JP2008207550A - 樹脂被覆金属箔及びその製造方法、並びにこの製造方法で得られた樹脂被覆金属箔を用いた金属張積層板及びその製造方法 - Google Patents

樹脂被覆金属箔及びその製造方法、並びにこの製造方法で得られた樹脂被覆金属箔を用いた金属張積層板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄い金属箔、特には12μm以下の銅箔を用いても、金属箔にシワやスジの発生がなく、また、形成される樹脂層の厚さが均一である樹脂被覆金属箔及びその製造方法、並びにこの製造方法で得られた樹脂被覆金属箔を用いた金属張積層板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】金属箔の片面に樹脂層が形成され、樹脂層が形成された面と反対側の面に、再剥離性粘着剤が基材に積層されてなる裏打ち材が形成されてなる樹脂被覆金属箔及び絶縁層を、樹脂被覆金属箔の樹脂層が絶縁層と接するように積層して金属張積層板を得る。金属箔は銅箔であり、樹脂層はブロック共重合ポリイミド樹脂を含有し、裏打ち材の厚さは12〜350μmの範囲内となるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板等に使用可能な樹脂被覆金属箔及びその製造方法、並びにこの製造方法で得られた樹脂被覆金属箔を用いた金属張積層板及びその製造方法に関する。
従来、プリント配線板に使用する金属張積層板は、金属箔としての銅箔と絶縁層、例えばポリイミドフィルムや液晶フィルム、Bステージ樹脂組成物層とを積層したものが用いられているが、銅箔とこれら絶縁層との接着性が低いため、金属張積層板に使用される銅箔の表面に凹凸を形成してマット化することで、その上に積層されるBステージ樹脂組成物層などの絶縁層との接合界面の面積を増加させる対応が行われてきた。
ところが、近年、小型、薄型、軽量化する電子機器においてプリント配線板の高密度化の要求が特に高まっている。このため、使用される金属箔の厚さを薄くすることで、小型、薄型及び軽量化に加えて細密回路形成性を向上させることが検討されてきている。
このように金属箔を薄層化しようとしても、金属箔としての銅箔表面がマット化されている場合には限界がある。このため、マット化することなく絶縁層との密着力を確保することが必要とされてきており、銅箔の片面にブロック共重合ポリイミド樹脂層を形成させ、この樹脂層とBステージ樹脂組成物層とを積層させたものが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開2006-82228号公報
このような技術を実施すべく薄層化された金属箔を用いると、樹脂被覆金属箔の製造段階、及びこれを用いた二次製品、例えば金属張積層板の製造段階で様々な不具合が発生することが明らかになった。
まず、従来の製造方法を用いて、例えば金属箔上に樹脂層をロール ツゥ ロールで形成することで樹脂被覆金属箔を製造すると、金属箔にシワやスジが発生したり均一な樹脂層が得られなかったりするという問題が発生する。この問題は、特に精密な回路パターンの形成性を損なうという点で重篤である。
また、厚みがないためにハンドリング性が低下し、樹脂被覆金属箔を搬送したり所定の位置に設置したりすると、搬送不良や位置ずれなどを引き起こす問題が発生する。
さらに、得られた樹脂被覆金属箔にプリプレグなどの絶縁層を積層して金属張積層板を製造する場合には、その加熱加圧工程において、金属箔としての銅箔や樹脂被覆金属箔にシワやスジが発生して、加熱加圧を受ける樹脂被覆金属箔や絶縁層に傷が付いたり、これらの部材の一部がプレス板に付着したり、さらにはこの付着物が原因となってプレス板にも傷が入ったりする。このような現象が発生すると均一なプレスができなくなり、結果として良好な金属張積層板を得ることができない。
このような問題は銅箔に限らず、銅箔以外の金属箔を用いた樹脂被覆金属箔全般においても発生する。たとえば、インクジェットヘッドをはじめとするマイクロマシンにおいても樹脂が積層された金属箔の微細加工品を用いる場合があり、積層体の厚さが薄くなると微細加工精度の低下や搬送不良など同様の問題が懸念される。
本発明の目的は、薄い金属箔、特には12μm以下の銅箔を用いても、金属箔にシワやスジの発生がなく、また、形成される樹脂層の厚さが均一である樹脂被覆金属箔及びその製造方法、並びにその製造方法で得られた樹脂被覆金属箔を用いた金属張積層板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべき鋭意検討した結果、厚さ12μm以下の金属箔、特には厚さ12μm以下の金属箔の片面にブロック共重合ポリイミド樹脂層などの樹脂層を形成する際、樹脂層形成前に金属箔の樹脂層形成面とは反対側の面に裏打ち材を貼り付け、この裏打ち材付き金属箔を用いることにより、金属箔にシワやスジがなく、均一な樹脂層が得られるという新たな知見を見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、以下の樹脂被覆金属箔の製造方法、樹脂被覆金属箔、これを用いた金属張積層板の製造方法及びこれにより得られる金属張積層板である。
[1]金属箔の片面に樹脂層が形成された樹脂被覆金属箔の製造方法であって、再剥離性粘着剤が基材に積層されてなる裏打ち材を、該金属箔の該樹脂層を形成する面とは反対側の面に貼り付ける裏打ち材貼付工程と、該裏打ち材が貼り付けられた金属箔に前記樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有することを特徴とする樹脂被覆金属箔の製造方法。
[2]前記樹脂層はポリイミド樹脂を含有することを特徴とする[1]記載の樹脂被覆金属箔の製造方法。
[3]該ポリイミド樹脂が、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂であることを特徴とする[2]記載の樹脂被覆金属箔の製造方法。
(式中のm,nは、m:n=1:9〜3:1を満たす整数)
[4]樹脂層は更にエポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂、及びフッ素系樹脂、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシ末端のアクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記[2]又は[3]に記載の樹脂層被覆金属箔の製造方法。
[5]前記裏打ち材の厚さが12〜350μmの範囲であることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の樹脂被覆金属箔の製造方法。
[6]前記裏打ち材は紫外線硬化性又は冷却剥離性の粘着剤を含むことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の樹脂被覆金属箔の製造方法。
[7]前記金属箔の厚さが12μm以下であることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれかに記載の樹脂被覆金属箔の製造方法。
[8]前記裏打ち材貼付工程に引き続いて前記金属箔の厚さを減少させる加工を行い、前記樹脂層形成工程で樹脂層を形成する前に金属箔の厚さを12μm以下とすることを特徴とする[7]記載の樹脂被覆金属箔の製造方法。
[9]前述の[1]乃至[8]のいずれかに記載の樹脂被覆金属箔の製造方法により樹脂層、金属箔及び裏打ち材がこの順に積層されていることを特徴とする樹脂被覆金属箔。
[10]前記金属箔は銅箔であることを特徴とする[9]に記載の樹脂被覆金属箔。
[11]前述の[9]又は[10]に記載の樹脂被覆金属箔及び絶縁層を、該樹脂被覆金属箔の樹脂層が前記絶縁層と接するように一対のプレス板の間にて積層し、当該積層体を加熱・加圧処理することで樹脂被覆金属箔と絶縁層とからなる金属張積層板を製造することを特徴とする金属張積層板の製造方法。
[12]前述の[9]又は[10]に記載の樹脂被覆金属箔の樹脂層上に液状の絶縁体を塗布し、該絶縁体を固化させて絶縁層とすることで樹脂被覆金属箔と絶縁層とからなる金属張積層板を製造することを特徴とする金属張積層板の製造方法。
[13]前述の[11]又は[12]に記載の樹脂被覆金属箔の樹脂層は絶縁層を構成する樹脂成分を含有していることを特徴とする金属張積層板の製造方法。
[14]前述の[8]に記載の製造方法により得られた樹脂被覆金属箔からなることを特徴とするインクジェット用振動板。
[15]前述の[11]乃至[13]のいずれかに記載の製造方法により得られた金属張積層板。
[16]樹脂被覆金属箔及び絶縁層を、前記樹脂被覆金属箔の樹脂層が前記絶縁層と接するように積層された金属張積層板であって、前記樹脂被覆金属箔は、金属箔の片面に樹脂層が形成され、前記金属箔の前記樹脂層が形成された面とは反対側の面に、再剥離性粘着剤が基材に積層されてなる裏打ち材が形成されていることを特徴とする金属張積層板。
[17]前記金属箔は銅箔であることを特徴とする[16]に記載の金属張積層板。
[18]前記樹脂層は、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂を含有し、前記裏打ち材の厚さが12〜350μmの範囲であることを特徴とする[16]又は[17]に記載の金属張積層板。
(式中のm,nは、m:n=1:9〜3:1を満たす整数)
[19]前記絶縁層が、Bステージ樹脂組成物からなるBステージ樹脂組成物層であることを特徴とする[16]乃至[18]のいずれかに記載の金属張積層板。
本発明の樹脂被覆金属箔の製造方法を採用すれば、裏打ち材によって剛性が向上するため、薄い金属箔(銅箔であれば12μm以下)の上に均一な厚さの樹脂層を形成でき、かつ金属箔にシワやスジの発生を抑制することができる。特に、ロール ツゥ ロールで製造する場合には、シートの振動に起因するシワやエアブローに起因するシワの発生が抑制される。
このため、金属箔が銅箔の場合には細密回路を形成するような金属張積層板を製造するための材料とすることができ、他の金属、たとえばステンレスやニッケルの場合にはインクジェットヘッドの振動板を製造するための材料とすることができる。
また、この製造方法により得られる、金属箔が銅箔である樹脂被覆金属箔の樹脂層と絶縁層とをプレス板を用いて加熱加圧して金属張積層板を製造すると、樹脂被覆金属箔の裏打ち材がプレス板から金属箔に伝達される熱を緩和する。加えて、プレス板からの圧力を適度に分散・緩和するクッションとして機能するため、絶縁層と金属箔である銅箔との間の加圧力が均一となる。このためその接着力も均一となり、品質的に安定した金属張積層板が得られる。したがって、従来品質管理の観点で必要とされていたプレス板と金属箔である銅箔及び絶縁層との間のクッション材が不要となり、リードタイムの短縮や資源の有効活用がもたらされる。
さらに、裏打ち材の存在により樹脂被覆前に金属箔の更なる薄層化が可能となるため、特性は良好でありながら薄層化が困難であった圧延銅の樹脂被覆極薄箔を得ることが実現される。このため、製造工程が複雑で工程コストが高いスパッタ、めっき等の製膜技術を用いることなく高品質な極薄箔の金属箔が銅である金属張積層板を低コストで得ることができる。また、金属をステンレスやニッケルとして5μm程度まで加工すれば、インクジェットヘッドにおいてアクチュエータの振動を加圧室内に伝達する振動板としても使用することが可能となる。
本発明の樹脂被覆金属箔は、上記のような効果を有するため、ビルドアップ多層プリント配線板を始めとする多層プリント配線板、インターポーザー用基板等に用いることができる。
最良の形態に係る金属張積層板は、樹脂被覆金属箔及び絶縁層を、樹脂被覆金属箔の樹脂層が絶縁層と接するように積層されて構成されている。最良の形態に係る樹脂被覆金属箔は、金属箔の片面に樹脂層が形成され、金属箔の樹脂層が形成された面とは反対側の面に、再剥離性粘着剤が基材に積層されてなる裏打ち材が形成されており、樹脂層は、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂を含有し、裏打ち材の厚さが12〜350μmの範囲であり、金属箔は銅箔である。
(式中のm,nは、m:n=1:9〜3:1を満たす整数)
以下、図1を参照して、本発明の実施例1に係る金属張積層板10について詳細に説明する。この金属張積層板10は、樹脂被覆金属箔20及び絶縁層22を、樹脂被覆金属箔20の樹脂層18が絶縁層22と接するように積層されて構成されている。樹脂被覆金属箔20は、金属箔16の片面に樹脂層18が形成され、金属箔16の樹脂層18が形成された面と反対側の面に、再剥離性を持つ粘着剤からなる粘着層14が基材12に積層されている裏打ち材が形成されて構成されている。本実施例では、金属箔16として銅箔を用いる。
絶縁層22は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、液晶ポリマー若しくはポリスルホン等の合成樹脂、ガラス、又はセラミック等の絶縁性フィルムやBステージ樹脂組成物からなるBステージ樹脂組成物層である。
ここで、Bステージ樹脂組成物層とは、熱硬化性樹脂組成物を例えば全芳香族ポリアミド、液晶ポリエステル等一般に公知の繊維等からなる有機織布や不織布、E、S、D、Mガラス等の繊維等からなる無機の織布や不織布に含浸、乾燥させてBステージ化したものや熱硬化性樹脂組成物そのものをフィルム状ないしシート状に形成し、Bステージ化したものである。
熱硬化性樹脂組成物の樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型若しくはAD型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等からなるエポキシ樹脂、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物からなる多官能性シアン酸エステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン等の多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂等、一般に公知の熱硬化性樹脂を使用することができる。これらのものは、単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物には、上記樹脂に加え、所望により各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えばトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、例えば、トリエチルアミン、テトラエタノールアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペラジン等の第3級アミン系化合物、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のホウ素系化合物等の硬化促進剤や天然ワックス類、合成ワックス類及び長鎖脂肪族酸の金属塩類等の可塑剤、酸アミド類、エステル類、パラフィン類などの離型剤、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシ末端のアクリロニトリル−ブタジエンゴム等の応力緩和剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等の無機難燃剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン、ブロム化フェノールノボラック等の臭素系難燃剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤、溶融シリカ、結晶性シリカ、低α線シリカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、アルミナ、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケイ素、窒化ホウ素、フェライト、希土コバルト、金、銀、ニッケル、銅、鉛、鉄粉、酸化鉄、砂鉄等の金属粉、黒鉛、カーボン、弁柄、黄鉛等の無機質フィラー又は導電性粒子等、染料や顔料等の着色剤、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイト繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維などの無機系繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、炭素繊維などの有機系繊維、酸化安定剤、増粘剤、分散剤、レべリング剤、光増感剤、光安定剤、重合禁止剤、耐湿性向上剤、チキソトロピー付与剤、希釈剤、消泡剤、他の各種の樹脂、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記樹脂及び所望により用いられる各種添加剤を樹脂に又は有機溶剤に溶解することにより、熱硬化性樹脂組成物層形成液が調製される。このとき使用される有機溶剤としては特に限定はないが、例えば、トルエン、キシレン、エタノール、セロソルブ、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらのものは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この金属張積層板10で使用するBステージ樹脂組成物層の作製方法は特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解・分散させるか無溶剤でワニスとし、離型フィルムの片面に塗布、乾燥してBステージ樹脂組成物シートとする方法、有機や無機の織布又は不織布等からなる基材に含浸・塗布、乾燥してBステージ化しプリプレグとする方法、導体回路を形成した基板の上に、直接塗布、乾燥してBステージ樹脂組成物層を形成する方法等、公知の方法で作製する。このBステージ樹脂組成物層の厚さは特に限定されないが、シートの場合は、好適には4〜150μmであり、塗布する場合も同様である。プリプレグの場合は、好適には、厚さ10〜200μmである。
本発明で使用するBステージ樹脂組成物層には、得られる金属張積層板の特性から、有機や無機の織布や不織布等からなる基材を使用することが好ましい。
なお、Bステージとは、熱硬化性樹脂が半硬化した状態をいう。硬化が最終段階に至った状態はCステージである。
樹脂被覆金属箔20は、金属箔16の片面に樹脂層18が形成され、金属箔16の樹脂層18が形成された面と反対側の面に、再剥離性を持つ粘着剤からなる粘着層14が基材に積層されている裏打ちが形成されて構成されている。本実施例では金属箔16として銅箔を用いる。
樹脂層18は、ブロック共重合ポリイミド樹脂である。このブロック共重合ポリイミド樹脂は、第一の構造単位よりなるイミドオリゴマーの末端に、第二の構造単位よりなるイミドオリゴマーが結合している構造を有する共重合ポリイミド樹脂であれば、特に限定されないが、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂が特に好適である。
このブロック共重合ポリイミド樹脂に使用されるテトラカルボン酸二無水物は3,4、3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミンは1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン及び2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}プロパンである。また、各単位重縮合物の分子量を制御する為に、一段目の反応時にテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比をずらし、末端を酸無水物又はアミンとし、二段目の反応ではテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル比を一段目と逆にする事などで、充分な分子量のブロック共重合ポリイミドを得ることが可能である。
このブロック共重合ポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は50,000〜300,000が望ましい。より好適には80,000〜200,000である。Mwが50,000未満であるとポリイミド樹脂層が脆くなり本発明の目的達成に適していない。一方、Mwが300,000より大きいと溶液粘度が高くなりすぎ塗布加工が困難となる。
また、最終的な分子量を制御する為に、使用するテトラカルボン酸二無水物とジアミンとのモル比をずらして合成することも可能である。一般式(1)と一般式(2)の各々の単位重縮合物のモル比は、一般式(1):一般式(2)=1:9〜3:1が好ましい。より好適には、一般式(1):一般式(2)=2:3〜3:2である。一般式(1)の構造の比率が10モル%未満になると接着力の低下が問題となり、一般式(2)の構造の比率が25モル%未満になるとはんだ耐熱性の低下が問題となる。
なお、これらのポリイミド樹脂はN−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミド、メチルベンゾエート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素、ジオキサン、メチルエチルケトン、及びエチレングリコールのモノ及びジエステルなどの溶媒を用いて適宜流動性を高め、薄膜化しやすいようにしてもよい。
さらに、絶縁層22との接着性を向上させる目的でポリイミド樹脂と他の成分、例えばエポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン等の多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂、及びフッ素系樹脂、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシ末端のアクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を組み合わせて用いてもよい。ポリイミド樹脂と組み合わされる他の成分との配合割合は、絶縁層22や得ようとする接着性により適宜選択すればよいが、通常質量比で10:1〜1:10の範囲である。
また、他の成分としては、絶縁層22を構成する樹脂成分の中から選択することが、より絶縁層22と金属箔16との接着性を向上させることができるので好ましい。例えば、絶縁層22としてポリフェニレンエーテル樹脂を含有している場合には、ポリイミド樹脂とポリフェニレンエーテル又はこの誘導体とを組み合わせ、絶縁層22としてビスマレイミドトリアジン樹脂を含有している場合には、ポリイミド樹脂とビスマレイミドトリアジン樹脂とを組み合わせて用いることにより、ポリイミド樹脂からなる樹脂層よりも金属箔16と絶縁層22とをより強固に接着することが可能となる。
金属箔16は、前述したように銅箔である。なお、プリント配線板用途での銅箔は、プリント配線板に使用される公知の銅箔であれば、特に限定されないが、好適には電解銅箔、圧延銅箔、これらの銅合金等が使用される。これらの銅箔に、例えばニッケル、コバルト処理等、公知の表面処理が施されたものも使用可能である。銅箔の厚さは細密回路を形成し高密度化を行うために12μm以下、さらには2〜7μm程度の銅箔を用いるのが好ましい。細密回路の形成性の面から銅箔の表面は平滑な方が好ましい。
インクジェットの振動板として用いられる場合には、金属の物性、樹脂層の物性及び厚さ、アクチュエータの特性、及び求める振動特性によって変動するが、おおむね1〜10μmであり、3〜7μmの範囲である場合が多い。
このように薄い銅箔を得るには、裏打ち材貼付工程に引き続いて銅箔の厚さを減少させる加工を行い、樹脂層形成工程で樹脂層を形成する前に銅箔の厚さを薄くすればよい。
裏打ち材を構成する基材12は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、若しくはポリスルホン等の合成樹脂、紙、ガラス、金属又はセラミック等の薄膜状ないし薄板状物(以下、単にフィルムともいう。)である。基材12の厚さは、4〜250μmである。基材12の表面は、平滑であるものに限定されず、その表面がマット状に加工されているものであってもよい。
基材12は、その構成材料中に、従来公知の添加剤、具体的には、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含有するものであってもよい。また、粘着層14との密着性を向上させることを目的として、表面処理を施したものを用いることが好ましい。表面処理としては、例えばコロナ放電処理・グロー放電処理等の放電処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理・電子線処理・放射線処理等の電離活性線処理、サンドマット処理・アンカー処理・ヘアライン処理等の粗面化処理、化学薬品処理、易接着層塗布処理等を挙げることができる。
この基材12の少なくとも一方の表面を被覆するように再剥離性粘着剤からなる粘着層14が形成される。この再剥離性を持つ粘着層14は、金属箔16に対する粘着性を発揮する粘着剤組成物を含むものである。このような再剥離性を持つ粘着剤層14としては、(メタ)アクリル共重合体を主成分とする粘着剤からなる微粘着性、冷却すると粘着力が低下する冷却剥離性、紫外線を照射すると硬化して粘着力が低下する紫外線硬化性、加熱すると粘着力が低下する熱剥離性、熱膨張により粘着力が低下する熱膨張性などの再剥離性を持つ各種粘着剤層を用いることができる。
金属張積層板10の製造、特に樹脂被覆金属箔20の樹脂層18上に絶縁層22が加圧・加熱して積層される場合には、これらの粘着剤層の中でも冷却剥離性若しくは紫外線硬化性のもの又はこれらの組み合わせを用いることが好ましい。熱剥離性や熱膨張性では加圧・加熱工程で剥離してしまったり、変質してしまったりすることが懸念される。
具体的には、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、これと共重合可能な任意的な他の単量体からなる(メタ)アクリル共重合体を用いるのが好ましい。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体としては、例えばアクリロニトリル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸などのアクリル系単量体やスチレン、酢酸ビニル及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び任意的な他の単量体はいずれも1種以上用いることができる。また、任意的な他の単量体成分としては、架橋剤と反応し得る官能基(以下、「反応性官能基」と記す)を有するものであることが好ましい。
反応性官能基は、カルボキシル基、水酸基、又はアミノ基等が知られているが、金属箔、特に銅箔へ貼り付けた時に銅箔が腐食や変色の発生防止性という特徴を与える点において、水酸基であることが好ましい。反応性官能基として水酸基を有するアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
反応性官能基を有する(メタ)アクリル共重合体を用いる場合に使用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、金属キレート架橋剤、又はエポキシ系架橋剤等が知られているが、イソシアネート系架橋剤を好適に用いることができる。この架橋剤は2種以上を組み合わせ用いることもできる。
裏打ち材は、例えば、前記した粘着剤及び架橋剤等、各構成成分を適当な溶剤に溶解し、或いは分散させて、固形分濃度を10〜50質量%程度の粘着層形成塗工液とし、この粘着層形成塗工液を常法に従って、基材の少なくとも一方の表面を被覆するように塗布し、これを乾燥する方法により得ることができる。
この際、粘着層形成塗工液には、従来慣用されている各種添加剤、例えば、架橋促進剤、酸化防止剤、安定剤、粘度調整剤、粘着付与樹脂、又は有機ないしは無機の充填剤等を添加してもよい。架橋促進剤としては、例えば、トリエチルアミン系、ナフテン酸コバルト系、スズ系の架橋促進剤が挙げられ、特に、塩化第一スズ、テトラ−n−ブチルスズ、水酸化トリメチルスズ、塩化ジメチルスズ、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ等のスズ系架橋促進剤を使用することが好ましい。
この他、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤等を、粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂等を、有機充填剤としては、アクリル系ないしウレタン系の球状微粒子等を、無機充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ等を好適に用いることができる。また、紫外線硬化性を有する粘着層14を形成する場合は、粘着剤及び架橋剤と共に光重合性のオリゴマー又はモノマー及び光重合開始剤を用いる。
オリゴマーとしては、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ウレタンメタクリレート系オリゴマー、エポキシメタクリレート系オリゴマー等が挙げられる。一方、光重合性モノマーとしては、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタアクリレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレートの各種変性体、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートの各種変性体、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートの各種変性体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートの各種変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの各種変性体等が用いられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系のもの、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モノホリノプロパン−1、ジエトキシアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系のもの、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系のもの、チオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2、4−ジエチルチオキサンソン、クロロチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサンソン系、ベンジル、アンスラキノン、2−エチルアンスラキノン、2−tert−ブチルアンスラキノン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
これらの各成分の配合割合は、得ようとする粘着層14の物性により適宜選択すればよく、例えば、オリゴマー又はモノマーは、粘着剤100質量部に対して通常、5〜90質量部、光重合開始剤は、粘着剤100質量部に対し通常、0.5〜10質量部の範囲で用いられる。
粘着層形成塗工液の塗布の方法については特に制限はなく、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等を用いた従来公知の塗布方法を利用することができる。
また、塗布した粘着層形成塗工液の乾燥方法についても特に制限はなく、熱風乾燥、減圧乾燥等の従来公知の乾燥方法を利用することができる。乾燥条件については、粘着剤の種類や塗工液で使用した溶剤の種類、粘着層14の膜厚等に応じて適宜設定すればよいが、60〜180℃程度の温度で乾燥を行うことが一般的である。
前記の方法により形成される粘着層14の厚さは、2〜30μmの範囲であることが好ましい。この範囲より粘着層14が薄いと金属箔16との密着性が低下する傾向を示す。一方、この範囲より厚いと均一な粘着層14を得ることが困難となり、均一な樹脂層形成性を阻害する可能性が高まる。
上記方法により基材12上に粘着層14を設けた裏打ち材は、その厚さが12〜350μmの範囲であることが好ましい。この範囲より薄いと金属箔16への貼り付け性や人手による移動や搬送時の取扱性(ハンドリング性)が低下し、この範囲より厚いと柔軟性が低くなる傾向になり、ロール ツウ ロールでの加工性、巻き取り性が低下する可能性がある。金属箔16への貼り付け性、ハンドリング性、加工性等の面からより好ましい裏打ち材の厚さは25〜150μmの範囲である。
樹脂被覆金属箔20は、以下の製造方法で作成することができる。
まず、裏打ち材貼付工程として、金属箔16の樹脂層形成面とは反対側の面に、前述の裏打ち材を貼り付ける。この貼り付けは、ラミネータ等により金属箔16と裏打ち材とをロール ツウ ロールで貼り付ける方法で行ってもよい。また、金属箔16を特定サイズのシート状とする場合には、裏打ち材を人により貼り付けてもよいし、ラミネータ等の機器で貼り付けてもよい。
引き続いて、裏打ち材が貼り付けられた金属箔16の樹脂層形成面に、樹脂フィルムを貼り付けたり、樹脂層形成塗工液を展開したのち固化させたりすることで樹脂層18を作製する。前述のブロック共重合ポリイミド樹脂を含む樹脂層18を形成する場合には、この樹脂を含有する樹脂層形成塗工液を調整し、金属箔16の樹脂層形成面に直接塗布加工を行い、乾燥することにより作製する。
樹脂層18をフィルム貼付で製造する場合には、ラミネータを用いて貼り付け、必要に応じて加熱・加圧して金属箔16との密着力を確保すればよい。このとき、フィルムと金属箔16との間に接着剤が存在していてもよいし、金属箔16との密着力が高くなるようにフィルムが改質されていてもよい。さらに、金属箔16の表面を改質することによりフィルムとの密着性を高めるようにしてもよい。
樹脂層形成塗工液を塗布する場合には、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等を用いた従来公知の塗布方法を利用することができる。
塗布した樹脂層形成塗工液の乾燥にあたっては、熱風乾燥、減圧乾燥等の従来公知の乾燥方法を利用することができる。乾燥条件については樹脂材料やその状態によって決定され、たとえば上記の一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂の場合には、160〜180℃程度の温度で乾燥を行うことができる。乾燥工程は、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等、従来から樹脂層等の形成に用いられているものを用いることができる。
また、塗工液がモノマーなど樹脂前駆体を含む場合には、熱や光(紫外線やX線も含む。)、電子線、イオンなどによって硬化のためのエネルギーを供給すればよい。このとき、体積収縮を考慮して加圧プロセスを追加・併用してもよい。
次に、金属張積層板10の製造方法について説明する。金属張積層板10は、樹脂被覆金属箔20の樹脂層18上に絶縁層22を積層し、接着することにより得ることができる。
本実施例に係る、樹脂被覆金属箔20を用いた金属張積層板10の製造方法は、樹脂被覆金属箔20の樹脂層18側の表面を、Bステージ樹脂組成物層からなる絶縁層22に対向させて配置し、積層成形するものである。具体的には、樹脂層形成工程として、絶縁層22に樹脂被覆金属箔20の樹脂層18側の面を対向させて配置し、加熱、加圧、好ましくは真空下で積層成形して金属張積層板10とする。より具体的には、樹脂被覆金属箔20及び絶縁層22を、樹脂被覆金属箔20の樹脂層18が絶縁層22と接するように一対のプレス板の間にて積層し、得られた積層体を加熱・加圧処理することで金属張積層板10を製造する。
他の金属張積層板の製造方法としては、積層板の両面に絶縁層を配置又は形成したものの、少なくとも片面に、樹脂被覆金属箔の樹脂層側の表面を対向させて配置し、加熱、加圧、好ましくは真空下で積層成形してもよい。樹脂被覆金属箔の樹脂層上に液状の絶縁体を塗布し、この絶縁体を固化させて絶縁層とすることで金属張積層板を製造してもよい。
また、多層板を作製する場合は、導体回路を形成した内層基板の両面に絶縁層を配置又は形成し、この絶縁層面に、樹脂被覆金属箔の樹脂層側の表面を対向させて配置し、加熱、加圧、好ましくは真空下で積層成形して多層金属張積層板とする。これらの金属張積層板10や多層金属張積層板に、公知の方法で導体回路を形成後、めっき処理等を経て、プリント配線板とすることができる。
これらに使用する積層板や回路基板の種類は、特に限定されず、プリント配線板材料用の公知の積層板、金属箔張板、好適には銅箔張板が使用できる。具体的には、熱硬化性樹脂組成物及び/又は熱可塑性樹脂組成物などを使用した、無機繊維及び/又は有機繊維基材金属張積層板、耐熱性フィルム基材金属張板、更にはこれらの基材の組み合わせた複合基材金属張積層板及びこれらの多層金属張板、アディティブ法等で作製した多層金属張板等、公知のものが使用できる。回路基板の導体厚さは特に限定されないが、好適には3〜35μmである。この導体回路上には、絶縁層の樹脂との密着性を高める公知の処理、例えば黒色酸化銅処理、薬液処理(例えばメック社のCZ処理)等を施すのが好ましい。
金属張積層板10の製造する際の積層条件は特に限定されないが、好ましくは、温度100〜250℃、圧力5〜40kgf/cm、真空度30mmHg以下で30分〜5時間積層成形する。積層は、最初から最後までこの条件でも良いが、ゲル化までは積層成形し、その後、取り出して加熱炉で後硬化することも可能である。
以上のように板状又はフィルム状の絶縁体を積層するのではなく、塗工液の状態にある物質を樹脂被覆金属箔20の樹脂層側の上に塗布加工し、これを硬化させて絶縁体としてもよい。代表的な物質としてはトリアジン系樹脂、特にビスマレイミド、必要に応じてエポキシ化合物、アリル化合物、アクリル化合物、ビニル化合物を含む樹脂が挙げられる。また、塗工液がモノマーなど樹脂前駆体を含む場合には、熱や光(紫外線やX線も含む。)、電子線、イオンなどによって硬化のためのエネルギーを供給すればよい。このとき、体積収縮を考慮して加圧プロセスを追加・併用してもよい。
次に、実施例1の金属張積層板10、実施例2の金属張積層板及び裏打ち材のない比較例1の金属張積層板を作成し、評価を行った。ここでは、実施例1の金属張積層板、実施例2の金属張積層板及び比較例1の金属張積層板ともに金属箔として銅箔を用いた。評価は、具体的には、銅箔の状態、樹脂層の厚さ(μm)、接着力、樹脂被覆金属箔のカール性及びプレス後の銅箔及び絶縁層の状態の5項目について評価した。これらの項目については、以下の方法により評価した。
[銅箔の状態]
樹脂被覆金属箔製造後、金属箔である銅箔の状態を目視により観察し、以下の基準により評価した。
○:銅箔にシワやスジが見られない。
×:銅箔にシワ又はスジが見られる。
[樹脂層の厚さ(μm)]
JIS C 6481に準拠しマイクロメータにて5点の厚みを測定し、その平均値を求めた。
[接着力]
JIS C 6481に準拠し3回測定し、その平均値を求めた。
[カール性]
樹脂層被覆金属箔を、幅25mm、長さ250mmに切断して試験片とし、この試験片の樹脂層を上にして23℃の温度雰囲気下で1時間放置したときの樹脂層被覆金属箔の状態を目視により観察し、以下の基準により評価した。なお、実施例1の金属張積層板10樹脂層被覆金属箔20及び実施例2の金属張積層板の樹脂層被覆金属箔は、裏打ち材付きで評価した。
○:カールが見られない。
×:カールが見られる。
[プレス後の銅箔の状態]
プレス後の銅箔及び絶縁層の状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:銅箔に傷や凹みが見られない。
×:銅箔に傷や凹みが見られる。
詳細には、実施例1の金属張積層板10は以下の方法で作製した。
ステンレス製の碇型攪拌棒、窒素導入管とストップコックのついたトラップ上に、玉付冷却管を取り付けた還流冷却器を取り付けた2リットルの三つ口フラスコに、3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物117.68g(400mmol)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン87.7g(300mmol)、γ−バレロラクトン4.0g(40mmol)、ピリジン4.8g(60mmol)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと記す)300g、トルエン20gを加え、180℃で1時間加熱した後室温付近まで冷却した後、3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100mmol)、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン82.12g(200mmol)、NMP200g、トルエン40gを加え、室温で1時間混合後、180℃で3時間加熱して、固形分38%のブロック共重合ポリイミド樹脂溶液を得た。このブロック共重合ポリイミド樹脂は、上記の一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有し、かつ、一般式(1):一般式(2)=3:2であり、数平均分子量:70,000、重量平均分子量:150,000であった。このブロック共重合ポリイミド樹脂溶液をジメチルアセトアミドで希釈し、固形分15%の樹脂層形成塗工液を調整した。
粘着性高分子として、重量平均分子量40万、ガラス転移温度18℃のアクリル共重合体〔構成モノマーとして、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリルアミド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含み、その構成質量比は58:35:5:2。このアクリル共重合体の水酸基価は9mgKOH/gである〕80質量部、重量平均分子量3万、ガラス転移温度98℃のアクリル共重合体〔構成モノマーとして、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含み、その構成質量比は86:14。このアクリル共重合体の水酸基価は60mgKOH/gである〕20質量部を混合したもの100質量部に対して、重量平均分子量20万、ガラス転移温度−65℃のアクリル共重合体〔構成モノマーとして、アクリル酸2−エチルヘキシル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを含み、その構成質量比は96.5:3.5。この共重合体の水酸基価は15mgKOH/gである〕5質量部、架橋剤としヘキサメチレンジイソシアネートの三量体である(商品名:タケネートD−170N、三井武田ケミカル(株)製)1質量部、フェノール系酸化防止剤とジブチルチンジラウリレートを各々0.5質量部、及びメチルエチルケトンとトルエンを1:1の質量比で混合した混合溶媒を309質量部添加して撹拌・混合し、粘着層形成塗工液を調製した。
次いで、この粘着層形成塗工液を、基材12となる厚さ50μmのポリエステルフィルムの表面に、乾燥後の膜厚が7μmとなるように常法に従って塗布し、これを80℃で1分間、更に180℃で2分間乾燥することによって粘着剤層14を形成した。この粘着層14の表面に、厚さ30μmの延伸ポリプロピレン(OPP:Oriented Polypropylene、商品名:アルファン、王子製紙(株)製)フィルムを剥離ライナーとして貼着し、40℃の温度条件下、3日間養生することによって、冷却剥離性を有する裏打ち材を得た。
金属箔16である厚さ12μmの電解銅箔(F0−WS箔、Rz=1.5μm、古河サーキットフォイル製)の一方の面に裏打ち材の粘着層14が接するようにして、80℃の雰囲気下で圧着し、銅箔に裏打ち材を貼り付けた。この裏打ち材付き銅箔の裏打ち材貼り付け面とは反対側の銅箔面に、樹脂層形成塗工液をリップコーターを用いて塗布し、空気雰囲気下で、180℃で2分間乾燥し、厚さ3μmの樹脂層を形成して、樹脂被覆金属箔20を作製した。
さらに、この樹脂被覆金属箔20の樹脂層面に絶縁層22であるポリイミドフィルム(東レデュポン社製、製品名:カプトン100V、厚さ25μm)を積層し、温度220℃、圧力40kgf/cm、真空度30mmHg以下で1時間積層成形して、厚さ40μmの金属張積層板10を作製した。
実施例2の金属張積層板は、樹脂層形成塗工液を次のものを用い、また、乾燥温度を110℃とした以外は、全て実施例1と同様にして金属張積層板を作成した。
[樹脂層形成塗工液]
フェノール性水酸其含有芳香族ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体(固形分20%DMAC溶液品)583質量部、ヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名「EPPN502H」100質量部、硬化剤〔10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光社製、商品名「HCA−HQ」)50質量部及びビフェニル型ナフトールノボラック樹脂(明和化成社製、商品名「MEH−7851−3H」)50質量部〕100質量部、トリフェニルホスフィン3質量部をジメチルアセトアミド800質量部に混合、溶解し樹脂層形成塗工液を調製した。
[比較例1]
比較例1の金属張積層板は、樹脂被覆金属箔作成時に裏打ち材を用いなかったこと以外は、全て実施例1と同様の方法で樹脂被覆金属箔及び金属張積層板を作製した。評価結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例1及び2では、比較例1に比べ樹脂被覆金属箔製造時において銅箔にシワやスジの発生がないことがわかる。なお、樹脂層の厚さはいずれも3μmであるが、実施例1の金属張積層板10の樹脂層18及び実施例2の金属張積層板の樹脂層は厚さにバラツキがないのに対し、比較例の金属張積層板の樹脂層は厚さにバラツキが確認された。
また、比較例1に比べ、実施例1及び2は、樹脂被覆金属箔の状態ではカールがないものであることがわかる。この結果から、実施例1の樹脂被覆金属箔20を用いて金属張積層板10を作製した場合及び実施例2の樹脂被覆金属箔を用いて金属張積層板を作製した場合には、カールを修正する必要がなく、また絶縁層を積層するにあたってカールに起因する樹脂被覆金属箔の巻き込みが抑制されるので、生産性が向上する。
さらに、裏打ち材を金属張積層板の製造時にそのまま使用することにより、樹脂層や絶縁層に圧力と温度とを均一に与えることができ、その結果、均一な接着力が得られ、しかもプレス板により銅箔に傷や凹みがないものであることがわかる。
これらの結果から、実施例実施例1の金属張積層板10及び実施例2の金属張積層板を用いて細密回路を有するプリント基板を製造すると、細密回路が剥離したり回路位置のズレが発生したりすることがない精度の高いプリント基板が得られることが予想される。さらに、このようなプリント基板は小型、軽量、薄型化等の要求を満足できることが予想される。
本発明は、実施例1の金属張積層板10を構成する樹脂被覆金属箔20のみの場合にも適用されるものである。例えば、図2に示す第3実施例の樹脂被覆金属箔20Aのように、金属張積層板から絶縁層を除いた構成の場合にも適用される。
なお、本発明の金属張積層板又は樹脂被覆金属箔に用いられる樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、セロハン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、エポキシ樹脂、多官能性シアン酸エステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン等の多官能性マレイミド−シアン酸エステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂、フッ素系樹脂、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシ末端のアクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム系樹脂等の天然又は合成樹脂を1種又は2種以上組み合わせたものを使用してもよい。上記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂を使用することが密着性、耐熱性、化学的安定性などの観点から、より好ましい。その形態はフィルムであってもよいし、溶媒を用いるなどによって流動性を高めた塗工液の状態でもよい。
また、Bステージ樹脂組成物層を積層し、接着することにより得てもよい。これらの樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂、2重結合付加ポリフェニレンエーテル樹脂、これらの樹脂の臭素やリン含有化合物等の樹脂組成物などが挙げられ、1種又は2種以上組み合わせたものを使用してもよい。これら熱硬化性樹脂には、必要に応じて、公知の触媒、硬化剤、硬化促進剤を使用することが可能である。
実施例1の金属張積層板10の基材12の厚さは、4〜250μmであるが、これは通常の基材の厚さであり、この範囲外のものであってもよい。
また、金属箔上に形成される樹脂層の厚さは用途によって決定されるが、金属張積層板を製造するために用いられる場合には、通常10μm以下とするのが好ましい。厚さが10μm以下とは、銅箔表面の凹凸に合わせて適宜選択すればよい。その下限はBステージ樹脂組成物層などの絶縁層と銅箔との接着性が得られるように設定され、通常1μm程度である。樹脂層の厚さがこれ以上厚くなると、乾燥性や生産性が低下する傾向となり、薄すぎると接着性が低下するため、回路形成性、例えば回路の剥離や位置精度低下などが発生するので好ましくない。
本発明の金属張積層板又は樹脂被覆金属箔に使用される金属箔は、如何なる金属を用いてもかまわない。実施例1で用いた銅箔でもよいし、ニッケル及びその合金、アルミニウム及びその合金、ステンレスなどでもよい。
厚さにも制限はなく、必要であれば裏打ち材を形成した後に追加工で薄層化してもよい。このような追加工を行うことで、従来はスパッタやめっきなどの製膜手段を用いなければ達成できないようなサブμm〜数μmの薄膜も得ることが可能である。
本発明に係る樹脂被覆金属箔は、金属箔の厚さが薄いため細密回路形成性が高く、かつ裏打ち材によって高い二次加工性をも有する。このため、この樹脂被覆金属箔を用いて製造される金属張積層板やインクジェットヘッドの振動板は高密度・高精度でありながら特に高い信頼性を有している。
本発明の実施例1に係る金属張積層板を模式的に示す断面図 本発明の実施例3に係る樹脂被覆金属箔を模式的に示す断面図
符号の説明
10…金属張積層板
12…基材
14…粘着層
16…金属箔
18…樹脂層
20、20A…樹脂被覆金属箔
22…絶縁層

Claims (12)

  1. 金属箔の片面に樹脂層が形成された樹脂被覆金属箔の製造方法であって、
    再剥離性粘着剤が基材に積層されてなる裏打ち材を、該金属箔の該樹脂層を形成する面とは反対側の面に貼り付ける裏打ち材貼付工程と、
    該裏打ち材が貼り付けられた金属箔に前記樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有することを特徴とする樹脂被覆金属箔の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記樹脂層はポリイミド樹脂を含有することを特徴とする樹脂被覆金属箔の製造方法。
  3. 請求項2において、
    該ポリイミド樹脂が、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂であることを特徴とする樹脂被覆金属箔の製造方法。
    (式中のm,nは、m:n=1:9〜3:1を満たす整数)
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記裏打ち材の厚さが12〜350μmの範囲であることを特徴とする樹脂被覆金属箔の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂被覆金属箔の製造方法により樹脂層、金属箔及び裏打ち材がこの順に積層されていることを特徴とする樹脂被覆金属箔。
  6. 請求項5において、前記金属箔は銅箔であることを特徴とする樹脂被覆金属箔。
  7. 請求項5又は6に記載の樹脂被覆金属箔及び絶縁層を、該樹脂被覆金属箔の樹脂層が前記絶縁層と接するように一対のプレス板の間にて積層し、
    当該積層体を加熱・加圧処理することで樹脂被覆金属箔と絶縁層とからなる金属張積層板を製造することを特徴とする金属張積層板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られる金属張積層板。
  9. 樹脂被覆金属箔及び絶縁層を、前記樹脂被覆金属箔の樹脂層が前記絶縁層と接するように積層された金属張積層板であって、
    前記樹脂被覆金属箔は、金属箔の片面に樹脂層が形成され、前記金属箔の前記樹脂層が形成された面とは反対側の面に、再剥離性粘着剤が基材に積層されてなる裏打ち材が形成されていることを特徴とする金属張積層板。
  10. 請求項9において、
    前記金属箔は銅箔であることを特徴とする金属張積層板。
  11. 請求項9又は10において、
    前記樹脂層は、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有するブロック共重合ポリイミド樹脂を含有し、前記裏打ち材の厚さが12〜350μmの範囲であることを特徴とする金属張積層板。
    (式中のm,nは、m:n=1:9〜3:1を満たす整数)
  12. 請求項9乃至11のいずれかにおいて、
    前記絶縁層が、Bステージ樹脂組成物からなるBステージ樹脂組成物層であることを特徴とする金属張積層板。
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