長軸方向に導入してその誘電率異方性を増大させる必要がある。しかしながらアクティブマトリックス駆動用の液晶材料においては、上記の制約のために、極性基としてシアノ基やエステル結合等通常閾値電圧の低下に大きい効果のある基を用いることができず、フッ素原子やトリフルオロメトキシ基等の限られたフッ素系の基が用いられているにすぎない。ただし、誘電率異方性増大に対するフッ素原子導入の効果は例えば前述のシアノ基と比較するとかなり小さい。従って、液晶分子の誘電率異方性を充分増大させ、閾値電圧を低減させるためには、分子中に2個以上のフッ素原子を同方向に導入する必要がある。こうした理由から、アクティブマトリックス駆動用の液晶材料として現在汎用されているのは3,4−ジフルオロフェニル基(A)および3,4,5−トリフルオロフェニル基(B)
【0017】
【化3】
【0018】
を分子中に有する液晶化合物が主である。
【0019】
また慣用のアクティブマトリックス方式では、正の誘電異方性(Δε>0)である液晶組成物が用いられるのに対し、S.YamauchiらによるSID Digest of Technical Papers,378頁以降(1989)に記載されたVAN(垂直配向ネマチック)方式、K.A.CrabdallらによるAppl.Phys.Lett.,65,4(1994)に記載されたVAC(垂直配向コレステリック)方式あるいはR.A.SorefによるJ.of Appl.Phys.,Vol.45,No.12,5466(1974)に記載されたIPS(イン−プレーン・スイッチング)方式などの表示方式では、負の誘電異方性(Δε<0)である液晶組成物が用いられる。
【0020】
上述のアクティブマトリックス駆動において、負の誘電率異方性を増大するためには分子長軸方向に対して極性基を導入するわけであるが、アクティブマトリックス駆動用の液晶材料においては、上記の制約のために、同様に垂直にフッ素原子を導入する必要がある。こうした理由から、アクティブマトリックス駆動用の負の誘電異方性を持つ液晶材料として現在汎用されているのは2−ジフルオロフェニル基(C)および2,3−ジフルオロフェニル基(D)
【0021】
【化4】
【0022】
を分子中に有する液晶化合物が主である。
【0023】
ところでこれらのフッ素系液晶化合物にも大きな問題点が存在する。その第一は液晶性が低いことである。通常の液晶材料には2環性、3環性および4環性の液晶性化合物が用いられるが、こうしたフッ素系化合物はその低い液晶性のため、最も低粘性で高速応答に適した2環性の化合物は少量しか用いることができない。そのため、3環性の化合物が主に使用されるが、低電圧化のために誘電率異方性が大きい3,4,5−トリフルオロフェニル基(B)を含有する3環性液晶化合物を添加すると、液晶材料の応答性に悪影響を与える場合が多い。
【0024】
第二の問題点は相溶性が悪くその混合によってネマチック相を低温域まで拡大させることが容易でないことである。液晶材料においては通常、液晶化合物を多数混合(ブレンド)することによりその融点を降下させ、低温域まで安定にネマチック相を存在させることを可能としている。しかしながらこうしたフッ素系の液晶ではその混合による融点の降下は比較的小さく、従って組成物の融点を充分に低下させるためには異種骨格からなる非常に多数の液晶化合物を混合させる必要があるのが実情である。そのために、組成物の調製には非常な手間がかかり、高コスト化が避けられなかった。
【0025】
こうしたことから、アクティブマトリックス駆動用として使用可能なフッ素系液晶化合物として、より液晶性に優れ、かつ相溶性に優れて混合により低温域温度範囲の拡大がより容易であるような液晶化合物が求められている。
【0026】
一般にアクティブマトリックス駆動用としては、前述の制約から1,4−フェニレン基(フッ素置換されていてもよい)とトランス−1,4−シクロヘキシレン基にほぼ限定されているのが実情である。
【0027】
ところでこのトランス−1,4−シクロヘキシレン基をトランス−2,6−トランスデカヒドロナフチレン基に変換することにより液晶性が向上することは知られている。しかもトランス−2,6−トランスデカヒドロナフチレン基には酸素原子や窒素原子といったヘテロ原子が含まれないため、この変換により電圧保持率が低下することもない。従って、トランス−2,6−トランスデカヒドロナフチレン基を有するフッ素系液晶化合物は温度範囲の広いアクティブマトリックス駆動用液晶材料として使用可能と考えられるわけであるが、そのような液晶化合物はこれまで全く知られていないのが実情である。
【0028】
従って、フッ素系のトランス−2,6−トランスデカヒドロナフチレン骨格を有する液晶化合物であって、よりネマチック液晶性に優れ、アクティブマトリックス駆動用としてもより適した液晶性化合物が求められている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、以上の目的に応じるため、対応する2環性のシクロヘキサン誘導体と比較してネマチック液晶性に優れ、3環性のシクロヘキサン誘導体よりも応答性、相溶性に優れたフッ素系のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体である液晶性化合物を提供し、さらにこれを用いて、広いネマチック相温度範囲と低電圧駆動性を有する液晶組成物を提供し、さらにアクティブマトリックス駆動用としても使用可能な液晶組成物をも提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために
1.一般式(I)
【0031】
【化5】
【0032】
(式中、Rは1個以上のフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基に置換されていてもよい炭素原子数1〜18のアルキル基を表し、Xa、XbおよびXcは水素原子またはフッ素原子を表し、Zは水素原子あるいはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のハロゲン原子あるいは1個以上のフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニル基あるいはシアノ基、シアナト基、水酸基またはカルボキシル基を表すが、ただしRがアルキル基且つZが置換されていないアルキル基またはアルコキシル基あるいはシアノ基のときはXa、XbおよびXcのうち少なくとも1個はフッ素原子を表し、デカヒドロナフタレン環はトランス形であり、その2,6−位はトランス配置である。)で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体。
【0033】
2.一般式(I)においてRが炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表すところの上記1記載のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体。
【0034】
3.一般式(I)においてZが水素原子あるいはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のハロゲン原子あるいは1個以上のフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基またはアルケニルオキシ基あるいはシアノ基を表すところの上記1記載のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体。
【0035】
4.一般式(I)においてXa、XbおよびXcのうち少なくとも1個はフッ素原子を表すところの上記1記載のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体。
【0036】
5.上記1〜4記載の一般式(I)で表される化合物を含有する液晶組成物。
【0037】
6.上記5記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素子。
を前記課題を解決するための手段として見出した。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
【0039】
本発明は、上記課題を解決するために、一般式(I)
【0040】
【化6】
【0041】
で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体を提供する。
【0042】
式中、Rはフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基に置換されていてもよい炭素原子数1〜18のアルキル基を表すが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基が好ましい。Xa、XbおよびXcは水素原子またはフッ素原子を表すが、液晶性および高速応答性を向上させるためには水素原子であることが好ましく、相溶性を向上させるためにはXaまたはXbはフッ素原子が好ましく、大きな負の誘電率異方性が求められる場合にはXbまたはXcはフッ素原子が好ましい。但し、Rがアルキル基且つZが置換されていないアルキル基またはアルコキシル基あるいはシアノ基のとき、Xa、XbおよびXcのうち少なくとも1個はフッ素原子を表す。Zは水素原子あるいはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のハロゲン原子あるいはフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニル基あるいはシアノ基、シアナト基、水酸基またはカルボキシル基を表すが、水素原子あるいはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のハロゲン原子あるいはフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基またはアルケニルオキシ基あるいはシアノ基が好ましく、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖状アルコキシル基あるいは3−ブテニル基、トランス−3−ペンテニル基、トランス−2−プロペニルオキシ基、トランス−2−ブテニルオキシ基、トランス−4−ペンテニルオキシ基、トランス−4−ヘキセニルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メトキシエチル基、メトキシエトキシ基またはシアノ基がさらに好ましい。デカヒドロナフタレン環はトランス形であり、その2,6−位はトランス配置である。
【0043】
一般式(I)においては、そのR、Xa、Xb、XcおよびZの選択によって多種の化合物群を包含するけれども、それらの中では一般式(Ia)〜(In)
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
で表される化合物が好ましい。式中、Raは炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、Rbは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基あるいは3−ブテニル基、トランス−3−ペンテニル基、トリフルオロメチル基または2−メトキシエチル基を表し、Rcは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基あるいは2−プロペニル基、トランス−2−ブテニル基、トランス−4−ペンテニル基、トランス−4−ヘキセニル基または2−メトキシエチル基を表す。
【0052】
一般式(I)の化合物はそのZの表すところに応じて以下の工程に基づいて製造することができる。
【0053】
製法イ) Zが水素原子あるいはフッ素または塩素のハロゲン原子あるいはアルキル基またはアルコキシル基の場合
一般式(IIIa)
【0054】
【化14】
【0055】
(式中、Xa、XbおよびXcは一般式(I)におけるとおなじ意味を表し、Waは臭素またはヨウ素原子を表し、Zaは水素原子あるいはフッ素または塩素のハロゲン原子あるいはアルキル基またはアルコキシル基を表す。)で表されるハロゲン化ベンゼンから調製されたグリニヤール反応剤あるいはフェニルリチウム反応剤等の有機金属反応剤を一般式(II)
【0056】
【化15】
【0057】
(式中、Rは一般式(I)におけると同じ意味を表し、デカヒドロナフタレン環はトランス配置である。)で表される6−置換トランスデカヒドロナフタレン−2−オン(この化合物は前述のドイツ公開特許3150312号公報に記載された製造方法に基づき製造できる。)と反応させ、次いで酸触媒存在下で脱水させることにより、オクタヒドロナフタレン誘導体(IVa)
【0058】
【化16】
【0059】
(式中、R、Xa、Xb、XcおよびZaは前述におけるとおなじ意味を表す。)を得る。これを水素添加した後、必要に応じてシス/トランスの異性化を行い、トランス体を分離して一般式(I)におけるZが水素原子あるいはフッ素または塩素のハロゲン原子あるいはアルキル基またはアルコキシル基である化合物を得ることができる。
【0060】
製法ロ) Zが臭素またはヨウ素のハロゲン原子の場合
製法イ)で得られた一般式(I−s)
【0061】
【化17】
【0062】
(式中、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体に直接臭素化あるいはヨウ素化するか、あるいはアルキルリチウムでリチオ化した後、臭素あるいはヨウ素と反応させることにより一般式(I)におけるZが臭素またはヨウ素のハロゲン原子である化合物を得ることができる。
【0063】
製法ハ) Zがアルケニルオキシ基の場合
一般式(IIIb)
【0064】
【化18】
【0065】
(式中、Xa、XbおよびXcは一般式(I)におけるとおなじ意味を表し、Wbは臭素またはヨウ素原子を表し、Raはメチル基またはメトキシエトキシエチル基などの水酸基の保護基を表す。)で表されるハロゲン化ベンゼンからグリニヤール反応剤を調製し、製法イ)と同様に一般式(II)の6−置換トランスデカヒドロナフタレン−2−オンと反応させ、次いで酸触媒存在下で脱水させることにより、オクタヒドロナフタレン誘導体(IVb)
【0066】
【化19】
【0067】
(式中、R、Xa、Xb、XcおよびRaは前述におけるとおなじ意味を表す。)を得る。これを水素添加した後、必要に応じてシス/トランスの異性化を行い、トランス体を分離し、臭化水素酸などにより脱保護して、フェノール誘導体(I−t)
【0068】
【化20】
【0069】
(式中、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)を得る。これを塩基でアルコラートとしてから一般式(IIIc)
【0070】
【化21】
【0071】
(式中、Rbはアルケニル基を表し、Wcは塩素、臭素またヨウ素のハロゲン原子あるいはp−トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。)で表される化合物と反応させることにより一般式(I)におけるZがアルケニルオキシ基である化合物を得ることができる。
【0072】
あるいは、フェノール誘導体(I−t)をアルコラートとした後、一般式(IIId)
【0073】
【化22】
【0074】
(式中、Wdは塩素、臭素またヨウ素のハロゲン原子あるいはp−トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表し、Rcはフッ素あるいはアルコキシル基に置換されてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物と反応させ、酸触媒存在下で脱アセタールして得られたアルカナール誘導体に一般式(Va)
【0075】
【化23】
【0076】
(式中、Rdはフッ素あるいはアルコキシル基に置換されてもよいアルキル基を表す。)で表されるウィッティッヒ反応剤を反応させることにより、一般式(I)におけるZがアルケニルオキシ基である化合物を得ることもできる。
【0077】
製法ニ) Zがアルケニル基の場合
一般式(I)においてZが水素原子あるいは臭素またはヨウ素のハロゲン原子である化合物から調製された有機金属反応剤(I−u)
【0078】
【化24】
【0079】
(式中、YaはMgBr、MgI、Li、CuLiまたはB(OH)2などの金属または含金属基を表し、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)で表される有機金属反応剤を一般式(IIIc)で表される化合物と遷移金属触媒存在下にカップリング反応させることにより、一般式(I)におけるZがアルケニル基である化合物を得ることができる。遷移金属触媒としてはパラジウム錯体あるいはニッケル錯体が好ましい。
【0080】
あるいは、一般式(I−v)
【0081】
【化25】
【0082】
(式中、Weは塩素、臭素またヨウ素のハロゲン原子あるいはp−トルエンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表し、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体を一般式(IIIe)
【0083】
【化26】
【0084】
(式中、YbはMgBr、MgI、Li、CuLiまたはB(OH)2などの金属または金属塩を表し、Reはアルケニル基を表す。)で表される有機金属反応剤を遷移金属触媒存在下にカップリング反応させることにより得ることもできる。ここで遷移金属触媒としてはパラジウム錯体あるいはニッケル錯体が好ましい。
【0085】
製法ホ) Zがシアノ基の場合
一般式(I―v)で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体をシアン化銅(I)または遷移金属触媒存在下にシアン化ナトリウムあるいはシアン化カリウムと反応させることにより、一般式(I)におけるZがシアノ基である化合物を得ることができる。ここで遷移金属触媒としてはパラジウム錯体あるいはニッケル錯体が好ましい。
【0086】
あるいは、一般式(I−u)で表される有機金属反応剤を二酸化炭素と反応させることにより、一般式(I−w)
【0087】
【化27】
【0088】
(式中、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)で表される安息香酸誘導体を得る。これを塩化チオニル等の塩素化剤で酸塩化物(I−x)
【0089】
【化28】
【0090】
(式中、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)とした後、アンモニアを反応させて酸アミドとし、次いで脱水することにより一般式(I)におけるZがシアノ基である化合物を得ることもできる。
【0091】
あるいは、一般式(I−s)で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体において、塩化アルミニウム等のルイス酸存在下にシュウ酸ジクロリドと反応させることにより一般式(I−x)で表される酸塩化物を直接得て、前述と同様にして一般式(I)におけるZがシアノ基である化合物を得ることもできる。
【0092】
あるいは、一般式(I−s)で表されるフェニルデカヒドロナフタレン誘導体において、塩化アルミニウム等のルイス酸存在下にアセチル化することにより、一般式(I−y)
【0093】
【化29】
【0094】
(式中、R、Xa、XbおよびXcは前述におけるとおなじ意味を表す。)で表されるアセトフェノン誘導体を得て、次亜塩素酸等で酸化することにより一般式(I−w)で表される安息香酸誘導体を得て、前述と同様にして一般式(I)におけるZがシアノ基である化合物を得ることもできる。
【0095】
あるいは、一般式(IIIe)
【0096】
【化30】
【0097】
(式中、Xa、XbおよびXcは一般式(I)におけるとおなじ意味を表し、Wfは臭素またはヨウ素原子を表し、Zbは4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−2−エン−2−イル基の如きカルボキシル基の保護基を表す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体からグリニヤール反応剤を調製し、製法イ)と同様に一般式(II)の6−置換トランスデカヒドロナフタレン−2−オンと反応させ、次いで酸触媒存在下で脱水させることにより、オクタヒドロナフタレン誘導体(IVc)
【0098】
【化31】
【0099】
(式中、R、Xa、Xb、XcおよびZbは前述におけるとおなじ意味を表す。)を得る。これを水素添加した後、必要に応じてシス/トランスの異性化を行い、トランス体を分離してフェニルデカヒドロナフタレン誘導体(I−z)
【0100】
【化32】
【0101】
(式中、R、Xa、Xb、XcおよびZbは前述におけるとおなじ意味を表す。)を得る。これを脱保護することにより一般式(I−w)で表される安息香酸誘導体を得て、前述と同様にして一般式(I)におけるZがシアノ基である化合物を得ることもできる。
【0102】
あるいは、フェニルデカヒドロナフタレン誘導体(I−z)において、Zbが4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−2−エン−2−イル基等の場合、オキシ塩化リン等の酸性脱水剤を用いることにより、一般式(I)におけるZがシアノ基である化合物を得ることもできる。
【0103】
斯くして製造される本発明の化合物(I)の代表的な例を第1表にまとめて示す。
【0104】
【表1】
【0105】
(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック相を、Iは等方性液体をそれぞれ示す。また、( )内はその相がモノトロピックであることを表す。)
一般式(I)の化合物を液晶組成物中に添加することにより得られる優れた効果は以下のとおりである。
【0106】
第1表中に表された(I−3)
【0107】
【化33】
【0108】
の化合物を、汎用のn型ホスト液晶(H)
【0109】
【化34】
【0110】
に20%添加してネマチック液晶組成物(H−3)を調製したところ、そのネマチック相上限温度(TN-I)は65.3℃であった。この(H−3)を−20℃で2週間放置したが結晶の析出や相分離は観察されなかった。また、−60℃に冷却して結晶化させ、その融点(TC-N)を測定したところ2℃であった。
【0111】
次に、(H−3)をセル厚8.0μmのTNセルに充填して液晶素子を作成し、20℃でその電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
誘電率異方性(Δε) 4.0
閾値電圧(Vth) 1.68V
応答時間(τ) 41.5m秒
屈折率異方性(Δn) 0.084
【0112】
一方、ホスト液晶(H)単独での物性値は以下のとおりである。
ネマチック相上限温度(TN-I) 72.5℃
誘電率異方性(Δε) -1.3
屈折率異方性(Δn) 0.085
【0113】
ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)が等しくなる電圧印加時の応答時間である。ホスト液晶(H)はn型であるために電場応答しないが、(H−3)では(I−3)を20%添加することにより誘電率異方性(Δε)が4.0と大きくなり、低電圧駆動が可能となり、41.5m秒という高速応答も可能となった。しかもネマチック相上限温度(TN-I)の低下も約7℃程度に抑えることができた。
【0114】
これに対して、フッ素置換されていない6−シアノナフタレン誘導体である(R−1)
【0115】
【化35】
【0116】
を(H)に20%添加してネマチック液晶組成物(H−R1)を調製した。同様にして液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 83.0℃
誘電率異方性(Δε) 2.1
閾値電圧(Vth) 2.70V
応答時間(τ) 38.5m秒
屈折率異方性(Δn) 0.088
【0117】
(H−A)はTN-Iが(H−3)より高くホスト液晶(H)に対しても約10℃も上昇しており、また応答時間もやや低減されている。しかしながら、Δεが(H−3)と比較してかなり減少し、そのために閾値電圧(Vth)が大幅に上昇していることがわかる。また、(H−R1)を同様に−20℃で放置したところ、1週間以内に結晶が析出した。
【0118】
次に、第1表中に表された(I−1)
【0119】
【化36】
【0120】
の化合物を(H)に20%添加してネマチック液晶組成物(H−1)を調製した。同様にして液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 76.5℃
誘電率異方性(Δε) 3.2
閾値電圧(Vth) 2.30V
応答時間(τ) 40.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.085
【0121】
従って、(H−3)と比較して、閾値電圧(Vth)は高くなっているものの、ネマチック相上限温度は10℃以上高くなり、その応答性もわずかではあるが改善されている。また、この(H−1)を同様に−20℃で2週間放置したが結晶の析出や相分離は観察されなかった。
【0122】
これに対して(I−1)におけるトランスデカヒドロナフチレン基がシクロヘキシレン基に置き換わった構造を有する、3−フルオロ−4−シアノベンゼン誘導体である(R−2)
【0123】
【化37】
【0124】
を(H)に20%添加してネマチック液晶組成物(H−R2)を調製した。同様にして液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 58.5℃
誘電率異方性(Δε) 3.6
閾値電圧(Vth) 2.2V
応答時間(τ) 36.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.084
【0125】
これを(H−1)と比較すると、(H−R2)のΔεは(H−1)より増大し、Vthはより効果的に低減されていることがわかる。また、その応答も(H−1)より高速であった。しかしながら、そのTN-Iは(H−1)と比較して20℃近くも低下してしまった。
【0126】
以上のように、一般式(I)の化合物は、他の液晶化合物との相溶性に優れ、ネマチック液晶性に優れ、その添加により誘電率異方性を大きく増大させてその閾値電圧を低減することが可能であり、かつ高速応答が可能であるといった特長を併せ有する点で、従来知られている構造の比較的類似した(A)や(B)の化合物と比較してもより優れていることがわかる。
【0127】
次に、第1表中に表された(I−7)
【0128】
【化38】
【0129】
の化合物を、温度範囲が広く低粘性でアクティブマトリックス駆動にも使用可能なホスト液晶組成物(J)
【0130】
【化39】
【0131】
に20重量%添加して液晶組成物(J−7)を調製した。ここで(J)の物性値ならびにそれを用いて作成した液晶素子の電気光学的特性値は以下のとおりである。
ネマチック相上限温度(TN-I) 116.7℃
融点(TC-N) +11℃
誘電率異方性(Δε) 4.8
閾値電圧(Vth) 2.14V
応答時間(τ) 25.3m秒
屈折率異方性(Δn) 0.090
【0132】
これに対して(J−7)の物性値ならびにそれを用いて同様に作成した液晶素子の電気光学的特性値は以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 88.7℃
融点(TC-N) +13℃
誘電率異方性(Δε) 5.7
閾値電圧(Vth) 1.69V
応答時間(τ) 31.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.080
【0133】
従って、(I−7)を20%添加することにより、そのネマチック相上限温度(TN-I)の降下を28℃に抑えながら、その閾値電圧(Vth)を0.45Vも低減することができた。さらにその応答時間も6m秒以内の増加に抑えることができた。また、冷却して結晶化させ、測定したその融点(TC-N)は13℃でホスト液晶(J)とほとんど変化がなく、(I−7)がホスト液晶によく溶解していることがわかる。また、(J−7)のネマチック相上限温度(TN-I)から外挿した(I−7)単独でのネマチック相上限温度は−23℃であった。
【0134】
次に、この素子の室温および80℃における電圧保持率を測定したがいずれも極めて良好でアクティブマトリックス駆動用としても充分使用可能であることがわかった。
【0135】
これに対して(I−7)におけるトランスデカヒドロナフチレン基がシクロヘキシレン基に置き換わった構造を有するシクロヘキシルベンゼン誘導体(R−3)
【0136】
【化40】
【0137】
を(H)に同量(20%)添加して液晶組成物(J−R3)を調製したところ、ネマチック相上限温度(TN-I)は70℃と大きく降下した。これから外挿した(R−3)単独でのネマチック相上限温度は−100℃以下であった。従って、(I−7)と比較して液晶性がかなり低いことがわかる。
【0138】
この組成物の他の物性値ならびに同様にして作成した素子の電気光学特性値は以下のとおりである。
誘電率異方性(Δε) 5.6
閾値電圧(Vth) 1.58V
応答時間(τ) 30.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.080
【0139】
従って、(I−7)と比較してネマチック相上限温度(TN-I)が20℃近くも降下しているにもかかわらず、閾値電圧(Vth)は0.1V程度しか低減されておらず、応答時間もほとんど変化がないことがわかる。
【0140】
次に、(I−7)と類似の構造を有するが、(I−7)におけるトランスデカヒドロナフチレン基がビシクロヘキサン−4,4’−ジイル基に置き換わった構造を有するフェニルビシクロヘキサン誘導体(R−4)
【0141】
【化41】
【0142】
を(H)に同量(20%)添加して液晶組成物(J−R4)を調製した。この組成物の物性値ならびに同様にして作成した素子の電気光学特性値は以下のとおりである。
ネマチック相上限温度(TN-I) 111.0℃
融点(TC-N) +25℃
誘電率異方性(Δε) 5.9
閾値電圧(Vth) 2.00V
応答時間(τ) 37.8m秒
屈折率異方性(Δn) 0.087
【0143】
従って、TN-Iはホスト液晶と同程度と非常に高いが、Vthはホスト液晶より0.14V程度低減されたにすぎず、(J−7)よりかなり高くなった。また、応答時間は(J−7)より7m秒近くも遅くなってしまった。さらに融点はホスト液晶より13℃も上昇しており、この(R−4)の化合物のホスト液晶に対する溶解性はあまり優れていないことがわかる。
【0144】
以上のように、本発明の(I−7)の化合物は温度範囲が広く、閾値電圧が低く、高速応答が可能な液晶組成物を調製するうえにおいて従来の化合物より優れた効果を有していることがわかる。
【0145】
従って、一般式(I)の化合物は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に温度範囲が広く低電圧駆動が可能な液晶材料として好適に使用することができる。またシアノ基を含有しない(I)の化合物は分子内に強い極性基を持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることが容易であり、アクティブマトリックス駆動用液晶材料の構成成分として使用することも可能である。本発明はこのように一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種類をその構成成分として含有する液晶組成物をも提供するものである。
【0146】
本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二〜第四成分から少なくとも1種含有することが好ましい。
【0147】
即ち、第二成分はいわゆるフッ素系(ハロゲン系)のp型液晶化合物であって、以下の一般式(A1)〜(A3)で示される化合物からなるものである。
【0148】
【化42】
【0149】
上式中、Rbは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチルまたはエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−または−C≡C−により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。また、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0150】
環A、環Bおよび環Cはそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基または1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Bがトランス−1,4−シクロヘキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましく、環Cがトランス−1,4−シクロヘキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環Bおよび環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。また、(A3)において環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。
【0151】
La、LbおよびLcは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH2CH2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH3)CH2−および−CH2CH(CH3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−または−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCF2−、−CF2O−、−CF=CF−または−C≡C−が好ましく、単結合またはエチレン基が特に好ましい。また、(A2)においてはその少なくとも1個が、(A3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0152】
環Zは芳香環であり以下の一般式(IXa)〜(IXc)で表すことができる。
【0153】
【化43】
【0154】
式中、Ya〜Yjはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(IXa)において、YaおよびYbの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、(IXb)において、Yd〜Yfの少なくとも1個はフッ素原子であることが好ましく、特にYdはフッ素原子であることがさらに好ましい。
【0155】
末端基Paはフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基またはジフルオロメチル基あるいは2個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数2または3のアルコキシル基、アルキル基、アルケニル基またはアルケニルオキシ基を表すが、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基またはジフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0156】
また、(A2)においては本発明の一般式(I)の化合物は除く。
【0157】
第三成分はいわゆるシアノ系のp型液晶化合物であって、以下の一般式(B1)〜(B3)で示される化合物からなるものである。
【0158】
【化44】
【0159】
上式中、Rcは炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチルまたはエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−または−C≡C−により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5のアルキル基が好ましい。また、分岐により不斉炭素が生じる場合には、化合物として光学活性であってもラセミ体であってもよい。
【0160】
環D、環Eおよび環Fはそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基または1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基が好ましい。特に環Eがトランス−1,4−シクロヘキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に、環Dはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましく、環Fがトランス−1,4−シクロヘキシレン基またはトランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基である場合に環Dおよび環Eはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。また、(B3)において環Dはトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることが好ましい。
【0161】
Ld、LeおよびLfは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH2CH2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH3)CH2−および−CH2CH(CH3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−OCH2−、−CH2O−、または−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、−COO−、−OCF2−、−CF2O−、−CF=CF−または−C≡C−が好ましく、単結合、エチレン基または−COO−が特に好ましい。また、(B2)においてはその少なくとも1個が、(B3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0162】
環Yは芳香環であり以下の一般式(IXd)〜(IXf)で表すことができる。
【0163】
【化45】
【0164】
式中、Yh〜Ynはそれぞれ独立的に水素原子あるいはフッ素原子を表すが、(IXe)において、YnおよびYoは水素原子であることが好ましい。
末端基Paはシアノ基(−CN)、シアナト基(−OCN)または−C≡CCNを表すが、シアノ基が好ましい。
【0165】
また、(B2)においては本発明の一般式(I)の化合物は除く。
【0166】
第四成分は誘電率異方性が0程度である、いわゆるn型液晶であり、以下の一般式(C1)〜(C3)で示される化合物からなるものである。
【0167】
【化46】
【0168】
上式中、RdおよびReはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、これらは直鎖状であってもメチルまたはエチル分岐を有していてもよく、3〜6員環の環状構造を有していてもよく、基内に存在する任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−または−C≡C−により交換されていてもよく、基内に存在する任意の水素原子はフッ素原子またはトリフルオロメトキシ基により置換されていてもよいが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基または末端が炭素原子数1〜3アルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基が好ましく、さらに少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基または炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基であることが特に好ましい。
【0169】
環G、環H、環Iおよび環Jはそれぞれ独立的に、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、他の環はトランス−1,4−シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子またはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。
【0170】
Lg、LhおよびLiは連結基であって、それぞれ独立的に単結合、エチレン基(−CH2CH2−)、1,2−プロピレン基(−CH(CH3)CH2−および−CH2CH(CH3)−)、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−または−CH=NN=CH−を表すが、単結合、エチレン基、1,4−ブチレン基、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CF=CF−、−C≡C−または−CH=NN=CH−が好ましく、(C2)においてはその少なくとも1個が、(C3)においてはその少なくとも2個が単結合を表すことが好ましい。
【0171】
また、(C2)においては本発明の一般式(I)の化合物は除く。
【0172】
(C1)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C1a)〜(C1h)で表すことができる。
【0173】
【化47】
【0174】
上記各式中、RfおよびRgはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基、炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基または末端が炭素原子数1〜3のアルコキシル基により置換された炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表すが、少なくとも一方は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖状1−アルケニル基または炭素原子数4〜7の直鎖状3−アルケニル基を表す。ただし、環G1〜環G8が芳香環の場合、対応するRfは1−アルケニル基およびアルコキシル基を除き、環H1〜環H8が芳香環の場合、対応するRgは1−アルケニル基およびアルコキシル基を除く。
【0175】
環G1および環H1はそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子またはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。環G2および環H2はそれぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子またはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。環G3および環H3はそれぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子あるいはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すが、各化合物において1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基は1個以内であることが好ましい。
【0176】
(C2)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C2a)〜(C2m)で表すことができる。
【0177】
【化48】
【0178】
上式中、環G1、環G2、環G3、環H1、環H2および環H3は前述の意味を表し、環I1は環G1と、環I2は環G2と、環I3は環G3とそれぞれおなじ意味を表す。また、上記各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子またはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。
【0179】
次に(C3)におけるより好ましい形態は以下の一般式(C3a)〜(C3f)で表すことができる。
【0180】
【化49】
【0181】
上式中、環G1、環G2、環H1、環H2、環I1および環I2は前述の意味を表し、環J1は環G1また環J2は環G2とそれぞれおなじ意味を表す。また、上記各化合物において、トランスデカヒドロナフタレン−トランス−2,6−ジイル基、1個以上のフッ素原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基、1〜2個のフッ素原子により置換されていてもよいテトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、フッ素原子により置換されていてもよい1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基またはピリジン−2,5−ジイル基は1個以内であることが好ましく、その場合の他方の環はトランス−1,4−シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素原子またはメチル基により置換されていてもよい1,4−フェニレン基である。
【0182】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0183】
化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)および赤外吸収スペクトル(IR)により確認した。組成物の%は重量%を表す。
【0184】
(参考例)6−プロピルトランスデカヒドロナフタレン−2−オンの合成
【0185】
【化50】
【0186】
(1−i)6−プロピル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−ナフタレン−2−オンの合成
4−プロピルシクロヘキサノン211gをトルエン600mL中に溶解し、ピロリジン225mLを加える。、水分離器を取り付けた装置で、溜出水がなくなるまで4時間加熱還流した。そのまま加熱を続けながら、ピロリジンとトルエンを溜去した後、室温に戻してトルエン800mLを加え、20℃以下に冷却しながら、メチルビニルケトン130mLを30分間かけて滴下した。滴下後、2時間加熱還流し、室温まで放冷した。酢酸ナトリウム62g、氷酢酸130mLおよび水130mLを混合した水溶液を加え、2時間加熱還流した後、室温まで放冷した。有機層を分離して、水で洗滌し、溶媒を溜去した。得られた油状物237gをテトラヒドロフラン(THF)500mLに溶解し、3M塩酸300mLを加えた。5時間加熱還流後室温に戻し、有機層を分離し、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を溜去し、6−プロピル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−ナフタレン−2−オンの黄色液体223gを得た。
IR(neat)1676,1622cm-1
1H−NMR(アセトン−d6)δ5.7(s,1H),2.2−1.6(m,12H),1.4−1.2(m,4H),0.9(t,3H)
13C−NMR(アセトン−d6)δ199,168,125,42−30,21,15
MS m/z192,164,149,135,121,107,94,79,66,55
【0187】
(1−ii)6−プロピルトランスデカヒドロナフタレン−2−オンの合成
−40℃以下に冷却しながら、液体アンモニア中2Lに金属リチウム25gを少量ずつ加えて溶解させた。内温を−30〜−40℃に保ちながら、(1−ii)で得られた6−プロピル−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−3H−ナフタレン−2−オン223g、t−ブタノール130mLのTHF500mL溶液を滴下し、滴下後、30分間攪拌を続けた。固体の塩化アンモニウムを少量ずつ加えてリチウムを酸化した後、室温まで昇温し、アンモニアを留去した。水を加え、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を溜去し、減圧蒸留(沸点130−156℃、0.8KPa)して6−プロピルトランスデカヒドロナフタレン−2−オンの淡黄色液体154gを得た。
IR(neat)1719cm-1
1H−NMR(アセトン−d6)δ2.7(s,1H),2.4−1.1(m,12H),1.4−1.0(m,4H),0.9(t,3H)
13C−NMR(アセトン−d6)δ199,168,125,42−30,21,15
MS m/z194,176,165,150,137,121,107,95,81,67,55
同様にして以下の化合物を得る。
【0188】
6−メチルトランスデカヒドロナフタレン−2−オン
6−エチルトランスデカヒドロナフタレン−2−オン
6−ブチルトランスデカヒドロナフタレン−2−オン
6−ペンチルトランスデカヒドロナフタレン−2−オン
6−ヘキシルトランスデカヒドロナフタレン−2−オン
6−ヘプチルトランスデカヒドロナフタレン−2−オン
【0189】
(実施例1)トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン(I−3)の合成
【0190】
【化51】
【0191】
(1−a)トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)トランスデカヒドロナフタレンの合成
マグネシウム2.4gをTHF5mLに懸濁し、1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼン17.6gのTHF80mL溶液をTHFが穏やかに還流する速さで約30分かけて滴下した。さらに1時間撹拌後、6−プロピル−オクタヒドロナフタレン−2−オン20gのTHF80mL溶液を30分間かけ滴下した。さらに2時間撹拌後、10%塩酸80mLを加えた。ヘキサン100mLを加え、有機層を分離し、水層はヘキサン100mLで抽出し有機層を併せた。水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、トルエン105mLとp−トルエンスルホン酸一水和物1.7gを加え、溜出する水分を分離除去しながら110℃で加熱撹拌した。水の溜出がなくなってから、室温に戻し、水50mLを加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し全量を酢酸エチル100mLに溶解し、5%パラジウム−炭素3.0gを加え、オ−トクレ−ブ中、水素圧400KPa下で撹拌した。室温で5時間撹拌後、触媒をセライト濾過により除き、溶媒を溜去してトランス−6−プロピル−2−(3,5−ジフルオロフェニル)トランスデカヒドロナフタレンのトランス/シス混合物を得た。この全量をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100mLに溶解し、t−ブトキシカリウム2.4gを加え、70℃で5時間攪拌した。室温まで冷却した後、水100mLを加え、トルエン100mLで2回抽出した。有機層を併せ、10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン)で精製し、さらにエタノ−ルから再結晶して、トランス−6−プロピル−トランス−2−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレンの白色結晶16.5gを得た。
【0192】
(1−b)トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレンの合成
(1−a)で得られたトランス−6−プロピル−トランス−2−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン16.5gをTHF70mLに溶解し、−78℃に冷却する。1.6Mブチルリチウム−ヘキサン溶液38.6mLを内温が−50℃を越えないよう、30分かけ滴下した。さらに20分攪拌した後、内温が−50℃を越えないようにして、二酸化炭素を吹き込んだ。発熱が起こらなくなったら、徐々に室温まで昇温し、水50mLおよびヘキサン50mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し全量を1,2−ジクロロエタン170mLに溶解し、塩化チオニルを8.1gおよびピリジン0.1mLを加え、室温で5時間攪拌した。溶媒を溜去し全量をジクロロメタン100mLに溶解し、攪拌しながらアンモニアガスを吹き込んだ。2時間後濾過し、残渣をDMF100mLに溶解し、塩化オキサリル7.9gを滴下した。さらに1時間攪拌後、氷水に注ぎ、トルエン100mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン)で精製し、さらにエタノ−ルから再結晶して、トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレンの白色結晶9gを得た。
【0193】
同様にして以下の化合物を得る。
【0194】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
【0195】
(実施例2)トランス−2−プロピル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン(I−1)の合成
【0196】
【化52】
【0197】
酢酸100mLおよび48%臭化水素酸水溶液100mLにトランス−2−プロピル−トランス−6−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)トランスデカヒドロナフタレン(この化合物は(1−a)の1−ブロモ−3,5−ジフルオロベンゼンに換え、1−ブロモ−3−フルオロ−4−メトキシベンゼンを用い、他は同様にして得た。)20gを加え、20時間加熱還流させた。室温に戻し、水およびトルエンを加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し全量をジクロロメタン100mLに溶解し、無水トリフルオロメタンスルホン酸19.7gを加え、5℃に冷却した。激しく撹拌しながら、ピリジン12mLを滴下した後さらに1時間撹拌した。水を加えて、反応を停止させ、有機層を分取し、水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を併せ、10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン)で精製後、溶媒を溜去し、全量をアセトニトリル150mLに溶解し、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)1.7g、トリフェニルホスフィン1.4g、亜鉛粉0.3g、シアン化カリウム8.5gを加え、80℃で16時間加熱撹拌させた。水を加え反応を停止し、有機層をさらに水で洗滌後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン/ジクロロメタン)で精製し、さらにエタノ−ルから再結晶して5−フルオロ−6−シアノ−2−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ナフタレンの白色固体12.5gを得た。
【0198】
同様にして以下の化合物を得る。
【0199】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)トランスデカヒドロナフタレン
【0200】
(実施例3)トランス−6−プロピル−トランス−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン(I−7)の合成
【0201】
【化53】
【0202】
マグネシウム3.6gをTHF3.5mLに懸濁し、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼン25.8gのTHF110mL溶液をTHFが穏やかに還流する速さで約30分かけて滴下した。さらに1時間撹拌後、6−プロピル−オクタヒドロナフタレン−2−オン20gのTHF86mL溶液を30分間かけ滴下した。さらに2時間撹拌後、10%塩酸50mLを加えた。ヘキサンを加え、有機層を分離し、水層はヘキサンで抽出し有機層を併せた。水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を溜去し、トルエン100mLとp−トルエンスルホン酸1水和物2.0gを加え、溜出する水分を分離除去しながら110℃で加熱撹拌した。水の溜出がなくなってから、室温に戻し、水50mLを加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し全量を酢酸エチル200mLに溶解し、5%パラジウム−炭素2.5gを加え、オ−トクレ−ブ中、水素圧400KPa下で撹拌した。室温で5時間撹拌後、触媒をセライト濾過により除き、溶媒を溜去してトランス−6−プロピル−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)トランスデカヒドロナフタレンのトランス/シス混合物を得た。この全量をDMF55mLに溶解し、t−ブトキシカリウム1gを加え、70℃で5時間攪拌した。室温まで冷却した後、水100mLを加え、ヘキサン100mLで2回抽出した。有機層を併せ、10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン)で精製し、さらにエタノ−ルから再結晶して、トランス−6−プロピル−トランス−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレンの白色結晶5gを得た。
IR(neat)1615,1530cm-1
1H−NMR(アセトン−d6)δ7.4−6.8(m,2H),2.5−2.8(m,4H),1.9−0.7(m,18H)
13C−NMR(アセトン−d6)δ154,150,140,137,146,112,43−34,21,15
MS m/z 310,267,247,225,211,197,185,171,158,145,135,123,109,95,81,67,55
【0203】
同様にして以下の化合物を得る。
【0204】
トランス−2−メチル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(4−フルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0205】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0206】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0207】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0208】
トランス−2−メチル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0209】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0210】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0211】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0212】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0213】
トランス−2−メチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(3,5−ジフルオロ−4−クロロフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0214】
トランス−2−メチル−トランス−6−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−エチル−トランス−6−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−プロピル−トランス−6−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ブチル−トランス−6−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ペンチル−トランス−6−((2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘキシル−トランス−6−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
トランス−2−ヘプチル−トランス−6−(2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−トランス−デカヒドロナフタレン
【0215】
(実施例4)液晶組成物の調製(1)
汎用のn型ホスト液晶(H)
【0216】
【化54】
【0217】
を調製した。この(H)は72.5℃以下でネマチック相を示し、その融点は17℃である。この組成物の物性値は以下のとおりであった。
誘電率異方性(Δε) −1.3
屈折率異方性(Δn) 0.085
【0218】
次にこのホスト液晶(H)の80%と実施例1で得られた本発明の化合物である(I−3)
【0219】
【化55】
【0220】
からなる液晶組成物(H−3)を調製した。この組成物の液晶(ネマチック)相上限温度(TN-I)は65.3℃であり、(H)に対する低下を約7℃程度に抑えることができた。この(H−3)を−20℃で2週間放置したが結晶の析出や相分離は観察されなかった。また、−60℃に冷却して結晶化させ、その融点(TC-N)を測定したところ2℃であった。これから、(I−3)の化合物は汎用液晶との相溶性にも優れていることがわかる。
【0221】
次に、この(H−3)をセル厚8.0μmのTNセルに充填して液晶素子を作成し、20℃でその電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
誘電率異方性(Δε) 4.0
閾値電圧(Vth) 1.68V
応答時間(τ) 41.5m秒
屈折率異方性(Δn) 0.084
【0222】
ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)が等しくなる電圧印加時の応答時間である。
【0223】
ホスト液晶(H)はn型であるため応答しないが、(H−3)では(I−3)を20%添加することにより誘電率異方性(Δε)が4.0と大きくなり、41.5m秒という高速応答が可能となった。
【0224】
(比較例1)
実施例4において、(I−3)に換えて、フッ素置換されていない6−シアノナフタレン誘導体である(R−1)
【0225】
【化56】
【0226】
を(H)に同量(20%)添加してネマチック液晶組成物(H−R1)を調製した。この組成物のネマチック相上限温度(TN-I)は83.0℃と(H)よりも上昇した。しかしながら、同様にして−20℃で放置したところ、1週間以内に結晶が析出した。従って、(R−1)の汎用液晶に対する相溶性は(I−3)より劣っていることがわかる。
【0227】
次に同様にして液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定したところ、以下のとおりであった。
誘電率異方性(Δε) 2.1
閾値電圧(Vth) 2.70V
応答時間(τ) 38.5m秒
屈折率異方性(Δn) 0.088
【0228】
(H−R1)はTN-Iが(H−3)より約18℃も高くなり、また応答時間もやや低減されている。しかしながら、Δεが(H−3)と比較してかなり減少し、そのために閾値電圧(Vth)が大幅に上昇しており、低電圧駆動には適さなくなっていることがわかる。
【0229】
(実施例5)液晶組成物の調製(2)
ホスト液晶(H)の80%と実施例2で得られた(I−1)
【0230】
【化57】
【0231】
の化合物20%からなるネマチック液晶組成物(H−1)を調製した。その物性値ならびに同様にして液晶素子を作成して測定したその電気光学特性は以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 76.5℃
誘電率異方性(Δε) 3.2
閾値電圧(Vth) 2.30V
応答時間(τ) 40.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.085
【0232】
従って、(H−3)と比較して、閾値電圧(Vth)は少し高くなっているものの、ネマチック相上限温度は10℃以上高くなり、その応答性もわずかではあるが改善されている。また、この(H−1)を同様に−20℃で2週間放置したが結晶の析出や相分離は観察されなかった。
【0233】
(比較例2)
実施例4において、(I−1)に換えて、(I−1)におけるトランスデカヒドロナフチレン基がシクロヘキシレン基に置き換わった構造を有する、3−フルオロ−4−シアノベンゼン誘導体である(R−2)
【0234】
【化58】
【0235】
を(H)に20%添加してネマチック液晶組成物(H−R2)を調製した。その物性値ならびに同様にして液晶素子を作成して測定したその電気光学特性は以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 58.5℃
誘電率異方性(Δε) 3.6
閾値電圧(Vth) 2.2V
応答時間(τ) 36.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.084
【0236】
(H−R2)のΔεは(H−1)より増大し、Vthはより効果的に低減されていることがわかる。また、その応答も(H−1)より高速であった。しかしながら、そのTN-Iは(H−1)と比較して20℃近くも低下してしまった。従って、(R−2)のようなフェニルシクロヘキサン誘導体では低電圧駆動と広い温度範囲を合わせ有する液晶組成物の調製が困難であることがわかる。
【0237】
(実施例6)液晶組成物の調製(3)
温度範囲が広く低粘性でアクティブマトリックス駆動にも使用可能な汎用のホスト液晶(J)
【0238】
【化59】
【0239】
を調製した。この(J)は116.7℃以下でネマチック相を示し、その融点は11℃である。この組成物の物性値ならびに、これを用いて作成したセル厚6.0μmのTNセルにおける閾値電圧(Vth)の20℃における測定値は以下のとおりであった。
閾値電圧(Vth) 2.14V
誘電率異方性(Δε) 4.8
屈折率異方性(Δn) 0.090
【0240】
次にこのホスト液晶(J)の80%と実施例3で得られた本発明の化合物である(I−7)
【0241】
【化60】
【0242】
20%からなる液晶組成物(J−7)を調製したところ、ネマチック相上限温度は88.7℃で(J)より若干低くなった。この組成物は0℃で1ヶ月以上放置しても結晶の析出や相分離は観察されず、(I−7)は汎用の液晶との相溶性にも優れていることがわかる。次に−60℃に冷却して結晶化させその融点を測定したところ、+13℃で(J)の融点とほぼ同程度であった。次にこの組成物を用いて同様に液晶素子を作成し、その特性値を測定したところ、以下のとおりであった。
ネマチック相上限温度(TN-I) 88.7℃
融点(TN-I) 13.0℃
閾値電圧(Vth) 1.69V
誘電率異方性(Δε) 5.7
応答時間(τ) 31.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.080
【0243】
従って、(I−7)を20%添加することにより、そのネマチック相上限温度(TN-I)の降下を28℃に抑えながら、その閾値電圧(Vth)を0.45Vも低減することができた。さらにその応答時間も6m秒以内の増加に抑えることができた。また、冷却して結晶化させ、測定したその融点(TC-N)は13℃でホスト液晶(J)とほとんど変化がなく、(I−7)がホスト液晶によく溶解していることがわかる。また、(J−7)のネマチック相上限温度(TN-I)から外挿した(I−7)単独でのネマチック相上限温度は−23℃であった。
【0244】
次に、この素子の室温および80℃における電圧保持率を測定したがいずれも極めて良好でアクティブマトリックス駆動用としても充分使用可能であることがわかった。
【0245】
(比較例3)
実施例6において、(I−7)に換えて、シクロヘキシルベンゼン誘導体(R−3)
【0246】
【化61】
【0247】
を(J)に同量(20%)添加して液晶組成物(J−R3)を調製した。この組成物のネマチック相上限温度(TN-I)は70℃と大きく降下した。これから外挿した(R−3)単独でのネマチック相上限温度は−100℃以下であった。従って、(I−7)と比較して液晶性がかなり低いことがわかる。
【0248】
この組成物の他の物性値ならびに同様にして作成した素子の電気光学特性値は以下のとおりである。
閾値電圧(Vth) 1.58V
誘電率異方性(Δε) 5.6
応答時間(τ) 30.0m秒
屈折率異方性(Δn) 0.080
【0249】
従って、(I−7)と比較してネマチック相上限温度(TN-I)が20℃近くも降下しているにもかかわらず、閾値電圧(Vth)は0.1V程度しか低減されておらず、応答時間もほとんど変化がないことがわかる。
【0250】
(比較例4)
実施例6において、(I−7)の化合物に換えて、(I−7)におけるトランスデカヒドロナフチレン基がビシクロヘキサン−4,4’−ジイル基に置き換わった構造を有するフェニルビシクロヘキサン誘導体(R−4)
【0251】
【化62】
【0252】
を(J)に同量(20%)添加して液晶組成物(J−R4)を調製した。この組成物の物性値ならびに同様にして作成した素子の電気光学特性値は以下のとおりである。
ネマチック相上限温度(TN-I) 111.0℃
融点(TN-I) 25.0℃
閾値電圧(Vth) 2.00V
誘電率異方性(Δε) 5.9
応答時間(τ) 37.8m秒
屈折率異方性(Δn) 0.087
【0253】
従って、ネマチック相上限温度(TN-I)はホスト液晶と同程度と非常に高いが、閾値電圧(Vth)はホスト液晶より0.14V程度低減されたにすぎず、(J−7)よりかなり高くなってしまっている。また、応答時間は(J−7)より7m秒近くも遅くなってしまった。さらに融点はホスト液晶より13℃も上昇しており、この(R−4)の化合物のホスト液晶に対する溶解性はあまり優れていないことがわかる。
【0254】
以上のように、本発明の(I−7)の化合物は温度範囲が広く、閾値電圧が低く、高速応答が可能な液晶組成物を調製するうえにおいて従来の化合物より優れた効果を有していることがわかる。
【0255】
従って、一般式(I)の化合物は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に温度範囲が広く低電圧駆動が可能な液晶材料として好適に使用することができる。また(I−5)〜(I−9)の化合物は分子内に強い極性基を持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることが容易であり、アクティブマトリックス駆動用液晶材料の構成成分として使用することも可能である。本発明はこのように一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種類をその構成成分として含有する液晶組成物をも提供するものである。
【0256】
(実施例7)液晶組成物の調製(4)
以下の組成からなる液晶組成物(M)を調製した。
【0257】
4重量%の4−エトキシ−1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼン
3重量%のトランス−4−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸4−メチルフェニル
3重量%のトランス−4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸4−エトキシフェニル
3重量%のトランス−4−(4−メチルフェニル)−トランス−4’−ビニルビシクロヘキサン
3重量%のトランス−4−ブチル−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン
4重量%のトランス−4−ペンチル−トランス−4’−ビニルビシクロヘキサン
3重量%の4,4’−ビス(3−ブテニル)ビシクロヘキサン
4重量%の1−(4−プロピルフェニル)−2−(4−メチルフェニル)エチン
3重量%の1−(4−エトキシフェニル)−2−(4−ペンチルフェニル)エチン
3重量%の1,2−ビス[4−(3−ブテニル)フェニル]エチン
4重量%の1−(4−エチルフェニル)エチニル−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼン
3重量%の4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4’−エチルビフェニル
3重量%の4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−シアノベンゼン
4重量%の4−[トランス−4−(トランス−1−プロペニル)シクロヘキシル]−1−シアノベンゼン
3重量%の4−[トランス−4−(3−ブテニル)シクロヘキシル]−1−シアノベンゼン
3重量%の4’−ペンチル−4−シアノビフェニル
4重量%の2−(4−シアノフェニル)−5−ペンチルピリミジン
3重量%の4−エチル安息香酸4−シアノフェニル
3重量%のトランス−4−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸3,4−ジフルオロフェニル
4重量%の4−ブチル安息香酸3−フルオロ−4−シアノフェニル
3重量%の4−(トランス−3−ペンテン−1−イル)安息香酸3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル
3重量%のトランス−4−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−トランス−4’−(3−メトキシプロピル)ビシクロヘキサン
3重量%のトランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−4’−エチルビシクロヘキサン
4重量%のトランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−トランス−4’−ビニルビシクロヘキサン
4重量%のトランス−4−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン
3重量%のトランス−4−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチル]−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン
3重量%の4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4’−シアノビフェニル
4重量%の4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸3−フルオロ−4−シアノフェニル
3重量%の4’−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−3,4,5−トリフルオロビフェニル
3重量%の1−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチニル−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼン
【0258】
この(M)のTN-Iは75.0℃であり、Δnは0.142であった。この(M)の90%と実施例1で得られた(I−3)
【0259】
【化63】
【0260】
の3%、実施例2で得られた(I−1)
【0261】
【化64】
【0262】
の3%および実施例3で得られた(I−7)
【0263】
【化65】
【0264】
の4%からなる液晶組成物(M−I)を調製した。この(M−I)のTN-Iは70.4℃であり、Δnは0.136であった。
【0265】
【発明の効果】
一般式(I)のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体は、液晶性および現在汎用の液晶化合物あるいは組成物との相溶性に優れる。また、その添加により、応答性をほとんど悪化させずに閾値電圧を大きく低減させることが可能である。また分子内に強い極性の基を含まない化合物においては、アクティブマトリックス駆動用としても使用可能である。さらに、実施例にも示したように工業的にも製造が容易であり、無色で化学的にも安定である。従って、これを含有する液晶組成物は実用的液晶として、特に温度範囲が広く低電圧駆動と高速応答を必要とする液晶表示用として極めて有用である。
Claims (5)
- 一般式(I)
- 一般式(I)においてRが炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表すところの請求項1記載のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体。
- 一般式(I)においてZが水素原子あるいはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素のハロゲン原子あるいは1個以上のフッ素原子または炭素原子数1〜7のアルコキシル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基またはアルケニルオキシ基あるいはシアノ基を表すところの請求項1記載のフェニルデカヒドロナフタレン誘導体。
- 請求項1〜3記載の一般式(I)で表される化合物を含有する液晶組成物。
- 請求項4記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素子。
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