JP2005253423A - 魚釣用電動リール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リール本体に回転可能に支持されたスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータと、スプールの駆動系統に装着され、スプール駆動モータの回転力を減速してスプールに伝達させる減速機構と、スプールの回転速度を高速状態と低速状態とに変速させる機械式変速装置とを備えた魚釣用電動リールに於て、上記リール本体に仕掛け回収操作部材を設け、当該仕掛け回収操作部材の操作で、上記機械式変速装置を高速状態に切換え可能とすると共に、スプール駆動モータを最大出力状態で巻取り駆動させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従来周知のようにこの電動リールは、スプール駆動モータ(以下、「スプールモータ」という)の駆動でスプールを回転させて釣糸の巻取りを行うもので、特許文献1に開示されるように昨今の電動リールには、釣場の状況(例えば、対象魚の大きさや種類,魚とのファイトやヒット数)に応じた釣糸の巻取り操作を行うべく、リール本体に調節レバー(モータ出力調節体)を変位可能に設け、当該調節レバーの操作でスプールモータへの電流量を制御してモータ出力を調節することで、スプールモータによる釣糸の巻取り速度を変化させる電気式変速装置が知られており、釣人は、状況に応じ調節レバーを操作して、実釣に即した釣糸の巻取り操作を行っている。
そこで、斯かる不具合を解決するため、特許文献2には、上述した電気式の変速装置に加え、スプールモータの回転力を減速する減速機構の駆動系統の一部を切換え部材の操作でON/OFFして噛み合うギヤ比を変化させることにより、スプールの回転速度を機械的に高速状態と低速状態に切り換える機械式変速装置を備えた電動リールが開示されており、更に特許文献3には、スプールモータのモータ出力部とこのモータ出力部の回転をスプールに伝達する動力伝達機構との間に、ギヤ比の異なる高速用減速歯車機構と低速用減速歯車機構とを動力伝達可能に連結し、リール本体の操作パネル上に設けた高速モードスイッチと低速モードスイッチの操作でモータ出力部の回転方向を変えることにより、高速用減速歯車機構と低速用減速歯車機構のいずれか一方を選択的に動力伝達可能として、スプールの回転速度を変化させる機械式変速装置を備えた電動リールが開示されている。
しかし乍ら、特許文献2,3に開示されるように電気式変速装置と機械式変速装置を備えた電動リールにあっては、仕掛けを回収する場合、機械式変速装置が低速状態にあると、切換え部材や高速モードスイッチで機械式変速装置を高速状態に切換え操作し、更に電気式変速装置の調節レバーを最大出力位置まで操作するというように2段階の操作を必要とするため、空巻き状態で仕掛けを迅速に回収する操作を容易且つ素早く行えない課題が残されていた。
そして、請求項2に係る発明によれば、仕掛け回収操作の迅速化を図り乍ら、機械式,電気式変速装置の併用により幅広い巻取り変速が可能となって、あらゆる釣法に対応できることとなった。
図1は請求項1乃至請求項3の一実施形態に係る電動リールを示し、図1に於て、1はリール本体3のフレーム、5,7は当該フレーム1の左右に取り付く側板で、両側板5,7間にスプール軸9を介してスプール11が回転可能に支持されている。
スプール軸9はスプール11の軸心を貫通し、その側板5側の一端が、フレーム1に一体的に取り付く第1のセットプレート13に軸受15を介して回転可能に支持されている。そして、この一端側に、後述する動力伝達機構17のスプール軸駆動歯車19が回止め嵌合されている。
そして、側板5側のリール本体3内に、スプールモータ21の回転力をスプール軸9に伝達する機械式変速装置(以下、「変速装置」という)27と第1の減速機構29、そして、既述したスプール軸駆動歯車19を含む複数の歯車からなる動力伝達機構17が、スプールモータ21のモータ軸(モータ出力部)31とスプール軸9との間に順次装着されており、スプールモータ21の回転力がこれらの変速装置27や減速機構29,動力伝達機構17で変速/減速されて、スプール軸9に伝達されるようになっている。
そして、上記ピニオン33に、低速用減速歯車機構35の低速用歯車37と、高速用減速歯車機構39の高速用歯車41が個別に噛合しており、変速装置27はこの低速用減速歯車機構35と高速用減速歯車機構39とで構成されている。
そして、図2及び図3に示すように第1の回転軸43に小歯車63が回止め嵌合され、第2の回転軸47に大歯車65が回止め嵌合されており、これらは互いに噛合している。そして、上記回転軸43に、減速機構29の太陽歯車67が回止め嵌合されている。
図1及び図3に示すように動力伝達機構17は、既述したスプール軸駆動歯車19と上記駆動歯車79、そして、スプール軸駆動歯車19と駆動歯車79との間に配置されてこれらに噛合する大歯車81とで構成されている。そして、図2に示すように大歯車81は、セットプレート13に設けた筒状の支持部83に軸受85を介して回転可能に支持されているが、大歯車81の中央に設けた筒状部86の内周には、セットプレート57に軸支された一方向クラッチ87の外輪89が回止め嵌合されており、ハンドル23の巻取り操作時に、当該一方向クラッチ87が楔作用で大歯車81の回転を阻止し、その反力でハンドル23の駆動力が、後述する減速機構91を介してスプール11に伝達されるようになっている。
従来と同様、この減速機構91は、スプール軸9の突出端に取り付けられた太陽歯車93とこれに噛合する複数の遊星歯車95、そして、スプール11の一端に刻設された内歯歯車97等からなり、内歯歯車97に遊星歯車95が噛合している。
また、図1中、23は既述した釣糸巻取り操作用のハンドルで、当該ハンドル23は側板7に回動可能に挿着したハンドル軸107の側板外突出端に連結されており、ハンドル軸107にはラチェット109が側板7内で固着され、更にドライブギヤ111が回転可能に取り付けられている。そして、ドライブギヤ111とハンドル軸107は、当該ハンドル軸107に装着した従来周知のドラグ装置113によって摩擦結合されており、ドラグ装置113はドラグ力調節レバー115の操作でドラグ力が調節できるようになっている。
また、図示しないが上記ラチェット109には、周知の図示しないばねで付勢された係止爪が係止しており、斯様にラチェット109に係止爪が係止してスプール11の逆転止めが図られている。
パワーレバー117は側板7内に装着したポテンショメータ119の操作軸121に連結され、パワーレバー117の操作によるポテンショメータ119の抵抗値の変化が、リール本体3上部の制御ボックス123内に装着したマイクロコンピュータ(制御手段)に入力されている。そして、マイクロコンピュータは、パワーレバー117の操作量に応じたパルス信号のデューティ比としてスプールモータ21への駆動電流通電時間率を可変制御して、スプールモータ21のモータ出力をモータ停止状態から高速値または最大値まで連続的に増減調節するようになっている。
そして、このクラッチOFF状態でハンドル23を巻取り方向へ回転させると、図示しない周知の復帰機構を介してクラッチ機構125がクラッチON状態に復帰するように構成されており、このクラッチレバー127のクラッチON/OFFの切換え操作でスプール11が釣糸巻取り状態と釣糸繰出し状態とに切り換わって、スプール11へのスプールモータ21やハンドル23の回転力が伝達/遮断されるようになっている。
この後、釣人が釣糸を繰り出していくと、スプール11の回転に伴い、CPUで演算,計測された糸長値が上カラ表示部147に表示されるが、釣糸が例えば95.5m繰り出された処で釣人が棚メモスイッチ145を操作すると、棚カラ表示部149に「0.0」が表示されて棚位置が設定され、以後、図6に示すように棚位置から例えば15mの釣糸の巻取りに伴う仕掛けの距離と水面からの繰出し量(水深)が、棚カラ表示部149と上カラ表示部147に夫々表示されるようになっている。
この場合、スプールモータ21は、パワーレバー117の操作量に応じたモータ出力で駆動するように構成されており、このため、パワーレバー117がモータ停止状態にあるとき、変速HI/LOWスイッチ141を操作してもスプールモータ21は駆動しない。
従って、回転軸43は低速状態より速い速度で回転し、増幅されたスプールモータ21の回転力が回転軸43から太陽歯車67へと伝達され、減速機構29,動力伝達機構17を介してスプール軸9へと伝達される。
而して、斯様にスプールモータ21が正転すると、ピニオン33に噛合する低速用歯車37と高速用歯車41が共に逆転するが、一方向クラッチ45のみが低速用歯車37の回転を回転軸43に伝えるため、回転軸43はモータ軸31の回転速度及びピニオン33と低速用歯車37とのギヤ比に対応して、低速用歯車37と共に図5の高速状態より遅い速度で回転し、このスプールモータ21の回転力が回転軸43から太陽歯車67へと伝達され、減速機構29,動力伝達機構17を介してスプール軸9へと伝達される。
そして、魚がヒットしなかったり途中で魚をバラシたために仕掛けを迅速に回収する場合、空巻きスイッチ139を操作すると、マイクロコンピュータは直ちにスプールモータ21を図5の如く逆転方向に駆動させると共に、パワーレバー117の操作位置に拘わらず、直ちにスプールモータ21を最大出力で駆動させる。
このように本実施形態は、機械式の変速装置27が低速状態にあっても、空巻きスイッチ139の操作で変速装置27が直ちに高速状態に切り換わると共に、パワーレバー117の操作位置に拘わらず直ちにスプールモータ21が最大出力で駆動するように構成したので、実釣時の空巻き状態に於て、仕掛けを迅速に回収する操作を容易且つ素早く行える利点を有する。
更に本実施形態によれば、変速装置27の低速状態に於て、空巻きスイッチ139の操作でスプールモータ21の回転方向が変わって高速状態に切り換わると共に、最大出力でスプールモータ21が巻取り駆動されるため、簡単且つ容易な操作で機械式及び電気式変速装置を瞬時に仕掛け回収用の高速モードに移行させることが可能である。
図9は請求項1及び請求項2に係る電動リールの一実施形態を示し、本実施形態は、噛み合うギヤ比を変化させてスプールの回転速度を機械的に高速状態と低速状態に切り換える特許文献2の切換え部材(手動による操作外部操作体)に代え、変速装置155の内歯歯車157の外周に設けたラチェット爪歯159に係合する変速切換ストッパ161を、マイクロコンピュータによるソレノイド163の駆動制御で作動させるようにしたもので、スプールモータ165の回転力を高速状態でスプールに伝達させる場合、マイクロコンピュータは、実線で示すようにソレノイド163を作動させ、変速切換ストッパ161をバネ力に抗してラチェット爪歯159に係合させることで内歯歯車157の回転を停止させるようになっている。
尚、その他の機械的な構造は特許文献2の電動リールと同様であるためそれらの構造説明は省略する。
5,7 側板
9 スプール軸
11 スプール
17 動力伝達機構
19 スプール軸駆動歯車
21,165 スプールモータ
23 ハンドル
27 機械式の変速装置
29,91 減速機構
31 モータ軸
33 ピニオン
35 低速用減速歯車機構
37 低速用歯車
39 高速用減速歯車機構
41 高速用歯車
43,47 回転軸
45,49,87 一方向クラッチ
63 小歯車
65,81 大歯車
67 太陽歯車
79 駆動歯車
116 電動リール
117 パワーレバー
125 クラッチ機構
127 クラッチレバー
129 回転検出手段
139 空巻きスイッチ
141 変速HI/LOWスイッチ
143 リセットスイッチ
145 棚メモスイッチ
151 HI/LOW表示部
153 空巻き表示部
155 変速装置
157 内歯歯車
159 ラチェット爪歯
161 変速切換ストッパ
163 ソレノイド
Claims (3)
- リール本体に回転可能に支持されたスプールを巻取り駆動するスプール駆動モータと、
スプールの駆動系統に装着され、スプール駆動モータの回転力を減速してスプールに伝達させる減速機構と、
スプールの回転速度を高速状態と低速状態とに変速させる機械式変速装置とを備えた魚釣用電動リールに於て、
上記リール本体に仕掛け回収操作部材を設け、
当該仕掛け回収操作部材の操作で、上記機械式変速装置を高速状態に切換え可能とすると共に、スプール駆動モータを最大出力状態で巻取り駆動させることを特徴とする魚釣用電動リール。 - リール本体に変位可能に装着した操作部材の操作で、スプール駆動モータへの電流量を制御してモータ出力を増減調節する電気式変速装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
- 機械式変速装置は、スプール駆動モータのモータ出力部とこのモータ出力部の回転をスプールに伝達する動力伝達機構との間に、ギヤ比が異なる高速用減速歯車機構と低速用減速歯車機構とを動力伝達可能に連結せしめ、上記モータ出力部の回転方向によって高速用減速歯車機構と低速用減速歯車機構のいずれか一方を選択的に動力伝達可能として、スプールの回転速度を変化させる構造からなることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
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JP2004072810A JP2005253423A (ja) | 2004-03-15 | 2004-03-15 | 魚釣用電動リール |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112772587A (zh) * | 2019-11-07 | 2021-05-11 | 广东赛肯科技创新股份有限公司 | 一种电动渔轮及其调速器 |
-
2004
- 2004-03-15 JP JP2004072810A patent/JP2005253423A/ja active Pending
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