JP2008193573A - 光電流・電圧変換回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定動作が可能で、しかも小型化し得る光電流・電圧変換回路を提供する。
【解決手段】定電流I1を出力する定電流源2および定電流源2に直列に接続された抵抗4を有すると共に、定電流源2および抵抗4を接続するライン上に受光素子10を接続可能に構成された直列回路21と、定電流I1と同一電流値の定電流I2を出力する定電流源5および抵抗4と同一抵抗値に規定されて定電流源5に直列に接続された抵抗7を有する直列回路22と、受光素子10が接続された状態において、定電流I1と受光素子10に発生する光電流Ioとの差分電流の抵抗4への流入に起因して抵抗4に発生する電圧V1、および定電流I2の抵抗7への流入に起因して抵抗7に発生する電圧V2の差分電圧を検出して出力する差動回路9とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】定電流I1を出力する定電流源2および定電流源2に直列に接続された抵抗4を有すると共に、定電流源2および抵抗4を接続するライン上に受光素子10を接続可能に構成された直列回路21と、定電流I1と同一電流値の定電流I2を出力する定電流源5および抵抗4と同一抵抗値に規定されて定電流源5に直列に接続された抵抗7を有する直列回路22と、受光素子10が接続された状態において、定電流I1と受光素子10に発生する光電流Ioとの差分電流の抵抗4への流入に起因して抵抗4に発生する電圧V1、および定電流I2の抵抗7への流入に起因して抵抗7に発生する電圧V2の差分電圧を検出して出力する差動回路9とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、受光素子に発生する光電流を電圧に変換する光電流・電圧変換回路に関するものである。
この種の光電流・電圧変換回路として、特開2004−22051号公報に開示されたトランスインピーダンス型増幅器が知られている。このトランスインピーダンス型増幅器の基本構成は、図3に示すトランスインピーダンス型増幅器51のように、非反転入力端子が基準電位Vrに接続された演算増幅器52、および演算増幅器52の反転入力端子と出力端子との間に接続された帰還抵抗(抵抗値R)53で構成されている。このトランスインピーダンス型増幅器51には、受光素子(フォトダイオード)10が接続されている。この場合、この受光素子10のカソード端子が演算増幅器の反転入力端子に接続されて、アノード端子が基準電位に接続されている。また、受光素子10は、演算増幅器52の反転入力端子を介して印加される基準電位Vrによって逆バイアスされた状態を維持している。
このトランスインピーダンス型増幅器51では、光の入射によって受光素子10に光電流Io(電流値I)が発生し、その光電流Ioを帰還抵抗53によって電圧(R×I)に変換する。また、このトランスインピーダンス型増幅器51では、この変換した電圧(R×I)に基準電位Vrを加算して電圧Voとして出力する。
特開2004−22051号公報(第4−7頁、第3−4図)
ところが、従来の光電流・電圧変換回路には、以下の問題点がある。すなわち、この光電流・電圧変換回路では、帰還抵抗53によって光電流Ioを電圧に変換している。この場合、一般的に光電流Ioの電流値が小さいため、帰還抵抗53としては、大きな抵抗値(数十KΩ)の抵抗を使用している。したがって、この光電流・電圧変換回路には、演算増幅器52のゲインが大きくなるため、これによって寄生容量の影響を受けて位相遅れが大きくなる結果、増幅動作が不安定になり易く、発振のおそれもあるという問題点が存在している。また、一般的に、トランスインピーダンス型増幅器51は、回路規模が大きくなり易いため、小型化が困難になるという問題点も存在している。
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであり、安定動作が可能で、しかも小型化し得る光電流・電圧変換回路を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る光電流・電圧変換回路は、第1定電流を出力する第1定電流源および当該第1定電流源に直列に接続された第1抵抗を有すると共に、当該第1定電流源および当該第1抵抗を接続するライン上に受光素子を接続可能に構成された第1直列回路と、前記第1定電流と同一電流値の第2定電流を出力する第2定電流源および前記第1抵抗と同一抵抗値に規定されて当該第2定電流源に直列に接続された第2抵抗を有する第2直列回路と、前記受光素子が接続された状態において、前記第1定電流と当該受光素子に発生する光電流との差分電流の前記第1抵抗への流入に起因して当該第1抵抗に発生する第1電圧、および前記第2定電流の前記第2抵抗への流入に起因して当該第2抵抗に発生する第2電圧の差分電圧を検出して出力する差動回路とを備えている。
また、本発明に係る光電流・電圧変換回路は、電流入力端子が前記第1定電流源側に位置すると共に電流出力端子が前記第1抵抗側に位置するように当該第1定電流源および当該第1抵抗の間に接続され、かつ制御端子に定電圧が供給されるトランジスタを備えている。
本発明に係る光電流・電圧変換回路では、第1定電流源および第1抵抗を直列に接続すると共に、第1定電流源および第1抵抗を接続するライン上に受光素子を接続し、また第2定電流源および第2抵抗を直列に接続し、差動回路が、第1定電流と光電流との差分電流の第1抵抗への流入に起因して第1抵抗の両端間に発生する第1電圧、および第2定電流の第2抵抗への流入に起因して第2抵抗の両端間に発生する第2電圧の差分電圧を検出して出力する。したがって、この光電流・電圧変換回路によれば、従来のトランスインピーダンス型増幅器とは異なり、光電流を帰還抵抗に導通させて電圧に変換する必要が無くなるため、電流値の小さな光電流の電圧への変換に際してたとえ寄生容量の影響を受けたとしても、位相遅れの増大および発振といった問題が発生しない結果、光電流を安定して電圧に変換することができる。また、トランスインピーダンス型増幅器とは異なり、回路規模を小さくすることができるため、半導体チップを構成する際に確実かつ容易に小型化することができる。
また、本発明に係る光電流・電圧変換回路では、第1定電流源と第1抵抗との間にトランジスタが接続されて、このトランジスタの制御端子に印加された定電圧から定まる電流入力端子の電圧が受光素子に印加される。したがって、この光電流・電圧変換回路によれば、受光素子を一定電圧の印加による一定の逆バイアス状態に維持できるため、受光素子に対して、入射した光の量に比例した電流値の光電流を安定して発生させることができる。
以下、本発明に係る光電流・電圧変換回路の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、光電流・電圧変換回路1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す光電流・電圧変換回路1は、例えば、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RWおよびDVD−RAMなどの記録型DVDや、CD−RおよびCD−RWなどの記録型CDのように、記録および再生の双方が行われる情報媒体に対する再生動作、およびDVD−ROMやCD−ROMなどの再生のみが行われる情報媒体に対する再生動作を少なくとも実行する再生装置に使用される光ピックアップ用受光装置に組み込み可能に構成されている。具体的には、この光電流・電圧変換回路1は、同図に示すように、定電流源2、トランジスタ3、抵抗4、定電流源5、トランジスタ6、抵抗7、バイアス電源8、および差動回路9を備えて構成されて、受光素子10に流れる光電流Io(電流値I)を電圧に変換して出力する。なお、以下において、特に区別しないときには、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMおよびDVD−ROMを総称して「DVD」ともいう。同様にして、CD−R、CD−RWおよびCD−ROMを総称して「CD」ともいう。
定電流源(本発明における第1定電流源)2は、一定の電流値Icに規定された定電流(本発明における第1定電流)I1を出力する。トランジスタ3は、Pチャネル型電界効果トランジスタまたはPNP型バイポーラトランジスタ(本例ではPチャネル型電界効果トランジスタ)で構成されて、そのソース端子(電流入力端子、PNP型バイポーラトランジスタではエミッタ端子)が定電流源2の出力端子に接続されている。抵抗(本発明における第1抵抗)4は、抵抗値がRに規定されて、トランジスタ3のドレイン端子(電流出力端子、PNP型トランジスタではコレクタ端子)と基準電位(本例ではグランド)との間に配設されている。つまり、トランジスタ3は、ソース端子が定電流源2側に位置すると共にドレイン端子が抵抗4側に位置するように定電流源2および抵抗4の間に接続されている。この構成により、定電流源2および抵抗4は、トランジスタ3と共に直列に接続されて、本発明における第1直列回路21を構成する。
一方、定電流源(本発明における第2定電流源)5は、定電流I1と同一電流値(一定の電流値Ic)に規定された定電流(本発明における第2定電流)I2を出力する。トランジスタ6は、トランジスタ3と同様にして、Pチャネル型電界効果トランジスタまたはPNP型バイポーラトランジスタ(本例ではPチャネル型電界効果トランジスタ)で構成されて、そのソース端子が定電流源5の出力端子に接続されている。抵抗(本発明における第2抵抗)7は、抵抗4と同一抵抗値(抵抗値R)に規定されて、トランジスタ6のドレイン端子と基準電位(本例ではグランド)との間に配設されている。つまり、トランジスタ6は、ソース端子が定電流源5側に位置すると共にドレイン端子が抵抗7側に位置するように定電流源5および抵抗7の間に接続されている。この構成により、定電流源5および抵抗7は、トランジスタ6と共に直列に接続されて、本発明における第2直列回路22を構成する。
また、トランジスタ3およびトランジスタ6は、少なくとも電流値Icの電流をソース端子からドレイン端子に導通可能な一定電圧のバイアス電圧(本発明における定電圧)Vdが各々のゲート端子(本発明における制御端子、PNP型バイポーラトランジスタではベース端子)にバイアス電源8から供給されてオン状態を維持している。また、トランジスタ3は、オン状態では、そのソース端子の電圧をゲート端子に印加されたバイアス電圧Vdよりも所定電圧だけ高い電圧、すなわちトランジスタ3の特性から一義的に定まる所定電圧(ゲート・ソース間電圧)だけ高い電圧に維持する。したがって、後述するように、定電流源2および抵抗4を接続するライン上に受光素子10のカソード端子が接続された際には、そのソース端子の電圧を逆バイアス電圧として受光素子10に印加する。つまり、トランジスタ3は、バイアス電源8と共にソース端子の電圧を一定電圧に安定化する安定化回路としても機能する。
また、トランジスタ3は、受光素子10に光電流Ioが流れているときには、光電流Ioの電流値Iを一定の電流値Icから差し引いた電流値の電流をソース端子からドレイン端子に導通させる。一方、トランジスタ6は、定電流源5からの定電流I1をソース端子からドレイン端子に常時導通させる。差動回路9は、例えば、演算増幅回路、およびFETやトランジスタの組み合わせ回路などの公知回路で構成されて、その反転入力端子がトランジスタ3のドレイン端子に接続され、その非反転入力端子がトランジスタ6のドレイン端子に接続されている。この構成により、差動回路9は、抵抗4に電流が流れることによって抵抗4の両端間に発生した電圧(本発明における第1電圧)V1と、抵抗7に電流が流れることによって抵抗7の両端間に発生した電圧(本発明における第2電圧)V2との差分電圧を検出して電圧Voとして出力する。また、以上のように構成されたこの光電流・電圧変換回路1では、受光素子10が、定電流源2および抵抗4を接続するライン上、具体的には、定電流源2の出力端子(本例ではトランジスタ3のソース端子でもある)に接続される。
次に、光電流・電圧変換回路1の動作について説明する。なお、受光素子10が光電流・電圧変換回路1に予め接続された状態となっているものとする。
作動状態において、光電流・電圧変換回路1では、定電流源2および定電流源5が定電流I1,I2をそれぞれ出力する。また、トランジスタ3およびトランジスタ6は、バイアス電源8からバイアス電圧Vdが印加されて、それぞれオン状態に維持されている。また、受光素子10は、オン状態のトランジスタ3のソース電圧が逆バイアス電圧(ソース端子の電圧)として印加されて、逆バイアス状態に維持されている。この場合、受光素子10には、トランジスタ3のゲート・ソース間電圧をバイアス電圧Vdに加えた電圧が印加されるが、このゲート・ソース間電圧はドレイン・ソース間に流れる電流が多少変化してもほぼ一定に維持される。このため、受光素子10は、ほぼ一定の電圧が印加されて逆バイアス状態に維持されており、入射した光の量に比例した電流値Iの光電流Ioを安定して発生可能な状態となっている。
この状態において、まず、受光素子10に光が入射していないとき(光電流Ioの電流値Iがゼロのとき)には、定電流源2から出力された定電流I1は、トランジスタ3および抵抗4を経由してグランドに流れ込む。また、定電流源5から出力された定電流I2は、トランジスタ6および抵抗7を経由してグランドに流れ込む。これにより、抵抗4(抵抗値R)の両端間には、定電流I1(電流値Ic)が流れることにより、電圧V1(=R×Ic)が発生する。また、抵抗7(抵抗値R)の両端間には、定電流I2(電流値Ic)が流れることにより、電圧V2(=R×Ic)が発生する。一方、差動回路9は、電圧V1,V2の電位差としての差分電圧(V2−V1)を検出して、電圧Voとして出力する。この場合、電圧Voは、下記式(1)で表されるように、0[V]となる。
Vo=V2−V1=R×Ic−R×Ic=0 ・・・・・・・・・・・・・・(1)
Vo=V2−V1=R×Ic−R×Ic=0 ・・・・・・・・・・・・・・(1)
これに対して、受光素子10に光が入射したときには、光の強さに応じた電流値Iの光電流Ioが受光素子10に流れ始める。この場合、この光電流Ioは、定電流源2から出力されている定電流I1の一部が分流した電流となる。このため、トランジスタ3および抵抗4には、定電流I1から光電流Ioを差し引いた差分電流(I1−Io)が流入する。ここで、この差分電流(I1−Io)の電流値は(Ic−I)となる。一方、抵抗7には、定電流源5から出力された定電流I2が継続して流れている。このため、抵抗4(抵抗値R)の両端間には、電流値(Ic−I)の差分電流(I1−Io)が流れることにより、電圧V1(=R×(Ic−I))が発生する。また、抵抗7(抵抗値R)の両端間には、電圧V2(=R×Ic)が発生する。したがって、差動回路9は、電圧V1,V2の電位差(V2−V1)を検出して、電圧Voとして出力する。この場合、電圧Voは、下記式(2)で表されるように、抵抗4の抵抗値Rに光電流Ioの電流値Iを乗算した値となる。
Vo=V2−V1=R×Ic−R×(Ic−I)=R×I ・・・・・・・・(2)
したがって、この光電流・電圧変換回路1では、帰還回路を必須とするトランスインピーダンス型増幅器とは異なり、帰還回路(帰還抵抗)を用いることなく、受光素子10に流れる光電流Ioの電流値Iが検出される。
Vo=V2−V1=R×Ic−R×(Ic−I)=R×I ・・・・・・・・(2)
したがって、この光電流・電圧変換回路1では、帰還回路を必須とするトランスインピーダンス型増幅器とは異なり、帰還回路(帰還抵抗)を用いることなく、受光素子10に流れる光電流Ioの電流値Iが検出される。
このように、この光電流・電圧変換回路1では、定電流源2および抵抗4を直列に接続すると共に、定電流源2および抵抗4を接続するライン上に受光素子10を接続し、また定電流源5および抵抗7を直列に接続し、差動回路9が、定電流I1と光電流Ioとの差分電流(I1−Io)の抵抗4への流入に起因して抵抗4の両端間に発生する電圧V1、および定電流I2の抵抗7への流入に起因して抵抗7の両端間に発生する電圧V2の差分電圧(V2−V1)を検出して出力する。したがって、この光電流・電圧変換回路1によれば、従来のトランスインピーダンス型増幅器とは異なり、光電流Ioを帰還抵抗に導通させて電圧に変換する必要が無くなるため、電流値の小さな光電流Ioの電圧への変換に際してたとえ寄生容量の影響を受けたとしても、位相遅れの増大および発振といった問題が発生しない結果、光電流Ioを安定して電圧に変換することができる。また、トランスインピーダンス型増幅器とは異なり、回路規模を小さくすることができるため、半導体チップを構成する際に確実かつ容易に小型化することができる。
また、この光電流・電圧変換回路1では、定電流源2と抵抗4との間にPチャネル型電界効果トランジスタで構成されたトランジスタ3が接続(介装)されて、このトランジスタ3のゲート端子に印加されたバイアス電圧(定電圧)Vdから定まる電圧(ソース端子の電圧)が受光素子10に印加される。したがって、この光電流・電圧変換回路1によれば、受光素子10を一定電圧の印加による一定の逆バイアス状態に維持できるため、受光素子10に対して、入射した光の量に比例した電流値Iの光電流Ioを安定して発生させることができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、トランジスタ3,6としてPチャネル型電界効果トランジスタを使用した例について上記したが、上記したようにPNP型バイポーラトランジスタを使用することもできる。この構成を採用した場合、PNP型トランジスタのエミッタ端子を定電流源2(または5)の出力端子に接続し、コレクタ端子を抵抗4(または7)に接続し、ベース端子をバイアス電源8に接続する。この構成においても、PNP型トランジスタにおけるエミッタ端子の電圧を一定またはほぼ一定の電圧に維持することができるため、その電圧を逆バイアス電圧として受光素子10に印加することができる結果、受光素子10を安定動作させることができる。
また、トランジスタ3,6として、Pチャネル型電界効果トランジスタまたはPNP型バイポーラトランジスタを使用した例について上記したが、図2に示す光電流・電圧変換回路1Aのように、Nチャネル型電界効果トランジスタまたはNPN型バイポーラトランジスタを使用することもできる。以下、この光電流・電圧変換回路1Aについて、その概要を説明する。なお、光電流・電圧変換回路1と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
まず、光電流・電圧変換回路1Aの構成について説明する。この光電流・電圧変換回路1Aは、図2に示すように、定電流源2,5、トランジスタ3A,6A、抵抗4,7および差動回路9を備え、これらの電子部品が同図に示すように接続されて構成されて、受光素子10に流れる光電流Ioを電圧Voに変換して出力する。この場合、定電流源2および抵抗4は、トランジスタ3Aと共に直列に接続されて、本発明における第1直列回路21Aを構成し、また、定電流源5および抵抗7は、トランジスタ6Aと共に直列に接続されて、本発明における第1直列回路22Aを構成する。
トランジスタ3A,6Aは、Nチャネル型電界効果トランジスタまたはNPN型バイポーラトランジスタ(本例ではNPN型バイポーラトランジスタ)で構成されている。また、トランジスタ3Aは、そのコレクタ端子(電流入力端子、Nチャネル型電界効果トランジスタではドレイン端子)が電圧Vaを出力する電源に抵抗4を介して接続され、かつそのエミッタ端子(電流出力端子、Nチャネル型電界効果トランジスタではソース端子)が定電流源2に接続され、かつそのベース端子(本発明における制御端子、Nチャネル型電界効果トランジスタではゲート端子)がバイアス電源8に接続されている。一方、トランジスタ6Aは、そのコレクタ端子が電圧Vaを出力する電源に抵抗7を介して接続され、かつそのエミッタ端子が定電流源5に接続され、かつそのベース端子がバイアス電源8に接続されている。また、各トランジスタ3A,6Aは、バイアス電圧(本発明における定電圧)Vdが各々のベース端子にバイアス電源8から供給されて、オン状態を維持している。
この構成により、定電流源2および抵抗4を接続するライン上(具体的には、定電流源2の入力端子(本例ではトランジスタ3Aのエミッタ端子でもある))に受光素子10のアノード端子が接続された状態では、受光素子10のアノード端子の電圧が、トランジスタ3Aのバイアス電圧Vdからトランジスタ3のベース・エミッタ間電圧を減算した所定の一定電圧に維持される。この結果、受光素子10は、ほぼ一定の電圧の印加によって逆バイアス状態に維持されて、入射した光の量に比例した電流値Iの光電流Ioを安定して発生可能な状態となっている。
この光電流・電圧変換回路1Aにおいても、上記した光電流・電圧変換回路1と同様にして、受光素子10に光が入射したときには、トランジスタ3Aおよび抵抗4には、定電流I1から光電流Ioを差し引いた差分電流(I1−Io)が流れ、一方、トランジスタ6Aおよび抵抗7には、定電流源5から出力された定電流I2が流れる。このため、抵抗4のトランジスタ3Aのコレクタ側の端子には電圧V1(=Va−R×(Ic−I))が発生し、抵抗7のトランジスタ6Aのコレクタ側の端子には電圧V2(=Va−R×Ic)が発生する。したがって、差動回路9は、電圧V1,V2の電位差(V2−V1)を検出して、電圧Voとして出力する。
したがって、この光電流・電圧変換回路1Aによっても、光電流・電圧変換回路1と同様にして、帰還回路(帰還抵抗)を用いることなく、受光素子10に流れる光電流Ioの電流値Iを検出することができるため、上記した光電流・電圧変換回路1と同様の効果を奏することができる。
また、上記の光電流・電圧変換回路1では、定電流源5と抵抗7との間にもトランジスタ6を接続(介装)し、また上記の光電流・電圧変換回路1Aでは、定電流源5と抵抗7との間にもトランジスタ6Aを接続(介装)して、両直列回路21,22の構成、および両直列回路21A,22Aの構成をそれぞれバランスさせて、両直列回路21,22の電気特性の均一化、および両直列回路21A,22Aの電気特性の均一化を図る好ましい例について上記したが、定電流源5側の直列回路22や直列回路22Aでは、トランジスタ6やトランジスタ6Aの配設を省いて、定電流源5と抵抗7とを直接的に接続することもできる。さらに、一定電圧(電流値Ic×抵抗値R)を生成する電源部を備えて、その電源部の出力電圧を差動回路9の非反転入力に供給することで、簡易的に構成することができる。
また、定電流源2から出力される定電流I1の電流値Icに対して、受光素子10に発生する光電流Ioの電流値Iが十分に小さいときには、定電流源2の出力端子の電圧もほぼ一定になることもあり、この場合には、トランジスタ3,3A、トランジスタ6,6Aおよびバイアス電源8の配設を省いて、定電流源2と抵抗4とを直接接続させ、かつ定電流源5と抵抗7とを直接接続させ、定電流源2と抵抗4との接続点に受光素子10を接続する構成を採用することもできる。
1,1A 光電流・電圧変換回路
2,5 定電流源
3,6,3A,6A トランジスタ
4,7 抵抗
9 差動回路
10 受光素子
21,22,21A,22A 直列回路
V1,V2 電圧
I1,I2 定電流
2,5 定電流源
3,6,3A,6A トランジスタ
4,7 抵抗
9 差動回路
10 受光素子
21,22,21A,22A 直列回路
V1,V2 電圧
I1,I2 定電流
Claims (2)
- 第1定電流を出力する第1定電流源および当該第1定電流源に直列に接続された第1抵抗を有すると共に、当該第1定電流源および当該第1抵抗を接続するライン上に受光素子を接続可能に構成された第1直列回路と、
前記第1定電流と同一電流値の第2定電流を出力する第2定電流源および前記第1抵抗と同一抵抗値に規定されて当該第2定電流源に直列に接続された第2抵抗を有する第2直列回路と、
前記受光素子が接続された状態において、前記第1定電流と当該受光素子に発生する光電流との差分電流の前記第1抵抗への流入に起因して当該第1抵抗に発生する第1電圧、および前記第2定電流の前記第2抵抗への流入に起因して当該第2抵抗に発生する第2電圧の差分電圧を検出して出力する差動回路とを備えている光電流・電圧変換回路。 - 電流入力端子が前記第1定電流源側に位置すると共に電流出力端子が前記第1抵抗側に位置するように当該第1定電流源および当該第1抵抗の間に接続され、かつ制御端子に定電圧が供給されるトランジスタを備えている請求項1記載の光電流・電圧変換回路。
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- 2007-02-07 JP JP2007027927A patent/JP2008193573A/ja active Pending
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