JP5390824B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、基板からの処理液の排出性を向上させることができ、基板から排出された処理液の液滴を小さくすることができる基板処理装置を提供することを目的とする。
この発明によれば、基板を水平に保持するための保持部が、当該基板の全周を取り囲んで当該基板の外周縁を外方に拡張するように設けられた環状の拡張面を有している。この拡張面は、保持部に保持される基板の上面よりも低くされている。また、この拡張面は、処理液に対する親液性が基板よりも高い親液面とされている。したがって、基板の上面周縁部に位置する処理液は、拡張面への移動が促され、拡張面に向かって円滑に移動していく。これにより、基板からの処理液の排出性が向上されている。そのため、表面が親液状態の基板に対して処理液を連続供給して当該基板を処理する場合であっても、基板上の処理液を後続の処理液に効率的に置換することができる。また、表面が親液状態の基板であったとしても当該基板から処理液を確実に排除して当該基板を乾燥させることができる。これにより、処理液による処理や乾燥処理を円滑に行うことができる。
さらに、拡張面は基板よりも親液性が高くされているから、基板から拡張面に処理液の液滴が移動した場合に、拡張面上では処理液はよく濡れるので、処理液は拡張面全体に広がる。これにより、基板から排出された処理液の液滴を小さくすることができる。したがって、基板上での大きさよりも小さな粒径の処理液の液滴を拡張面から排出させることができる。そのため、たとえばスプラッシュガードなどの処理液捕獲手段により、基板の周囲に飛散する処理液を受け止める場合であっても、処理液捕獲手段から基板側に跳ね返った処理液の液滴に、拡張面から排出された後続の処理液の液滴が衝突して、基板から排出された処理液が基板に付着(再付着)することを抑制または防止することができる。特に、表面が疎水状態の基板に対して乾燥処理を行う場合に、基板に対する処理液の再付着を確実に抑制または防止することができる。これにより、処理液の再付着による基板の汚染を抑制または防止することができる。
さらに、保持部に基板を保持させた状態で当該保持部を鉛直軸線まわりに回転させることにより、基板の下方に生じた空間の気体を遠心力によって連通部から排出させて、当該空間を負圧にすることができる。したがって、この負圧により基板を吸着保持することができる。これにより、基板を吸着保持した状態で、保持部とともに一体回転させることができる。また、基板を鉛直軸線まわりに回転させることにより、たとえば基板上の処理液に遠心力を与えて、この処理液を基板から拡張面に移動させることができる。これにより、基板から処理液を確実に排出させることができる。
さらに、保持部が基板の下面周縁部を支持するので、基板の下面周縁部以外の部分を非接触にした状態で、基板を吸着保持することができる。これにより、基板と保持部との接触面積を低減することができる。したがって、パーティクルなどの異物が保持部から基板に移って、当該基板が汚染されることを抑制または防止することができる。
この発明によれば、テーパ面が基板の下面周縁部を線接触で支持するように形成されているので、基板と保持部との接触面積を小さくすることができる。これにより、保持部から基板に異物が移って、当該基板が汚染されることを抑制または防止することができる。
この発明によれば、各支持部を基板の下面周縁部に点接触させることにより、これらの支持部を協働させて基板を支持することができる。また、各支持部と基板との接触が点接触であるので、基板と保持部との接触面積を小さくすることができ、これによって、基板の汚染を抑制または防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を説明するための図解図である。基板処理装置1は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板Wは、この実施形態では、半導体ウエハのような円形基板である。
基板処理装置1は、隔壁で区画された処理室2内に、1枚の基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック3(基板保持手段)と、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に処理液としての洗浄液を供給するための洗浄液ノズル4(処理液供給手段)と、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に処理液としてのリンス液を供給するためのリンス液ノズル5(処理液供給手段)とを備えている。スピンチャック3の周囲には、処理カップ61およびスプラッシュガード62が配置されている。
下側処理液供給管11に供給される洗浄液としては、たとえば、薬液やリンス液を用いることができる。薬液としては、たとえば、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。また、リンス液としては、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水や、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水などを例示することができる。
洗浄液ノズル4には、洗浄液供給管23が接続されている。洗浄液ノズル4には、洗浄液供給管23を介して図示しない洗浄液供給源からの洗浄液が供給される。洗浄液供給管23には、洗浄液ノズル4への洗浄液の供給および供給停止を切り換えるための洗浄液バルブ25が介装されている。洗浄液ノズル4には、たとえば、下面ノズル12に供給される洗浄液と同種の洗浄液が供給されるようになっている。すなわち、この実施形態では、洗浄液ノズル4および下面ノズル12から同種の洗浄液が吐出されるようになっている。
リンス液ノズル5には、リンス液供給管30が接続されている。リンス液ノズル5には、リンス液供給管30を介して図示しないリンス液供給源からのリンス液が供給される。リンス液供給管30には、リンス液ノズル5へのリンス液の供給および供給停止を切り換えるためのリンス液バルブ31が介装されている。リンス液ノズル5には、たとえば、下側リンス液供給管14を介して下面ノズル12に供給されるリンス液と同種のリンス液が供給されるようになっている。すなわち、この実施形態では、リンス液ノズル5および下面ノズル12から同種のリンス液が吐出されるようになっている。
支持リング8は、たとえば、円環状をなす平板状の部材である。支持リング8の厚みは、たとえば、数mm〜数cm程度にされている。支持リング8の内径は、基板Wの外径よりも小さくされており、支持リング8の外径は、基板Wの外径よりも大きくされている。この実施形態では、支持リング8の外径が、スピンベース7の外径とほぼ同じ大きさにされている。支持リング8は、スピンベース7と同軸となるように、スピンベース7の上面周縁部に沿って水平に配置されている。
また、支持リング8の断面形状(鉛直面に沿う断面形状)は、その内周側に向かって先細りとなる楔状をなしている。支持リング8の下面は、円環状の水平面にされており、支持リング8の上面には、円環状の水平面34と、この水平面34の内周縁から支持リング8の内側に向かって下方に傾斜する円環状のテーパ面35とが設けられている。
すなわち、基板Wおよびスピンベース7が前記所定の回転速度で回転されると、狭空間S1に存在する気体には外向きの力(回転軸線L1から離れる方向への遠心力)が作用する。また、狭空間S1は、連通部としての隙間38によって支持リング8の周囲の空間に連通されている。さらに、基板Wの下面周縁部が全周にわたって支持リング8に支持されているので、基板Wの下面周縁部と支持リング8との間は、ほぼ密閉された状態となっている。したがって、基板Wおよびスピンベース7が前記所定の回転速度で回転されると、狭空間S1に存在する気体は遠心力によって隙間38から排出され、狭空間S1が負圧となる。そのため、支持リング8によって支持された基板Wは、スピンチャック3に吸着保持され、この状態で支持リング8とともに回転軸線L1まわりに回転する。これにより、支持リング8によって支持された基板Wを回転軸線L1まわりに一体回転させることができる。支持リング8によって支持された基板Wは、基板Wの下面周縁部以外の部分がスピンチャック3に対して非接触となった状態で、スピンチャック3に吸着保持されるようになっている。
支持リング8に対する基板Wの載置は、スピンベース7に取り付けられた複数の突上げピン39により行われる。各突上げピン39は、鉛直方向に延びる軸部40と、軸部40の上端に連結された上端部41とを有している。上端部41の上面には、球面状の微少突起42が形成されている。複数の突上げピン39は、微少突起42を基板Wの下面に点接触させることにより、当該基板Wを協働して支持することができる。
図3に示すように、複数の貫通孔43は、支持リング8と同心の所定の円周上で間隔を隔てて配置されている。同様に、複数の突上げピン39も、支持リング8と同心の所定の円周上で間隔を隔てて配置されている。また、図2に示すように、各貫通孔43には、環状のシール44が保持されている。各突上げピン39の軸部40は、対応するシール44を挿通している。これにより、各突上げピン39の軸部40とスピンベース7との間が封止されている。各突上げピン39は、対応するシール44に対して上下動可能となっている。
この基板処理装置1は、制御部50を備えている。制御部50は、モータ9、ノズル揺動駆動機構28,33、プッシャ46などの動作を制御する。また、基板処理装置1に備えられたバルブの開閉、および流量調整バルブの開度の調整は、制御部50によって制御される。
以下では、図1および図5を参照して、基板処理装置1による基板Wの処理例について説明する。また、この処理例の各処理工程において、図2、および図6〜図8を適宜参照する。
隙間38から外方に窒素ガスを吹き出させることにより、処理液のミストやパーティクルなどの異物が、隙間38を介して狭空間S1に進入することを抑制または防止することができる。また、この実施形態では、スピンベース7と支持リング8との間の鉛直方向への間隔G1が狭くされているので(図2参照)、処理液のミストや異物が、隙間38を介して狭空間S1に進入することを一層確実に抑制または防止することができる。これにより、処理液や異物が基板Wの下面に付着して、当該下面が汚染されることを抑制または防止することができる。
次に、基板Wの上面および下面に対するリンス処理が同時に行われる(ステップS13)。具体的には、最初に、制御部50によりガード昇降駆動機構(図示せず)が制御されて、図7に示すように、リンス液捕獲部68がスピンチャック3に保持された基板Wの周端面に対向する排液位置までスプラッシュガード62が移動させられる。そして、制御部50により2つのノズル揺動駆動機構28,33が制御されて、洗浄液ノズル4が基板W上から退避された後、リンス液ノズル5が基板Wの中心部の上方に配置される。このとき、スピンベース7は、所定の回転速度(たとえば数百rpm以上)で回転されており、下側ガス吐出口18からはスピンチャック3による基板Wの吸着状態が維持される量で窒素ガスが吐出されている。
次に、基板Wを乾燥させる乾燥処理(スピンドライ)が行われる(ステップS14)。具体的には、スプラッシュガード62が排液位置に位置する状態で、制御部50によりモータ9が制御されて、高回転速度(たとえば数千rpm)でスピンベース7が回転される。このとき下側ガス吐出口18からは、スピンチャック3による基板Wの吸着状態が維持される吐出流量で、窒素ガスが吐出されている。
以上のように本実施形態では、基板Wを支持する支持リング8が、基板Wの全周を取り囲んで当該基板Wの外周縁を外方に拡張するように設けられた円環状の拡張面36を有しており、この拡張面36が、処理液に対する親液性が基板Wよりも高い親液面とされている。したがって、基板Wの上面周縁部に位置する処理液は、拡張面36への移動が促され、拡張面36に向かって円滑に移動していく。これにより、基板Wからの処理液の排出性が向上されている。そのため、表面が親液状態の基板Wに対して処理液を連続供給して当該基板Wを処理する場合であっても、基板W上の処理液を後続の処理液に効率的に置換することができる。また、表面が親液状態の基板Wであったとしても当該基板Wから処理液を確実に排除して当該基板Wを乾燥させることができる。これにより、処理液による処理や乾燥処理を円滑に行うことができる。
前述の実施形態では、支持リング8が円環状をなす平板状の部材であり、その断面形状が、その内周側に向かって先細りとなる楔状をなしている場合について説明したが、支持リング8の形状はこれに限らない。具体的には、たとえば、支持リング8が図9〜図14に示す形状にされていてもよい。
また、支持リング208の上面は、円環状の水平面にされており、水平面52によって基板Wの下面周縁部が支持された状態で、基板Wの上面周縁部に連なるように形成されている。この支持リング208の上面が、基板Wの外周縁を外方に拡張するように、当該基板Wの全周を取り囲む拡張面236となっている。
また、支持リング308の上面は、円環状の水平面にされており、テーパ面55によって基板Wの下面周縁部が支持された状態で、基板Wの上面周縁部に連なるように形成されている。この支持リング308の上面が、基板Wの外周縁を外方に拡張するように、当該基板Wの全周を取り囲む拡張面336となっている。
また、図13に示す支持リング508(保持部)は、図2に示す支持リング8と同様の形状にされた平板部58と、この平板部58の外周部から下方に延びる筒状部59とを有している。筒状部59は、平板部58の外周部から下方に向かって鉛直に延びている。筒状部59は、スピンベース7の外側に位置しており、隙間38を取り囲んでいる。筒状部59の内周面と、スピンベース7の外周面との間には、所定の隙間が形成されている。この筒状部59により、処理液のミストやパーティクルなどの異物が、隙間38を介して狭空間S1に進入することを抑制または防止することができる。これにより、処理液や異物が基板Wの下面に付着して、当該下面が汚染されることを抑制または防止することができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、支持リング108,208,308,408,508,608とスピンベース7とが別体である場合について説明したが、支持リング108,208,308,408,508,608とスピンベース7とが一体形成されていてもよい。具体的には、たとえば図15に示すように、支持リング8、スピンベース7および複数の連結部材37が一体形成されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3 スピンチャック
4 洗浄液ノズル
5 リンス液ノズル
8 支持リング
9 モータ
35 テーパ面
36 拡張面
38 隙間
50 制御部
55 テーパ面
57 支持部
108 支持リング
136 拡張面
208 支持リング
236 拡張面
308 支持リング
336 拡張面
408 支持リング
438 隙間
508 支持リング
608 支持リング
L1 回転軸線
S1 狭空間
W 基板
Claims (4)
- 基板を水平に保持するための保持部と、前記保持部との間に上下方向の隙間が生じ、前記保持部によって保持される基板との間に上下方向の隙間が生じるように、前記保持部および基板の下方に配置されたスピンベースと、前記保持部およびスピンベースを鉛直軸線まわりに回転させる回転手段とを有する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に処理液を供給する処理液供給手段とを含み、
前記保持部は、基板の全周を取り囲んで当該基板の外周縁を外方に拡張するように設けられた、少なくとも一部が水平な環状の拡張面を有し、前記拡張面は、前記保持部に保持される基板の上面よりも低くなるように形成されていると共に、処理液に対する親液性が基板よりも高い親液面とされており、
前記保持部は、前記保持部によって保持される基板と前記スピンベースとの間に上下方向の隙間が生じるように当該基板の下面周縁部を全周にわたって支持できるように形成されたものであり、当該隙間を当該保持部の周囲の空間に連通させるための連通部と、前記拡張面の水平部分の外周部から下方に延びており、前記保持部と前記スピンベースとの間の上下方向の隙間を取り囲む筒状部とをさらに有する、基板処理装置。 - 前記スピンベースの上面から前記保持部に保持された基板の下面に向けて不活性ガスを吐出するガス吐出口をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記保持部は、内側に向かって下方に傾斜する環状のテーパ面を含み、
前記テーパ面は、基板の下面周縁部を線接触で支持するように形成されている、請求項1または2記載の基板処理装置。 - 前記保持部は、環状に配置された複数の支持部を有し、
前記複数の支持部は、それぞれ、基板の下面周縁部を点接触で支持するように形成されている、請求項1または2記載の基板処理装置。
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