しかし、靴販売店において靴をオーダーメイドする場合、測定をする靴販売員には足測定及び靴に関する専門知識が必要となってくる。
また、上記特許文献1に記載の足サイズ測定具によって、測定をする靴販売員に足測定及び靴に関する専門知識が必要となるという問題は解決されたが、特許文献1に記載の足サイズ測定具においては、足囲測定部が、足長測定部の目盛りの配置方向に対して足型の親指側に若干傾斜した角度をなしているとしているのみであり、また、甲回り測定部は、足長測定部の目盛りの配置方向に対して略直角方向に配置されているとしているのみであり、足囲測定部や甲回り測定部の配置位置や各目盛りの角度が必ずしも厳密ではないため、足囲や甲回りをより正確に測定するには必ずしも十分ではなく、足囲や甲回りをより正確に測定することができる測定具が要望されていた。
また、人間の足には、土踏まずの高低があり、甲回りの位置の足の周囲長が同じ場合であっても、土踏まずが高い場合には、甲は高くなることから、単に足の甲回りの位置の周囲長を測定するのみでは甲回りの測定としては十分ではなく、甲回りをより正確に測定することができる測定具が要望されていた。
そこで、本発明は、足長測定部と足囲測定部と甲回り測定部とを有する足サイズ測定具であって、足囲や甲回りをより正確に測定することにより足サイズをより正確に測定することができる足サイズ測定具と足サイズ測定方法を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、足のサイズを測定する足サイズ測定具であって、足長を測定するための目盛りを有し、踵の後端位置に対応する踵側の基端点とつま先側とを結ぶ直線である前後方向直線部を有する足長測定部と、足囲を測定するための足囲測定部で、複数の足長の長さごとに、複数の足囲用挿通部で該メジャー部を挿通するための足囲用挿通部を有し、該複数の足囲用挿通部間の方向を示す仮想上の直線が該前後方向直線部と交差する位置が、踵側の基端点から対応する足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置にあり、該前後方向直線部のつま先側の方向と該複数の足囲用挿通部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は69.0〜79.0度で、女性用の場合は68.0〜78.0度となるように、該足囲用挿通部が形成されている足囲測定部と、を有することを特徴とする。
上記第1の構成の構成の足サイズ測定具においては、足長測定部により足長を測定する。その後、その足長に対応した足囲用挿通部にメジャー部を挿通し、メジャー部を足に巻いて足囲を測定する。
上記第1の構成の足サイズ測定具によれば、足囲用挿通部が、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で形成されているので、極めて正確に足囲を測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と、前後方向直線部に対する角度とに基づいて、足囲挿通部が形成されているので、極めて正確に足囲を測定することができる。
また、第2には、足のサイズを測定する足サイズ測定具であって、足長を測定するための目盛りを有し、踵の後端位置に対応する踵側の基端点とつま先側とを結ぶ直線である前後方向直線部を有する足長測定部と、甲回りを測定するための甲回り測定部で、複数の足長の長さごとに、複数の甲回り用挿通部で該メジャー部を挿通するための甲回り用挿通部を有し、該複数の甲回り用挿通部間の方向を示す仮想上の直線が該前後方向直線部と交差する位置が、踵側の基端点から対応する足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置にあり、該前後方向直線部のつま先側の方向と該複数の甲回り用挿通部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は75.5〜85.5度で、女性用の場合は74.5〜84.5度となるように、該甲回り用挿通部が形成されている甲回り測定部と、を有することを特徴とする。
上記第2の構成の足サイズ測定具においては、足長測定部により足長を測定する。その後、その足長に対応した甲回り挿通部にメジャー部を挿通し、メジャー部を足に巻いて甲回りを測定する。
上記第2の構成の足サイズ測定具によれば、甲回り用挿通部が、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で形成されているので、極めて正確に甲回りを測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と、前後方向直線部に対する角度とに基づいて、甲回り挿通部が形成されているので、極めて正確に甲回りを測定することができる。
また、第3には、足のサイズを測定する足サイズ測定具であって、足長を測定するための目盛りを有し、踵の後端位置に対応する踵側の基端点とつま先側とを結ぶ直線である前後方向直線部を有する足長測定部と、足囲を測定するための足囲測定部で、複数の足長の長さごとに、複数の足囲用挿通部で該メジャー部を挿通するための足囲用挿通部を有し、該複数の足囲用挿通部間の方向を示す仮想上の直線が該前後方向直線部と交差する位置が、踵側の基端点から対応する足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置にあり、該前後方向直線部のつま先側の方向と該複数の足囲用挿通部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は69.0〜79.0度で、女性用の場合は68.0〜78.0度となるように、該足囲用挿通部が形成されている足囲測定部と、甲回りを測定するための甲回り測定部で、複数の足長の長さごとに、複数の甲回り用挿通部で該メジャー部を挿通するための甲回り用挿通部を有し、該複数の甲回り用挿通部間の方向を示す仮想上の直線が該前後方向直線部と交差する位置が、踵側の基端点から対応する足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置にあり、該前後方向直線部のつま先側の方向と該複数の甲回り用挿通部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は75.5〜85.5度で、女性用の場合は74.5〜84.5度、となるように、該甲回り用挿通部が形成されている甲回り測定部と、を有することを特徴とする。
上記第3の構成の足サイズ測定具においては、足長測定部により足長を測定する。その後、その足長に対応した足囲用挿通部にメジャー部を挿通させるとともに、足長に対応した甲回り挿通部にメジャー部を挿通し、それぞれのメジャー部を足に巻いて足囲と甲回りを測定する。
上記第3の構成の足サイズ測定具によれば、足囲用挿通部が、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で形成されているので、極めて正確に足囲を測定することができ、また、甲回り用挿通部が、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で形成されているので、極めて正確に甲回りを測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と、前後方向直線部に対する角度とに基づいて、足囲挿通部と甲回り挿通部が形成されているので、極めて正確に足囲と甲回りを測定することができる。
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、足サイズ測定具が、1又は複数のメジャー部を有し、該メジャー部が、帯状に形成され、目盛りが表示されていることを特徴とする。このメジャー部を用いることにより、足囲や甲回りを測定することができる。
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、足サイズ測定具が1枚のシート状部材により構成されていることを特徴とする。
また、第6には、足のサイズを測定する足サイズ測定具であって、帯状に形成され、目盛りが表示された1又は複数のメジャー部と、足長を測定するための目盛りを有し、踵の後端位置に対応する踵側の基端点とつま先側とを結ぶ直線である前後方向直線部を有する足長測定部と、足囲を測定するための足囲測定部で、該前後方向直線部と交差する直線である足囲用直線が、該前後方向直線部と交差する位置が踵側の基端点から対応する足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置で、該前後方向直線部のつま先側の方向と該足囲用直線における足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は69.0〜79.0度で、女性用の場合は68.0〜78.0度となるように、複数の足長の長さごとに設けられ、隣接する足囲用直線間の領域ごとに、複数の足囲用挿通部で該メジャー部を挿通するための足囲用挿通部が設けられた足囲測定部と、甲回りを測定するための甲回り測定部で、該前後方向直線部と交差する直線である甲回り用直線が、該前後方向直線部と交差する位置が踵側の基端点から対応する足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置で、該前後方向直線部のつま先側の方向と該甲回り用直線における足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は75.5〜85.5度で、女性用の場合は74.5〜84.5度となるように、複数の足長の長さごとに設けられ、隣接する甲回り用直線間の領域ごとに、複数の甲回り用挿通部で該メジャー部を挿通するための甲回り用挿通部が設けられた足囲測定部と、を有し、足サイズ測定具が1枚のシート状部材から構成されていることを特徴とする。
上記第6の構成の足サイズ測定具においては、足長測定部により足長を測定する。その後、その足長に対応した足囲用挿通部にメジャー部を挿通させるとともに、足長に対応した甲回り挿通部にメジャー部を挿通し、それぞれのメジャー部を足に巻いて足囲と甲回りを測定する。
上記第6の構成の足サイズ測定具によれば、足囲用挿通部が、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で形成されているので、極めて正確に足囲を測定することができ、また、甲回り用挿通部が、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で形成されているので、極めて正確に甲回りを測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と、前後方向直線部に対する角度とに基づいて、足囲挿通部と甲回り挿通部が形成されているので、足囲と甲回りを極めて正確に測定することができる。
また、第7には、上記第1又は第3から第6までのいずれかの構成において、上記足囲測定部において、上記割合が66.5%で、上記角度が、男性用の場合は74.0度で、女性用の場合は73.0度であることを特徴とする。よって、足囲を極めて正確に測定することができる。
また、第8には、上記第2から第7までのいずれかの構成において、上記甲回り測定部において、上記割合が56.0%で、上記角度が、男性用の場合は80.5度で、女性用の場合は79.5度であることを特徴とする。よって、甲回りを極めて正確に測定することができる。
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、甲回り測定部における足の配置位置の内側には、足の土踏まずの下側に空間を形成しつつ足に巻き付くための巻付け部が直線状の折れ線を基端として立ち上がるように形成されており、該巻付け部には足長の長さごとに設けられた複数の甲回り用挿通部における少なくとも1つが形成されていることを特徴とする。
この第9の構成においては、メジャー部を巻付け部に設けられている甲回り挿通部に挿通した上でメジャー部を足に巻くと、巻付け部が立ち上がって、足の土踏まずの下側に空間を形成しつつ足に巻き付く。これにより、靴の内壁の径を設定する場合に、通常足の土踏まずの下側に空間を形成するが、この空間を考慮して甲回りを測定することができ、より適切に甲回りを測定することができる。
また、第10には、上記第9の構成において、上記巻付け部の基端となる折れ線の前側が上記前後方向直線部に対して左側に傾斜していて、上記折れ線が上記前後方向直線部となす角度Uが、該前後方向直線部のつま先側の方向と該複数の甲回り用挿通部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度、又は、該前後方向直線部のつま先側の方向と該甲回り用直線における足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度をβとした場合に、β−U=71〜81度となるように形成されていることを特徴とする。よって、甲回りを正確に測定することができる。
また、第11には、上記第10の構成において、β−Uが76度であることを特徴とする。よって、甲回りをより正確に測定することができる。
また、第12には、上記第1から第11までのいずれかの構成において、足サイズ測定具が、上記足長測定部と足囲測定部又は甲回り測定部とが設けられた本体領域部と、該本体領域部から連設され、足サイズ測定時に踵の後端部を接触させるために形成された踵当て部で、足サイズ測定具における上記踵側の基端点の位置に上記前後方向直線部に対して垂直な面を有する踵当て部とを有することを特徴とする。よって、上記前後方向直線部に対する垂直な面に踵の後端部を接触させることにより、踵の後端を前後方向に踵側の基端点の位置に正確に位置させることができ、足長、足囲、甲回りの測定を正確に行うことができる。
また、第13には、上記第12の構成において、踵当て部が組立て可能に形成されていて、上記本体領域部が後端の中央部分に凸状に突出した突状部を有し、上記踵当て部が、三角筒状部と、押さえ部とを有し、該三角筒状部が、上記踵側の基端点から後方に連設された底面板部と、該底面板部から後方に折れ線を介して連設された傾斜板部と、該傾斜板部から後方に折れ線を介して連設された垂直板部と、該垂直板部から後方に折れ線を介して連設された水平板部とを有し、底面板部と水平板部とを重ねた状態として三角形状の筒状に組み立てることにより、垂直板部が上記本体領域部に対して略垂直に立設し、該垂直板部が上記直線部に対して垂直な面となり、また、押さえ部が、本体領域部の突状部の両側に立設可能に形成され、三角筒状部の組立て状態を維持するために三角筒状部の上端の角部に係止する切欠部を有していることを特徴とする。
よって、底面板部と、傾斜板部と、垂直板部と、水平板部とを筒状にして、押さえ部を三角筒状部に掛止するのみで、組み立てることができるので、踵当て部の組立てを非常に容易に行うことができる。
また、第14には、上記第1から第13までのいずれかの構成において、足サイズ測定具の表側の面に、右足用の足長測定部と足囲測定部又は甲回り測定部とが設けられ、足サイズ測定具の裏側の面に、左足用の足長測定部と足囲測定部又は甲回り測定部とが設けられており、右足用の足囲測定部と左足用の足囲測定部とは左右対称に形成され、右足用の甲回り測定部と左足用の甲回り測定部とは左右対称に形成されていることを特徴とする。
よって、1つの足サイズ測定具により、右足と左足の両方の足サイズを測定することができる。また、足囲測定部又は甲回り測定部が左右対称に形成されているので、足囲用挿通部と甲回り挿通部を表側と裏側とで共通にでき共有することができる。
なお、他の構成として、上記各構成において、足サイズ測定具が、略長方形状のシート状部材により形成され、上記メジャー部がシート状部材の長手辺に沿って形成され、上記本体領域部と上記踵当て部とが設けられた測定具本体部と、測定具本体部に隣接して設けられた測定具副体部で、測定手順を説明する測定手順説明表示部と、測定した足長、足囲及び甲回りを記入するとともに、問診内容を表示するとともに、問診に対する回答を記入することができる問診内容・記入欄表示部とが設けられた測定具副体部とを有することを特徴とするものとしてもよい。よって、測定手順説明表示部により測定手順を知ることができ、また、問診内容・記入欄表示部に記入することにより、靴のオーダーメイド等に使用することができる。
また、他の構成として、上記各構成において、足囲及び甲回りの測定を補助するための補助部材であって、メジャー部の一方の端部を挿通するための第1挿通部で一対の開口部又は切込み部により形成された第1挿通部と、メジャー部の他方の端部を挿通するための第2挿通部で一対の開口部又は切込み部により形成された第2挿通部とが隣接して設けられていることを特徴とするものとしてもよい。この補助部材により、足囲や甲回りを正確に測定することが可能となる。
また、他の構成として、上記各構成において、上記足囲用挿通部及び上記甲回り用挿通部が、開口部又は切込み部により形成されていることを特徴とするものとしてもよい。
また、第15には、足サイズにおける足囲を測定するための足サイズ測定方法であって、足長を測定するための方向を示す前後方向直線部に沿って足の足長を測定する足長測定工程と、平面視における足の踵の後端点から、足長測定工程により測定した足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置で、前後方向直線部のつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は69.0〜79.0度で、女性用の場合は68.0〜78.0度となるように、メジャー部を配置して足囲を測定する足囲測定工程と、を有することを特徴とする。
第15の構成の足サイズ測定方法によれば、足長測定工程において測定した足長に基づいて、足囲測定工程において足囲を測定するが、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で測定するので、極めて正確に足囲を測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と角度とに基づいて測定を行うので、足の足囲を極めて正確に測定することができる。
また、第16には、足サイズにおける足囲を測定するための足サイズ測定方法であって、足長を測定するための方向を示す前後方向直線部に沿って足の足長を測定する足長測定工程と、平面視における足の踵の後端点から、足長測定工程により測定した足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置で、前後方向直線部のつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は75.5〜85.5度で、女性用の場合は74.5〜84.5度となるように、メジャー部を配置して甲回りを測定する甲回り測定工程と、を有することを特徴とする。
第16の構成の足サイズ測定方法によれば、足長測定工程において測定した足長に基づいて、甲回り測定工程において甲回りを測定するが、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で測定するので、極めて正確に甲回りを測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と角度とに基づいて測定を行うので、足の甲回りを極めて正確に測定することができる。
また、第17には、足サイズにおける足囲を測定するための足サイズ測定方法であって、足長を測定するための方向を示す前後方向直線部に沿って足の足長を測定する足長測定工程と、平面視における足の踵の後端点から、足長測定工程により測定した足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置で、前後方向直線部のつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は69.0〜79.0度で、女性用の場合は68.0〜78.0度となるように、メジャー部を配置して足囲を測定する足囲測定工程と、平面視における足の踵の後端点から、足長測定工程により測定した足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置で、前後方向直線部のつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は75.5〜85.5度で、女性用の場合は74.5〜84.5度となるように、メジャー部を配置して甲回りを測定する甲回り測定工程と、を有することを特徴とする。
第17の構成の足サイズ測定方法によれば、足長測定工程において測定した足長に基づいて、足囲測定工程において足囲を測定し、甲回り測定工程において甲回りを測定するが、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で測定するので、極めて正確に足囲と甲回りを測定することができる。すなわち、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と角度とに基づいて測定を行うので、足の足囲と甲回りを極めて正確に測定することができる。
また、第18には、上記第15又は第17の構成において、上記足囲測定工程において、上記割合が66.5%で、上記角度が、男性用の場合は74.0度で、女性用の場合は73.0度であることを特徴とする。
また、第19には、上記第16又は第17の構成において、上記甲回り測定工程において、上記割合が56.0%で、上記角度が、男性用の場合は80.5度で、女性用の場合は79.5度であることを特徴とする。
本発明に基づく足サイズ測定具及び足サイズ測定方法によれば、踵側の基端点から足長に対して上記の割合の位置で、かつ、前後方向直線部に対して上記の角度で測定するので、極めて正確に足囲及び/又は甲回りを測定することができる。つまり、足囲においては、男性の場合には、足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置で、69.0〜79.0度の角度で測定を行い、また、女性の場合には、足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置で、68.0〜78.0度の角度で測定を行い、また、甲回りにおいては、男性の場合には、足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置で、75.5〜85.5度の角度で測定を行い、また、女性の場合には、足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置で、74.5〜84.5度の角度で測定を行い、本願の発明者が見い出した足長に対する割合と角度とに基づいて測定を行うので、足の足囲と甲回りを極めて正確に測定することができる。
本発明においては、足長測定部と足囲測定部と甲回り測定部とを有する足サイズ測定具であって、足囲や甲回りをより正確に測定することにより足サイズをより正確に測定することができる足サイズ測定具を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づく足サイズ測定具1は、図1〜図8に示すように構成され、全体に略長方形状を呈し、シート状部材、具体的には、紙材により形成されている構成され、測定具本体部1Aと、測定具副体部1Bと、メジャー部230、240、250とから構成されている。なお、図において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に対して直角の方向を示している。
この測定具本体部1Aは、図1、図2に示すように、本体領域部5と、踵当て部70とを有していて、本体領域部5の表側の面には、図1に示すように、足型表示部10と、足長測定部20と、足囲測定部40と、甲回り測定部50と、記入欄68とを有し、本体領域部5の裏側の面には、図2に示すように、足型表示部110と、足長測定部120と、足囲測定部140と、甲回り測定部150と、記入欄168とを有している。
また、測定具副体部1Bは、測定手順・問診票表示部200と、はがき部210と、測定補助パーツ220(補助部材)とを有している。
足サイズ測定具1は、略長方形状を呈し、シート状部材、具体的には、紙材により形成されている。
なお、図1、図2において、点線は切断用のミシン目を示し、一点鎖線は折れ線を示している。
なお、足サイズ測定具1は、実際には、男性用と女性用とが設けられるが、足囲測定部40(140)を構成する直線が中心線30(130)となす角度と、甲回り測定部50(150)を構成する直線が中心線30(130)となす角度とが異なるのみで他は同じ構成であるので、男性用の足サイズ測定具と女性用の足サイズ測定具とを同時に説明する。
まず、測定具本体部1Aの各部について説明する。本体領域部5は、縦長長方形状の下端に台形形状を連ねた形状を呈し、本体領域部5の足型表示部10は、人間の足の裏の外形をかたどった周状の曲線を描いたものであり、足の大きさに合わせて複数の足型が表示されている。この複数の足型は、踵の位置を揃えて表示されている。これらの足型は、足型のつま先の先端と足型の踵の先端を結ぶ方向が長手方向(X1−X2方向)を向くように配置されている。なお、図1において、X1−X2方向は長手方向を示し、足サイズ測定具1の左右の辺部と平行となっていて、Y1−Y2方向は短手方向を示し、足サイズ測定具1の上下の辺部と平行となっている。Y1−Y2方向はX1−X2方向に対して直角の方向である。なお、本体領域部5の表側の面は、右足用のものであるので、足型表示部10における足型も右足の形状に形成されている。
なお、図1の例では、足長が29cmの足型と足長が23cmの足型とが表示されているが、これには限らず、各足長ごとの足型を表示する構成とするのが好ましい。例えば、図1の例において、足長が29cmの足型と足長が23cmの足型のみならず、足長が24cmの足型と、足長が25cmの足型と、足長が26cmの足型と、足長が27cmの足型と、足長が28cmの足型とを表示する。
また、この足型は、靴を製作する際に使用する木型(プラスチック製の型)を製作する際に用いるCADを使用して、各足長の足型を製作したものであり、各足長に対応する木型を平面視した際の輪郭に相当しているといえる。
また、足長測定部20は、中心線30(前後方向直線部)と、目盛り表示部32とを有している。この中心線30は、足型のつま先の先端と足型の踵の先端である踵点G(基端点)とを結んだ直線であり、この中心線30は、X1−X2方向を向いている。この踵点Gは、踵の後端位置(つまり、踵を側方から見た場合の最も後方の位置で、通常足を置いた床面よりも上方の位置となる)に対応した位置であり、床面に接地している足の部分の後端位置とは異なる。
また、目盛り表示部32は、中心線30に対して直角方向の直線32aを複数平行に表示するとともに、各直線ごとに足長の長さを表示する表示部(例えば、230等)を表示したものである。また、各直線間には、1mmごとの目盛りが表示されている(図3参照)。なお、図1の例では、直線32aが23.0cm〜29.0cmまで1.0cmおきに表示されているが、複数の直線32aの間隔は他の間隔でもよく、例えば、0.5cmおきに表示してもよい。また、図1の例では、23.0cm〜29.0cmまでの範囲で表示しているが、他の範囲で表示してもよい。
また、足囲測定部40は、複数の平行な直線から構成された直線群42と、直線群42における隣接し合う一対の直線間の領域ごとに設けられた開口部44a〜44f(足囲用挿通部)とを有している。
ここで、直線群42は、直線42a〜42g(足囲用直線)により構成され、直線42a〜42gにおける各直線は互いに平行に配設されている。また、直線42a〜42gにおける各直線は、中心線30に対して足型の親指側に対して傾斜した角度をなしている。
直線42a〜42gの形成の方法について以下に説明する。まず、足サイズ測定具1が男性用の場合について説明する。
足長が23.0cm以上24.0cm未満に対応する領域を形成する直線42aと直線42bを例にとって図7を利用して説明すると、まず、直線42aについては、中心線30において、基準足長a1(ここでは、直線42aは足長が23.0cmに対応する直線であるので、23.0cmとする)に対してM1%(具体的には、61.5〜71.5%(好適には66.5%))の長さb1(すなわち、a1×M1/100の長さ)を踵点Gからとって点P1を得る。そして、この点P1を通る直線で、中心線30に対して角度α1(具体的には、69.0〜79.0度(好適には、74.0度))をなす直線を直線42aとする。
同じように、直線42bについては、中心線30において、基準足長a1(ここでは、直線42bは足長が25.0cmに対応する直線であるので、25.0cmとする)に対してM1%(具体的には、61.5〜71.5%(好適には66.5%))の長さb1(すなわち、a1×M1/100の長さ)を踵点Gからとって点を得て、その点を通る直線で、中心線30に対して角度α1(具体的には、69.0〜79.0度(好適には、74.0度))をなす直線を直線42bとする。
以下同様にして、基準足長26.0cm、27.0cm、28.0cm、29.0cmのそれぞれについて、踵点から基準足長に対してM1%の長さの点をとり、その点を通る直線で、中心線30に対して角度α1(具体的には、69.0〜79.0度(好適には、74.0度))をなす直線を直線群42を構成する直線としていく。これにより、直線42cは、足長26.0cmに対応する直線となり、直線42dは、足長27.0cmに対応する直線となり、直線42eは、足長28.0cmに対応する直線となり、直線42fは、足長30.0cmに対応する直線となる。
なお、直線群42を構成する各直線を得る際には、上記M1%や角度α1は、各直線について同じにする。
また、開口部44a〜44f(足囲用挿通部)は、略円形の開口部であり、直線群42を構成する直線における隣接し合う一対の直線間の領域ごとに設けられ、各領域ごとに左右一対の開口部が設けられている。例えば、一対の開口部44aが、直線42aと直線42b間の領域内に設けられ、一対の開口部44bが、直線42bと直線42c間の領域内に設けられ、一対の開口部44cが、直線42cと直線42d間の領域内に設けられ、一対の開口部44dが、直線42dと直線42e間の領域内に設けられ、一対の開口部44eが、直線42eと直線42f間の領域内に設けられ、一対の開口部44fが、直線42fと直線42g間の領域内に設けられている。
なお、開口部44a〜44fにおける各開口部は、対応する足長の足型よりも内側に設ける。例えば、開口部44aは、足長が23.0cm以上24.0cm未満の場合に対応するので、足長が23.0cmの足型の内側に形成する。
なお、直線42a〜42gにおける互いに隣接する2つの直線と平行な直線で2つの直線の中間にある直線は、開口部44a〜44fにおける一対の開口部間の方向を示す仮想上の直線といえるが、該直線が中心線30と交差する位置が踵側の基端点から対応する足長に対して61.5〜71.5%の割合の位置にあり、中心線30のつま先側の方向と該一対の開口部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、69.0〜79.0度となるように、開口部44a〜44fが形成されているといえる。
なお、開口部44a〜44fにおける各開口部は、対応する一対の直線内の領域に形成しなくても、該一対の直線内の領域から略均等にはみ出すように形成してもよい。つまり、メジャー部230、240、250の幅に従いメジャー部を開口部に挿通しやすくするために、開口部が配置される一対の直線内の領域から略均等にはみ出すように形成してもよい。例えば、開口部44aは、直線42aと直線42b間の領域に形成されているが、直線42aの下側と直線42bの上側に略均等にはみ出すように形成してもよい。
なお、足サイズ測定具1が女性用の場合には、男性用の場合と略同様であるが、角度α1の代わりに角度α2を用い(図8参照)、角度α2は68.0〜78.0度(好適には、73.0度)となる。直線群42を構成する各直線が中心線となす角度が異なる以外は男性用の場合と同様であるので詳しい説明を省略する。
また、甲回り測定部50は、足囲測定部40よりも踵側に形成されていて、複数の平行な直線から構成された直線群52と、直線群52における隣接し合う一対の直線間の領域ごとに設けられた開口部54a〜54f(甲回り用挿通部)と、ミシン目60と、ミシン目62と、折れ線64とを有している。
ここで、直線群52は、直線52a〜52g(甲回り用直線)により構成され、直線52a〜52gにおける各直線は互いに平行に配設されている。また、直線52a〜52gにおける各直線は、中心線30に対して足型の親指側に対して傾斜した角度をなしている。
直線52a〜52gの形成の方法について以下に説明する。まず、足サイズ測定具1が男性用の場合について説明する。
足長が23.0cm以上24.0cm未満に対応する領域を形成する直線52aと直線52bを例にとって図7を利用して説明すると、まず、直線52aについては、中心線30において、基準足長a1(ここでは、直線52aは足長が23.0cmに対応する直線であるので、23.0cmとする)に対してM2%(具体的には、51.0〜61.0%(好適には56.0%))の長さc1(すなわち、a1×M2/100の長さ)を踵点Gからとって点P2を得る。そして、この点P2を通る直線で、中心線30に対して角度β1(具体的には、75.5〜85.5度(好適には、80.5度))をなす直線を直線52aとする。
同じように、直線52bについては、中心線30において、基準足長a1(ここでは、直線52bは足長が25.0cmに対応する直線であるので、25.0cmとする)に対してM2%(具体的には、51.0〜61.0%(好適には56.0%))の長さc1(すなわち、a1×M2/100の長さ)を踵点Gからとって点を得て、その点を通る直線で、中心線30に対して角度β1(具体的には、75.5〜85.5度(好適には、80.5度))をなす直線を直線52bとする。
以下同様にして、基準足長26.0cm、27.0cm、28.0cm、29.0cmのそれぞれについて、踵点から基準足長に対してM2%の長さの点をとり、その点を通る直線で、中心線30に対して角度β1(具体的には、75.5〜85.5度(好適には、80.5度))をなす直線を直線群52を構成する直線としていく。これにより、直線52cは、足長26.0cmに対応する直線となり、直線52dは、足長27.0cmに対応する直線となり、直線52eは、足長28.0cmに対応する直線となり、直線52fは、足長30.0cmに対応する直線となる。
なお、直線群52を構成する各直線を得る際には、上記M2%や角度β1は、各直線について同じにする。
また、開口部54a〜54f(甲回り用挿通部)は、略円形の開口部であり、直線群52を構成する直線における隣接し合う一対の直線間の領域ごとに設けられ、各領域ごとに3つの開口部が設けられている。例えば、3つの開口部54aが、直線52aと直線52b間の領域内に設けられ、3つの開口部54bが、直線52bと直線52c間の領域内に設けられ、3つの開口部54cが、直線52cと直線52d間の領域内に設けられ、3つの開口部54dが、直線52dと直線52e間の領域内に設けられ、3つの開口部54eが、直線52eと直線52f間の領域内に設けられ、3つの開口部54fが、直線52fと直線52g間の領域内に設けられている。
なお、開口部54a〜54fにおいて、3つの開口部のうちの1つの開口部は中心線30よりも右側にあり、対応する足型よりも内側に設けられている。また、2つの開口部は中心線30よりも左側に存在し、中心線30の左側に存在する開口部は、ミシン目60とミシン目62と折れ線64とで囲まれた領域内に存在する。
例えば、開口部54aは、足長が23.0cm以上24.0cm未満の場合に対応するので、3つの開口部54aにおける1つの開口部54aは、中心線30の右側に存在するとともに、足長が23.0cmの足型の内側に形成する。また、2つの開口部54aは、中心線30の左側で、ミシン目60とミシン目62と折れ線64とで囲まれた領域内に存在する。
なお、直線52a〜52gにおける互いに隣接する2つの直線と平行な直線で2つの直線の中間にある直線は、開口部54a〜54fにおける3つの開口部間の方向を示す仮想上の直線といえるが、該直線が中心線30と交差する位置が踵側の基端点から対応する足長に対して51.0〜61.0%の割合の位置にあり、中心線30のつま先側の方向と該3つの開口部間の方向の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、75.5〜85.5度となるように、開口部54a〜54fが形成されているといえる。
なお、開口部54a〜54fにおける各開口部は、対応する一対の直線内の領域に形成しなくても、該一対の直線内の領域から略均等にはみ出すように形成してもよい。つまり、メジャー部230、240、250の幅に従いメジャー部を開口部に挿通しやすくするために、開口部が配置される一対の直線内の領域から略均等にはみ出すように形成してもよい。例えば、開口部54aは、直線52aと直線52b間の領域に形成されているが、直線52aの下側と直線52bの上側に略均等にはみ出すように形成してもよい。
また、ミシン目60は、直線52aの下側(X2側)に直線52aと平行に形成され、本体部領域5の左端から所定の長さに形成されている。また、ミシン目62は、直線52gの上側(X1側)に直線52gと平行に形成され、本体部領域5の左端から所定の長さに形成されている。また、折れ線64は、ミシン目60と右端とミシン目62の右端とを結ぶように形成されていて、直線52a〜52gに対して所定の角度に形成されている。すなわち、折れ線64が中心線30の方向となす角度U1は、β1−U1=71〜81度(好適には、76度)(=U2)となるように形成されている。例えば、β1が80.5度で、β1−U1を76度とする場合には、U1は4.5度となる。つまり、β1を80.5度とするとともに、U1を4.5度とすれば、甲回りを測定する際に、メジャー部を足の甲に巻き付けた際に、メジャー部が本体領域部5の上面となす角度U2(図12参照)を76度することができ、好適とすることができる。つまり、甲回りの測定に際して角度U2が71度〜81度が好適であることは出願人が試行錯誤の結果見い出したものであり、結果、β1を80.5度とした場合には、U1は、9.5度〜−0.5度であることが好ましいといえる。
なお、この折れ線64は、直線群52を構成する直線52a〜52gにおける各直線と交差する点が該直線と対応する足型よりも内側となるように構成されている。例えば、折れ線64と直線52aとが交差する点は、足長23.0cmに対応する足型よりも内側になるように折れ線を形成する。
以上のように、ミシン目60と、ミシン目62と、折れ線64と、測定具本体部1Aと測定具副体部1B間のミシン目により、巻付け部66が構成される。つまり、ミシン目60と、ミシン目62と、折れ線64と、測定具本体部1Aと測定具副体部1B間のミシン目により囲まれた片部が巻付け部66となり、この巻付け部66は、甲回りの測定に際して足裏の土踏まずの位置で巻き付くことになる。ここで、足裏に土踏まずが設けられている場合には、以下で説明するように、土踏まずと本体領域部5間の空き空間を考慮して甲回りを測定することができる。
なお、各直線と交差する点は、該直線と対応する足型よりも若干外側にあってもよく、例えば、各直線と交差する点が該直線と対応する足型より1cm小さい足型に対応する直線よりも内側となるように構成してもよい。例えば、折れ線64と直線52bとが交差する点は、足長24.0cmよりも1cm小さい足長23.0cmに対応する足型よりも内側になるように折れ線を形成するようにしてもよい。
なお、足サイズ測定具1が女性用の場合には、男性用の場合と略同様であるが、角度β1の代わりに角度β2を用い、角度β2は74.5〜84.5度(好適には、79.5度)となる。直線群52を構成する各直線が中心線となす角度が異なる以外は男性用の場合と同様であるので詳しい説明を省略する。
なお、上記の足囲測定部40の直線群42における各直線を形成するための足長に対する割合(M1%)や、中心線に対する角度(α1、α2)や、上記の甲回り測定部50の直線群52における各直線を形成するための足長に対する割合(M2%)や、中心線に対する角度(β1、β2)は、出願人が試行錯誤を重ねながら足囲や甲回りを正確に測定するために見出したものである。つまり、上記割合や角度を外れて測定した足囲や甲回りにより靴を製造すると、足囲や甲回りを正確に測定していないので、足に合った靴を製造することができず、上記割合や角度に従って測定した足囲や甲回りにより靴を製造する場合には、足囲や甲回りを正確に測定するので、足に合った靴を製造することができる。
なお、上記足囲測定部40と甲回り測定部50において、同じ足長に対応する領域に同じ色を付してメジャー部230等を取り付ける位置を分かりやすくするのが好ましい。例えば、直線42aと直線42b間の領域と、直線52aと直線52b間の領域とに同じ色(第1の色)を付し、直線42bと直線42c間の領域と、直線52bと直線52c間の領域とに同じ色(第2の色)を付し、直線42cと直線42d間の領域と、直線52cと直線52d間の領域とに同じ色(第3の色)を付し、直線42dと直線42e間の領域と、直線52dと直線52e間の領域とに同じ色(第4の色)を付し、直線42eと直線42f間の領域と、直線52eと直線52f間の領域とに同じ色(第5の色)を付し、直線42fと直線42g間の領域と、直線52fと直線52g間の領域とに同じ色(第6の色)を付すようにする。
なお、上記開口部44a〜44fと、上記開口部54a〜54fは、円形でなくてもよく、メジャー部を挿通することができる開口部であればよい。また、上記開口部44a〜44fと、上記開口部54a〜54fは、開口部の代わりに、メジャー部を挿通できる切込みとしてもよい。
また、記入欄68は、測定した足長や、足囲や、甲回りを記入するための記入欄であり、氏名も記入できるようになっている。
次に、本体領域部5の裏側の面に設けられた足型表示部110と、足長測定部120と、足囲測定部140と、甲回り測定部150と、記入欄168とは、本体領域部5の表側の面に設けられた各部と左右対称である以外は同様の構成であるので、詳しい説明は省略する。
なお、本体領域部5の裏側の面は、左足用のものであるので、足型表示部110における足型も左足の形状に形成されている。
また、足囲測定部140と甲回り測定部150における各開口部は、足囲測定部40と甲回り測定部50における開口部と表側と裏側とで共通していることになる。
次に、踵当て部70は、足サイズを測定する際に踵の側面(具体的には、踵の後端部)を当てるための部材であり、測定具本体部1Aの下側領域に切断用のミシン目と折れ線を形成することにより組立て可能に形成されている。
すなわち、踵当て部70は、底面板部72と、傾斜板部74と、垂直板部76と、水平板部78と、垂直板部80と、垂直板部82とを有している。
ここで、底面板部72は、本体領域部5の下端から本体領域部5との境界線S1を介して連設されている。この境界線S1は、中心線30に対して直角の方向(Y1−Y2方向)に形成されている。この底面板部72は、傾斜板部74とは直線状の折れ線を介して形成され、また、垂直板部80、82とは、凹凸状のミシン目S13を介して形成されている。
また、傾斜板部74は、底面板部72の下端から折れ線S2を介して連設され、略長方形状を呈している。傾斜板部74と底面板部72との境界の折れ線S2はY1−Y2方向を向いていて、傾斜板部74の幅(すなわち、X1−X2方向の幅)は、底面板部72の幅Tに対して2の平方根(ただし、正の数)を乗算した値となっている。
また、垂直板部76は、傾斜板部74の下端から折れ線S3を介して連設され、略長方形状を呈している。垂直板部76と傾斜板部74との境界の折れ線S3はY1−Y2方向を向いていて、垂直板部76の幅(すなわち、X1−X2方向の幅)は、底面板部72の幅(すなわち、X1−X2方向の幅)と略同一となっている。
また、水平板部78は、垂直板部76の下端から折れ線S4を介して連設され、略長方形状を呈している。水平板部78と垂直板部76との境界の折れ線S4はY1−Y2方向を向いていて、水平板部78の幅(すなわち、X1−X2方向の幅)は、底面板部72の幅(すなわち、X1−X2方向の幅)と略同一となっている。
また、垂直板部80は、本体領域部5とは、Y1−Y2方向のミシン目S11と、X1−X2方向に対して傾斜した方向の折れ線S12を介して隣接し、ミシン目S13を介して底面板部72と隣接している。このミシン目S13は、凹凸状を呈し、折れ線S12に対して直角のミシン目S13aと、ミシン目S13aに対して略45度(丁度45度としてもよい)を呈するミシン目S13bと、Y1−Y2方向に形成されたミシン目S13cを連ねて形成されている。
また、垂直板部82は、本体領域部5とは、Y1−Y2方向のミシン目S21と、X1−X2方向に対して傾斜した方向の折れ線S22を介して隣接し、ミシン目S23を介して底面板部72と隣接している。このミシン目S23は、凹凸状を呈し、折れ線S22に対して直角のミシン目S23aと、ミシン目S23aに対して略45度(丁度45度としてもよい)を呈するミシン目S23bと、Y1−Y2方向に形成されたミシン目S23cを連ねて形成されている。
踵当て部70を以上のように構成することにより、底面板部72と、傾斜板部74と、垂直板部76と、水平板部78とを巻回状態にして三角形状の筒状とし、垂直板部80、82を係止させることにより、図9に示すように組み立てることができ、これにより、垂直板部76、80、82を踵を当てる壁面とすることができる。なお、底面板部72と、傾斜板部74と、垂直板部76と、水平板部78とで上記三角筒状部が構成され、また、垂直板部80と垂直板部82が上記押え部を構成する。
次に、測定具副体部1Bの各部について説明する。測定手順・問診票表示部200は、測定具副体部1Bの上側に設けられ、略長方形状を呈し、その表側には、測定手順説明表示部202が設けられ、裏側には、問診票・カルテ表示部204が設けられている。
ここで、測定手順説明表示部202は、足サイズ測定具1を使用した測定手順の説明を記載したものである。記載内容としては、例えば以下の内容が挙げられる。すなわち、「1,本台紙左右の切り取り式メジャーをミシン目に沿って切り離して下さい。2,本台紙の中心のミシン目に沿って足サイズ測定具を2つに分離して下さい。3,足型が表示されている方の下部に設けられた踵当て部をミシン目に沿って切るとともに折れ線に沿って折り曲げて組み立てます。4,椅子に座り、組み立てた踵当て部に踵をピッタリとつけて足先の一番長い部分を中心線に合わせて足長を測ります。5,測った足長に合わせて、足囲測定部と甲回り測定部にメジャーを取り付けます。6,メジャーを足に巻いて足囲を測ります。7,メジャーを足に巻いて甲回りを測ります。8,測定したサイズとともに、問診票・カルテに記入して下さい。」とする。
また、問診票・カルテ表示部204は、図5に示すように構成され、名前、住所等の被測定者の情報と、右足と左足のそれぞれについて測定した足長、足囲、甲回りの値(足囲と甲回りについては、力を入れた状態と力を入れずに置いた状態の2つを記入できるようになっている)と、足型の選択(母趾が長い、第2趾が長い、四角形型)や、甲の高さ(甲が薄い、甲の高さは普通、甲が高い)や、足の疾患や、足の痛みがある箇所と、靴の申告サイズと、サイズの好み(小さめに履く、ジャストサイズに履く、大きめに履く、かなり大きめに履く)等を記入することができるようになっている。
次に、はがき部210は、表側の面が、宛先を記入できるとともに、差出し人の住所、名前、電話番号等の被測定者の情報と、測定日の情報を記入する記入枠が設けられ、また、裏側の面には、問診票・カルテ表示部204と同様の内容が表示され、問診票・カルテ表示部204において記入できる内容と同様の内容を記入できるようになっている。つまり、はがき部210の裏面は、図6に示すように構成されている。
また、測定補助パーツ220は、複数(具体的には、3つ)の個別補助パーツ222がミシン目を介して分離可能に連設して設けられ、一対の開口部(半円状の開口部)224がX1−X2方向に所定の間隔を介して並設されているとともに、一対の開口部224に隣接して一対の開口部(半円状の開口部)226がX1−X2方向に所定の間隔(一対の開口部224と略同一の間隔)を介して並設されている。なお、一対の開口部226のうちの1つの開口部226は、X1−X2方向には、一対の開口部224の略中間位置に設けられている。
また、メジャー部230とメジャー部240は、測定具副体部1Bの測定具本体部1Aとは反対側の長手辺に沿って形成されていて、メジャー部230は、測定具副体部1Bを介して(つまり、測定手順・問診票表示部200及び測定補助パーツ220とミシン目を介して)形成され、帯状に形成されている。また、メジャー部240は、メジャー部230とミシン目を介して形成され、帯状に形成されている。メジャー部230とメジャー部240とは、同大同形状に形成され、メジャー部230とメジャー部240の表面には、寸法を測るための目盛りが形成されている。このメジャー部230とメジャー部240は、開口部44a〜44fや開口部54a〜54fに挿通可能な幅に形成されている。
また、メジャー部250は、測定具本体部1Aの測定具副体部1Bとは反対側の長手辺に沿って形成されていて、測定具本体部1Aとミシン目を介して(つまり、本体領域部5及び踵当て部70とミシン目を介して)形成され、帯状に形成されている。このメジャー部250の表面には、寸法を測るための目盛りが形成されている。このメジャー部250は、開口部44a〜44fや開口部54a〜54fに挿通可能な幅に形成されている。
上記構成の足サイズ測定具1の使用状態について説明する。足サイズの測定に当たっては、男性は男性用の足サイズ測定具を使用し、女性は女性用の足サイズ測定具を使用する。
足サイズ測定具1の使用に当たっては、測定手順説明表示部202に記載された説明を見ながら測定を行うが、具体的には、まず、メジャー部250とメジャー部230とメジャー部240のうちの2つのメジャー部をミシン目に沿って切り離す。例えば、メジャー部250とメジャー部230とをミシン目に沿って切り離す。
次に、測定部本体部1Aと測定部副体部1B間のミシン目を介して、測定部本体部1Aと測定部副体部1Bとを分離する。
次に、測定部本体部1Aにおける踵当て部70をミシン目に沿って切るとともに、踵当て部70を折れ線に沿って折り曲げて組み立てる。つまり、ミシン目S11とミシン目S13を切断して垂直板部80を立設可能な状態にするとともに、ミシン目S21とミシン目S23を切断して垂直板部82を立設可能な状態にしておき、傾斜板部74と垂直板部76と水平板部78とを折れ線S2、S3、S4を介して折り曲げて三角形状の筒状に形成する。
つまり、右足の測定を行った後に左足の測定を行う場合を例に取ると、測定具本体部1Aの表側の面(つまり、足型表示部10と、中心線30と、足長測定部20と、足囲測定部40と、甲回り測定部50等が設けられている面)を上側にして、図9に示すように、傾斜板部74と垂直板部76と水平板部78とからなる部材を折り曲げて筒状とする。この筒状形状の断面は、直角二等辺三角形となる。その際、底面板部72の上面と水平板部78の底面とは互いに接していることになる。
その後、垂直板部80に形成された切欠部(つまり、ミシン目S13aに沿った辺部と、ミシン目S13bに沿った辺部とにより形成された切欠部)を三角形状の筒状部の上側の角部に係止させるとともに、垂直板部82に形成された切欠部(つまり、ミシン目S23aに沿った辺部と、ミシン目S23bに沿った辺部とにより形成された切欠部)を三角形状の筒状部の上側の角部に係止させて、図9に示すように、垂直板部76と垂直板部80と垂直板部82とが本体領域部5に対して垂直の状態に固定された状態とする。以上のようにして、踵当て部70を組み立てる。
踵当て部70の組立てが完了したら、椅子に座り、踵当て部70の垂直板部76に右足の踵の後ろ側(つまり、後端位置)を当てるとともに、足先の一番長い部分を中心線30に合わせる。つまり、人間の足は通常母趾と第2趾のいずれかが足先において最も突出しているが、最も突出した部分を中心線30に合わせる。そして、その状態で、踵の後端位置に対応するから最も突出している部分までの長さを足長測定部20における目盛り表示部32により測定して、足長を測定する(足長測定工程)。測定した足長の値は、記入欄68に記入する。
次に、測定した足長に合わせて、足囲測定部40と甲回り測定部50にメジャー部を取り付ける。
つまり、図9に示すように、足囲測定部40における、測定した足長に対応した位置の開口部にメジャー部を挿入する。開口部への挿入に当たっては、一対の開口部における右側の切込み部に対して右側(Y2側)から挿入して、本体領域部5の下側を潜り、左側の開口部から左側(Y1側)に露出するように取り付ける。つまり、一対の開口部の左右両側からはメジャー部が露出し、一対の開口部間においては、本体領域部5の下側になるようにする。足長に対応した開口部としては、足長が23.0cm以上24.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部44aに挿入し、足長が24.0cm以上25.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部44bに挿入し、足長が25.0cm以上26.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部44cに挿入し、足長が26.0cm以上27.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部44dに挿入し、足長が27.0cm以上28.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部44eに挿入し、足長が28.0cm以上29.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部44fに挿入する。メジャー部の取付けに当たっては、測定時に目盛りが目視できるように、目盛りを裏側にして取り付ける。また、個別補助パーツ222を使用する場合を考慮して、目盛りが0の側を右側としてメジャー部を取り付けるのが好ましい。なお、図9は、メジャー部240を開口部44aに挿入した例を示している。なお、メジャー部240ではなく、他のメジャー部でもよい。
また、図9に示すように、甲回り測定部50における、測定した足長に対応した位置の開口部にメジャー部を挿入する。開口部への挿入に当たっては、3つの開口部における最も右側の開口部に対して右側(Y2側)から挿入して、本体領域部5の下側を潜り、真ん中の位置の開口部から左側(Y1側)に露出し、さらに、最も左側の開口部から下側に潜るように取り付ける。足長に対応した開口部としては、足長が23.0cm以上24.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部54aに挿入し、足長が24.0cm以上25.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部54bに挿入し、足長が25.0cm以上26.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部54cに挿入し、足長が26.0cm以上27.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部54dに挿入し、足長が27.0cm以上28.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部54eに挿入し、足長が28.0cm以上29.0cm未満の場合には、メジャー部を開口部54fに挿入する。メジャー部の取付けに当たっては、測定時に目盛りが目視できるように、目盛りを裏側にして取り付ける。また、個別補助パーツ222を使用する場合を考慮して、目盛りが0の側を右側としてメジャー部を取り付けるのが好ましい。なお、図9は、メジャー部250を開口部54aに挿入した例を示している。なお、メジャー部250ではなく、他のメジャー部でもよい。
また、ミシン目60とミシン目62とを切断しておき、巻付け部66を立設可能な状態としておく。
次に、図10に示すように、メジャー部240を足に巻いて足囲を測定する(足囲測定工程)。測定に当たっては、開口部に取り付けられたメジャー部240の方向に従ってそのまま上方に巻き付けて、測定を行う。このようにすることにより、足の足囲は、本来、母趾の付け根の骨のふくらみにおいて最も内側に突出している点と、小趾の付け根の骨のふくらみにおいて最も外側に突出ている点とを通るように計測した値であるが、足囲測定部40を構成する直線群42が出願人が見出した足長との割合と中心線との角度に従い形成されているので、それに極めて近い値を得ることができる。この足囲測定工程では、平面視における足の踵の後端点から、足長測定工程により測定した足長に対してM1%(具体的には、61.5〜71.5%(好適には66.5%))の割合の位置で、前後方向直線部のつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は角度α1(69.0〜79.0度(好適には、74.0度))で、女性用の場合は角度α2(68.0〜78.0度(好適には、73.0度))となるように、メジャー部を配置して足囲を測定している。測定した足囲の値は、記入欄68に記入する。
また、図11、図12に示すように、メジャー部250を足に巻いて甲回りを測定する(甲回り測定工程)。この甲回り測定工程では、平面視における足の踵の後端点から、足長測定工程により測定した足長に対してM2%(具体的には、51.0〜61.0%(好適には56.0%))の割合の位置で、前後方向直線部のつま先側の方向と足囲を測定するためのメジャー部の足の配置位置に対する内側の方向とがなす角度が、男性用の場合は角度β1(75.5〜85.5度(好適には、80.5度))で、女性用の場合はβ2(74.5〜84.5度(好適には、79.5度))となるように、メジャー部を配置して甲回りを測定している。このようにすることにより、足の甲回りは、本来、中足骨の中間点と土踏まず部分を通るように計測した値であるが、甲回り測定部50を構成する直線群52が出願人が見出した足長との割合と中心線との角度に従い形成されていて、かつ、巻付け部66を構成する折れ線64は、中心線に対して上記の角度に形成されて、角度U2を71〜81度にして測定できるので、それに極めて近い値を得ることができる。特に、巻き付けたメジャー部250の側面視における本体領域部5に対する角度により甲回りの測定値は大きく変動するので、上記のようにメジャー部250を巻き付ける角度U2を特定することにより、正確に甲回りを測定することができる。測定した甲回りの値は、記入欄68に記入する。
また、左足についても、右足の場合と同様に測定を行う。なお、踵当て部70の組立てに当たっては、測定具本体部1Aの裏側の面(つまり、足型表示部110と、足長測定部120と、足囲測定部140と、甲回り測定部150等が設けられている面)を上側にして組立てを行なう。
また、足囲の測定や、甲回りの測定に際しては、本体領域部5の裏側の面は、表側の面とは左右対称に形成されているので、メジャー部の取付けは、上記右足の場合と比べて左右対称に行う。
そして、測定した値を問診票・カルテ表示部204に記入し、他の記入箇所にも記入を行う。記入の完了した問診票・カルテ表示部204は、主として、靴のオーダーメイドに使用する。また、はがき部210は、郵送によってオーダーメイドをする場合に使用する。
上記構成の足サイズ測定具1によれば、足囲測定部40や甲回り測定部50が上記のように構成されていて、特に、足囲測定部40を構成する直線群42が本願の発明者が見出した足長との割合と中心線との角度に従い形成されており、また、甲回り測定部50を構成する直線群52が出願人が見出した足長との割合と中心線との角度に従い形成されているので、極めて正確に足囲と甲回りを測定することができる。
また、甲回り測定部50には、巻付け部66が設けられていて、メジャー部は巻付け部66に設けられた開口部に挿通されているので、メジャー部を足に巻くと、巻付け部66が立ち上がって、足の土踏まずの下側に空間を形成しつつ足に巻き付く。これにより、巻付け部が立ち上がって、足の土踏まずの下側に空間を形成しつつ足に巻き付く。これにより、靴の内壁の径を設定する場合に、通常足の土踏まずの下側に空間を形成するが、この空間を考慮して甲回りを測定することができ、より適切に甲回りを測定することができる。
また、甲回り測定部50においては、巻付け部66を構成する折れ線64は、中心線に対して上記の角度に形成されて、角度U2を71〜81度にして測定できるので、甲回りを正確に測定することができる。
また、上記構成の足サイズ測定具1においては、踵当て部70が設けられているので、足長、足囲、甲回りの測定に際して基点となる踵点G(厳密には、踵点Gを含む折れ線S1のライン)に踵の後端を正確に位置させることができ、足長、足囲、甲回りの測定を正確に行うことができる。特に、上記特許文献1におけるように踵点Gの位置に電話帳等の硬い部材をおいて測定する場合には、踵が硬い部材の側面に押されてへこんでしまい、踵を正確に踵点に位置させることができないが、本実施例の場合には、垂直板部76に踵を強く押さえると、その分足サイズ測定具1が移動するので、踵を垂直板部76に対してソフトなタッチで接した状態とすることができ、これにより、踵を踵点Gに正確に位置させて、足長、足囲、甲回りの測定を正確に行うことができる。
また、踵当て部70は、底面板部72と、傾斜板部74と、垂直板部76と、水平板部78とを筒状にして、垂直板部80と垂直板部82を掛止するのみで、組み立てることができるので、踵当て部70の組立てを非常に容易に行うことができる。
なお、上記の説明においては、足サイズ測定具1は、紙材により形成されているとして説明したが、他の素材(例えば、樹脂)により形成されたものでもよい。
また、上記のように、上記の足囲測定部40の直線群42における各直線を形成するための足長に対する割合(M1%)や、中心線に対する角度(α1、α2)や、上記の甲回り測定部50の直線群52における各直線を形成するための足長に対する割合(M2%)や、中心線に対する角度(β1、β2)は、出願人が試行錯誤を重ねながら足囲や甲回りを正確に測定するために見出したものであるが、この足長に対する割合や中心線に対する角度を用いることにより、CADによる木型の作成に応用することが可能である。つまり、CADにより木型を作成する場合には、足長と、足囲と、ヒールの高さ等のデータを入力するが、その際、足囲を設定する位置と角度を上記足長に対する割合や中心線に対する角度に設定することにより、木型の作成に応用することができる。
なお、上記踵当て部70は、上記のように組み立てる構成のものであるとして説明したが、予め成形されたものでもよい。すなわち、図14に示す足サイズ測定具1’は、本体領域部5と、踵当て部70’とを有していて、本体領域部5には、上記の場合と同様に、足型表示部10と、足長測定部20と、足囲測定部40と、甲回り測定部50と、記入欄68とを有しており、本体領域部5は、図1等に示す本体領域部5と同様の構成である。
そして、踵当て部70’は、垂直板部300と、垂直板部302と、垂直板部304と、補強板部306と、補強板部308とを有し、本体領域部5と一体に成形された構成となっている。
すなわち、垂直板部300は、本体領域部5の下端から垂直に立設している板状部材であり、この垂直板部300は、本体領域部5側に中心線30に対して垂直な面を有して、中心線30は、この垂直板部300に対して垂直となっている。つまり、図1の例に対応させて説明すれば、境界線S1の位置に垂直板部300が設けられているといえる。
また、垂直板部302は、本体領域部5の台形形状の踵側の領域の一方の側辺から本体領域部5に対して立設されていて、垂直板部300と接続されている。また、垂直板部304は、本体領域部5の台形形状の踵側の領域の他方の側辺から本体領域部5に対して立設されていて、垂直板部300と接続されている。つまり、図1の例に対応させて説明すれば、折れ線S12の位置に垂直板部302が設けられ、折れ線S22の位置に垂直板部304が設けられているといえる。
また、補強板部306は、垂直板部302の端部に連設され、本体領域部5の台形形状の領域を除く下端辺部の一方から立設しており、略三角形状の板状を呈している。この補強板部306は、垂直板部302を補強するためのものである。また、補強板部308は、垂直板部304の端部に連設され、本体領域部5の台形形状の領域を除く下端辺部の他方から立設しており、略三角形状の板状を呈している。この補強板部308は、垂直板部304を補強するためのものである。つまり、図1の例に対応させて説明すれば、ミシン目S11の位置に補強板部306がが設けられ、ミシン目S21の位置に補強板部308が設けられているといえる。
なお、この足サイズ測定具1’の素材としては、紙材でもよいが、他の素材でもよく、例えば、樹脂としてもよい。ただし、巻付け部66が湾曲する必要があるので、軟弱性のある樹脂とする必要がある。また、足サイズ測定具1’を硬質の樹脂により形成する場合は、巻付け部1’を他の湾曲可能な部材で形成する必要がある。
また、図14に示す例は、右足用の足サイズ測定具であるので、左足用についても同様に踵当て部を図14に示すように予め成形された状態に構成する。