JP2008195887A - クロロプレン系共重合体ラテックス、その製造方法及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分子中にカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体ラテックスにおいて、保管中の分子量変化を最小限に抑え、ゲル分を発生させないことで、接着剤として用いた場合に良好な接着物性を安定して示すクロロプレン系共重合体ラテックスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 分子中にカルボキシル基を有し、pH調整剤、並びにスルホン酸塩及び/又は硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤を含み、かつ、25℃におけるpHが1.5〜5.5であることを特徴とするクロロプレン系共重合体ラテックス、並びにその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、長期間保存してもポリマー物性が安定であるカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体ラテックスおよびその製造方法ならびにその用途に関するものである。なお、本発明における長期間とは、10℃の冷蔵保管においては2年以上、23℃の常温保管における5ヶ月以上を指す。
クロロプレンゴム等をベースとした溶剤系接着剤は、その良好な作業性や接着物性から各種用途に用いられてきた。しかし、使用される有機溶剤は地球環境や作業者の健康に悪影響を与え、時には作業場の火災等を引き起こす危険性を有している。そのため、脱溶剤の要求が高まっている。
脱溶剤化の手法の一つとして、ラテックス系接着剤による代替が考えられている。しかし、従来のラテックス系接着剤は溶剤系接着剤と比較して強度が不十分であった。その為、高分子量化や、分子中にカルボキシル基を導入し、金属酸化物等で架橋をするなどの強度向上の試みがなされてきた。
クロロプレン分子中にカルボキシル基を導入する方法としては、各種の方法が知られている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
また、分子中にカルボキシル基を有した単量体を乳化重合したクロロプレン系共重合体ラテックスおよびそれを用いた接着剤組成物としては各種の組成物が知られている(例えば、特許文献3,特許文献4参照)。
しかし、特許文献3,特許文献4に示されるように、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を用いた場合、その保護コロイド性から優れたラテックスの安定性を示す一方で、期待される接着物性が得られず、特に耐水性が低くなる。また、高分子量化によりポリマーがゲル分を含有すると、耐熱強度が向上する反面粘着保持時間が短くなるなど、接着剤のコンタクト性を阻害してしまう。
この問題を解決する方法の1つとして、クロロホルムに溶解した際に不溶部であるゲル分を含まないクロロプレン系共重合体ラテックスおよびそれを用いた接着剤組成物が知られている(例えば、特許文献5,非特許文献1)。
しかし、クロロプレンゴムは保管中に徐々に脱塩酸するため、ラテックスのpHが低下する。また分子量が徐々に増加してゲル化することが知られている。そのため、ゲル不含により物性を向上させる場合には、保管中に分子量が安定でゲル分が発生しないことが必須と考えられる。
分子中にカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体における、ラテックスの安定化方法としては、例えば特許文献6に記載されている。
しかし、上記の方法においては、ゲル分の増加率を低下させるだけで、完全にゲル分の生成を抑えてはおらず、また、ポリビニルアルコールを乳化剤として用いているために、接着物性が劣る。
特公昭52−13983号公報 特開昭61−12710号公報 特開平6−287360号公報 特開平11−335491号公報 特開平8−218044号公報 JETI Vol.44 No.12(88頁) 特開平5−222106号公報
本発明はこの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分子中にカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体ラテックスにおいて、保管中の分子量変化を最小限に抑え、ゲル分を発生させないことで、長期保管後に接着剤として用いた場合に良好な接着物性を安定して示すクロロプレン系共重合体ラテックスおよびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、分子中にカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体ラテックスのpHを一定範囲とすることで、保管中の分子量変化を抑えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、分子中にカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体ラテックスで、pH調整剤、並びにスルホン酸塩及び/又は硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤を含むことにより、25℃におけるpHが1.5〜5.5であることを特徴とするクロロプレン系共重合体ラテックス、その製造方法及びそれを含有することを特徴とした接着剤組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のクロロプレン系共重合体ラテックスは、分子中にカルボキシル基を有し、pH調整剤、並びにスルホン酸塩及び/又は硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤を含み、かつ、25℃におけるpHが1.5〜5.5であることを特徴とする。
分子中にカルボキシル基を有するクロロプレン系共重合体ラテックスとは、クロロプレン単量体と、カルボキシル基含有単量体との共重合体のラテックスであり、必要に応じて、クロロプレン単量体と共重合可能な他の単量体を用いたものでも良い。カルボキシル基を含有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸等が挙げられるが、これらの中でも、接着剤とした際の接着強度が高いため、メタクリル酸が好ましい。クロロプレン単量体とカルボキシル基を含有する単量体の割合は、クロロプレン単量体100重量部に対し、0.1〜10重量部であるのが好ましく、0.3〜5重量部であるのがさらに好ましい。クロロプレンと共重合可能なその他の単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート等があり、これらをクロロプレン100重量部に対し、20重量部以下で用いることが好ましい。
pH調整剤としては特に種類や量を限定するものではなく、例えば、酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、しゅう酸、リンゴ酸、クエン酸、アミノ酸などがあげられ、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがあげられる。また、アミノ酸のような両性電解質の使用も可能である。なかでも、取り扱いの安全性およびpH調整の容易さから、弱酸、弱塩基が好ましい。ここに、弱酸とはpKaが2以上のもの(例えば、リン酸、ギ酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸等があげられる)をいい、弱塩基とはpKbが2以上のもの(例えば、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる)をいう。酸の解離定数Kaは、電離水溶液中における酸の電離平衡の平衡定数であり、強い酸ほどその値は大きい。pKaはKaの負の常用対数値であり、強い酸ほど小さくなる。同様にpKbは電離水溶液中における塩基の解離定数Kbの負の常用対数値であり、強い塩基ほどpKbは小さくなる。なお、pH調整剤の2種類以上の組み合わせでも良い。更には、保管中のpH安定化のため、pH調整剤として、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどpH緩衝作用のある物質を用いることが好ましく、中でも酢酸アンモニウムが好ましい。
スルホン酸塩及び/又は硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤としては、一般的に乳化重合に用いるものであれば特に限定するものではなく、例えば、デカンスルホン酸塩,ラウリルスルホン酸塩,ステアリルスルホン酸塩などの炭素数が10〜20のアルカンスルホン酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸塩,ステアリルベンゼンスルホン酸塩などの炭素数が10〜20のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルジフェニルエーテルジスルホン酸塩,ステアリルジフェニルエーテルジスルホン酸塩などの炭素数が10〜20のアルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ブチルナフタレンスルホン酸塩,ラウリルナフタレンスルホン酸塩などの炭素数が4〜20のアルキルナフタレンスルホン酸塩などがあげられ、硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤は、例えば、ラウリル硫酸塩,ステアリル硫酸塩などの炭素数が10〜20のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸塩などの炭素数が10〜20のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などがあげられる。塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどがあげられる。これらの中でも、重合安定性の面からアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のナトリウムをクロロプレン100重量部に対し0.5〜10重量部用いるのが好ましい。また、スルホン酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤と硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤の両方を含有しても良い。
本発明のクロロプレン系共重合体ラテックスは、ラテックスの安定性確保のために、さらに安定剤を含有することが好ましい。この安定剤としては、例えば、エチレンスルホン酸およびその化合物、スチレンスルホン酸およびその化合物、ナフタレンスルホン酸およびその化合物などがあげられ、なかでも重合時のラテックス安定性の面からナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物が好ましい。
本発明のクロロプレン系共重合体ラテックスは、25℃におけるpHが1.5〜5.5である。1.5未満のpHでは酸性が強いために被着体を腐食する可能性があり、5.5を超えるpHではポリマーの安定性が悪くゲル分が発生する。ポリマーの安定性および保管中におけるpH変化から、2.5〜5.0が好ましい。
クロロプレン系共重合体ラテックスの重合方法としては特に制限のあるものではなく、クロロプレン単量体とカルボキシル基含有ビニル単量体、又はクロロプレン単量体とカルボキシル基含有ビニル単量体とクロロプレンと共重合可能なその他の単量体をラジカル乳化重合すればよい。乳化重合は、特に限定するものではなく、上記の単量体、pH調整剤、および乳化・分散剤を、重合開始剤、連鎖移動剤等と共に乳化し、所定温度にて行い、所定の転化率で重合停止剤を添加し、重合終了時のラテックスのpHが1.5〜5.5となるよう行えば良い。
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル性物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、過酸化水素、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、ハイドロサルファイト、有機アミン等との併用レドックス系で用いても良い。
連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン、ハロゲン炭化水素、アルキルキサントゲンジスルフィド、硫黄等の分子量調節剤等があげられ、これらのうち、臭気及び作業性の面からn−ドデシルメルカプタンが好ましく、その使用量は0.1〜3.0重量部が好ましく、0.2〜1.0重量部が更に好ましい。
重合温度は特に限定するものではなく、0〜80℃の範囲で行うことができ、好ましくは10〜50℃の範囲である。
重合終了時期は特に限定するものでないが、生産性、および良好な接着物性を得るため、単量体の転化率が60〜100%まで重合を行うことが好ましい。
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤であれば特に限定するものでなく、例えば、フェノチアジン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒドロキシルアミン等が使用できる。
ラテックスのpHの調整は、pH調整剤の添加量にて調節する。pH調整剤の添加のタイミングは特に限定するものではなく、重合開始前から重合終了後まで任意のタイミングで添加することができる。
また、ラテックスの安定性を更に良好にするため、重合中、および重合終了後に上記の乳化・分散剤のうち1種類以上を追加添加しても良い。
本発明のクロロプレン系共重合体ラテックスを含有する接着剤は、単独でも接着剤として使用可能であるが、粘着付与樹脂や架橋剤を添加することで接着物性が向上する。
粘着付与樹脂としては特に限定するものではなく、例えば、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体樹脂、石油系炭化水素等があげられ、例えば、重合ロジン、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル、アルキルフェノール樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール、水添ロジン、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、石油樹脂、クマロン樹脂等が使用される。
架橋剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、エポキシ樹脂、ポリアジリジン化合物、ポリオキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物等が使用できるが、カルボキシル基と反応する多官能性化合物であれば何ら制限はなく、クロロプレンゴムラテックスに均一に混合できる化合物であれば用いることができる。
クロロプレンゴムラテックスを主成分とする接着剤の粘度は、各種増粘剤、例えば、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、疎水化セルロース、会合型ノニオン界面活性剤等の水溶性ポリマー、及びカルボキシル基含有ポリマーから構成されるアルカリ可溶型の増粘剤、ヘクトライト等のシリケート化合物等の配合により所望の粘度に調整できる。また必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、凍結防止剤、造膜助剤、可塑剤、クレー等の各種充填剤を適宜配合しても良い。
本発明のクロロプレン系共重合体ラテックスは、長期間の保管において分子量の上昇が少なく、その結果、これを含有する接着剤組成物は安定した接着物性を示すものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例における保管期間は、10℃2年に相当する促進条件として、50℃における8日間の保管とした。また、ラテックスのpH、機械的安定性、配合安定性、ポリマーの溶液粘度、接着剤配合物の常温剥離強度、耐熱剥離強度は以下の方法で測定した。
<pH>
pHメーター((株)堀場製作所製)により測定した。
<機械的安定性>
マーロン試験法により、ゴム凝固率を測定した。
<ポリマーのゲル分および溶液粘度>
ラテックスを流延してゴムフィルムを作製し、真空乾燥機において24時間以上経過後に秤量をし、その後8時間おきに秤量を実施。重量変化が1%以下となるまで乾燥した。その後、そのゴムを重量換算で1%の濃度となるようにトルエンに溶解し、ボールミルにて16時間混合・溶解し、得られた溶液を100メッシュの金網にてろ過、トルエンにて洗浄後、残渣を170℃で10分乾燥し、その重量と溶解したゴムの重量の比をゲル分とした。またゲル分同様にそのゴムを重量換算で10%の濃度となるようにトルエンに溶解し、その粘度をB型粘度計を用いて測定した。測定は、試料容器を23℃の恒温槽に1時間浸漬した後に、No.2ローターを用いて60rpmで測定し、60秒後の値を用いた。
<配合安定性>
接着剤配合時のゴム析出有無を観察した。
<常温剥離強度>
9号帆布(150mm×25mm)2枚それぞれの片面に接着剤を約690g/m塗布し、23℃にて60分間乾燥した後にハンドローラーを用いて圧着を行い測定用の試験片とし、テンシロン型引っ張り試験機を用いて180°常温剥離強度を23℃の雰囲気下にて100mm/minの剥離速度で行った。圧着後すぐに剥離強度の測定をしたものを初期強度、試験片を23℃の雰囲気にて7日間養生し、剥離強度を測定したものを7日後強度とした。
<耐熱剥離強度>
9号帆布(150mm×25mm)2枚それぞれの片面に接着剤を約690g/m塗布し、80℃にて5分間乾燥した後にハンドローラーを用いて圧着を行い23℃で7日間養生し、測定用の試験片とした。高温雰囲気下における180°剥離強度の測定を行った。測定は80℃の雰囲気下にて100mm/minの剥離速度で行った。
実施例1
表1で示した重量部のクロロプレン、メタクリル酸、n−ドデシルメルカプタン、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(商品名:ペレックスSS−H、花王(株)製)、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))、ハイドロサルファイトナトリウム、および純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中40℃で重合を行い、クロロプレン系共重合体ラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が97%以上となった時点で重合停止剤を加え反応を停止した。減圧下で未反応単量体を除去した後、pH調整剤としてトリエタノールアミンを0.6重量部添加し、25℃におけるラテックスpHを5.5とし、ラテックスAを得た。
ラテックスAの一部を容器に入れ、50℃雰囲気で8日間保管し、保管前後の25℃におけるラテックスのpH、機械的安定性、ポリマーのゲル分、および溶液粘度を測定した。また、保管前後のラテックスそれぞれに対し、樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温剥離強度、および耐熱剥離強度を測定した。配合を表2に、結果を表3に示す。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
Figure 2008195887
Figure 2008195887
Figure 2008195887
実施例2
pH調整剤として2%アンモニア水2.5重量部を添加して25℃におけるpHが5.5であるラテックスBを得た以外は実施例1に従ってラテックスおよび試験片を作製し、評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
実施例3
pH調整剤として酢酸アンモニウムをラテックスに対し0.1重量部添加し25℃におけるpHが4.5であるラテックスCを得た以外は、実施例1に従ってラテックスおよび試験片を作製し、評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
実施例4
pH調整剤として酢酸アンモニウムをラテックスに対し0.5重量部添加し、更に30%酢酸を2.5重量部加え、25℃におけるpHが4.5であるラテックスDを得た以外は、実施例1に従って評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
実施例5
pH調整剤として酢酸アンモニウムをラテックスに対し0.5重量部添加し、更に30%酢酸15重量部を加え、25℃におけるpHが3.5であるラテックスEを得た以外は、実施例1に従って評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
実施例6
pH調整剤として酢酸アンモニウムをラテックスに対し0.5重量部添加し、更に5%塩酸を2.5重量部加え、25℃におけるpHが3.5であるラテックスFを得た以外は、実施例1に従って評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
実施例7
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムを4重量部用いて重合を行った以外は実施例1に従ってラテックスGおよび試験片を作製し、評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
実施例8
乳化・分散剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:ネオペレックスG−15、花王(株)製)を6重量部用いて重合を行った以外は、実施例1に従ってラテックスHを作製し、評価を実施した。表3の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であり、ゲル分の発生は無く、常温剥離強度、耐熱剥離強度共に良好な値であった。
比較例1
実施例1と同様の方法で重合を行い、その後、pH調整剤として2%アンモニア水6重量部を添加して25℃におけるpHが8.9であるラテックスaを得た以外は実施例1に従って評価を実施した。結果を表4に示す。表4の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であるが、ゲル分が発生し、初期常温剥離強度も低くなった。
Figure 2008195887
比較例2
実施例1と同様の方法で重合を行い、その後、pH調整剤として5%水酸化ナトリウム水溶液を5重量部添加し、25℃におけるpHが9.2であるラテックスbを得た以外は実施例1に従って評価を実施した。表4の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であるが、ゲル分が発生し、初期常温剥離強度も低くなった。
比較例3
10%酢酸を加えず、25℃におけるpHが5.9であるラテックスcを作製した以外は実施例4と同様の方法で価を実施した。表4の結果より、50℃保管の前後共にラテックスの機械的安定性および配合安定性は良好であるが、ゲル分が発生し、初期常温剥離強度も低くなった。
比較例4
乳化・分散剤として、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(商品名:エマルゲンA−60 花王(株)製)を6重量部用いてラテックスdを得た以外は、実施例1に従って重合を行った。しかし、未反応単量体を除去中にゴムが析出し、ラテックスが得られなかった。

Claims (5)

  1. 分子中にカルボキシル基を有し、pH調整剤、並びにスルホン酸塩及び/又は硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤を含み、かつ、25℃におけるpHが1.5〜5.5であることを特徴とするクロロプレン系共重合体ラテックス。
  2. スルホン酸塩及び/又は硫酸塩からなるアニオン系乳化・分散剤の存在下でクロロプレン単量体と、カルボキシル基を有する単量体を重合する際に、pH調整剤を添加することを特徴とする請求項1に記載のクロロプレン系共重合体ラテックスの製造方法。
  3. pH調整剤が弱酸又は弱塩基であることを特徴とする請求項2に記載のクロロプレン系共重合体ラテックスの製造方法。
  4. pH調整剤としてpH緩衝作用のある物質を用いることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のクロロプレン系共重合体ラテックスの製造方法。
  5. 請求項1記載のクロロプレン系共重合体ラテックスを含有することを特徴とする接着剤組成物。
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