JP5208666B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
この基板処理装置で基板を処理する場合は、たとえば、スピンチャックを回転させておく一方で処理液ノズルからの処理液の吐出を継続し、スピンチャック上で処理液の流れを形成しながら基板表面の処理を進行させる方法(連続吐出処理)が行われる。また、他の方法としては、スピンチャックを停止状態または低速回転状態とする一方で処理液ノズルから基板表面に処理液を供給して当該表面に液盛りし、基板表面で液膜を保持した状態で処理を進めるパドル処理(液盛り処理)が知られている。
この発明によれば、基板を水平に保持するための保持部が、当該基板の全周を取り囲んで当該基板の外周縁を外方に拡張するように設けられた環状の拡張面を有している。また、拡張面は、処理液に対する疎液性が基板よりも高い疎液面とされている。したがって、処理液供給手段から保持部に保持された基板の上面に供給され、当該基板の上面周縁部に達した処理液は、拡張面に向かって外方に移動できるものの、その移動が疎液面とされた拡張面によって抑制される。これにより、基板の外周縁から処理液が零れ落ちること抑制し、処理液の消費量を低減することができる。また、拡張面が処理液の移動を抑制する力よりも大きな力を基板上の処理液に与えれば、基板の上面周縁部から拡張面に向かって外方に処理液を移動させることができるので、基板上から処理液を排液させて、処理液による処理や乾燥処理などを円滑に行うことができる。これにより、処理液の消費量を低減しつつ、基板に対する処理を円滑に行うことができる。
具体的には、制御手段により液膜形成工程を実行させることにより、処理液供給手段から供給された処理液によって基板の上面に液盛りを行って、当該基板の上面を覆う処理液の液膜を形成することができる。これにより、基板の上面で液膜を保持した状態で処理を進めるパドル処理(液盛り処理)を行うことができる。また、制御手段により排液工程を実行させることにより、保持部に保持された基板から処理液を排液することができるので、基板上から処理液の液膜を排液させて、基板を乾燥させることができる。
前述のように、基板の上面周縁部から拡張面への処理液の移動を抑制できるので、処理液の液膜を形成する過程で、当該基板の外周縁から零れ落ちる処理液の量を低減することができる。これにより、処理液の消費量を低減することができる。また、排液工程では、基板を鉛直軸線まわりに回転させて基板上の処理液に遠心力を与えることにより、拡張面が処理液の移動を抑制する力よりも大きな力を与えるので、基板の上面周縁部から拡張面に処理液を移動させて基板上から処理液を容易に排液することができる。これにより、処理液の消費量を低減しつつ、基板に対する処理を円滑に行うことができる。
請求項3記載の発明は、前記保持部は、内側に向かって下方に傾斜する環状のテーパ面(35,55)を含み、前記テーパ面は、基板の下面周縁部を線接触で支持するように形成されている、請求項1または2記載の基板処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記保持部は、環状に配置された複数の支持部(57)を有し、前記複数の支持部は、それぞれ、基板の下面周縁部を点接触で支持するように形成されている、請求項1または2記載の基板処理装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を説明するための図解図である。
基板処理装置1は、隔壁で区画された処理室2内に、1枚の基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック3(基板保持手段)と、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に処理液としての洗浄液を供給するための洗浄液ノズル4(処理液供給手段)と、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に処理液としてのリンス液を供給するためのリンス液ノズル5(処理液供給手段)とを備えている。基板処理装置1は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板Wは、この実施形態では、半導体ウエハのような円形基板である。
下側処理液供給管11に供給される洗浄液としては、たとえば、薬液やリンス液を用いることができる。薬液としては、たとえば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。また、リンス液としては、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水や、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水などを例示することができる。
洗浄液ノズル4には、第1洗浄液供給管23および第2洗浄液供給管24が接続されている。洗浄液ノズル4には、第1洗浄液供給管23を介して図示しない洗浄液供給源からの第1洗浄液が供給される。また、洗浄液ノズル4には、第2洗浄液供給管24を介して図示しない洗浄液供給源からの第2洗浄液が供給される。洗浄液ノズル4には、処理液としての第1洗浄液および第2洗浄液が選択的に供給されるようになっている。第1および第2洗浄液は、互いに種類の異なる洗浄液である。
リンス液ノズル5には、リンス液供給管30が接続されている。リンス液ノズル5には、リンス液供給管30を介して図示しないリンス液供給源からのリンス液が供給される。リンス液供給管30には、リンス液ノズル5へのリンス液の供給および供給停止を切り換えるためのリンス液バルブ31が介装されている。リンス液ノズル5には、下側リンス液供給管14を介して下面ノズル12に供給されるリンス液と同種のリンス液が供給されるようになっている。すなわち、この実施形態では、リンス液ノズル5および下面ノズル12から同種のリンス液が吐出されるようになっている。
支持リング8は、たとえば、円環状をなす平板状の部材である。支持リング8の厚みは、たとえば、数mm〜数cm程度にされている。支持リング8の内径は、基板Wの外径よりも小さくされており、支持リング8の外径は、基板Wの外径よりも大きくされている。この実施形態では、支持リング8の外径が、スピンベース7の外径とほぼ同じ大きさにされている。支持リング8は、スピンベース7と同軸となるように、スピンベース7の上面周縁部に沿って水平に配置されている。
また、支持リング8の断面形状(鉛直面に沿う断面形状)は、その内周側に向かって先細りとなる楔状をなしている。支持リング8の下面は、円環状の水平面にされており、支持リング8の上面には、円環状の水平面34と、この水平面34の内周縁から支持リング8の内側に向かって下方に傾斜する円環状のテーパ面35とが設けられている。
すなわち、基板Wおよびスピンベース7が前記所定の回転速度で回転されると、狭空間S1に存在する気体には外向きの力(回転軸線L1から離れる方向への遠心力)が作用する。また、狭空間S1は、連通部としての隙間38によって支持リング8の周囲の空間に連通されている。さらに、基板Wの下面周縁部が全周にわたって支持リング8に支持されているので、基板Wの下面周縁部と支持リング8との間は、ほぼ密閉された状態となっている。したがって、基板Wおよびスピンベース7が前記所定の回転速度で回転されると、狭空間S1に存在する気体は遠心力によって隙間38から排出され、狭空間S1が負圧となる。そのため、支持リング8によって支持された基板Wは、スピンチャック3に吸着保持され、この状態で支持リング8とともに回転軸線L1まわりに回転する。これにより、支持リング8によって支持された基板Wを回転軸線L1まわりに一体回転させることができる。支持リング8によって支持された基板Wは、基板Wの下面周縁部以外の部分がスピンチャック3に対して非接触となった状態で、スピンチャック3に吸着保持されるようになっている。
支持リング8に対する基板Wの載置は、スピンベース7に取り付けられた複数の突上げピン39により行われる。各突上げピン39は、鉛直方向に延びる軸部40と、軸部40の上端に連結された上端部41とを有している。上端部41の上面には、球面状の微少突起42が形成されている。複数の突上げピン39は、微少突起42を基板Wの下面に点接触させることにより、当該基板Wを協働して支持することができる。
図3に示すように、複数の貫通孔43は、支持リング8と同心の所定の円周上で間隔を隔てて配置されている。同様に、複数の突上げピン39も、支持リング8と同心の所定の円周上で間隔を隔てて配置されている。また、図2に示すように、各貫通孔43には、環状のシール44が保持されている。各突上げピン39の軸部40は、対応するシール44を挿通している。これにより、各突上げピン39の軸部40とスピンベース7との間が封止されている。各突上げピン39は、対応するシール44に対して上下動可能となっている。
この基板処理装置1は、制御部50(制御手段)を備えている。制御部50は、モータ9、ノズル揺動駆動機構28,33、プッシャ46などの動作を制御する。また、基板処理装置1に備えられたバルブの開閉、および流量調整バルブの開度の調整は、制御部50によって制御される。
以下では、図1および図5を参照して、基板処理装置1による基板Wの第1処理例について説明する。また、この第1処理例の各処理工程において、図2、および図6〜図8を適宜参照する。
次に、基板Wの上面で第1洗浄液の液膜を保持させた状態で処理を進める第1洗浄液によるパドル処理(液盛り処理)が行われる(ステップS12)。具体的には、最初に、制御部50によりノズル揺動駆動機構28が制御されて、基板Wの中心部の上方に洗浄液ノズル4が配置される。そして、制御部50により下側ガスバルブ20が開かれて、下側ガス吐出口18から窒素ガスが吐出される。下側ガス吐出口18から吐出された窒素ガスは、外方(回転軸線L1から離れる方向)に向かって狭空間S1を広がっていき、支持リング8の下面とスピンベース7の上面との間の隙間38を通って狭空間S1から排出される。
前述のように、支持リング8は、基板Wの上面に供給された処理液を当該基板Wの上面から拡張面36に向かって外方へと流すことができるように形成されている。したがって、基板W上に第1洗浄液による液膜を形成する過程で、第1洗浄液が基板Wの上面周縁部から支持リング8の拡張面36に向かって外方に移動していく場合がある。しかし、支持リング8の拡張面36が、処理液に対する疎液性が基板Wよりも高い疎液面にされているので、基板Wの上面から拡張面36への第1洗浄液の移動が抑制されている。
また、この第1処理例では、基板Wの上面に対するリンス処理において、支持リング8の下面とスピンベース7の上面との間に形成された隙間38から、狭空間S1に存在する気体や、下側ガス吐出口18から吐出された窒素ガスを外方に向かって吹き出させている。さらに、スピンベース7と支持リング8との間の鉛直方向への間隔G1が狭くされており(図2参照)、隙間38の鉛直方向の大きさが小さくされている。したがって、処理液のミストやパーティクルなどの異物が、隙間38を介して狭空間S1に進入することが抑制または防止されている。これにより、処理液や異物が基板Wの下面に付着して、当該下面が汚染されることを抑制または防止することができる。
図9は、基板処理装置1による基板Wの第2処理例を説明するための工程図である。また、図10は、第2処理例の実行中におけるスピンチャック3の図解的な側面図である。
次に、基板Wの上面で第1洗浄液の液膜を保持させた状態で処理を進める第1洗浄液によるパドル処理(液盛り処理)が行われる(ステップS22)。具体的には、最初に、制御部50によりノズル揺動駆動機構28が制御されて、基板Wの中心部の上方に洗浄液ノズル4が配置される(図6参照)。そして、制御部50により下側ガスバルブ20が開かれて、下側ガス吐出口18から窒素ガスが吐出される。下側ガス吐出口18から吐出された窒素ガスは、外方(回転軸線L1から離れる方向)に向かって狭空間S1を広がっていき、支持リング8の下面とスピンベース7の上面との間の隙間38を通って狭空間S1から排出される。
基板Wの上面に対するパドル処理が行われた後は、基板Wの上面に対するリンス処理が行われる(ステップS23)。具体的には、最初に、制御部50により2つのノズル揺動駆動機構28,33が制御されて、洗浄液ノズル4が基板W上から退避された後、リンス液ノズル5が基板Wの中心部の上方に配置される(図7参照)。そして、制御部50によりモータ9が制御されて、所定の回転速度(たとえば数百rpm以上)でスピンベース7が回転される。これにより、支持リング8によって支持された基板Wが、スピンベース7に対して非接触の状態で、スピンチャック3に吸着保持され、支持リング8とともに前記所定の回転速度で回転軸線L1まわりに一体回転する。
以上のように本実施形態では、基板Wを支持する支持リング8が、基板Wの全周を取り囲んで当該基板Wの外周縁を外方に拡張するように設けられた円環状の拡張面36を有しており、この拡張面36が、処理液に対する疎液性が基板Wよりも高い疎液面とされている。したがって、基板Wの上面に供給され、当該基板Wの上面周縁部に達した処理液は、拡張面36に向かって外方に移動できるものの、その移動が疎液面とされた拡張面36によって抑制される。そのため、基板Wの上面に対するパドル処理において、基板W上に処理液の液膜が形成される過程で、当該基板Wの外周縁から零れ落ちる処理液の量を低減することができる。これにより、処理液の消費量を低減することができる。
前述の実施形態では、支持リング8が円環状をなす平板状の部材であり、その断面形状が、その内周側に向かって先細りとなる楔状をなしている場合について説明したが、支持リング8の形状はこれに限らない。具体的には、たとえば、支持リング8が図11〜図6に示す形状にされていてもよい。
また、支持リング208の上面は、円環状の水平面にされており、水平面52によって基板Wの下面周縁部が支持された状態で、基板Wの上面周縁部に連なるように形成されている。この支持リング208の上面が、基板Wの外周縁を外方に拡張するように、当該基板Wの全周を取り囲む拡張面236となっている。
また、支持リング308の上面は、円環状の水平面にされており、テーパ面55によって基板Wの下面周縁部が支持された状態で、基板Wの上面周縁部に連なるように形成されている。この支持リング308の上面が、基板Wの外周縁を外方に拡張するように、当該基板Wの全周を取り囲む拡張面336となっている。
また、図15に示す支持リング508(保持部)は、図2に示す支持リング8と同様の形状にされた平板部58と、この平板部58の外周部から下方に延びる筒状部59とを有している。筒状部59は、平板部58の外周部から下方に向かって鉛直に延びている。筒状部59は、スピンベース7の外側に位置しており、隙間38を取り囲んでいる。筒状部59の内周面と、スピンベース7の外周面との間には、所定の隙間が形成されている。この筒状部59により、処理液のミストやパーティクルなどの異物が、隙間38を介して狭空間S1に進入することを抑制または防止することができる。これにより、処理液や異物が基板Wの下面に付着して、当該下面が汚染されることを抑制または防止することができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、支持リング8,108,208,308,408,508,608とスピンベース7とが別体である場合について説明したが、支持リング8,108,208,308,408,508,608とスピンベース7とが一体形成されていてもよい。具体的には、たとえば図17に示すように、支持リング8、スピンベース7および複数の連結部材37が一体形成されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3 スピンチャック
4 洗浄液ノズル
5 リンス液ノズル
8 支持リング
9 モータ
35 テーパ面
36 拡張面
38 隙間
50 制御部
55 テーパ面
57 支持部
108 支持リング
136 拡張面
208 支持リング
236 拡張面
308 支持リング
336 拡張面
408 支持リング
438 隙間
508 支持リング
608 支持リング
L1 回転軸線
S1 狭空間
W 基板
Claims (4)
- 基板を水平に保持するための保持部と、前記保持部を鉛直軸線まわりに回転させる回転手段とを有する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に処理液を供給する処理液供給手段と、
前記基板保持手段および処理液供給手段を制御する制御手段とを含み、
前記保持部は、基板の全周を取り囲んで当該基板の外周縁を外方に拡張するように設けられた、少なくとも一部が水平な環状の拡張面を有し、前記拡張面は、処理液に対する疎液性が基板よりも高い疎液面とされており、
前記制御手段は、前記処理液供給手段を制御して基板の上面に処理液を供給させることにより、当該基板の上面に液盛りを行って当該上面を覆う処理液の液膜を形成させる液膜形成工程と、前記保持部に保持されている基板を前記基板保持手段によって鉛直軸線まわりに回転させて、処理液の液膜を基板上から前記拡張面に移動させる遠心力を基板上の処理液に与えることにより、基板から処理液を排液させる排液工程とを実行する、基板処理装置。 - 前記保持部は、基板の下方に空間が生じるように当該基板の下面周縁部を全周にわたって支持できるように形成されたものであり、当該空間を当該保持部の周囲の空間に連通させるための連通部を有している、請求項1記載の基板処理装置。
- 前記保持部は、内側に向かって下方に傾斜する環状のテーパ面を含み、
前記テーパ面は、基板の下面周縁部を線接触で支持するように形成されている、請求項1または2記載の基板処理装置。 - 前記保持部は、環状に配置された複数の支持部を有し、
前記複数の支持部は、それぞれ、基板の下面周縁部を点接触で支持するように形成されている、請求項1または2記載の基板処理装置。
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