JP2008212054A - 多孔質菓子及びその製造方法 - Google Patents

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圭一 鈴木
Akihiko Yoshida
明彦 吉田
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Abstract

【課題】本発明は、多孔質菓子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、デニッシュ生地を焼成し、積層と垂直方向で切断し、チョコレートで被覆した多孔質菓子の多孔質菓子の構成、生地に可塑性油脂をロールインしたデニッシュ生地をシート状に伸展し、内外末端部を薄く延ばし、前記内外末端部に水又は卵成分或いは牛乳を塗布し、内末端部を緩く巻き、外末端部に向けきつくロール状に巻き、外末端部を隣接する生地に結着させ、その左右末端部を切除しロール状生地を成形し、前記結着部分を天板に向け載せ、焼成し、積層と垂直方向で所定の厚さに切断し、乾燥させてなることを特徴とする多孔質菓子の製造方法の構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、大きな空洞、孔が複数ある多孔質菓子及びその製造方法に関する。さらに、前記多孔質菓子を呈味成分で被覆した菓子に関する。
市場において、小粒のフランスパン或いはコーンパフなどの焼き菓子にチョコレートなどの呈味成分を染み込ませた含浸菓子がある。前記含浸菓子は、孔が小さいため、減圧タンクなどで減圧処理し染み込ませ、或いは呈味成分とともに遠心分離器にかけ、含浸し、その後余分な被覆材を除去している。
特許文献1には、「(請求項1)室温での粘度が1〜7,000センチポイズである液体を食品に接触させた状態で、遠心力を該食品に作用させることにより、液体を該食品に含浸させることを特徴とする食品の含浸処理方法。及び(請求項2)上記食品がパン生地または焼菓子生地であり、上記液体が、チョコレート、ソース類、または複合調味油である請求項1に記載の食品の含浸処理方法。」とあり、遠心力による含浸食品が記載されている。
2002−209530号公報
しかし、前記含浸菓子は、大規模で高価な設備が必要である。また生地にチョコレートをしみ込みやすくするために油脂分が多く低粘度のチョコレートを選択せざるを得なく、使用する呈味成分の粘度が制限されている。結果的においしいチョコレートとの組み合わせは不可能であった。
なお、孔が大きく開口した食品としてクロワッサン(パン)がある。クロワッサンはデニッシュ生地からできているため、積層と直角方向にスライスカットしたとき内層が大きく開いた孔ができる。しかし、クロワッサンは三日月状に成形し、焼成されるため、均一の大きさに切り出す場合、一定の箇所しか使用できず、また、孔が大きく開口する部分は央部分しかなく、歩留まりが極端に悪く、到底工業生産に耐えない。
一般的なフランスパン成形(棒状)であれば歩留まりもよいが、大きく開口した孔を生地内に均一形成させることは到底できない。また、生地にデニッシュ生地を単に採用したとしても上手くできない。
そこで、本発明は、大きく開口した孔を有する多孔質菓子及びその製造方法、また遠心装置、減圧処理を必要とせず、また被覆材の粘度に制限されることなく、簡易、低コストで孔に被覆材を浸透させた被覆多孔質菓子を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、デニッシュ生地を焼成し、積層と垂直方向で切断し、チョコレートで被覆したことを特徴とする多孔質菓子の構成、棒状に焼成したデニッシュ生地を積層と垂直方向で切断してなり、その断面において、生地の内層壁で囲まれた孔1aの面積が6mm以上且つ前記孔1aが複数あることを特徴とする多孔質菓子の構成、前記内層壁1bの厚さが、大多数が0.4mm以下であることを特徴とする前記多孔質菓子の構成、生地に可塑性油脂をロールインしたデニッシュ生地をシート状に伸展し、内外末端部8b、8cを薄く延ばし、前記内外末端部8b、8cに水又は卵成分或いは牛乳を塗布し、内末端部8bを緩く巻き、外末端部8cに向けきつくロール状に巻き、外末端部8cを隣接する生地に結着させ、その左右末端部8f、8gを切除しロール状生地8dを成形し、前記結着部分を天板に向け載せ、焼成し、積層と垂直方向で所定の厚さに切断し、乾燥させてなることを特徴とする多孔質菓子の構成、前記デニッシュ生地に乳化剤を添加せず、生地改良剤である食用油脂、水、食酢、卵成分及び糖質分解酵素を必須成分とする水中油型乳化組成物を、前記デニッシュ生地中に小麦粉100重量部に対して2〜15重量部添加したことを特徴とする前記何れかに記載の多孔質菓子の構成、前記糖質分解酵素が、ヘミセルラーゼ及び/又はアミラーゼであることを特徴とする前記記載の多孔質菓子の構成、前記何れかの多孔質菓子を呈味成分で被覆したことを特徴とする被覆多孔質菓子の構成、前記呈味成分が、チョコレートであることを特徴とする前記記載の被覆多孔質菓子の構成、前記被覆が、スプレー噴霧又は浸漬によることを特徴とする前記何れかに記載の被覆多孔質菓子の構成とした。
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。生地〜成形〜焼成のそれぞれの工程で工夫をすることにより安定して内層が大きく開いた孔を複数且つ均一に有する棒状デニッシュを作ることができたことにより、生産性よく、同形状の多孔質菓子を製造することができることとなった。
孔の面積が6mm以上の孔が複数あることから、呈味成分の粘度に制限されることなく、スプレー噴霧、浸漬するだけで、流動性のある呈味成分が孔に浸透する。従って、美味しい(砂糖・粉乳などの粉末原料、生クリームが多い)チョコレートを粘度に制限されることなく使用できる。結果的に、従来の含浸チョコレートと異なる新たな形態で、食感はデニッシュ生地のサクサクとした軽さ、味は濃厚な美味しいチョコレート味の新たな被覆菓子を提供することができる。
また、被覆に遠心分離器、減圧装置などの大規模で高価な設備を必要とせず、低コストで被覆菓子を提供できる。
食用油脂、水、食酢、卵成分及び糖質分解酵素を必須成分とする水中油型乳化組成物である生地改良剤を添加したことで、内層壁が薄く延び、ガスを漏らさず、さらに大きな径をした孔を均一に形成することができる。
また、糖分解酵素をヘミセルラーゼ及び/又はアミラーゼとしたことで、従来の小麦グルテンに直接働く蛋白分解酵素と違い生地にしっかりとつなぎ、こしがあり、さらに生地が延びやすい状態なので、ガスの保持がよくなり、内層壁を薄くし、ボリュームがあり、結果的に内層が大きく開いた棒状デニッシュを作ることができる。
大きく開口した孔を有する多孔質菓子の製造方法を提供する目的で、生地に可塑性油脂をロールインしたデニッシュ生地をシート状に伸展し、内外末端部8b、8cを薄く延ばし、前記内外末端部8b、8cに水又は卵成分或いは牛乳を塗布し、内末端部8bを緩く巻き、外末端部8cに向けきつくロール状に巻き、外末端部8cを隣接する生地に結着させ、その左右末端部8f、8gを切除しロール状生地8dを成形し、前記結着部分を天板に向け載せ、焼成し、積層と垂直方向で所定の厚さに切断し、乾燥させてなることを特徴とする多孔質菓子の製造方法の構成とした。
以下、添付図面に基づき、本発明である多孔質菓子について詳細に説明する。図1は、本発明である多孔質菓子である。図1(A)が多孔質菓子の写真図1(B)がその平面模式図である。
本発明である多孔質菓子1は、棒状に焼成したデニッシュ生地を積層と垂直方向で切断してなり、その断面(図1(B))において、生地の内層壁1bで囲まれた孔1aが複数ある。
孔1aの面積は、好ましくは6mm以上、より好ましくは20mm 〜175mm 程度である。孔1aの面積が6mm以下であると自然に流動性ある食品が孔1a内一面に浸透せずまだらな被覆となってしまう。一方、175mm以上であると、多孔質菓子の強度が低下し、包装、流通段階で、粉々に粉砕してしまい商品価値がないものになってしまう。
さらに、前記内層壁1bの厚さが、その多くが0.4mm以下である。内層壁1bが0.4mm以上であれば、サクサクした食感をあまり感じられない。
また、十分乾燥することで保存性があり、その食感は、孔1aが大きく開口し薄い内層壁1bによって、サクサクとしたデニッシュ生地独特の心地よい食感になる。加えて、前記孔1aが十分大きく開口していることから、呈味成分をスプレー噴霧、浸漬することで本発明である多孔質菓子を呈味成分で容易に被覆することができる。
図2は、本発明である被覆多孔質菓子の写真である。被覆多孔質菓子2は、図1の多孔質菓子1を十分乾燥させ、呈味成分、例えばチョコレートなどを被覆材2aとして、スプレー噴霧、浴槽に浸漬して被覆することでできる。その結果、多孔質菓子1の表面全面を容易に一定の厚さに被覆することができる。また用途によっては、多孔質菓子1の表面を部分的に被覆してもよい。
多孔質菓子1の孔1aが大きく開口しているため、流動性に制限させることなく加温し流動性を付与したチョコレートなどであれば、孔1aに減圧処理などせず簡単に、満遍なく浸透する。このためチョコレート自他の美味しさを追求し選択することができる。
以下、本発明である多孔質菓子の製造方法について説明する。図3は本発明である多孔質菓子の配合の一例である。図4は本発明である被覆多孔質菓子の製造工程を示す図である。
被覆多孔質菓子2の製造工程3は、生地ミキシング工程4、分割工程5、一次発酵工程6、ロールイン工程7、成形工程8、ホイロ工程9、焼成工程10、冷却工程11、カット工程12、乾燥工程13、被覆工程14からなる。
生地ミキシング工程4は、図3の原材料(重量部)を計量し、イースト及びイーストフードは水溶きし、マーガリン以外の原材料とともにミキサーに入れ、低速2分、中速3分間混合する工程である。通常のデニッシュ生地のミキシング方法でよい。
次に、室温(25℃前後)にもどしておいたマーガリンをミキサーに投入し低速2分、中速5分間混合する。生地の仕上がり温度を24℃程度になるように加水の温度或いはミキサーボールを冷水で冷やし調整する。なお、この時、通常のデニッシュ生地より加水量を減らしてかためすることが望ましい。
なお、図3の生地改良剤として、EGブレットスーパー(月島食品工業(株))が好適である。当該生地改良剤は、食用油脂、水、食酢、卵成分及び糖質分解酵素を必須成分とし、乳化剤が添加されていない製パン用の水中油型乳化組成物である。前記糖質分解酵素として、ヘミセルラーゼ及び/又はアミラーゼが好ましい。
前記生地改良剤のデニッシュ生地への添加量は、小麦粉100重量部に対して2〜15重量部であり、2重量部より少ないと、得られる多孔質菓子のボリューム及び食感の改善効果が弱く、15重量部を越えると生地改良剤の風味が感じられ好ましくない。
前記生地改良剤に用いられる油脂としては特に制限はなく、なたね油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、こめ油、大豆油、パーム油、パーム軟質油、パーム核油、ヤシ油等の植物性油脂、ラード、牛脂、乳脂等の動物性油脂及びそれらの水素添加油、分別油、エステル交換油であってもよく、これらの油脂を単独又は2種以上の配合油を用いることができる。また、使用する油脂の固体含量についても特に制限はない。
前記生地改良剤に用いられる食酢は、小麦、酒粕、米及びコーン等を原料とする穀物酢、リンゴ、ブドウ及びその他の果実を原料とする果実酢及び上記以外の醸造酢又は氷酢酸を加えて化学的に作られた合成酢を用いることができる。
前記生地改良剤に用いる卵成分は、全卵又は卵黄を用いるが、これらの凍結卵及び凍結加糖卵を用いてもよい。また、砂糖、食塩、マスタード、ワサビ、ニンニク、醤油、ケチャップ、ウスターソース、レモン果汁等のフルーツ果汁及び化学調味料等の調味素材及びコショー、パプリカ、ペッパー、ナツメグ、ジンジャー、サンショウ及びトウガラシ等の香辛料を用いることができる。
前記糖質改良剤に用いられる酵素は、食品に用いられる糖質分解酵素であり、例えば、アミラーゼやヘミセルラーゼ等が使用できる。市販の糖質分解酵素では、GRINDAMYL/A−1000、FD−11、S−100(ダニスコイングリーディエンツ社製)、ビオザイムF10SD、ヘミセルラーゼ「アマノ」90(天野製薬社製)、ファンガミルスーパー500BG、ペントパン500BG(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)等が例示できる。
ただし、細菌由来のアミラーゼには耐熱性のあるものもあり、95℃以下で失活しない酵素については、パン焼成後も酵素活性を維持し、パンをネチャつかせるなど、その商品価値を無くしてしまうこともあるので、使用する際には注意を要する。
前記生地改良剤は、適宜選択された油脂又は配合油に、必要に応じて増粘剤を添加した油相、食酢、卵成分、水及び糖質分解酵素を必須成分とし、必要に応じて各種の調味素材及び香辛料を配合した組成物を約20〜60℃と、できるだけ低温域で加温しながら予備乳化を行い、ホモジナイザーで乳化、均質化して得ることができる。得られた組成物のpHを2.5〜5.0、より好ましくは、3.0〜4.5に調整することにより、特には、殺菌工程は必要としない。
前記生地改良剤において、食用油脂の配合量(重量%)は10〜80%、好ましくは10〜50%であり、食酢の添加量は5〜30%及び卵成分の添加量は、卵黄換算で3〜20%であり、更に必要に応じて添加する各種の調味素材及び香辛料により、残部を水で調整するものである。また、安定剤を併用する場合の添加量は0.1〜3%である。
食酢及び卵成分の添加量は、所望する製品に応じ、風味、保存性等を考慮して上記添加量から選択すればよい。また、焼成することで、食酢は揮発し、最終製品では食酢の風味は残存しない。
酵素の添加量としては、α-アミラーゼの場合、小麦粉1kgあたり、10〜200単位(単位はFAU;FAUは酵素の活性単位)、ヘミセルラーゼの場合、小麦粉1kgあたり、200〜3000単位となるように添加するのが特に望ましい。添加量がそれ以下になると柔らかさ、ボリュームに対しての効果が薄くなり、それ以上になると酵素の効果が出すぎてパン製造工程中の生地安定性が悪くなる。
酵素の添加方法としては、乳化物配合中の油系部に分散させる方法、水系部に分散、溶解させる方法、乳化後の乳化物に添加する方法のいずれでも良く、さらに、前記生地改良剤は、食酢が添加されているので静菌効果を有しており、殺菌工程を必要としないことから、製造中の酵素の熱失活を全く考えなくて良い。また、水中油系型の乳化物であるため、パン製造工程中のパン生地へ馴染みが良く、酵素がパン生地中に分散しやすいため、酵素の力を最大限に発揮することができる。
本発明に、前記生地改良剤を用いることにより、乳化剤を使用しなくても、焼成後、よりボリューム感よく仕上がり、乾燥によって強度があり、且つ内層壁1bも薄く(0.4mm以下)なる。従って、本発明である多孔質菓子1は、サクイ食感を有するものとなる。
分割工程5は、前記ミキシングした生地をバター、マーガリンなどの可塑性油脂の重量に合わせ大きな塊に分割する工程である。なお、可塑性油脂としては、バター、マーガリンなどをシート状又はチップ状に成形したものがある。なお、シート状の可塑性油脂(以下、可塑性シート状油脂という。)は、500g、1kgなど規格で市販されている。
一次発酵工程6は、通常の製パンで行われる発酵工程であり、一般的な発酵温度で構わない。なお、5℃程度の冷蔵庫にて12〜16時間の低温長時間発酵をすることが望ましい。このような低温長時間の発酵を採用すると、生地の延びがよく、焼成時よく膨張し、且つ内包したガスを漏らすことが少なく、内層壁1bの厚みがより薄くなり、孔1aがより大きく開口する。
ロールイン工程7は、可塑性シート状油脂(ここではシート状マーガリン)を小麦粉の重量に対して60重量%をロールイン(折り込み)する工程である。例えば、4ッ折りを2回行い、冷蔵庫で30分程度生地を休ませ、その後、4ッ折りを1回行い、最終生地厚5mm程度にシート状に延ばす。
成形工程8では、例えば、シート状に延ばした生地を幅150mm、長さ200mmにカットし、ロールイン生地を成形し、軽くロール状に巻く。この時、巻き始めと巻き終わりの内外末端部をさらに薄く延ばし、つぶし、巻いた後生地同士を結着させるのりしろを成形する。次ぎにのりしろに水をつけ、巻き始めを軽く巻き、のりしろをしっかりと内側で接する生地と結着させる。これにより、焼成時のガス抜けが極めて低減され、生地がより大きく膨らむ。
通常、このような折返しによるシート状生地では、生地の左右末端部に可塑性シート状油脂が積層されない。そのため、本発明では、シート状マーガリンが層状に入っていないロール状に巻いたロールイン生地の左右末端部は、カットし取り除く。これにより、さらにガス抜けを防止することができる。
ホイロ工程9では、ロール状生地を天板に並べて、温度34℃、湿度75%の条件のホイロに60分間入れる。この時、外末端ののりしろの貼り合わせた部分(以後結着部8eと言う。)を底にして天板に載せると一層ガス抜けを防止することができる。
焼成工程10は、200℃のオーブンで約22分間十分焼成し、棒状デニッシュを作る工程である。この時、十分焼かないと冷却後、腰折れ状態(結着部8eが窪み、ガスが抜け、孔が萎縮した状態)になってしまう。
冷却工程11は、焼成後、粗熱を取り除き、棒状デニッシュが乾燥しないよう取り置きする工程である。焼成直後は棒状デニッシュの中心部と外側部分で残水分量に違いがあり、中心部はしっとり、外側部分はサクサクした状態なのでスライスカットには適さない。具体的な冷却工程11としては、室温にて粗熱を取り除いた後、密封容器(フタ付番重など)に収納し室温で半日から一日程度放置するよう管理する。これにより、焼成後の棒状デニッシュの中心部と外側部分の残水分量が均一になり、棒状デニッシュを容易に任意の薄さにスライスカットすることができるようになる。
カット工程12は、例えば10mm厚に積層面と直交するようにスライスカットする工程である。焼成直後はサクサクした物性で薄くスライスカットしづらい。そこで、前記冷却工程11は、焼成後、半日程度乾燥しないよう取り置き、棒状デニッシュの生地の水分が均一になりしっとりした物性になるまで保管する。
乾燥工程13は、前記カット工程12で得られたスライスデニッシュ10fを表面がうっすらきつね色になるまで160℃で約12分間乾燥焼きをする。
被覆工程14は、乾燥した前記スライスに、呈味成分、例えば、チョコレートを被覆する工程である。被覆方法としては、加温したチョコレートをスプレー噴霧し、或いは、加温したチョコレート浴に浸漬し余分なチョコレートを落し、冷却(テンパリングを含む)し、固化させる方法が採用できる。
スプレー噴霧が、所定の量(所定の厚さになるような量)をスライス面の両面に噴霧するだけで、余分なチョコレートを落とし、取り除く手間がないので、より好ましい。また、薄く被覆することもでき、それによりデニッシュ独特の軽くてサクサクした食感を再現することができる。
呈味成分としては、チョコレートの他、複合調味油、シロップ類、ソース類、フォンダン類、香味油類、シーズニング類、より具体的には、キャラメル、ミルク、生クリーム、クリームチーズ;水あめ、メープルシロップ、その他の天然もしくは人工甘味料;ソース類、醤油、味噌、味りん、リキュール、甘味果実酒、ケチャップ、マヨネーズなどの調味料;食用油、ショートニングオイル、マーガリン、シーズニングを配合した複合調味油;果汁、肉汁などの食品抽出物;胡椒、トウガラシ、カラシ、ワサビ、ニンニク、生姜などの香辛料を含む調味液;コーヒー、紅茶、緑茶などの嗜好性飲料などがある。
図5は、シート状生地と可塑性シート状油脂を示す図である。ロールイン工程7において、一次発酵工程6を経た生地をシート状に伸展し、シート状生地7aを成形し、前記シート状生地7aに可塑性シート状油脂7bを載せ、シート状生地7aに折り込む。シート状生地7aは、幾分可塑性シート状油脂7bより大きく成形する。
可塑性シート状油脂7bは、可塑性油脂であるバター、マーガリンなどをシート状に成形したもので、市販されている。
図6は、ロール状生地の成形方法を示す図である。図6(A)は、可塑性シート状油脂7bをシート状生地7aに折り込み、再度シート状に成形した生地の両端(内末端部8b、外末端部8c)を潰し、他の部分より薄く成形したロールイン生地8aを、ロール状に巻いている途中の図である。このとき、内末端部8bは緩く、即ち隙間(空間)を開け、外末端部8cに向かって強く、即ち隙間を開けずに巻くとよい。これにより焼成時に発生したガスを漏らさないよう内部により多く保持し、より大きく開口した孔1aを形成することができるようになる。巻き終った後には、外末端部8cは、隣接する内側の生地の外表面に完全に結着させる。
図6(B)は、ロール状に巻いたロールイン生地8aの左右末端部8f、8gを、切除(図中下矢印)して成形したロール状生地8dの平面図である。左右末端部8f、8gは、可塑性シート状油脂7bの末端(図中点線)が生地末端まで積層されないため、取り除く。可塑性シート状油脂7bの積層がない部分は、焼成によって孔が形成されないからである。
さらに、左右末端部8f、8g切断することにより、ロール状生地8dの両末端が密封される効果もあり、ガスが生地内部により多く保持され、焼成後、孔がより大きく開口する。従って、大きく開口した孔が均一に生地内に形成するため、歩留まりよく多孔質菓子1を切り取ることができる。
図7は、焼成工程10によって得られる棒状デニッシュ及びカット後のスライスデニッシュを示す図である。図7(A)は棒状デニッシュ10aの斜視図、図7(B)は棒状デニッシュ10aからスライス(図中一点鎖線矢印)したスライスデニッシュ10fの模式図である。
図7(A)に示すように、外末端部8cを内側に生地に結着させ天板の底に載せ、左右末端部8f、8gを切除し焼成することにより、焼成時に発生するガスの外末端10c、左右端部10d、10e、内末端10bからの漏れが少なく、ボリュームがある状態に焼成できる。また図7(B)に示すように、孔10gが棒状デニッシュ10a内に均一に形成される。従って、歩留まり良く、多量に多孔質菓子を製造することができる。
本発明である多孔質菓子のである。 本発明であるチョコ被覆多孔質菓子の写真である。 本発明である多孔質菓子の配合の一例である。 本発明である被覆多孔質菓子の製造工程を示す図である。 シート状生地と可塑性シート状油脂を示す図である。 ロール状生地の成形方法を示す図である。 焼成工程によって得られる棒状デニッシュ及びカット後のスライスデニッシュを示す図である。
符号の説明
1 多孔質菓子
1a 孔
1b 内層壁
2 被覆多孔質菓子
2a 被覆材
3 製造工程
4 生地ミキシング工程
5 分割工程
6 一次発酵工程
7 ロールイン工程
7a シート状生地
7b 可塑性シート状油脂
8 成形工程
8a ロールイン生地
8b 内末端部
8c 外末端部
8d ロール状生地
8e 結着部
8f 左末端部
8g 右末端部
9 ホイロ工程
10 焼成工程
10a 棒状デニッシュ
10b 内末端
10c 外末端
10d 左端部
10e 右端部
10f スライスデニッシュ
10g 孔
11 冷却工程
12 カット工程
13 乾燥工程
14 被覆工程

Claims (10)

  1. デニッシュ生地を焼成し、積層と垂直方向で切断し、チョコレートで被覆したことを特徴とする多孔質菓子。
  2. 棒状に焼成したデニッシュ生地を積層と垂直方向で切断してなり、その断面において、生地の内層壁で囲まれた孔の面積が6mm以上且つ前記孔が複数あることを特徴とする多孔質菓子。
  3. 前記内層壁の厚さが、大多数が0.4mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の多孔質菓子。
  4. 生地に可塑性油脂をロールインしたデニッシュ生地をシート状に伸展し、内外末端部を薄く延ばし、前記内外末端部に水又は卵成分或いは牛乳を塗布し、内末端部を緩く巻き、外末端部に向けきつくロール状に巻き、外末端部を隣接する生地に結着させ、その左右末端部を切除しロール状生地を成形し、前記結着部分を天板に向け載せ、焼成し、積層と垂直方向で所定の厚さに切断し、乾燥させてなることを特徴とする多孔質菓子。
  5. 前記デニッシュ生地に乳化剤を添加せず、生地改良剤である食用油脂、水、食酢、卵成分及び糖質分解酵素を必須成分とする水中油型乳化組成物を、前記デニッシュ生地中に小麦粉100重量部に対して2〜15重量部添加したことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の多孔質菓子。
  6. 前記糖質分解酵素が、ヘミセルラーゼ及び/又はアミラーゼであることを特徴とする請求項5に記載の多孔質菓子。
  7. 請求項2〜6の多孔質菓子を呈味成分で被覆したことを特徴とする被覆多孔質菓子。
  8. 前記呈味成分が、チョコレートであることを特徴とする請求項7に記載の被覆多孔質菓子。
  9. 前記被覆が、スプレー噴霧又は浸漬によることを特徴とする請求項1或いは請求項7又は請求項8の何れかに記載の被覆多孔質菓子。
  10. 生地に可塑性油脂をロールインしたデニッシュ生地をシート状に伸展し、内外末端部を薄く延ばし、前記内外末端部に水又は卵成分或いは牛乳を塗布し、内末端部を緩く巻き、外末端部に向けきつくロール状に巻き、外末端部を隣接する生地に結着させ、その左右末端部を切除しロール状生地を成形し、前記結着部分を天板に向け載せ、焼成し、積層と垂直方向で所定の厚さに切断し、乾燥させてなることを特徴とする多孔質菓子の製造方法。
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