JP3917294B2 - ヘッドレストとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用シートに備えるヘッドレスト、詳しくは、袋状に縫製した底部にステー装着用の開口部を左右方向に有する表皮内に、パッド成形用の発泡液を注入してパッドを表皮と一体に発泡成形してなるヘッドレストとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のヘッドレストにおけるステー装着用の開口部は、逆U字状のステーの左右両脚部間の幅以上に形成されているため、この開口部から表皮内に注入した発泡液が外部に漏出しないように種々の対策がなされている。
【0003】
例えば、開口部の端縁に、相互に重なり合う覆片を設け、この覆片を重ね合わせた部分に流入する発泡液で接着することにより、開口部を塞ぐようにしている(特公平5ー35052号公報)。
【0004】
一方、ヘッドレストには底部が平坦状でなく、下方に湾曲状に突出している複雑な形態ものがあり、このヘッドレストにも当然ステーの脚部が底部から突出するように取付けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、底部が平坦状でないヘッドレストにおいては、前述の如く、開口部の端縁に重なり合う覆片によって開口部を塞ぐことができない。これは覆片にたるみ、皺が生じ、このたるみ、皺の部分より内部に注入した発泡液が漏出するためである。
【0006】
そこで、本発明は底部が平坦状でない袋状に縫製した表皮内にパッド成形用の発泡液を注入してパッドを表皮と一体に発泡成形してなるヘッドレストにおいて、底部に有するステー装着用の開口部から、表皮内に注入した発泡液が外部に漏出することがないようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明は、表皮を袋状に縫製すると共に底部を下方に向けて弧状に突出形成し、その底部にステー装着用の開口部を左右方向に有する表皮内に、パッド成形用の発泡液を注入してパッドを表皮と一体に発泡成形してなるヘッドレストにおいて、
前記開口部の前、後端縁に、各々表皮の内部方向で、表皮の底部内側面に沿うように重ねる前、後一対の舌状片を延設し、該各々の舌状片に、平面状の樹脂製の弾性プレートを縫着し、該弾性プレートを表皮の弧状の底部内面に沿って湾曲させることにより、該弾性プレートの弾性により、前、後舌状片を接合して開口部を閉口してなることを特徴とするものである。
【0009】
更に、前記弾性プレートを有する舌状片の先端側と前記表皮の底部に、発泡液注入用の注入ノズルを差込む注入孔を開孔することにより、表皮の底部に設けた注入孔側に舌状片の先端側が接合でき、表皮の底部に設けた注入孔からの発泡液の漏出を防止できる。
【0011】
また、注入ノズルの先端部に引掛突起を設け、この引掛突起によって前記前、後一対の舌状片と弾性プレートを表皮の底部内面側に接合した後、表皮内に注入ノズルより発泡液を注入してパッドを発泡することを特徴とすることにより、舌状片と弾性プレートとを弧状の表皮の底部内面側に密接でき、表皮内に注入した発泡液の漏出を完全に防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るヘッドレスト(A)を示し、図中(1)は袋状に縫製した表皮で、この表皮(1)は柔軟性を有する表地と、この表地の裏面に一体に設けたウレタンフォームのスラブ材製ワディングからなる裏地などの積層体から構成されている。
【0013】
(2)はヘッドレスト(A)のステーを示し、その一部である左右の両脚部(20)(20)がヘッドレスト(A)の底部より下方に露出しており、そして、この左右の両脚部(20)(20)間に有する開口部(O)は、後述する弾性プレート(5)(6)付の舌状片(12A)(13A)によって閉口されている。
【0014】
表皮(1)は、着座者の頭部が支持される前面部(10)、その左右に有する側面部(14)、裏面部(11)とヘッドレスト(A)の底面を形成する底部(12)(13)とから構成されている。
【0015】
この底部(12)(13)は、前布地(12)と後布地(13)とからなり、前布地(12)と後布地(13)は一体に縫製されておらず、この前布地(12)と後布地(13)の間を開口部(O)とし、この開口部(O)よりステー(2)を袋状の表皮(1)内に装着した後、表皮(1)内に発泡液を注入してパッドを表皮(1)に一体発泡している。
【0016】
以上のヘッドレスト(A)の底面は、下方に向けて弧状に突出しているため、前記表皮(1)の底部(12)(13)もそれに対応するように下方に向けて弧状に縫製されている。
なお、図中(12C)は、パッド成形用の発泡液の注入孔を示す。
【0017】
以上の開口部(O)は、図2に示すように閉口され、表皮(1)内に注入した発泡液の開口部(O)からの漏出を防止している。図中(3)は、発泡液によって発泡成形されたパッドを示す。
【0018】
開口部(O)の前、後端縁である前布地(12)に表皮(1)の内部方向に向けて前舌状片(12A)、また、後布地(13)に同様の後舌状片(13A)を各々延設して重ね合わせ、その前舌状片(12A)と後舌状片(13A)には、図4に示す可撓性を有する合成樹脂製の弾性プレート(5)(6)が一体に縫着されている。
【0019】
なお、この弾性プレート ( 5 )( 6 ) は図 4 に示すように、平面状に前舌状片 ( 12A ) 、後舌状片 ( 13A ) に縫着され、前舌状片 ( 12A ) 、後舌状片 ( 13A ) と共に表皮 ( 1 ) の底部内側に沿うように折曲させる。この弾性プレート5、6は図4に示すように湾曲して復元力が生じる平板状の合成樹脂で成形されている。そして、前記前舌状片 ( 12A ) 、後舌状片 ( 13A ) は表皮 ( 1 ) の底部内側面に沿うように重ねる。
【0021】
しかし、図示するが如く、前、後舌状片(12A)(13A)に上下方向に対応するように各々弾性プレート(5)(6)を設けることにより、弾性プレートの復元力が倍加し、且つ、内側の弾性プレート(5)が剛性を有する外側の弾性プレート(6)部分を圧接するので、両弾性プレート(5)(6)間に位置する前、後舌状片(12A)(13A)が密接して発泡液の漏出を防止できる。
【0022】
前、後舌状片(12A)(13A)における表皮(1)の注入孔(12C)に対応する位置には、図3に示すように、注入ノズル(40)を差込む注入孔(12B)(13B)が開孔されている。
【0023】
図3は表皮(1)内にパッド成形用の発泡液を注入する前の状態を示し、ヘッドレスト(A)を製造する工程を説明すると、まず、表皮(1)の底部(12)(13)を構成する前布地(12)の前舌状片(12A)と後布地(13)の後舌状片(13A)との間に有する開口部(O)からステー(2)を表皮(1)内に装着してステー(2)の両脚部(20)(20)を表皮(1)内から外部に露出させる。
【0024】
然る後、注入器(4)のノズル(40)を表皮(1)の前布地(12)に有する注入孔(12C)、前舌状片(12A)の注入孔(12B)、後舌状片(13A)の注入孔(13B)に順次差し通す。
【0025】
その際、注入ノズル(40)には、その外周部に引掛突起(42)が設けてあるので、この引掛突起(42)が各注入孔(12C)(12B)(13B)に挿通できるように、各注入孔(12C)…を拡大して差し込む。この状態を図3に示す。
【0026】
なお、図3において、図中(41)は、注入ノズル(2)の先端に設けた発泡液の吐出口を示す。
【0027】
次に、注入ノズル(2)を差し込み方向に対して逆方向に引き、引掛突起(42)で前、後舌状片(12A)(13A)の先端側を前布地(12)の内面側に接合する。
【0028】
また、前、後舌状片(12A)(13A)の基端側は湾曲状態で縫製されている二枚の弾性プレート(5)(6)の復元力により、前布地(12)の内面側に圧接される。
【0029】
そのため、前布地(12)の内面側に、前、後舌状片(12A)(13A)の全体に接合すると共に、前、後舌状片(12A)(13A)間が密接するため、前記開口部(O)は完全に閉口され、発泡液の開口部(O)からの漏出が防止される。
【0030】
然る後、これを成形型内に収容して注入ノズル(40)から表皮(1)内にパッド成形用の発泡液を注入し、パッド(3)を成形し、その後に、注入ノズル(40)を引掛突起(42)と共に引き抜くと、図1、2に示すヘッドレスト(A)が製造される。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、開口部の前、後端縁に設けた前、後舌状片が弾性プレートの弾性により、皺、たるみなく接合して、ステー装着用の開口部を閉口することができる。そのため、湾曲状の底部を有する袋状の表皮内に発泡液を注入してパッドを発泡成形してなるヘッドレストにおいて、ステー装着用の開口部から外部に発泡液が漏出することがない。
【0032】
また、注入ノズルに引掛突起を設け、この引掛突起で前、後一対の舌状片を表皮の内面側に接合した後、表皮内に発泡液を注入することにより、開口部の閉口状態がより完全になり、開口部からの発泡液の漏出を完全に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッドレストの斜視図である。
【図2】図1のIIーII線断面図である。
【図3】本発明方法を説明する断面図である。
【図4】本発明に使用する弾性プレートを示す。
【符号の説明】
1 袋状に縫製した表皮
2 ステー
3 パッド
5 弾性プレート
6 弾性プレート
12 表皮の底部
13 表皮の底部
12A 前舌状片
13A 後舌状片
40 注入ノズル
42 引掛突起
Claims (3)
- 表皮を袋状に縫製すると共に底部を下方に向けて弧状に突出形成し、その底部にステー装着用の開口部を左右方向に有する表皮内に、パッド成形用の発泡液を注入してパッドを表皮と一体に発泡成形してなるヘッドレストにおいて、
前記開口部の前、後端縁に、各々表皮の内部方向で、表皮の底部内側面に沿うように重ねる前、後一対の舌状片を延設し、該各々の舌状片に、平面状の樹脂製の弾性プレートを縫着し、該弾性プレートを表皮の弧状の底部内面に沿って湾曲させることにより、該弾性プレートの弾性により、前、後舌状片を接合して開口部を閉口してなることを特徴とするヘッドレスト。 - 前記弾性プレートを有する舌状片の先端側と前記表皮の底部に、発泡液注入用の注入ノズルを差込む注入孔を開孔してなる請求項1記載のヘッドレスト。
- 注入ノズルの先端部に引掛突起を設け、この引掛突起によって前記前、後一対の舌状片と弾性プレートを表皮の底部内面側に接合した後、表皮内に注入ノズルより発泡液を注入してパッドを発泡することを特徴とする請求項1記載のヘッドレストの製造方法。
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1998
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