JP2008193906A - 魚釣用電動リール - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は魚釣用電動リールに関し、巻取り負荷状態に適応した巻取り速度へのタイムリーな切換えを可能とし、併せて釣場の状況に応じたきめ細かい低速状態でのモータ出力制御が可能な魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
【解決手段】 スプール駆動モータに対する過負荷条件が設定され、機械式変速装置の高速状態でのスプール駆動モータ駆動時に該過負荷条件が満たされたとき、機械式変速装置が低速状態に自動的に切り換わり、モータ出力調節体の全操作域が、低速状態に於けるスプール駆動モータの出力制御範囲となることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、リール本体に回転自在に取り付くスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータを備えた魚釣用電動リールに関する。
船釣り等、一般に深場の魚層を対象とした魚釣りを行う場合、魚釣用電動リールが広く使用されている。
従来周知のように魚釣用電動リールは、スプール駆動モータの駆動でスプールを回転させて釣糸の巻取りを行うもので、特許文献1に開示されるように昨今の魚釣用電動リールには、釣場の状況(対象魚の大きさや種類,魚とのファイトやヒット数等)に応じた釣糸の巻取り操作を行うべく、所定の角度に亘ってリール本体に回転可能に取り付くレバー形状のモータ出力調節体の操作でスプール駆動モータへの電流量を制御することにより、モータ出力を調節して釣糸の巻取り速度を変化させる電気式変速装置が知られている。
そして、釣人は、状況に応じたモータ出力調節体の操作で、実釣に即した釣糸の巻取り操作を行っている。
しかし、この電気式変速装置は、スプール駆動モータの駆動力をスプールに伝達させる歯車動力伝達機構のギヤ比の設定条件によって低回転時のトルクが不足したり、高速巻取り性能が劣る等の課題が残されていた。
そこで、斯かる不具合を解決するため、特許文献2には前記電気式変速装置に加え、スプール駆動モータのモータ軸とスプールに動力を伝達する動力伝達機構との間に、ギヤ比の異なる高速用減速歯車機構と低速用減速歯車機構とを動力伝達可能に連結した機械式変速装置を設け、前記モータ出力調節体の所定量の回転操作位置によりスプール駆動モータの回転方向を変えて、機械式変速装置の動力伝達状態を高速状態(スピードレンジ)と低速状態(パワーレンジ)とに切り換え可能とした魚釣用電動リールが開示されている。
而して、この魚釣用電動リールによれば、釣場の状況に応じ、モータ出力調節体の回転操作でスプール駆動モータのモータ出力を制御し乍ら、モータ出力調節体の回転操作範囲内の操作で、スプールの巻取り速度を高速状態と低速状態とに切り換えることができることとなる。
特許第2977978号公報 特開2005−295940号公報
ところで、実釣時には、高速状態での巻取り操作中に魚がヒットして、急激に巻取り負荷が増加することがあるが、前記魚釣用電動リールでは、このように巻取り負荷増加の変化を釣人が確認,判断したとき、モータ出力調節体を手動で回転操作して高速状態にある機械式変速装置を低速状態に切り換える必要があり、巻取り負荷状態に適応した巻取り速度にタイムリーに切り換えることができない不具合があった。
また、前記魚釣用電動リールでは、モータ出力調節体の中間回転操作位置の前半回転操作領域が低速状態でのモータ出力の調節範囲であるため、釣場の状況に応じたきめ細かい出力制御が十分に行えない等の課題が残されている。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、巻取り負荷状態に適応した巻取り速度へのタイムリーな切換えを可能とし、併せて釣場の状況に応じたきめ細かい低速状態でのモータ出力制御が可能な魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体に回転可能に支持されたスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータと、リール本体に変位可能に装着したモータ出力調節体の操作で、スプール駆動モータの出力を増減調節する電気式変速装置と、スプールの駆動系に装着され、前記モータ出力調節体の変位操作範囲内の操作で、スプールへのスプール駆動モータの動力伝達を高速状態と低速状態とに切換え可能な機械式変速装置とを備えた魚釣用電動リールに於て、前記スプール駆動モータに対する過負荷条件が設定され、前記機械式変速装置の高速状態でのスプール駆動モータ駆動時に該過負荷条件が満たされたとき、前記機械式変速装置が低速状態に自動的に切り換わり、前記モータ出力調節体の全操作域が、低速状態に於けるスプール駆動モータの出力制御範囲となることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、過負荷条件検出時に、機械式変速装置が高速状態から自動的に低速状態にシフトダウンされるので、実釣時に於て、巻取り負荷状態に適応した巻取り速度へのタイムリーな切換えを行うことができ、適切な魚の取り込みやモータ過熱による性能低下が防止できる。
また、高速状態から低速状態へのシフトダウン後のモータ出力調節体の全操作域を、低速状態に於けるスプール駆動モータの出力制御範囲に切り換えるように構成したので、従来に比し、釣場の状況に応じたきめ細かなモータ出力制御が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は請求項1の第一実施形態に係る魚釣用電動リール(以下、「電動リール」という)を示し、図1に於て、1はリール本体3のフレーム、5,7は該フレーム1の左右に取り付く側板で、フレーム1と側板5,7とで電動リール8のリール本体3が形成され、両側板5,7間にスプール軸9を介してスプール11が回転可能に支持されている。
スプール軸9はスプール11の軸心を貫通し、その側板5側の一端が、フレーム1に一体的に取り付く第1のセットプレート13に軸受15を介して回転可能に支持されている。そして、この一端側に、後述する動力伝達機構17のスプール軸駆動歯車19が回止め嵌合されている。
スプール11は、スプール駆動モータ(以下、「モータ」という)21の駆動とハンドル23の巻取り操作で巻取り方向へ回転して釣糸が巻回されるようになっており、図1及び図2に示すようにモータ21は、スプール11前方のフレーム1に一体成形された筒状のモータケース25内に収納されている。
そして、図1に示すように側板5側のリール本体3内に、モータ21の回転力をスプール軸9に伝達する機械式変速装置27と第1の減速機構29、そして、前記スプール軸駆動歯車19を含む複数の歯車からなる動力伝達機構17が、モータ21のモータ軸31とスプール軸9との間に順次装着されており、モータ21の回転力がこれらの機械式変速装置27や減速機構29,動力伝達機構17で変速/減速されて、スプール軸9に伝達されるようになっている。
図3は機械式変速装置27と減速機構29の拡大断面図、図4及び図5は機械式変速装置27と減速機構29,動力伝達機構17の歯車の回転方向を説明する模式図を示し、図中、33はモータ軸31に回止め嵌合されたピニオンで、モータ21は正逆両方向へ回転し、これに伴い、図4及び図5に示すようにピニオン33も正逆両方向へ回転する。
そして、前記ピニオン33に低速用減速歯車機構35の低速用歯車37と、高速用減速歯車機構39の高速用歯車41が噛合しており、機械式変速装置27はこの低速用減速歯車機構35と高速用減速歯車機構39とで構成されている。
低速用歯車37と高速用歯車41は、ピニオン33とギヤ比が同一に設定されており、図3及び図4に示すように低速用歯車37は、第1の回転軸43に一方向クラッチ45を介して回転可能に支持され、高速用歯車41は、第2の回転軸47に一方向クラッチ49を介して回転可能に支持されている。そして、第1の回転軸43は、フレーム25と減速機構29のキャリア51との間に軸受53,55によって回転可能に支持され、第2の回転軸47は、前記セットプレート13の内側に配された第2のセットプレート57とフレーム1との間に軸受59,61によって回転可能に支持されている。
而して、前記一方向クラッチ45,49は、力を伝達するその回転方向が互いに逆向きに設定されており、低速用歯車37側の一方向クラッチ45は、低速用歯車37が逆転(図4に於ける反時計回りの回転;以下、同様)すると、その楔作用で低速用歯車37の回転力を回転軸43に伝達し、低速用歯車37が正転(図5に於ける時計回りの回転;以下、同様)すると、その回転力を回転軸43に伝達しないように構成されている。
また、これとは逆に高速用歯車41側の一方向クラッチ49は、高速用歯車41が図5の如く正転すると、その楔作用で高速用歯車41の回転力を回転軸47に伝達し、高速用歯車41が図4の如く逆転すると、その回転力を回転軸47に伝達させないように構成されている。
そして、第1の回転軸43に小歯車63が回止め嵌合され、第2の回転軸47に大歯車65が回止め嵌合されており、これらは互いに噛合し、回転軸43に減速機構29の太陽歯車67が回止め嵌合されている。
図3に示すように減速機構29は、回転軸43に回り止め嵌合された太陽歯車67と、セットプレート57と太陽歯車67との間に配置されて、セットプレート57に形成された内歯69と太陽歯車67とに噛合する複数の遊星歯車71とからなり、遊星歯車71は支軸73を介してキャリア51に回転可能に支持され、キャリア51は軸受75,77によってセットプレート13,57との間で回転可能に支持されている。そして、キャリア51に、動力伝達機構17の駆動歯車79が回り止め嵌合されている。
図1及び図4に示すように動力伝達機構17は、既述したスプール軸駆動歯車19と駆動歯車79、そして、スプール軸駆動歯車19と駆動歯車79との間に配置されてこれらに噛合する大歯車81とで構成されている。
そして、図3に示すように大歯車81は、セットプレート13に設けた筒状の支持部83に軸受85を介して回転可能に支持されているが、大歯車81の中央に設けた筒状部86の内周には、セットプレート57に軸支された一方向クラッチ87の外輪89が回止め嵌合されており、ハンドル23の巻取り操作時に該一方向クラッチ87の楔作用で大歯車81の回転が阻止されて、その反力でハンドル23の駆動力が後述する減速機構91からスプール11に伝達されるようになっている。
図1に示すようにスプール軸9は、スプール11の中央を貫通してその他端側が側板7内に突出し、その突出端に、モータ21の回転力を減速し、ハンドル23操作の回転力をスプール11に伝達させる第2の減速機構(動力伝達機構)91が装着されている。
従来と同様、この減速機構91は、スプール軸9の突出端に取り付けられた太陽歯車93とこれに噛合する複数の遊星歯車95、そして、スプール11の一端に刻設された内歯歯車97等からなり、内歯歯車97に遊星歯車95が噛合している。
そして、遊星歯車95は支軸99を介してキャリア101に取り付けられており、キャリア101はスプール11に取り付けたブラケット103に嵌合し、軸受105を介してスプール軸9に回転可能に支持されている。
また、図1中、23は釣糸巻取り操作用のハンドルで、該ハンドル23は側板7に回動可能に挿着したハンドル軸107の側板外突出端に連結されており、ハンドル軸107にはラチェット109が固着され、更にドライブギヤ111が回転可能に取り付けられている。そして、ドライブギヤ111とハンドル軸107は、ハンドル軸107に装着したドラグ装置113で摩擦結合されており、ドラグ装置113はドラグ力調節レバー115の操作でドラグ力が調節できるようになっている。
そして、ハンドル23の巻取り操作時に、前記一方向クラッチ87の楔作用でスプール軸駆動歯車19に噛合する大歯車81の回転が阻止されるため、ハンドル23の回転力がこの第2の減速機構91からスプール11に伝達されて、スプール11が巻取り方向へ回転するようになっている。
また、図示しないが前記ラチェット109には、ばねで付勢された係止爪が係止しており、斯様にラチェット109に係止爪が係止してスプール11の逆転止めが図られている。
そして、本実施形態も、前記機械式変速装置27に加え、特許文献1で開示された電動リールと同様の電気式変速装置が装着されており、図1及び図2に示すようにハンドル23側の側板7の側部前方に、レバー形状のモータ出力調節体(以下、「パワーレバー」という)119が、ハンドル23と同方向へ回転操作可能に取り付けられている。
パワーレバー119は、側板7内に装着したポテンショメータ121の操作軸123に連結されており、パワーレバー119の回転操作によるポテンショメータ121の抵抗値の変化が、リール本体3上部の制御ボックス125内に装着したマイクロコンピュータに入力されている。マイクロコンピュータは、パワーレバー119の操作量に応じたパルス信号のデューティ比としてモータ21への駆動電流通電時間率を可変制御して、モータ21の出力をモータ停止状態から高出力値まで連続的に制御するが、特許文献2の電動リールと同様、本実施形態もまた、パワーレバー119の操作で機械式変速装置27が低速用減速歯車機構35による低速状態(パワーレンジ)と、高速用減速歯車機構39による高速状態(スピードレンジ)とに交互に切り換わるようになっている。
即ち、図2及び図6に示すようにパワーレバー119は、側板7の側部前方にモータ停止位置Aから最大操作位置Bに亘って略125°の操作角で回転操作可能に取り付けられており、パワーレバー119がモータ停止位置Aにあるとき、モータ21は停止状態にある。
そして、図6に示すように、パワーレバー119をモータ停止位置Aから最大操作位置B方向へ略70°回転操作した回転操作位置Cで、機械式変速装置27が低速状態から高速状態に切り換わるように構成されているが、該回転操作位置Cから約15°手前の回転操作位置Dまでの操作域C〜Dは所謂「遊びの領域」となっており、A〜D間の操作域でマイクロコンピュータは、パワーレバー119の操作量に応じモータ21をデューティ比0〜100%で駆動制御してモータ21の出力を増減調節すると共に、モータ21の回転力を低速用減速歯車機構35を介してスプール11に伝達させるべく、A〜C間の操作域でモータ21を正転方向へ駆動させる。そして、マイクロコンピュータは、低速状態での駆動操作中、C〜D間の「遊びの領域」で低速MAX出力を維持するようになっている。
而して、斯様にモータ21が正転方向へ駆動すると、既述した機械式変速装置27の構成から、図4に示すようにピニオン33に噛合する低速用歯車37と高速用歯車41が共に逆転するが、一方向クラッチ45のみが低速用歯車37の回転を回転軸43に伝えるため、回転軸43はモータ軸31の回転速度及びピニオン33と低速用歯車37とのギヤ比に対応して低速用歯車37と共に図5の高速状態より遅い速度で回転し、このモータ21の回転力が回転軸43から減速機構29の太陽歯車67へと伝達されて、この減速機構29から動力伝達機構17を介してスプール軸9へと伝達される。
従って、この低速域では、パワーレバー119の操作で駆動制御されるモータ21の回転力が、低速用減速歯車機構35を介してスプール11に伝達されることとなる。
一方、ポテンショメータ121には、パワーレバー119の操作量に応じた操作軸123の回転角を検出する角度センサ(図示せず)が取り付けられており、角度センサの検出信号はマイクロコンピュータに入力されている。
そして、マイクロコンピュータは、角度センサの検出信号を基にパワーレバー119の操作角が略70°を超えて、図6中、C〜B間の操作域に入ったと判断すると、パワーレバー119の操作量に応じ、モータ21を例えば、デューティ比50〜100%で駆動制御して出力を増減調節すると共に、モータ21の回転力を高速用減速歯車機構39を介して高速状態でスプール11に伝達させるべく、正転していたモータ21を一旦停止させて逆転方向へ直ちに再駆動させるようになっている。
また、この高速状態での駆動操作中にパワーレバー119を手前側の後方に戻した場合、マイクロコンピュータは、C〜D間の「遊びの領域」で高速出力50%を維持し、更に、パワーレバー119がA〜D間の操作域に入ったと判断すると、機械式変速装置27を瞬時低速状態に切り換えるようになっている。
而して、既述したようにパワーレバー119の操作角が略70°を超えてC〜B間の操作域に入ってモータ21が逆転すると、図5に示すようにピニオン33に噛合する低速用歯車37と高速用歯車41が共に正転し、高速用減速歯車機構39側の一方向クラッチ49の楔作用で高速用歯車41の回転が回転軸47に伝わる。そして、低速用減速歯車機構35側の一方向クラッチ45は低速用歯車37の回転を回転軸43に伝えず、回転軸47が、モータ軸31の回転速度とピニオン31と高速用歯車41とのギヤ比に対応した回転速度で高速用歯車41と共に正転する。
このように回転軸47が正転すると、これに回り止め嵌合された大歯車65が正転してこれと噛合する小歯車63が逆転するため、小歯車63が回り止め嵌合された回転軸43が逆転し、この時、回転軸47の回転速度は大歯車65と小歯車63とのギヤ比に対応した大きさだけ増幅されて小歯車63から回転軸43に伝えられる。
このため、回転軸43は低速状態より速い速度で回転し、増幅されたモータ21の回転力が回転軸43から減速機構29の太陽歯車67へと伝達されて、減速機構29から動力伝達機構17を介してスプール軸9へと伝達される。
従って、この高速域では、パワーレバー119の操作で駆動制御されるモータ21の回転力が、高速用減速歯車機構39を介してスプール11に伝達されることとなる。
このように本実施形態では、パワーレバー119の回転操作が回転操作位置Cを超えてC〜B間の操作域に入ると、機械式変速装置27が低速状態から高速状態に移行し、パワーレバー119の回転操作が回転操作位置DからA〜Dの操作域に戻ると、機械式変速装置27が高速状態から低速状態に戻るようになっている。
尚、図6中、回転操作位置Eは高速状態に於ける80%デューティの位置を示す。
そして、本実施形態は、上述の如き構成に加え、更に、以下の特徴を有している。
即ち、マイクロコンピュータの図示しない記憶手段には、モータ21に対する過負荷条件として所定の電流値が設定されている。
この過負荷条件は、高速状態での巻取り操作中に魚がヒットすると、急激に巻取り負荷が増加してモータ21の電流値が急激に上昇する実情に鑑み、経験則上設定された数値で、電動リールの仕様に応じ予め工場出荷段階で設定されている。
そして、過負荷条件は、過電流値(例えば、10A)を条件値としたり、或いはモータ温度検出値を条件値としてもよく、モータの性能やリールのサイズ等を考慮して条件値は適宜設定される。また、図示しないが、斯かる過負荷条件をボタン操作とパワーレバー119の操作で釣人が入力できるように構成してもよい。
そして、モータ21の駆動回路中に、モータ21への電流値を検出する電流検出手段が装着されており、電流検出手段はモータ21への電流値を検出し、検出信号はマイクロコンピュータに入力される。
マイクロコンピュータは、図5の如く機械式変速装置21の高速状態で電動リール8が駆動(例えば、パワーレバー119が図6の如く回転操作位置Eで80%デューティ)している際に、前記電流検出手段で検出された電流値が過負荷条件として設定された電流値に達すると、過負荷条件を満たしたと判断して、モータ21の回転方向を切り換えて機械式変速装置27を低速状態に自動的に切り換えると共に、図7に示すようにパワーレバー119のモータ停止位置Aから最大操作位置Bまでの全操作域を、低速状態に於けるモータ21の出力制御範囲に切り換えるようになっており、パワーレバー119のそのときの操作位置(回転操作位置E)が、そのまま低速状態に於ける90%デューティの操作位置Fとなる。
そして、斯様にマイクロコンピュータが過負荷条件を検出すると、マイクロコンピュータは同時にタイマを作動させるようになっている。そして、タイマの作動後、所定時間(例えば、5分)が経過すると、マイクロコンピュータはアラームを作動させて釣人にその旨を知らせ、この後、釣人がパワーレバー119をモータ停止位置Aに戻すと、パワーレバー119の操作域が図6の状態に復帰するようになっている。
その他、図1に於て、127は側板7の側部後方に装着されたクラッチレバーで、該クラッチレバー127の下方向への押圧操作で、側板7内に装着された周知のクラッチ機構129がクラッチONからクラッチOFFに切り換わるようになっている。
そして、このクラッチOFF状態でハンドル23を巻取り方向へ回転させると、図示しない周知の復帰機構を介してクラッチ機構129がクラッチON状態に復帰するように構成されており、このクラッチレバー127のクラッチON/OFFの切換え操作でスプール11が釣糸巻取り状態と釣糸繰出し状態とに切り換わって、スプール11へのモータ21やハンドル23の回転力が伝達/遮断されるようになっている。
また、図1中、131はスプール11の回転数とその回転方向を検出する回転検出手段で、該回転検出手段131は、セットプレート13に装着された一対のリードスイッチ133と、これに対向してスプール11の一端側周縁部に固着された複数のマグネット135とからなり、リードスイッチ133はマイクロコンピュータのCPUに接続されている。
CPUは、特開平5−103567号公報で開示された糸長計測装置と同様、リードスイッチ133から出力されるスプール11の正転,逆転の判定信号を取り込んで釣糸の繰出しか巻取りかを判定すると共に、リードスイッチ133から取り込むスプール11の回転パルス信号をカウントして、この計数値を基にマイクロコンピュータのROMに記憶された糸長計算式を演算実行するようになっている。
そして、CPUは、その演算結果(糸長)を制御ボックス125の操作パネル137上に設けた表示器139に表示させるようになっており、釣人は斯かる表示を確認し乍ら、所定の水深に仕掛けを繰り出したり、ハンドル23やパワーレバー119の操作で釣糸を巻き取ることができるようになっている。
また、図示しないが表示器139内には、HI/LOW表示部が設けられており、パワーレバー119による機械式変速装置27の高速状態と低速状態の切換えが、HI/LOW表示部に「HI」と「LOW」の文字で表示されるようになっている。
本実施形態はこのように構成されているから、クラッチレバー127のクラッチOFF操作で釣糸がスプール11から繰り出され、パワーレバー119によるモータ21の巻取り駆動やハンドル23の巻取り操作でスプール11に釣糸が巻回され、釣糸の繰出しや巻取りに伴い、回転検出手段131の検出値を基に糸長が計測されて表示器139に糸長が表示されるが、図6に示すパワーレバー119の低速域と高速域の切換え操作で、機械式変速装置27が低速用減速歯車機構35による低速状態と、高速用減速歯車機構39による高速状態とに切り換わる。
そして、低速域で、マイクロコンピュータは、モータ21を図4の如く正転方向へ駆動して、パワーレバー119の操作に応じたデューティ比0〜100%の範囲でモータ出力を増減調節し乍ら、モータ21の回転力を低速用減速歯車機構35を介して減速機構29,動力伝達機構17,スプール軸9,減速機構91へと伝達させてスプール11を回転させる。
而して、パワーレバー119の操作量に応じた操作軸121の回転角を角度センサが検出しており、マイクロコンピュータは、角度センサの検出信号を基にパワーレバー119の操作角が回転操作位置Cを超えて図6の高速域に入ったと判断すると、正転していたモータ21を一旦停止させて逆転方向へ再駆動して、パワーレバー119の操作に応じたデューティ比50〜100%の範囲でモータ出力を増減調節し乍ら、モータ21の回転力を高速用減速歯車機構39を介して減速機構29,動力伝達機構17,スプール軸9,減速機構91へと伝達させてスプール11を回転させることとなる。
そして、パワーレバー119による機械式変速装置27の切換えが、HI/LOW表示部に「HI」と「LOW」の文字で表示される。
また、マイクロコンピュータは、前記高速用減速歯車機構39を介して電動リール8が高速状態で駆動している際に、電流検出手段で検出された電流値が過負荷条件として設定された電流値に達すると、過負荷条件を満たしたと判断して、モータ21の回転方向を切り換えて機械式変速装置27を低速状態に自動的に切り換えると共に、図7に示すようにパワーレバー119のモータ停止位置Aから最大操作位置Bまでの全操作域を、低速状態に於けるモータ21の出力制御範囲に切り換える。
従って、釣人は、図6のモータ停止位置Aから回転操作位置Dまでの操作域よりも大きなモータ停止位置Aから最大操作位置Bまでの全操作域を、低速状態に於けるモータ21の出力制御範囲として利用できることとなる。
そして、斯様にマイクロコンピュータが過負荷条件を検出すると同時にタイマが作動し、タイマの作動後、所定時間が経過するとアラームが作動するので、釣人がパワーレバー119をモータ停止位置Aに戻すと、パワーレバー119の操作域が図6の状態に復帰する。 このように本実施形態によれば、釣場の状況に応じ、パワーレバー119の回転操作でモータ21の出力を制御し乍ら、パワーレバー119の回転操作範囲内の操作で、スプール11の巻取り速度を高速状態(スピードレンジ)と低速状態(パワーレンジ)とに切り換えることができることは勿論、過負荷条件検出時に、機械式変速装置27が高速状態から自動的に低速状態にシフトダウンされるので、実釣時に於て、巻取り負荷状態に適応した巻取り速度へのタイムリーな切換えを行うことができ、適切な魚の取り込みやモータ過熱による性能低下が防止できる。
而も、既述したように本実施形態は、高速状態から低速状態へのシフトダウン後のパワーレバー119の全操作域を、低速状態に於けるモータ21の出力制御範囲に切り換えるように構成したので、従来に比し、釣場の状況に応じたきめ細かなモータ出力制御が可能となる。
図8は請求項1に係る電動リールの第二実施形態を示し、特許第3159637号公報には、パワーレバーによる電気式変速装置に加え、モータの回転力を減速する減速機構の駆動系統の一部を、手動による外部操作体の操作でON/OFFして噛み合うギヤ比を変化させることにより、スプールの回転速度を機械的に高速状態と低速状態に切り換える機械式変速装置を備えた電動リールが開示されているが、本実施形態は、斯かる切換え部材に代え、図示するように減速機構141の内歯歯車143の外周に設けたラチェット爪歯145に係合する変速切換ストッパ147を、マイクロコンピュータによるソレノイド149の駆動制御で作動させるようにしたもので、変速切換ストッパ147は、トーションスプリング151のバネ力で常時ラチェット爪歯145に係合する方向に付勢されている。
そして、モータ153の回転力を低速状態でスプールに伝達させる場合、マイクロコンピュータはソレノイド149を作動させ、該ソレノイド149で変速切換ストッパ147を二点鎖線で示すようにバネ力に抗して反時計方向へ回転させて、ラチェット爪歯145から離間させることで内歯歯車143をフリー状態とするようになっている。
一方、モータ153の回転力を高速状態でスプールに伝達させる場合、マイクロコンピュータはソレノイド149の作動を停止するもので、ソレノイド149が停止すると、トーションスプリング151のバネ力で変速切換ストッパ147がラチェット爪歯145に係合し、内歯歯車143の回転が停止して減速機構141が高速状態に切り換わるようになっている。
尚、その他の機械的な構造は特許第3159637号公報の電動リールと同様であるためそれらの構造説明は省略する。
そして、図1の実施形態と同様、本実施形態に係る電動リール155も、図6に示すパワーレバーの回転操作領域の操作で、減速機構141が低速状態と高速状態とに切り換わり、そして、高速状態での駆動中に過負荷条件を検出すると、前記ソレノイド149が作動して減速機構141が高速状態から自動的に低速状態にシフトダウンされると共に、高速状態から低速状態へのシフトダウン後のパワーレバーの全操作域が、低速状態に於けるモータの出力制御範囲に切り換わるように構成されている。
而して、本実施形態によっても、図1の電動リール8と同様、所期の目的を達成することが可能で、巻取り負荷状態に適応した巻取り速度へのタイムリーな切換えを行うことができると共に、釣場の状況に応じたきめ細かなモータ出力制御が可能となる。
尚、低速域または高速域でのパワーレバー119の操作による出力調節範囲や変速位置は、低速用減速歯車機構35や高速用減速歯車機構39のギヤ比の設定,モータ特性,リールのサイズやパワー設定等を考慮して適宜条件設定されるもので、例えば低速域でデューティ比0〜90%,高速域でデューティ比40〜100%に条件設定したり、パワーレバー119の変速操作角を40°としたり、その他、色々な条件設定が可能である。
請求項1の第一実施形態に係る電動リールの一部切欠き平面図である。 電動リールの側面図である。 電動リールの要部拡大平面図である。 機械式変速装置と減速機構,動力伝達機構の概略構成図である。 機械式変速装置と減速機構,動力伝達機構の概略構成図である。 パワーレバーの回転操作領域の説明図である。 パワーレバーの回転操作領域の説明図である。 請求項1の第二実施形態に係る電動リールの要部断面図である。
符号の説明
1 フレーム
3 リール本体
5,7 側板
8,155 電動リール
9 スプール軸
11 スプール
17 動力伝達機構
19 スプール軸駆動歯車
21,153 モータ
23 ハンドル
27 機械式変速装置
29,141 減速機構
31 モータ軸
33 ピニオン
35 低速用減速歯車機構
37 低速用歯車
39 高速用減速歯車機構
41 高速用歯車
43,47 回転軸
45,49,87 一方向クラッチ
63 小歯車
65,81 大歯車
67 太陽歯車
79 駆動歯車
119 パワーレバー
121 ポテンショメータ
125 制御ボックス
127 クラッチレバー
129 クラッチ機構
131 回転検出手段
139 表示器
143 内歯歯車
145 ラチェット爪歯
147 変速切換ストッパ
149 ソレノイド
151 トーションスプリング

Claims (1)

  1. リール本体に回転可能に支持されたスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータと、
    リール本体に変位可能に装着したモータ出力調節体の操作で、スプール駆動モータの出力を増減調節する電気式変速装置と、
    スプールの駆動系に装着され、前記モータ出力調節体の変位操作範囲内の操作で、スプールへのスプール駆動モータの動力伝達を高速状態と低速状態とに切換え可能な機械式変速装置とを備えた魚釣用電動リールに於て、
    前記スプール駆動モータに対する過負荷条件が設定され、
    前記機械式変速装置の高速状態でのスプール駆動モータ駆動時に該過負荷条件が満たされたとき、
    前記機械式変速装置が低速状態に自動的に切り換わり、前記モータ出力調節体の全操作域が、低速状態に於けるスプール駆動モータの出力制御範囲となることを特徴とする魚釣用電動リール。
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