JP3638404B2 - フレキシブル印刷配線用基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線板等に使われるフレキシブル印刷配線用基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル印刷配線用基板のベースには、高い耐熱性と優れた電気・機械特性を備えていることが好ましいことから、電気絶縁性の基材フィルムとしてポリイミドフィルムが一般に用いられ、このポリイミドフィルムと銅箔とを接着剤を介して積層一体化したものをフレキシブル印刷配線用基板のベースとしている。このように積層化してなるフレキシブル印刷配線用基板に要求される特性としては、接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性等が挙げられているが、最近では、エレクトロニクスの高性能化に伴い、フレキシブル印刷配線用基板についても、ファインパターン化、高密度化が進んでおり、このためフレキシブル印刷配線用基板においても、高接着性を維持したまま精密化に伴う寸法安定性の改善、作業の効率化に伴う高温での剥離特性の維持等が要求されている。
従来これらの要求を満たすものとして、ナイロン/エポキシ樹脂系、ポリエステル/エポキシ樹脂系、ニトリルゴム/エポキシ樹脂系、フェノール/アクリル樹脂系等の接着剤を介したフレキシブル印刷配線用基板が提示されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記接着剤組成物から得られるフレキシブル印刷配線用基板では、バランス良く諸特性を向上させることは難しく、例えば、接着性を向上させるための手段は種々考えられておりいくつかの方法が考えられるが、実際接着性を向上させると、耐溶剤性の低下や寸法安定性の低下が起こる等、各特性において一長一短となり、上記寸法安定性の改善、高温特性の維持等の要求に対して十分満足できるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリイミドフィルムに接着剤を介して金属箔を積層一体化してなるフレキシブル印刷配線用基板において、接着剤成分が
1)エポキシ樹脂 100重量部
2)ニトリルゴム 30 〜 100重量部
3)硬化剤 1〜30重量部
4)イミダゾール化合物、テトラ硼素酸塩、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種又は2種以上の硬化促進剤 0.1〜5重量部よりなり
かつ、該ニトリルゴムが
A.末端にカルボキシル基が含有されたニトリルゴムと、
B.末端に官能基を有さない、アクリロニトリル含量が25〜45重量%であるニトリルゴム
よりなり、その配合比A/Bが、重量比で95/5 〜55/45であり、
かつ、ポリイミドフィルムがピロメリット酸二無水物と芳香族ジアミンとからなり、その芳香族ジアミンが
C.4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
D.p−フェニレンジアミン
よりなり、その配合比C/Dが重量比で90/10〜40/60であり弾性率が 380〜800 (kg/mm2)であるポリイミドフィルムであることを特徴とするフレキシブル印刷配線用基板を要旨とするものである。
本発明のフレキシブル印刷配線用基板は剥離強度、寸法安定性等の特性をバランス良く向上させ、かつ熱特性特に高温剥離特性、寸法安定性を著しく向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態をさらに詳述する。
本発明の接着剤に用いるエポキシ樹脂は、一般に多官能エポキシ樹脂であり一分子中にエポキシ基を平均二個以上有するものであれば良く、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂及びこれらがハロゲン化されたエポキシ樹脂等が用いられる。市販品としてはエピコート(以下、EK)828 、同154 、同604 、同871 、同1001、同152 、同190 、同5045、同5049、同5050(以上油化シェルエポキシ社製品名)、スミエポキシ ELA115 、ELA127、ESCN−195XL 、ELM 120 、ESB 400 (以上住友化学社製品名)、BREN-S(日本化薬社製品名)、EP4100(旭電化社製品名)等が例示される。これらのエポキシ樹脂は単独あるいは必要に応じて二種以上併用して用いることができる。
【0006】
次にニトリルゴム(以下、NBRとする)としては、Aとして末端にカルボキシル基が含有されたNBRと、Bとして末端に官能基を有さないアクリロニトリル含量が25〜45重量%であるNBRからなるものが用いられる。A/Bは、重量比で95/5 〜55/45であることが必要であり、好ましくは85/15〜70/30である。A/Bが55/45未満では電気特性が低下し、さらには、長期劣化の改善が見られない。95/5 を超えるとカールが大きくなり、寸法安定性が低下し、さらには接着性も低下する。これらNBRの配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対して30〜 100重量部が必要であり、好ましくは40〜65重量部であり、30重量部未満では、接着力が十分ではなく、 100重量部を超えると耐熱性、電気特性が低下し、さらには、特定の弾性率のポリイミドフィルムによって得られる長期耐熱性の改善などの効果がみられなくなる。
【0007】
Aの末端にカルボキシル基を含有したNBRとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンとを共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化した共重合ゴムや、アクリロニトリル及びブタジエンとカルボキシル基を含有した単量体との共重合ゴムが挙げられる。このNBRは、アクリロニトリル含量15〜35重量%が好ましく、さらには20〜30重量%が好ましい。このNBRの市販品としては、ニポール(以下、NP)1072(アクリロニトリル含量27.0重量%、末端カルボキシル基含量0.075 重量%)、同 1072J、同 DN631、同 DN601(以上日本ゼオン社製品名)、ハイカーCTBN、同 CTBNX(以上グッドリッチ社製品名)等が例示され、これらは単独あるいは必要に応じて二種以上併用して用いることができる。
【0008】
Bの末端に官能基を有さないNBRとしては、アクリロニトリル含量が25〜45重量%で残りがブタジエンよりなるものである。このNBRのアクリロニトリル含量は、25重量%未満では接着性が十分ではなく、45重量%を超えると電気特性が低下してしまい、さらには塗工前の接着剤溶液の相溶性が悪くなり、塗布ムラが起きやすくなることから、25〜45重量%が必要であり、好ましくは30〜45重量%である。このNBRの市販品としては、例えばNP1031(アクリロニトリル含量40.5重量%)、同1032、同DN225 、同1041、同1042、同1043(アクリロニトリル含量29.0重量%)、Zetpol(以下、ZP)2000、同2020(アクリロニトリル含量36.0重量%)、同3110(以上日本ゼオン社製品名)等が例示され、これらは単独あるいは必要に応じて二種以上併用して用いることができる。
【0009】
硬化剤は公知のエポキシ樹脂の硬化剤であれば良く、例えば、脂肪族アミン系硬化剤、脂環族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化硼素錯塩等が例示される。特に4,4′−ジアミノジフェニルスルホン(以下、DDS)、4,4′−ジアミノジフェニルメタンが好ましい。これらは単独あるいは必要に応じて二種以上併用して用いられる。これら硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、1〜30重量部が必要であり、好ましくは5.5 〜20重量部である。1重量部未満では十分な硬化は得られず、耐溶剤性、電気特性が低下し、30重量部を超えると半田耐熱性が低下する。
【0010】
硬化促進剤としては、例えば2-アルキル -4-メチルイミダゾール、1-(2- シアノエチル)-2-アルキルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリエチレンアンモニウムフェニボレート等の第三級アミンのテトラフェニル硼素酸塩、硼弗化亜鉛、硼弗化錫、硼弗化ニッケル等の硼弗化物、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛等のオクチル酸塩が挙げられ、これらは、単独あるいは必要に応じて二種以上併用して用いることができる。また、硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂 100重量部に対して、 0.1〜5重量部が必要であり、好ましくは 0.3〜1重量部である。 0.1重量部未満では接着剤の硬化が不十分で、耐溶剤性、電気特性が低下し、5重量部を超えると保存性が低下し、また、接着性、半田耐熱性も低下する。
【0011】
また、諸特性を低下させない範囲でその他の樹脂や添加物(以下、フィラー)を加えても良い。例えばポリエステル樹脂、フェノール樹脂、酸化防止剤または難燃剤として有機ハロゲン化物、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、二酸化珪素等が挙げられる。また、カルボキシル基含有NBRの架橋効果があるものとして酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0012】
本発明の接着剤に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、トリクロロエチレン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ジオキソラン等が挙げられる。上記溶剤の溶液の固形分濃度は10〜45重量%であれば良く、好ましくは20〜35重量%である。固形分濃度が45重量%を超えると粘度の上昇や相溶性の低下により、塗工性が悪くなり、また、10重量%未満では塗工ムラが生じやすくなり、さらに脱溶媒量が多くなるという問題点がある。これらの接着剤組成は、ポットミル、ボールミル、ロールミル、ホモジナイザー、スーパーミル等を用いて混合される。
前記組成からなる接着剤の塗布厚は、乾燥状態で5〜45μmあればよく、フレキシブル配線板の薄膜化の傾向からすると好ましくは5〜25μmである。
【0013】
次に、本発明に使用されるポリイミドフィルムはピロメリット酸二無水物と芳香族ジアミンとを極性溶媒中にて反応させポリアミド酸フィルムを生成し、さらに熱的又は化学的に脱水イミド化することにより得られ、かつ、該芳香族ジアミンがCとして4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、Dとしてp−フェニレンジアミンからなり、その配合比C/Dが重量比で90/10〜40/60であり、かつ、該ポリイミドフィルムの室温での弾性率が 380〜800 kg/mm2のものが必要であり、好ましくは 400〜600 kg/mm2である。
本発明に用いるポリイミドフィルムの製造方法としては、一般に知られているポリイミドフィルムの製造方法で良い。例えば、ジアミンをC/Dが90/10〜40/60の配合量で、窒素等の不活性ガス雰囲気の中で N,N- ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル -2-ピロリドン等の極性溶媒中で最終的に固形分濃度5〜30重量%になるように溶解させ、溶液温度を0〜30℃に保った状態で実質、酸二無水物とジアミンが当モルになるように酸二無水物を添加し、1〜10時間かけて攪拌を続け、ポリアミド酸溶液を得る。得られたポリアミド酸溶液を平滑面に流延し、90〜120 ℃で5〜60分間加熱し、部分的にイミド化が進んだ自己支持性のポリアミド酸フィルムを得て、このフィルムを枠に固定し、150 〜200 ℃で約30〜90分間加熱して溶媒を完全に除去した後に、完全にイミド化を行うためにさらに300 〜450 ℃で1〜90分間加熱することによりポリイミドフィルムが得られる。また化学的にイミド化する方法によっても得られ、脱水剤として無水酢酸等の脂肪酸無水物と脱水触媒としてイソキノリン等の含窒素化合物等を混合することによりポリイミドフィルムが得られる。
得られたポリイミドフィルムの弾性率はASTM D 882-88 に基づいて測定し、弾性率を導き出した。
この範囲の弾性率のポリイミドフィルムを使用することにより、フレキシブル印刷配線用基板の寸法安定性はさることながら、加工性、高温剥離特性も改善される。この時のポリイミドフィルムの弾性率が 380kg/mm2未満であると接着力は変わらないものの寸法安定性や高温時の剥離強度の改善がみられず、800 kg/mm2を超えるとポリイミドフィルムが堅くなりすぎて脆いものとなりフレキシブル印刷配線用基板のフレキシブル性が損なわれ、屈曲性が著しく低下する。また、さらには、ポリイミドフィルムの作製も著しく難しくなる。
C/Dが90/10を超えると寸法安定性の改善や高温時の接着等の熱特性の改善が見られず、また40/60未満ではフィルムが堅くなりフレキシブル性が得られなくなる。
ポリイミドフィルムの厚さは必要に応じて適宜の厚さのものを使用すれば良く12.5〜 125μmが好ましい。
また、ポリイミドフィルムの片面、または両面に表面処理を施すことも可能であり、この表面処理の方法としては、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理等が挙げられる。
【0014】
接着剤を介してポリイミドフィルムと貼り合わせる金属箔としては銅箔、アルミニウム箔、鉄箔、タングステン箔等が例示され、特に銅箔を使用するのが好ましい。金属箔の厚さは、必要に応じて適宜の厚さのものを使用すれば良く、18〜70μmが好ましい。
【0015】
次に本発明のフレキシブル印刷配線用基板の製造方法について述べる。
予め調整された前記組成に必要量の溶剤を添加してなる接着剤溶液を、リバースロールコーター、コンマコーター等を用いて前記ポリイミドフィルムに塗布する。これをインラインドライヤーに通して80〜140 ℃で2〜10分処理して接着剤の溶液を乾燥除去して半硬化状態とした後、加熱ロールでこの接着剤塗布面に金属箔を線圧 0.2〜20kg/cm 、温度60〜150 ℃で圧着させる。得られた積層フィルムをさらにキュアさせるために加熱しても良い。その加熱温度としては、30℃〜200 ℃がよく、加熱時間を1分〜10時間かけて処理すると良い。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
接着剤組成として、表1の実施例1の欄に示す接着剤組成を用い、溶剤のMEK(450g)と共に攪拌混合し、完全に溶解させて固形分濃度が27重量%の接着剤溶液を得た。
次いでポリイミドフィルムは次のようにして作製した。芳香族ジアミンとして4,4′−ジアミノジフェニルエーテル/p−フェニレンジアミン(C/D)=50/50(重量比)を窒素雰囲気下ジメチルホルムアミド溶液中に溶解し、この溶液温度を25℃に保つように冷却しながら、かつゆっくりと酸二無水物としてピロメリット酸二無水物を最終添加量が芳香族ジアミンと理論上同モルとなるように添加し溶液温度を25℃に保ったまま約3時間攪拌混合し、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液をアプリケーターにより最終的にフィルムの膜が25μmになるようにガラス板上に塗布し、110 ℃で1時間乾燥してある程度の脱溶剤を行った。このポリアミド酸フィルムをガラス板上から剥がし鉄枠に固定し、さらに 200℃で1時間加熱し完全に脱溶剤を行い、さらに 350℃で1時間加熱し脱水閉環イミド化して弾性率 450kg/mm2のポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムの弾性率はASTM D 882-88 に準拠した。
この得られたポリイミドフィルムにアプリケーターにより該接着剤溶液を乾燥後の厚さが18μmになるように塗布し、120 ℃×5分の条件で溶剤を乾燥除去し接着剤を半硬化状態とした。この接着剤層付きポリイミドフィルムの接着剤塗布面に厚さ35μmの同サイズのBHN(圧延銅箔、ジャパンエナジー社製品名)を重ね合わせ、温度 100℃、線圧15kg/cm 、ラインスピード2m/min でロールラミネーターにより加熱圧着し、さらに 170℃で3時間加熱硬化させフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表2に記した。
【0017】
【表1】
【0018】
実施例2
接着剤組成として表1に示す組成を用い、ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分をC/D=65/35とした以外は実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表2に併記した。
【0019】
実施例3
接着剤組成として表1に示す組成を用い、ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分をC/D=45/55とした以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表2に併記した。
【0020】
実施例4
接着剤組成として表1に示す組成を用い、ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分をC/D=50/50とし、さらにイミド化条件を 400℃×30分とした以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表2に併記した。
【0021】
実施例5
接着剤組成として表1に示す組成を用い、ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分をC/D=40/60とした以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表2に併記した。
【0022】
【表2】
【0023】
比較例1
接着剤組成として表3に示す組成を用い、ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分を4,4′−ジアミノジフェニルエーテルのみ(C/D=100 /0)とした以外は実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表4に記した。
【0024】
【表3】
【0025】
比較例2
接着剤組成として表3に示す組成を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表4に併記した。
【0026】
比較例3
接着剤組成として表3に示す組成を用い、ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分をC/D=95/5とした以外は実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表4に併記した。
【0027】
比較例4
ポリイミドフィルムの芳香族ジアミン成分をC/D=0/100 とした以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを得た。
このポリイミドフィルムは脆く、積層してフレキシブル印刷配線用基板を得るのは困難であった。
【0028】
比較例5
接着剤組成として表3に示す組成を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキシブル印刷配線用基板を得た。
このフレキシブル印刷配線用基板の特性を測定し結果を表4に併記した。
【0029】
【表4】
【0030】
また、表2、表4に示したフレキシブル印刷配線用基板の物性測定方法は、次の通りである。
1)剥離強度
JIS C 6481に準拠して行う。1mm幅のフレキシブル印刷配線用基板を固定して90゜方向に50mm/分の速度で銅箔を引き剥がし、その強度を測定した。
2)半田耐熱性
JIS C 6481に準拠して行う。25mm角のフレキシブル印刷配線用基板をフロー半田浴に30秒間浮かべた後ふくれ、剥がれが生じない最高温度を測定した。
3)高温剥離強度測定
1)の剥離強度測定において回路を 150℃に保ち、90゜方向に50mm/分の速度で銅箔を引き剥がし、その強度を測定した。
4)長期耐熱性
1)の剥離強度測定において回路を 150℃、10日間の熱条件に曝した後に1)と同様に剥離強度の測定をした。
5)寸法安定性
IPC FC 241に準じ、フレキシブル印刷配線用基板の熱処理(150 ℃×30分)によるMD方向の寸法変化率を下式により測定した。
寸法安定性={(熱処理後)−(熱処理前)} /(熱処理前)×100
【0031】
【発明の効果】
本発明によると、寸法安定性、高温剥離特性等に優れたフレキシブル印刷配線用基板を提供することができる。
Claims (1)
- ポリイミドフィルムに接着剤を介して金属箔を積層一体化してなるフレキシブル印刷配線用基板において、接着剤成分が
1)エポキシ樹脂 100重量部
2)ニトリルゴム 30〜 100重量部
3)硬化剤 1〜30重量部
4)イミダゾール化合物、テトラ硼素酸塩、硼弗化物及びオクチル酸塩より選択された1種又は2種以上の硬化促進剤 0.1〜5重量部よりなり
かつ、該ニトリルゴムが
A.末端にカルボキシル基が含有されたニトリルゴムと、
B.末端に官能基を有さない、アクリロニトリル含量が25〜45重量%であるニトリルゴム
よりなり、その配合比A/Bが、重量比で95/5 〜55/45であり、
かつ、ポリイミドフィルムがピロメリット酸二無水物と芳香族ジアミンとからなり、その芳香族ジアミンが
C.4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
D.p−フェニレンジアミン
よりなり、その配合比C/Dが重量比で90/10〜40/60であり弾性率が 380〜800 (kg/mm2)であるポリイミドフィルムであることを特徴とするフレキシブル印刷配線用基板。
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