JP2008207383A - 記録装置の発光量調整装置、記録装置の発光量調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LPH14は、それぞれ128個ずつLEDが配列された58個のSLEDチップCHIP1〜CHIP58を、主走査方向に並べて構成される。光量補正装置200を用いて各LEDの光量補正を行う際、まず、チップ毎にオフセット補正データを決定し、次いで、LED毎にゲイン補正データを決定する。例えばオフセット補正データを決定する際、目標光量に一致させるようにCHIP1に対するオフセット補正データを決定し、決定されたオフセット補正データにて補正を施しながらCHIP1を発光させ、その測定結果に基づいてCHIP1に隣接するCHIP2のオフセット補正データを作成する際の目標光量を決定する。
【選択図】図12
Description
目標発光量=(発光量−理想光量)×素子収束係数+理想光量
(ただし、0<素子収束係数≦1)
目標切片=(切片−理想切片)×ブロック収束係数+理想切片
(ただし、0<ブロック収束係数≦1)
請求項2記載の発明によれば、所定の発光素子の発光量と、この所定の発光素子に隣接する隣接発光素子の発光量とをさらに近づけることができる。
請求項3記載の発明によれば、要求される特性に応じて、目標発光量を収束させるか、あるいは、隣接する発光素子間の光量差を小さくするかを選択することが可能になる。
請求項4記載の発明によれば、隣接する複数の発光素子を含むブロック間における光量むらを抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、所定のブロックの発光量と、この所定のブロックに隣接する隣接ブロックの発光量とをさらに近づけることができる。
請求項6記載の発明によれば、要求される特性に応じて、目標発光量を収束させるか、あるいは、隣接するブロック間の光量差を小さくするかを選択することが可能になる。
請求項7記載の発明によれば、さらに、隣接する発光素子間における光量むらを抑制することができる。
請求項8記載の発明によれば、隣接する発光素子間における光量むらを抑制することができる。
請求項9記載の発明によれば、隣接する複数の発光素子を含むブロック間における光量むらを抑制することができる。
<実施の形態1>
図1は本実施の形態にて測定対象となるLEDプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタ1であり、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読み取り装置3に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部40を備えている。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト21、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの各色トナー像を中間転写ベルト21に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール22、中間転写ベルト21上に転写された重畳トナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール23、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器25を備えている。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト21から剥離され、搬送ベルト24により定着器25まで搬送される。定着器25に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器25によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の外部に設けられた排紙収容部(図示せず)に搬送される。
このように構成されたLPH14は、調整ネジ(図示せず)によってロッドレンズアレイ64の光軸方向に移動可能に構成され、ロッドレンズアレイ64の結像位置(焦点面)が感光体ドラム12表面上に位置するように調整される。
LED回路基板62には、例えば58個のSLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)からなるSLED63が、感光体ドラム12の軸線方向と平行になるように精度良く列状に配置されている。この場合、図4に示すように、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に配置されたLEDアレイの端部境界において、各LEDアレイがSLEDチップ同士の連結部で主走査方向に連続的に配列されるように、SLEDチップは交互に千鳥状に配置されている。なお、図4では、一例としてCHIP1、CHIP2およびCHIP3の連結部を示している。
また、LED回路基板62には、信号発生回路100、レベルシフト回路104、出力電圧を安定化させるための3端子レギュレータ101、SLED63における光量補正値データ等を記憶するEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)102、デジタルカラープリンタ1本体との間で信号の送受信を行なうハーネス103が備えられている。
図5は、LED回路基板62上に形成されている配線図を示した図である。図5に示したように、LED回路基板62上には、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に電力を供給する+3.3Vの電源ライン105および接地(GND)された電源ライン106、信号発生回路100から各SLEDチップに対して点灯信号ΦI(ΦI1〜ΦI58)を送信する信号ライン107(107_1〜107_58)、転送信号CK1(CK1_1〜1_6)を送信する信号ライン108(108_1〜108_6)、転送信号CK2(CK2_1〜2_6)を送信する信号ライン109(109_1〜109_6)が配線されている。
そして、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)には、信号ライン107を介して、CHIP1〜CHIP58に対する点灯信号ΦI(ΦI1〜ΦI58)が入力される。また、信号ライン108を介して転送信号CK1(CK1_1〜1_6)が、信号ライン109を介して転送信号CK2(CK2_1〜2_6)が、それぞれCHIP1〜CHIP58に入力される。
図6は、SLED63の回路構成を説明する図である。本実施の形態のSLED63は、レベルシフト回路104を介して信号発生回路100に接続されている。レベルシフト回路104は、抵抗R1BとコンデンサC1、および抵抗R2BとコンデンサC2がそれぞれ並列に配置された構成を有し、それぞれの一端がSLED63の入力端子に接続され、他端が信号発生回路100の出力端子に接続されている。そして、信号発生回路100から出力される転送信号CK1R、CK1Cに基づいて転送信号CK1を、また、転送信号CK2R、CK2Cに基づいて転送信号CK2を、それぞれSLED63に出力するように構成されている。
なお、本実施の形態のSLED63には、ブロックとしての58個のSLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)が配列されているが、図6では、1つのSLEDチップだけを示している。そして、以下の説明では、便宜上SLEDチップをSLED63と称することとする。
なお、ここでは、LED L1〜L128への電流の供給を制御するサイリスタS1〜S128とダイオードD1〜D128とで主に構成される部分を転送部と呼ぶ。
奇数番目サイリスタS1、S3、…、S127のカソード端子(出力端)K1、K3、…、K127には、信号発生回路100からレベルシフト回路104および転送電流制限抵抗R1Aを介して転送信号CK1が送信される。
また、偶数番目のサイリスタS2、S4、…、S128のカソード端子(出力端)K2、K4、…、K128には、信号発生回路100からレベルシフト回路104および転送電流制限抵抗R2Aを介して転送信号CK2が送信される。
また、各サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128と、各サイリスタS1〜S128に対応して設けられたLED L1〜L128のゲート端子とは各々接続される。
さらに、各サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128には、ダイオードD1〜D128のカソード端子が接続されている。そして、サイリスタS1〜S127のゲート端子G1〜G127には、次段のダイオードD2〜D128のアノード端子に各々接続されている。すなわち、各ダイオードD1〜D128はゲート端子G1〜G127を挟んで直列接続されている。
ダイオードD1のアノード端子は転送電流制限抵抗R2Aおよびレベルシフト回路104を介して信号発生回路100に接続され、転送信号CK2が送信される。また、LEDL1〜L128のカソード端子は、信号発生回路100に接続されて、点灯信号ΦIが送信される。
図7は、信号発生回路100およびレベルシフト回路104から出力される駆動信号を示すタイミングチャートである。なお、図7に示すタイミングチャートでは、すべてのLEDが光書き込みを行う(発光する)場合について表記している。
(1)まず、画像形成装置から信号発生回路100にリセット信号(RST)が入力されることによって、信号発生回路100では、転送信号CK1Cをハイレベル(以下、「H」と記す。)、転送信号CK1Rを「H」として、転送信号CK1が「H」に設定され、また、転送信号CK2Cをローレベル(以下、「L」と記す。)、転送信号CK2Rを「L」として、転送信号CK2がローレベル(「L」)に設定されて、すべてのサイリスタS1〜S128がオフの状態に設定される(図7(a))。
(2)リセット信号(RST)に続いて、信号発生回路100から出力されるライン同期信号Lsyncが「H」になり(図7(A))、SLED63の動作を開始する。そして、このライン同期信号Lsyncに同期して、図7(E)、(F)、(G)に示すように、転送信号CK2Cおよび転送信号CK2Rを「H」として、転送信号CK2を「H」とする(図7(b))。
(3)次に、図7(C)に示すように、転送信号CK1Rを「L」にする(図7(c))。
この状態においては、サイリスタS1のゲート電流が流れ始める。その際に、信号発生回路100のトライステートバッファをハイインピーダンス(Hiz)にすることで、電流の逆流防止を行う。
その後、サイリスタS1のゲート電流により、サイリスタS1がオンし始め、ゲート電流が徐々に上昇する。それとともに、レベルシフト回路104のコンデンサC1に電流が流れ込むことで、転送信号CK1の電位も徐々に上昇する。
そして、サイリスタS1が完全にオンし、定常状態になると、サイリスタS1のオン状態を保持するための電流がレベルシフト回路104の抵抗R1Bに流れるが、コンデンサC1には流れない。
なお、このとき、図7(B)に示すように、信号発生回路100のトライステートバッファをハイインピーダンス(Hiz)に設定する(図7(e))。
(8)図7(E)に示すように、この状態で転送信号CK2Cを「L」にすると(図7(h))、サイリスタS2がターンオンする。
(9)そして、図7(B)、(C)に示すように、転送信号CK1C、CK1Rを同時に「H」にすると(図7(i))、サイリスタS1はターンオフし、抵抗R1を通って放電することによってゲートG1電位は除々に下降する。その際、サイリスタS2は完全にオンする。したがって、点灯信号端子IDからの画像データに対応した点灯信号ΦIを「L」/「H」することで、LED L2を点灯/非点灯させることが可能となる。なお、この場合ゲートG1の電位はすでにゲートG2の電位より低くなっているため、LED L1がオンすることはない。
そして、終端のLED L128が消灯した図7中の「転送動作期間」の後においては、転送信号CK1C、CK1Rを「H」として転送信号CK1を「H」とし、さらに転送信号CK2C、CK2Rを「H」として転送信号CK2を「H」として、転送信号CK1および転送信号CK2を共に所定の時間だけ「H」の状態に保つ(図7中、「転送サイリスタをオフ」)。それによって、すべてのサイリスタS1〜S128がオフする。したがって、この状態においては、すべてのサイリスタS1〜S128に電流が流れることはないので、サイリスタS1〜S128は消灯(非点灯)の状態に保持される。
それにより、点灯信号ΦIが出力されて画像形成が終了した後の、感光体ドラム12(図1参照)が回転を停止した状態を含んだ非定常動作時においては、SLED63の転送部に電流が流れない。そのため、感光体ドラム12が回転を停止している状態では、LED L1〜L128とともに、転送部に配置されたサイリスタS1〜S128およびダイオードD1〜D128にも電流が流れることはなく、サイリスタS1〜S128およびダイオードD1〜D128から光が出射されることがないので、感光体ドラム12が不要に露光されることが抑えられている。
図8は、信号発生回路100の構成を示すブロック図である。信号発生回路100は、画像データ展開部110、濃度ムラ補正データ部112、タイミング信号発生部114、基準クロック発生部116、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に対応して設けられた点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58により主要部が構成されている。
画像データ展開部110には、画像処理部40から画像データがシリアルに送られてくる。画像データ展開部110は、受け取った画像データを1〜128ドット目、129〜256ドット目、…、7297〜7424ドット目と、SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)毎の画像データに分割する。そして、画像データ展開部110は、タイミング信号発生部114から送られてくるデータ読み出し信号に同期して、分割した画像データを各々対応する点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。
濃度ムラ補正データ部112は、SLED63内の各LEDの光量のバラツキ等に起因する画像形成時の画像濃度ムラを修正するためのゲイン補正データGaを記憶している。そして、濃度ムラ補正データ部112は、タイミング信号発生部114からのデータ読み出し信号に同期して、ゲイン補正データGaを点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。このゲイン補正データGaは、各LEDによる光量のバラツキ等に応じてLED毎に設定される7424個のデータ群からなり、それぞれが8ビット(0〜255)の補正値を有している。
EEPROM102には、LED毎に予め設定されたゲイン補正データGaが格納されている。そして、マシン電源投入時に、EEPROM102から濃度ムラ補正データ部112に各LEDのゲイン補正データGaがダウンロードされ、記憶される。
なお、ゲイン補正データGaの具体的な設定手法については後述する。
図9は、基準クロック発生部116の構成を説明するブロック図を示している。
図9に示したように、基準クロック発生部116は、水晶発振器140、分周器1/M142、分周器1/N144、位相比較器146、および電圧制御発振器148からなるPLL(Phase Locked Loop)回路134と、ルックアップテーブル(Look Up Table :LUT)132とを含んで構成されている。
LUT132には制御部30からの光量調整データに基づいて分周比M、Nを決定するためのテーブルが記憶されている。水晶発振器140は分周器1/N144と接続されており、所定の周波数で発振し、発振した信号を分周器1/N144へと出力する。分周器1/N144はLUT132および位相比較器146と接続されており、LUT132からの光量調整データにより決定された分周比Nに基づいて水晶発振器140で発振された信号を分周する。位相比較器146は、分周器1/M142、分周器1/N144、および電圧制御発振器148と接続されており、分周器1/M142からの出力信号と、分周器1/N144からの出力信号とを比較する。この位相比較器146による比較結果(位相差)に応じて、電圧制御発振器148に供給するコントロール電圧が制御される。電圧制御発振器148はコントロール電圧に基づく周波数にて、基準クロック信号を出力する。本実施の形態では、点灯可能期間を256に分割する周波数に相当するコントロール電圧が供給され、この周波数の基準クロック信号を生成して、すべての点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58へ出力する。また、電圧制御発振器148は分周器1/M142とも接続されており、電圧制御発振器148から出力された基準クロック信号は、分周器1/M142にも分岐されて入力される。分周器1/M142は、LUT132からの光量調整データにより決定された分周比Mに基づいて、電圧制御発振器148からフィードバックされた基準クロック信号を分周する。
また、タイミング信号発生部114は、画像データ展開部110および濃度ムラ補正データ部112と接続されている。タイミング信号発生部114は、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からのLsync信号と同期して、画像データ展開部110から各画素(各LED)に対応した画像データを読み出すためのデータ読出し信号、および濃度ムラ補正データ部112から各画素に対応したゲイン補正データGaを読み出すためのデータ読み出し信号を各々に対して出力している。
さらに、タイミング信号発生部114は、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58とも接続されている。タイミング信号発生部114は、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からのLsync信号と同期して、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に対してSLED63の点灯開始のトリガ信号を出力している。
図10は、点灯時間制御・駆動部118の詳細な構成を説明するブロック図である。
図10に示すように、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58は、プリセッタブルデジタルワンショットマルチバイブレータ(PDOMV)160、直線性補正部162、AND回路170を含んで構成されている。
具体的に説明すると、PDOMV160は、次の(1)式の演算を行い、ゲイン補正された点灯パルス幅(ゲイン補正済み点灯パルス幅)Pgを設定する。
Pg=Ps×(1+Corr/128) ……(1)
なお、(1)式において、「Ps」は基準クロック信号により生成される基準点灯パルス幅である。また、本実施の形態のゲイン補正データGaは上述したように8ビットデータ(0〜255)である。したがって、(1)式は、ゲイン補正(濃度ムラ補正)に関する光量補正幅(調整レンジ)を、最大補正値/最小補正値=3に設定した場合を示している。
具体的に説明すると、遅延信号選択部165は、次の(2)式の演算を行い、ゲイン補正およびオフセット補正がなされた最終的な点灯信号ΦIにおける点灯パルス幅(オフセット補正済み点灯パルス幅)Poutを設定し、得られた遅延点灯パルス信号を出力する。
Pout=Pg+Off
=Ps×(1+Ga/128)+Off ……(2)
点灯信号選択部169は、遅延選択レジスタ166に格納された点灯選択データに基づいて、AND回路167からの出力、OR回路168からの出力のうち、いずれか一方を選択する。そして、点灯信号選択部169は、選択した点灯パルスを、点灯信号ΦIとして、MOSFET172を介してLPH14内のSLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)へと出力する。
図11(a)は、所定の点灯時間制御・駆動部118−X(Xは1〜58の整数)から出力される点灯パルス信号の長さすなわち点灯時間と、この点灯パルス信号を受信した所定のSLEDチップCHIPα(αは1〜58の整数)における異なる二つのLED LpおよびLED Lq(Lp、Lqは1〜128の整数)が出力する露光エネルギー(=光強度×点灯時間)との関係を示している。
このように、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58それぞれが有する異なった遅延時間と線形性のバラツキとが光量特性差を生じさせる。
図12は、上記オフセット補正データOffやゲイン補正データGaの設定に使用される発光量調整装置としての光量補正装置200を示す図である。光量補正装置200は、主走査方向に沿ってLPH14に対向配置される移動ステージ201と、この移動ステージ201上に矢印方向に沿って移動し、LPH14を構成する各LEDから照射される光を受光する測定部としての受光センサ202とを備えている。また、光量補正装置200は、受光センサ202を移動ステージ201に沿って移動させる駆動部203、受光センサ202による読み取り結果に基づいてオフセット補正データOffを演算するブロック発光量決定部としてのオフセット演算部204aおよびゲイン補正データGaを演算する素子発光量決定部としてのゲイン演算部204bを含む補正値演算部204、補正値演算部204によって得られたブロック補正値としてのオフセット補正データOffおよび素子補正値としてのゲイン補正データGaをLPH14に設けられたEEPROM102に書き込む補正値書き込み部205をさらに備える。
この処理では、まず最初に、補正値演算部204のオフセット演算部204aが各SLEDチップCHIP1〜CHIP58のそれぞれに対するオフセット補正データOffの演算を実行し(ステップ101)、得られた58個のオフセット補正データOffを、補正値書き込み部205によってLPH14のEEPROM102に書き込む。続いて、補正値演算部204のゲイン補正部204bが各SLEDチップCHIP1〜CHIP58を構成する全LEDそれぞれに対するゲイン補正データGaの演算を実行し(ステップ102)、得られた7424個のゲイン補正データGaを、補正値書き込み部205のEEPROM102に書き込んで、一連の処理を完了する。
この処理では、まず、チップ番号をM=1に設定し、目標切片をB=0に設定する(ステップ201)。
次いで、第1点灯指示値I1でM番目のCHIP M(最初はCHIP1)のLED L1を点灯させ、そのときの第1光量Q1を受光センサ202によって測定する(ステップ202)。続いて、第2点灯指示値I2で同じくM番目のCHIP MのLED L1を点灯させ、そのときの第2光量Q2を受光センサ202によって測定する(ステップ203)。ここで、第1点灯指示値I1<第2点灯指示値I2である。その後、第1点灯指示値I1およびステップ202で得られた第1光量Q1と、第2点灯指示値I2およびステップ203で得られた第2光量Q2とに基づいて、一次回帰式Q=aI+bを計算する(ステップ204)。ここで、係数aは傾きであり、係数bは切片である。次に、目標切片Bを読み出し(ステップ205)、ステップ204で得られた切片bが目標切片Bと一致するように、M番目のCHIP Mのオフセット補正データOffMを決定し(ステップ206)、補正値書き込み部205によってEEPROM102に書き込みを行う。
この処理では、まず、チップ番号をM=1に設定し、目標光量QPを初期目標光量QSに設定する(ステップ301)。次いで、M番目のCHIP MにおけるLED番号をN=1に設定する(ステップ302)。そして、所定の第3点灯指示値I3に対しM番目のCHIP Mに設定されたオフセット補正データOffMにてオフセット補正を施した第3補正点灯指示値I3’でM番目のCHIP MのN番目のLED LNを点灯させ、そのときの第3補正光量Q3’を受光センサ202によって測定する(ステップ303)。次に、目標光量QPを読み出し(ステップ304)、ステップ303で得られた第3補正光量Q3’が目標光量QPと一致するように、M番目のCHIP MにおけるN番目のLED LNのゲイン補正データGaN(M)を決定し(ステップ305)、補正値書き込み部205によってEEPROM102に書き込みを行う。
例えばすべてのCHIP1〜CHIP58に対し、それぞれ目標切片Bが0となるようにオフセット補正データOffM(Mは1〜58の整数)を求めることは可能である。
しかしながら、このようなオフセット補正を行った場合であっても、CHIP1〜CHIP58のオフセット補正後の切片b’は補正値の分解能等によって基本的に0にはならず、所定の正あるいは負の値を持つ。すると、例えばCHIP1のオフセット補正後の切片b’が正方向に大きくずれた値を持っており、一方、CHIP1に隣接するCHIP2のオフセット補正後の切片b’が負方向に大きくずれた値を持っている場合には、CHIP1およびCHIP2から照射される光量の違いにより、例えばハーフトーン画像を形成した場合に光量むらひいては画像の濃度むらを生じさせてしまう。
これに対し、本実施の形態では、例えばCHIP2におけるオフセット補正データOff2を、隣接するCHIP1におけるオフセット補正後の切片b’に合わせるように設定を行っている。このため、例えば隣接するCHIP1とCHIP2との間での光量むらが目立ちにくくなり、その結果ハーフトーン画像を形成した場合の濃度むらが抑制される。
例えばCHIP1を構成する128個のLED L1〜L128に対し、それぞれ目標光量QPが初期目標光量QSとなるようにゲイン補正データGa1(1)〜Ga128(1)を求めることは可能である。
しかしながら、このようなゲイン補正を行った場合であっても、CHIP1を構成するLED L1〜L128のゲイン補正後の光量は補正値の分解能等によって基本的に同一にはならず、所定のばらつきを持つ。すると、例えばCHIP1のLED L1におけるゲイン補正後の光量とこのLED L1に隣接する同じCHIP1のLED L2におけるゲイン補正後の光量とのずれが大きい場合には、LED L1およびLED L2から照射される光量の違いにより、例えばハーフトーン画像を形成した場合に光量むらひいては画像の濃度むらを生じさせてしまう。
これに対し、本実施の形態では、例えばCHIP1のLED L2におけるゲイン補正データGa2(1)を、同じCHIP1において隣接するLED L1の光量に合わせるように設定を行っている。このため、隣接するLED L1とLED L2との間での光量むらが目立ちにくくなり、その結果ハーフトーン画像を形成した場合の濃度むらが抑制される。
本実施の形態は実施の形態1とほぼ同様であるが、オフセット補正データOffおよびゲイン補正データGaの演算手順を一部異ならせたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この処理では、まず、チップ番号をM=1に設定し、目標切片をB=0に設定する(ステップ401)。
次いで、第1点灯指示値I1でM番目のCHIP M(最初はCHIP1)のLED L1を点灯させ、そのときの第1光量Q1を受光センサ202によって測定する(ステップ402)。続いて、第2点灯指示値I2で同じくM番目のCHIP MのLED L1を点灯させ、そのときの第2光量Q2を受光センサ202によって測定する(ステップ403)。その後、第1点灯指示値I1およびステップ402で得られた第1光量Q1と、第2点灯指示値I2およびステップ403で得られた第2光量Q2とに基づいて、一次回帰式Q=aI+bを計算する(ステップ404)。次に、目標切片Bを読み出し(ステップ405)、ステップ204で得られた切片bが目標切片Bと一致するように、M番目のCHIP Mのオフセット補正データOffMを決定し(ステップ406)、補正値書き込み部205によってEEPROM102に書き込みを行う。
この処理では、まず、チップ番号をM=1に設定し、目標光量QPを初期目標光量QSに設定する(ステップ501)。次いで、M番目のCHIP MにおけるLED番号をN=1に設定する(ステップ502)。そして、所定の第3点灯指示値I3に対しM番目のCHIP Mに設定されたオフセット補正データOffMにてオフセット補正を施した第3補正点灯指示値I3’でM番目のCHIP MのN番目のLED LNを点灯させ、そのときの第3補正光量Q3’を受光センサ202によって測定する(ステップ503)。次に、目標光量QPを読み出し(ステップ504)、ステップ503で得られた第3補正光量Q3’が目標光量QPと一致するように、M番目のCHIP MにおけるN番目のLED LNのゲイン補正データGaN(M)を決定し(ステップ505)、補正値書き込み部205によってEEPROM102に書き込みを行う。
Claims (9)
- 主走査方向に複数の発光素子を配列してなる記録装置の発光量調整装置であって、
複数の前記発光素子の発光量を測定する測定部と、
複数の前記発光素子のうち所定の素子補正値にて補正がなされた所定の発光素子の発光量を前記測定部で測定した結果に基づき、当該所定の発光素子に隣接する隣接発光素子の目標発光量を決定する素子発光量決定部と
を含む記録装置の発光量調整装置。 - 前記素子発光量決定部は、
前記測定部による前記所定の発光素子の発光量の測定結果に基づいて、当該所定の発光素子の目標発光量に対する当該所定の発光素子の素子補正値を決定し、
決定された前記素子補正値にて補正がなされた前記所定の発光素子の発光量の再測定結果に基づいて、当該所定の発光素子に隣接する隣接発光素子の目標発光量を決定すること
を特徴とする請求項1記載の記録装置の発光量調整装置。 - 前記素子発光量決定部は、前記所定の発光素子の発光量と前記隣接発光素子に求められる理想光量と所定の素子収束係数とを用い、以下の式によって前記目標発光量を決定することを特徴とする請求項1記載の記録装置の発光量調整装置。
目標発光量=(発光量−理想光量)×素子収束係数+理想光量
(ただし、0<素子収束係数≦1) - 主走査方向に複数の発光素子が配列されたブロックを、さらに主走査方向に複数配列してなる記録装置の発光量調整装置であって、
複数の前記発光素子の発光量を測定する測定部と、
複数の前記ブロックのうち所定のブロック補正値にて補正がなされた所定のブロックにおける前記発光素子の発光量を前記測定部で測定した結果に基づき、当該所定のブロックに隣接する隣接ブロックの目標発光量を決定するブロック発光量決定部と
を含む記録装置の発光量調整装置。 - 前記ブロック発光量決定部は、
所定のブロックにおける前記発光素子の複数の発光指示値に対する複数の発光量の測定結果に基づいて回帰分析を行い、当該所定のブロックの目標切片に対応する当該所定のブロックのブロック補正値を決定し、
決定された前記ブロック補正値にて補正がなされた前記所定のブロックにおける前記発光素子の複数の前記発光指示値に対する複数の発光量の再測定結果に基づいて回帰分析を行い、当該所定のブロックに隣接する隣接ブロックの目標切片を決定する目標切片決定部と
を含むことを特徴とする請求項4記載の記録装置の発光量調整装置。 - 前記目標切片決定部は、前記再測定結果に基づいて得られた前記所定のブロックの切片と前記隣接ブロックに求められる理想切片と所定のブロック収束係数とを用い、以下の式によって前記目標切片を決定することを特徴とする請求項5記載の記録装置の発光量調整装置。
目標切片=(切片−理想切片)×ブロック収束係数+理想切片
(ただし、0<ブロック収束係数≦1) - 前記ブロック発光量決定部にて複数の前記ブロックに対する前記ブロック補正値が決定された後、前記発光素子毎に素子補正値を決定する素子補正値決定部と
をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の記録装置の発光量調整装置。 - 主走査方向に複数の発光素子を配列してなる記録装置の発光量調整方法であって、
複数の前記発光素子のうち所定の素子補正値にて補正がなされた所定の発光素子の発光量を測定するステップと、
前記所定の発光素子の発光量の測定結果に基づき、当該所定の発光素子に隣接する隣接発光素子の目標発光量を決定するステップと
を含む記録装置の発光量調整方法。 - 主走査方向に複数の発光素子が配列されたブロックを、さらに主走査方向に複数配列してなる記録装置の発光量調整方法であって、
複数の前記ブロックのうち所定のブロック補正値にて補正がなされた所定のブロックにおける前記発光素子の発光量を測定するステップと、
前記所定のブロックにおける前記発光素子の発光量の測定結果に基づき、当該所定のブロックに隣接する隣接ブロックの目標発光量を決定するステップと
を含む記録装置の発光量調整方法。
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