JP2676617B2 - クロロプレン共重合体組成物、その製造方法及び接着剤 - Google Patents

クロロプレン共重合体組成物、その製造方法及び接着剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はクロロプレン共重合体組成物、その製造方
法、及びそのクロロプレン共重合体組成物を使用した接
着剤に関するものである。特に、本発明のクロロプレン
共重合体組成物は溶剤型接着剤の基体として有用であ
り、それを使用した接着剤は可塑剤を含有するポリ塩化
ビニール系素材等の接着に有効である。
[従来の技術] 従来、クロロプレンゴムとメタクリル酸メチル(以
下、MMAと記す)をグラフト重合して得られるグラフト
化クロロプレン共重合体溶液を用いた接着剤は製靴産業
等における軟質のポリ塩化ビニールレザー等の接着に多
用されている。
この様なグラフト化クロロプレン共重合体の製造方法
としては、例えば乳化系で重合して得られたクロロプレ
ンラテックスより単離乾燥したチップ状のクロロプレン
ゴムをトルエン,メチルエチルケトン等の有機溶剤に溶
解し、その溶液中にMMA等の単量体を加え、過酸化ベン
ゾイル等の重合開始剤を用いてグラフト重合を行なう、
いわゆる溶液グラフト重合がよく知られている。(日本
接着協会誌、Vol20、No.6 34〜41頁(1984年)) しかしながら、この様にして製造されたグラフト化ク
ロロプレン共重合体を使用した溶剤系接着剤には、次の
様な問題がある。
溶剤溶液系でのグラフト重合は、重合率および反応液
の粘度の制御が非常に難しく、グラフト重合に使用でき
る溶剤の種類も必然的に制約を受ける。
溶剤溶液系におけるグラフト重合で製造されたグラフ
ト化クロロプレン共重合体は、そのまま溶剤系接着剤と
して使用されるが、この場合未反応のMMA等の単量体が
残存するため、接着剤の塗布作業および乾燥工程で未反
応の単量体が大気中に揮散し作業環境を著しく悪化させ
る。
乳化系で重合したクロロプレンゴムを単離乾燥した
後、再び有効溶剤に溶解してMMAとグラフト重合するた
め工程が繁雑になる。
溶剤溶液系におけるグラフト重合反応は比較的高温で
長時間に亘って行なわれるので、得られたグラフト化ク
ロロプレン共重合体の接着剤溶液は保存安定性が悪く、
長期間経過すると粘度が低下する。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者等は、この様な従来技術の問題に鑑みて鋭意
検討した結果、従来の溶剤溶液系におけるグラフト重合
の代りに、水性ラジカルグラフト重合によりグラフト化
したクロロプレン共重合体ラテックスを合成し、該クロ
ロプレン共重合体ラテックスにロジン酸塩を添加した組
成物を噴霧乾燥することにより、クロロプレン共重合体
組成物の粉末を容易に得ることができ、また該クロロプ
レン共重合体組成物の乾燥粉末は有機溶剤への溶解性が
よく、所望の有機溶剤に溶解し未反応の単量体が残存す
ることがない保存安定性が良好な接着剤を得ることがで
きることを見出し本発明の完成に到ったものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、クロロプレン共重合体組成物、その製造方
法、及びそのクロロプレン共重合体組成物を使用した接
着剤からなるものである。
即ち、本発明は、クロロプレン重合体100重量部の存
在下に、一般式CH2=CR−CO−OR1(式中、Rは炭素原子
1〜4個を有するアルキル基又は水素原子、R1は炭素原
子1〜12個を有するアルキル基を表わす)で示される単
量体10〜90重量部を水性ラジカルグラフト重合させた共
重合体100重量部にロジン酸塩を少なくとも0.5重量部添
加してなることを特徴とするクロロプレン共重合体組成
物、および該クロロプレン共重合体組成物を有機溶剤に
溶解してなる接着剤である。
さらに、本発明は、スルホン酸基を有するアニオン界
面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤の存在下、重
合温度25℃以下でクロロプレン単独又はクロロプレン及
びクロロプレンと共重合可能な単量体とを水性ラジカル
重合して得たクロロプレン重合体ラテックスに対し、該
クロロプレン重合体100重量部当り10〜90重量部の一般
式CH2=CR−CO−OR1(式中、Rは炭素原子1〜4個を有
するアルキル基又は水素原子、R1は炭素原子1〜12個を
有するアルキル基を表わす)で示される単量体を添加
し、該単量体の重合率が70〜100重量%になるまで水性
ラジカルグラフト重合を行ない、得られたクロロプレン
共重合体ラテックス中に、該クロロプレン共重合体100
重量部に対し少なくとも0.5重量部のロジン酸塩を添加
することを特徴とするクロロプレン共重合体組成物の製
造方法、および前記ロジン酸塩を添加したクロロプレン
共重合体ラテックスを噴霧乾燥することを特徴とするク
ロロプレン共重合体組成物の製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明のクロロプレン共重合体組成物、及びそ
のクロロプレン共重合体組成物を使用した接着剤につい
て説明する。
本発明のクロロプレン共重合体組成物は、クロロプレ
ン重合体の存在下に、下記の一般式(I) CH2=CR−CO−OR1 (I) (式中、Rは炭素原子1〜4個を有するアルキル基又は
水素原子、R1は炭素原子1〜12個を有するアルキル基を
表わす) で示される単量体を水性ラジカルグラフト重合させて得
られた共重合体にロジン酸塩を添加してなるものであ
る。
本発明において用いられるクロロプレン重合体は、ク
ロロプレン単独又はクロロプレン及びクロロプレンと共
重合可能な単量体とを水性ラジカル重合して得たクロロ
プレン重合体ラテックスが用いられる。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、ブタジ
エン,アクリロニトリル,メタクリル酸アルキル等が挙
げられる。これ等の単量体は通常0〜25重量%を用いる
のが好ましい。
次に、前記一般式(I)で示される単量体(以下、ア
クリル系単量体と記す)は、構造式 CH2=CR−CO−OR1で示されるが、式中Rはメチル基,エ
チル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,
イソブチル基等の炭素原子1〜4個を有するアルキル基
又は水素原子を示す。R1は炭素原子1〜12個を有するア
ルキル基を示し、例えばメチル基,エチル基,イソプロ
ピル基,n−オクチル基,n−ドデシル基等が挙げられる。
また、アクリル系単量体の具体例を示すと、メタクリ
ル酸メチルエステル,メタクリル酸エチルエステル,メ
タクリル酸プロピルエステル,メタクリル酸オクチルエ
ステル,アクリル酸エチルエステル,アクリル酸ブチル
エステル等が挙げられる。これ等の中でメタクリル酸メ
チルエステルが好ましい。また、これ等は単独で又は2
種以上を併用して用いてもよい。
前記のアクリル系単量体は、クロロプレン重合体100
重量部に対して10〜90重量部、好ましくは30〜60重量部
の範囲で用いられる。10重量部未満では得られる接着剤
の軟質のポリ塩化ビニール系素材への接着強度が劣り、
90重量部をこえると接着膜が硬くなりすぎて接着不良を
起しやすくなる。
また、前記クロロプレン重合体とアクリル系単量体と
はグラフト重合してグラフト化クロロプレン共重合体を
形成しているが、該共重合体にはロジン酸塩が添加され
る。該ロジン酸塩としては、特に限定することなく広範
囲のものを用いることができるが、例えばガムロジン,
トール油ロジン等の不均一ロジンのアルカリ金属塩が用
いられる。また、これ等のロジン酸塩と共にNaOH,KOH等
のアルカリ金属塩水酸化物を添加してもよい。ロジン酸
塩の添加量はグラフト化クロロプレン共重合体100重量
部に対して少なくとも0.5重量部、好ましくは1〜10重
量部の範囲が望ましい。0.5重量部未満ではクロロプレ
ン共重合体組成物の保存安定性および該クロロプレン共
重合体組成物から得られる接着剤の長期保存安定性が悪
くなる。
本発明のクロロプレン共重合体組成物は、前記クロロ
プレン重合体とアクリル系単量体との共重合体にロジン
酸塩を添加した組成物からなるが、その形態は噴霧乾燥
された粉末からなる製品とすることができる。その粉末
の粒径は、特に限定することはないが、一般に噴霧乾燥
の条件により規定され、通常1mm以下、好ましくは0.01
〜0.1mmの範囲が望ましい。また、水分含有量は0.5重量
%以下、好ましくは0.3重量%以下であることが望まし
い。
次に、本発明の接着剤は、上記に説明したクロロプレ
ン共重合体組成物の粉末を有機溶剤に溶解した溶液から
なる。
有機溶剤としては、トルエン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチルあるいはこれらの中から選ばれた
2種類以上の溶剤を任意の割合で混合したもの等が用い
られる。また、接着剤溶液には、必要に応じて、粘着
剤、安定剤等を添加することができる。
本発明の接着剤に含有されるクロロプレン共重合体組
成物の濃度は、該クロロプレン共重合体組成物の種類お
よび用途等により異なるが、通常接着剤の20℃における
粘度が100〜100,000cps、好ましくは1,000〜10,000cps
の範囲にはいる様に調整する事が望ましい。100cps未満
だと通常の塗布量では充分な接着力が得られず、また10
0,000cpsを越えると粘度が高すぎて塗布作業に適さない
ので望ましくない。
本発明の接着剤はポリ塩化ビニール系素材、およびア
クリル樹脂、EVAスポンジ等の接着に有効である。
次に、本発明のクロロプレン共重合体組成物の製造方
法について説明する。
先ず、スルホン酸基を有するアニオン界面活性剤及び
/又はノニオン性界面活性剤の存在下で、重合温度25℃
以下でクロロプレン単独又はクロロプレン及びクロロプ
レンと共重合可能な単量体とを水性ラジカル重合してク
ロロプレン重合体ラテックスを得る。
原料のクロロプレン単独又はクロロプレン及びクロロ
プレンと共重合可能な単量体は前述したものを使用する
ことができる。
また、界面活性剤は、使用する界面活性剤全量の少な
くとも50重量%はスルホン酸基を有するアニオン界面活
性剤及びノニオン性界面活性剤の中から選ばれた一種類
以上の界面活性剤を用いることが必要である。
スルホン酸基を有するアニオン界面活性剤としては、
例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩,ラウ
リル硫酸塩,アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩等が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルエーテル,多価アルコール脂肪酸
エステル等が挙げられる。なお、カチオン性界面活性剤
は後続の水性ラジカルグラフト重合を円滑に進行させる
ことができず、反応終了後に添加するロジン酸塩との相
溶性もないので好ましくない。
また、使用する界面活性剤全量の50重量%をこえない
範囲でロジン酸塩、脂肪酸塩等の界面活性剤を用いるこ
とができるが、この範囲を越えて使用すると後の水性ラ
ジカルグラフト重合時の安定性が悪くなるために好まし
くない。
重合反応の分子量調整剤としては、通常n−ドデシル
メルカプタン等が用いられ、また重合開始剤としては無
機または有機の過酸化物、例えばt−ブチルハイドロパ
ーオキサイド,過硫酸カリウム等が用いられる。
重合は重合温度25℃以下、好ましくは0〜15℃で、少
なくとも60%以上の転化率に達するまで行ない、重合禁
止剤を加えて重合を停止させる。重合禁止剤としては、
チオジフェニルアミン,ターシャリブチルカテコール等
が用いられる。また、重合温度は重要な要件で25℃以下
で重合を行なうことを要し、25℃をこえるとクロロプレ
ンの結晶化がそこなわれ接着強度が低下するために望ま
しくない。
次に、上記の様にして得られたクロロプレン重合体ラ
テックスに、該ラテックス中のクロロプレン重合体100
重量部当り前記一般式(I)で示されるアクリル系単量
体10〜90重量部を添加して水性ラジカルグラフト重合を
行ない、クロロプレン共重合体ラテックスを得る。
水性ラジカルグラフト重合は重合温度40〜90℃、好ま
しくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜70℃で行なうの
がよい。40℃未満ではグラフト単量体であるアクリル系
単量体の重合率が低く得られる接着剤の接着強度が低下
し、90℃をこえると得られるクロロプレン共重合体組成
物および接着剤の保存安定性が低下する。
水性ラジカルグラフト重合反応はアクリル系単量体の
重合率が70〜100重量%になるまで行なう。重合率が70
%未満ではクロロプレン共重合体組成物からなる接着剤
の十分な接着強度が得られないために好ましくない。
重合時間は通常3時間以内で行なわれるが、条件によ
っては1〜10時間以内で重合反応は完了する。
水性グラフト重合反応において、界面活性剤は特に用
いなくてもよいが、必要に応じて前記クロロプレン重合
体ラテックスの製造に使用した界面活性剤を用いること
ができる。また、分子量調整剤としては、アルキルメル
カプタン、ジアルキルキサントゲンジスルフィド等が用
いられ、重合開始剤としては通常用いられている無機ま
たは有機の過酸化物が用いられる。
次に、上記の様にして得られたクロロプレン共重合体
ラテックスに、該ラテックス中のクロロプレン共重合体
100重量部に対し少なくとも0.5重量部のロジン酸塩を添
加することによりクロロプレン共重合体組成物を得るこ
とができる。
前記ラテックスに添加するロジン酸塩は、水溶液の状
態で添加することが好ましい。また、この時、ロジン酸
塩と共にNaOH,KOH等のアルカリ金属塩水酸化物を添加し
てもよい。ロジン酸塩は前述のものを使用することがで
きる。
以上の様にして得られた、ロジン酸塩を添加したクロ
ロプレン共重合体組成物は乳化液の状態であるが、乾燥
して粉末の製品とすることができる。その方法として
は、該乳化液を噴霧乾燥することにより、グラフト化ク
ロロプレン共重合体組成物を粉末化して単離する。
一般に乳化液を噴霧乾燥する技術は既に多くの報告が
なされているが、クロロプレンゴム系乳化液の乾燥に関
しては、これまでに実際には行なわれていなかった。そ
の理由として、クロロプレンゴムの凝集特性に起因して
粉末化が困難であるためであった。本発明は、クロロプ
レン重合体にMMA等のアクリル系単量体をグラフト重合
させることにより、その凝集特性が改善されて噴霧乾燥
を行なうことが可能になったことに一つの特徴がある。
噴霧乾燥は、乳化液を噴霧乾燥基を用いて微粒化し、
熱風との接触によって瞬時に乾燥させて粉体製品を得る
常法の乾燥方法によって行なうことができる。噴霧乾燥
機としては、遠心回転によるもの、或いは加圧式による
もののいずれも使用することが可能であり、さらに詳し
くは加圧ノズル式、加圧二流体式、回転ディスク式、回
転二流体式等の一般に用いられている方式のものを用い
ることができる。
乾燥条件は、単離したクロロプレン共重合体組成物の
粉末の含水量が0.5重量%以下となることが好ましい。
具体的には、乾燥温度が熱風入口温度が100〜150℃、熱
風出口温度が50〜80℃が好ましい。乾燥温度が高いと、
含水量は少なくなるがゲル化し易くなり、保存安定性に
も悪影響を与える。また、乳化液の供給量は噴霧乾燥機
の能力に左右されるが、必要以上に少ないと過乾燥とな
って物性に悪影響を与え好ましくない。抗粘結合剤は、
例えば炭酸カルシウム,シリカ,タルク,ケイ砂等一般
的に用いられているものを必要に応じて用いることがで
きるが、諸物性への影響から多量に用いることは好まし
くない。本発明においては、それ等の抗粘結合剤等の添
加剤を用いなくても乾燥粉末の製品を得ることが可能で
ある。
また、粉末の製品の粒径は噴霧乾燥条件によりきまる
が、前述の様に通常1mm以下に調整するのが好ましい。
[作用] 本発明においては、クロロプレン重合体にアクリル系
単量体を水性ラジカルグラフト重合せしめて得られたク
ロロプレン共重合体ラテックスは、乾燥時の凝集性が改
善されているために噴霧乾燥して容易に粉末化すること
が可能となる。また、前記クロロプレン共重合体ラテッ
クスにロジン酸塩を添加することにより、得られる接着
剤の保存安定性は極めて良好になる。
また、本発明のクロロプレン共重合体組成物を噴霧乾
燥して得られる粉末は有機溶剤への溶解性がよく容易に
接着剤を得ることができる。該接着剤には、未反応の単
量体が残存することがなく、また有機溶剤の種類の選択
および濃度を任意に選定することができ、被接着材の各
種のポリ塩化ビニール系素材に適応した接着性を有する
接着剤を得ることができる。
さらに、噴霧乾燥により短時間の加熱により粉末化が
行なわれるので、クロロプレン共重合体組成物中にロジ
ン酸塩を添加することと相乗し、得られる接着剤の保存
安定性は良好で、長期間経過してもほとんど粘度が変化
することがない。
[実施例] 以下、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれ等の実施例により限定
をうけるものではない。なお、本文中では特記しない限
り部は重量部を表わす。
実施例1,2および比較例1,2 実施例1、2は第1表に示した重合処方で、また比較
例1、2はそれぞれ実施例1、2と同じ重合処方で、5
の4ッ口フラスコを用い、窒素雰囲気中で、重合温度
15℃で水99部に対し過硫酸カリウム1部を溶解した水溶
液を連続的に滴下しながら水性ラジカル重合を行なっ
た。クロロプレンモノマーの転化率が80%に達した時点
で重合停止剤としてt−ブチルカテコール,チオジフェ
ニルアミンをクロロプレンモノマー全量に対して各々10
0ppm添加して重合を停止させた。
残存する未反応単量体をスチームストリッピング法で
除去した後、得られたクロロプレン重合体ラテックス
に、そのゴム分100部に対しMMA40部を滴下しながらラテ
ックスの温度を70℃に昇温し、滴下終了後、メタ重亜硫
酸ナトリウム塩0.2部と過硫酸カリウム1部を添加して
重合を開始させた。70℃で約4時間重合を行ない、水性
ラジカルグラフト重合を完結させた。MMAの重合率は100
%であった。
次いで、得られたグラフト化クロロプレン共重合体ラ
テックス中にグラフト化クロロプレン共重合体100部に
対し、第2表に示す組成割合で溶解した25重量%のロジ
ン酸カリウム塩水溶液及びNaOHを加えた。このラテック
スを20℃で24時間放置したところ、実施例1,2には何の
変化もみられなかったのに対し、比較例1ではグラフト
化クロロプレン共重合体分全量の10%にあたる粒状の析
出物が、また比較例2ではグラフト化クロロプレン共重
合体分全量の2%にあたる粒状の析出物が析出した。
次に、各々のラテックスを、析出物が析出したものは
析出物を除去した後、30重量%の溶液に調整した後、加
圧二流体式の噴霧乾燥機を用いて、熱風入口温度130
℃、熱風出口温度70℃の条件下で噴霧乾燥を行ないグラ
フト化クロロプレン共重合体組成物の粒径約0.03mm、水
分含有量約0.3重量%の粉末を得た。得られたグラフト
化クロロプレン共重合体組成物の粉末をトルエンに溶解
して固型分10重量%の接着液を作製し、接着強度及び溶
液の粘度変化を測定した。
接着強度の測定は次の方法により行なった。有機溶剤
のトルエンに溶解した10重量%の接着溶液100部に対
し、硬化剤として3官能性イソシアネート化合物である
デスモジュールRF(住友バイエルウレタン(株)の商品
名)を3部添加し、厚さ1mm、幅25mmのポリ塩化ビニル
シートの各々に25mmの幅の部分に接着剤を3回に分けて
塗布量が200g/m2になる様に刷毛塗りし、30分後に2枚
を1組として貼り合わせて10Lbsローラを5往復させて
圧着した。
この試験片を温度23℃で第6表中に示す所定期間放置
した後、23℃の同一温度雰囲気中で50mm/minの速度でオ
ートグラフを用いて接着強度(剥離強度)を求めた。こ
れ等の測定結果を第6表に示す。
また、接着液の溶液粘度をBM型粘度計(東京計器
(株)製)により測定した結果を第6表に示す。実施例
1,2は接着液の溶液粘度が60日経過後もほぼ一定である
のに対し、比較例1,2では粘度変化が著しく安定性が劣
っている事が明らかである。
実施例3 第1表に示した実施例1の重合処方で、実施例1と同
様の方法でクロロプレン重合体ラテックスを作製した。
得られたクロロプレン重合体ラテックスを用いて水性ラ
ジカルグラフト重合を行う際、MMAのかわりにn−オク
チルメタクリレートを40部用い、その他は実施例1と同
様にして水性ラジカルグラフト重合を完結させた後、第
2表の実施例1と同量のロジン酸カリウム塩およびNaOH
を添加した。
以下、実施例1と同様にして接着剤を作製し、諸物性
を測定した結果を第6表に示した。接着強度、粘度安定
性共に良好な値を示している。
比較例3、4 第1表に示した重合処方で、実施例1と同様の方法
で、クロロプレン重合体ラテックスを得た後、MMAを添
加して水性ラジカルグラフト重合を行なったところ、比
較例3は重合途中でポリマーが析出し、また比較例4は
重合がほとんど進まなかった。
比較例5,6 第1表の実施例1に示した重合処方を用い、第3表に
示す重合温度でクロロプレン重合体ラテックスを作製し
た、得られたクロロプレン重合体ラテックスは実施例1
に従って水性ラジカルグラフト重合を完結させ、第2表
の実施例1と同量のロジン酸カリウム塩及びNaOHを添加
した。
以下、実施例1と同様にして接着剤を作製し、諸物性
を測定した。その測定結果を第6表に示す。実施例1,2
と比較すると、比較例5,6共に接着強度が充分ではない
ことが認められる。
比較例7 第1表の実施例1に示した重合処方を用いてクロロプ
レン重合体ラテックスを作製した。得られたクロロプレ
ン重合体ラテックスを用いて実施例1と同様の条件で水
性ラジカルグラフト重合を開始させ、MMAの重合率が60
%に達したところでターシャリブチルカテコール0.5部
を添加して重合を停止した。次いで、第2表の実施例1
と同量のロジン酸カリウム塩及びNaOHを添加した後、接
着剤を作製し、諸物性を測定した、その測定結果を第6
表に示す。実施例1,2と比較すると、接着強度が明らか
に劣っている事が認められる。
比較例8 第4表に示した重合処方でクロロプレンゴムを作製
し、トルエンを用いて第5表に示した条件で溶液グラフ
ト重合を行ない接着剤を作製した。
次いで、実施例1と同様にして諸物性を測定した。そ
の測定結果を第6表に示す。実施例1,2と比較すると、
接着強度が劣り、さらに溶液粘度の安定性も悪いことが
認められる。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明のクロロプレン共重合体組
成物、その製造方法、及びそのクロロプレン共重合体組
成物を使用した接着剤によれば、下記に列挙する様な優
れた効果を得ることができる。
噴霧乾燥を行なう事によって、グラフト化クロロプレ
ン共重合体組成物の単離、乾燥を繁雑な作業を行なう事
なく能率的に行なう事ができる。
グラフト化クロロプレン共重合体組成物は粉状化され
ているために、溶剤に対する溶解性に秀れ、簡単に可塑
剤を含有するポリ塩化ビニール系素材等の接着に有効な
接着剤を得ることができる。
接着剤に使用する有機溶剤の種類、組成を任意に選択
することができる。
接着剤中には未反応のMMA等のアクリル系単量体が残
存しない為、接着剤のアクリル系単量体に起因する臭気
が極めて少ない。
接着剤の保存安定性が極めて良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08F 279/02 220:12) (56)参考文献 特開 昭63−27570(JP,A) 特開 昭49−13243(JP,A) 特開 昭49−16739(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロプレン重合体100重量部の存在下
    に、一般式CH2=CR−CO−OR1(式中、Rは炭素原子1〜
    4個を有するアルキル基又は水素原子、R1は炭素原子1
    〜12個を有するアルキル基を表わす)で示される単量体
    10〜90重量部を水性ラジカルグラフト重合させた共重合
    体100重量部にロジン酸塩を少なくとも0.5重量部添加し
    てなることを特徴とするクロロプレン共重合体組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のクロロプレン共重合体組成
    物を有機溶剤に溶解してなる接着剤。
  3. 【請求項3】スルホン酸基を有するアニオン界面活性剤
    及び/又はノニオン性界面活性剤の存在下、重合温度25
    ℃以下でクロロプレン単独又はクロロプレン及びクロロ
    プレンと共重合可能な単量体とを水性ラジカル重合して
    得たクロロプレン重合体ラテックスに対し、該クロロプ
    レン重合体100重量部当り10〜90重量部の一般式CH2=CR
    −CO−OR1(式中、Rは炭素原子1〜4個を有するアル
    キル基又は水素原子、R1は炭素原子1〜12個を有するア
    ルキル基を表わす)で示される単量体を添加し、該単量
    体の重合率が70〜100重量%になるまで水性ラジカルグ
    ラフト重合を行ない、得られたクロロプレン共重合体ラ
    テックス中に、該クロロプレン共重合体100重量部に対
    し少なくとも0.5重量部のロジン酸塩を添加することを
    特徴とするクロロプレン共重合体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載のロジン酸塩を添加したクロ
    ロプレン共重合体ラテックスを噴霧乾燥することを特徴
    とするクロロプレン共重合体組成物の製造方法。
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