JP5109325B2 - 露光装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置において光書き込みを行なう露光装置等に関する。
電子写真方式を用いたプリンタや複写機等の画像形成装置では、感光体ドラム等の像保持体上を露光する露光装置として、LED等の発光素子をライン状に配列した発光素子アレイを用いたものが提案されている。
このような露光装置では、通常、配置された各発光素子の発光光量を予め測定しておき、測定された各発光素子の発光光量から求められた光量補正値に基づいて、各発光素子の光量補正が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−62257号公報(第1−2頁、図1)
ここで、一般に、露光装置の動作時において、露光装置を駆動する電圧が変動すると、その変動に応じて発光素子の発光光量も変化するので、予め求められていた光量補正値を用いても、適正な光量補正を行うことができない場合があるという問題があった。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、露光装置を駆動する電圧に変動が生じても、露光装置での光量ムラの発生を抑制することにある。
かかる目的のもと、本発明の露光装置は、複数の発光素子が列状に配列された複数の発光素子アレイ部材と、複数の発光素子アレイ部材各々に配列された複数の発光素子各々を順次点灯させるための信号を配列方向に所定の転送周期にて転送する駆動手段とを備え、駆動手段は、かかる信号を転送する際の転送周期が変更可能に構成されたことを特徴としている。
ここで、発光素子アレイ部材は、複数の発光素子各々に対応して、発光素子各々を順次点灯可能状態に設定する複数のスイッチ素子をさらに有し、駆動手段は、スイッチ素子が発光素子各々を順次点灯可能状態に設定するための信号を配列方向に転送する際の周期を変更可能であることを特徴とすることができる。
また、駆動手段は、発光素子各々を順次点灯させるための信号を所定の基準クロックに基づいて設定されたタイミングで転送するとともに、発光素子アレイ部材各々にて配列方向1番目に配置された発光素子の点灯可能状態が次に点灯可能状態となるまでの休止期間の長さが、基準クロックに発光素子アレイ部材に配列された発光素子の数を乗算した時間よりも短くなるように、転送周期を設定することを特徴とすることができる。
また、駆動手段は、発光素子各々を順次点灯させるための信号を所定の基準クロックに基づいて設定されたタイミングで転送するとともに、タイミングを変更することにより転送周期を変更することを特徴とすることができる。さらに、駆動手段は、発光素子各々を順次点灯させるための信号を所定の基準クロックに基づいて設定されたタイミングで転送するとともに、基準クロックの周波数を変更することにより転送周期を変更することを特徴とすることができる。
また、本発明を画像形成装置として捉え、本発明の画像形成装置は、像保持体と、像保持体を露光する露光手段と、露光手段の動作を制御する制御手段とを有し、露光手段は、複数の発光素子が列状に配列された複数の発光素子アレイ部材と、複数の発光素子アレイ部材各々に配列された複数の発光素子各々を順次点灯させるための信号を配列方向に所定の転送周期にて転送する駆動部とを備え、駆動部は、信号を転送する際の転送周期が変更可能に構成されたことを特徴としている。
ここで、露光手段の駆動部は、画像形成装置にて設定された画像形成条件に対応して、転送周期を変更することを特徴とすることができる。また、露光手段の駆動部は、画像形成装置のプロセス速度または露光手段が像保持体上を露光する際の副走査方向の露光密度に対応して、転送周期を変更することを特徴とすることができる。
さらに、露光手段の駆動部にて画像形成装置のプロセス速度または露光手段が像保持体上を露光する際の副走査方向の露光密度に対応した転送周期を設定するための設定データを記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。
また、露光手段の発光素子アレイ部材は、複数の発光素子各々に対応して、発光素子各々を順次点灯可能状態に設定する複数のスイッチ素子をさらに有し、駆動部は、スイッチ素子が発光素子各々を順次点灯可能状態に設定するための信号を配列方向に転送する際の周期を変更可能であることを特徴とすることができる。
本発明の請求項1によれば、露光装置を駆動する電圧に変動が生じても、本発明を採用しない場合に比べて、露光装置での光量ムラの発生を抑制することが可能となる。
また、本発明の請求項2によれば、露光装置の小型化を図ることが可能となる。
また、本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向に画像形成が移る際に発光素子アレイ部材に供給される電圧値にバラツキが生じるのを抑えることが可能となる。
また、本発明の請求項4によれば、駆動手段での駆動タイミングを維持しながら、転送周期を変更することができる。
また、本発明の請求項5によれば、発光素子各々での点灯タイミングを変更することなく、転送周期を変更することができる。
本発明の請求項6によれば、露光装置を駆動する電圧に変動が生じても、本発明を採用しない場合に比べて、露光装置での光量ムラの発生を抑制することが可能となる。
また、本発明の請求項によれば、様々なプロセス速度や副走査方向の解像度に対応した転送周期を設定することが可能となる。
また、本発明の請求項によれば、画像形成装置の小型化を図ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態の露光装置の一例であるプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部としての画像形成プロセス部10、画像形成装置の動作を制御する制御手段の一例としての制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置3等の外部装置に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部40を備えている。
画像形成プロセス部10は、一定の間隔を置いて並列的に配置される4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも記す)を備えている。各画像形成ユニット11は、静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を所定電位で一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光装置(露光手段)の一例としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16を備えている。
ここで、各画像形成ユニット11は、現像器15に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト21、各画像形成ユニット11の各色トナー像を中間転写ベルト21に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール22、中間転写ベルト21上に転写された重畳トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール23、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器25を備えている。
本実施の形態の画像形成装置では、画像形成プロセス部10は、制御部30から供給された同期信号等の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。その際に、PC2や画像読取装置3から入力された画像データは、画像処理部40によって画像処理が施され、インターフェースを介して各画像形成ユニット11に供給される。そして、例えばイエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電器13により所定電位で一様に帯電された感光体ドラム12の表面が、画像処理部40から得られた画像データに基づいて発光するLPH14により露光されて、感光体ドラム12上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上にはイエロー(Y)のトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11M,11C,11Kにおいても、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、図1の矢印方向に回動する中間転写ベルト21上に、一次転写ロール22により順次静電吸引され、中間転写ベルト21上に重畳されたトナー像が形成される。重畳トナー像は、中間転写ベルト21の移動に伴って二次転写ロール23が配設された領域(二次転写部)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、トナー像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて用紙Pが二次転写部に供給される。そして、二次転写部にて二次転写ロール23により形成される転写電界により、重畳トナー像は搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト21から剥離され、搬送ベルト24により定着器25まで搬送される。定着器25に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器25によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に搬送される。
図2は、露光装置であるLEDプリントヘッド(LPH)14の構成を示した図である。図2に示したように、LPH14は、支持体としてのハウジング61、発光部を構成する自己走査型LEDアレイ(SLED)63、SLED63やSLED63を駆動する信号生成回路100(後段の図3参照)等を搭載するLED回路基板62、SLED63からの光を感光体ドラム12表面に結像させる光学部材であるロッドレンズアレイ64、ロッドレンズアレイ64を支持するとともにSLED63を外部から遮蔽するホルダー65、ハウジング61をロッドレンズアレイ64方向に加圧する板バネ66を備えている。
ハウジング61は、アルミニウム、SUS等のブロックまたは板金で形成され、LED回路基板62を支持している。また、ホルダー65は、ハウジング61およびロッドレンズアレイ64を支持し、SLED63の発光点とロッドレンズアレイ64の焦点とが一致するように設定している。さらに、ホルダー65はSLED63を密閉するように構成されている。それにより、SLED63に外部からゴミが付着することを防いでいる。一方、板バネ66は、SLED63およびロッドレンズアレイ64の位置関係を保持するように、ハウジング61を介してLED回路基板62をロッドレンズアレイ64方向に加圧している。
このように構成されたLPH14は、調整ネジ(図示せず)によってロッドレンズアレイ64の光軸方向に移動可能に構成され、ロッドレンズアレイ64の結像位置(焦点面)が感光体ドラム12表面上に位置するように調整されている。
LED回路基板62には、図3(LED回路基板62の平面図)に示したように、例えば58個の発光素子アレイ部材の一例としてのSLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)からなるSLED63が、感光体ドラム12の軸線方向と平行になるように精度良くライン状に配置されている。この場合、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に配置された発光素子(LED)の配列(LEDアレイ)の端部境界において、各LEDアレイがSLEDチップ同士の連結部で連続的に配列されるように、SLEDチップは交互に千鳥状に配置されている。
また、LED回路基板62には、SLED63を駆動する信号(点灯信号)を生成する駆動手段(駆動部)の一例としての信号生成回路100およびレベルシフト回路104、所定の電圧を出力する3端子レギュレータ101、SLED63の光量補正データ等を記憶するEEPROM102、制御部30および画像処理部40との間で信号の送受信を行うハーネス103が備えられている。
次に、LED回路基板62に設けられたSLED63について説明する。図4は、SLED63の回路構成の一例を説明する図である。図4に示したSLED63は、一例として解像度(発光素子の配置密度)600dpi(dot per inch)用のSLEDチップを示しており、1SLEDチップ当たり128個の発光点(LED)が配置されている。
本実施の形態のSLED63は、レベルシフト回路104を介して信号生成回路100に接続されている。レベルシフト回路104は、抵抗R1BとコンデンサC1、および抵抗R2BとコンデンサC2がそれぞれ並列に配置された構成を有し、それぞれの一端がSLED63の入力端子に接続され、他端が信号生成回路100の出力端子に接続されている。そして、信号生成回路100から出力される転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cに基づいて、転送信号CK1および転送信号CK2をSLED63に出力するように構成されている。
なお、本実施の形態のSLED63には、58個のSLEDチップが直列に配列されているが、図4では、1つのSLEDチップとそれに接続される信号ラインだけを示している。そして、以下の説明では、便宜上SLEDチップをSLED63と称することとする。
図4に示した本実施の形態のSLED63は、スイッチ素子としての128個のサイリスタS1〜S128、発光素子としての128個のLED L1〜L128、128個のダイオードD1〜D128、128個の抵抗R1〜R128、さらには信号ラインΦ1,Φ2に過剰な電流が流れるのを防止する転送電流制限抵抗R1A、R2Aで構成されている。
図4に示したSLED63では、各サイリスタS1〜S128のアノード端子(入力端)A1〜A128は電源ライン105に接続されている。この電源ライン105には3端子レギュレータ101の出力電圧VDD(VDD=+3.3V)が供給される。
奇数番目のサイリスタS1、S3、…、S127のカソード端子(出力端)K1、K3、…、K127には、信号生成回路100およびレベルシフト回路104からの転送信号CK1が転送電流制限抵抗R1Aを介して送信される。
また、偶数番目のサイリスタS2、S4、…、S128のカソード端子(出力端)K2、K4、…、K128には、信号生成回路100およびレベルシフト回路104からの転送信号CK2が転送電流制限抵抗R2Aを介して送信される。
一方、各サイリスタS1〜S128のゲート端子(制御端)G1〜G128は、各サイリスタS1〜S128に対応して設けられた抵抗R1〜R128を介して電源ライン106に各々接続されている。なお、電源ライン106は接地(GND)されている。
また、各サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128と、各サイリスタS1〜S128に対応して設けられたLED L1〜L128のゲート端子とは各々接続される。
さらに、各サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128には、ダイオードD1〜D128のカソード端子が接続されている。そして、サイリスタS1〜S127のゲート端子G1〜G127には、次段のダイオードD2〜D128のアノード端子に各々接続されている。すなわち、各ダイオードD1〜D128はゲート端子G1〜G127を挟んで直列接続されている。
ダイオードD1のアノード端子は転送電流制限抵抗R2Aおよびレベルシフト回路104を介して信号生成回路100に接続され、転送信号CK2が送信される。また、LED L1〜L128のカソード端子は、信号生成回路100に接続されて、点灯信号ΦIが送信される。
さらには、SLED63には、サイリスタS1〜S128およびダイオードD1〜D128を覆うように遮光マスク50を配置している。これは、画像形成動作中に、オン状態にあって電流が流れている状態におけるサイリスタS1〜S128や、電流が流れている状態におけるダイオードD1〜D128からの発光を遮断し、不要光が感光体ドラム12を露光することを抑制するために設けられている。
引き続いて、LED回路基板62に設けられた信号生成回路100について説明する。図5は、信号生成回路100の構成を示すブロック図である。信号生成回路100は、画像データ展開部110、濃度ムラ補正データ部112、タイミング信号発生部114、基準クロック発生部116、点灯時間制御・駆動部118(118−1〜118−58)により主要部が構成されている。
画像データ展開部110には、画像処理部40から画像データがシリアルに送信される。画像データ展開部110は、送信された画像データを例えば1〜128ドット目、129〜256ドット目、…、7297〜7424ドット目といったように、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)毎に送信する画像データに分割する等の処理を行う。そして、分割した画像データを点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。
濃度ムラ補正データ部112は、SLED63内の各LED毎の出射光量のバラツキ等を修正するための濃度ムラ補正データが記憶されている。そして、タイミング信号発生部114からのデータ読み出し信号に同期して、濃度ムラ補正データを点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。この濃度ムラ補正データは、各LED毎に設定されたデータであり、例えば8ビット(0〜255)のデータとして形成される。
EEPROM102には、LPH14の製造時に予め算出された各LED毎の光量補正データや、必要に応じて、その他の濃度ムラ補正のためのデータが格納されている。そして、マシン電源投入時に、EEPROM102から濃度ムラ補正データ部112に対して、各LED毎の光量補正データ等がダウンロードされる。濃度ムラ補正データ部112は、取得した各LED毎の光量補正データに基づいて、さらには、必要に応じて光量補正データとその他のデータとに基づいて、濃度ムラ補正データを生成し、それを点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。
基準クロック発生部116は、本体の制御部30、タイミング信号発生部114、および点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58と接続されている。
図6(基準クロック発生部116の構成を説明するブロック図)に示したように、基準クロック発生部116は、水晶発振器140、分周器1/M142、分周器1/N144、位相比較器146、および電圧制御発振器148からなるPLL回路134と、ルックアップテーブル(LUT)132とを含んで構成されている。LUT132には制御部30からの光量調節データに基づいて分周比M、Nを決定するためのテーブルが記憶されている。水晶発振器140は分周器1/N144と接続されており、所定の周波数で発振し、発振した信号を分周器1/N144へと出力する。分周器1/N144はLUT132および位相比較器146と接続されており、LUT132からの光量調節データにより決定された分周比Nに基づいて水晶発振器140で発振された信号を分周する。位相比較器146は、分周器1/M142、分周器1/N144、および電圧制御発振器148と接続されており、分周器1/M142からの出力信号と、分周器1/N144からの出力信号とを比較する。この位相比較器146による比較結果(位相差)に応じて、電圧制御発振器148に供給するコントロール電圧が制御される。電圧制御発振器148はコントロール電圧に基づく周波数で、クロック信号を出力する。本実施の形態では、点灯可能期間を256に分割する周波数に相当するコントロール電圧が供給され、この周波数のクロック信号(基準クロック信号)を生成して、タイミング信号発生部114とすべての点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58とに出力する。また、電圧制御発振器148は分周器1/M142とも接続されており、電圧制御発振器148から出力されたクロック信号は、分周器1/M142にも分岐されて入力される。分周器1/M142は、LUT132からの光量調節データにより決定された分周比Mに基づいて、電圧制御発振器148からフィードバックされたクロック信号を分周する。
タイミング信号発生部114は、制御部30および基準クロック発生部116と接続されており、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からの水平同期信号(Lsync)と同期して、転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cを生成する。転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cは、レベルシフト回路104を介することにより転送信号CK1および転送信号CK2となってSLED63に出力される。なお、図5では、タイミング信号発生部114は、1組の転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cを出力するように記載しているが、実際には複数組(例えば、6組)の転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cを出力する。
また、タイミング信号発生部114は、濃度ムラ補正データ部112および画像データ展開部110と接続されており、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からのLsync信号と同期して、画像データ展開部110から各画素に対応した画像データを読み出すためのデータ読み出し信号、および濃度ムラ補正データ部112から各画素(各LED)に対応した濃度ムラ補正データを読み出すためのデータ読み出し信号を各々に対して出力している。さらに、タイミング信号発生部114は、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58とも接続されており、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、SLED63の点灯開始のトリガ信号TRGを出力している。
点灯時間制御・駆動部118−1〜118−116は、各画素(各LED)の点灯時間を濃度ムラ補正データに基づいて補正し、SLED63の各画素を点灯するための点灯信号ΦI(ΦI1〜ΦI58)を生成する。
具体的には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58は、図7(点灯時間制御・駆動部118の構成を説明するブロック図)に示したように、プリセッタブルデジタルワンショットマルチバイブレータ(PDOMV)160、直線性補正部162、AND回路170を含んで構成されている。AND回路170は、画像データ展開部110およびタイミング信号発生部114と接続されており、画像データ展開部110からの画像データが1(ON)のときには、タイミング信号発生部114からのトリガ信号TRGをPDOMV160に出力し、画像データが0(OFF)のときには、トリガ信号を出力しないように設定されている。PDOMV160は、AND回路170、OR回路168、濃度ムラ補正データ部112、および基準クロック発生部116と接続されており、AND回路170からのトリガ信号に同期して濃度ムラ補正データに応じたクロック数の点灯パルスを発生する。
直線性補正部162は、SLED63内の各LEDでの発光開始時間のバラツキを補正するために、PDOMV160からの点灯パルス信号を補正して出力する。具体的には、直線性補正部162は、複数の遅延回路164(本実施の形態では、164−0〜164−7の8個)、遅延選択レジスタ166、遅延信号選択部165、AND回路167、OR回路168、点灯信号選択部169を含んで構成されている。遅延回路164−0〜164−7は、PDOMV160と接続されており、各々がPDOMV160からの点灯パルス信号を遅延させるための異なる時間が設定されている。遅延選択レジスタ166は遅延信号選択部165および点灯信号選択部169と接続されており、遅延選択レジスタ166には、SLED63内の各LED各々の遅延選択データ、および点灯信号選択データが格納されている。各LED各々の遅延選択データおよび点灯信号選択データは予め計測され、EEPROM102に格納されている。EEPROM102に格納された遅延選択データおよび点灯信号選択データは、マシン電源投入時に遅延選択レジスタ166にダウンロードされる。なお、格納手段としてフラッシュROMを用いることもでき、その場合には、フラッシュROM自体を遅延選択レジスタ166として機能させることができる。
遅延信号選択部165は、AND回路167およびOR回路168と接続されており、遅延選択レジスタ166に格納された遅延選択データに基づいて、遅延回路164−0〜164−7からの出力のいずれか1つを選択する。AND回路167は、PDOMV160からの点灯パルス信号と遅延信号選択部165により選択された遅延点灯パルス信号の論理積、すなわち、遅延前の点灯パルス信号と遅延後の点灯パルス信号の両方が点灯状態であれば点灯パルスを出力する。OR回路168は、PDOMV160からの点灯パルス信号と遅延信号選択部165により選択された遅延点灯パルス信号の論理和、すなわち、遅延前の点灯パルス信号と遅延後の点灯パルス信号の少なくとも一方が点灯状態であれば点灯パルスを出力する。
点灯信号選択部169は、遅延選択レジスタ166に格納された点灯選択データに基づいて、AND回路167またはOR回路168からの出力のいずれか一方を選択する。そして、選択された点灯パルスが点灯信号ΦIとして、MOSFET172を介してSLED63へと出力される。
また、図5に示したように、SLED63には3端子レギュレータ101が接続され、SLED63を駆動するために、3端子レギュレータ101からの出力電圧VDD=+3.3Vが供給されている。
このように構成された信号生成回路100は、LED回路基板62上に形成された配線によりレベルシフト回路104を介してSLED63と接続されている。そして、生成した点灯信号ΦI(ΦI1〜ΦI58)、転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2C、転送信号CK1および転送信号CK2といったSLED63を駆動する信号(駆動信号)を出力する。
図8は、LED回路基板62上に形成された信号生成回路100とSLED63との間の配線を示した図である。図8に示したように、LED回路基板62上には、3端子レギュレータ101からの出力電圧を各SLEDチップに供給する電源ライン105および接地(GND)された電源ライン106、信号生成回路100から各SLEDチップに対して点灯信号ΦI(ΦI1〜ΦI58)を送信する信号ライン107(107_1〜107_58)、レベルシフト回路104から各SLEDチップに対して転送信号CK1(CK1_1〜1_6)を送信する信号ライン108(108_1〜108_6)、および転送信号CK2(CK2_1〜2_6)を送信する信号ライン109(109_1〜109_6)が配線されている。その際に、6組の転送信号CK1(CK1_1〜CK1_6),CK2(CK2_1〜CK2_6)は、1組の転送信号CK1,CK2当たりそれぞれ9〜10個のSLEDチップと接続されている。
図9は、信号生成回路100およびレベルシフト回路104から出力される駆動信号の出力タイミングを説明するタイミングチャートである。なお、図9に示すタイミングチャートでは、すべてのLEDが光書き込みを行う(点灯する)場合について表記している。
(1)まず、制御部30から信号生成回路100にリセット信号が入力されることによって、信号生成回路100のタイミング信号発生部114では、転送信号CK1Cがハイレベル(以下、「H」と記す)、転送信号CK1Rが「H」に設定されて、転送信号CK1が「H」に設定される。また、転送信号CK2Cがローレベル(以下、「L」と記す)、転送信号CK2Rが「L」に設定されて、転送信号CK2が「L」に設定される。それにより、SLED63のすべてのサイリスタS1〜S128がオフの状態に設定される(図9(a))。
(2)リセット信号に続いて、制御部30から出力される水平同期信号Lsyncが「H」になり(図9(A))、SLED63の動作が開始される。そして、この水平同期信号Lsyncに同期して、図9(E)、(F)、(G)に示すように、転送信号CK2Cおよび転送信号CK2Rを「H」として、転送信号CK2を「H」とする(図9(b))。
(3)次に、図9(C)に示すように、転送信号CK1Rを「L」にする(図9(c))。
(4)これに続いて、図9(B)に示すように、転送信号CK1Cを「L」にする(図9(d))。
この状態においては、サイリスタS1のゲート電流が流れ始める。その際に、信号生成回路100のトライステートバッファB1Rをハイインピーダンス(Hiz)にすることで、電流の逆流防止を行う。
その後、サイリスタS1のゲート電流により、サイリスタS1がオンし始め、ゲート電流が徐々に上昇する。それとともに、レベルシフト回路104のコンデンサC1に電流が流れ込むことで、転送信号CK1の電位も徐々に上昇する。
(5)所定時間(転送信号CK1電位がGND近傍になる時間)の経過後、信号生成回路100のトライステートバッファB1Rを「L」にする(図9(e))。そうすると、ゲートG1電位が上昇することによって信号ラインΦ1電位の上昇および転送信号CK1電位の上昇が生じ、それに伴いレベルシフト回路104の抵抗R1B側に電流が流れ始める。その一方で、転送信号CK1電位が上昇するのに従い、レベルシフト回路104のコンデンサC1に流れ込む電流は徐々に減少する。
そして、サイリスタS1が完全にオンし、定常状態になると、サイリスタS1のオン状態を保持するための電流がレベルシフト回路104の抵抗R1Bに流れるが、コンデンサC1には流れない。
なお、このとき、図9(B)に示すように、信号生成回路100のトライステートバッファB1Cをハイインピーダンス(Hiz)に設定する(図9(e))。
(6)サイリスタS1が完全にオンした状態で、図9(H)に示すように、点灯信号ΦIを「L」にする(図9(f))。このとき、ゲートG1電位>ゲートG2電位であるため、サイリスタ構造のLED L1のほうが早くオンし、点灯する。LED L1がオンするのに伴って、信号ラインΦIの電位が上昇するため、LED L2以降のLEDはオンすることはない。すなわち、LED L1、L2、L3、L4、…は、最もゲート電圧の高いLED L1のみがオン(点灯)することになる。
(7)次に、図9(F)に示すように、転送信号CK2Rを「L」にすると(図9(g))、図9(c)の場合と同様に電流が流れ、レベルシフト回路104のコンデンサC2の両端に電圧が発生する。
(8)図9(E)に示すように、この状態で転送信号CK2Cを「L」にすると(図9(h))、サイリスタS2がターンオンする。
(9)そして、図9(B)、(C)に示すように、転送信号CK1C、CK1Rを同時に「H」にすると(図9(i))、サイリスタS1はターンオフし、抵抗R1を通って放電することによってゲートG1電位は除々に下降する。その際、サイリスタS2は完全にオンする。そして、サイリスタS2のオンに同期させて点灯信号ΦIを「L」/「H」することで、LED L2を点灯/非点灯させることが可能となる。なお、この場合ゲートG1の電位はすでにゲートG2の電位より低くなっているため、LED L1がオンすることはない。
(10)このような動作を順次行い、LED L1〜L128を順次点灯させる。
このように、本実施の形態の信号生成回路100においては、タイミング信号発生部114は、転送信号CK1C,CK1Rおよび転送信号CK2C,CK2Rをそれぞれ所定のタイミングで「H」から「L」、「L」から「H」に設定する。それにより、レベルシフト回路104からの転送信号CK1の電位を「H」から「L」、「L」から「H」に繰り返し設定することで、奇数番目サイリスタS1、S3、…、S127を順次オフ→オン→オフに動作させる。また、転送信号CK1に交互して、レベルシフト回路104からの転送信号CK2の電位を「H」から「L」、「L」から「H」に繰り返し設定することで、偶数番目のサイリスタS2、S4、…、S128を順次オフ→オン→オフに動作させる。それにより、サイリスタS1〜S128をS1→S2→、…、→S127→S128の順番で順次オフ→オン→オフの動作をさせ、それに同期させて、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58から点灯信号ΦI1〜ΦI58を出力することで、LED L1〜L128を順次点灯させている。
本実施の形態のLPH14は、SLED63が点灯信号ΦIと転送信号CK1と転送信号CK2との3つの駆動信号で駆動されるので、図8に示したように、配線が簡素化され、LPH14の小型化を図ることが可能である。さらには、LPH14を搭載する画像形成装置を小型化することもできる。
ここで、図10および図11は、図9での点灯信号ΦI(図9(H))、転送信号CK1(図9(D))、転送信号CK2(図9(G))が副走査方向のライン毎に出力されるタイミングと、その際に3端子レギュレータ101から供給される電圧(供給電圧)の変化をそれぞれ示した図である。また、図10は、画像形成装置のプロセス速度が例えば100mm/secの場合を示し、図11は、プロセス速度が例えば150mm/secの場合を示している。
図10では、副走査方向のライン毎の出力タイミングを設定する水平同期信号Lsyncは、プロセス速度(ここでは、100mm/sec)が150mm/secの場合に比べて遅いので、その出力周期は150mm/secの場合よりも長く設定されている。そのため、信号生成回路100のタイミング信号発生部114では、サイリスタS1〜S128が交互にオン/オフする周期(以下、これを「サイリスタ転送周期」という)、すなわち図9に示したサイリスタS1〜S128のオン時間を長く設定できる。また、副走査方向Nライン目の127番目の点灯信号Φ128が出力されてから、次の副走査方向N+1ライン目の0番目の点灯信号Φ1が出力されるまでの期間(以下、これを「休止期間」という)も長く設定できる。
一方、図11では、水平同期信号Lsyncは、プロセス速度(ここでは、150mm/sec)が100mm/secの場合よりも速いので、その出力周期は100mm/secの場合に比べて短く設定されている。そのため、信号生成回路100のタイミング信号発生部114では、サイリスタ転送周期はプロセス速度100mm/secの場合よりも短く設定される。また、休止期間もプロセス速度100mm/secの場合よりも短く設定される。
ところで、3端子レギュレータ101では、SLED63に対して所定の電圧VDD(本実施の形態では、3.3V)を出力しようとするが、実際にSLED63に供給される電圧は、3端子レギュレータ101によるかかる所定電圧VDD(3.3V)を規定電圧V0とすると、各SLEDチップでの点灯率の差により程度の違いはあるが、LEDの点灯によるSLED63での消費電流により、SLED63が点灯している期間(これを、「点灯/転送期間」という)中に供給電圧が規定電圧V0よりも低下するという現象が起こる。
この点灯/転送期間中に低下した供給電圧は、休止期間中に徐々に回復して規定電圧V0に近づくが、休止期間の長短により、回復レベルが異なる。例えば、図10に示したプロセス速度100mm/secの場合には、休止期間が比較的長いことから回復量が大きく、規定電圧V0と供給電圧の電圧差Vg(Vg=V0−供給電圧)は比較的小さい。一方、図11に示したプロセス速度150mm/secの場合には、休止期間がプロセス速度100mm/secの場合よりも短いことから回復量が小さく、電圧差Vgは比較的大きい。
このように、画像形成装置が異なる複数のプロセス速度で動作可能に構成された場合には、例えば副走査方向Nライン目から次の副走査方向N+1ライン目に画像形成が移る際に、休止期間の長短により、SLED63への供給電圧が異なることとなる。
上記したように、信号生成回路100の濃度ムラ補正データ部112には、SLED63内の各LED毎の出射光量のバラツキ等を修正するための濃度ムラ補正データが記憶され、濃度ムラ補正データが点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力される。それにより、各LED毎の出射光量のバラツキが補正され、画像濃度の均一化が図られている。
その場合に、濃度ムラ補正データは、LPH14の製造時に予め算出された各LED毎の光量補正データに基づいて、さらには、必要に応じて光量補正データとその他のデータとに基づいて生成されるものである。しかし、各LED毎の光量補正データは、SLED63に同一値の電圧が供給されることを仮定して生成されたものである。そのため、上記したように、異なるプロセス速度が設定された場合に、休止期間の長短によりSLED63への供給電圧が異なる場合には、各LED毎の出射光量のバラツキを適正に補正することが困難となる。
そこで、本実施の形態の信号生成回路100では、プロセス速度が異なる設定に変更された場合においても、休止期間がほぼ一定時間となるように、プロセス速度毎にサイリスタ転送周期を変更できるように構成されている。
すなわち、本実施の形態の信号生成回路100においては、設定可能な複数のプロセス速度の中の最も速いプロセス速度(例えば、150mm/sec)が設定された場合での休止期間の長さに、他のプロセス速度(例えば、100mm/sec)が設定された場合の休止期間の長さを合わせるように、プロセス速度毎のサイリスタ転送周期の変更が行われる。
具体的には、制御部30は、プロセス速度が設定された場合に、設定されたプロセス速度でのサイリスタ転送周期を定めるサイリスタ転送周期設定データをタイミング信号発生部114に対して出力する。サイリスタ転送周期設定データを受け取ったタイミング信号発生部114は、サイリスタ転送周期設定データに基づいて転送信号CK1,CK2の電位を「H」から「L」、「L」から「H」に設定するタイミングを変更する。それにより、各プロセス速度の休止期間がほぼ一定時間となるように、サイリスタ転送周期が定められる。
この場合に、各プロセス速度毎のサイリスタ転送周期設定データは、記憶手段の一例としてのEEPROM102に記憶されており、マシン電源投入時に、EEPROM102から制御部30に対して、サイリスタ転送周期設定データがダウンロードされる。
このように、本実施の形態のLPH14では、設定される各プロセス速度において、各副走査方向のライン間の休止期間がほぼ一定時間に設定されるので、休止期間中での供給電圧の回復レベル(=電圧差Vg)をほぼ一定に合わせることができる。すなわち、例えば副走査方向Nライン目から次の副走査方向N+1ライン目に画像形成が移る際のSLED63への供給電圧をほぼ一定の電圧値に設定することができる。
そのため、SLED63に同一の出力電圧が供給されることを仮定して生成された各LED毎の光量補正データを用いることにより、異なるプロセス速度が設定された場合にも、各LED毎の出射光量のバラツキを適正に補正することが可能となる。
ここで、図12は、画像形成装置のプロセス速度が100mm/secに設定された場合の点灯信号ΦI、転送信号CK1,CK2が副走査方向のライン毎に出力されるタイミングと、その際に3端子レギュレータ101からの供給電圧の変化をそれぞれ示した図であって、各副走査方向のライン間の休止期間をプロセス速度が150mm/secに設定された場合に合わせた場合を示した図である。
図11と図12とを比較すると容易に理解できるように、休止期間をほぼ一定の時間に合わせることで、プロセス速度が100mm/secの場合と、150mm/secの場合とにおいて、副走査方向Nライン目の後の休止期間を経て、次の副走査方向N+1ライン目の走査が開始される際には、ほぼ同一の電圧値が供給されることとなる。そのため、プロセス速度の異なる設定、例えばプロセス速度100mm/secと150mm/secとの双方の設定において、各LED毎の出射光量のバラツキを適正に補正することが可能となる。その結果、双方のプロセス速度において、画像濃度の均一性を確保することができる。
次いで、制御部30からサイリスタ転送周期設定データを受け取ったタイミング信号発生部114が、サイリスタ転送周期設定データに基づいてサイリスタ転送周期を定める点について述べる。
本実施の形態のタイミング信号発生部114では、基準クロック発生部116にて生成された基準クロック信号に基づいて、転送信号CK1,CK2を設定する転送信号CK1C,CK1Rおよび転送信号CK2C,CK2Rを出力するタイミングを設定している。そして、タイミング信号発生部114は、転送信号CK1C,CK1Rおよび転送信号CK2C,CK2Rを「H」から「L」、「L」から「H」とするタイミングを定める基準クロック信号のクロック数を、サイリスタ転送周期設定データに基づいて変更する。それにより、各プロセス速度毎に、サイリスタ転送周期設定データに基づくサイリスタ転送周期を設定する。
具体的には、タイミング信号発生部114にはカウンタが設けられており、タイミング信号発生部114は、このカウンタにより基準クロック発生部116からの基準クロック信号をサイリスタ転送周期設定データに基づいて設定された数だけ計数しながら、転送信号CK1C,CK1Rおよび転送信号CK2C,CK2Rを「H」から「L」、「L」から「H」とするタイミングを設定する。プロセス速度が例えば100mm/secであれば、サイリスタ転送周期設定データに基づいて基準クロック信号の例えば16クロック分をサイリスタ転送周期とする。また、プロセス速度が例えば150mm/secであれば、サイリスタ転送周期設定データに基づいて基準クロック信号の例えば9クロック分をサイリスタ転送周期とする。
そして、サイリスタ転送周期の基準クロック信号のクロック数を設定するに際しては、休止期間を設定する基準クロック信号のクロック数が1SLEDチップに配置されたLED数よりも小さくなるように設定する。例えば、1SLEDチップ当たり128個のLEDが配置された本実施の形態のLPH14では、休止期間として128よりも小さなクロック数を設定するように、サイリスタ転送周期の基準クロック信号のクロック数を設定する。それにより、各プロセス速度での休止期間がほぼ一定となると同時に、設定されたプロセス速度において、サイリスタ転送周期を設定するクロック数がサイリスタ転送周期として割り当てることができる最大クロック数に設定できる。
このように、サイリスタ転送周期について割り当て可能な最大クロック数を設定することで、点灯信号ΦIによるLEDの点灯可能時間も最大限に設定することができる。それにより、感光体ドラム12上に潜像を形成する上で、LPH14からの出射光量に余裕を持たせることができる。すなわち、速いプロセス速度が設定されると、水平同期信号Lsyncの周期も短くなり、それに対応して、サイリスタ転送周期も短くなる。そうすると、LEDの点灯可能時間も短くなり、例えば光感度特性の低い感光体ドラム12では、充分な潜像電位を得ることができない場合が生じる。例えば、感光体ドラム12の使用による光感度特性の経時変化が生じた場合等に、充分な潜像電位を得られないことがある。そのため、サイリスタ転送周期について割り当て可能な最大クロック数を設定して、LEDの点灯可能時間も最大限に設定しておけば、可能な限りの出射光量が得られるので、潜像形成についての有利な光量設定を得ることができる。
具体的には、水平同期信号Lsyncの周期をLsync(ここでは、例えば基準クロック信号の2050クロックが設定されたとする)、LED数をLED(ここでは、128個)、サイリスタ転送周期のクロック数をSclk、休止期間のクロック数をWclkとすると、次の(1)式のように表すことができる。
LED×Sclk+Wclk=Lsync …(1)
この場合に、サイリスタ転送周期に割り当て可能な最大クロック数を設定すると、Wclk=2(<128)、Sclk=16と設定される。すなわち、次式(2)のように設定される。
128×16+2=2050 …(2)
これに対して、サイリスタ転送周期に割り当て可能な最大クロック数を設定しない場合、例えば、次式(3)のようにWclk=130(≧128)、Sclk=15と設定したとした場合には、サイリスタ転送周期に割り当てることができる1クロック分が無駄になる。
128×15+130=2050 …(3)
さらには、サイリスタ転送周期に割り当て可能な最大クロック数を設定することにより、いずれの設定プロセス速度においても、休止期間は常に127クロック以下のクロック数で設定されるので、各プロセス速度間での休止期間の時間差が最大126クロック以下という近接した時間に設定することができる。
なお、その場合に、各プロセス速度間での休止期間の時間の差が小さくなるように、いずれかまたは双方のプロセス速度にて設定する水平同期信号Lsyncの周期を、変更することも可能である。
このように、本実施の形態のLPH14では、画像形成条件の一例としてのプロセス速度の設定を変更するのに対応させて、各副走査方向のライン間の休止期間がほぼ一定時間となるように、サイリスタ転送周期の設定を変更することが可能なように構成されている。
また、その場合に、タイミング信号発生部114は、サイリスタ転送周期設定データに基づいて設定されたサイリスタ転送周期に対応した周期のトリガ信号TRGを生成する。それにより、サイリスタS1〜S128のサイリスタ転送周期と点灯信号ΦI1〜ΦI116の出力とを同期させることができる。
なお、本実施の形態の画像形成装置において、画像形成条件の他の例として、副走査方向の解像度(露光密度)の設定を変更することができるように構成することも可能である。その場合には、副走査方向の解像度の設定変更に対応させて、各副走査方向のライン間の休止期間がほぼ一定となるように、サイリスタ転送周期の設定を変更する構成とすることも可能である。
ところで、上記した説明では、基準クロック信号のクロック数を変更することで、各プロセス速度でのサイリスタ転送周期を設定する場合について述べた。各プロセス速度でのサイリスタ転送周期を設定するその他の方法として、クロック数の設定を各プロセス速度において変更せず、基準クロック発生部116において、各プロセス速度での休止期間がほぼ一定となるように、生成する基準クロック信号自体の周期(周波数)を変更することもできる。
例えば、図10での設定において、休止期間のクロック数が130であったとした場合に、基準クロック信号の周期を短く設定することによって、休止期間の時間=130×基準クロック信号周期を短くすることができる。それにより、図10での休止期間と図11の休止期間とをほぼ同様の時間に設定することもできる。
その場合には、制御部30は、プロセス速度が設定された場合に、設定されたプロセス速度での基準クロック信号の周期を定めるサイリスタ転送周期設定データを基準クロック発生部116に対して出力する。そして、サイリスタ転送周期設定データを受け取った基準クロック発生部116は、サイリスタ転送周期設定データに基づいて基準クロック信号周期を変更する。それにより、各プロセス速度の休止期間がほぼ一定時間となるように、基準クロック信号周期が定められる。
なお、その際に、同時に、制御部30からサイリスタ転送周期を定めるサイリスタ転送周期設定データをタイミング信号発生部114に対して出力し、各プロセス速度の休止期間がほぼ一定時間となり、かつ、LEDの点灯可能時間も最大限に設定することができるように、サイリスタ転送周期も同時に変更するように構成することもできる。
以上説明したように、本実施の形態のLPH14では、画像形成条件としてのプロセス速度や副走査方向の解像度の設定等を変更するのに対応させて、各副走査方向のライン間の休止期間がほぼ一定時間となるように、サイリスタ転送周期の設定を変更することが可能なように構成されている。
それにより、副走査方向Nライン目の後の休止期間を経て、次の副走査方向N+1ライン目の走査が開始される際に、SLED63に対してほぼ同一の電圧値が供給されることが可能となる。そのため、異なる複数のプロセス速度が設定される場合や、副走査方向の解像度の設定が変更される場合にも、各LED毎の出射光量のバラツキを適正に補正することが可能となる。
本発明の露光装置の一例であるプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図である。 LEDプリントヘッド(LPH)の構成を示した図である。 LED回路基板の平面図である。 SLEDの回路構成の一例を説明する図である。 信号生成回路の構成を示すブロック図である。 基準クロック発生部の構成を説明するブロック図である。 点灯時間制御・駆動部の構成を説明するブロック図である。 LED回路基板上に形成された信号生成回路とSLEDとの間の配線を示した図である。 信号生成回路およびレベルシフト回路から出力される駆動信号を示すタイミングチャートである。 プロセス速度が100mm/secの場合の点灯信号ΦI、転送信号CK1、転送信号CK2が副走査方向のライン毎に出力されるタイミングと、その際に3端子レギュレータから供給される電圧(供給電圧)の変化をそれぞれ示した図である。 プロセス速度が150mm/secの場合の点灯信号ΦI、転送信号CK1、転送信号CK2が副走査方向のライン毎に出力されるタイミングと、その際に3端子レギュレータから供給される電圧(供給電圧)の変化をそれぞれ示した図である。 プロセス速度が100mm/secの場合の点灯信号ΦI、転送信号CK1,CK2が副走査方向のライン毎に出力されるタイミングと、その際に3端子レギュレータからの供給電圧の変化をそれぞれ示した図であって、各副走査方向のライン間の休止期間をプロセス速度が150mm/secに設定された場合に合わせた場合を示した図である。
符号の説明
10…画像形成プロセス部、11(11Y,11M,11C,11K)…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…LEDプリントヘッド(LPH)、30…制御部、40…画像処理部、62…LED回路基板、63…自己走査型LEDアレイ(SLED)、100…信号生成回路、101…3端子レギュレータ、110…画像データ展開部、112…濃度ムラ補正データ部、114…タイミング信号発生部、116…基準クロック発生部、118(118−1〜118−116)…点灯時間制御・駆動部

Claims (8)

  1. 複数の発光素子が列状に配列された複数の発光素子アレイ部材と、
    前記複数の発光素子アレイ部材各々に配列された前記複数の発光素子各々を順次点灯させるための信号を配列方向に所定の転送周期にて転送する駆動手段とを備え、
    前記駆動手段は、前記信号を転送する際の前記転送周期が変更可能に構成され、露光する際のプロセス速度または副走査方向の露光密度の変更に対応して、前記発光素子を1ライン点灯させた後に次の1ラインを点灯させるまでの休止期間の時間の変動を小さくするように当該転送周期を変更することを特徴とする露光装置。
  2. 前記発光素子アレイ部材は、前記複数の発光素子各々に対応して、当該発光素子各々を順次点灯可能状態に設定する複数のスイッチ素子をさらに有し、前記駆動手段は、当該スイッチ素子が当該発光素子各々を順次点灯可能状態に設定するための信号を配列方向に転送する際の周期を変更可能であることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記駆動手段は、前記発光素子各々を順次点灯させるための前記信号を所定の基準クロックに基づいて設定されたタイミングで転送するとともに、前記休止期間の長さが、当該基準クロックに当該発光素子アレイ部材に配列された当該発光素子の数を乗算した時間よりも短くなるように、前記転送周期を設定することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  4. 前記駆動手段は、前記発光素子各々を順次点灯させるための前記信号を所定の基準クロックに基づいて設定されたタイミングで転送するとともに、当該タイミングを変更することにより前記転送周期を変更することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  5. 前記駆動手段は、前記発光素子各々を順次点灯させるための前記信号を所定の基準クロックに基づいて設定されたタイミングで転送するとともに、当該基準クロックの周波数を変更することにより前記転送周期を変更することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体を露光する露光手段と、
    前記露光手段の動作を制御する制御手段とを有し、
    前記露光手段は、
    複数の発光素子が列状に配列された複数の発光素子アレイ部材と、
    前記複数の発光素子アレイ部材各々に配列された前記複数の発光素子各々を順次点灯させるための信号を配列方向に所定の転送周期にて転送する駆動部とを備え、
    前記駆動部は、前記信号を転送する際の前記転送周期が変更可能に構成され、露光する際のプロセス速度または副走査方向の露光密度の変更に対応して、前記発光素子を1ライン点灯させた後に次の1ラインを点灯させるまでの休止期間の時間の変動を小さくするように当該転送周期を変更することを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記露光手段の前記駆動部にて前記プロセス速度または前記副走査方向の露光密度に対応した前記転送周期を設定するための設定データを記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記露光手段の前記発光素子アレイ部材は、前記複数の発光素子各々に対応して、当該発光素子各々を順次点灯可能状態に設定する複数のスイッチ素子をさらに有し、前記駆動部は、当該スイッチ素子が当該発光素子各々を順次点灯可能状態に設定するための信号を配列方向に転送する際の周期を変更可能であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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