JP2008215214A - ブローバイガス還元装置及びそのブローバイガス還元装置を備えた内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルセパレータにより除去できなかったオイルに起因する吸気デポジットの発生を回避可能なブローバイガス還元装置及びそのブローバイガス還元装置を備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】ブローバイガス中のオイルミストを分離除去するオイルセパレータ92の下流側に、PCVバルブ97及び、オイルセパレータ92で除去できなかったオイルを回収するためのオイルトラッパ98を備えさせ、このオイルセパレータ92からオイルトラッパ98に亘るブローバイガスの流路をエンジンEのカム室3A内に位置させる。これにより、この流路内での結露水の発生を抑制し、PCV装置9からエンジンEの吸気系に亘る全域において、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)が揃ってしまう領域を存在させないようにする。また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減し、吸気デポジットの発生を回避する。
【選択図】図3
【解決手段】ブローバイガス中のオイルミストを分離除去するオイルセパレータ92の下流側に、PCVバルブ97及び、オイルセパレータ92で除去できなかったオイルを回収するためのオイルトラッパ98を備えさせ、このオイルセパレータ92からオイルトラッパ98に亘るブローバイガスの流路をエンジンEのカム室3A内に位置させる。これにより、この流路内での結露水の発生を抑制し、PCV装置9からエンジンEの吸気系に亘る全域において、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)が揃ってしまう領域を存在させないようにする。また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減し、吸気デポジットの発生を回避する。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば自動車等に搭載されるエンジン(内燃機関)のブローバイガス中に含まれるオイルミスト(霧状となったエンジンオイル等)を分離するためのオイルセパレータを備え、このオイルセパレータを通過したブローバイガスをエンジンの吸気系へ向けて送るブローバイガス還元装置(以下、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置という)及びそのPCV装置を備えた内燃機関に係る。特に、本発明は、スラッジの発生を抑制し、また、吸気系におけるデポジット(以下、吸気デポジットという)の発生を回避するための対策に関する。
従来より、自動車用エンジンには、シリンダとピストンとの隙間からクランクケース内に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に導くためのPCV装置が備えられている。つまり、このPCV装置によって、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を含むブローバイガスを、エンジンの吸気系を経て燃焼室に送り込み、このブローバイガスの大気中への放出を防止している。また、クランクケース内に新気(外気)を導入して換気することで、ブローバイガスによるエンジンオイルの劣化を抑制し、潤滑性能等の長期維持も図っている。
また、下記の特許文献1や特許文献2にも開示されているように、上記PCV装置はオイルセパレータを備えている。このオイルセパレータによって、ブローバイガス中に含まれているオイルミストが分離され、このオイルがオイルパン等のオイル溜まり部へ送られる一方、オイルミストが分離除去された後のブローバイガスがエンジンの吸気系に還流されるようになっている。
尚、上記オイルセパレータの内部には、オイルミストを分離するためのオイル分離機構が収容されている。例えば、オイルセパレータ内部に複数のバッフルプレートが配置されてブローバイガス流路が迷路状に構成されたものや、パンチングプレート及びバッフルプレートが配置されたものが一般に知られており、オイルセパレータ内部をブローバイガスが流れていく間に所謂慣性衝突作用によってオイルミストが捕捉されるようになっている。
また、オイルセパレータには、PCVバルブが接続されており、オイルミストが分離除去された後のブローバイガスが、このPCVバルブからブローバイガス還流配管を経てエンジンの吸気系に還流されるようになっている。
尚、上記オイルセパレータの配置形態としては、特許文献1や特許文献2に開示されているようにエンジンのシリンダヘッドカバー(以下、単にヘッドカバーという)の内部に配置されるものや、特許文献3に開示されているようにヘッドカバーの外部に配置されるものが知られている。
特開平9−137710号公報
特許第2662802号公報
特開2006−316698号公報
ところが、上記オイルセパレータに導入されたブローバイガス中に含まれているオイルの全量をこのオイルセパレータによって分離除去することは困難であり、このオイルセパレータ内部で分離除去できなかったオイルは、PCVバルブ及びブローバイガス還流配管を経てブローバイガスと共にエンジンの吸気系に流入することになる。
また、上記PCVバルブやブローバイガス還流配管は外気に晒される位置に配設されているため、これらPCVバルブやブローバイガス還流配管の内部は比較的低い温度(例えば冬期であれば5℃程度)になっている。従って、ブローバイガスは、このPCVバルブやブローバイガス還流配管の内部を流れていく際に冷却されることになり、これに伴ってブローバイガス中に含まれている水分が各所で結露するといった状況を招くことがある。
このような状況では、上記オイルセパレータで除去できなかったブローバイガス中のオイルの存在が起点となって、燃料系やPM(微粒子状物質)から燃焼生成物である酸化物・炭化物であるデポジットが発生する可能性がある。そして、このデポジットの発生に伴って吸気系(例えば吸気ポート内)では吸気デポジットが堆積してしまう可能性がある。また、ブローバイガスとして混入した燃料未燃物とオイルの酸化劣化物とがオイルスラッジとなるといった問題が発生する可能性もある。
そして、上述の如く吸気デポジットが堆積する状況では、吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を招いてしまい、エンジン出力の低下やエンジン運転状態の不安定化(回転数の変動等)を招いてしまうことに繋がる。
特に、筒内直噴式ガソリンエンジンの場合には上記不具合は顕著である。つまり、ポート噴射式ガソリンエンジンの場合には、インジェクタから噴射された燃料が吸気ポート内面や吸気バルブに噴き付けられることで、これらの浄化(燃料による吸気デポジットの除去)を期待することができる。しかしながら、筒内直噴式ガソリンエンジンの場合、吸気ポート内面や吸気バルブに燃料が噴き付けられることがないため、このような浄化作用を期待することはできず、吸気系に吸気デポジットが一旦発生してしまうと、その吸気デポジットは継続的に堆積されてしまうといった状況を招くことになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイルセパレータにより除去できなかったオイルに起因する吸気デポジットの発生を回避可能なブローバイガス還元装置及びそのブローバイガス還元装置を備えた内燃機関を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、ブローバイガス中のオイルミストを分離除去するオイルセパレータの下流側に、このオイルセパレータで除去できなかったオイルを回収するためのオイル回収器(オイルトラッパ)を備えさせ、このオイルセパレータからオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部に位置させるようにし、この流路内での結露水の発生を抑制している。これにより、ブローバイガス還元装置から内燃機関の吸気系に亘る全域において、スラッジの発生領域をなくし、そして吸気デポジットの発生も抑制可能にしている。
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、ブローバイガス中のオイルミストを分離除去するオイルセパレータの下流側に、このオイルセパレータで除去できなかったオイルを回収するためのオイル回収器(オイルトラッパ)を備えさせ、このオイルセパレータからオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部に位置させるようにし、この流路内での結露水の発生を抑制している。これにより、ブローバイガス還元装置から内燃機関の吸気系に亘る全域において、スラッジの発生領域をなくし、そして吸気デポジットの発生も抑制可能にしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するためのオイルセパレータと、このオイルセパレータの下流側に配設され且つ開弁することにより上記オイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るPCVバルブとを備えたブローバイガス還元装置を前提とする。このブローバイガス還元装置に対し、上記PCVバルブの下流側に、このPCVバルブから内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器を備えさせる。そして、上記オイルセパレータから、PCVバルブ及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部空間に配置させている。この構成は、PCV装置における所謂負圧側オイルセパレータ及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した構成である。
具体的に、本発明は、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するためのオイルセパレータと、このオイルセパレータの下流側に配設され且つ開弁することにより上記オイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るPCVバルブとを備えたブローバイガス還元装置を前提とする。このブローバイガス還元装置に対し、上記PCVバルブの下流側に、このPCVバルブから内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器を備えさせる。そして、上記オイルセパレータから、PCVバルブ及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部空間に配置させている。この構成は、PCV装置における所謂負圧側オイルセパレータ及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した構成である。
この特定事項により、ブローバイガスの回収動作時、クランクケース内からオイルセパレータ内に導入されたブローバイガスは、このオイルセパレータ内部においてオイルミストが分離される。このオイルミストが分離除去された後のブローバイガスはPCVバルブの開弁動作に伴い、このPCVバルブからオイル回収器を経て内燃機関の吸気系に導入されることになる。この際、上記PCVバルブの内部流路における減圧作用により、ブローバイガス中に含まれているオイル、つまり、上記オイルセパレータで除去できなかったオイルは液滴状となり、PCVバルブからオイル回収器に流れ込み、このオイル回収器において捕捉される。このため、オイル回収器から内燃機関の吸気系に導入されるブローバイガス中には殆どオイルが存在しない状況となる。
そして、上記オイルセパレータから、PCVバルブ及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路は内燃機関の内部空間に配置されているため、この流路を流れるブローバイガスが外気によって冷却されることは殆どなく、この流路内では結露水は発生し難い状況となっている。つまり、この流路にはブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれるオイルが存在しているが、結露水(酸性水)は存在していない。即ち、この流路内では、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまうことはない。また、オイル回収器から内燃機関の吸気系に亘る流路では、外気に晒されて冷却され、この流路内で結露水が発生する可能性があるが、この領域では、上記オイルセパレータによるオイル分離作用及びオイル回収器におけるオイル捕捉作用により、ブローバイガス中には殆どオイルは存在していない。このため、この領域では、ブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれる水分が結露することによる結露水(酸性水)は存在する可能性があるが、オイルは殆ど存在していない。即ち、この領域(外気によって冷却される領域)にあっても、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう状況は発生しない。
このように、本解決手段では、オイルセパレータから内燃機関の吸気系の全体に亘って、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう領域を生じさせないようにすることができ、また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減できて、スラッジの発生及び吸気デポジットの発生を回避することができる。このため、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することが可能になる。
また、オイルセパレータ内部でブローバイガスから分離できなかったオイルはオイル回収器において捕捉されるため、内燃機関の吸気系に導入されるオイル量を大幅に削減または殆ど無くすことができ、オイルが内燃機関の燃焼室内に送り込まれることが原因で、エンジン出力が低下したり、オイル消費量が増大したり、排気の白煙化を招くといったことを回避できる。
更には、PCVバルブが外気に晒されないことで、寒冷地や冬期などにおけるPCVバルブの凍結も回避することができ、PCV装置の動作の信頼性を高めることもできる。
PCV装置における所謂大気圧側オイルセパレータ及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した場合の構成として以下の2タイプが挙げられる。
先ず、第1のタイプとして、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離する機能を有するオイルセパレータを備え、内燃機関の低負荷運転時には吸気系の空気の一部を換気用の新気として上記オイルセパレータを経て内燃機関の内部に導入する一方、内燃機関の高負荷運転時には上記オイルセパレータにブローバイガスが導入され、このブローバイガスを、オイルセパレータに通過させた後に内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス還元装置を前提とする。このブローバイガス還元装置に対し、上記内燃機関の高負荷運転時におけるブローバイガス流れ方向のオイルセパレータ下流側に、開弁することによりオイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送る調整弁を備えさせると共に、この調整弁の下流側に、この調整弁から内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器を備えさせる。そして、上記オイルセパレータから、調整弁及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部空間に配置するようにしている。この構成は、PCV装置における所謂大気圧側オイルセパレータ及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した場合であって、内燃機関の低負荷運転時に導入する新気を、オイルセパレータを経て内燃機関の内部(クランク室等)に導入するようにした場合の構成である。
また、第2のタイプとして、ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離する機能を有するオイルセパレータを備え、内燃機関の低負荷運転時には吸気系の空気の一部を換気用の新気として内燃機関の内部に導入する一方、内燃機関の高負荷運転時には上記オイルセパレータにブローバイガスが導入され、このブローバイガスを、オイルセパレータに通過させた後に内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス還元装置を前提とする。このブローバイガス還元装置に対し、上記内燃機関の高負荷運転時におけるブローバイガス流れ方向のオイルセパレータ下流側に、開弁することによりオイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送る調整弁を備えさせると共に、この調整弁の下流側に、この調整弁から内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器を備えさせる。そして、上記オイルセパレータから、調整弁及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部空間に配置するようにしている。この構成は、PCV装置における所謂大気圧側オイルセパレータ及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した場合であって、内燃機関の低負荷運転時に導入する新気を、オイルセパレータを通過させることなく(直接的に)内燃機関の内部(クランク室等)に導入するようにした場合の構成である。
これら特定事項によれば、内燃機関の高負荷運転時におけるブローバイガスの回収動作時にあっては、上述した場合と同様に、オイルセパレータ内部においてオイルミストが分離された後のブローバイガスは調整弁の開弁動作に伴い、この調整弁からオイル回収器を経て内燃機関の吸気系に導入される。また、上記調整弁の内部流路における減圧作用により液滴状となったオイルは、調整弁からオイル回収器に流れ込み、このオイル回収器において捕捉される。このため、オイル回収器から内燃機関の吸気系に導入されるブローバイガス中には殆どオイルが存在しない状況となる。
そして、上記オイルセパレータから、調整弁及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路は内燃機関の内部空間に配置されているため、この流路内では結露水は発生し難い状況となり、この流路内では、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまうことはない。また、オイル回収器から内燃機関の吸気系に亘る流路では、外気に晒されて冷却され、この流路内で結露水が発生する可能性があるが、この領域では、上記オイルセパレータによるオイル分離作用及びオイル回収器におけるオイル捕捉作用により、ブローバイガス中には殆どオイルは存在しておらず、この領域(外気によって冷却される領域)にあっても、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう状況は発生しない。このように、本解決手段においても、オイルセパレータから内燃機関の吸気系の全体に亘って、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう領域を生じさせないようにすることができ、また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減できて、スラッジの発生及び吸気デポジットの発生を回避することができる。このため、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することが可能になる。また、内燃機関の吸気系に導入されるオイル量の大幅な削減を図ったり、調整弁の凍結を回避することもできる。
また、上記内燃機関の低負荷運転時に導入する新気を、オイルセパレータ(大気圧側オイルセパレータ)を経て内燃機関の内部に導入するようにした場合における具体的な構成としては以下のものが挙げられる。
つまり、内燃機関の低負荷運転時に吸気系の空気の一部をオイルセパレータに導入する新気導入配管と、内燃機関の高負荷運転時においてオイルセパレータを経たブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス供給配管とを備えさせる。そして、上記調整弁及びオイル回収器を、オイルセパレータとブローバイガス供給配管との間に配設し、このブローバイガス供給配管に、内燃機関の吸気系からオイル回収器への空気の流入を阻止する逆止弁を設けている。一方、上記新気導入配管に、オイルセパレータから内燃機関の吸気系に向かって空気が流れることを阻止する逆止弁を設けている。
また、上記内燃機関の低負荷運転時に導入する新気を、オイルセパレータ(大気圧側オイルセパレータ)を通過させることなく内燃機関の内部に導入するようにした場合における具体的な構成としては以下のものが挙げられる。
つまり、内燃機関の低負荷運転時に吸気系の空気の一部を内燃機関の内部に導入する新気導入配管と、内燃機関の高負荷運転時においてオイルセパレータを経たブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス供給配管とを備えさせる。そして、上記調整弁及びオイル回収器を、オイルセパレータとブローバイガス供給配管との間に配設し、このブローバイガス供給配管に、内燃機関の吸気系からオイル回収器への空気の流入を阻止する逆止弁を設けている。一方、上記新気導入配管に、内燃機関の内部から内燃機関の吸気系に向かって空気が流れることを阻止する逆止弁を設けている。
これら構成によれば、内燃機関の高負荷運転時においてのみ、オイルセパレータ、調整弁、オイル回収器を経たブローバイガス回収動作(オイルセパレータによるオイルの分離動作及びオイル回収器におけるオイル捕捉作用を伴うブローバイガス回収動作)が行われることになり、このオイルセパレータ(大気圧側オイルセパレータ)を、ブローバイガスの発生量が多い状況においてのみブローバイガス回収に寄与する機能部品として動作させることができ、PCV装置の信頼性の向上を図ることができる。
上記オイル回収器の構成として具体的には以下のものが挙げられる。先ず、PCVバルブ(または調整弁)及びオイル回収器を水平方向に隣接して配設する。そして、上記オイル回収器に、PCVバルブ(または調整弁)の流出口に対して下方に凹陥されたオイル回収空間を備えさせ、PCVバルブ(または調整弁)から内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくる液状のオイルを、このオイル回収空間に回収する構成としている。
この構成により、PCVバルブ(または調整弁)の内部流路において液状となったオイルを、その自重によってオイル回収空間に流下回収することが可能になる。このため、オイル回収器として比較的簡素な構成で、液状のオイルを確実に捕捉して吸気系へのオイル導入を防止することができる。
また、上記オイル回収器のより具体的な構成として以下のものが挙げられる。先ず、オイル回収器に、回収したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るためのオイル排出部を備えさせ、このオイル排出部に、内燃機関の駆動時にオイル回収器内に作用する吸入負圧により閉鎖され且つ内燃機関の停止時には上記吸入負圧の解除により開放する逆止弁を備えさせた構成である。
また、他の構成として、オイル回収器の内部に、内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを吸着するオイル吸着剤を収容させたものも挙げられる。
前者の構成によれば、内燃機関の駆動時に逆止弁によってオイル排出部が閉鎖されることで、内燃機関の内部(例えばカム室)からオイル回収器内に、オイル排出部を通過してブローバイガス等が流れ込んでしまうことを防止しながらも、内燃機関の停止時には逆止弁が開放されることでオイル回収器に回収されているオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ確実に送ることができる。このようにして、定期的に(内燃機関の発停が繰り返される度に)オイル回収器からオイル溜まり部側へのオイルの排出動作が行われるため、オイル回収器の容積は比較的小さくて済むことになる。
また、後者の構成によればPCVバルブ(または調整弁)から流出した液状オイルの捕捉をよりいっそう確実なものにできて、信頼性の向上を図ることができる。
また、上述した各解決手段のうち何れか一つのブローバイガス還元装置を備えた内燃機関も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、クランクケース内のブローバイガスが、上記オイルセパレータからオイル回収器に向かって流れて吸気系へ送られ、このブローバイガスを吸気と混合して燃焼室内に導入する構成となっている内燃機関である。
本発明では、ブローバイガス中のオイルミストを分離除去するオイルセパレータの下流側に、このオイルセパレータで捕捉できなかったオイルを回収するためのオイル回収器を備えさせ、このオイルセパレータからオイル回収器に亘るブローバイガスの流路を内燃機関の内部に位置させている。これにより、この流路内での結露水の発生を抑制し、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)が揃ってしまうことがなくなり、また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減できて、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することができ、内燃機関の出力低下を回避し、また、運転状態の安定性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係るPCV装置(ブローバイガス還元装置)を自動車用直列多気筒(例えば4気筒)エンジン(内燃機関)に適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
−エンジンの全体構成の説明−
図1は、本実施形態に係るエンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部及び吸気系の概略構成を示す図である。このエンジンEは、例えばエンジンルーム内に横置き配置されており、図中の右方向が車体前方である。エンジンEの配置状態はこれに限るものではなく縦置き配置されたものであってもよい。
−エンジンの全体構成の説明−
図1は、本実施形態に係るエンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部及び吸気系の概略構成を示す図である。このエンジンEは、例えばエンジンルーム内に横置き配置されており、図中の右方向が車体前方である。エンジンEの配置状態はこれに限るものではなく縦置き配置されたものであってもよい。
この図1に示すように、エンジンEは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3と、このシリンダヘッド3の上端に取り付けられたヘッドカバー4とを備えている。
上記シリンダブロック1には複数(例えば4個)のシリンダ5が配設されており、これらシリンダ5の内部にピストン51が往復移動可能に収容されている。また、各ピストン51はコネクティングロッド52を介してクランクシャフトCに動力伝達可能に連結されている。更に、シリンダブロック1の下側にはクランクケース6が取り付けられており、上記シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。また、このクランクケース6の更に下側にはオイル溜まり部となるオイルパン7が配設されている。
上記シリンダヘッド3には吸気ポート31を開閉するための吸気バルブ32及び排気ポート33を開閉するための排気バルブ34がそれぞれ組み付けられており、シリンダヘッド3とヘッドカバー4との間に形成されているカム室(シリンダヘッド内部空間)3Aに配置されたカムシャフト35,36の回転によって各バルブ32,34の開閉動作が行われるようになっている。
一方、シリンダヘッド3に形成されている吸気ポート31には吸気マニホールド8が接続されている。この吸気マニホールド8の上流側は、サージタンク81及びスロットルバルブ82を備えた吸気管83に連通されており、この吸気管83の上流側にはエアクリーナ84が設けられている。これにより、上記エアクリーナ84から吸気管83内に導入された空気は、サージタンク81を通じて吸気マニホールド8に導入される。
また、このエンジンEには筒内直噴タイプのインジェクタ(燃料噴射弁)37が設けられており、吸気バルブ32の開弁に伴って吸気ポート31から燃焼室38内に導入された空気は、このインジェクタ37から噴射された燃料と混合されて燃焼室38内で混合気となる。
また、この燃焼室38の頂部には点火プラグ39が配設されている。上記燃焼室38において、点火プラグ39の点火に伴う混合気の燃焼によりピストン51が往復運動する。このピストン51の往復運動は上記コネクティングロッド52を介してクランクシャフトCに伝達され、ここで回転運動に変換されて、エンジンEの出力として取り出される。
この混合気の燃焼により生じた燃焼ガスは、排気バルブ34の開弁に伴い排気ガスとして、排気ポート33を経た後、図示しない排気マニホールドに排出され、排気管を通過して外部に排出されるようになっている。尚、排気管には、触媒コンバータが設けられており、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び酸化窒素成分(NOx)が浄化されるようになっている。
−ECU−
上述の如く構成されたエンジンEの運転は、ECU(電子制御ユニット)100によって制御される。このECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、バックアップRAM104、燃料噴射回数などをカウントするカウンタ105を備えている。
上述の如く構成されたエンジンEの運転は、ECU(電子制御ユニット)100によって制御される。このECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103、バックアップRAM104、燃料噴射回数などをカウントするカウンタ105を備えている。
上記ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、このROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。上記RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、エンジンEの停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。これらCPU101、ROM102、RAM103、バックアップRAM104、カウンタ105は、バス108を介して互いに接続されると共に、外部入力回路106及び外部出力回路107と接続されている。
外部入力回路106には、エンジンEのウォータジャケットを循環する冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温センサ110、スロットルバルブ82の下流側の吸気圧を検出するバキュームセンサ111、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ112、スロットルバルブ82の開度を検出するスロットルポジションセンサ113、クランクシャフトCの回転数に応じたパルス信号を発信するクランクポジションセンサ114、カムシャフト35,36の回転数に応じたパルス信号を発信するカムポジションセンサ115、イグニッションスイッチ116等が接続されている。
外部出力回路107には、インジェクタ37、点火プラグ39を作動させるイグナイタ117、スロットルバルブ82を作動させるスロットルモータ118、エンジン始動時のクランキング動作を行うためのスタータモータ119等が接続されている。
そして、ECU100は、上記水温センサ110、バキュームセンサ111、アクセルポジションセンサ112、スロットルポジションセンサ113、クランクポジションセンサ114、及びカムポジションセンサ115などの各種センサの出力に基づいて、インジェクタ37の開閉制御(燃料の噴射開始時期及び噴射終了時期の制御)を含むエンジンEの各種制御を実行する。
−PCV装置の説明−
次に、本実施形態において特徴とする装置であるPCV装置9について説明する。このPCV装置9は、シリンダ5の内面とピストン51の外面との隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスをエンジンEの吸気系に導くと共に、このクランク室61内に新気を導入して換気するためのものである。
次に、本実施形態において特徴とする装置であるPCV装置9について説明する。このPCV装置9は、シリンダ5の内面とピストン51の外面との隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスをエンジンEの吸気系に導くと共に、このクランク室61内に新気を導入して換気するためのものである。
図3は、PCV装置9を、クランクシャフトCの軸心に対して直交する水平方向(図1における矢印III方向)から見た概略構成図である。
図1及び図3に示すように、PCV装置9は、クランク室61内に吹き抜けたブローバイガスをカム室3A内部に向けて抜き出すためのブローバイガス回収通路91(図1参照)、このブローバイガス回収通路91によって抜き出されたブローバイガスがカム室3Aを経て導入され、このブローバイガスからオイルミストを分離するための第1オイルセパレータ(負圧側オイルセパレータ)92、主として外気(新気)を導入する機能を有する第2オイルセパレータ(大気側オイルセパレータ)93を備えている。更に、このPCV装置9は、上記第1オイルセパレータ92の出口部分に配設されたPCVバルブ97(図3参照)、このPCVバルブ97の下流側に配設されたオイルトラッパ(オイル回収器)98、このオイルトラッパ98からブローバイガスを吸気系に導くためのブローバイガス供給配管94、主として第2オイルセパレータ93に向けて新気を導入する機能を有する新気導入配管95(図1参照)、カム室3A内からクランク室61内に向けて新気を導入するための新気導入通路96を備えている。
図4は、ブローバイガス、新気、オイルの流通状態を示すエンジンEの模式図である。図中に実線で示す矢印はブローバイガスの流れを、破線で示す矢印は新気の流れを、一点鎖線で示す矢印はオイルの流れをそれぞれ示している。以下、図1、図3及び図4を用いてPCV装置9の具体構成について説明する。
<ブローバイガス回収通路91>
上記ブローバイガス回収通路91は、シリンダブロック1からシリンダヘッド3に亘って略鉛直方向に延びる通路として形成されている。つまり、シリンダブロック1に形成された通路91aとシリンダヘッド3に形成された通路91bとが共に同一軸心上で鉛直方向に延びて連通され、これにより、クランク室61内とカム室3Aとを連通させる通路として形成されている。
上記ブローバイガス回収通路91は、シリンダブロック1からシリンダヘッド3に亘って略鉛直方向に延びる通路として形成されている。つまり、シリンダブロック1に形成された通路91aとシリンダヘッド3に形成された通路91bとが共に同一軸心上で鉛直方向に延びて連通され、これにより、クランク室61内とカム室3Aとを連通させる通路として形成されている。
これにより、ブローバイガス回収時には、クランク室61内のブローバイガスが、このブローバイガス回収通路91を経てカム室3Aに導入されるようになっている。
尚、本実施形態では、このブローバイガス回収通路91は1本のみであるが、複数本設けられていてもよい。
<第1オイルセパレータ92>
第1オイルセパレータ92は、ヘッドカバー4の内面(下面)における一方側(図1及び図4における左側)に取り付けられており、セパレータケース92aと、このセパレータケース92a内に配置された複数のバッフルプレート(図示省略)とを備えている。
第1オイルセパレータ92は、ヘッドカバー4の内面(下面)における一方側(図1及び図4における左側)に取り付けられており、セパレータケース92aと、このセパレータケース92a内に配置された複数のバッフルプレート(図示省略)とを備えている。
上記セパレータケース92aは、上側が開放された金属製または樹脂製で略直方体形状の箱形部材であって、この開放側がヘッドカバー4の内面に取り付けられることによって、このヘッドカバー4との間で略密閉されたセパレータ室(ブローバイガス流路)92bを形成している。このセパレータケース92aのヘッドカバー4の内面に対する取り付け手段としてはボルト止め等が挙げられる。尚、ここでは、セパレータケース92aとヘッドカバー4の内面とによってセパレータ室92bを形成しているが、セパレータケース92aのみによってセパレータ室92bを形成する構成としてもよい。
そして、このセパレータケース92aには、ブローバイガス導入孔92c、オイル回収部92dがそれぞれ形成されていると共に、上記PCVバルブ97が取り付けられている。
上記ブローバイガス導入孔92cは、セパレータケース92aの長手方向(ヘッドカバー4に取り付けられた状態での気筒配列方向)の一方寄りの底面に形成されている。オイルセパレータ92の内部空間(セパレータ室92b)は、このブローバイガス導入孔92cによりカム室3Aに連通している。
上記オイル回収部92dは、セパレータケース92aの底面に設けられた所謂オイルプールとして構成されている。つまり、このオイル回収部92dは、セパレータケース92aの底面の一部分が凹陥され、且つこの凹陥部分の底面に比較的小径の開口が形成された構成となっている。これにより、上記セパレータケース92aの内部空間とカム室3Aとを連通していると共に、このオイルプールにオイルが貯留されることで、カム室3A内のオイルミスト等がこのオイル回収部92dからセパレータケース92aの内部空間に流れ込むことを阻止している。
また、上記PCVバルブ97は、セパレータケース92aの側面に取り付けられており、このセパレータケース92aの内部空間の圧力と上記オイルトラッパ98を介して作用する吸気系の吸入負圧とに応じて開閉動作を行う。このPCVバルブ97の開弁時には、セパレータケース92a内でオイルが分離除去された後のブローバイガスが、このPCVバルブ97及びオイルトラッパ98を経てエンジンEの吸気系(スロットルバルブ82の下流側)に導入されることになる。尚、このPCVバルブ97は開閉自在な電磁弁により構成されていてもよい。
<オイルトラッパ98>
本実施形態の特徴部分の一つであるオイルトラッパ98は、上記PCVバルブ97の吐出側に接続配管98aを介して接続されている。つまり、上記PCVバルブ97が開弁されて、セパレータケース92a内からブローバイガスが流出した際、このブローバイガスと共にオイルが流出する状況では、このオイルをオイルトラッパ98によって捕捉し、ブローバイガス中に存在するオイル量を更に低減させるようになっている。
本実施形態の特徴部分の一つであるオイルトラッパ98は、上記PCVバルブ97の吐出側に接続配管98aを介して接続されている。つまり、上記PCVバルブ97が開弁されて、セパレータケース92a内からブローバイガスが流出した際、このブローバイガスと共にオイルが流出する状況では、このオイルをオイルトラッパ98によって捕捉し、ブローバイガス中に存在するオイル量を更に低減させるようになっている。
より具体的には、オイルトラッパ98は、略直方体形状の箱体で成り、互いに対向する側面の上端部に流入口98b及び流出口98cがそれぞれ形成されている。そして、流入口98bには上記接続配管98aが接続されている一方、流出口98cには上記ブローバイガス供給配管94の上流端が接続されている。このため、オイルトラッパ98の底部は接続配管98aの配設位置よりも下方に位置されることになり、PCVバルブ97から液状のオイルがブローバイガスと共に流出する状況では、接続配管98aを流れてきたオイルがオイルトラッパ98の底部に向けて流れ込むようになっている。
また、このオイルトラッパ98の底部にはオイル回収部98dが設けられている。このオイル回収部98dは、所謂オイルプールとして構成されており、オイルトラッパ98の底面の一部分が凹陥され、且つこの凹陥部分の底面に比較的小径の開口98eが形成された構成となっている。これにより、オイルトラッパ98の内部空間とカム室3Aとを連通していると共に、このオイル回収部98dに捕捉したオイルが貯留されることで、カム室3A内のオイルミスト等がこのオイル回収部98dからオイルトラッパ98の内部空間に流れ込むことを阻止している。
そして、本実施形態の最も特徴とする構成として、図3からも明らかなように、上記第1オイルセパレータ92から、PCVバルブ97及びオイルトラッパ98に亘るブローバイガスの流路はヘッドカバー4の内側、つまりエンジンEの内部空間に配置されている。つまり、この第1オイルセパレータ92、PCVバルブ97、オイルトラッパ98に亘る流路の内部温度は、カム室3Aの内部温度に略等しくなり、この流路を流れるブローバイガスが外気によって冷却されることが抑制されるようになっている。
<ブローバイガス供給配管94>
ブローバイガス供給配管94は、上記第1オイルセパレータ92のセパレータケース92a内においてオイルが分離除去され、また、上記オイルトラッパ98によって更にオイルが捕捉された後のブローバイガスを吸気系に導くための配管であって、上流端が上記オイルトラッパ98の流出口98cに接続されている。また、このブローバイガス供給配管94は、ヘッドカバー4を貫通して、その下流端が上記吸気管83におけるスロットルバルブ82の直下流側に接続されている。これにより、上記PCVバルブ97の開放に伴い、ブローバイガスを、サージタンク81を介してエンジンEの吸気系に戻すようになっている。
ブローバイガス供給配管94は、上記第1オイルセパレータ92のセパレータケース92a内においてオイルが分離除去され、また、上記オイルトラッパ98によって更にオイルが捕捉された後のブローバイガスを吸気系に導くための配管であって、上流端が上記オイルトラッパ98の流出口98cに接続されている。また、このブローバイガス供給配管94は、ヘッドカバー4を貫通して、その下流端が上記吸気管83におけるスロットルバルブ82の直下流側に接続されている。これにより、上記PCVバルブ97の開放に伴い、ブローバイガスを、サージタンク81を介してエンジンEの吸気系に戻すようになっている。
<第2オイルセパレータ93>
第2オイルセパレータ93も、上述した第1オイルセパレータ92と略同様の構成となっている。つまり、ヘッドカバー4の内面(下面)における他方側(図1及び図4における右側)に取り付けられており、セパレータケース93aと、このセパレータケース93a内に配置された複数のバッフルプレート(図示省略)とを備えており、ヘッドカバー4との間で略密閉されたセパレータ室93bを形成している。尚、ここでは、セパレータケース93aとヘッドカバー4の内面とによってセパレータ室93bを形成しているが、セパレータケース93aのみによってセパレータ室93bを形成する構成としてもよい。
第2オイルセパレータ93も、上述した第1オイルセパレータ92と略同様の構成となっている。つまり、ヘッドカバー4の内面(下面)における他方側(図1及び図4における右側)に取り付けられており、セパレータケース93aと、このセパレータケース93a内に配置された複数のバッフルプレート(図示省略)とを備えており、ヘッドカバー4との間で略密閉されたセパレータ室93bを形成している。尚、ここでは、セパレータケース93aとヘッドカバー4の内面とによってセパレータ室93bを形成しているが、セパレータケース93aのみによってセパレータ室93bを形成する構成としてもよい。
そして、このセパレータケース93aには、新気導入孔93cが形成されている。この新気導入孔93cは、セパレータケース93aの底面であって、上記カム室3Aに対応する位置に形成されている。つまり、この新気導入孔93cによって第2オイルセパレータ93のセパレータ室93bとカム室3Aとが連通している。
<新気導入配管95>
新気導入配管95は、一端が上記吸気管83におけるスロットルバルブ82の直上流側に接続され、他端が第2オイルセパレータ93のセパレータ室93bに連通しており、主に、クランク室61内を換気するための外気(新気)を吸気系から導入する機能を果たす。
新気導入配管95は、一端が上記吸気管83におけるスロットルバルブ82の直上流側に接続され、他端が第2オイルセパレータ93のセパレータ室93bに連通しており、主に、クランク室61内を換気するための外気(新気)を吸気系から導入する機能を果たす。
<新気導入通路96>
新気導入通路96は、シリンダヘッド3からシリンダブロック1に亘って略鉛直方向に延びる通路として形成されている。つまり、シリンダヘッド3に形成された通路96aとシリンダブロック1に形成された通路96bとが共に同一軸心上で鉛直方向に延びて連通され、これにより、カム室3Aとクランク室61とを連通させる通路として形成されている。
新気導入通路96は、シリンダヘッド3からシリンダブロック1に亘って略鉛直方向に延びる通路として形成されている。つまり、シリンダヘッド3に形成された通路96aとシリンダブロック1に形成された通路96bとが共に同一軸心上で鉛直方向に延びて連通され、これにより、カム室3Aとクランク室61とを連通させる通路として形成されている。
これにより、上記第2オイルセパレータ93からカム室3Aに導入された新気が新気導入通路96を経てクランク室61内に導入され、このクランク室61内が換気されるようになっている。
また、この新気導入通路96はオイル戻し通路も兼用している。つまり、第1オイルセパレータ92において分離除去され且つカム室3Aに流下してきたオイルや、上記オイルトラッパ98によって捕捉され且つカム室3Aに流下してきたオイルを、その自重によりオイルパン7に回収するようになっている。尚、後述するように、エンジンEの高回転・高負荷運転時にあっては、第2オイルセパレータ93にブローバイガスが流入されることになり、この場合に、第2オイルセパレータ93において分離除去されたオイルも、この新気導入通路96によりオイルパン7に向けて回収されることになる。
尚、本実施形態では、この新気導入通路96は各気筒間にそれぞれ備えられている(本実施形態に係るエンジンEは4気筒であるので、新気導入通路96は3本備えられている)。この本数はこれに限られるものではない。
また、上記各オイルセパレータ92,93の容量や、オイルトラッパ98の容量、更には、ブローバイガス回収通路91及び新気導入通路96の通路面積等は、エンジンEの排気量やブローバイガスの発生量等に適したブローバイガス回収能力が発揮できるように適宜設計される。
−PCV装置9の動作説明−
<エンジンEの定常運転時>
次に、上述の如く構成されたPCV装置9の基本的な動作(エンジンEが比較的低負荷で運転されている場合の動作)について図3及び図4を用いて説明する。
<エンジンEの定常運転時>
次に、上述の如く構成されたPCV装置9の基本的な動作(エンジンEが比較的低負荷で運転されている場合の動作)について図3及び図4を用いて説明する。
エンジンEの駆動に伴い、吸気管83を流れる吸気(新気)の一部は、新気導入配管95から第2オイルセパレータ93に流入する。そして、この第2オイルセパレータ93に流入した新気は、新気導入通路96を経てクランク室61内に導入され、このクランク室61内を換気する。
一方、エンジンEの圧縮行程や膨張行程においてシリンダ5とピストン51との隙間からクランク室61内に吹き抜けたブローバイガスは、上記ブローバイガス回収通路91をカム室3Aに向けて流れていく。
そして、このカム室3Aに流れ込んだブローバイガスは、上記ブローバイガス導入孔92cから第1オイルセパレータ92の内部空間(セパレータ室92b)に流入する。このようにしてセパレータケース92a内に流入したブローバイガスは、このセパレータケース92a内をその長手方向に沿って各バッフルプレートに衝突しながら流れていくことにより、所謂慣性衝突作用によってオイルミストが捕捉される。これにより、ブローバイガスとオイルミストとが分離される。
そして、オイルミストが分離除去されたブローバイガスは、セパレータケース92a内の下流端(長手方向の一端側)に達し、PCVバルブ97の内部を流れる。そして、このPCVバルブ97の内部流路における減圧作用により、ブローバイガス中に含まれているオイル、つまり、上記第1オイルセパレータ92で除去できなかったオイルは液滴状となり(例えばブローバイガス中の残存オイルのうちの50〜80%程度が、このPCVバルブ97の内部で液滴化する)、PCVバルブ97から接続配管98aを経てオイルトラッパ98内に流れ落ち、このオイルトラッパ98において捕捉される。このため、オイルトラッパ98からブローバイガス供給配管94を経て吸気管83に導入されるブローバイガス中には殆どオイルが存在しない状況となる。
一方、上記第1オイルセパレータ92によるオイル分離作用によってブローバイガスから分離されたオイルは、オイル回収部92dから排出され、新気導入通路96を経てオイルパン7に向けて回収される。同様に、オイルトラッパ98におけるオイル捕捉作用によって捕捉されたオイルは、オイル回収部98dの開口98eから排出され、新気導入通路96を経てオイルパン7に向けて回収される。
そして、本実施形態では、上述した如く、第1オイルセパレータ92から、PCVバルブ97及びオイルトラッパ98に亘るブローバイガスの流路は、ヘッドカバー4の内側、つまりエンジンEの内部空間に配置されており、この流路を流れるブローバイガスが外気によって冷却されることが抑制されるようになっている。
このため、この流路内では結露水は発生し難い状況となっている。つまり、この流路にはブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれるオイルが存在しているが、結露水(酸性水)は存在していない。即ち、この流路内では、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまうことはない(NOxとオイルのみが揃っている)。また、オイルトラッパ98からエンジンEの吸気系に亘る流路(ヘッドカバー4の外側のブローバイガス供給配管94)では、外気に晒されて冷却され、この流路内で結露水が発生する可能性があるが、この領域では、上記第1オイルセパレータ92によるオイル分離作用及びオイルトラッパ98におけるオイル捕捉作用により、ブローバイガス中には殆どオイルは存在していない。このため、この領域では、ブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれる水分が結露することによる結露水(酸性水)は存在する可能性があるが、オイルは殆ど存在していない。即ち、この領域(外気によって冷却される領域)にあっても、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう状況は発生しない(NOxと酸性水のみが揃っている)。
このように、本実施形態では、第1オイルセパレータ92からエンジンEの吸気系の全体に亘って、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう領域を生じさせることはない。また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減でき、吸気デポジットの発生を回避することができる。このため、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することが可能になる。
また、第1オイルセパレータ92において分離除去分離できなかったオイルはオイルトラッパ98において捕捉されるため、エンジンEの吸気系に導入されるオイル量を大幅に削減または殆ど無くすことができ、オイルが燃焼室38内に送り込まれることが原因で、エンジン出力が低下したり、オイル消費量が増大したり、排気の白煙化を招くといったことを回避できる。
更には、PCVバルブ97が外気に晒されないことで、寒冷地や冬期などにおけるPCVバルブ97の凍結も回避することができ、PCV装置9の動作の信頼性を高めることもできる。
<エンジンEの高回転・高負荷時>
次に、エンジンEの高回転・高負荷時におけるブローバイガス、オイルの流通状態について説明する。図5は、この高回転・高負荷時におけるブローバイガス、オイルの流通状態を示すエンジンEの模式図である。図中に実線で示す矢印はブローバイガスの流れを、一点鎖線で示す矢印はオイルの流れをそれぞれ示している。
次に、エンジンEの高回転・高負荷時におけるブローバイガス、オイルの流通状態について説明する。図5は、この高回転・高負荷時におけるブローバイガス、オイルの流通状態を示すエンジンEの模式図である。図中に実線で示す矢印はブローバイガスの流れを、一点鎖線で示す矢印はオイルの流れをそれぞれ示している。
この高回転・高負荷時はブローバイガス発生量が増大する状況にある。この場合、クランク室61内からブローバイガス回収通路91を経てカム室3Aに流れ込んだブローバイガスの一部は、上記ブローバイガス導入孔92cから第1オイルセパレータ92の内部空間(セパレータ室92b)に流入する。このブローバイガスは、上述と同様の動作により、第1オイルセパレータ92によるオイル分離作用及びオイルトラッパ98におけるオイル捕捉作用により、殆どオイルが存在しない状態となってエンジンEの吸気管83へ戻される。
この場合にも、上記定常運転時の場合と同様に、第1オイルセパレータ92からエンジンEの吸気系の全体に亘って、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう領域を生じさせることなく、また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減できて、スラッジの発生及び吸気デポジットの発生を回避することができる。このため、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することが可能になる。
尚、カム室3Aに流れ込んだ他のブローバイガスは、上記新気導入孔93cから第2オイルセパレータ93に流れ込み、ここでオイルが分離除去された後、エンジンEの吸気管83へ戻される。この第2オイルセパレータ93の内部におけるオイル分離動作は、上述した第1オイルセパレータ92におけるオイル分離動作と同様にして行われる。また、この第2オイルセパレータ93で分離されたオイルは図示しないオイル排出孔からカム室3Aに流下され、新気導入通路96によりオイルパン7に向けて回収されることになる。
(第1変形例)
次に、上述した実施形態の第1変形例について説明する。本変形例はオイルトラッパ98の構成が上記実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記実施形態のものと略同様であるので、ここではオイルトラッパ98の構成についてのみ説明する。
次に、上述した実施形態の第1変形例について説明する。本変形例はオイルトラッパ98の構成が上記実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記実施形態のものと略同様であるので、ここではオイルトラッパ98の構成についてのみ説明する。
図6は、本変形例における図3に相当する図である。この図6に示すように、本例に係るオイルトラッパ98は、上側が開放された金属製または樹脂製で略直方体形状の箱形部材であって、この開放側がヘッドカバー4の内面(下面)に取り付けられている。これにより、このオイルトラッパ98とヘッドカバー4との間でオイルトラッパ室を形成している。このオイルトラッパ98のヘッドカバー4の内面に対する取り付け手段としてはボルト止め等が挙げられる。
このように、本例では、ヘッドカバー4を有効に利用してオイルトラッパ98を構成している。その他の構成及び動作は上述した第1実施形態のものと略同様である。
(第2変形例)
次に、上述した実施形態の第2変形例について説明する。本変形例もオイルトラッパ98の構成が上記実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記実施形態のものと略同様であるので、ここでもオイルトラッパ98の構成についてのみ説明する。
次に、上述した実施形態の第2変形例について説明する。本変形例もオイルトラッパ98の構成が上記実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記実施形態のものと略同様であるので、ここでもオイルトラッパ98の構成についてのみ説明する。
図7は、本変形例における図3に相当する図である。この図7に示すように、本例に係るオイルトラッパ98の底部には、このオイルトラッパ98の内部空間で捕捉したオイルをカム室3Aに向けて排出するための排出管98fが接続されている。
そして、この排出管98fには逆止弁98gが設けられている。この逆止弁98gは、オイルトラッパ98の内部空間とカム室3Aとの圧力差によって開閉が切り替わるものであって、オイルトラッパ98の内部空間の圧力よりもカム室3Aの圧力の方が高い場合には閉鎖し、オイルトラッパ98の内部空間の圧力とカム室3Aの圧力とが均圧されると開放するようになっている。
このため、エンジンEの駆動時であってブローバイガスの流入に伴いカム室3Aの圧力が上昇すると逆止弁98gが閉鎖し、エンジンEが停止されてカム室3Aの圧力が下降すると逆止弁98gが開放することになる。つまり、エンジンEの駆動時に逆止弁98gが閉鎖されることで、カム室3Aからオイルトラッパ98内に、上記排出管98fを通過してブローバイガス等が流れ込んでしまうことが防止できる。また、エンジンEの停止時には逆止弁98gが開放されることで、オイルトラッパ98で捕捉されて貯留されているオイルを排出管98fから排出することができる。
このようにして、定期的に(エンジンEの発停が繰り返される度に)オイルトラッパ98からオイルパン7側へのオイルの排出動作が行われるため、オイルトラッパ98の容積は比較的小さくて済むことになる。また、上記第1実施形態においてオイルトラッパ98に備えさせていたオイル回収部(オイルプール)98dも必要なくなる。
(第3変形例)
次に、上述した実施形態の第3変形例について説明する。本変形例もオイルトラッパ98の構成が上記実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記実施形態のものと略同様であるので、ここでもオイルトラッパ98の構成についてのみ説明する。
次に、上述した実施形態の第3変形例について説明する。本変形例もオイルトラッパ98の構成が上記実施形態のものと異なっている。その他の構成は上記実施形態のものと略同様であるので、ここでもオイルトラッパ98の構成についてのみ説明する。
本変形例では、オイルトラッパ98の内部にオイル吸着剤(図示省略)を収容した構成としている。つまり、オイルトラッパ98の底部にオイル排出のための開口を形成しておくと共に、このオイルトラッパ98の底部の全面に亘って多孔質体などで成るオイル吸着剤を収容しておく。これによれば、オイル吸着剤に一旦吸着されたオイルが、オイルトラッパ98からブローバイガス供給配管94に流れ出してしまうことを防止でき、オイルトラッパ98のオイル捕捉性能を高く維持することができる。
尚、このオイル吸着剤の配設形態としては、上述した如くオイルトラッパ98の底部の全面に亘って配設するようにしてもよいし、上記第1実施形態に係るオイルトラッパ98のオイル回収部98dに収容させる構成としてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述した実施形態では、オイルセパレータ92,93、PCVバルブ97、オイルトラッパ98をヘッドカバー4の内部(カム室3A)に配設していた。本実施形態は、これに代えて、これらオイルセパレータ92,93、PCVバルブ97、オイルトラッパ98をシリンダブロック1の内部に配設するものである。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述した実施形態では、オイルセパレータ92,93、PCVバルブ97、オイルトラッパ98をヘッドカバー4の内部(カム室3A)に配設していた。本実施形態は、これに代えて、これらオイルセパレータ92,93、PCVバルブ97、オイルトラッパ98をシリンダブロック1の内部に配設するものである。
尚、エンジンEの全体の概略構成は上記第1実施形態のものと略同様であるので、ここではオイルセパレータ92,93、PCVバルブ97、オイルトラッパ98の配設状態のみについて説明する。
図8は、本実施形態に係るエンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部及び吸気系の概略構成を示す図である。この図8では、上記第1実施形態のものと同一の部材及び同一の部位については同一の符号を付し、以下では、その説明を省略する。また、図9はPCV装置9を、クランクシャフトCの軸心に対して直交する水平方向から見た概略構成図(図8におけるIX−IX線に対応した位置での断面図)である。
これら図8及び図9に示すように、本実施形態に係るエンジンEでは、シリンダブロック1の一部分(図8におけるシリンダブロック1の左側部分:気筒列方向に対して直交方向の一方側)が外部へ膨出されており、その膨出部分1aの内側の空間に、第1オイルセパレータ92、PCVバルブ97、オイルトラッパ98が配設されている。また、シリンダブロック1の他の一部分(図8におけるシリンダブロック1の右側部分)も外部へ膨出されており、その膨出部分1bの内側の領域に、第2オイルセパレータ93が配設されている。
図9に示すように、上記第1オイルセパレータ92、PCVバルブ97、オイルトラッパ98の配設状態は、上記第1実施形態の場合と略同様である。つまり、第1オイルセパレータ92は、そのセパレータケース92aが上記膨出部分1aの内面(上面)に取り付けられており、この膨出部分1aの内面との間で略密閉されたセパレータ室(ブローバイガス流路)92bを形成している。
また、PCVバルブ97は、上記セパレータケース92aの側面に取り付けられている。更に、オイルトラッパ98は、上記PCVバルブ97の吐出側に接続配管98aを介して接続されている。
また、ブローバイガス供給配管94は、上記膨出部分1aの上面を貫通して、その上流端がオイルトラッパ98に、下流端が吸気管83にそれぞれ接続されている。
更に、新気導入配管95は、上記膨出部分1bの上面を貫通して、その一端が第2オイルセパレータ93に、他端が吸気管83にそれぞれ接続されている。
以上の構成より、本実施形態にあっては、上述した第1実施形態の場合と同様に、第1オイルセパレータ92から、PCVバルブ97及びオイルトラッパ98に亘るブローバイガスの流路はシリンダブロック1の内側、つまりエンジンEの内部空間に配置されていることになる。これにより、この流路を流れるブローバイガスが外気によって冷却されることが抑制されるようになっている。このため、この流路内では結露水は発生し難い状況となっている。つまり、この流路にはブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれるオイルが存在しているが、結露水(酸性水)は存在していない。即ち、この流路内では、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまうことはない。また、オイルトラッパ98からエンジンEの吸気系に亘る流路(シリンダブロック1の外側のブローバイガス供給配管94)では、外気に晒されて冷却され、この流路内で結露水が発生する可能性があるが、この領域では、上記第1オイルセパレータ92によるオイル分離作用及びオイルトラッパ98におけるオイル捕捉作用により、ブローバイガス中には殆どオイルは存在していない。このため、この領域では、ブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれる水分が結露することによる結露水(酸性水)は存在する可能性があるが、オイルは殆ど存在していない。即ち、この領域(外気によって冷却される領域)にあっても、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう状況は発生しない。
このように、本実施形態にあっても、第1オイルセパレータ92からエンジンEの吸気系の全体に亘って、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう領域を生じさせないようにすることができ、また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減できて、スラッジの発生及び吸気デポジットの発生を回避することができる。このため、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することが可能になる。
尚、このように、オイルセパレータ92,93、PCVバルブ97、オイルトラッパ98をシリンダブロック1の内部に配設する構成に対しても、上述した各変形例の構成を適用することが可能である。つまり、オイルトラッパ98を、一方が開放された金属製または樹脂製で略直方体形状の箱形部材で成し、この開放側を上記膨出部分1aの内面に取り付けることによって、このシリンダブロック1との間でオイルトラッパ室を形成する構成である。また、オイルトラッパ98の底部に、上記逆止弁98gを備えた排出管98fを接続し、エンジンEの駆動時に逆止弁98gが閉鎖する一方、エンジンEの停止時には逆止弁98gが開放してオイルトラッパ98に貯留されているオイルを排出管98fから排出する構成である。更には、オイルトラッパ98の内部にオイル吸着剤を収容する構成である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した各実施形態は、PCV装置9における所謂負圧側オイルセパレータ(下流端側がスロットルバルブ82の下流側に接続し、エンジンEの低負荷時及び高負荷時ともにブローバイガスを回収してオイル分離動作を行うもの:上記第1オイルセパレータ92)及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した場合であった。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した各実施形態は、PCV装置9における所謂負圧側オイルセパレータ(下流端側がスロットルバルブ82の下流側に接続し、エンジンEの低負荷時及び高負荷時ともにブローバイガスを回収してオイル分離動作を行うもの:上記第1オイルセパレータ92)及びそれに繋がるブローバイガス流路に本発明を適用した場合であった。
本第3実施形態は、それに加えて、所謂大気圧側オイルセパレータ(下流端側がスロットルバルブ82の上流側に接続し、エンジンEの高負荷時にのみブローバイガスを回収してオイル分離動作を行うもの:上記第2オイルセパレータ93)及びそれに繋がるブローバイガス流路にも本発明を適用したものである。
尚、本実施形態では、第2オイルセパレータ93がヘッドカバー4の内部に配設されたもの(上記第1実施形態に対応するもの)を例に挙げて説明するが、第2オイルセパレータ93がシリンダブロック1の内部に配設されたもの、つまり、上記第2実施形態における第2オイルセパレータ93及びそれに繋がるブローバイガス流路にも適用可能である。
図10は、本実施形態に係る第2オイルセパレータ93及びそれに繋がるブローバイガス流路の概略構成を示す平面図である。
この図10に示すように、第2オイルセパレータ93は、2系統の経路A,Bを介して吸気管83に接続されている。
第1の系統Aとしては、上述した各実施形態のものと略同様に、上記PCVバルブ97と略同様の構成とされた調整弁97A及びオイルトラッパ98Aを備えている。この第1の系統Aの構成は、上述した第1実施形態の第1オイルセパレータ92及びそれに繋がるブローバイガス流路と略同様である。
そして、この第1の系統Aの特徴として、上記オイルトラッパ98Aと吸気管83とを接続しているブローバイガス供給配管94Aには、逆止弁100Aが備えられている。この逆止弁100Aは、オイルトラッパ98Aから吸気管83へ向かうブローバイガスの流れは許容するのに対し、吸気管83からオイルトラッパ98Aへの空気の流入を阻止するようになっている。
一方、第2の系統Bとしては、第2オイルセパレータ93と吸気管83とが、調整弁やオイルトラッパを介することなく、新気導入配管95Bにより接続された構成となっている。
そして、この第2の系統Bの特徴として、上記新気導入配管95Bには、逆止弁100Bが備えられている。この逆止弁100Bは、吸気管83から第2オイルセパレータ93へ向かう空気の流れは許容するのに対し、第2オイルセパレータ93から吸気管83へのブローバイガスの流出を阻止するようになっている。
このような構成により、エンジンEの高負荷運転時には第2オイルセパレータ93にもブローバイガスが導入されることになるが、この際にも、上記第1実施形態における第1オイルセパレータ92及びそれに繋がるブローバイガス流路の場合と同様に、第2オイルセパレータ93から、調整弁97A及びオイルトラッパ98Aに亘るブローバイガスの流路はヘッドカバー4の内側、つまりエンジンEの内部空間に配置されていることになる。これにより、この流路を流れるブローバイガスが外気によって冷却されることが抑制されるようになっている。このため、この流路内では結露水は発生し難い状況となる。つまり、この流路にはブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれるオイルが存在しているが、結露水(酸性水)は存在していない。即ち、この流路内では、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまうことはない。また、オイルトラッパ98AからエンジンEの吸気系に亘る流路(ヘッドカバー4の外側のブローバイガス供給配管94A)では、外気に晒されて冷却され、この流路内で結露水が発生する可能性があるが、この領域では、上記第2オイルセパレータ93によるオイル分離作用及びオイルトラッパ98Aにおけるオイル捕捉作用により、ブローバイガス中には殆どオイルは存在していない。このため、この領域では、ブローバイガス中のNOx及びブローバイガス中に含まれる水分が結露することによる結露水(酸性水)は存在する可能性があるが、オイルは殆ど存在していない。即ち、この領域(外気によって冷却される領域)にあっても、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう状況は発生しない。
このように、本実施形態にあっては、第2オイルセパレータ93からエンジンEの吸気系の全体に亘っても、スラッジが発生する条件(NOx、オイル、酸性水)の全てが揃ってしまう領域を生じさせないようにすることができ、また、吸気系へのオイル導入量を大幅に低減できて、スラッジの発生及び吸気デポジットの発生を回避することができる。このため、吸気デポジットの堆積による吸入空気量の減少や燃焼室内での燃焼性の悪化を防止することが可能になる。
また、各系統A,Bに逆止弁100A,100Bを備えさせたことで、エンジンEの高負荷運転時においてのみ、第2オイルセパレータ93、調整弁97A、オイルトラッパ98Aを経たブローバイガス回収動作(第2オイルセパレータ93によるオイルの分離動作及びオイルトラッパ98Aにおけるオイル捕捉作用を伴うブローバイガス回収動作)が行われることになり、この第2オイルセパレータ93を、ブローバイガスの発生量が多い状況においてのみブローバイガス回収に寄与する機能部品として動作させることができ、PCV装置9の信頼性の向上を図ることができる。尚、エンジンEの低負荷運転時には、上記新気導入配管95Bから第2オイルセパレータ93を経てエンジンE内部に新気が導入されることになる。
尚、本実施形態の構成に対しても、上述した各変形例の構成を適用することが可能である。つまり、オイルトラッパ98Aを、一方が開放された金属製または樹脂製で略直方体形状の箱形部材で成し、この開放側を上記ヘッドカバー4の内面に取り付けることによって、このヘッドカバー4との間でオイルトラッパ室を形成する構成である。また、オイルトラッパ98Aの底部に、上記逆止弁98gを備えた排出管98fを接続し(図7参照)、エンジンEの駆動時に逆止弁98gが閉鎖する一方、エンジンEの停止時には逆止弁98gが開放してオイルトラッパ98Aに貯留されているオイルを排出管98fから排出する構成である。更には、オイルトラッパ98Aの内部にオイル吸着剤を収容する構成である。
(第1変形例)
上述した第3実施形態の第1変形例として、図11に示す構成が挙げられる。つまり、上記第3実施形態における第1の系統Aと第2の系統Bとを、第2オイルセパレータ93側で合流させて1本の配管とし、これを第2オイルセパレータ93に接続するものである。
上述した第3実施形態の第1変形例として、図11に示す構成が挙げられる。つまり、上記第3実施形態における第1の系統Aと第2の系統Bとを、第2オイルセパレータ93側で合流させて1本の配管とし、これを第2オイルセパレータ93に接続するものである。
これによれば、第2オイルセパレータ93において、ブローバイガス排出のための開口と、新気導入のための開口とが兼用されることになる。つまり、第2オイルセパレータ93の側面として2個の開口を形成可能とする面積が必要なくなるため、第2オイルセパレータ93としては必要最小限の容積が確保されておればよく、その小型化を図ることができる。
(第2変形例)
上述した第3実施形態の第2変形例として、図12に示す構成が挙げられる。つまり、上記第2の系統Bを第2オイルセパレータ93に接続させることなく、カム室3Aに開放するものである。即ち、クランク室61の換気のための新気を、第2オイルセパレータ93を通過させることなしに導入する構成である。
上述した第3実施形態の第2変形例として、図12に示す構成が挙げられる。つまり、上記第2の系統Bを第2オイルセパレータ93に接続させることなく、カム室3Aに開放するものである。即ち、クランク室61の換気のための新気を、第2オイルセパレータ93を通過させることなしに導入する構成である。
尚、上述した第3実施形態及びその各変形例において、第2の系統Bに備えられた逆止弁100Bとしては、リリーフ機構を備えさせるようにしてもよい。その理由は、エンジンEの経年劣化に伴いブローバイガスの発生量が増大してきた場合の高負荷運転時に、第1の系統Aのブローバイガス供給配管94Aでは十分なブローバイガス回収性能が得られなくなる可能性がある。このため、このような状況では、逆止弁100Bが、第2オイルセパレータ93から吸気管83へのブローバイガスの流出を許容するように作動し、これによりクランク室61内の圧力が過剰上昇してしまうことを回避するようにするものである。具体的には、逆止弁100Bの第2オイルセパレータ93側の圧力が所定圧力値以上に上昇した場合に、上記リリーフ機構が作動する構成とする。この所定圧力値は実験や計算に基づいて経験的に設定することができ、例えば5kPaに設定される。
−その他の実施形態−
以上説明した各実施形態及び各変形例は、本発明を自動車に搭載された筒内直噴式4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(ポート噴射型、直列型やV型や水平対向型等の別)についても特に限定されるものではない。
以上説明した各実施形態及び各変形例は、本発明を自動車に搭載された筒内直噴式4気筒ガソリンエンジンに適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(ポート噴射型、直列型やV型や水平対向型等の別)についても特に限定されるものではない。
また、上記各実施形態及び各変形例では、第1及び第2の2つのオイルセパレータ92,93を備えたPCV装置9に本発明を適用した場合について説明したが、第1オイルセパレータ92のみを備えたPCV装置9に対しても本発明は適用可能である。
また、上記各実施形態及び各変形例では、オイルトラッパ98(98A)で捕捉したオイルをエンジンEの内部空間(新気導入通路96など)を経てオイルパン7側へ流下させるようにしていた。本発明はこれに限らず、オイルトラッパ98(98A)とオイルパン7とを専用のオイル回収配管(ドレン配管)によって接続する構成としてもよい。
更に、本発明にあっては、オイルセパレータ92(93)から、PCVバルブ97(調整弁97A)及びオイルトラッパ98(98A)に亘るブローバイガスの流路の配設空間としては、エンジンEの内部空間であればよく、ヘッドカバー4の内部やシリンダブロック1の内部に限定されるものではない。
38 燃焼室
6 クランクケース
61 クランク室
7 オイルパン(オイル溜まり部)
83 吸気管
9 PCV装置(ブローバイガス還元装置)
92 第1オイルセパレータ
93 第2オイルセパレータ
94,94A ブローバイガス供給配管
95,95B 新気導入配管
97 PCVバルブ
97A 調整弁
98,98A オイルトラッパ(オイル回収器)
98f 排出管
98g 逆止弁
100A,100B 逆止弁
E エンジン(内燃機関)
6 クランクケース
61 クランク室
7 オイルパン(オイル溜まり部)
83 吸気管
9 PCV装置(ブローバイガス還元装置)
92 第1オイルセパレータ
93 第2オイルセパレータ
94,94A ブローバイガス供給配管
95,95B 新気導入配管
97 PCVバルブ
97A 調整弁
98,98A オイルトラッパ(オイル回収器)
98f 排出管
98g 逆止弁
100A,100B 逆止弁
E エンジン(内燃機関)
Claims (10)
- ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離するためのオイルセパレータと、このオイルセパレータの下流側に配設され且つ開弁することにより上記オイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るPCVバルブとを備えたブローバイガス還元装置において、
上記PCVバルブの下流側には、このPCVバルブから内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器が備えられており、上記オイルセパレータから、PCVバルブ及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路は内燃機関の内部空間に配置されていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離する機能を有するオイルセパレータを備え、内燃機関の低負荷運転時には吸気系の空気の一部を換気用の新気として上記オイルセパレータを経て内燃機関の内部に導入する一方、内燃機関の高負荷運転時には上記オイルセパレータにブローバイガスが導入され、このブローバイガスを、オイルセパレータに通過させた後に内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス還元装置において、
上記内燃機関の高負荷運転時におけるブローバイガス流れ方向のオイルセパレータ下流側には、開弁することによりオイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送る調整弁が備えられていると共に、この調整弁の下流側には、この調整弁から内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器が備えられており、上記オイルセパレータから、調整弁及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路は内燃機関の内部空間に配置されていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - ブローバイガス中に含まれるオイルミストを分離する機能を有するオイルセパレータを備え、内燃機関の低負荷運転時には吸気系の空気の一部を換気用の新気として内燃機関の内部に導入する一方、内燃機関の高負荷運転時には上記オイルセパレータにブローバイガスが導入され、このブローバイガスを、オイルセパレータに通過させた後に内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス還元装置において、
上記内燃機関の高負荷運転時におけるブローバイガス流れ方向のオイルセパレータ下流側には、開弁することによりオイルセパレータからのブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送る調整弁が備えられていると共に、この調整弁の下流側には、この調整弁から内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを回収するオイル回収器が備えられており、上記オイルセパレータから、調整弁及びオイル回収器に亘るブローバイガスの流路は内燃機関の内部空間に配置されていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 請求項2記載のブローバイガス還元装置において、
内燃機関の低負荷運転時に吸気系の空気の一部をオイルセパレータに導入する新気導入配管と、内燃機関の高負荷運転時においてオイルセパレータを経たブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス供給配管とが備えられており、上記調整弁及びオイル回収器は、オイルセパレータとブローバイガス供給配管との間に配設されていて、このブローバイガス供給配管には、内燃機関の吸気系からオイル回収器への空気の流入を阻止する逆止弁が設けられている一方、上記新気導入配管には、オイルセパレータから内燃機関の吸気系に向かって空気が流れることを阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 請求項3記載のブローバイガス還元装置において、
内燃機関の低負荷運転時に吸気系の空気の一部を内燃機関の内部に導入する新気導入配管と、内燃機関の高負荷運転時においてオイルセパレータを経たブローバイガスを内燃機関の吸気系に向けて送るブローバイガス供給配管とが備えられており、上記調整弁及びオイル回収器は、オイルセパレータとブローバイガス供給配管との間に配設されていて、このブローバイガス供給配管には、内燃機関の吸気系からオイル回収器への空気の流入を阻止する逆止弁が設けられている一方、上記新気導入配管には、内燃機関の内部から内燃機関の吸気系に向かって空気が流れることを阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 請求項1記載のブローバイガス還元装置において、
PCVバルブ及びオイル回収器は水平方向に隣接して配設されており、
上記オイル回収器は、PCVバルブの流出口に対して下方に凹陥されたオイル回収空間を備え、PCVバルブから内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくる液状のオイルを回収するよう構成されていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 請求項2〜5のうち何れか一つに記載のブローバイガス還元装置において、
調整弁及びオイル回収器は水平方向に隣接して配設されており、
上記オイル回収器は、調整弁の流出口に対して下方に凹陥されたオイル回収空間を備え、調整弁から内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくる液状のオイルを回収するよう構成されていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 請求項1〜7のうち何れか一つに記載のブローバイガス還元装置において、
上記オイル回収器は、回収したオイルを内燃機関のオイル溜まり部側へ送るためのオイル排出部を備えており、このオイル排出部には、内燃機関の駆動時にオイル回収器内に作用する吸入負圧により閉鎖され且つ内燃機関の停止時には上記吸入負圧の解除により開放する逆止弁が備えられていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 請求項1〜7のうち何れか一つに記載のブローバイガス還元装置において、
オイル回収器の内部には、内燃機関の吸気系に向かうブローバイガスと共に流れてくるオイルを吸着するオイル吸着剤が収容されていることを特徴とするブローバイガス還元装置。 - 上記請求項1〜9のうち何れか一つに記載のブローバイガス還元装置を備えた内燃機関であって、クランクケース内のブローバイガスが、上記オイルセパレータからオイル回収器に向かって流れて吸気系へ送られ、このブローバイガスを吸気と混合して燃焼室内に導入する構成となっていることを特徴とする内燃機関。
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