JP2004065735A - 表皮一体型成形品及びその成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外観性及び触感性に優れた安価な表皮一体型成形品及びその成形方法を提案する。
【解決手段】表皮体2の内側に折り込まれた表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包する。かかる構成とすることで、上記縫合部6部分が発泡樹脂材の発泡圧によって引き伸ばされて針孔8が拡大したとしても、この拡大部分が上記シート材5によって被包されることで発泡樹脂材の漏洩が防止されるとともに、該シート材5によって該縫合部6側への液状の発泡樹脂材の含浸が確実に防止され、さらに発泡樹脂材の漏洩に伴う後処理作業が不要となり、これらの相乗効果として、外観性及び触感性共に優れた商品価値が高く且つ安価な表皮一体型成形品を提供することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】表皮体2の内側に折り込まれた表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包する。かかる構成とすることで、上記縫合部6部分が発泡樹脂材の発泡圧によって引き伸ばされて針孔8が拡大したとしても、この拡大部分が上記シート材5によって被包されることで発泡樹脂材の漏洩が防止されるとともに、該シート材5によって該縫合部6側への液状の発泡樹脂材の含浸が確実に防止され、さらに発泡樹脂材の漏洩に伴う後処理作業が不要となり、これらの相乗効果として、外観性及び触感性共に優れた商品価値が高く且つ安価な表皮一体型成形品を提供することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、表皮体一体型成形品及びその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9には、従来一般的な表皮一体型の成形品1の一例として、車両用シートに備えられるヘッドレスト11を示している。このヘッドレスト11は、袋状に縫製された表皮体2内に、スティ部31と左右一対のポール部32,32とを備えた芯材3を上記ポール部32,32の先端側を外部へ突出させた状態で配置し、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させて該表皮体2内にコア材4を成形することで得られる。
【0003】
上記表皮体2は、上記ヘッドレスト11の胴部外周面を構成する第1表皮材2Aと側部外面を構成する左右一対の第2表皮材2B,2Bとを縫合してこれを袋状とした縫製品である。この場合、これら各表皮材2A,2Bは、共に、図10に示すように、表皮材外面を構成する布材21の内側に、緩衝用のスラブ材22と発泡樹脂材の漏洩防止用のフィルム材23とを順次ラミネートした三層構造とされている。かかる三層構造の各表皮材2A,2Bの周縁部を、図12に示すように、その布材21,21同士を衝合させた状態で縫合糸7を用いて縫合し、その縫合部6より端縁側部分をそれぞれ縫合縁部2Aa,2Baとする。そして、縫製後、上記各縫合縁部2Aa,2Baが内面側に折り込まれるように表裏反転させることで袋状の表皮体2が製作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、縫製状態における上記表皮体2は、上記各表皮材2A,2Bが自由状態であることから、図12に示すように、該各表皮材2A,2Bを貫通する針孔の周縁は縫合糸7の外周に密接している。
【0005】
ところが、上記表皮体2内に上記コア材4を形成すべく、該表皮体2内にコア材原料として液状の発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡させて該表皮体2内に充填させると、該発泡樹脂材の発泡圧によって上記各表皮材2A,2Bにはその面方向に張力が作用する。この張力は当然に上記各表皮材2A,2Bの縫合部6にも作用するため、該縫合部6においては、上記縫合糸7が通った針孔8部分を境として、該各表皮材2A,2Bがそれぞれ反対方向へ引張されて引き伸ばし作用を受ける。この縫合部6における上記各表皮材2A,2Bの引き伸ばし作用に伴って、上記針孔8は該各表皮材2A,2Bのそれぞれにおいて引き伸ばし方向に拡大され、その結果、上記表皮体2内で発泡している発泡樹脂材の一部がこの拡大した針孔8から外部へ漏洩して固化し、粒状の漏洩固結体9として縫合線に沿って点在することになる。
【0006】
この漏洩固化物9,9,・・は、ヘッドレスト11の外部に露出しその外観を損ねることから、成形完了後にこれを除去する必要があり、余分な作業工数がかかる分だけヘッドレスト11の成形コストが高くつくとか、発泡樹脂材の漏洩量が多い場合(即ち、上記漏洩固化物9の粒径が大きいとか漏洩固化物9の数が多い場合)にはヘッドレスト11そのものの廃棄処分を余儀なくされる、等の問題があった。
【0007】
また、上述のような発泡樹脂材の外部への漏洩にまで至らないまでも(即ち、上記針孔8が発泡樹脂材の漏洩に至るほどには拡大していない場合でも)、図13に示すように、上記各縫合縁部2Aa,2Baは上記縫合部6部分から上記表皮体2の内側へ折り込まれていることから、上記各表皮材2A,2Bがそれぞれフィルム材23をラミネートしているにも拘わらず、上記各表皮材2A,2Bの布材21及びスラブ材22が共に上記表皮体2の内側に露出し、上記表皮体2内に注入された発泡樹脂材がその液体状態においてこれらに含浸され、その結果、この含浸部分が他の部分よりも硬くなり、ヘッドレスト11全体として違和感を生じさせその商品価値の低下を招来すると言う問題もあった。
【0008】
そこで本願発明は、外観性及び触感性ともに優れ商品価値が高く、且つ成形コストが安価である表皮一体型成形品及びその成形方法を提案することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願の第1の発明では、表皮材2A,2Bを縫合してなる表皮体2と、該表皮体2の内側において発泡樹脂材を発泡充填させてなるコア材4とを備えた表皮一体型成形品において、上記表皮体2の内側に折り込まれた上記表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包したことを特徴としている。
【0011】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる表皮一体型成形品において、上記シート材5を縫合又は接着によって上記縫合部6に取り付けたことを特徴としている。
【0012】
本願の第3の発明では、表皮材2A,2Bを縫合してなる表皮体2の内側に、発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させてコア材4を成形するようにした表皮一体型成形品の成形方法において、上記表皮体2内への上記発泡樹脂材の注入に先立って、上記表皮体2の内側に折り込まれた上記表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包することを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0014】
▲1▼ 本願の第1の発明にかかる表皮一体型成形品によれば、表皮体2の内側に折り込まれた表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包しているので、例え発泡樹脂材の発泡圧によって上記各表皮材2A,2Bに張力がかかり上記縫合部6の針孔が拡大したとしても上記張力は上記シート材5には何ら作用せず、該シート材5は拡大した上記針孔部分を被包する。このため、上記縫合部6の上記針孔部分が拡大していたとしても、上記表皮体2内で発泡する発泡樹脂材が上記針孔側へ漏洩するのが上記シート材5によって阻止されるとともに、上記縫合部6側への液体状態の発泡樹脂材の含浸も確実に防止されることになる。
【0015】
この結果、縫合部6からの発泡樹脂材の漏洩がない分だけ該縫合部6の外観、延いては表皮一体型成形品の外観が良好に維持されるとともに、上記縫合部6の発泡樹脂材の含浸による局部的な硬化がなくその触感が他の部位と同様に良好に維持され、かかる外観性と触感性の向上との相乗効果として、表皮一体型成形品の商品価値が向上することになる。
【0016】
また、上記縫合部6からの発泡樹脂材の漏洩がないことから、例えば従来の表皮一体型成形品のように漏洩した発泡樹脂材を除去するための後処理作業が不要であり、それだけ表皮一体型成形品の低コスト化が促進されることになる。
【0017】
▲2▼ 本願の第2の発明にかかる表皮一体型成形品によれば、上記▲1▼に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明の表皮一体型成形品では、上記縫合部6に縫合又は接着によって上記シート材5を取り付けているので、
縫合による上記シート材5の取付けの場合には、該シート材5を各表皮材2A,2Bの縫合作業時に同時に取り付けることができ、該シート材5の取付けに伴うコストアップを抑制することができ、
また、接着による上記シート材5の取付けの場合には、縫合部6に対する上記シート材5の位置決めを容易且つ正確に行うことができ、それだけ作業上の信頼性が向上し、
これら何れの場合においても、上記シート材5を取り付けることに基づく上記▲1▼に記載の効果がより一層確実ならしめられる。
【0018】
▲3▼ 本願の第3の発明にかかる表皮一体型成形品の成形方法によれば、表皮材2A,2Bを縫合してなる表皮体2の内側に発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させてコア材4としてなる表皮一体型成形品の成形に際して、上記表皮体2内への上記発泡樹脂材の注入に先立って、上記表皮体2の内側に折り込まれた上記表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包するようにしているので、上記縫合部6に上記シート材5を取り付けるという簡易且つ安価な手段によって、上記縫合部6からの発泡樹脂材の漏洩、各表皮材2A,2Bへの発泡樹脂材の含浸が未然に且つ確実に防止され、この結果、外観性及び触感性に共に優れた表皮一体型成形品を、しかもより安価に提供することができるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係る表皮一体型成形品1を、該成形品1がヘッドレスト11である第1の実施形態と、該成形品1がアームレスト12である第2の実施形態と、該成形品1がシートクッション13である第3の実施形態とに基づいて、それぞれ具体的に説明する。
【0020】
I:第1の実施形態
図1には、表皮一体型成形品1の第1の実施形態として、表皮一体型のヘッドレスト11を示している。このヘッドレスト11の基本構造は、上述した従来のヘッドレスト11と同様であって、袋状に縫製された表皮体2内に、スティ部31と左右一対のポール部32,32とを備えた芯材3を上記ポール部32,32の先端側を外部へ突出させた状態で配置し、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させて該表皮体2内にコア材4を成形することで得られるものである。また、上記表皮体2も、上記ヘッドレスト11の胴部外周面を構成する第1表皮材2Aと側部外面を構成する左右一対の第2表皮材2B,2Bとを縫合してこれを袋状とした縫製品とされる。
【0021】
そして、これら各表皮材2A,2Bは、共に、図10に示すように、表皮材外面を構成する布材21の内側に、緩衝用のスラブ材22と発泡樹脂材の漏洩防止用のフィルム材23とを順次ラミネートした三層構造とされている。かかる三層構造の各表皮材2A,2Bの周縁部を、図3に示すように、その布材21,21同士を衝合させた状態で縫合糸7を用いて縫合し、その縫合部6より端縁側部分をそれぞれ縫合縁部2Aa,2Baとするとともに、縫製後、上記各縫合縁部2Aa,2Baが内面側に折り込まれるように表裏反転させることで袋状の表皮体2が製作されるものである。
【0022】
そして、この第1の実施形態のヘッドレスト11が上記従来のヘッドレスト11と異なる点は、図2及び図3に示すように、上記各表皮材2A,2Bの周縁部の縫合時に、該周縁部を帯状のシート材5によって被包し、この状態で、該シート材5の上側から(即ち、上記シート材5の端縁5a,5bが縫合予定位置よりも所定幅だけ上記各表皮材2A,2Bの内側寄りに位置するようにして)、該シート材5と共に四枚重ね状態で上記各表皮材2A,2Bの周縁部を同時に縫合した点である。
【0023】
このように、上記シート材5を取り付けた状態でこれと共に上記各表皮材2A,2Bを縫合することで、上記各表皮材2A,2Bの上記縫合部6よりも端縁寄りに位置する上記各縫合縁部2Aa,2Baは、上記シート材5によって被包されてこれが直接上記表皮体2内に露出すること(即ち、上記表皮体2内に充填され且つ発泡される発泡樹脂材に直接晒されること)が阻止されるとともに、上記縫合部6における針孔8部分も上記シート材5によって覆われることになる。
【0024】
従って、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を充填し且つこれを発泡させると、図4に示すように、上記各表皮材2A,2Bは発泡樹脂材の発泡圧に起因する張力を受けて引き伸ばされ、これに伴って上記針孔8も拡大することになるが、上記シート材5は単に発泡樹脂材の発泡圧による面圧(即ち、シート材5を各縫合縁部2Aa,2Baの表面側に押し付ける作用)を受けるのみで、これを引き伸ばす作用は受けないことから、上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baは上記シート材5によって被包された状態のまま維持され、また拡大した上記針孔8は上記シート材5の端部5a,5b部分によって表皮体2の内側から覆われた状態が維持される。
【0025】
従って、図4に示すように、上記表皮体2内で発泡樹脂材が発泡しその発泡圧によって上記各表皮材2A,2Bがその面方向に引き伸ばされて上記針孔8が拡大していても、上記発泡樹脂材の上記針孔8側への漏洩が上記シート材5によって阻止されるとともに、上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸も上記シート材5によって阻止される。
【0026】
この結果、成形されたヘッドレスト11においては、上記縫合部6に拡大された針孔8の一部が露出することは有り得るものの、従来のように針孔8から漏洩した発泡樹脂材によって形成される粒状の漏洩固化物9が点在しこれが外部に露出するというようなことは確実に防止され、上記縫合部6に上記漏洩固化物9が点在するような場合に比して、上記縫合部6部分の外観性、延いては上記ヘッドレスト11全体としての外観性が向上することになる。
【0027】
また、上記各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸が阻止されることで、従来のようにここに含浸された発泡樹脂材によって上記各縫合縁部2Aa,2Ba部分が局部的に硬化して他の部位との間に触感の相違を生じるというようなことがなく、該縫合部6部分の触感性、延いてはヘッドレスト11全体としての触感性が向上することになる。
【0028】
このように外観性と触感性とが共に向上することで、上記ヘッドレスト11においてはその商品価値の向上が期待できるものである。
【0029】
一方、上記縫合部6部分における発泡樹脂材の漏洩が上記縫合部6部分に取り付けられた上記シート材5によって未然に且つ確実に阻止されることから、例えば従来の様な漏洩発泡樹脂材によって発生する漏洩固化物9の除去作業を行う必要が全くなく、係る後処理作業が不要である分だけヘッドレスト11の成形時における作業工数が低減し、延いては上記ヘッドレスト11の成形コストの低廉化が促進され、製品としてのヘッドレスト11をより安価に提供できることになる。
【0030】
II:第2の実施形態
図5には、表皮一体型成形品1の第2の実施形態として、表皮一体型のアームレスト12を示している。このアームレスト12は、上記第1の実施形態にかかるヘッドレスト11と同様に、アームレスト12の表裏両面を含む外周面を構成する第1表皮材2Aの両側端縁とアームレスト12の左右両側面を構成する左右一対の第2表皮材2B,2Bの外周端縁とを縫合して袋状とし且つこれを縫製後に表裏反転させてなる表皮体2内に、直状の回転支軸33と「コ」字状に折曲されたフレーム34とを一体化してなる芯材3を、上記回転支軸33の両端を上記表皮体2から外方へ突出させた状態で配置し、この状態で、上記表皮体2内に樹脂注入管24を通して発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填してコア材4を成形して得られるものである。
【0031】
尚、上記各表皮材2A,2Bは、上記第1の実施形態のヘッドレスト11の場合と同様に、図10に示す如く布材21とスラブ材22とフィルム材23とを三層状にラミネートした三層ラミネート構造とされている。
【0032】
この実施形態のアームレスト12においても、上記表皮体2が各表皮材2A,2Bの縫合構造とされ、且つ該表皮体2内において発泡樹脂材を発泡成形させて上記コア材4を成形する構成上、何らの手当をしない場合には、発泡樹脂材の発泡圧を受けて上記各表皮材2A,2Bが引き伸ばされ、該各表皮材2A,2B同士の縫合部6において縫合時の針孔8が拡大した場合、ここから発泡樹脂材の漏洩が生じて該縫合部6に沿って漏洩固化物9が点在しその外観性等を損ねる恐れがある。
【0033】
このため、かかる問題を回避すべく、この実施形態のアームレスト12においても、図6に拡大図示するように、上記各表皮材2A,2Bの周縁部同士を縫合する時、該周縁部を帯状のシート材5によって被包し、この状態で、該シート材5の上側から該シート材5と共に四枚重ね状態で上記各表皮材2A,2Bの周縁部を同時に縫合している。かかる縫合構造を採用することで、上記各表皮材2A,2Bの上記縫合部6よりも端縁寄りに位置する各縫合縁部2Aa,2Baは、上記シート材5によって被包されてこれが直接上記表皮体2内に露出すること(即ち、上記表皮体2内に充填され且つ発泡される発泡樹脂材に直接晒されること)が阻止されるとともに、上記縫合部6における針孔8部分も上記シート材5によって覆われることになる。
【0034】
従って、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を充填し且つこれを発泡させて上記コア材4を形成する場合、例え上記各表皮材2A,2Bが発泡樹脂材の発泡圧に起因する張力を受けて引き伸ばされ、これに伴って上記針孔8も拡大したとしても、上記シート材5は単に発泡樹脂材の発泡圧による面圧を受けるのみで、これを引き伸ばす作用は受けないことから、上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baは上記シート材5によって被包された状態のまま維持され、また拡大した上記針孔8は上記シート材5の端部5a,5b部分によって表皮体2の内側から覆われた状態が維持されることから、上記発泡樹脂材の上記針孔8側への漏洩、及び上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸も、共に上記シート材5によって阻止されることになる。
【0035】
この結果、成形されたアームレスト12においては、上記縫合部6に拡大された針孔8の一部が露出することは有り得るものの、上記縫合部6部分に粒状の漏洩固化物9が点在しこれが外部に露出するというようなことがなくなり、該縫合部6部分の外観性、延いては上記アームレスト12全体としての外観性が向上することになる。
【0036】
また、上記各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸が阻止されることで、従来のようにここに含浸された発泡樹脂材によって上記各縫合縁部2Aa,2Ba部分が局部的に硬化して他の部位との間に触感の相違を生じるというようなことがなく、該縫合部6部分の触感性、延いてはアームレスト12全体としての触感性が向上することになる。
【0037】
このように外観性と触感性とが共に向上することで、上記アームレスト12においてはその商品価値の向上が期待できるものである。
【0038】
一方、上記縫合部6部分における発泡樹脂材の漏洩が上記縫合部6部分に取り付けられた上記シート材5によって未然に且つ確実に阻止されることから、例えば従来の様な漏洩発泡樹脂材によって発生する漏洩固化物9の除去作業を行う必要が全くなく、係る後処理作業が不要である分だけアームレスト12の成形時における作業工数が低減し、延いては上記アームレスト12の成形コストの低廉化が促進され、製品としてのアームレスト12をより安価に提供できることになる。
【0039】
III:第3の実施形態
図7には、表皮一体型成形品1の第3の実施形態として、表皮一体型のシートクッション13を示している。このシートクッション13は、縫製された表皮体2の内側に発泡樹脂材の発泡成形によってコア材4を成形して構成されることは上記第1の実施形態のヘッドレスト11及び第2の実施形態のアームレスト12の場合と同様であるが、これらと異なる点は、上記表皮体2そのものを袋状に形成していない点である。
【0040】
即ち、この実施形態においては、図7及び図8に示すように、上記表皮体2を、上記シートクッション13の座面を構成する略矩形状の第1表皮材2Aと該第1表皮材2Aの外周縁に縫合されて上記シートクッション13の外側面を構成する第2表皮材2Bとで構成している。従って、この表皮体2では、その縫製状態においては、その下方側(即ち、上記第1表皮材2Aに対向する面側)が開口している。この表皮体2の開口部分を閉塞して該表皮体2と共にその内側に上記コア材4の形成用空間を形成すべく、該表皮体2の下側に、シートクッション13の車体側への取付部としても機能する略矩形椀状形態をもつアンダーフレーム10を配置し、この状態で上記アンダーフレーム10に設けた樹脂注入孔25から発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させるようにしている。
【0041】
尚、上記各表皮材2A,2Bは、上記各実施形態の場合と同様に、布材21とスラブ材22とフィルム材23との三層ラミネート構造をもつものを採用している。
【0042】
また、この実施形態では、上記コア材4の成形形状を所定形状に且つ安定的に得るために(換言すれば、上記シートクッション13の成形精度を確保するために)、上記表皮体2を上記各実施形態の場合のように自由状態とするのではなく、該表皮体2の外面側に所定形状の成形面16aをもつ成形型16を配置している。また、この成形型16によって上記第2表皮材2Bを上記アンダーフレーム10側へ付勢することで、これら両者間のシール性を確保するようにしている。
【0043】
ところで、この実施形態のものにおいても、例え上記表皮体2が上記成形型16によってバックアップされているとしても、この表皮体2内で発泡樹脂材が発泡充填される場合には、該表皮体2の上記各表皮材2A,2B同士の縫合部6においては、発泡圧により上記各表皮材2A,2Bが引き伸ばし作用を受け上記針孔8部分が拡大することで、この針孔8部分から発泡樹脂材が漏洩して上記縫合部6部分に漏洩固化物9が点在しその外観性を損なう恐れのあることは上記各実施形態の場合と同様である。
【0044】
そのため、この実施形態でも、上記各実施形態の場合と同様に、上記縫合部6部分をシート材5によって被包し、該シート材5のシール作用によって上記針孔8部分からの発泡樹脂材の漏洩、あるいは上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Ba部分への発泡樹脂材の含浸を未然に且つ確実に防止するようにしている。
【0045】
この結果、この実施形態のシートクッション13においても、上記縫合部6に拡大された針孔8の一部が露出することは有り得るものの、上記縫合部6部分に粒状の漏洩固化物9が点在しこれが外部に露出するというようなことがなくなり、該縫合部6部分の外観性、延いては上記シートクッション13全体としての外観性が向上することになる。
【0046】
また、上記各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸が阻止されることで、従来のようにここに含浸された発泡樹脂材によって上記各縫合縁部2Aa,2Ba部分が局部的に硬化して他の部位との間に触感の相違を生じるというようなことがなく、該縫合部6部分の触感性、延いてはシートクッション13全体としての触感性が向上することになる。
【0047】
このように外観性と触感性とが共に向上することで、上記シートクッション13においてはその商品価値の向上が期待できるものである。
【0048】
一方、上記縫合部6部分における発泡樹脂材の漏洩が上記縫合部6部分に取り付けられた上記シート材5によって未然に且つ確実に阻止されることから、例えば従来の様な漏洩発泡樹脂材によって発生する漏洩固化物9の除去作業を行う必要が全くなく、係る後処理作業が不要である分だけシートクッション13の成形時における作業工数が低減し、延いては上記シートクッション13の成形コストの低廉化が促進され、製品としてのシートクッション13をより安価に提供できることになる。
【0049】
尚、この実施形態においては、上記表皮体2と上記アンダーフレーム10との間に直接発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させる成形方法を採用したが、この他に、例えば、上記アンダーフレーム10の代わりに、これと同一の成形面をもつ成形型と上記表皮体2側の上記成形型16とを使用して上記コア材4を形成し、事後的に上記アンダーフレーム10を、上記コア材4のうち、上記成形型により成形された露出状態の部分に取り付けて上記表皮体2と共にこれら三者を一体化させる方法も採用することができる。そして、これら何れの方法を採用するにしても、最終的には、図8に示すように、上記アンダーフレーム10の底面に設けた掛止部14に、上記第2表皮材2Bの外端縁2Bbに取り付けた当板15を掛止して該第2表皮材2Bによって上記アンダーフレーム10の側部を覆い、上記シートクッション13の美観性を確保する。
【0050】
IV:その他
(1) 上記各実施形態においては、上記シート材5を縫合によって上記各表皮材2A,2Bの上記縫合部6部分に取り付ける場合を例にとって説明したが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば縫合による取付けに代えて、上記シート材5を接着によって上記縫合部6部分に取り付けることもできるものである。そして、縫合によって上記シート材5を取付ける場合においては、該シート材5を各表皮材2A,2Bの縫合作業時に同時に取り付けることができることから、該シート材5の取付けに伴うコストアップを抑制することができる。また、接着によって上記シート材5を取付ける場合においては、上記縫合部6に対する上記シート材5の位置決めを容易且つ正確に行うことができ、それだけ作業上の信頼性が向上し、延いては上記シート材5を取り付けることに基づく上記の如き効果がより一層確実となるものである。
【0051】
(2) 上記各実施形態では、上記各表皮材2A,2Bとして、布材21とスラブ材22とフィルム材23からなる三層ラミネート構造のものを例として示しているが、本願発明の表皮一体型成形品はかかる構成のものに限定されるものではなく、例えばスラブ材22を備えない構成、即ち、布材21とフィルム材23の二層ラミネート構造のものにも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る表皮一体型成形品の第1の実施形態としてのヘッドレストの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示したヘッドレストの表皮体の縫合部分の構造を示す拡大斜視図である。
【図3】図2に示した縫合部の縫合状態を示す断面図である。
【図4】図3に示した縫合部におけるコア材成形後の状態を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る表皮一体型成形品の第2の実施形態としてのアームレストの外観を示す斜視図である。
【図6】図5に示したアームレストの表皮体の縫合部分の構造を示す拡大斜視図である。
【図7】本願発明に係る表皮一体型成形品の第3の実施形態としてのシートクッションの外観を示す斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII拡大断面図である。
【図9】従来のヘッドレストの外観を示す斜視図である。
【図10】表皮体の構成を示す断面図である。
【図11】図9に示したヘッドレストの表皮体の縫合部分の構造を示す拡大斜視図である。
【図12】図11に示した縫合部の縫合状態を示す断面図である。
【図13】図12に示した縫合部におけるコア材成形後の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1はヘッドレスト、2は表皮体、2A及び2Bは表皮材、3は芯材、4はコア材、5はシート材、6は縫合部、7は縫合糸、8は針孔、9は漏洩固化物、10はアンダーフレーム、11はヘッドレスト、12はアームレスト、13はシートクッション、14は掛止部、15は当板、16は成形型、21は布材、22はスラブ材、23はフィルム材である。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、表皮体一体型成形品及びその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9には、従来一般的な表皮一体型の成形品1の一例として、車両用シートに備えられるヘッドレスト11を示している。このヘッドレスト11は、袋状に縫製された表皮体2内に、スティ部31と左右一対のポール部32,32とを備えた芯材3を上記ポール部32,32の先端側を外部へ突出させた状態で配置し、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させて該表皮体2内にコア材4を成形することで得られる。
【0003】
上記表皮体2は、上記ヘッドレスト11の胴部外周面を構成する第1表皮材2Aと側部外面を構成する左右一対の第2表皮材2B,2Bとを縫合してこれを袋状とした縫製品である。この場合、これら各表皮材2A,2Bは、共に、図10に示すように、表皮材外面を構成する布材21の内側に、緩衝用のスラブ材22と発泡樹脂材の漏洩防止用のフィルム材23とを順次ラミネートした三層構造とされている。かかる三層構造の各表皮材2A,2Bの周縁部を、図12に示すように、その布材21,21同士を衝合させた状態で縫合糸7を用いて縫合し、その縫合部6より端縁側部分をそれぞれ縫合縁部2Aa,2Baとする。そして、縫製後、上記各縫合縁部2Aa,2Baが内面側に折り込まれるように表裏反転させることで袋状の表皮体2が製作される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、縫製状態における上記表皮体2は、上記各表皮材2A,2Bが自由状態であることから、図12に示すように、該各表皮材2A,2Bを貫通する針孔の周縁は縫合糸7の外周に密接している。
【0005】
ところが、上記表皮体2内に上記コア材4を形成すべく、該表皮体2内にコア材原料として液状の発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡させて該表皮体2内に充填させると、該発泡樹脂材の発泡圧によって上記各表皮材2A,2Bにはその面方向に張力が作用する。この張力は当然に上記各表皮材2A,2Bの縫合部6にも作用するため、該縫合部6においては、上記縫合糸7が通った針孔8部分を境として、該各表皮材2A,2Bがそれぞれ反対方向へ引張されて引き伸ばし作用を受ける。この縫合部6における上記各表皮材2A,2Bの引き伸ばし作用に伴って、上記針孔8は該各表皮材2A,2Bのそれぞれにおいて引き伸ばし方向に拡大され、その結果、上記表皮体2内で発泡している発泡樹脂材の一部がこの拡大した針孔8から外部へ漏洩して固化し、粒状の漏洩固結体9として縫合線に沿って点在することになる。
【0006】
この漏洩固化物9,9,・・は、ヘッドレスト11の外部に露出しその外観を損ねることから、成形完了後にこれを除去する必要があり、余分な作業工数がかかる分だけヘッドレスト11の成形コストが高くつくとか、発泡樹脂材の漏洩量が多い場合(即ち、上記漏洩固化物9の粒径が大きいとか漏洩固化物9の数が多い場合)にはヘッドレスト11そのものの廃棄処分を余儀なくされる、等の問題があった。
【0007】
また、上述のような発泡樹脂材の外部への漏洩にまで至らないまでも(即ち、上記針孔8が発泡樹脂材の漏洩に至るほどには拡大していない場合でも)、図13に示すように、上記各縫合縁部2Aa,2Baは上記縫合部6部分から上記表皮体2の内側へ折り込まれていることから、上記各表皮材2A,2Bがそれぞれフィルム材23をラミネートしているにも拘わらず、上記各表皮材2A,2Bの布材21及びスラブ材22が共に上記表皮体2の内側に露出し、上記表皮体2内に注入された発泡樹脂材がその液体状態においてこれらに含浸され、その結果、この含浸部分が他の部分よりも硬くなり、ヘッドレスト11全体として違和感を生じさせその商品価値の低下を招来すると言う問題もあった。
【0008】
そこで本願発明は、外観性及び触感性ともに優れ商品価値が高く、且つ成形コストが安価である表皮一体型成形品及びその成形方法を提案することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願の第1の発明では、表皮材2A,2Bを縫合してなる表皮体2と、該表皮体2の内側において発泡樹脂材を発泡充填させてなるコア材4とを備えた表皮一体型成形品において、上記表皮体2の内側に折り込まれた上記表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包したことを特徴としている。
【0011】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる表皮一体型成形品において、上記シート材5を縫合又は接着によって上記縫合部6に取り付けたことを特徴としている。
【0012】
本願の第3の発明では、表皮材2A,2Bを縫合してなる表皮体2の内側に、発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させてコア材4を成形するようにした表皮一体型成形品の成形方法において、上記表皮体2内への上記発泡樹脂材の注入に先立って、上記表皮体2の内側に折り込まれた上記表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包することを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0014】
▲1▼ 本願の第1の発明にかかる表皮一体型成形品によれば、表皮体2の内側に折り込まれた表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包しているので、例え発泡樹脂材の発泡圧によって上記各表皮材2A,2Bに張力がかかり上記縫合部6の針孔が拡大したとしても上記張力は上記シート材5には何ら作用せず、該シート材5は拡大した上記針孔部分を被包する。このため、上記縫合部6の上記針孔部分が拡大していたとしても、上記表皮体2内で発泡する発泡樹脂材が上記針孔側へ漏洩するのが上記シート材5によって阻止されるとともに、上記縫合部6側への液体状態の発泡樹脂材の含浸も確実に防止されることになる。
【0015】
この結果、縫合部6からの発泡樹脂材の漏洩がない分だけ該縫合部6の外観、延いては表皮一体型成形品の外観が良好に維持されるとともに、上記縫合部6の発泡樹脂材の含浸による局部的な硬化がなくその触感が他の部位と同様に良好に維持され、かかる外観性と触感性の向上との相乗効果として、表皮一体型成形品の商品価値が向上することになる。
【0016】
また、上記縫合部6からの発泡樹脂材の漏洩がないことから、例えば従来の表皮一体型成形品のように漏洩した発泡樹脂材を除去するための後処理作業が不要であり、それだけ表皮一体型成形品の低コスト化が促進されることになる。
【0017】
▲2▼ 本願の第2の発明にかかる表皮一体型成形品によれば、上記▲1▼に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明の表皮一体型成形品では、上記縫合部6に縫合又は接着によって上記シート材5を取り付けているので、
縫合による上記シート材5の取付けの場合には、該シート材5を各表皮材2A,2Bの縫合作業時に同時に取り付けることができ、該シート材5の取付けに伴うコストアップを抑制することができ、
また、接着による上記シート材5の取付けの場合には、縫合部6に対する上記シート材5の位置決めを容易且つ正確に行うことができ、それだけ作業上の信頼性が向上し、
これら何れの場合においても、上記シート材5を取り付けることに基づく上記▲1▼に記載の効果がより一層確実ならしめられる。
【0018】
▲3▼ 本願の第3の発明にかかる表皮一体型成形品の成形方法によれば、表皮材2A,2Bを縫合してなる表皮体2の内側に発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させてコア材4としてなる表皮一体型成形品の成形に際して、上記表皮体2内への上記発泡樹脂材の注入に先立って、上記表皮体2の内側に折り込まれた上記表皮材2A,2Bの縫合部6を該表皮体2の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材5によって被包するようにしているので、上記縫合部6に上記シート材5を取り付けるという簡易且つ安価な手段によって、上記縫合部6からの発泡樹脂材の漏洩、各表皮材2A,2Bへの発泡樹脂材の含浸が未然に且つ確実に防止され、この結果、外観性及び触感性に共に優れた表皮一体型成形品を、しかもより安価に提供することができるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係る表皮一体型成形品1を、該成形品1がヘッドレスト11である第1の実施形態と、該成形品1がアームレスト12である第2の実施形態と、該成形品1がシートクッション13である第3の実施形態とに基づいて、それぞれ具体的に説明する。
【0020】
I:第1の実施形態
図1には、表皮一体型成形品1の第1の実施形態として、表皮一体型のヘッドレスト11を示している。このヘッドレスト11の基本構造は、上述した従来のヘッドレスト11と同様であって、袋状に縫製された表皮体2内に、スティ部31と左右一対のポール部32,32とを備えた芯材3を上記ポール部32,32の先端側を外部へ突出させた状態で配置し、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させて該表皮体2内にコア材4を成形することで得られるものである。また、上記表皮体2も、上記ヘッドレスト11の胴部外周面を構成する第1表皮材2Aと側部外面を構成する左右一対の第2表皮材2B,2Bとを縫合してこれを袋状とした縫製品とされる。
【0021】
そして、これら各表皮材2A,2Bは、共に、図10に示すように、表皮材外面を構成する布材21の内側に、緩衝用のスラブ材22と発泡樹脂材の漏洩防止用のフィルム材23とを順次ラミネートした三層構造とされている。かかる三層構造の各表皮材2A,2Bの周縁部を、図3に示すように、その布材21,21同士を衝合させた状態で縫合糸7を用いて縫合し、その縫合部6より端縁側部分をそれぞれ縫合縁部2Aa,2Baとするとともに、縫製後、上記各縫合縁部2Aa,2Baが内面側に折り込まれるように表裏反転させることで袋状の表皮体2が製作されるものである。
【0022】
そして、この第1の実施形態のヘッドレスト11が上記従来のヘッドレスト11と異なる点は、図2及び図3に示すように、上記各表皮材2A,2Bの周縁部の縫合時に、該周縁部を帯状のシート材5によって被包し、この状態で、該シート材5の上側から(即ち、上記シート材5の端縁5a,5bが縫合予定位置よりも所定幅だけ上記各表皮材2A,2Bの内側寄りに位置するようにして)、該シート材5と共に四枚重ね状態で上記各表皮材2A,2Bの周縁部を同時に縫合した点である。
【0023】
このように、上記シート材5を取り付けた状態でこれと共に上記各表皮材2A,2Bを縫合することで、上記各表皮材2A,2Bの上記縫合部6よりも端縁寄りに位置する上記各縫合縁部2Aa,2Baは、上記シート材5によって被包されてこれが直接上記表皮体2内に露出すること(即ち、上記表皮体2内に充填され且つ発泡される発泡樹脂材に直接晒されること)が阻止されるとともに、上記縫合部6における針孔8部分も上記シート材5によって覆われることになる。
【0024】
従って、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を充填し且つこれを発泡させると、図4に示すように、上記各表皮材2A,2Bは発泡樹脂材の発泡圧に起因する張力を受けて引き伸ばされ、これに伴って上記針孔8も拡大することになるが、上記シート材5は単に発泡樹脂材の発泡圧による面圧(即ち、シート材5を各縫合縁部2Aa,2Baの表面側に押し付ける作用)を受けるのみで、これを引き伸ばす作用は受けないことから、上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baは上記シート材5によって被包された状態のまま維持され、また拡大した上記針孔8は上記シート材5の端部5a,5b部分によって表皮体2の内側から覆われた状態が維持される。
【0025】
従って、図4に示すように、上記表皮体2内で発泡樹脂材が発泡しその発泡圧によって上記各表皮材2A,2Bがその面方向に引き伸ばされて上記針孔8が拡大していても、上記発泡樹脂材の上記針孔8側への漏洩が上記シート材5によって阻止されるとともに、上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸も上記シート材5によって阻止される。
【0026】
この結果、成形されたヘッドレスト11においては、上記縫合部6に拡大された針孔8の一部が露出することは有り得るものの、従来のように針孔8から漏洩した発泡樹脂材によって形成される粒状の漏洩固化物9が点在しこれが外部に露出するというようなことは確実に防止され、上記縫合部6に上記漏洩固化物9が点在するような場合に比して、上記縫合部6部分の外観性、延いては上記ヘッドレスト11全体としての外観性が向上することになる。
【0027】
また、上記各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸が阻止されることで、従来のようにここに含浸された発泡樹脂材によって上記各縫合縁部2Aa,2Ba部分が局部的に硬化して他の部位との間に触感の相違を生じるというようなことがなく、該縫合部6部分の触感性、延いてはヘッドレスト11全体としての触感性が向上することになる。
【0028】
このように外観性と触感性とが共に向上することで、上記ヘッドレスト11においてはその商品価値の向上が期待できるものである。
【0029】
一方、上記縫合部6部分における発泡樹脂材の漏洩が上記縫合部6部分に取り付けられた上記シート材5によって未然に且つ確実に阻止されることから、例えば従来の様な漏洩発泡樹脂材によって発生する漏洩固化物9の除去作業を行う必要が全くなく、係る後処理作業が不要である分だけヘッドレスト11の成形時における作業工数が低減し、延いては上記ヘッドレスト11の成形コストの低廉化が促進され、製品としてのヘッドレスト11をより安価に提供できることになる。
【0030】
II:第2の実施形態
図5には、表皮一体型成形品1の第2の実施形態として、表皮一体型のアームレスト12を示している。このアームレスト12は、上記第1の実施形態にかかるヘッドレスト11と同様に、アームレスト12の表裏両面を含む外周面を構成する第1表皮材2Aの両側端縁とアームレスト12の左右両側面を構成する左右一対の第2表皮材2B,2Bの外周端縁とを縫合して袋状とし且つこれを縫製後に表裏反転させてなる表皮体2内に、直状の回転支軸33と「コ」字状に折曲されたフレーム34とを一体化してなる芯材3を、上記回転支軸33の両端を上記表皮体2から外方へ突出させた状態で配置し、この状態で、上記表皮体2内に樹脂注入管24を通して発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填してコア材4を成形して得られるものである。
【0031】
尚、上記各表皮材2A,2Bは、上記第1の実施形態のヘッドレスト11の場合と同様に、図10に示す如く布材21とスラブ材22とフィルム材23とを三層状にラミネートした三層ラミネート構造とされている。
【0032】
この実施形態のアームレスト12においても、上記表皮体2が各表皮材2A,2Bの縫合構造とされ、且つ該表皮体2内において発泡樹脂材を発泡成形させて上記コア材4を成形する構成上、何らの手当をしない場合には、発泡樹脂材の発泡圧を受けて上記各表皮材2A,2Bが引き伸ばされ、該各表皮材2A,2B同士の縫合部6において縫合時の針孔8が拡大した場合、ここから発泡樹脂材の漏洩が生じて該縫合部6に沿って漏洩固化物9が点在しその外観性等を損ねる恐れがある。
【0033】
このため、かかる問題を回避すべく、この実施形態のアームレスト12においても、図6に拡大図示するように、上記各表皮材2A,2Bの周縁部同士を縫合する時、該周縁部を帯状のシート材5によって被包し、この状態で、該シート材5の上側から該シート材5と共に四枚重ね状態で上記各表皮材2A,2Bの周縁部を同時に縫合している。かかる縫合構造を採用することで、上記各表皮材2A,2Bの上記縫合部6よりも端縁寄りに位置する各縫合縁部2Aa,2Baは、上記シート材5によって被包されてこれが直接上記表皮体2内に露出すること(即ち、上記表皮体2内に充填され且つ発泡される発泡樹脂材に直接晒されること)が阻止されるとともに、上記縫合部6における針孔8部分も上記シート材5によって覆われることになる。
【0034】
従って、この状態で上記表皮体2内に発泡樹脂材を充填し且つこれを発泡させて上記コア材4を形成する場合、例え上記各表皮材2A,2Bが発泡樹脂材の発泡圧に起因する張力を受けて引き伸ばされ、これに伴って上記針孔8も拡大したとしても、上記シート材5は単に発泡樹脂材の発泡圧による面圧を受けるのみで、これを引き伸ばす作用は受けないことから、上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baは上記シート材5によって被包された状態のまま維持され、また拡大した上記針孔8は上記シート材5の端部5a,5b部分によって表皮体2の内側から覆われた状態が維持されることから、上記発泡樹脂材の上記針孔8側への漏洩、及び上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸も、共に上記シート材5によって阻止されることになる。
【0035】
この結果、成形されたアームレスト12においては、上記縫合部6に拡大された針孔8の一部が露出することは有り得るものの、上記縫合部6部分に粒状の漏洩固化物9が点在しこれが外部に露出するというようなことがなくなり、該縫合部6部分の外観性、延いては上記アームレスト12全体としての外観性が向上することになる。
【0036】
また、上記各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸が阻止されることで、従来のようにここに含浸された発泡樹脂材によって上記各縫合縁部2Aa,2Ba部分が局部的に硬化して他の部位との間に触感の相違を生じるというようなことがなく、該縫合部6部分の触感性、延いてはアームレスト12全体としての触感性が向上することになる。
【0037】
このように外観性と触感性とが共に向上することで、上記アームレスト12においてはその商品価値の向上が期待できるものである。
【0038】
一方、上記縫合部6部分における発泡樹脂材の漏洩が上記縫合部6部分に取り付けられた上記シート材5によって未然に且つ確実に阻止されることから、例えば従来の様な漏洩発泡樹脂材によって発生する漏洩固化物9の除去作業を行う必要が全くなく、係る後処理作業が不要である分だけアームレスト12の成形時における作業工数が低減し、延いては上記アームレスト12の成形コストの低廉化が促進され、製品としてのアームレスト12をより安価に提供できることになる。
【0039】
III:第3の実施形態
図7には、表皮一体型成形品1の第3の実施形態として、表皮一体型のシートクッション13を示している。このシートクッション13は、縫製された表皮体2の内側に発泡樹脂材の発泡成形によってコア材4を成形して構成されることは上記第1の実施形態のヘッドレスト11及び第2の実施形態のアームレスト12の場合と同様であるが、これらと異なる点は、上記表皮体2そのものを袋状に形成していない点である。
【0040】
即ち、この実施形態においては、図7及び図8に示すように、上記表皮体2を、上記シートクッション13の座面を構成する略矩形状の第1表皮材2Aと該第1表皮材2Aの外周縁に縫合されて上記シートクッション13の外側面を構成する第2表皮材2Bとで構成している。従って、この表皮体2では、その縫製状態においては、その下方側(即ち、上記第1表皮材2Aに対向する面側)が開口している。この表皮体2の開口部分を閉塞して該表皮体2と共にその内側に上記コア材4の形成用空間を形成すべく、該表皮体2の下側に、シートクッション13の車体側への取付部としても機能する略矩形椀状形態をもつアンダーフレーム10を配置し、この状態で上記アンダーフレーム10に設けた樹脂注入孔25から発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させるようにしている。
【0041】
尚、上記各表皮材2A,2Bは、上記各実施形態の場合と同様に、布材21とスラブ材22とフィルム材23との三層ラミネート構造をもつものを採用している。
【0042】
また、この実施形態では、上記コア材4の成形形状を所定形状に且つ安定的に得るために(換言すれば、上記シートクッション13の成形精度を確保するために)、上記表皮体2を上記各実施形態の場合のように自由状態とするのではなく、該表皮体2の外面側に所定形状の成形面16aをもつ成形型16を配置している。また、この成形型16によって上記第2表皮材2Bを上記アンダーフレーム10側へ付勢することで、これら両者間のシール性を確保するようにしている。
【0043】
ところで、この実施形態のものにおいても、例え上記表皮体2が上記成形型16によってバックアップされているとしても、この表皮体2内で発泡樹脂材が発泡充填される場合には、該表皮体2の上記各表皮材2A,2B同士の縫合部6においては、発泡圧により上記各表皮材2A,2Bが引き伸ばし作用を受け上記針孔8部分が拡大することで、この針孔8部分から発泡樹脂材が漏洩して上記縫合部6部分に漏洩固化物9が点在しその外観性を損なう恐れのあることは上記各実施形態の場合と同様である。
【0044】
そのため、この実施形態でも、上記各実施形態の場合と同様に、上記縫合部6部分をシート材5によって被包し、該シート材5のシール作用によって上記針孔8部分からの発泡樹脂材の漏洩、あるいは上記各表皮材2A,2Bの各縫合縁部2Aa,2Ba部分への発泡樹脂材の含浸を未然に且つ確実に防止するようにしている。
【0045】
この結果、この実施形態のシートクッション13においても、上記縫合部6に拡大された針孔8の一部が露出することは有り得るものの、上記縫合部6部分に粒状の漏洩固化物9が点在しこれが外部に露出するというようなことがなくなり、該縫合部6部分の外観性、延いては上記シートクッション13全体としての外観性が向上することになる。
【0046】
また、上記各縫合縁部2Aa,2Baへの液体状態の発泡樹脂材の含浸が阻止されることで、従来のようにここに含浸された発泡樹脂材によって上記各縫合縁部2Aa,2Ba部分が局部的に硬化して他の部位との間に触感の相違を生じるというようなことがなく、該縫合部6部分の触感性、延いてはシートクッション13全体としての触感性が向上することになる。
【0047】
このように外観性と触感性とが共に向上することで、上記シートクッション13においてはその商品価値の向上が期待できるものである。
【0048】
一方、上記縫合部6部分における発泡樹脂材の漏洩が上記縫合部6部分に取り付けられた上記シート材5によって未然に且つ確実に阻止されることから、例えば従来の様な漏洩発泡樹脂材によって発生する漏洩固化物9の除去作業を行う必要が全くなく、係る後処理作業が不要である分だけシートクッション13の成形時における作業工数が低減し、延いては上記シートクッション13の成形コストの低廉化が促進され、製品としてのシートクッション13をより安価に提供できることになる。
【0049】
尚、この実施形態においては、上記表皮体2と上記アンダーフレーム10との間に直接発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させる成形方法を採用したが、この他に、例えば、上記アンダーフレーム10の代わりに、これと同一の成形面をもつ成形型と上記表皮体2側の上記成形型16とを使用して上記コア材4を形成し、事後的に上記アンダーフレーム10を、上記コア材4のうち、上記成形型により成形された露出状態の部分に取り付けて上記表皮体2と共にこれら三者を一体化させる方法も採用することができる。そして、これら何れの方法を採用するにしても、最終的には、図8に示すように、上記アンダーフレーム10の底面に設けた掛止部14に、上記第2表皮材2Bの外端縁2Bbに取り付けた当板15を掛止して該第2表皮材2Bによって上記アンダーフレーム10の側部を覆い、上記シートクッション13の美観性を確保する。
【0050】
IV:その他
(1) 上記各実施形態においては、上記シート材5を縫合によって上記各表皮材2A,2Bの上記縫合部6部分に取り付ける場合を例にとって説明したが、本願発明はかかる構成に限定されるものではなく、例えば縫合による取付けに代えて、上記シート材5を接着によって上記縫合部6部分に取り付けることもできるものである。そして、縫合によって上記シート材5を取付ける場合においては、該シート材5を各表皮材2A,2Bの縫合作業時に同時に取り付けることができることから、該シート材5の取付けに伴うコストアップを抑制することができる。また、接着によって上記シート材5を取付ける場合においては、上記縫合部6に対する上記シート材5の位置決めを容易且つ正確に行うことができ、それだけ作業上の信頼性が向上し、延いては上記シート材5を取り付けることに基づく上記の如き効果がより一層確実となるものである。
【0051】
(2) 上記各実施形態では、上記各表皮材2A,2Bとして、布材21とスラブ材22とフィルム材23からなる三層ラミネート構造のものを例として示しているが、本願発明の表皮一体型成形品はかかる構成のものに限定されるものではなく、例えばスラブ材22を備えない構成、即ち、布材21とフィルム材23の二層ラミネート構造のものにも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る表皮一体型成形品の第1の実施形態としてのヘッドレストの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示したヘッドレストの表皮体の縫合部分の構造を示す拡大斜視図である。
【図3】図2に示した縫合部の縫合状態を示す断面図である。
【図4】図3に示した縫合部におけるコア材成形後の状態を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る表皮一体型成形品の第2の実施形態としてのアームレストの外観を示す斜視図である。
【図6】図5に示したアームレストの表皮体の縫合部分の構造を示す拡大斜視図である。
【図7】本願発明に係る表皮一体型成形品の第3の実施形態としてのシートクッションの外観を示す斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII拡大断面図である。
【図9】従来のヘッドレストの外観を示す斜視図である。
【図10】表皮体の構成を示す断面図である。
【図11】図9に示したヘッドレストの表皮体の縫合部分の構造を示す拡大斜視図である。
【図12】図11に示した縫合部の縫合状態を示す断面図である。
【図13】図12に示した縫合部におけるコア材成形後の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1はヘッドレスト、2は表皮体、2A及び2Bは表皮材、3は芯材、4はコア材、5はシート材、6は縫合部、7は縫合糸、8は針孔、9は漏洩固化物、10はアンダーフレーム、11はヘッドレスト、12はアームレスト、13はシートクッション、14は掛止部、15は当板、16は成形型、21は布材、22はスラブ材、23はフィルム材である。
Claims (3)
- 表皮材(2A),(2B)を縫合してなる表皮体(2)と、該表皮体(2)の内側において発泡樹脂材を発泡充填させてなるコア材(4)とを備えた表皮一体型成形品であって、
上記表皮体(2)の内側に折り込まれた上記表皮材(2A),(2B)の縫合部(6)が該表皮体(2)の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材(5)によって被包されていることを特徴とする表皮一体型成形品。 - 請求項1において、
上記シート材(5)が縫合又は接着によって上記縫合部(6)に取り付けられていることを特徴とする表皮一体型成形品。 - 表皮材(2A),(2B)を縫合してなる表皮体(2)の内側に、発泡樹脂材を注入し且つこれを発泡充填させてコア材(4)を成形するようにした表皮一体型成形品の成形方法であって、
上記表皮体(2)内への上記発泡樹脂材の注入に先立って、上記表皮体(2)の内側に折り込まれた上記表皮材(2A),(2B)の縫合部(6)を該表皮体(2)の内側から柔軟で且つ非透水性のシート材(5)によって被包することを特徴とする表皮一体型成形品の成形方法。
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