JP2008200939A - シームレスベルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状金型の内面に樹脂溶液を展開し、当該金型を誘導加熱により加熱することで当該樹脂溶液を加熱成型するシームレスベルトの製造方法であって、金型の外面及び内面に磁性体または非磁性体材料のメッキ処理が施されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
前記金型の外面及び内面に磁性体または非磁性体材料のメッキ処理が施されていることを特徴とする。
シームレスベルトを製造するための円筒状金型と、
前記円筒状金型の内面に樹脂溶液を展開する手段と、
前記円筒状金型を誘導加熱により加熱することで当該樹脂溶液を加熱成形する手段と、を備えるシームレスベルトの製造装置であって、
前記円筒状金型の外面及び内面に磁性体または非磁性体材料のメッキ処理が施されていることを特徴とする。
円筒状金型の材料としては、ステンレス鋼(SUS)・アルミニウム(AI)・炭素鋼などの耐熱性材料が使用される。円筒状金型のサイズ(内径、外径、高さ)は、特に制限されず、シームレスベルトのサイズに依存して設定できる。
円筒状金型に施すメッキの材料としては、例えば、亜鉛、ニッケル、ニッケルとクロムの複合物、硬質クロム、テフロン(登録商標)、アルマイト(金型材料がアルミ、アルミ合金の場合)等が例示でき、特に、磁性体の無電解ニッケルメッキ、非磁性体のクロムなどが好適に適用できる。金型の全面にメッキ処理を施すことが好ましく、少なくとも、内周面に、又は内周面及び外周面に施すことが好ましい。メッキ処理の方法は、メッキ層の厚みのばらつきを抑えることが要求され、これを実現できる公知の処理方法が適用できる。
(誘導加熱方法・装置)
図1は、本発明の一例を示す製造方法・装置の概要を示す説明図である。樹脂溶液を内面に展開する円筒状金型1に対して所定の距離をおいて加熱用誘導コイル2が設置されている。高周波電源4から加熱用誘導コイル2に高周波電流が印加されると、円筒状金型1に誘導電流が生じて内部抵抗によって発熱つまり円筒状金型1自体が加熱されることとなる。このとき、印加する電流値を変えると発生する誘導電流も変化し発熱量も変化するため、加熱量も可変できることとなる。円筒状金型1は、図1の下部に示すように、該金型1と接設する回転ローラ3によって所定の回転数に回動することができ、内面に展開された樹脂の製造工程に即した稼動状態(つまり、停止、高速回転(例えば、5〜100rpm程度、100rpm以上等)、低速回転(例えば、高速回転が5rpm以上であれば低速回転は5rp未満)など)を実現している。
加熱用誘導コイル2は、電磁誘導機能を発揮するものであれば特に制限されないが、例えば、面焼形コイル、角形コイル、円筒加熱用コイル等が例示され、円筒状金型の軸方向に沿って加熱させる場合、角形コイル、面焼形コイルが好ましい。また、円筒状金型の内面全面を加熱する場合、円筒状加熱用コイルが好ましい。
円筒状金型の内面に樹脂皮膜を形成する方法・手段としては、特に制限されず、従来公知の方法・手段が適用でき、例えば、弾丸状走行体を用いて自重走行により速度20mm/分で金型内面を走行させ、樹脂皮膜を金型内周面に塗布する方法・手段、塗布装置によって内周面に塗布する方法等が例示される。
本発明に用いるカーボンブラックは、平均粒子径が5〜100nmであり、好ましくは10〜70nmであり、より好ましくは15〜60nmである。平均粒子径が5nm未満のものは、実質的に入手することが困難であり、平均粒子径が100nmを越える場合、該カーボンブラックを含有したポリイミド樹脂組成物の表面粗さ、機械的強度及び電気抵抗制御性等の観点から実用上満足できるものが得られ難いからである。
本発明に用いる有機極性溶媒は、導電性フィラー、特にカーボンブラックの分散性を高めるものであれば特に制限されないが、N,N−ジアルキルアミド類が有用であり、例えば低分子量のものとしてN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これらは、蒸発、置換又は拡散によりポリアミド酸及びポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、分散方法としては公知の方法が適用でき、ポールミル、サンドミル、バスケットミル、超音波分散等が挙げられる。
し、ベルトを複数の駆動ローラ等により駆動する際にベルト端面に亀裂を生じることがある。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。なお、本発明がかかる実施例、評価方法に限定されるものではない。
(1)表面抵抗率とそのバラツキ
ハイレスタUP、MCP−HTP16(三菱化学社製、プローブ:UR−100)にて印加電圧100V、10秒後、測定条件25℃、60%RHでの表面抵抗率を調べ、その表面抵抗率を常用対数値にて示した。各サンプルにつき12箇所(周方向に4箇所とし軸方向に3点=12箇所)を測定して、周方向及び軸方向の夫々の最大値と最小値の偏差(最大値÷最小値値)により表面抵抗率のバラツキを評価した。なお平均値も算出してある。
電磁式デジタル膜厚計(SDM−3000、(株)サンコウ電子研究所)にて、金型にメッキされた厚みの平均値と、厚みのばらつき(%)を評価した。厚みばらつきは、(最大値―平均値)÷平均値×100で算出される。
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1687gとイソキノリン163gの混合溶液中にカーボンブラック(MA1O0、三菱化学社製、ファーネスブラック、一次粒子に基づく平均粒子径22nm)200gとポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)100gを添加した。ボールミルを用いて、12時間、室温で攪拌することにより分散した後、#400ステンレスメッシュでろ過しカーボン濃度10%のカーボン分散液を得た。このカーボン分散液1923.39gを5000mlの4つ口フラスコに移し、N−メチル−2−ピロリドン2040.13gとp−フェニレンジアミン227.09g(2.1モル)を仕込み、常温で攪拌させながら溶解した。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物617.86g(2.1モル)を添加し、温度20℃で1時間反応させた後、75℃で20時間加熱しながら攪拌することにより、B型粘度計による溶液粘度が150Pa・sのカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液(固形分濃度20wt%、カーボンブラックの添加量樹脂に対して25部)を得た。このカーボンブラック含有ポリイミド前駆体溶液を#800のステンレスメッシュを用いてろ過し、半導電性ポリイミドベルト形成用ワニスとした。次に、前記半導電性ポリイミドベルト形成用ワニスをディスペンサーにより、外径320mm、長さ1200mm、硬質クロムメッキ厚み平均値14.1μm、最大メッキ厚みバラツキ4.3%(内周面及び外周面にメッキ処理済み)の金属製円筒状金型の内周面に厚みが600μmになるように塗布した。次に、回転成形機にて1500rpmで10分間回転させて均一厚の展開層としたのち、10rpmで回転させながら、誘導加熱により金型を345℃まで加熱し溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化を行った。その後室温に戻し、厚さ77〜78μmのシームレスの半導電性ベルトを得た。
実施例の金属製円筒状金型を硬質クロムメッキ厚み平均値24.6μm、最大メッキ厚みバラツキ36.7%の金型に代えて行った。
実施例の金属製円筒状金型を硬質クロムメッキ厚み平均値280μm、最大メッキ厚みバラツキ12.6%の金型に代えて行った。
2 加熱用誘導コイル
3 回転ローラ
4 高周波電源
Claims (5)
- 円筒状金型の内面に樹脂溶液を展開し、当該金型を誘導加熱により加熱することで当該樹脂溶液を加熱成形するシームレスベルトの製造方法であって、
前記金型の外面及び内面に磁性体または非磁性体材料のメッキ処理が施されていることを特徴とするシームレスベルトの製造方法。 - 前記金型に施されたメッキの層の厚みバラツキが厚み平均値の±20%以内であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルトの製造方法。
- 前記樹脂溶液がポリアミド酸溶液を主成分とする溶液であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシームレスベルトの製造方法。
- 前記金型と加熱用誘導コイルとの距離を調整可能とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシームレスベルトの製造方法。
- シームレスベルトを製造するための円筒状金型と、
前記円筒状金型の内面に樹脂溶液を展開する手段と、
前記円筒状金型を誘導加熱により加熱することで当該樹脂溶液を加熱成形する手段と、を備えるシームレスベルトの製造装置であって、
前記円筒状金型の外面及び内面に磁性体または非磁性体材料のメッキ処理が施されていることを特徴とするシームレスベルトの製造装置。
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