JP2005034212A - 表皮一体発泡成形用表皮材並びに表皮一体発泡成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のシート基材同士の縁を縫い合わせて表皮材を形成すると共にその表皮材の内部に液状の発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法がある。本発明の目的は、そのような表皮一体発泡成形方法において縫製時に出来る針穴から発泡樹脂が漏れ出さないようにした表皮材を提供することにある。
【解決手段】シート基材20の複数の縁を縫い合わせてほぼ袋形態の表皮材2を形成すると共にその表皮材2の内部空間に発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材2であって、少なくとも片面に起毛処理を施して毛羽立たせた帯状のシール材6を、前記シート基材20の縁に宛って一緒に縫い合わせるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】シート基材20の複数の縁を縫い合わせてほぼ袋形態の表皮材2を形成すると共にその表皮材2の内部空間に発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材2であって、少なくとも片面に起毛処理を施して毛羽立たせた帯状のシール材6を、前記シート基材20の縁に宛って一緒に縫い合わせるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のシート基材同士の縁を縫い合わせて表皮材を形成すると共にその表皮材の内部に液状の発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材と、そのような表皮一体発泡成形方法による成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した表皮一体発泡成形方法は以前から実施されているものであり、その成形方法の詳細を図2〜図5により説明する。なお、図2は従来の表皮一体発泡成形品を示す斜視図、図3は従来の表皮材の発泡樹脂充填前の状態を示す斜視図、図4は従来の表皮材の縫製直後の裏返った状態を示す斜視図、図5は一部拡大図を含む図4のA−A線断面図である。
【0003】
図2は表皮一体発泡成形品たるアームレスト1を示す斜視図である。アームレスト1は主として車両用のシートに使用され、表皮一体発泡成形用表皮材(以下単に表皮材という。)2の内部に金属製の芯材(図示せず)を入れて発泡樹脂3で膨らませたものである。
【0004】
前記表皮材2は、裁断された複数のシート基材20同士の縁を、表が中合わせになるように糸4で縫い合わせてほぼ袋形態に形成される。前記シート基材20は、外皮を構成する布地21と、内皮を構成する弾性シート22を一体に貼り合わせたものであり、さらに弾性シート22は図5の一部拡大図に示したように、厚いウレタンスラブ22aの外側を薄いウレタンフィルム22bで覆った二重構造になっている。シート基材20同士の縫製は、図5に示したように内皮の弾性シート22を外向きとなし、外皮の布地21同士の表が中合わせになるように対向させてミシンで行う。
【0005】
こうして縫製した表皮材2は、図4に示したように内皮である弾性シート22が外に露出する裏返えった状態であるため、これを図3のように表に返して縫合部を中に隠し、この状態で内部に前記芯材を入れて金型(図示せず)に収め、さらにその表皮材2の内部空間に液状の発泡樹脂(例えば発泡ウレタン樹脂)を充填してそのまま発泡させる。
【0006】
発泡樹脂3が発泡して金型のキャビティ内に充満すると、発泡樹脂3の圧力でキャビティ内面に表皮材2が押し付けられるから、そのまま発泡樹脂3を硬化させると、表面が表皮材2で覆われた発泡樹脂3の金型成形品、すなわち表皮一体発泡成形品が出来上がる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5(特に一部拡大図)に示したように、従来よりシート基材20同士の前記縫合部には帯状のシール材60が一緒に縫い込まれている。このシール材60は、縫い目を補強する用途に使われることが多い既存のウーリースピンテープがそのまま用いられており、針穴7と糸4の隙間を塞いで発泡樹脂3のシート基材20(布地21)上への漏れ出しを防止する目的がある。
【0008】
ウーリースピンテープ製のシール材60は、上記のように発泡樹脂3の漏れ出し防止を意図して使われているものの、その効果は限定的で到底満足できるものではなく、現在でも発泡樹脂3の漏れ出しが発生し、図2に示したように縫い目に沿って発泡樹脂3の小塊7が出来てしまう。そして、そのような小塊7を一つずつ手作業で除去しているのが実情である。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は発泡樹脂の漏れ出しを効果的に防止し得る表皮材並びにその表皮材を用いた表皮一体発泡成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、シート基材の複数の縁を縫い合わせてほぼ袋形態の表皮材を形成すると共にその表皮材の内部空間に発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材であって、少なくとも片面に起毛処理を施して毛羽立たせた帯状のシール材を、前記シート基材の縁に宛って一緒に縫い合わせてなる表皮材を提供する。
【0011】
起毛処理して毛羽立たせたシール材をシート基材と一緒に縫いつけるようにしたことで、試作段階において針穴と糸の隙間からの発泡樹脂の漏れ出しが100%阻止できた。起毛処理して毛羽立たせたシール材は、柔軟で伸縮性に富むため糸と針穴の隙間を塞ぐに適し、加えてシール材の毛羽が前記隙間を埋めるか或いは毛羽が糸の周囲を囲って発泡樹脂の漏れ出しを防いでいるものと思われる。
【0012】
また、請求項2に記載したようにシール材の毛羽をシート基材に当接させるようにした場合には、シール材とシート基材の重合面の極僅かな隙間が毛羽で塞がれるから、その隙間を通って針穴に抜ける経路までも完全に遮断することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は縫製時の状態を示す要部の拡大断面図である。なお、表皮材2の構造、表皮材2の縫製から発泡樹脂3の充填に至るまでの一連の工程は上記した従来技術と同じであるため、説明を省略する。また、図1に付した符号で図2〜図5の符号と一致するものは、それらと同一又は同機能の部材を示す。
【0014】
しかして本発明の要旨は、前記シール材6の片面又は両面に起毛処理を施して毛羽6Aを設けた点にある。本発明のシール材6は、通気性と伸縮性を有する布製であり、毛羽6Aを含めた全体の厚みが1〜2mmで、その厚みの1/2〜2/3程度を毛羽6Aが占めている。シール材6は幅=6mm程度の長尺テープであり、シート基材20の縫合部の寸法に合わせて切断される。図示したシール材6は片面のみに起毛処理を施したが、もちろん両面に起毛処理を施すようにしてもよい。なお、起毛処理を施す手段はどのようなものでもよく、特段の限定を要しない。もちろん上記の仕様に合致する布製の起毛テープも市販されており、そのような市販品をそのまま用いてもよい。
【0015】
本発明で使用するシール材6は以上のように構成されているため、これを前記ウーリースピンテープ製のシール材60に代え、シート基材20同士の縫合部に一緒に縫い込んで表皮材2を形成する。図1はこの縫製時の状態を拡大したものであり、その図に示されているようにシール材6は、毛羽6Aがシート基材20に当接するようにしてシート基材20,20の両側に宛われている。そして、ミシン5(言うまでもなく図示したミシン5は、その一部である針の先端部分を示している。)でシール材6と一緒にシート基材20,20を縫い合わせ、従来どおり表皮材2の内部空間で発泡樹脂3を発泡させる。
【0016】
こうして形成した本発明のアームレストは、針穴7と糸4の隙間から発泡樹脂3が漏れ出さないため、金型から取出した状態で従来技術にあった縫い目の小塊7がなく、綺麗な仕上がりを呈する。
【0017】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態ではシール材6の毛羽6Aをシート基材20に当接させるようにしたが、シール材6を逆向きにして縫い合わせるようにしてもよい。この場合、実施形態に対して発泡樹脂3の漏れ出し防止効果が若干低下する可能性があるものの、従来技術に対しては発泡樹脂3の漏れ出し防止効果が顕著に向上する。
【0018】
また、実施形態では表皮一体発泡成形品としてアームレストを例示したが、それに限定されず、車両用又はそれ以外の用途のシートやヘッドレストなど、その用途は無限に存在する。
また、実施形態では縫合部の両面に本発明のシール材6を縫いつけるようにしたが、発泡樹脂3の漏れ出しは成形品の形状や場所によってある程度差があるため、漏れ出し易さの度合いに応じてシール材6を縫合部の片面のみに縫いつけるようにしてもよい。また、場合に応じてシート基材20とシート基材20の間にシール材6を挟み込むようにして縫いつけることも可能である。
【0019】
また、実施形態では複数枚のシート基材20の縁同士を縫い合わせるようにしたが、例えば一枚のシート基材20を筒状に丸めて縁同士を縫い合わせるような場合にももちろん適用される。
【0020】
【発明の効果】
本発明の表皮材は、起毛処理して毛羽立たせたシール材をシート基材と一緒に縫いつけるようにしたため、針穴と糸の隙間から発泡樹脂が漏れ出さない。従って、漏れ出した発泡樹脂の除去工程が不要になり、その分確実にコストが削減できる。また、漏れ出した発泡樹脂を除去してもその痕跡が残るおそれがあり、成形品の品質の低下は免れないが、本発明の表皮材は発泡樹脂の漏れ出しが根本的に阻止できるから、表皮一体発泡成形品の品質を飛躍的に向上させることができる。
【0021】
また、請求項2に記載したように、シール材の毛羽をシート基材に当接させるようにすれば、シール材とシート基材の重合面の極僅かな隙間も毛羽で塞ぐことができるから、その隙間を通って針穴に抜ける微細な経路も完全に遮断することができ、より確実なシール効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縫製時の状態を示す要部の拡大断面図である。
【図2】従来の表皮一体発泡成形品を示す斜視図である。
【図3】従来の表皮材の発泡樹脂充填前の状態を示す斜視図である。
【図4】従来の表皮材の縫製直後の裏返った状態を示す斜視図である。
【図5】一部拡大図を含む図4のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 …アームレスト(表皮一体発泡成形品)
2 …表皮材
20…シート基材
3 …発泡樹脂
6 …シール材
6A…毛羽
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のシート基材同士の縁を縫い合わせて表皮材を形成すると共にその表皮材の内部に液状の発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材と、そのような表皮一体発泡成形方法による成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した表皮一体発泡成形方法は以前から実施されているものであり、その成形方法の詳細を図2〜図5により説明する。なお、図2は従来の表皮一体発泡成形品を示す斜視図、図3は従来の表皮材の発泡樹脂充填前の状態を示す斜視図、図4は従来の表皮材の縫製直後の裏返った状態を示す斜視図、図5は一部拡大図を含む図4のA−A線断面図である。
【0003】
図2は表皮一体発泡成形品たるアームレスト1を示す斜視図である。アームレスト1は主として車両用のシートに使用され、表皮一体発泡成形用表皮材(以下単に表皮材という。)2の内部に金属製の芯材(図示せず)を入れて発泡樹脂3で膨らませたものである。
【0004】
前記表皮材2は、裁断された複数のシート基材20同士の縁を、表が中合わせになるように糸4で縫い合わせてほぼ袋形態に形成される。前記シート基材20は、外皮を構成する布地21と、内皮を構成する弾性シート22を一体に貼り合わせたものであり、さらに弾性シート22は図5の一部拡大図に示したように、厚いウレタンスラブ22aの外側を薄いウレタンフィルム22bで覆った二重構造になっている。シート基材20同士の縫製は、図5に示したように内皮の弾性シート22を外向きとなし、外皮の布地21同士の表が中合わせになるように対向させてミシンで行う。
【0005】
こうして縫製した表皮材2は、図4に示したように内皮である弾性シート22が外に露出する裏返えった状態であるため、これを図3のように表に返して縫合部を中に隠し、この状態で内部に前記芯材を入れて金型(図示せず)に収め、さらにその表皮材2の内部空間に液状の発泡樹脂(例えば発泡ウレタン樹脂)を充填してそのまま発泡させる。
【0006】
発泡樹脂3が発泡して金型のキャビティ内に充満すると、発泡樹脂3の圧力でキャビティ内面に表皮材2が押し付けられるから、そのまま発泡樹脂3を硬化させると、表面が表皮材2で覆われた発泡樹脂3の金型成形品、すなわち表皮一体発泡成形品が出来上がる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5(特に一部拡大図)に示したように、従来よりシート基材20同士の前記縫合部には帯状のシール材60が一緒に縫い込まれている。このシール材60は、縫い目を補強する用途に使われることが多い既存のウーリースピンテープがそのまま用いられており、針穴7と糸4の隙間を塞いで発泡樹脂3のシート基材20(布地21)上への漏れ出しを防止する目的がある。
【0008】
ウーリースピンテープ製のシール材60は、上記のように発泡樹脂3の漏れ出し防止を意図して使われているものの、その効果は限定的で到底満足できるものではなく、現在でも発泡樹脂3の漏れ出しが発生し、図2に示したように縫い目に沿って発泡樹脂3の小塊7が出来てしまう。そして、そのような小塊7を一つずつ手作業で除去しているのが実情である。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は発泡樹脂の漏れ出しを効果的に防止し得る表皮材並びにその表皮材を用いた表皮一体発泡成形品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、シート基材の複数の縁を縫い合わせてほぼ袋形態の表皮材を形成すると共にその表皮材の内部空間に発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材であって、少なくとも片面に起毛処理を施して毛羽立たせた帯状のシール材を、前記シート基材の縁に宛って一緒に縫い合わせてなる表皮材を提供する。
【0011】
起毛処理して毛羽立たせたシール材をシート基材と一緒に縫いつけるようにしたことで、試作段階において針穴と糸の隙間からの発泡樹脂の漏れ出しが100%阻止できた。起毛処理して毛羽立たせたシール材は、柔軟で伸縮性に富むため糸と針穴の隙間を塞ぐに適し、加えてシール材の毛羽が前記隙間を埋めるか或いは毛羽が糸の周囲を囲って発泡樹脂の漏れ出しを防いでいるものと思われる。
【0012】
また、請求項2に記載したようにシール材の毛羽をシート基材に当接させるようにした場合には、シール材とシート基材の重合面の極僅かな隙間が毛羽で塞がれるから、その隙間を通って針穴に抜ける経路までも完全に遮断することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は縫製時の状態を示す要部の拡大断面図である。なお、表皮材2の構造、表皮材2の縫製から発泡樹脂3の充填に至るまでの一連の工程は上記した従来技術と同じであるため、説明を省略する。また、図1に付した符号で図2〜図5の符号と一致するものは、それらと同一又は同機能の部材を示す。
【0014】
しかして本発明の要旨は、前記シール材6の片面又は両面に起毛処理を施して毛羽6Aを設けた点にある。本発明のシール材6は、通気性と伸縮性を有する布製であり、毛羽6Aを含めた全体の厚みが1〜2mmで、その厚みの1/2〜2/3程度を毛羽6Aが占めている。シール材6は幅=6mm程度の長尺テープであり、シート基材20の縫合部の寸法に合わせて切断される。図示したシール材6は片面のみに起毛処理を施したが、もちろん両面に起毛処理を施すようにしてもよい。なお、起毛処理を施す手段はどのようなものでもよく、特段の限定を要しない。もちろん上記の仕様に合致する布製の起毛テープも市販されており、そのような市販品をそのまま用いてもよい。
【0015】
本発明で使用するシール材6は以上のように構成されているため、これを前記ウーリースピンテープ製のシール材60に代え、シート基材20同士の縫合部に一緒に縫い込んで表皮材2を形成する。図1はこの縫製時の状態を拡大したものであり、その図に示されているようにシール材6は、毛羽6Aがシート基材20に当接するようにしてシート基材20,20の両側に宛われている。そして、ミシン5(言うまでもなく図示したミシン5は、その一部である針の先端部分を示している。)でシール材6と一緒にシート基材20,20を縫い合わせ、従来どおり表皮材2の内部空間で発泡樹脂3を発泡させる。
【0016】
こうして形成した本発明のアームレストは、針穴7と糸4の隙間から発泡樹脂3が漏れ出さないため、金型から取出した状態で従来技術にあった縫い目の小塊7がなく、綺麗な仕上がりを呈する。
【0017】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態ではシール材6の毛羽6Aをシート基材20に当接させるようにしたが、シール材6を逆向きにして縫い合わせるようにしてもよい。この場合、実施形態に対して発泡樹脂3の漏れ出し防止効果が若干低下する可能性があるものの、従来技術に対しては発泡樹脂3の漏れ出し防止効果が顕著に向上する。
【0018】
また、実施形態では表皮一体発泡成形品としてアームレストを例示したが、それに限定されず、車両用又はそれ以外の用途のシートやヘッドレストなど、その用途は無限に存在する。
また、実施形態では縫合部の両面に本発明のシール材6を縫いつけるようにしたが、発泡樹脂3の漏れ出しは成形品の形状や場所によってある程度差があるため、漏れ出し易さの度合いに応じてシール材6を縫合部の片面のみに縫いつけるようにしてもよい。また、場合に応じてシート基材20とシート基材20の間にシール材6を挟み込むようにして縫いつけることも可能である。
【0019】
また、実施形態では複数枚のシート基材20の縁同士を縫い合わせるようにしたが、例えば一枚のシート基材20を筒状に丸めて縁同士を縫い合わせるような場合にももちろん適用される。
【0020】
【発明の効果】
本発明の表皮材は、起毛処理して毛羽立たせたシール材をシート基材と一緒に縫いつけるようにしたため、針穴と糸の隙間から発泡樹脂が漏れ出さない。従って、漏れ出した発泡樹脂の除去工程が不要になり、その分確実にコストが削減できる。また、漏れ出した発泡樹脂を除去してもその痕跡が残るおそれがあり、成形品の品質の低下は免れないが、本発明の表皮材は発泡樹脂の漏れ出しが根本的に阻止できるから、表皮一体発泡成形品の品質を飛躍的に向上させることができる。
【0021】
また、請求項2に記載したように、シール材の毛羽をシート基材に当接させるようにすれば、シール材とシート基材の重合面の極僅かな隙間も毛羽で塞ぐことができるから、その隙間を通って針穴に抜ける微細な経路も完全に遮断することができ、より確実なシール効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縫製時の状態を示す要部の拡大断面図である。
【図2】従来の表皮一体発泡成形品を示す斜視図である。
【図3】従来の表皮材の発泡樹脂充填前の状態を示す斜視図である。
【図4】従来の表皮材の縫製直後の裏返った状態を示す斜視図である。
【図5】一部拡大図を含む図4のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 …アームレスト(表皮一体発泡成形品)
2 …表皮材
20…シート基材
3 …発泡樹脂
6 …シール材
6A…毛羽
Claims (3)
- シート基材の複数の縁を縫い合わせてほぼ袋形態の表皮材を形成すると共にその表皮材の内部空間に発泡樹脂を注入して発泡させる表皮一体発泡成形方法に用いられる前記表皮材であって、
少なくとも片面に起毛処理を施して毛羽立たせた帯状のシール材を、前記シート基材の縁に宛って一緒に縫い合わせてなることを特徴とする表皮一体発泡成形用表皮材。 - 前記シール材の毛羽をシート基材に当接させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の表皮一体発泡成形用表皮材。
- 請求項1又は2記載の表皮一体発泡成形用表皮材の内部空間に発泡樹脂を注入して発泡させてなることを特徴とする表皮一体発泡成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197542A JP2005034212A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 表皮一体発泡成形用表皮材並びに表皮一体発泡成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197542A JP2005034212A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 表皮一体発泡成形用表皮材並びに表皮一体発泡成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005034212A true JP2005034212A (ja) | 2005-02-10 |
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ID=34207636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003197542A Pending JP2005034212A (ja) | 2003-07-16 | 2003-07-16 | 表皮一体発泡成形用表皮材並びに表皮一体発泡成形品 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005034212A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016007460A (ja) * | 2014-06-26 | 2016-01-18 | 株式会社豊和化成 | サイドアームレスト及びその製造方法 |
KR101689480B1 (ko) * | 2015-10-29 | 2016-12-23 | 주식회사 아난 | 커버의 재봉 라인이 실링 처리된 헤드레스트 성형방법 |
JP2017087777A (ja) * | 2015-11-02 | 2017-05-25 | トヨタ紡織株式会社 | 発泡成形品及び車両用シート |
JP2020065841A (ja) * | 2018-10-26 | 2020-04-30 | 株式会社タチエス | 表皮および成形品 |
-
2003
- 2003-07-16 JP JP2003197542A patent/JP2005034212A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016007460A (ja) * | 2014-06-26 | 2016-01-18 | 株式会社豊和化成 | サイドアームレスト及びその製造方法 |
KR101689480B1 (ko) * | 2015-10-29 | 2016-12-23 | 주식회사 아난 | 커버의 재봉 라인이 실링 처리된 헤드레스트 성형방법 |
JP2017087777A (ja) * | 2015-11-02 | 2017-05-25 | トヨタ紡織株式会社 | 発泡成形品及び車両用シート |
JP2020065841A (ja) * | 2018-10-26 | 2020-04-30 | 株式会社タチエス | 表皮および成形品 |
JP7340916B2 (ja) | 2018-10-26 | 2023-09-08 | 株式会社タチエス | 表皮および成形品 |
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JP2020125081A (ja) | 車両用ヘッドレスト |
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