JP2008208249A - ポリアミド組成物およびそれからなるポリアミド成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 部分芳香族ポリアミド100重量部と脂肪族ポリアミド0.5〜100重量部とから主としてなるポリアミド組成物であって、前記部分芳香族ポリアミド中の前記部分芳香族ポリアミド中の全残存リン原子含有量(PC)が10ppm以上、リン原子含有量(P4)が150ppm以下であることを特徴とするポリアミド組成物。
(ただし、P4は、前記部分芳香族ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、ピロリン酸構造として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量である。)
【選択図】 なし
Description
また、ポリアミドの熱劣化を抑える方法として、ポリアミド中に(a)ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、ホスホン酸化合物又は亜リン酸化合物と(b)アルカリ金属と(c)フェニレンジアミン及び/又はその誘導体とを配合する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるポリアミドのゲル化物の発生防止対策として滑剤、有機リン系安定剤、ヒンダードフェノール類化合物、ヒンダードアミン類化合物から選ばれた少なくとも1種類以上を0.0005〜0.5重量部添加して検討している(例えば、特許文献7参照)。
(ただし、P4は、前記部分芳香族ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、下記構造式(式1)で表されるピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量である。)
Px=PC−(P1+P2+P3+P4) (1)
(式中、PCは部分芳香族ポリアミド中の全残存リン原子含有量、P1、P2、P3、P4は、それぞれ、部分芳香族ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量を示す(単位はppm)。
なお、部分芳香族ポリアミド中の残存リン原子含有量PC、P1、P2、P3およびP4の測定には、後記するリン化合物の構造分析31P−NMR法を用いた。また、Px、PC、P1、P2、P3およびP4は、部分芳香族ポリアミドの重量に対する含有量である。
本発明のポリアミド組成物に用いられる部分芳香族ポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド又は芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドのいずれかを分子鎖中に50モル%以上、好ましくは60モル%以上、特に好ましくは70モル%以上含有するポリアミドである。
次いで、反応缶下部の取り出し口より溶融樹脂を取り出し、冷却固化させてストランドカッターなどのチップカッターにより樹脂チップを得た。この際、キャスティングに要する時間が長いと、取り出し口での熱酸化劣化の影響を大きく受けたり、缶内などの樹脂が熱劣化を受け、ゲル化物が生成したり着色したりし、またフィルタ−詰まり原因物質が増加するため好ましくない。また、キャスティング時間が短くすぎると、取り出し口より出たストランド状のポリマー温度が高くなりすぎるため、樹脂や添加剤の熱酸化劣化を受けやすくなり、ポリマーの熱安定性の低下の一因となりうる。よって、キャスティング時間は、回分式反応缶の場合、好ましくは10〜100分であり、より好ましくは15〜80分、さらに好ましくは15〜60分である。本発明に係る部分芳香族ポリアミドの融点が250℃未満の場合は、キャスティング中の反応釜内及び反応釜〜キャスティングダイス間の溶融ポリマー温度は、255℃以下、好ましくは253℃以下、さらに好ましくは250℃以下に維持することが重要である。また、部分芳香族ポリアミドの融点が250℃以上の場合は、キャスティング中の反応釜内及び反応釜〜キャスティングダイス間の溶融ポリマー温度は、その融点より15℃高い温度以下、好ましくは融点より13℃高い温度以下、さらに好ましくは融点より10℃高い温度以下で維持することが重要である。溶融ポリマー温度が前記温度条件を外れるとフィルタ−詰まり原因となるピロリン酸構造のリン化合物などの含有量が増加するため好ましくない。また、ストランド状ポリマー温度は好ましくは20〜70℃、より好ましくは30〜65℃の範囲である。その他の方法として、取り出し口でのポリマーの熱酸化劣化を防ぐ方法としては、不活性ガスを吹き掛ける方法が挙げられる。
なお、ここで部分芳香族ポリアミドの融点は、示差走査熱量計DSC−50((株)島津製作所製)を用いて前記ポリアミドチップからの結晶化乾燥した試料10mgについて室温から20℃/分で昇温しながら測定した。
1.2<(M/PC)モル比<7 (3)
これらの中でも、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸マグネシウムの使用が好ましい。
本発明のポリアミド組成物に用いられる脂肪族ポリアミドとしては、εーカプロラクタム、エナントラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム類からの開環重合により得られるポリアミド、ω-アミノヘプタン酸、ωーアミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類の重縮合により得られるポリアミド、ジアミンとジカルボン酸とのナイロン塩の重縮合により得られるポリアミド、更には、上記記載の各種ラクタム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸とのナイロン塩とを適宜混合したものを共重縮合して得られるポリアミド共重合体が挙げられる。ジアミンの具体例としてはエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、1,3ービスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン等が挙げられる。ジカルボン酸の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
本発明のポリアミド組成物を構成する部分芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドとの混合割合は、前記部分芳香族ポリアミド100重量部に対して前記脂肪族ポリアミド0.5〜100重量部、好ましくは1.0〜70重量部、さらに好ましくは2.0〜50重量部であることが好ましい。(部分芳香族ポリアミド100重量部に対して脂肪族ポリアミド0.5〜100重量部とは、換算すると、部分芳香族ポリアミド/脂肪族ポリアミド=99.5/0.5〜50/50(重量部比)となる。)
回収品の含有量が、30重量%を超えると、ポリアミドシート状物並びにポリアミド延伸フィルムの色相が悪くなり問題となったり、また、ゲル化物等の混入により、品位の低下が見られる。
(1)ポリアミドの相対粘度(RV)
試料0.25gを96%硫酸25mlに溶解し、この溶液10mlをオストワルド粘度管にて20℃で測定、下式より求めた。
RV=t/t0
(但し、t0:溶媒の落下秒数 t :試料溶液の落下秒数)
試料340〜350mgを重ベンゼン/1,1,1,3,3,3―ヘキサフロロイソプロパノール=1/1(vol比)混合溶媒2.5mlに室温で溶解させ、トリ(t−ブチルフェニール)リン酸(以下、TBPPAと略称)をPとして樹脂に対して約100ppm添加し、室温でさらにトリフロロ酢酸を0.1ml加え、30分後にフーリエ変換核磁気共鳴装置(BRUKER社製AVANCE500)にてポリアミド中のリン化合物の構造分析(31P−NMR法)を行った。なお、31P共鳴周波数は202.5MHz、検出パルスのフリップ角は45°、データ取り込み時間 1.5秒、遅延時間 1.0秒、積算回数 1000〜20000回、測定温度は室温、プロトン完全デカップリングの条件で分析を行った。
P2r=Ps×(亜リン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP2)/PN ・・・(式C)
P3r=Ps×(リン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP3)/PN ・・・(式D)
P4r=Ps×(ピロリン酸由来のリン化合物のPピーク積分値XP4)/PN・・・(式E)
・・・・(式F)
ポリアミド中の、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P2) =PC×P2r
・・・・(式G)
ポリアミド中の、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P3) =PC×P3r
・・・・(式H)
ポリアミド中の、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量(P4)=PC×P4r
・・・・(式I)
試料を炭酸ソーダ共存下において乾式灰化分解するか、硫酸・硝酸・加塩素酸系または硫酸・加酸化水素水系において湿式分解し、リンを正リン酸とした。次いで、1mol/L硫酸溶液中においてモリブデン酸塩を反応させて、リンモリブデン酸とし、これを硫酸ヒドラジンで還元して生ずるヘテロポリ青の830nmの吸光度を吸光光度計(島津製作所社製、UV−150−02)で測定して比色定量した。
試料を白金ルツボにて、灰化分解し、6mol/L塩酸を加えて蒸発乾固した。1.2mol/L塩酸で溶解し、その溶液を原子吸光(島津製作所社製、AA−640−12)で定量した。
(5)ポリアミドチップおよび成形体のカラーb値((Co−b))
カラーメーター(日本電色社製、Model 1001DP)を使用し、カラーb値を測定した。
三菱化学製の水分気化装置VA−100を、予め乾燥筒2本(シリカゲルと五酸化リンを充填)に乾燥した、窒素ガスを流速250ml/分で流しながら、加熱炉を180℃に加熱して、試料ボードを加熱炉に入れ、加熱炉と試料ボードから得られた乾燥窒素が無水になっていることを、微量水分測定装置CA−100で確認した後、試料 3gを乾燥しておいた専用サンプル容器に精秤し、速やかに、サンプルを試料ボードに入れる。サンプルから気化した水分は、乾燥窒素によって、微量水分測定装置CA−100型に運ばれカールフィシャー滴定され、水分率が求められる。
水分率を300ppmに調湿したポリアミドを一軸押出機(ヒーター設定温度285℃、平均滞留時間10分)を使用し、溶解させ、GPを使用し、3〜6g/minで一定量押出した。ポリマー中の異物を濾過径20μmのフィルターで濾過し、GPの二次側の圧力を経時的に記録した。4hr流した後のその圧力差を下記式にあてはめ、背圧上昇係数(K*)を求めた。
式(4)において、
△P(MPa) :GP二次圧の4hr後の圧力−初期圧
T(hr) :ポリアミドをフィルターに濾過した時間 (4hr)
Q(kg/hr) :ポリアミドの吐出量 (3〜6g/min)
S(cm2) :フィルターの濾過面積 (1.538cm2)
(8)ゲル化時間
内容量約20mlの枝付き試験管に100℃で24時間減圧乾燥したポリアミド樹脂3gを入れ、減圧窒素置換を3回行なった後、30ml/分の窒素ガスを流しながら、260℃恒温のオイルバス中に浸漬して加熱し、0.5時間ないし1時間毎にサンプリングした。
水分含有量を特定の値に調整したポリアミド組成物を、押出機によりTダイスから265℃の温度で30m/minの速度となるように溶融押し出しし、30℃に冷却させた金属ロール上に、直流高電圧の印荷により静電気的に密着させて冷却固化し、厚さ200μmの実質的に未配向のシートを得た。
このシートを約1mmの大きさにカットしたものを回収品とし、実施例10および比較例3において用いた。
このシートを縦方向に延伸温度97℃で2.00倍に第一延伸した後、75℃に保持して、引き続き、縦方向に延伸温度75℃で1.90倍に第二延伸を行い、さらに、このシートを連続的にテンターに導き、110℃で4.0倍に横延伸し、210℃で熱固定および6.1%の横弛緩処理を施した後に冷却し、両縁部を裁断除去して巻き取り、ロール状の二軸配向ポリアミド系樹脂フィルムを得た。なお、縦延伸におけるフィルム温度(延伸温度)は、ミノルタ(株)製放射温度計IR−004を用いて測定した。また、横延伸における延伸温度は、テンター内に設置された熱電対によって測定した。
得られた二軸配向ポリアミド系樹脂フィルムの色相、異物、製膜性を評価した。それらの特性の評価結果を表2に示す。
フィルターの背圧上昇は400メッシュのフィルターの二次側の圧力を確認し、8時間後の状態を次のように評価した。
◎ : ほとんどなし
○ : 背圧上昇はあるが製膜を中断する必要が無い
× : 激しい
前記の延伸フィルムロールの端面の色相を肉眼で観察し次のように評価した。
◎ : 溶融前のチップの色相とあまり変わらない
○ : 溶融前のチップの色相より少し黄色いが実用上は問題ない
× : 溶融前のチップの色より黄色〜褐色に着色している
××: 溶融前のチップの色よりかなり褐色に着色している
この延伸フイルム1m2の面積を10枚分について肉眼により異物を観察し、次のように評価した。
◎ : 異物なし
○ : 異物ほとんど無し
× : 異物あり
前記の第一延伸工程や第二延伸工程での製膜性を次のように評価した。
○ :第一延伸工程と第二延伸工程ともに製膜性良好
△ :第一延伸工程の製膜性良好で第二製膜工程の製膜性不良
× :両工程共に製膜性不良
(Ny−MXD6(A))
攪拌機、分縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた調整缶に精秤したメタキシリレンジアミンおよびアジピン酸および水を所定量加え、窒素ガスにより加圧、放圧の操作を5回繰り返し、窒素置換を行い、雰囲気窒素中の酸素含有量9ppm以下とした。その時の内温は80℃とした。更に、添加剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)や次亜リン酸ナトリウム(NaH2PO2・H2O)を加え、攪拌して均一な塩水溶液とした。この際も、雰囲気窒素中の酸素含有量9ppm以下に維持した。
重合時間を延長する以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
前記(5)、(7)および(8)の方法で評価を実施した。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。結果を表1に示す。
重合時間を延長し、添加剤の使用量を変える以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
前記(5)、(7)および(8)の方法で評価を実施した。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の1.6倍モルになるようにした。
結果を表1に示す。
添加剤の使用量を変える以外は、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
前記(5)、(7)および(8)の方法で評価を実施した。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の4.0倍モルになるようにした。結果を表1に示す。
添加剤の使用量を変える以外は、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の3.5倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
添加剤の使用量を変える以外は、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
原料としてメタキシリレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸を表1に記載した組成に対応するように調整すること以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。融点は234℃であった。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
原料としてメタキシリレンジアミン、アジピン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)を表1に記載した組成に対応するように調整すること以外はNy−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。
但し、融点が250℃なので、脱泡時のポリマー温度及びキャスティング時の反応缶内及び反応缶〜ダイスまでの間のポリマー温度は約260℃に維持した。
なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の2.7倍モルになるようにした。表1に特性を示す。
Ny−MXD6(A)の場合と同様の反応装置を用い、添加剤の使用量を変え、原料塩調整缶では窒素ガス置換を行わず雰囲気中の酸素濃度が約100ppmのままで反応缶に移送し、缶内温度190℃、缶内圧1.0MPaとして、徐々に昇温させて留出する水を系外に除いた。ここまでの缶内温度、反応時間はNy―MXD6(A)とほぼ同一条件とした。その後、缶内圧を60分かけて、徐々に放圧し、常圧に戻した。さらに温度を285℃まで上昇させ、常圧で2時間10分攪拌し、所定の粘度まで到達させ、反応を終了した。265℃で70分間放置し、ポリマー中の気泡を取り除いた後、反応缶下部より溶融樹脂を押出し、Ny−MXD6(A)と同様にしてキャスティングを行った。キャスティング時間は110分間であり、その際の反応缶内及び反応缶〜ダイスまでの間のポリマー温度は約265℃に維持した。
なお、アミノ末端基量(当量/トン)/カルボキシル末端基量(当量/トン)の比を1.0とし、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の1.9倍モルになるようにした。前記(5)、(7)および(8)の方法で評価を実施した。結果を表1に示す。
上記のリン原子含有化合物、およびアルカリ化合物は添加せずに、Ny−MXD6(A)と同様の重合方法により得たものである。前記(5)、(7)および(8)の方法で評価を実施した。結果を表1に示す。
100リットルの回分式重合釜を用い、ε−カプロラクタムの開環重合によって得たナイロン6をポリアミド系樹脂として使用した。当該ナイロン6のチップは、回分式重合釜を用いて熱水で抽出処理しモノマーとオリゴマーの含有量を1重量%にまで低減した後、水分率が0.1重量%となるまで乾燥して使用した。原料ナイロン6および延伸フィルムの相対粘度は、96%濃硫酸溶液を用いた20℃の測定値で約2.8であった。また、使用した表面突起形成用微粒子(0.45重量%)は、細孔容積1.6cc/g、平均粒子径1.8μmのシリカ微粒子(富士シリシア化学社製 サイリシア350)で、ナイロン6の原料となるε−カプロラクタムの水溶液中に高速撹拌機で分散して重合釜に仕込み、重合工程でナイロン6内に分散させた。
表2に記載のポリアミド組成物を用いて、前記(9)の方法で評価を実施した。結果を表2に示す。製膜性、色相、異物及および背圧上昇共に問題なかった。
実施例1と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。製膜性、色相、異物および背圧上昇共に問題なかった。
実施例1と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。製膜性、色相は問題なかったが、異物および背圧上昇は問題であった。
実施例1と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。製膜性および背圧上昇は問題なかったが、色相、異物共に問題であった。
実施例1と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。製膜性、色相は問題なかったが、異物および背圧上昇は問題であった。
実施例1と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。製膜性および背圧上昇は問題なかったが、色相、異物共に問題であった。
水分量を変更する以外は実施例3と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。色相、異物および背圧上昇は問題なかったが、製膜性は悪く問題であった。
水分量を変更する以外は実施例3と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。色相、異物および背圧上昇は問題なかったが、製膜性は悪く問題であった。
水分量を変更する以外は実施例3と同様にして、表2のポリアミド組成物について評価を実施した。結果を表2に示す。色相、異物および背圧上昇は問題なかったが、製膜性は悪く問題であった。
Claims (7)
- 部分芳香族ポリアミド中の式(1)で求められるリン原子含有量(Px)が100ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド組成物。
Px=PC−(P1+P2+P3+P4) (1)
(式中、PCは部分芳香族ポリアミド中の全残存リン原子含有量、P1、P2、P3、P4はそれぞれ、部分芳香族ポリアミドを31P−NMR測定溶媒に溶解してトリフロロ酢酸添加後、構造分析した場合、次亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、亜リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、リン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量、ピロリン酸として検出されるリン化合物由来のリン原子含有量を示す。単位はppm) - 部分芳香族ポリアミドがメタキシリレンジアミンとアジピン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に50モル%以上含有するポリアミドであり、脂肪族ポリアミドがナイロン6であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリアミド組成物。
- 前記ポリアミド組成物からのポリアミド成形体の回収品を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド組成物。
- 水分含有量が、200〜2000ppmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド組成物を溶融成形してなる層を少なくとも一層有することを特徴とするポリアミド成形体。
- 請求項6に記載のポリアミド成形体が、シート状物あるいはこれを少なくとも一方向に延伸してなる延伸フィルムであることを特徴とするポリアミド成形体。
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