JP2008198836A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でウォーターマークの発生を防止して基板表面を良好に乾燥させることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】チャックピンa,2b,2cは、そのリリース状態においては、互いに異なる高さで基板Wの裏面を支持するプロキピン22a,22b,22cによって基板Wを傾斜姿勢で支持する。また、そのグリップ状態においては、基板把持部23a,23b,23cによって基板Wを側方から挟み上げて載置面から離間させ、把持高さhRにおいて水平姿勢で把持する。基板Wを覆う液塊を形成した後に、チャックピン2a,2b,2cをグリップ状態からリリース状態に切り換えて、水平姿勢で把持されていた基板Wを傾斜姿勢で支持することによって、基板表面上の液塊を排出する。表面上の液塊が排出された基板をさらに水平姿勢で保持して回転させることによって基板を乾燥させる。
【選択図】図3

Description

この発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」という)に対して所定の処理(例えば、基板表面上の処理液を除去して基板を乾燥する処理)を行う基板処理装置に関する。
このような基板処理装置においては、基板を水平姿勢で保持し、当該水平姿勢に保持された基板の表面に処理液(エッチング液やリンス液等)を供給することによって基板に対して所定の処理を行う装置が従来より知られている。
このような基板処理装置は例えば特許文献1に記載されている。ここでは、搬送ロボットから装置内に搬入された未処理基板を、まず複数の支持部材によって水平支持面上に支持する。続いて、支持部材によって支持された未処理基板を、把持部材によって支持面よりも上方の位置で水平に保持する。続いて、把持部材によって保持された基板を回転させ、回転している基板に対して所定の処理液を供給して基板に対する処理を実行する。
このような基板処理装置において、基板表面上の処理液を除去して基板を乾燥する処理は、処理液が供給された基板を高速回転させて基板上の処理液を遠心力で振り切ることによって実行される(スピンドライ処理)。
ところで、スピンドライ処理において基板を高速回転させる前に、表面に処理液が供給された状態の基板を一時的に傾けた状態とすることによって、重力の力を利用して基板上の処理液を排出する技術が知られている。例えば、特許文献2では、スピンドライ処理を実行する前に、表面にリンス液が供給された基板の周縁部の一カ所を基板傾斜機構によって持ち上げて基板を傾斜させて、その表面のリンス液を基板表面から落下させている。このように基板を傾斜させて重力を利用して基板上面から液を排出させる構成によると、基板上からの液の排出を効率的に行い、基板上の残留液滴を無くすことができる。これによって、ウォーターマークの発生を防止して基板表面を良好に乾燥させることが可能となる。
なお、基板を傾斜姿勢におく技術としては、例えば特許文献3に、基板を傾斜させた状態で搬送させる技術が記載されている。ここでは、基板を保持して搬送するハンド上に設けられた規制部材と傾斜部材とによって、基板を傾斜姿勢で支持ながら搬送する。より具体的には、基板の一方の端面を傾斜部材の傾斜面によって傾斜姿勢で支持し、基板の他方の端面を規制部材に当接されるように案内する。基板の端面を規制部材に当接させることによって、基板を正確に位置決めして保持することが可能となっている。
特開2004−235234号公報 特開2006−19523号公報 特開2003−282670号公報
上述の通り、基板を高速回転させる前に基板上の処理液を排出しておくことによって、ウォーターマークの発生を防止して基板表面を良好に乾燥させることが可能となる。
しかしながら、特許文献2に記載の構成によると、基板を傾斜させるための基板傾斜機構を設けなければならない。基板を傾斜させるためだけにこのような特別の機構を設けるための設計上の労力は非常に大きく、装置のコストアップ、フットプリントの増大も避けられない。
また、この構成によると、基板を傾斜させるための一連の工程(すなわち、基板傾斜機構のアームを基板の周縁にまで移動させ、さらにそこで基板の周縁部の一カ所を把持して持ち上げ、さらに傾斜状態を解除して基板を再び水平姿勢におく、といった一連の工程)が必要となるので、アームの移動時間等を考慮すると、スループットの低下が避けられないという点も問題であった。
さらにまた、基板傾斜機構のアームを洗浄することは難しいため、蓄積汚染が避けられない。アームが汚染されると、当該アームが接触した基板の裏面が汚染されてしまう。基板の裏面にゴミ等が付着すると、以降のバッチプロセスでの転写が問題となってくる。このような問題を回避するためには基板傾斜機構のアームを洗浄する機構を設けることが望ましいが、このような機構を設けることはさらなる装置のコストアップ、フットプリントの拡大を招いてしまう。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でウォーターマークの発生を防止して基板表面を良好に乾燥させることができる基板処理装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、基板表面上の処理液を除去して前記基板を乾燥する基板処理装置であって、基板を回転可能に支持するための回転支持台と、前記回転支持台上に設けられ、基板を傾斜姿勢にて載置する載置部と、前記回転支持台上に設けられ、基板の端縁部を把持して当該基板を水平姿勢にて保持する把持部と、前記把持部が基板の端縁部を把持して基板を水平姿勢に保持する水平保持状態と、前記把持部が基板の端縁部から離間して基板を前記載置部によって傾斜姿勢で保持する傾斜保持状態と、の間で前記把持部の位置を移動させる駆動機構と、前記水平保持状態にて前記回転支持台を鉛直方向に沿った軸心周りにて回転させる回転手段と、を備える。
請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記載置部は、高さの異なる複数の支持ピンを含み、前記把持部は、前記複数の支持ピンに1対1で対応して設けられた複数の把持爪を含み、前記複数の支持ピンのそれぞれと当該支持ピンに対応する把持爪とは、前記回転支持台上に鉛直方向に沿った軸心周りにて回転自在に取り付けられた複数の回転台のそれぞれに設けられ、前記複数の把持爪のそれぞれは、基板の端縁部が入り込む断面くの字形状のテーパ面を有するとともに、前記回転台の回転中心から偏心して前記複数の回転台のそれぞれに設けられ、前記駆動機構は、前記複数の回転台を回動することによって、前記複数の把持爪を基板の端縁部から離間して基板を前記複数の支持ピン上に載置させるとともに、前記複数の把持爪のテーパ面を基板の端縁部に押圧して基板を前記複数の支持ピンから離間させて前記複数の把持爪に把持させる。
請求項3の発明は、基板表面上の処理液を除去して前記基板を乾燥する基板処理装置において、基板を傾斜姿勢にて載置する載置部と、前記載置部に載置された基板を前記載置部から離間させて水平姿勢にて保持する把持部と、前記把持部によって水平姿勢で保持された基板を回転させる基板回転機構と、を備える。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、前記把持部によって水平姿勢にて保持された基板の表面に処理液を供給する処理液供給部、を備える。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、基板の表面に気体を供給する気体供給部、を備える。
請求項6の発明は、基板表面上の処理液を除去して前記基板を乾燥する基板処理方法において、表面に処理液が残留している基板を傾斜姿勢で載置する載置工程と、傾斜姿勢で載置されている基板の姿勢を変更して当該基板を水平姿勢で保持する水平保持工程と、姿勢を変えた後に、水平姿勢で保持された基板を回転させる基板回転工程と、を備える。
請求項7の発明は、請求項6に記載の基板処理方法において、前記載置工程の前に、水平姿勢で保持された基板の表面に前記処理液を供給する処理液供給工程、を備える。
請求項8の発明は、請求項7に記載の基板処理方法において、第1の処理部にて前記処理液供給工程を実行した後に、前記処理液が供給された基板を前記第1の処理部から第2の処理部まで水平姿勢で搬送する搬送工程、を備え、前記第2の処理部において前記載置工程を実行する。
請求項9の発明は、請求項6から8のいずれかに記載の基板処理方法において、前記載置工程において傾斜姿勢で載置された基板の表面から前記処理液が排除され、少なくとも基板の中心が前記処理液が排除された露出領域となった後に、前記水平保持工程を実行する。
請求項10の発明は、請求項6から9のいずれかに記載の基板処理方法において、基板の表面に気体を供給する気体供給工程、を備え、前記載置工程において傾斜姿勢で載置された基板の表面から前記処理液が排除され、少なくとも基板の中心が前記処理液が排除された露出領域となった後に、前記気体供給工程を開始する。
請求項1〜10に記載の発明によると、基板を載置することによって、重力の力で基板の表面上から処理液を排出させることができる。表面上の処理液が排出された基板を水平姿勢で保持して回転させることによって、ウォーターマークの発生を防止して基板表面を良好に乾燥させることができる。
特に、請求項1に記載の発明によると、把持部の位置を移動させることによって基板を傾斜姿勢におくことができるので、傾斜姿勢におくために基板の一端を持ち上げる機構等を設ける必要がない。したがって、基板処理装置を簡易な構成とすることができる。
特に、請求項6に記載の発明によると、載置工程において載置された基板が傾斜姿勢におかれるので、傾斜姿勢におくために基板の一端を持ち上げる工程等を設ける必要がない。したがって、基板処理のスループットが低下しない。
〔第1の実施の形態〕
〈1.構成〉
〈1−1.基板処理装置100の全体構成〉
この発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置100の構成について図1を参照しながら説明する。図1はこの実施の形態に係る基板処理装置100の全体構成を示す図である。
基板処理装置100は、基板Wに所定の処理液(化学薬品または有機溶剤等の薬液や純水またはDIW等のリンス液)を供給して、基板Wに所定の処理(薬液処理、リンス処理等)を順次に行い、さらにリンス処理後の基板Wに対して乾燥処理(表面上のリンス液を除去して基板Wを乾燥する処理)を行う枚葉式の処理装置である。
基板処理装置100は、スピンベース1と、チャックピン2a,2b,2c(以下において、チャックピン2a,2b,2cのそれぞれを特に区別しない場合には、単に「チャックピン2」という。)と、回転駆動機構3と、遮断板4と、下面処理液供給系5と、上面処理液供給系6と、気体供給系7とを備えている。
また、基板処理装置100は、CPUやメモリ等を備えたコンピュータによって構成される制御部99を備えている。制御部99は、回転駆動機構3、チャックピン駆動機構21、回転駆動機構41、昇降機構42および各バルブ53,55,63,65,72等と電気的に接続されており、それらの動作を制御する。
スピンベース1、チャックピン2および回転駆動機構3等によって構成されるスピンチャック10は、基板Wをそのデバイス形成面を上方に向けて略水平に保持するとともに、保持した基板Wを、水平面内にて鉛直方向に沿った軸A1(基板Wのほぼ中心を通りる鉛直軸)回りに回転させる。
スピンベース1は、基板を回転可能に支持するための支持台である。より具体的には、回転駆動機構3によって回転される回転軸31の上端に固定された略円盤状の部材であり、その上面には複数個のチャックピン2が設けられる。
チャックピン2は、スピンベース1の上面の所定箇所に複数個設けられる(図2参照)。これら複数のチャックピン2(より具体的には、各チャックピン2に設けられたプロキピン22a,22a,22b,22b,22c,22c)が全体として、基板Wを傾斜姿勢で載置する載置部として機能する。また、これら複数のチャックピン2(より具体的には、各チャックピン2に設けられた基板把持部23a,23a,23b,23b,23c,23c)は全体として、傾斜姿勢で載置された基板Wの端縁部を把持して当該基板Wを載置部から離間させて水平姿勢で保持する把持部として機能する。複数のチャックピン2は、チャックピン駆動機構21によって、連動して回転駆動されることによって(図2の矢印AR2a,2b,2c)、載置部として機能するリリース状態(図2の仮想線位置)と把持部として機能するグリップ状態(図2の実線位置)との間を切り換えられる。なお、チャックピン2は、円形の基板Wを確実に保持するべく3個以上設けてあればよく、この実施の形態の基板処理装置100においては、6個のチャックピン2がスピンベース1の周縁に沿って等間隔(60°間隔)に立設されているものとする。チャックピン2の具体的な構成については、後にさらに詳述する。
回転駆動機構3は、電動モータおよびその回転を回転軸31に伝達するトルク伝達機構によって構成されており、回転軸31、スピンベース1およびチャックピン2に保持された基板Wを、鉛直方向に沿った軸A1を中心として水平面内にて回転させることができる。なお、回転駆動機構3としてはモータ軸が回転軸31に直結された中空モータを採用してもよい。回転軸31は中空軸となっていて、その内部には下面処理液供給管51が挿通されている。
遮断板4は、回転駆動機構41によって回転される回転軸411の下端に固定された略円盤状の部材であり、スピンチャック10に保持された基板Wの上面に対向し、基板Wの径よりも若干大きな基板対向面412を有する。ただし回転軸411は回転軸31の軸線A1と共通の軸線A2に沿っている。回転軸411は中空軸となっていて、その内部には上面処理液供給管61が挿通されている。また、遮断板4は、昇降機構42によって鉛直方向に沿って昇降自在とされている。
回転駆動機構41は、電動モータおよびその回転を回転軸411に伝達するトルク伝達機構によって構成されており、回転軸411および遮断板4を、鉛直方向に沿った軸A2を中心として水平面内にて回転させることができる。すなわち、遮断板4はスピンチャック10に保持された基板Wとほぼ平行かつ同軸に回転される。また、遮断板4はスピンチャック10に保持された基板Wとほぼ同じ回転数でかつ同じ方向に回転される。
昇降機構42は、例えば、ボールネジを用いた送りネジ機構やエアシリンダを用いた機構等によって構成されており、回転軸411、遮断板4および回転駆動機構41を支持アーム421内に収容するとともに、支持アーム421全体を昇降させることによって、回転軸411、遮断板4および回転駆動機構41を一体として昇降させる。より具体的には、遮断板4の基板対向面412を、スピンチャックに保持された基板Wの上面に近接する位置と、基板Wの上面から大きく上方に離間した位置との間で昇降させる。遮断板4がスピンチャックに保持された基板Wの上面に近接すると、その基板Wの表面全面を覆うこととなる。
下面処理液供給系5は、基板Wの下面に向けて処理液を供給する。下面処理液供給系5は、下面処理液供給管51と、下面ノズル52と、薬液バルブ53と、薬液供給源54と、純水バルブ55と、純水供給源56とを備えている。
下面処理液供給管51は、回転軸31の内部に挿通され、スピンチャック10に保持された基板Wの下面中央に近接する位置まで延びていて、その先端には基板Wの下面中央に向けて処理液を吐出する下面ノズル52が形成されている。またその他端は、薬液バルブ53を介して、所定の薬液(例えば、フッ酸(HF)、緩衝フッ酸(BHF)、SC1(アンモニア水と過酸化水素水と水との混合液)、SC2(塩酸と過酸化水素水と水との混合液)等)を貯留する薬液供給源54に接続されている。また、純水バルブ55を介して、所定のリンス液(例えば、脱イオン化された純水)を貯留する純水供給源56に接続されている。制御部99は、薬液バルブ53を開閉制御することによって、下面ノズル52から所定の薬液を吐出させることができる。また、純水バルブ55を開閉制御することによって、下面ノズル52から純水を吐出させることができる。
上面処理液供給系6は、基板Wの上面に向けて処理液を供給する。上面処理液供給系6は、上面処理液供給管61と、上面ノズル62と、薬液バルブ63と、薬液供給源64と、純水バルブ65と、純水供給源66とを備えている。
上面処理液供給管61は、回転軸411の内部に挿通され、その先端には基板Wの上面中央に向けて処理液を吐出する上面ノズル62が形成されている。またその他端は、薬液バルブ63を介して、所定の薬液を貯留する薬液供給源64に接続されている。また、純水バルブ65を介して、所定のリンス液を貯留する純水供給源66に接続されている。制御部99は、薬液バルブ63を開閉制御することによって、上面ノズル62から所定の薬液を吐出させることができる。また、純水バルブ65を開閉制御することによって、上面ノズル62から純水を吐出させることができる。
気体供給系7は、基板Wの上面に所定の気体(不活性ガスであり、この実施の形態においては窒素ガスとする。)を吐出供給する。気体供給系7は、気体供給流路71と、気体バルブ72と、流量調整部73と、気体供給源74とを備えている。
気体供給流路71は、回転軸411の内壁面と上面処理液供給管61の外壁面との間に形成されている。気体供給流路71は、気体バルブ72および流量調整部73を介して、窒素ガスを供給する気体供給源74に接続されている。制御部99は、気体バルブ72を開閉制御することによって、気体供給流路71から窒素ガスを吐出させることができる。また、流量調整部73を制御することによって、気体供給流路71から吐出させる窒素ガスの流量を変更することができる。
〈1−2.チャックピン2〉
チャックピン2a,2b,2cについて図2〜図4を参照しながらより詳細に説明する。図2はスピンベース1の平面図であり、図3はスピンベース1の断面図(図2のLo線断面)である。また、図4はチャックピン2a,2b,2cそれぞれの側面図である。
〈チャックピン2a,2b,2cの配置〉
図2を参照する。上述した通り、スピンベース1には、その周縁に沿って等間隔で、それぞれ2個が対をなす3対のチャックピン2、すなわち6個のチャックピン2が設けられる。より具体的には、図2に示すように、各チャックピン2a,2b,2cの備えるプロキピン22a,22b,22cのそれぞれが、スピンベース1の中心Oを通過する傾斜軸Loに直交する互いに平行な等高軸La,Lb,Lc上にそれぞれ位置するように設けられる。
ただし、チャックピン2a,2b,2cは、その基板把持部23a,23b,23cが後述するグリップ位置(図2の実線位置)におかれた状態において、そのくの字断面の屈曲頂辺Kが基板Wの接線方向と平行な位置関係におかれるように配置される。
〈チャックピン2a,2b,2cの構成〉
図4を参照する。チャックピン2a,2b,2cのそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から点接触で支持する支持ピンであるプロキピン22a,22b,22cと、プロキピン22a,22b,22cに1対1で対応して設けられ、基板Wの外周端面を側方から押圧して把持する把持爪である基板把持部23a,23b,23cとを備えている。プロキピン22a,22b,22cと基板把持部23a,23b,23cとは、プロキピン22a,22b,22cを中心とする鉛直軸A3回りに回動自在に軸支された回転台である略円柱状の可動本体部材24a,24b,24cにそれぞれ設けられている。
プロキピン22aは、その先端が、水平面であるスピンベース1の表面から所定距離haだけ離間した高さ(以下「第1の高さha」という)に位置している。すなわち、2個のプロキピン22aは、等高軸Laにおいて第1の高さhaで基板Wを支持する(図3参照)。
プロキピン22bは、その先端が、スピンベース1の表面から所定距離hb(ただし距離hb<距離ha)だけ離間した高さ(以下「第2の高さhb」という)に位置している。すなわち、2個のプロキピン22bは、等高軸Lbにおいて第2の高さhbで基板Wを支持する。
プロキピン22cは、その先端が、スピンベース1の表面から所定距離hc(ただし距離hc<距離hb)だけ離間した高さ(以下「第3の高さhc」という)に位置している。すなわち、2個のプロキピン22cは、等高軸Lcにおいて第3の高さhcで基板Wを支持する。
基板把持部23a,23b,23cのそれぞれは、可動本体部材24a,24b,24cの回転中心(鉛直軸A3)から偏心して可動本体部材24a,24b,24cのそれぞれに設けられる。これにより、可動本体部材24a,24b,24cがチャックピン駆動機構21によってプロキピン22a,22b,22cの位置を中心として回転駆動されることによって基板Wに対して進退し(矢印AR2a,AR2b,AR2c)、基板Wの外周端面を押圧する押圧状態(グリップ状態)を形成するグリップ位置(図2の実線位置、図3(b)に示す位置)と、基板Wの外周端面から離れる開放状態(リリース状態)を形成するリリース位置(図2の仮想線位置、図3(a)に示す位置)との間で切り換え可能に構成されている。
基板把持部23aは、基板の端縁部が入り込む断面くの字形状のテーパ面を有する部材であり、仰角α1の上側傾斜面231aと、俯角α2(ただし、α2=α1)の下側傾斜面232aとが形成されている。基板把持部23aは、リリース位置からグリップ位置に切り換えられることによって基板Wに対して接近し、このテーパ面によって基板Wを挟み上げて把持する。すなわち、図3に示すように、基板把持部23aがリリース位置からグリップ位置まで移動すると、基板Wは、その下端面において下側傾斜面232aと接触しながら滑り上がり、その上端面が上側傾斜面231aと接触するとともにその下端面が下側傾斜面232aと接触した状態において固定的に把持される。
基板把持部23bも、基板把持部23aと同様、基板の端縁部が入り込む断面くの字形状のテーパ面を有する部材であり、仰角β1の上側傾斜面231bと、俯角β2(ただし、β2=β1)の下側傾斜面232bとが形成されている。基板把持部23bは、リリース位置からグリップ位置に切り換えられることによって基板Wに対して接近し、このテーパ面によって基板Wを挟み上げて把持する。
基板把持部23cも、基板把持部23aと同様、基板の端縁部が入り込む断面くの字形状のテーパ面を有する部材であり、仰角γ1の上側傾斜面231cと、俯角γ2(ただし、γ2=γ1)の下側傾斜面232cとが形成されている。基板把持部23cは、リリース位置からグリップ位置に切り換えられることによって基板Wに対して接近し、このテーパ面によって基板Wを挟み上げて把持する。
ただし、基板把持部23a,23b,23cのそれぞれのくの字断面の屈曲頂辺Kは、いずれも、スピンベース1の表面から所定距離hR(ただし距離hR>距離ha)だけ離間した高さ(以下「把持高さhR」という)に位置している。すなわち、基板把持部23a,23b,23cは、いずれも、そのグリップ位置において把持高さhRで基板Wを固定保持する。
また、プロキピン22a上に載置された基板Wを確実に挟み上げるべく、基板把持部23aの下側傾斜面232aの下端辺の高さh232aは、第1の高さhaに支持された状態にある基板Wの下端辺の高さhWよりも低い位置とされる(図3参照)。基板把持部23b,23cについても同様である。
また、基板把持部23a,23b,23cのそれぞれの入隅部分の最大深さ(すなわち、下側斜面232a,232b,232cの下端辺と屈曲頂辺Kとの水平方向についての離間距離)da,db,dcは互いに等しく設定される。そして、α<β<γと設定される。このように設定することによって、基板把持部23a,23b,23cのそれぞれにおいて、グリップ位置からリリース位置までの移動距離を等しくすることができる。
以上の通り、基板把持部23a,23b,23cのそれぞれがリリース位置にある状態においては、基板把持部23a,23b,23cは基板Wの端縁部から離間し、プロキピン22a,22b,22cが互いに異なる高さ位置で基板Wを支持することによって、基板Wを傾斜姿勢で支持する(図3(a))。すなわちこの場合、チャックピン2a,2b,2cは全体として基板Wを傾斜姿勢で載置する載置部として機能する。ただし、載置される基板Wの傾斜角度θは、傾斜姿勢におかれた基板Wを覆う液塊Pが分裂することなく基板Wの上方から下方に移動するのに十分な角度とされることが望ましく、0.03〜1度、好ましくは0.3度に設定される。
また、基板把持部23a,23b,23cのそれぞれがグリップ位置にある状態においては、基板把持部23a,23b,23cがそのテーパ面を基板Wの端縁部に押圧してプロキピン22a,22b,22c上に載置された基板Wを側方から挟み上げて載置面から離間させ、把持高さhRにおいて水平姿勢で把持する(図3(b))。すなわちこの場合、チャックピン2a,2b,2cは基板Wを水平姿勢で保持する把持部として機能する。
〈1−3.チャックピン駆動機構21の構成〉
チャックピン駆動機構21は、スピンベース1に設けられ、6個のチャックピン2(より具体的には、各チャックピン2の可動本体部材24)を連動させて回転駆動する。チャックピン2は、回転駆動されることによって、基板把持部23がグリップ位置におかれる状態(グリップ状態)と、リリース位置におかれる状態(リリース状態)との間で切り換えられることになる。
チャックピン駆動機構21について図5〜図10を参照しながら具体的に説明する。図5〜図10は、スピンベース1内に備えられたチャックピン駆動機構21の配置を説明するための図である。なお、以下において、基板把持部23a,23b,23cのそれぞれを特に区別しない場合には、単に「基板把持部23」という。また、プロキピン22a,22b,22cのそれぞれを特に区別しない場合には、単に「プロキピン22」という。
図5を参照する。図5はスピンベース1内に設けられた動作変換機構の配置を示す平面図である。チャックピン駆動機構21は、複数のチャックピン2のそれぞれに接続された複数のリンク機構811と、複数のリンク機構811を連動させる連動リング812とを備えている。
連動リング812は、スピンベース1の回転軸31に対して同心に配置されたほぼ円環状の部材である。連動リング812は、後述する連動リング昇降機構によって、スピンベース1の回転軸A1に沿って昇降される。また、リンク機構811は動作変換機構を構成し、連動リング812の昇降運動をチャックピン2の回動運動に変換する。すなわち、連動リング昇降機構が連動リング812を昇降させ、さらに動作変換機構がリング812の昇降運動を可動本体部材24の回動運動に変換することによって、基板把持部23の位置がグリップ位置とリリース位置との間で切り換えられる。
〈連動リング昇降機構〉
連動リング昇降機構について図6〜図8を参照しながら説明する。図6はチャックピン駆動機構21の配置を示すスピンベース1の断面図(図7のZ−Z線断面)である。図7は、チャックピン駆動機構21の配置を示すスピンベース1の平面図である。図8は、非回転可動部材230の構成を示す平面図である。
スピンベース1は、上板813と下板814とをボルトで固定して構成されており、上板813の周縁部には、チャックピン2を可動自在に配設するために貫通孔815が形成されている。
また、上板813と下板814との間に動作変換機構を収容する機構空間MRが形成されている。なお、上板813および下板814の中央部には、スピンベース1を貫通する貫通孔816が形成されている。この貫通孔816を通り、さらに、スピンベース1の回転軸31を挿通するように、上述した下面処理液供給管51が配置されている。また、下面処理液供給管51の上端には上述した下面ノズル52が固定されている。
また、シール機構817と回転軸31との間には、外部雰囲気から遮断された機構部収容空間MRVが形成されている。ただし、シール機構817は、回転駆動機構3を包囲するケーシング818をさらに包囲する筒状のカバー部材819の上端(この上端はスピンベース1の下面近傍にまで及んでいる)付近の内面に配置されている。シール機構817はスピンベース1の下面に固定されたシール部材820に摺接する。これによって、シール機構817と回転軸31との間に形成される機構部収容空間MRVは、外部雰囲気から遮断された空間とされる。
機構部収容空間MRV内において、ケーシング818の上蓋部818a上には、回転軸31を取り囲むほぼ円環状のギヤケース821が取り付けられている。ギヤケース821上には、モータMが固定されている。ギヤケース821の内部には、その内壁面の内周側および外周側にそれぞれ軸受け822が圧入されている。軸受け822は回転軸31に対して同軸に配置されている。軸受け822の回転側リングには、回転軸31を包囲するリング状のギヤ823が固定されている。したがって、ギヤケース821内において、ギヤ823は回転軸31に対して同軸的に回転可能である。ギヤ823は、外周側にギヤ歯を有している。
モータMの駆動軸に固定されたピニオン824は、ギヤ823に噛合している(図7参照)。ギヤケース821上にはさらに、モータMを回避した位置に、一対のボールねじ機構825,825が回転軸31を挟んで対向する位置(すなわち、回転軸31の側方)に配置されている(図7参照)。
ボールねじ機構825,825は、回転軸31と平行に配置されたねじ軸826と、このねじ軸826に螺合するボールナット827とを備えている。ねじ軸826は、ギヤケース821の上蓋部に軸受け部828を介して取り付けられており、その下端は、ギヤケース821の内部に及んでいる。このねじ軸826の下端には、ギヤ829が固定されており、このギヤ829はギヤ823に噛合している。
一方、ボールナット827には非回転側可動部材830が取り付けられている。この非回転側可動部材830は、回転軸31を取り囲む環状の部材であって、その内周面には、回転軸31を取り囲むように設けられた軸受け831の非回転側リング831fが固定されている。軸受け831の回転側リング831rは非回転側リング831fよりも回転軸31に対して内方側に配置されている。この回転側リング831rは、回転軸31を取り囲む環状の回転側可動部材832の外周面側に固定されている。回転側可動部材832は、回転軸31の外周面に突出して設けられた案内レール833に係合している。この案内レール833は、回転軸31に平行な方向に沿って形成されており、これにより、回転側可動部材832は、回転軸31に沿う方向に案内されて移動可能な状態で、回転軸31に結合されている。
モータMを駆動してピニオン824を回転させると、この回転はギヤ823に伝達される。これによって、ギヤ823に噛合しているギヤ829が回転して、ボールねじ機構825,825のねじ軸826が回転する。これによって、ボールナット827およびこれに結合された非回転側可動部材830が回転軸31に沿って昇降することになる。回転軸31とともに回転することになる回転側可動部材832は、軸受け831を介して非回転側可動部材830に結合されているから、この非回転側可動部材830の昇降により、回転軸31の回転中であっても、案内レール833に沿って昇降されることになる。
図8に示すように、非回転側可動部材830には、一対のボールねじ機構825,825のボールナット827に対応する位置に径方向外方に突出した一対の突出部834,834が形成されており、さらに、これらの突出部834,834とは周方向に沿ってずれた位置に別の一対の突出部835,835が形成されている。この一対の突出部835,835には、回転軸31に沿う方向に延びるガイド軸836,836が結合されている。このガイド軸836,836は、回転軸31に沿う鉛直方向に沿って案内されるようになっており、これによって、非回転側可動部材830は、水平姿勢を保持しつつ回転軸31に沿って昇降することになる。非回転側可動部材830が回転軸31に沿って昇降すると、回転側可動部材832が案内レール833に沿って昇降し、さらに回転側可動部材832の外周側の肩部832aと掛かり合う位置に配置されている連動リング812が昇降することになる。
〈動作変換機構〉
動作変換機構について図9、図10を参照しながら説明する。図9は動作変換機構を構成するリンク機構811の斜視図であり、図10はチャックピン2の構成を示す部分断面図である。
チャックピン2は、上述の通り、プロキピン22の中心に位置する鉛直軸A3回りに回動自在に軸支された略円柱状の可動本体部材24を備えている。可動本体部材24は貫通孔815に貫通して配設されることで回動可能となっているとともに、プロキピン22が対向領域FRに対して基板Wの径方向内側に位置するように配置されている。
可動本体部材24には、チャックピン2よりも下方において側方に突出したレバー837が固定されており、このレバー837の先端には鉛直上方に延びるピン837aが立設されている。リンク機構811は、このレバー837と、レバー837に係合する長穴838aを有する揺動板838と、この揺動板838に結合されたクランク部材839と、このクランク部材839の軸部839aを回転自在に軸支する軸受け部840aを有するレバー840と、このレバー840に結合されたクランク部材841と、このクランク部材841の一方の軸部841aを回転自在に支持する軸受け部材842と、クランク部材841の他方の軸部841bと係合する長穴843aを有する昇降部材843とを有している。この昇降部材843の下端は、連動リング812の上面に結合されている。連動リング812は、回転側可動部材832の外周側の肩部832aと掛かり合う位置に配置されている。
図5に示すように、連動リング812の上面側には、等角度間隔で複数本(この実施形態では3本)のガイド軸844が回転軸31に沿う鉛直上方に向かって立設されている。図4に示すように、このガイド軸244は、スピンベース1の下板814を貫通し、スピンベース1内に設けられたブッシュ845によって、昇降可能に保持されている。したがって、連動リング812は、回転側可動部材832とともに、水平姿勢を維持しつつ、回転軸31に沿って昇降することになる。これに伴い、昇降部材843が昇降すると、クランク部材841が軸受け部材842に支持された軸部841aを中心に回動することになる。昇降部材843に形成された長穴843aは、水平方向に延びており、これにより、昇降部材843の昇降運動は、クランク部材841の回動へとスムーズに変換される。
クランク部材841の回動により、レバー840が揺動し、その軸受け部840aに支持されたクランク部材839が平面視においてスピンベース1の周方向に沿って移動する。揺動板838に形成された長穴838aは、スピンベース1の半径方向に沿って長く形成されていて、この長穴838aに鉛直方向に沿ってピン837aが係合しているため、揺動板838は、水平姿勢を保持しつつ、スピンベース1に対して若干上下動しながら揺動することになる。この揺動板838の揺動に伴い、ピン837aがスピンベース1の周方向に沿って変位するから、これにより、レバー837が軸A3を介してチャックピン2の回動を引き起こす。このようにして、リンク機構811は、回転側可動部材832の昇降運動を、可動本体部材24の回動運動へと変換する。
可動本体部材24が鉛直軸A3回りに回動されると、基板把持部23が基板Wの周縁に対して進退してグリップ位置とリリース位置との間で切り換えられる。基板把持部23をリリース位置におく場合、制御部99は、第1連動リング812が上昇位置(上記第1の高さ)となるようにモータMを制御する。また、基板把持部23をリリース位置からグリップ位置に切り換える場合、制御部99は、例えば第1モータMを制御することにより、ボールねじ機構825を駆動し、ボールナット827を下降させる。これにより、回転側可動部材832が下降するから、連動リング812が下降して、昇降部材843が圧縮コイルばね847からのばね力および重力を受けて下降する。その結果、チャックピン2が鉛直軸A3回りに回動して、基板把持部23が基板Wの外周端部に当接して基板Wを把持する。
なお、可動本体部材24とスピンベース1の上板813に形成された貫通孔815との境界部分(可動部分)には、機構空間MRと貫通孔815からスピンベース1の上方に繋がる空間とを分離するために、可動部分にリング状のシール部材846が設けられている。シール部材846は、可動部分の下端側、すなわち機構空間MRと貫通孔815の接続部分に設けられ、処理液が毛細管現象により可動部材を伝って機構空間MRに入り込むことを防止している。
また、図4に示されている通り、リンク機構811の昇降部材843には、スピンベース1の下板814の下面と連動リング812の上面との間に圧縮コイルばね847が巻装されている。これにより、連動リング812は、下方に向かって付勢されており、その結果として、チャックピン2は基板把持部23がスピンベース1の径方向内方に向かう閉方向へと付勢されている。よって、ボールねじ機構825のボールナット827が十分に下方にあれば、基板Wは圧縮コイルばね847のばね力によって、チャックピン2によって保持されることになる。このように圧縮コイルばね847の弾性力を利用して基板Wを弾性的に保持する構成であるので、基板Wの破損が生じにくいという利点がある。
さらにまた、チャックピン2による基板Wの保持状態を検出するために、図4に示すように、連動リング812の高さをそれぞれ検出するセンサ部848が設けられている。センサ部848は、例えば、それぞれ3つのセンサを有しており、チャックピン2の基板把持部23が、基板Wの端面から退避した状態に対応する第1の高さと、チャックピン2が基板Wの端面に当接してこの基板Wを挟持している状態に対応する第2の高さと、スピンベース1上に基板Wが存在せず、チャックピン2の基板把持部23が基板Wの端面位置よりもスピンベース1の径方向内方側に入り込んだ位置に対応する第3の高さとにおいて、連動リング812をそれぞれ検出するように配置されている。第1の高さが最も高く、第2の高さが次いで高く、第3の高さが最も低い。センサ部848の出力に基づき、チャックピン2による基板Wの保持状態、その保持の解除状態、および基板Wが存在しない状態を検出することができる。なお、連動リング812とボールねじ機構825のボールナット827の昇降とが連動していることを確認するために、非回転側可動部材830の高さを検出するセンサを別途設けてもよい。
さらにまた、チャックピン2は導電性の樹脂(例えば、導電性PEEK(ポリエーテルエーテルケトン))で構成されており、動作変換機構を構成する各部品は導電性の樹脂または金属(ステンレス鋼(SUS)など)で構成されている。さらに、スピンベース1の下板814も導電性の材料(例えば、SiCまたはアルミニウム)で構成されている。また、下板814が結合される回転軸31は、SUSなどの金属で構成されており、モータ2のケーシング(金属製)は接地されている。これにより、チャックピン2から、動作変換機構、下板814および回転軸31を経てモータ2のケーシングに至る接地経路が形成されている。これにより、基板Wとその表面に供給される処理液(薬液や純水)との間の摩擦に起因して生じる静電気を放電することができ、基板Wに作り込まれたデバイスの静電破壊を防止できる。また、チャックピン2の駆動機構を利用して、スピン処理中に基板Wの除電を行うことができるから、放電式やX線式の除電装置を別途設ける必要がなく、設計が容易になるうえ、コストの削減を図ることができる。また、放電式の除電装置では金属パーティクルの発生が問題となり、X線式の除電装置では放射線対策が問題となるのに対して、この実施形態の構成ではこれらの点が問題となることもない。
〈2.処理動作〉
基板処理装置100において実行される基板Wの処理手順について図11〜図13を参照しながら説明する。図11は、基板処理装置100において実行される基板Wの処理の流れを示す図である。図12および図13は、処理実行中の各段階におけるスピンベース1の断面図である。基板処理装置100における基本的な処理手順は、基板Wに対して薬液による処理(例えばエッチング処理)を行った後、純水によって薬液を洗い流すリンス処理を行い、さらにその後基板Wを高速で回転させることによって水滴を振り切るスピンドライ処理を行うというものである。
さらに具体的には、フッ酸処理(薬液としてフッ酸(HF)を用いた処理)後のベアシリコン(表面に酸化膜を有する)のリンス処理とスピンドライ処理とを行うもの、および、フッ酸処理後のポリシリコン(poly-Si)のリンス処理とスピンドライ処理とを行うものである。これらにおいては、薬液処理後の基板Wの表面は疎水性を呈している。
はじめに、制御部99は、チャックピン昇降機構42を制御して遮断板4を大きく上昇させてスピンベース1から大幅に離間させた状態とするとともに、チャックピン駆動機構21を制御して複数のチャックピン2のそれぞれをリリース状態としておく。この状態にて、搬送ロボット(図示省略)によって未処理の基板Wがスピンベース1に渡される。スピンベース1に渡された基板Wは、プロキピン22によって傾斜姿勢で支持される(ステップS1)(図12(a))。
続いて、制御部99はチャックピン駆動機構21を制御して、複数のチャックピン2のそれぞれを連動して作動させて、複数のチャックピン2のそれぞれをリリース状態からグリップ状態に切り換える(ステップS2)(図12(b))。すると、プロキピン22によって傾斜姿勢で支持されていた未処理基板Wは、基板把持部23によって水平姿勢で把持される。
続いて、薬液処理を実行する(ステップS3)。すなわち、制御部99は回転駆動機構3を制御して、スピンベース1とともにチャックピン2に保持された基板Wを回転させる。なお、このとき、制御部99は、昇降機構42を制御して遮断板4を下降させて基板Wに近接させた位置におくとともに、回転駆動機構41を制御して基板Wと同じ回転数で遮断板4を回転させる。この状態にて、制御部99は薬液バルブ63,55を開いて、上面ノズル62および下面ノズル52から薬液を基板Wの上下面に吐出させる。吐出された薬液は遠心力によって基板Wの表面全体に拡がり、基板W表面の薬液処理が進行する。所定時間の薬液処理が終了すると、制御部99は薬液バルブ53を閉じて、下面ノズル52からの薬液吐出を停止させる。
続いて、洗浄処理(リンス処理)を実行する(ステップS4)。すなわち、制御部99は純水バルブ65,56を開いて、基板Wを回転させつつ上面ノズル62および下面ノズル52から純水を基板Wの上下両面に吐出させる。吐出された純水は回転の遠心力によって基板Wの表裏全面に拡がり、純水によって薬液を洗い流す洗浄処理が進行する。
リンス処理を開始してから所定時間が経過すると、制御部99は回転駆動機構3を制御して、スピンベース1の回転速度を減速させていき、最終的に回転を停止させる。そして、回転が停止してから所定時間(例えば5秒程度)が経過すると、制御部99は純水バルブ65,56を閉じて、上面ノズル62および下面ノズル52からの純水吐出を停止させる(ステップS5)。スピンベース1が極低速回転状態となると、基板Wの上面では純水の液塊Pが成長しはじめる(液塊成長工程)。さらに、スピンベース1の回転停止後に継続して純水が供給されることによって、基板Wを覆う液塊Pがさらに成長する(液膜被覆工程)(図13(a))。
続いて、制御部99はチャックピン駆動機構21を制御して、複数のチャックピン2のそれぞれを連動して作動させて、複数のチャックピン2のそれぞれをグリップ状態からリリース状態に切り換える(ステップS6)。すると、基板把持部23によって水平姿勢で把持されていた基板Wは、プロキピン22によって傾斜姿勢で支持される。基板Wが傾斜姿勢とされると、基板Wを覆う液塊Pは、重力にしたがって、分裂することなく単一の液塊Pの状態を保持しながら傾斜軸Loに沿って鉛直下側に移動し、基板Wの上面から排除される(図13(b))。
基板Wを傾斜姿勢で支持してから所定時間が経過して、基板Wの表面全体が露出領域(液塊Pが排除された領域)となった後(すなわち、基板W表面上の液塊Pが基板W上から落下した後)に、制御部99はチャックピン駆動機構21を制御して、複数のチャックピン2のそれぞれを連動して作動させて、複数のチャックピン2のそれぞれをリリース状態からグリップ状態に切り換える(ステップS7)。すると、プロキピン22によって傾斜姿勢で支持されていた基板Wは、基板把持部23によって水平姿勢で把持される(図13(c))。傾斜角θ=0.3度の場合、基板Wを傾斜状態で支持する時間(すなわち、チャックピン2のそれぞれをリリース状態としてからグリップ状態に切り換えるまでの時間)は、例えば5秒程度である。
続いて、振り切り乾燥処理(スピンドライ処理)を実行する(ステップS8)。すなわち、制御部99は回転駆動機構3を制御して、スピンベース1とともにチャックピン2に保持された基板Wを回転させる。なお、このとき、制御部99は、昇降機構42を制御して遮断板4を下降させて基板Wに近接させた位置におくとともに、回転駆動機構41を制御して基板Wと同じ回転数で遮断板4を回転させる。基板Wに付着している水滴が回転の遠心力によって振り切られることにより、振り切り乾燥処理が進行する。
スピンドライ処理を開始してから所定時間が経過すると、制御部99は回転駆動機構3を制御して、スピンベース1およびそれに保持された基板Wの回転を停止する。また、制御部99は回転駆動機構41を制御して、遮断板4の回転も停止するとともに、昇降機構42を制御して、遮断板4を上昇させてスピンベース1から離間させる。さらに、制御部99はチャックピン駆動機構21を制御して、複数のチャックピン2のそれぞれを連動して作動させて、複数のチャックピン2のそれぞれをグリップ状態からリリース状態に切り換える。すると、基板把持部23によって水平姿勢で把持されていた基板Wは、スピンベース1に渡され、プロキピン22によって傾斜姿勢で支持される。この状態にて、図示を省略する搬送ロボットが処理済の基板Wをスピンベース1から取り出して搬出する(ステップS9)。以上で、一連の基板処理が終了する。
〈3.効果〉
第1の実施の形態によると、チャックピン2をリリース状態において、プロキピン22に基板Wを支持させることによって、基板Wを傾斜姿勢とし、重力の力でその表面上の処理液を排出させることができる。表面上の処理液が排出された基板を水平姿勢で保持して回転させることによって、ウォーターマークの発生を防止して基板表面を良好に乾燥させることができる。
また、重力を利用して基板表面上の処理液を排出させるので、基板表面の処理液を吹き飛ばすべく基板Wに対して気体を吹き付けるといった必要もなくなる。さらにこれによって、気体を基板表面に吹き付けることに起因するウォーターマークが発生しないという効果も得られる。
また、この実施の形態によると、可動本体部材24を回動させて基板把持部23をグリップ位置からリリース位置まで移動させる、すなわち、基板Wの把持状態を解除するだけで、基板Wを水平姿勢で把持された状態から傾斜姿勢で支持される状態に切り換えることができる。したがって、基板Wを傾斜姿勢におくために、基板の一端を持ち上げるアームのように特別な機構等を設ける必要もなく、装置のコストアップ、フットプリントの拡大を招かずに、簡易な構成で基板Wを傾斜させることができる。また、そのような機構を制御して基板の一端を持ち上げさせる工程も必要ないので、スループットが低下することもない。
さらに、この実施の形態によると、基板Wを傾斜姿勢で支持する載置部として機能するプロキピン22は、基板Wが洗浄・乾燥される際に同時に洗浄・乾燥されているので、プロキピン22を洗浄する機構等を特別に設けなくとも蓄積汚染することはない。したがって、プロキピン22がその裏面に接触しても基板Wが汚染されることがない。
〔第2の実施の形態〕
〈1.構成〉
この発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置200の構成について説明する。第2の実施の形態に係る基板処理装置200は、第1の実施の形態に係るチャックピン2a,2b,2cのそれぞれに換えて、チャックピン20a,20b,20c(以下において、チャックピン20a,20b,20cのそれぞれを特に区別しない場合には、単に「チャックピン20」という。)を備える。以下においては、第1の実施の形態と相違する点を説明し、相違しない点については説明を省略する。また、同じ構成部を示す際には、第1の実施の形態の説明で用いた参照符号を用いる。
〈1−1.チャックピン20〉
チャックピン20は、第1の実施の形態に係るチャックピン2と同様、スピンベース201の上面の所定箇所に複数個設けられる(図2参照)。ただし、チャックピン20a,20b,20cそれぞれの配置位置は、チャックピン2a,2b,2cの配置位置と同様である。これら複数のチャックピン20(より具体的には、各チャックピン20の可動本体部材240の上面241)が全体として、基板Wを傾斜姿勢で載置する載置部として機能する。また、これら複数のチャックピン20(より具体的には、各チャックピン20に設けられた基板把持部230)は全体として、傾斜姿勢で載置された基板Wの端縁部を把持して当該基板Wを載置部から離間させて水平姿勢で保持する把持部として機能する。複数のチャックピン20は、チャックピン駆動機構21によって、連動して回転駆動されることによって、載置部として機能するリリース状態と把持部として機能するグリップ状態との間を切り換えられる。
〈1−2.チャックピン20a,20b,20cの構成〉
チャックピン20a,20b,20cの構成について図14を参照しながら説明する。図14はスピンベース201の断面図(Lo線(図2参照)断面図)である。
チャックピン20a,20b,20cのそれぞれは、基板Wの外周端面を側方から押圧して把持する基板把持部230a,230b,230cを備えている。基板把持部230a,230b,230cは、鉛直軸回りに回動自在に軸支された略円柱状の可動本体部材240a,240b,240cにそれぞれ設けられている。
可動本体部材240a,240b,240cのそれぞれは、その上面241a,241b,241cで基板Wの裏面を支持する。
可動本体部材24aは、その上面241aが、水平面であるスピンベース201の表面から所定距離gaだけ離間した高さ(「第1の高さga」)に位置している。すなわち、上面241aは、等高軸Laにおいて第1の高さgaで基板Wを支持する。
可動本体部材24bは、その上面241bが、スピンベース201の表面から所定距離gb(ただし距離gb<距離ga)だけ離間した高さ(「第2の高さgb」)に位置している。すなわち、上面241bは、等高軸Lbにおいて第2の高さgbで基板Wを支持する。
可動本体部材24cは、その上面241cが、スピンベース201の表面から所定距離gc(ただし距離gc<距離gb)だけ離間した高さ(「第3の高さgc」)に位置している。すなわち、上面241cは、等高軸Lcにおいて第3の高さgcで基板Wを支持する。
基板把持部230a,230b,230cのそれぞれは、可動本体部材240a,240b,240cの回転中心から偏心して可動本体部材240a,240b,240cのそれぞれに設けられる。これにより、可動本体部材240a,240b,240cがチャックピン駆動機構21によって回転駆動されることによって基板Wに対して進退し(矢印AR20a,AR20b,AR20c)、グリップ状態を形成するグリップ位置(図14(b)に示す位置)と、リリース状態を形成するリリース位置(図14(a)に示す位置)との間で切り換え可能に構成されている。基板把持部230a,230b,230cのそれぞれの具体的な構成は基板把持部23a,23b,23cと同様である。なお、基板把持部230a,230b,230cのそれぞれのくの字断面の屈曲頂辺Kは、いずれも、スピンベース201の表面から所定距離gR(ただし距離gR>距離ga)だけ離間した高さに位置している。すなわち、基板把持部230a,230b,230cは、いずれも、そのグリップ位置において高さgRで基板Wを固定保持する。
以上の通り、基板把持部230a,230b,230cのそれぞれがリリース位置にある状態においては、基板把持部230a,230b,230cは基板Wの端縁部から離間し、可動本体部材240a,240b,240cの上面241a,241b,241が、互いに異なる高さ位置で基板Wを支持することによって、基板Wを傾斜姿勢で支持する(図14(a))。すなわちこの場合、チャックピン20a,20b,20cは全体として基板Wを傾斜姿勢で載置する載置部として機能する。
また、基板把持部230a,230b,230cのそれぞれがグリップ位置にある状態においては、基板把持部230a,230b,230cが、そのテーパ面を基板Wの端縁部に押圧して可動本体部材240a,240b,240cの上面241a,241b,241に載置された基板Wを側方から挟み上げて載置面から離間させ、高さgRにおいて水平姿勢で把持する(図14(b))。すなわちこの場合、、チャックピン20a,20b,20cは基板Wを水平姿勢で保持する把持部として機能する。
〈2.処理動作〉
基板処理装置200における基本的な処理手順は、第1の実施の形態に係る基板処理装置100における処理手順と同様である。ただし、第1の実施の形態においては、基板Wは、チャックピン2がリリース状態におかれた際にはプロキピン22によって傾斜姿勢で支持されていたが、この実施の形態においては、基板Wは、プロキピン22ではなく可動本体部材240の上面241によって傾斜姿勢で支持される点が相違する。
〔変形例〕
〈第1の変形例〉
上記の各実施の形態において乾燥処理を実行する際に、基板Wの表面に窒素ガスを供給し、乾燥処理を窒素雰囲気下で実行してもよい。
すなわち、所定時間のリンス処理が終了した後に(ステップS4)、遮断板4を基板Wに近接した状態に維持した状態にて、制御部99が気体バルブ72を開いて、気体供給流路71から窒素ガスを吐出させてもよい。吐出された窒素ガスは、遮断板4と基板Wとの間を流れ、基板Wの周辺を低酸素濃度雰囲気とする。窒素ガスが供給された低酸素濃度雰囲気下にてステップS8のスピンドライ処理が実行されることによって、ウォーターマークの発生を防止することができる。
この窒素ガスの供給の開始のタイミングは、ステップS6において少なくとも基板Wの中心が露出領域となった後(すなわち、基板W表面上の液塊Pが基板Wの中心を通過した後)とすることが望ましい。というのも、基板Wの中心が処理液に覆われている状態で基板Wに対して気体を吐出すると、基板Wの中心にウォーターマークが発生するおそれがあるからである。傾斜姿勢で載置された基板の表面から処理液が排除され、少なくとも基板の中心が露出領域となった後に、基板Wに対する気体の吐出を開始すれば、このようなウォーターマークを発生させることなく、基板Wを良好に乾燥させることができる。また、気体の流れによって液排出が妨げられることがないので、基板Wの乾燥を迅速に行うことができる。
また、窒素ガスの供給の開始タイミングは、ステップS5の処理が完了した時点とし、ステップS6からステップS7の処理が実行される間(すなわち、基板Wが傾斜状態で支持されている間)は、供給するガスの流量を液排出の妨げにならない程度まで低流量化しておいてもよい。
〈第2の変形例〉
上記の実施の形態においては、基板Wを傾斜姿勢で支持してから所定時間が経過して、液塊Pが基板W表面から落下した後に、複数のチャックピン2のそれぞれをリリース状態からグリップ状態に切り換えている(ステップS7)。この切り換えのタイミングは、ステップS6において少なくとも基板Wの中心が露出領域となった後としてもよい。すなわち、基板Wの中心が露出領域となった後に、制御部99がチャックピン駆動機構21を制御して複数のチャックピン2のそれぞれを連動して作動させて、複数のチャックピン2のそれぞれをリリース状態からグリップ状態に切り換えてもよい。
少なくとも基板の中心が露出領域となった後に、基板Wを水平姿勢で挟持してステップS7の処理に移行すれば、スループットを向上させつつ、基板Wを良好に乾燥させることができる。なお、この処理ステップによれば、基板Wを傾斜姿勢で支持する時間は、例えば3秒程度であり、処理時間を短くすることができる。
〈第3の変形例〉
上記の実施の形態においては、基板処理装置100内の同一の処理部において基板Wに対する一連の処理(薬液処理、リンス処理、スピンドライ処理)を順に実行する構成としていたが、上述したステップS1〜ステップS5までの一連の処理については第1の処理部において実行し、ステップS5までの処理が完了した基板Wを第2の処理部に搬入する構成としてもよい。この場合、第1の処理部において上述したステップS1〜ステップS5に相当する処理が実行され、その表面が液塊Pによって覆われた状態とされた基板Wを、搬送ロボットによって水平姿勢で搬送して、先に説明した基板処理装置100の処理部(第2の処理部)に搬入する。搬入された基板Wはスピンベース1に渡される。スピンベース1に渡された基板Wは、プロキピン22によって傾斜姿勢で支持されることになる。この場合、制御部99は、当該基板Wに対して上述したステップS6以降の処理を実行する。
〈その他の変形例〉
上記の実施の形態においては、プロキピン22がチャックピン2の可動本体部材24に取り付けられる構成としたが、プロキピン22を直接スピンベース1に取り付ける構成としてもよい。
第1の実施の形態に係る基板処理装置の全体構成を示す図である。 スピンベースの平面図である。 スピンベースの断面図である。 チャックピンの側面図である。 スピンベース内に設けられた動作変換機構の配置を示す平面図である。 チャックピン駆動機構の配置を示すスピンベースの断面図である。 チャックピン駆動機構の配置を示すスピンベースの平面図である。 非回転可動部材の構成を示す平面図である。 動作変換機構を構成するリンク機構の斜視図である。 チャックピンの構成を示す部分断面図である。 基板処理装置において実行される基板処理の流れを示す図である。 処理実行中の各段階におけるスピンベースの断面図である。 処理実行中の各段階におけるスピンベースの断面図である。 スピンベースの断面図である。
符号の説明
1,201 スピンベース
2,2a,2b,2c,20,20a,20b,20c チャックピン
3 回転駆動機構
4 遮断板
5 下面処理液供給系
6 上面処理液供給系
7 気体供給系
21 チャックピン駆動機構
22,22a,22b,22c プロキピン
23,23a,23b,23c,230,230a,230b,230c 基板把持部
24,24a,24b,24c,240,240a,240b,240c 可動本体部材
100,200 基板処理装置

Claims (10)

  1. 基板表面上の処理液を除去して前記基板を乾燥する基板処理装置であって、
    基板を回転可能に支持するための回転支持台と、
    前記回転支持台上に設けられ、基板を傾斜姿勢にて載置する載置部と、
    前記回転支持台上に設けられ、基板の端縁部を把持して当該基板を水平姿勢にて保持する把持部と、
    前記把持部が基板の端縁部を把持して基板を水平姿勢に保持する水平保持状態と、前記把持部が基板の端縁部から離間して基板を前記載置部によって傾斜姿勢で保持する傾斜保持状態と、の間で前記把持部の位置を移動させる駆動機構と、
    前記水平保持状態にて前記回転支持台を鉛直方向に沿った軸心周りにて回転させる回転手段と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記載置部は、高さの異なる複数の支持ピンを含み、
    前記把持部は、前記複数の支持ピンに1対1で対応して設けられた複数の把持爪を含み、
    前記複数の支持ピンのそれぞれと当該支持ピンに対応する把持爪とは、前記回転支持台上に鉛直方向に沿った軸心周りにて回転自在に取り付けられた複数の回転台のそれぞれに設けられ、
    前記複数の把持爪のそれぞれは、基板の端縁部が入り込む断面くの字形状のテーパ面を有するとともに、前記回転台の回転中心から偏心して前記複数の回転台のそれぞれに設けられ、
    前記駆動機構は、前記複数の回転台を回動することによって、前記複数の把持爪を基板の端縁部から離間して基板を前記複数の支持ピン上に載置させるとともに、前記複数の把持爪のテーパ面を基板の端縁部に押圧して基板を前記複数の支持ピンから離間させて前記複数の把持爪に把持させることを特徴とする基板処理装置。
  3. 基板表面上の処理液を除去して前記基板を乾燥する基板処理装置において、
    基板を傾斜姿勢にて載置する載置部と、
    前記載置部に載置された基板を前記載置部から離間させて水平姿勢にて保持する把持部と、
    前記把持部によって水平姿勢で保持された基板を回転させる基板回転機構と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記把持部によって水平姿勢にて保持された基板の表面に処理液を供給する処理液供給部、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の基板処理装置において、
    基板の表面に気体を供給する気体供給部、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  6. 基板表面上の処理液を除去して前記基板を乾燥する基板処理方法において、
    表面に処理液が残留している基板を傾斜姿勢で載置する載置工程と、
    傾斜姿勢で載置されている基板の姿勢を変更して当該基板を水平姿勢で保持する水平保持工程と、
    姿勢を変えた後に、水平姿勢で保持された基板を回転させる基板回転工程と、
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
  7. 請求項6に記載の基板処理方法において、
    前記載置工程の前に、
    水平姿勢で保持された基板の表面に前記処理液を供給する処理液供給工程、
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
  8. 請求項7に記載の基板処理方法において、
    第1の処理部にて前記処理液供給工程を実行した後に、前記処理液が供給された基板を前記第1の処理部から第2の処理部まで水平姿勢で搬送する搬送工程、
    を備え、
    前記第2の処理部において前記載置工程を実行することを特徴とする基板処理方法。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載の基板処理方法において、
    前記載置工程において傾斜姿勢で載置された基板の表面から前記処理液が排除され、少なくとも基板の中心が前記処理液が排除された露出領域となった後に、前記水平保持工程を実行することを特徴とする基板処理方法。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載の基板処理方法において、
    基板の表面に気体を供給する気体供給工程、
    を備え、
    前記載置工程において傾斜姿勢で載置された基板の表面から前記処理液が排除され、少なくとも基板の中心が前記処理液が排除された露出領域となった後に、前記気体供給工程を開始することを特徴とする基板処理方法。
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