JP2008206683A - 表皮一体ヘッドレストとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性を高く維持しつつ、注入開口からの発泡樹脂の漏れを確実に防止する。
【解決手段】袋状の表皮体1の注入開口12には、互いに対向する第1折り返し部13と第2折り返し部14をもち、第1折り返し部13の近傍に形成されたステー孔15と第2折り返し部14に形成された第1貫通孔16にステー3の脚部30を挿通した状態で、注入開口12から発泡樹脂を注入して発泡成形する。
ステー3によって第2折り返し部14が第1折り返し部13に近接するように付勢されるため、第2折り返し部14が注入開口12を開くような変形が生じにくい。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車座席に着脱可能に設置されるヘッドレストとその製造方法に関する。本発明のヘッドレストは、袋状に縫製された表皮体と、表皮体の袋内部を充填し表皮体と一体的に接合された発泡成形体と、発泡成形体に一体的に埋設され表皮体に形成された一対のステー孔から一対の脚部が突出するステーと、からなる。
自動車の一般的なヘッドレストは、略コ字状のステー又は補強用の芯材がステーと一体になったものを内部に有し、表面に表皮が被覆された発泡成形体から形成されている。ステーからは一対の脚部が発泡成形体及び表皮を貫通して延び、その脚部がシートバックの頂部の保持穴に挿入保持されて用いられる。
このヘッドレストの製造方法としては、ステー又は芯材一体ステーを成形型内に配置して発泡成形体を形成し、その後別に形成された袋状の表皮体を被覆する方法がある。しかし表皮体を後から被覆する場合は、ヘッドレスト形状に制約を受けることもあり、表皮との一体感を保つためには、袋状の表皮体の袋内部にステーを挿入したステー挿入表皮体を成形型内に配置し、表皮体の袋内部に発泡樹脂を注入して発泡成形体を一体的に発泡成形する方法が主流となっている。
この表皮一体発泡成形方法では、予め縫製などで形成された袋状の表皮体を成形型内に配置する。表皮体には注入口となる開口とステー孔が形成され、ステーが予めそのステー孔から表皮体内に挿入されている。そして開口から表皮体の袋内部に発泡樹脂を注入し、開口を塞いで発泡成形する。発泡樹脂は発泡して体積が増大し、その圧力で表皮体は型面に押圧されて賦形され、表皮体内が発泡成形体で充填される。またステーも発泡成形体に一体的に保持される。したがって工数が小さく、高い形状精度が得られるので優れた製造方法といえる。
しかしながら、表皮体には注入のための開口が必要であり、発泡成形時にその開口から発泡樹脂が漏れて意匠表面に付着するのを防止する必要がある。そこで例えば特開平05−278048号公報あるいは特開平07−223226号公報に記載されているように、注入開口に内部へ曲折して対向し互いに当接する一対の折り返し部を設ける方法が知られている。このようにすれば、発泡圧力により一対の折り返し部は互いに近接するように押圧されて圧接するため、注入開口を閉じることができ樹脂漏れを防止することができる。
ところが上記公報に記載の技術では、折り返し部が袋内部へ突出する長さや発泡樹脂の発泡速度のバラツキなどにより、発泡樹脂が一対の折り返し部の間に進入して注入開口から漏れる場合がある。
そこで特開平09−108066号公報には、折り返し部の一方のみを内側に折り返し縫いし、注入開口の両端で他方の折り返し部を一方の折り返し部に一体に縫製した表皮体を用いる技術が提案されている。このような表皮体を用いれば、注入ノズルを引き抜いた後に、張力によって他方の折り返し部が内側に折り返し縫いされた一方の折り返し部に当接するように変形するので、発泡樹脂の漏れを防止することができる。また皮革などの必要量が増えることもない。
しかし特開平09−108066号公報に記載のヘッドレストでは、折り返し縫いした部分の縫製部が表出するために意匠面で不具合があり、またその縫製部に発泡樹脂が含浸固化したり、折り返し部と表皮体の裏面との間に発泡樹脂が進入しにくいために非充填部が生じたりする場合があり、触感が他の部分と異なるという問題もある。
また特開平09−155889号公報には、一方の折り返し部をさらに内側に折り返して断面略コ字形状とし、その折り返し部と表皮とにステーを貫通させたヘッドレストが提案されている。このヘッドレストによれば、ステーによって注入開口部の表皮の剛性が向上し密閉性が向上する。しかし他方の折り返し部の剛性が向上するわけではなく、発泡樹脂が一対の折り返し部どうしの間に進入するのを完全に回避することは困難である。
特開平09−108066号 特開平09−155889号
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、意匠性を高く維持しつつ注入開口からの発泡樹脂の漏れを確実に防止することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の表皮一体ヘッドレストの特徴は、中表に合わせられて縫製された袋状の表皮体と、表皮体の袋内部を充填し表皮体と一体的に接合された発泡成形体と、一対の脚部をもつ略コ字状をなし発泡成形体に一体的に埋設され表皮体に形成された一対のステー孔から一対の脚部が突出するステーと、を含む表皮一体ヘッドレストであって、
表皮体は第1表皮の一部が袋状の表皮体内へ折り返された第1折り返し部と第2表皮の一部が袋状の表皮体内へ折り返された第2折り返し部とが対向することによって注入開口を形成し、第1表皮は第1折り返し部の近傍に第1表皮の表裏を貫通するステー孔をもち第2表皮は第2折り返し部に第2折り返し部の表裏を貫通する第1貫通孔をもち、
少なくとも一方の脚部が袋内部から第1貫通孔及びステー孔を貫通して表皮体の外部へ突出し、第2折り返し部が第1折り返し部と共に第1表皮の裏面に近接していることにある。
また本発明の表皮一体ヘッドレストの製造方法の特徴は、袋状の表皮体の内部に一対の脚部が表皮体に形成された一対のステー孔から外部へ突出した状態で配置された略コ字状のステーをもつステー挿入表皮体を成形型内に配置し、表皮体の袋内部に発泡樹脂を注入して発泡成形することで表皮一体ヘッドレストを製造する方法において、
表皮体は第1表皮の一部が袋状の表皮体内へ折り返された第1折り返し部と第2表皮の一部が袋状の表皮体内へ折り返された第2折り返し部とが対向することによって注入開口を形成し、第1表皮は第1折り返し部の近傍に第1表皮の表裏を貫通するステー孔をもち第2表皮は第2折り返し部に第2折り返し部の表裏を貫通する第1貫通孔をもち、
第2折り返し部を第1表皮に近接する方向へ変形させ、ステーの脚部の少なくとも一方を袋内部から第1貫通孔及びステー孔へ挿通したステー挿入表皮体を成形型に配置し、注入開口から発泡樹脂を注入して発泡成形することにある。
第1折り返し部と第2折り返し部の袋状の表皮体内への突出深さは、第2折り返し部の方が第1折り返し部より長いことが望ましい。
また第1折り返し部には第1折り返し部の表裏を貫通する第2貫通孔が形成され、脚部は第1貫通孔、第2貫通孔、ステー孔の順に貫通して外部へ突出していることが好ましい。この場合、第1貫通孔及び第2貫通孔は、第1折り返し部と第2折り返し部の端部に同軸に形成され、第1折り返し部と第2折り返し部とは第1貫通孔及び第2貫通孔を囲むように共縫いされていることが望ましい。
本発明の表皮一体ヘッドレストの製造方法では、ステーの脚部が表皮体の袋内部で第1貫通孔へ挿通され、さらに第1表皮の裏面側からステー孔へ挿通されることで、ステーの脚部が外部へ突出した、ステー挿入表皮体を用いている。このステー挿入表皮体では、ステーによってステー孔と第1貫通孔とが強制的に略同一中心軸とされている。そのため第2折り返し部は第1折り返し部と共に第1表皮の裏面に近接するようにステーによって付勢され、第1折り返し部は第1表皮の裏面に近接するように第2折り返し部によって付勢される。したがって第2折り返し部が注入開口を開くように変形しにくくなるので、発泡成形時に注入開口から発泡樹脂が漏れるのを防止することができ、不良率を低減することができる。
そして本発明の製造方法で製造されたヘッドレストによれば、注入開口からの樹脂漏れがなく、縫い目の表出あるいは縫い目への樹脂含浸による固化もないので、外観及び感触がよい。
さらに第1貫通孔は第2折り返し部に形成されるが、第1貫通孔の形成部分は従来は端切れとして廃棄されていた部分であり、コストが上昇することが無い。
表皮体は、複数の表皮(裁断ピース)が縫製された袋状をなしている。複数の表皮は中表に合わせられて縫製された後に注入開口から反転されている。そして注入開口では、第1表皮が袋状の表皮体内へ折り返された第1折り返し部と、第2表皮が袋状の表皮体内へ折り返された第2折り返し部とが対向している。
表皮体は、触感がよいものであることが望ましいので、編物、織布、不織布、皮革などからなる表皮と、表皮の裏面側に積層されたスラブウレタンなどからなるバッキング層と、からなるものが一般に使用される。表皮とバッキング層とは互いに接合されていることが望ましい。またバッキング層は、その表面(袋状の空間に対向する表面)にフィルム層を有することが望ましい。フィルム層によってバッキング層への発泡樹脂の含浸を防止することができ、固化による触感の悪化を防止することができる。
第1表皮は、第1折り返し部の近傍に第1表皮の表裏を貫通するステー孔を有している。また第2折り返し部は、第2折り返し部の表裏を貫通する第1貫通孔を有している。このステー孔及び第1貫通孔には、ステーの脚部が挿通される。したがって少なくともステー孔の孔径はステーの脚部の外径より直径を小さくし、ステー孔の内周表面が脚部に弾接するように構成することが望ましい。これによりステー孔とステーの脚部との間からの樹脂漏れを防止することができ、第1表皮の意匠性が損なわれることがない。また第2折り返し部に形成された第1貫通孔の孔径は、ステー孔の孔径より大きくすることが好ましい。このようにすることで、ステー挿入時の作業性が向上する。
ステーは、一般には互いに平行な一対の脚部を有するものであり、2本の脚部が別体のもの、2本の脚部が一端で直接的又は間接的に結合されたもの、のいずれも用いられる。例えば互いに平行な一対の脚部の一端部どうしが1本の橋部で連結された略コ字形状のものがある。また材質は、一般に金属製のものである。略コ字状のステーの場合には、橋部とその近傍の脚部が表皮内で発泡成形体に保持される。そして第1表皮に形成されたステー孔から脚部が突出し、一対の脚部のそれぞれの端部がシートバックの頂部に形成された穴に挿入されて使用される。
ステー孔は、第1折り返し部の近傍に一対形成される。第2折り返し部に形成された第1貫通孔は、注入開口の片側の一方にのみ形成されていてもよいが、注入開口を挟む両側にそれぞれ形成されていることが望ましい。これにより注入開口からの発泡樹脂の漏れをさらに確実に防止することができる。
このような表皮体を用い、例えば略コ字状のステーを表皮体に挿入する場合、先ず一方の脚部が表皮体の表面側から一方のステー孔へ挿入され、次いで袋内部で一方の第1貫通孔に挿入される。さらに他方の第1貫通孔に挿入した後に表皮体の裏面側から他方のステー孔へ挿入し、そのまま一方の脚部を引っ張って移動させることで、他方の脚部が一方の第1貫通孔及びステー孔に挿通された状態となる。
この状態では、ステーの脚部によってステー孔と第1貫通孔とが強制的に略同一中心軸とされている。そのため第2折り返し部は第1折り返し部と共に第1表皮の裏面に近接するようにステーによって付勢され、第1折り返し部は第1表皮の裏面に近接するように第2折り返し部によって付勢される。したがって注入開口が開きにくくなるので、発泡成形時に注入開口から発泡樹脂が漏れるのを防止することができ、不良率を低減することができる。
袋状の表皮体内部への突出深さは、第2折り返し部の方が第1折り返し部より長いことが望ましい。このようにすれば、発泡樹脂の発泡圧力によって第2折り返し部が第1折り返し部の端部を覆うように変形し易いので、注入開口からの樹脂漏れをさらに防止することができる。
第1折り返し部には第1折り返し部の表裏を貫通する第2貫通孔が形成され、ステーの脚部は袋内部から第1貫通孔、第2貫通孔、ステー孔の順に貫通して外部へ突出していることもできる。この場合には、第2貫通孔及び第1貫通孔は第1折り返し部と第2折り返し部の両端部に形成され、第1折り返し部と第2折り返し部とは第1貫通孔及び第2貫通孔を囲むように共縫いされていることが望ましい。
このようにすることで、第1折り返し部と第2折り返し部とが一体となるため剛性が高まる。またそれぞれ一対の各貫通孔が形成されている場合には、第1折り返し部と第2折り返し部とは、注入開口を挟む両側が縫製されているので、注入開口が閉じやすい。したがってステーの脚部による強制的な付勢による効果が高まり、樹脂漏れをさらに防止することができる。さらに、剛性が高まることで第1折り返し部と第1表皮との間に隙間が生じ易くなって発泡樹脂が進入し易くなり、空気の残留による触感不良を防止することができる。
本発明の製造方法では、袋状の表皮体に上記のようにしてステーを挿入する。また芯材を含む場合には、注入開口から芯材を挿入してステーと結合する。このステー挿入表皮体を成形型内に配置する。次に注入開口に注入ノズルを挿入し、注入ノズルから所定量の発泡樹脂を表皮体内に注入する。そして注入開口から注入ノズルを抜き、発泡樹脂を発泡させる。
このようにして発泡樹脂を発泡させることで、第1折り返し部は第1表皮に向かってステーによって付勢され、第2折り返し部は第1折り返し部に向かってステーによって付勢された状態で発泡成形される。したがって第2折り返し部が注入開口を開くように変形しにくくなるので、注入開口からの発泡樹脂の漏れを防止することができる。
形成される発泡成形体は、ステーを埋設し、一般に軟質で触感が良好である。そしてステー及び表皮体は発泡成形体と一体的に接合しているので、一体感があり、使用時に表皮に皺が生じるような不具合もない。この発泡樹脂としては、発泡ウレタン樹脂が代表的なものであるが、発泡ウレタン樹脂に制限されるものではない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1〜図3に本実施例で製造されたヘッドレストを示す。このヘッドレストは、軟質の表皮体1と、表皮体1内を充填する発泡成形体2と、発泡成形体2内に埋設されたステー3と、から構成されている。表皮体1は、複数の裁断ピースが縫製により立体化され、意匠表面が表出する袋状をなしている。発泡成形体2は発泡ウレタン成形品からなり、軟質で触感に優れている。またステー3は金属製であり、一対の脚部30、31と、脚部30及び脚部31を連結する橋部32と、をもつ略コ字形状をなしている。そして発泡成形体2は、表皮体1、ステー3と一体的に接合されている。
このような断面略L字形状をなすヘッドレストではL字の外側が意匠面となるので、注入開口は目立ちにくいL字の内側で、ステー3が表皮体1から突出する部位に形成される。したがって注入開口12から第1表皮10又は第2表皮11までの距離が短く、注入開口部へ注入後まもなく発泡ウレタン樹脂が到達するため、注入開口12が確実に閉じることができずに注入開口12から発泡ウレタン樹脂が特に漏れ易いという不具合があった。
表皮体1は、図3に示すように、ファブリック製の表皮層Aと、表皮層Aの裏面に接合されたスラブウレタン製のバッキング層Bと、バッキング層Bの表面に一体的に形成されたフィルム層Cと、から構成されている。
表皮体1は、図2及び図4〜図5に示すように、中表に合わせられて縫製され、第1表皮10及び第2表皮11を有している。第1表皮10が折り返された第1折り返し部13と、第2表皮11が折り返された第2折り返し部14とが互いに対向し、注入開口12が形成されている。
図4に要部を拡大して示すように、第1表皮10には第1折り返し部13の近傍に第1表皮10の表裏を貫通する一対のステー孔15が形成され、第2表皮11の第2折り返し部14には第2表皮11の表裏を貫通する一対の第1貫通孔16が形成されている。ステー孔15の孔径はステー3の脚部30、31の外径より小さく、第1貫通孔16の孔径はステー3の脚部30、31の外径とほぼ同等である。
第2折り返し部14は、袋状の内部への突出長さが第1折り返し部13より長く形成されている。そして図5に要部を拡大して示すように、第1折り返し部13と第2折り返し部14とは、第1貫通孔16の周囲を共縫いされた折り返し縫製部17をもち、その一対の折り返し縫製部17の間で、第1折り返し部13と第2折り返し部14との間にスリット状の注入開口12が形成されている。
ステー3の一対の脚部30、31は、図2に示すように、袋内部側から外部側へ向かってそれぞれ、先ず第1貫通孔16に挿通され、その後ステー孔15に挿通されて、表皮体1の外部へ突出している。したがって脚部30、31によって、ステー孔15と第1貫通孔16は強制的に略同一中心軸とされ、第1折り返し部13及び第2折り返し部14は第1表皮10に向かって近接した状態となっている。
以下、このヘッドレストの製造方法を説明する。
この表皮体1は、第1表皮10と第2表皮11を含む複数の裁断ピースからなり、複数の裁断ピースを表皮層Aを内側としフィルム層Cを外側とする中表に併せて、折り返し縫製部17を含む縫製部で縫製して袋状とする。これを注入開口12から反転させることで、表皮層Aを外側とする表皮体1とされる。
次にステー3を用意し、図6に要部を拡大して示すように、先ず一方の脚部30を一方のステー孔15から挿入し、次いで一方の第1貫通孔16に挿入する。その後、脚部30は袋状の表皮体1内を移動し、他方の第1貫通孔16' に挿通された後に他方のステー孔15' に挿通される。
そしてステー孔15から外部へ突出した脚部30を引っ張ることでステー3を移動させ、橋部32を中心に位置させて、一対の脚部30、31が表皮体1から左右対称に突出した状態とする。
こうして得られたステー挿入表皮体は、図7に示すように発泡成形型4内に配置される。このとき注入開口12の位置に、発泡成形型4の注入口40が位置する。そして図示しないノズルが注入口40から注入開口12に挿入され、所定量の発泡ウレタン樹脂が表皮体1の内部に注入される。その後ノズルが引き抜かれ、注入口40が図示しない栓部材で塞がれて、発泡成形が行われる。発泡ウレタン樹脂は発泡によって膨張し、その圧力で表皮体1は発泡成形型4の型面に押圧されて所定形状に賦形される。こうして表皮体1及びステー3と一体的に接合された発泡成形体2が形成される。
第2折り返し部14は、図7にも示すように、脚部30、31からの付勢によって第1表皮10に向かって近接した状態となっている。したがって発泡成形時においては、発泡圧力は第2折り返し部14が第1表皮10にさらに近接する方向に作用する。また第1折り返し部13と第2折り返し部14とは、折り返し縫製部17によって両端で結合され、第2折り返し部14は袋状の内部への突出長さが第1折り返し部13より長く形成されている。したがって発泡圧力によって、第2折り返し部14は第1折り返し部13にさらに近接する方向、つまり注入開口12を閉じる方向に付勢されることとなり、注入開口12から発泡ウレタン樹脂が漏れるのを確実に防止することができる。
なお、発泡成形の場合には、注入開口から注入された発泡ウレタン樹脂は一旦底面に溜まり、底面から上方に向かって膨張する。ところが本実施例のような断面L字形状のヘッドレストにおいて、図7に示す発泡成形型4を用いて発泡成形する場合には、底面から注入開口12までの距離が短いために、注入後まもなく発泡ウレタン樹脂が注入開口12に到達し易く樹脂漏れが特に生じ易い。
しかし本実施例の製造方法によれば、発泡樹脂の膨張の力は第2折り返し部14が第1折り返し部13及び第1表皮10に近接する方向に作用し易いので、注入開口12を確実に閉じることができ発泡ウレタン樹脂の漏れを確実に防止することができる。
(実施例2)
図8に示す本実施例のヘッドレストは、第1折り返し部13にその表裏を貫通する一対の第2貫通孔18が形成されていること、折り返し縫製部17の構成が異なること以外は実施例1と同様の構成である。したがって実施例1と同様の構成の部分は、実施例1と同一の符合を付けて説明する。
図9に要部を拡大して示すように、第1表皮10の第1折り返し部13には、第1貫通孔16と同様の一対の第2貫通孔18が形成されている。ステー孔15の孔径はステー3の脚部30、31の外径より小さく、第1貫通孔16及び第2貫通孔18の孔径はステー3の脚部30、31の外径とほぼ同等である。
第2折り返し部14は、袋状の内部への突出長さが第1折り返し部13より長く形成されている。そして図10に要部を拡大して示すように、第1折り返し部13と第2折り返し部14とは、第1貫通孔16及び第2貫通孔18の周囲を共縫いされた折り返し縫製部17をもち、その一対の折り返し縫製部17の間で、第1折り返し部13と第2折り返し部14との間に注入開口12が形成されている。
このヘッドレストを製造するには、図11に要部を拡大して示すように、先ず一方の脚部30を一方のステー孔15から挿入し、次いで第2貫通孔18及び第1貫通孔16に挿入する。第1貫通孔16及び第2貫通孔18は折り返し縫製部17の内側に形成され、剛性が高い。そのため表皮体1の外側からその位置を容易に把握することができ、脚部30の挿入を容易に行うことができる。その後、脚部30は袋状の表皮体1内を移動し、他方の第1貫通孔16' 及び第2貫通孔18' に挿通された後に他方のステー孔15' に挿通される。この時も、第1貫通孔16' 及び第2貫通孔18' の位置を表皮体1の外側から容易に把握することができ、脚部30の挿入を容易に行うことができる。
第1折り返し部13及び第2折り返し部14は、脚部30、31からの付勢によって第1表皮10に向かって近接した状態となっている。したがって発泡成形時においては、発泡圧力は第2折り返し部14が第1表皮10にさらに近接する方向に作用する。また第1折り返し部13と第2折り返し部14とは、折り返し縫製部17によって両端で結合され、第2折り返し部14は袋状の内部への突出長さが第1折り返し部13より長く形成されている。これにより発泡成形時には、第2折り返し部14は第1折り返し部13に近接する方向、つまり注入開口12を閉じる方向に付勢されることとなり、注入開口12から発泡ウレタン樹脂が漏れるのを確実に防止することができる。
本発明の一実施例に係るヘッドレストの斜視図である。 本発明の一実施例に係るヘッドレストの断面図である。 本発明の一実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体の要部断面図である。 本発明の一実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体の要部分解斜視図である。 本発明の一実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体の要部斜視図である。 本発明の一実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体にステーを挿入する方法を示す説明図である。 本発明の一実施例に係るヘッドレストの製造方法を示し、ステー挿入表皮体を成形型に配置した状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施例に係るヘッドレストの断面図である。 本発明の第2の実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体の要部分解斜視図である。 本発明の第2の実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体の要部斜視図である。 本発明の第2の実施例に係るヘッドレストに用いた表皮体にステーを挿入する方法を示す説明図である。
符号の説明
1:表皮体 2:発泡成形体 3:ステー
10:第1表皮 11:第2表皮 12:注入開口
13:第1折り返し部 14:第2折り返し部 15:ステー孔
16:第1貫通孔 30、31:脚部

Claims (8)

  1. 中表に合わせられて縫製された袋状の表皮体と、
    該表皮体の袋内部を充填し該表皮体と一体的に接合された発泡成形体と、
    一対の脚部をもつ略コ字状をなし該発泡成形体に一体的に埋設され該表皮体に形成された一対のステー孔から一対の該脚部が突出するステーと、を含む表皮一体ヘッドレストであって、
    該表皮体は第1表皮の一部が袋状の該表皮体内へ折り返された第1折り返し部と第2表皮の一部が袋状の該表皮体内へ折り返された第2折り返し部とが対向することによって注入開口を形成し、該第1表皮は該第1折り返し部の近傍に該第1表皮の表裏を貫通する該ステー孔をもち該第2表皮は該第2折り返し部に第2折り返し部の表裏を貫通する第1貫通孔をもち、
    少なくとも一方の該脚部が袋内部から該第1貫通孔及び該ステー孔を貫通して該表皮体の外部へ突出し、該第2折り返し部が該第1折り返し部と共に該第1表皮の裏面に近接していることを特徴とする表皮一体ヘッドレスト。
  2. 前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の袋状の該表皮体内への突出深さは該第2折り返し部の方が該第1折り返し部より長い請求項1に記載の表皮一体ヘッドレスト。
  3. 前記第1折り返し部には前記第1折り返し部の表裏を貫通する第2貫通孔が形成され、前記脚部は前記第1貫通孔、該第2貫通孔、前記ステー孔の順に貫通して外部へ突出している請求項1に記載の表皮一体ヘッドレスト。
  4. 前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の端部に同軸に形成され、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部とは前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を囲むように共縫いされている請求項3に記載の表皮一体ヘッドレスト。
  5. 袋状の表皮体の内部に一対の脚部が該表皮体に形成された一対のステー孔から外部へ突出した状態で配置された略コ字状のステーをもつステー挿入表皮体を成形型内に配置し、該表皮体の袋内部に発泡樹脂を注入して発泡成形することで表皮一体ヘッドレストを製造する方法において、
    該表皮体は第1表皮の一部が袋状の該表皮体内へ折り返された第1折り返し部と第2表皮の一部が袋状の該表皮体内へ折り返された第2折り返し部とが対向することによって注入開口を形成し、該第1表皮は該第1折り返し部の近傍に該第1表皮の表裏を貫通する該ステー孔をもち該第2表皮は該第2折り返し部に該第2折り返し部の表裏を貫通する第1貫通孔をもち、
    該第2折り返し部を該第1表皮に近接する方向へ変形させ、該ステーの脚部の少なくとも一方を袋内部から該第1貫通孔及び該ステー孔へ挿通した該ステー挿入表皮体を成形型に配置し、該注入開口から発泡樹脂を注入して発泡成形することを特徴とする表皮一体ヘッドレストの製造方法。
  6. 前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の袋状の該表皮体内への突出深さは該第2折り返し部の方が該第1折り返し部より長い請求項5に記載の表皮一体ヘッドレストの製造方法。
  7. 前記第1折り返し部には前記第1折り返し部の表裏を貫通する第2貫通孔が形成され、前記脚部は前記第1貫通孔、該第2貫通孔、前記ステー孔の順に貫通して外部へ突出している請求項5に記載の表皮一体ヘッドレストの製造方法。
  8. 前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の端部に同軸に形成され、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部とは前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を囲むように共縫いされている請求項7に記載の表皮一体ヘッドレストの製造方法。
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