JPH0947198A - 魚釣用電動リール - Google Patents

魚釣用電動リール

Info

Publication number
JPH0947198A
JPH0947198A JP26008095A JP26008095A JPH0947198A JP H0947198 A JPH0947198 A JP H0947198A JP 26008095 A JP26008095 A JP 26008095A JP 26008095 A JP26008095 A JP 26008095A JP H0947198 A JPH0947198 A JP H0947198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
spool
fishing
motor
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26008095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3159637B2 (ja
Inventor
Takashi Terauchi
孝 寺内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Daiwa Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Seiko Co Ltd filed Critical Daiwa Seiko Co Ltd
Priority to JP26008095A priority Critical patent/JP3159637B2/ja
Publication of JPH0947198A publication Critical patent/JPH0947198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3159637B2 publication Critical patent/JP3159637B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】変速動作をスムーズで確実に行える変速装置を
具備した魚釣用電動リールを提供する。 【解決手段】釣糸は、リール本体1に装着されたモータ
5の回転によって、リール本体1の両側板2a,2b間
に回転可能に支持されたスプール3に巻き取られる。モ
ータ5からの出力をスプール3に伝える駆動力伝達部
に、回転速度を増速してスプール3に伝達する遊星歯車
22を具備した変速装置15が設けられており、変速切
換スイッチ35を操作することによって、スプール3の
回転速度は遊星歯車22によって増速するように切換え
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、魚釣用電動リー
ルに関し、詳細には、モータからの出力を変速してスプ
ールへ伝える変速手段を具備した魚釣用電動リールに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、魚釣用電動リールの変速は、モー
タへの電流の流量を制限して行われているが、モータの
出力は電流値に比例するので、例えばギヤ比を高速巻取
向けに設定しておくと、低速回転時のモータのトルク不
足が発生する。また、モータの最高回転数は、ある程度
限界があるので、低速回転時のトルク不足を補うべく、
ギヤ比を低く設定しておくと高速巻き上げができないの
で、仕掛けの回収に非常に時間が掛かる。
【0003】このように、一種類のギヤ比では、状況に
よっては、その設定に無理が生じてしまう。このような
問題を解決するために、実公昭55−38382号に
は、電動リールのモータ駆動力伝達部に変速手段を設け
た技術が開示されている。この変速手段は、ギヤ比が異
なる二種類の歯車結合部を具備した変速切換部を有して
おり、負荷の変化に伴うモータへの入力電流の変化に対
応して、いずれかの歯車結合部に切換えられるように構
成されている。これらの歯車結合部には、爪歯車やその
他の歯車等の噛み合わせ、あるいは摩擦力を利用した連
結手段が係合可能となっており、この連結手段を駆動す
ることによって、いずれかの歯車結合部が選択され、モ
ータからの駆動力は選択された歯車結合部を介してスプ
ールに伝達される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、連結手段が爪
歯車やその他の歯車等の噛み合わせによって構成される
場合、変速時のショックが大きくなって歯欠け等が生じ
やすくなり、また、連結手段が摩擦結合部材によって構
成される場合、水、ホコリ、油脂等の侵入によって滑り
が生じやすくなる。このように連結手段に、歯欠け、あ
るいは滑り等が発生すると、モータからの駆動力がスプ
ールへスムーズかつ確実に行われなくなってしまう。こ
の発明は、変速動作をスムーズで確実に行える変速装置
を具備した魚釣用電動リールを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の魚釣用電動リールは、リール本体の両側板
間にスプールを回転可能に支持し、リール本体に装着さ
れたモータの回転に連動して前記スプールを回転させて
釣糸を巻き取るように構成されており、前記モータから
の出力をスプールに伝える駆動力伝達部に、遊星歯車を
具備した変速装置を設けると共に、外部からの手動操作
によってスプールの回転速度を増減する変速切換手段を
設けたことを特徴としている。
【0006】このように、モータからの出力をスプール
に伝える駆動力伝達部に、遊星歯車を具備した変速装置
を設けることによって、駆動力伝達系は常時噛み合った
状態となり、かつモータからの回転速度を増速させてス
プール側に伝達させることが可能となる。この場合、遊
星歯車を介した回転速度の増減速は、変速切換手段を操
作することによって、切換えられもしくはスプールの負
荷に応じて自動的に調整される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を添付図面に沿って具体的に説明する。図1は、魚釣
用電動リールの第1の実施例を示し、その内部の動力伝
達機構を示す図、図2は、図1におけるA−A線に沿っ
た断面図、そして、図3は、図1におけるB−B線に沿
った断面図である。
【0008】リール本体1のフレーム2a,2b間に
は、スプール軸3aが軸受によって回転可能に支持され
ており、このスプール軸を囲繞するようにスプール3が
配されている。また、左右フレーム2a,2b間には、
スプール3を回転駆動させるモータ5が保持されてお
り、その駆動軸5aの左フレーム側には、その回転速度
を減速する第1の減速機構7が、右フレーム側には一方
向クラッチ8がそれぞれ設けられている。スプール3
は、従来と同様、モータ5の巻き取り駆動、あるいは手
動ハンドル10の巻き取り操作で回転するように構成さ
れており、前記第1のギヤ減速機構7、および後述する
右フレーム2bに設けられた第2のギヤ減速機構50を
介して駆動力の伝達が成される。
【0009】左フレーム2aには、第1のギヤ減速機構
7で減速されたモータ5の駆動力によって回転駆動され
る第1歯車14が取り付けられており、その回転速度
は、変速装置15によって、直接または増速されてスプ
ール3に伝達される。以下、この実施の形態における変
速装置の構成について詳細に説明する。
【0010】変速装置15は、左フレーム2aに軸受に
よって回転自在に支持された駆動力伝達軸17を有して
おり、この駆動力伝達軸17のスプール側には第2歯車
18が、反対側には太陽歯車20が取り付けられてい
る。太陽歯車20には、遊星歯車22が所定数(本実施
の形態では3つ)噛合しており、各遊星歯車22は、前
記第1歯車14と噛合する遊星歯車キャリア25に保持
されている。この遊星歯車キャリア25は、一方向クラ
ッチ27を介在して、前記駆動力伝達軸17に取り付け
られている。また、駆動力伝達軸17の先端部には、内
歯歯車30が回転可能に取り付けられており、各遊星歯
車22は内歯歯車30と噛合関係にある。
【0011】変速装置15の内歯歯車30は、変速切換
手段32によって、その回転が停止可能となっており、
この実施の形態の変速切換手段は、内歯歯車30の外周
面にラチェット爪歯31を形成し、この部分にリール本
体に支持された変速切換ストッパ33を係合させること
によって回転を停止するよう構成されている。この変速
切換ストッパ33には、振り分けばね34が取り付けら
れており、リール本体1の左側板の表面に設けられた変
速切換スイッチ35を操作することによって図の実線で
示す係合(停止)状態もしくは点線で示す非係合(フリ
ー回転)状態に回動保持される。
【0012】前記第2歯車18には、スプール軸3aの
一端部に取り付けられた第3歯車40が噛合している。
また、スプール軸3aの他端部には、前記した第2のギ
ヤ減速機構50が装着されている。以下、この第2のギ
ヤ減速機構50の構成について簡単に説明する。スプー
ル軸3aには、太陽歯車52が取り付けられており、こ
の太陽歯車52には複数の遊星歯車53が噛合してい
る。各遊星歯車53は、スプール3の端面に刻設された
内歯車55に噛合すると共に、遊星歯車支持体58に回
転可能に支持されている。この遊星歯車支持体58は、
スプール3に取り付けられたブラケット57に嵌合して
軸受59を介してスプール軸3aに回転可能に支持され
ており、このブラケット57は、軸受60を介して右フ
レーム2bに回転可能に支持されている。
【0013】前記遊星歯車支持体58には、スプール軸
3aと同軸上に配置したピニオン軸61aに回転可能で
その軸方向へ移動可能に支持されたピニオンギヤ61が
クラッチ係合している。このピニオンギヤ61には、ハ
ンドル軸10aに取り付けられたドライブギヤ63が噛
合しており、図示されていないクラッチレバーでピニオ
ンギヤ61を軸方向に移動して前記クラッチ係合をON
/OFFすると、これに伴い手動ハンドル10からの駆
動力の伝達がON/OFFされる。なお、ドライブギヤ
63とハンドル軸10aとの間には、周知の制動装置が
配されており、手動ハンドル10の回転力が調節されて
ドライブギヤ63に伝達される。また、ハンドル軸10
aの基端部には、ハンドル軸の逆転防止を果たすラチェ
ット65が取り付けられており、図示されてないラチェ
ット爪が係止することによって、モータ5によるスプー
ル3の巻き取り駆動時に、ハンドル軸10aが連動して
回転しないようになっている。
【0014】以下、上述したように構成された電動リー
ルを用いて、魚釣りを行う場合の動作を説明する。最
初、図示されていないクラッチレバーを操作し、遊星歯
車支持体58とピニオンギヤ61との係合を解除する。
これにより、スプール3はフリー回転可能な状態とな
り、釣糸は仕掛け等の重量により放出される。そして、
釣糸が所定量放出されたときにクラッチレバーを操作し
て、スプール3を巻き取り可能状態にする。この状態で
魚の当りがあった場合、モータスイッチをONにしてモ
ータ5によってスプール3を巻き取り駆動するか、もし
くは手動ハンドル10を回転操作することによってスプ
ール3を巻き取り駆動する。
【0015】モータ5を駆動した場合、その回転駆動力
は、第1のギヤ減速機構7、変速装置15、スプール軸
3a及び第2のギヤ減速機構50を介してスプール3に
伝達される。また、手動ハンドル10を回転操作した場
合、手動ハンドル10の回転駆動力は、第2のギヤ減速
機構50を介してスプール3に伝達される。このときス
プール軸3aは、一方向クラッチ8の作用によって、そ
の回転が規制された状態にある。
【0016】モータ5によってスプール3を巻き取り駆
動する場合、前述したように、モータ5から出力された
駆動力は、第1のギヤ減速機構7を介して第1歯車14
に出力され、遊星歯車キャリヤ25に伝達される。この
状態において、変速切換スイッチ35を操作して、前記
変速切換ストッパ33を内歯歯車30のラチェット爪歯
31に係合させ、内歯歯車30の回転を停止すると、各
遊星歯車22は太陽歯車20の回りを公転すると共に自
転し、遊星歯車キャリヤ25の回転は遊星歯車22によ
って増速された状態で太陽歯車20に伝達される。太陽
歯車20は、駆動力伝達軸17に回り止め嵌合されてお
り、駆動力伝達軸17は遊星歯車キャリヤ25よりも増
速された状態にあるので、一方向クラッチ27の噛合い
はフリーとなり、その増速された回転が第2歯車18に
出力される。すなわち、変速切換スイッチ35を操作し
て、内歯歯車30の回転を停止した状態にしておくと、
スプール3を高速度で巻き上げることが可能になる(変
速装置の増速切換え)。
【0017】これに対して、変速切換スイッチ35を操
作して、内歯歯車30の回転をフリーな状態にすると、
遊星歯車キャリヤ25の回転は、各遊星歯車22を介し
て太陽歯車20に減速して入力されるため、一方向クラ
ッチ27によって遊星歯車キャリヤ25と駆動力伝達軸
17とが連結された状態になり、遊星歯車キャリヤ25
の回転駆動力は直接第2歯車18に伝達されてスプール
3が駆動される。すなわち、変速切換スイッチ35を操
作して、内歯歯車30の回転をフリーな状態に切換える
と(変速装置の減速切換え)、減速比が大きくなるた
め、トルク不足が生じることなく、スプール3をハイパ
ワーで巻き上げることができる。
【0018】このように、遊星歯車を具備した変速装置
15を配したことにより、駆動力伝達系は、常時噛合っ
ている状態となり、魚釣り時におけるスプールの変速切
換えがスムーズになる。また、変速装置15は、常時噛
合っている状態にあり、摩擦手段を用いた結合部がない
ため、水、ほこり、油脂等による影響を受けることがな
くなる。
【0019】図4および図5は、変速装置の増減速切換
えを果たす変速切換手段の一変形例を示す図であり、詳
細には、モータ5の釣糸巻取り操作時において、スプー
ル側からの負荷に応じて、スプール3の回転数を自動制
御するように構成したものである。以下、スプールの回
転数の自動制御を果たす自動制御機構の構成を説明す
る。
【0020】遊星歯車を有する変速装置15の構成は、
図1に示した構成と同様である。変速装置15の遊星歯
車22に噛合した内歯歯車30には、自動制御機構80
が係合している。自動制御機構80は、リール本体の外
側板に回転可能に支持され、内歯歯車30に形成された
外歯30aに噛合する制御歯車81を有しており、この
制御歯車81には、その回転に調整可能な制動力が付与
されるようになっている。具体的には、図4に示される
ように、制御歯車81は、フランジ83aが形成された
調整軸83に回転可能に取り付けられており、フランジ
83aと制御歯車81との間にライニングワッシャ(摩
擦部材)85を介在させ、外側板から突出した調整軸8
3に取り付けられた調整ノブ86を回転操作することに
よって、無段階的に制動力が付与されるよう構成されて
いる。
【0021】上記したように構成された自動制御機構8
0の作用について説明する。まず、調整ノブ86を回転
操作し、制御歯車81にある程度の制動力を与えてお
く。この制動力によって制御歯車81は停止された状態
にあるため、内歯歯車30も停止した状態にあり、従っ
て、モータ5から第1歯車14に入力された回転駆動力
は、遊星歯車キャリア25、遊星歯車22、太陽歯車2
0および駆動力伝達軸17を介して、スプール3に伝達
される。この場合、内歯歯車30は停止した状態にある
ため、前述したように、スプール3の巻取り回転速度は
遊星歯車22を介して増速された状態にある。
【0022】そして、この状態で釣糸に負荷がかかる
と、スプール3にかかるトルクが増大し、内歯歯車30
には遊星歯車22を介して負荷が加わる。内歯歯車30
は、これに噛合する摩擦部材85の摩擦力によってその
回転が規制された状態にあるものの、その負荷が摩擦部
材85の摩擦力を越えてしまうと、制御歯車81が回転
可能となるため、内歯歯車30も自転を始める。この結
果、前述したように、遊星歯車22による増速作用が断
たれ、スプール3には、遊星歯車キャリア25、一方向
クラッチ27および駆動力伝達軸17を介して直接駆動
力が伝達される。すなわち、内歯歯車30が自転するこ
とにより、減速比が大きくなって、トルク不足が生じる
ことなく、スプール3はハイパワーで巻き上げられる。
なお、この状態で釣糸にかかる負荷が下がると、摩擦部
材85の摩擦力によって制御歯車81は停止され、スプ
ール3は、再び遊星歯車22を介して増速駆動される。
【0023】このように、スプール3の回転速度は、釣
糸にかかる負荷に応じて自動的に切換え制御することが
できる。また、このような自動制御機構を具備した変速
切換手段によれば、低負荷から高負荷へ移行する際のス
プールの変速が自動的に行われるため実釣時における操
作の手間が削減される。さらに、前述したようなラチェ
ット爪車による切換えよりも、高負荷時における変速が
スムーズであるため切換え部分の破損が防止される。な
お、制御歯車81が回転を始める負荷は、調整ノブ86
を回転操作して、制御歯車81に付与される制動力を調
整することで予め定められる。
【0024】図6は、本発明の魚釣用電動リールの第2
の実施の形態を示す図である。この実施の形態の変速装
置15aは、遊星歯車キャリアに保持された各遊星歯車
22aが、駆動力伝達軸17aに回転可能に取り付けら
れた太陽歯車20aおよび駆動力伝達軸17aに嵌合固
定された内歯歯車30aに噛合している。この場合、遊
星歯車キャリアは、各遊星歯車22aを挟持するように
保持しており、一方の保持部25aが第1歯車14と噛
合し、他方の保持部25bが一方向クラッチ27aを介
して駆動力伝達軸17aに接続されている。また、太陽
歯車20aの外周には、ラチェット爪歯20bが形成さ
れており、この部分に変速切換スイッチ35によって駆
動される変速切換ストッパ33が係合、非係合すること
により、太陽歯車20aは停止/回転可能となってい
る。
【0025】この実施の形態において、モータ5でスプ
ール3を巻き取り駆動すると、前記実施の形態同様、モ
ータ5から出力された駆動力は、第1のギヤ減速機構7
を介して第1歯車14に出力され、遊星歯車キャリヤ2
5a,25bに伝達される。この場合、太陽歯車20a
を変速切換スイッチ35によって停止した状態にする
と、遊星歯車キャリヤ25a,25bに保持された各遊
星歯車22aは、太陽歯車20aの回りを自転しながら
公転するため、遊星歯車キャリヤ25a,25bの回転
は、増速された状態で内歯歯車30aに伝達される。内
歯歯車30aは駆動力伝達軸17aに回り止め嵌合され
ており、駆動力伝達軸17aは公転している各遊星歯車
22aよりも増速された状態にあるので、各遊星歯車2
2aを保持する保持部25bと駆動力伝達軸17aとの
間の一方向クラッチ27aの噛合いはフリーとなり、そ
の増速された回転が第2歯車18に出力される。すなわ
ち、太陽歯車20aを停止した状態に切換えると(変速
装置の増速切換え)、スプール3を高速度で巻き上げる
ことができる。なお、この実施の形態の増速作用は、前
記第1の実施の形態の増速作用と比較すると、若干弱く
なっている。
【0026】また、変速切換スイッチ35を操作して、
太陽歯車20aの回転をフリーな状態に切換えると、遊
星歯車キャリヤ25a,25bの回転は、各遊星歯車2
2aを介して内歯歯車30aに減速して入力されるた
め、一方向クラッチ27aによって遊星歯車キャリヤ2
5a,25bと駆動力伝達軸17aとが連結された状態
になり、遊星歯車キャリヤの出力は直接第2歯車18に
伝達されてスプール3が駆動される。この状態では、減
速比が大きくなるため、トルク不足が生じることなく、
スプール3をハイパワーで巻き上げることができる。
【0027】このように、太陽歯車を回転/停止させ
て、内歯歯車側から回転駆動力を出力するように構成し
ても、前記実施の形態と同様な効果が得られる。もちろ
ん、この実施の形態においても、図4および図5に示し
たような自動制御機構を用いても良い。
【0028】以上説明した実施の形態では、スプールの
回転速度の増減を果たす機構として遊星歯車を用いた機
械式の変速手段を用いているが、このような構成に加え
て、さらに、モータへの入力電力を制御する電気式の変
速手段を用いれば、より幅の広いスプールの変速操作を
行うことができる。
【0029】図7および図8は、図1に示した機械式の
変速手段を用いた魚釣用電動リールに、電気式の変速手
段90を用いた構成の一例を示したものである。図7に
示す構成は、ポテンショメータ91に回動式の操作レバ
ー92が連結されており、その変位操作によって無段階
に調節される抵抗変化を、図示していない制御回路に入
力するように構成したものである。この制御回路は、操
作レバー92の回動量に応じたデューティー比のパルス
信号をモータ5へ出力しており、この結果、モータ5の
回転は、モータへの駆動電流通電時間率が可変制御され
ることによって無段階に制御可能となっている。また、
図8に示す構成は、回動式の操作レバーの代わりにスラ
イド式の操作レバー93を操作パネル95の表面に設け
たものであり、スライド操作によってモータ5の回転を
無段階に調節可能としたものである。
【0030】上記したような機械式の変速手段および電
気式の変速手段を用いた場合の、スプールの巻上速度と
巻上力との関係を図9のグラフを参照して説明する。上
述したように、機械式の変速手段を用いることによっ
て、魚釣用電動リールは、高速ギヤの設定と低速ギヤの
設定とに切換えることが可能である。この切換えは、上
述した構成の機械式の変速手段によってスムーズで確実
に行われる。そして、高速ギヤ設定の場合、あるいは低
速ギヤ設定の場合に、必要に応じて電気式の変速手段を
操作することによって、グラフに示すような高速ギヤ又
は低速ギヤの夫々の巻上特性内において必要に応じた変
速が更に可能となる魚釣用電動リールが得られる。
【0031】このような構成により、実釣状況に応じ
て、まず、機械式の変速手段によって軽負荷高速巻取状
態あるいは高負荷低速巻取状態のいずれかのモードに切
換え操作を行い、更に指定されたモードに設定された
後、電気式の変速手段によって釣糸巻取中の微妙な変速
操作が行えるようになる。すなわち、電気式の変速手段
を併用したことにより、上記機械式変速手段によってス
ムーズかつ確実に切換えられた高速巻取状態と低速巻取
状態の各モード領域内でのスプールの変速が更に可能と
なるため、幅の広いスプールの変速操作をスムーズかつ
確実に行うことができ、釣果が一段と向上する。
【0032】具体的な利点を挙げると、例えば、軽負荷
高速巻取モードにおいて、仕掛けが船縁近傍まで巻上げ
られた時、電気式の変速手段によってスプール回転を減
速、停止させることが可能となり、船縁近傍でのオーバ
ーランによるトラブル(竿先の折損等)を防止すること
ができる。また、例えば、高負荷低速巻取モードにおい
て、口元の弱い魚、強い魚や、魚の引き具合等により、
電気式の変速手段によってスプール回転を変速すること
ができる。あるいは、ポンピング釣法で竿をあおる時
に、巻上速度を遅くしたり、あるいは停止したりして対
応することもできる。このように、スプールの巻取速度
を、実釣状況(魚の引き具合、魚種等)に沿って微妙に
切換操作することが可能となる。
【0033】なお、上記した電気式の変速手段は、ポテ
ンショメータに代えてリードスイッチを用い、モータ5
の出力を多段階式に増減するような構成でも良いし、あ
るいはモータへの入力電圧を可変制御することにより、
スプールの変速を行うような構成であっても良い。ま
た、図4および図6に示した機械式の変速手段に、上記
したような電気式の変速手段を設けても良い。
【0034】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した実施の形態に限定されることなく、
種々変形すること可能である。例えば、図4および図5
に示した自動制御機構は、制御歯車を用いることなく、
内歯歯車あるいは太陽歯車に対して直接制動力を付与す
るような構成であっても良い。また、モータのリール本
体への取付け位置は、スプール前方のリール本体以外
に、後方又はスプールの近傍でも良く、その装着位置に
ついては限定されることはない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の魚釣用電
動リールによれば、変速装置に遊星歯車を用いているた
め、スプールの高速巻取または高いトルクでの巻取の切
換動作がスムーズで確実に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る魚釣用電動リールの第1の実施例
を示し、その内部の動力伝達機構を示す図。
【図2】図1におけるA−A線に沿った断面図。
【図3】図1におけるB−B線に沿った断面図。
【図4】変速装置を増速切換えする変速切換手段の一変
形例を示す図。
【図5】図4のC−C線に沿った断面図。
【図6】本発明に係る魚釣用電動リールの第2の実施例
を示す図。
【図7】機械式の変速手段を用いた魚釣用電動リール
に、電気式の変速手段を用いた構成例を示す図。
【図8】機械式の変速手段を用いた魚釣用電動リール
に、電気式の変速手段を用いた別の構成例を示す図。
【図9】機械式の変速手段および電気式の変速手段を用
いた場合の、スプールの巻上速度と巻上力との関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
1…リール本体、2a,2b…フレーム、3…スプー
ル、3a…スプール軸、5…モータ、7…第1のギヤ減
速機構、15,15a…変速装置、20,20a…太陽
歯車、22,22a…遊星歯車、25,25a…遊星歯
車キャリア、27,27a…一方向クラッチ、30,3
0a…内歯歯車、32…変速切換手段、50…第2のギ
ヤ減速機構、80…自動制御機構、81…制御歯車、9
0…電気式の変速手段。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体の両側板間にスプールを回転
    可能に支持し、リール本体に装着されたモータの回転に
    連動して前記スプールを回転させて釣糸を巻き取る魚釣
    用電動リールにおいて、 前記モータからの出力をスプールに伝える駆動力伝達部
    に、遊星歯車を具備した変速装置を設けると共に、外部
    からの手動操作によってスプールの回転速度を増減する
    変速切換手段を設けたことを特徴とする魚釣用電動リー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記遊星歯車は、太陽歯車および内歯歯
    車と噛合しており、前記変速切換手段は、前記内歯歯車
    を回転/停止するように切換える切換部材を有してお
    り、前記内歯歯車が停止されたときに、太陽歯車を介し
    てスプールの回転速度は増速されることを特徴とする請
    求項1に記載の魚釣用電動リール。
  3. 【請求項3】 前記変速切換手段は、太陽歯車および内
    歯歯車と噛合しており、前記変速切換手段は、前記太陽
    歯車を回転/停止するように切換える切換部材を有して
    おり、前記太陽歯車が停止されたときに、内歯歯車を介
    してスプールの回転速度は増速されることを特徴とする
    請求項1に記載の魚釣用電動リール。
  4. 【請求項4】 前記変速切換手段は、釣糸巻取り操作時
    のスプール側からの負荷に応じて、スプールの回転数を
    自動制御する自動制御機構を有することを特徴とする請
    求項1に記載の魚釣用電動リール。
  5. 【請求項5】 前記遊星歯車は、太陽歯車および内歯歯
    車と噛合しており、前記自動制御機構は、前記内歯歯車
    と噛合する制御歯車と、この制御歯車に調整可能な制動
    力を付与する制動装置とを有することを特徴とする請求
    項4に記載の魚釣用電動リール。
  6. 【請求項6】 前記遊星歯車は、太陽歯車および内歯歯
    車と噛合しており、前記自動制御機構は、前記太陽歯車
    と噛合する制御歯車と、この制御歯車に調整可能な制動
    力を付与する制動装置とを有することを特徴とする請求
    項4に記載の魚釣用電動リール。
  7. 【請求項7】 前記モータには、このモータへの入力電
    力を制御し、スプールの巻取速度を増減する電気式の変
    速手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれか1に記載の魚釣用電動リール。
  8. 【請求項8】 リール本体の両側板間にスプールを回転
    可能に支持し、リール本体に装着されたモータの回転に
    連動して前記スプールを回転させて釣糸を巻取る魚釣用
    電動リールにおいて、 前記モータからの出力をスプールに伝える駆動力伝達部
    に設けられ、外部からの手動操作によってスプールの巻
    取速度を増減する遊星歯車を具備した機械式変速手段
    と、前記モータへの入力電力を制御し、スプールの巻取
    速度を増減する電気式変速手段とを備えたことを特徴と
    する魚釣用電動リール。
JP26008095A 1995-05-30 1995-10-06 魚釣用電動リール Expired - Fee Related JP3159637B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26008095A JP3159637B2 (ja) 1995-05-30 1995-10-06 魚釣用電動リール

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-131959 1995-05-30
JP13195995 1995-05-30
JP26008095A JP3159637B2 (ja) 1995-05-30 1995-10-06 魚釣用電動リール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0947198A true JPH0947198A (ja) 1997-02-18
JP3159637B2 JP3159637B2 (ja) 2001-04-23

Family

ID=26466648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26008095A Expired - Fee Related JP3159637B2 (ja) 1995-05-30 1995-10-06 魚釣用電動リール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3159637B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006166744A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
JP2006174825A (ja) * 2004-11-26 2006-07-06 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
KR100652085B1 (ko) * 2004-04-14 2006-12-01 다이와 세이꼬 가부시끼가이샤 전동 낚시 릴
JP2008193906A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
JP2009039027A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
KR20120001854U (ko) 2010-07-30 2012-03-12 주식회사 바낙스 낚시용 전동 릴
JP2013027318A (ja) * 2011-07-26 2013-02-07 Globeride Inc 魚釣用電動リール
CN103141456B (zh) * 2013-03-23 2014-06-11 威海欧申纳贸易有限公司 用于抛投和船钓的卷轴式多功能渔线轮
JP2020014454A (ja) * 2018-07-13 2020-01-30 株式会社シマノ 電動リールの減速装置、電動リールの減速装置の製造方法、及び魚釣用電動リール

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100652085B1 (ko) * 2004-04-14 2006-12-01 다이와 세이꼬 가부시끼가이샤 전동 낚시 릴
JP2006174825A (ja) * 2004-11-26 2006-07-06 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
JP2006166744A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
JP4493085B2 (ja) * 2004-12-14 2010-06-30 グローブライド株式会社 魚釣用電動リール
JP2008193906A (ja) * 2007-02-08 2008-08-28 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
JP2009039027A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Daiwa Seiko Inc 魚釣用電動リール
KR20120001854U (ko) 2010-07-30 2012-03-12 주식회사 바낙스 낚시용 전동 릴
JP2013027318A (ja) * 2011-07-26 2013-02-07 Globeride Inc 魚釣用電動リール
CN103141456B (zh) * 2013-03-23 2014-06-11 威海欧申纳贸易有限公司 用于抛投和船钓的卷轴式多功能渔线轮
JP2020014454A (ja) * 2018-07-13 2020-01-30 株式会社シマノ 電動リールの減速装置、電動リールの減速装置の製造方法、及び魚釣用電動リール

Also Published As

Publication number Publication date
JP3159637B2 (ja) 2001-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI274546B (en) Electric-powered fishing reel
JP3159637B2 (ja) 魚釣用電動リール
JP2839104B2 (ja) 釣用リールの変速装置
US5161750A (en) Fishing reel with transmission switching mechanism
JP3537363B2 (ja) 魚釣用電動リール
JP2001245564A (ja) 魚釣り用電動リール
JP2940901B2 (ja) 魚釣用電動リール
JP3936882B2 (ja) 魚釣用電動リール
KR100543491B1 (ko) 낚시용 전동 릴
JP2008193906A (ja) 魚釣用電動リール
JP4429770B2 (ja) 魚釣用電動リール
JPH0650968B2 (ja) 魚釣用リールの変速装置
JP2957643B2 (ja) 電動リール
JP2858625B2 (ja) 魚釣用電動リール
JPH04158729A (ja) 両軸受リール
JPH0621337Y2 (ja) スピニングリールの駆動装置
JP2000083538A (ja) 魚釣用電動リール
JP2021193909A (ja) 魚釣用電動リール
JPH0811027B2 (ja) 魚釣用リールの変速装置
JP2006055073A (ja) 魚釣用電動リール
JP2006166869A (ja) 魚釣用電動リール
JPH0425976Y2 (ja)
JP2006325481A (ja) 魚釣用電動リール
JP2005295940A (ja) 魚釣用電動リール
JP2000023601A (ja) 魚釣用両軸受型電動リール

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090216

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees