JP2008184365A - シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力原単位が低く、低コストで効率よくシリコンを製造することが可能なシリコンの製造方法を提供する。
【解決手段】円筒のルツボ本体2と蓋部3とにより構成された反応容器1に原料用のシリコンAを投入し、次いで、シリコンAを1000℃以上かつシリコンの融点以下の温度に加熱し、この加熱されたシリコンに、蓋部3に設けられた原料ガス導入管4によりシラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかの反応ガスGを通流させてシラン系ガスの分解または還元により生じたシリコンを原料用のシリコンAの表面に成長させ、次いで、反応容器1から蓋部3を取り外し、反応容器1内のシリコンをその融点以上の温度にまで加熱することにより溶融、落下させて回収する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコンの製造方法に関し、更に詳しくは、太陽電池用のシリコンとして好適に用いられ、シリコンの反応温度を高めると同時に、反応表面積を増加させることが可能であり、その結果、電力原単位が低く、低コストで効率よくシリコンを製造することが可能なシリコンの製造方法に関するものである。
従来、半導体用シリコンウエハとして用いられるイレブンナインクラスの高純度シリコンを製造する方法としては、一般に、ベルジャー式の反応炉内に種結晶のシリコンロッドを配置し、この反応炉内にトリクロロシラン等のシラン系ガスを導入し、CVD法により前記シリコンロッド上にシリコンを堆積させるシーメンス法が用いられている。このシーメンス法の最大の問題点は、シリコンの成長反応速度が遅く、電力原単位が著しく高く経済的でないという点である。例えば、効率の良い大型の反応炉を用いた場合においても、100kWh/kgSi以上の電力原単位が必要となる。
一方、太陽電池用として用いられるシリコンの場合、太陽電池用グレード(SOG−Si)のシリコンは、半導体用グレードのシリコンほど高純度を必要とせず、しかも大量に必要とされるために、製造コストを引き下げることが非常に重要な課題となっている。そこで、電力原単位の小さい太陽電池用グレード(SOG−Si)のシリコンの製造技術の開発が国内外で進められている。
これらの開発の流れとしては、大別して、トリクロルシラン、モノクロルシラン等のシラン系ガスを出発原料として製造する方法、メタルグレードの安価なシリコン(MG−Si)を直接出発原料として製造する方法、の2つの方法がある。
従来では、例えば、加熱帯域及び反応帯域を有し、加熱帯域では、シリコン粒子を不活性シリコン非含有キャリアガスにより流動化し流動床を形成するとともにマイクロ波エネルギーにより加熱し、反応帯域では、シリコン源ガスを含み平均温度が900℃未満の反応ガスと前記キャリアガスに前記シリコン粒子を暴露させる流動床中で前記シリコン粒子上に元素状シリコンを堆積させるシリコン粒体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のシーメンス法では、トリクロロシラン等のシリコン含有ガスを主原料として、棒状のシリコン種結晶を通電加熱し、表面温度を約1000℃程度に保ち、シリコンを分解反応析出させているために、バッチプロセスで生産性が悪い上に、電力原単位が著しく高いという欠点があり、この欠点を解消した方法として、円筒状の反応管をシリコンの融点以上に加熱し、この反応管にクロロシラン類と水素を供給し、これらクロロシラン類と水素とを反応させて融液状態のシリコンを生成すると共に滴下させ、この融液状態のシリコンを連続的に回収する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法では、多結晶シリコンの連続生産が可能であり、さらに、反応温度をシリコンの融点(1414℃)以上に加熱することにより、反応速度の大幅な向上が可能で、電力原単位の低減も可能とされている。
さらに、この方法を改良したものとして、反応基材の表面をシリコンの融点未満の温度に加熱しかつ保持しながら、この基材表面にシラン類を接触させてシリコンを析出させ、次いで、この基材の表面温度を上昇させて、析出したシリコンの一部または全部を溶融させ、この溶融したシリコンを基材表面から落下させて回収する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
この方法では、反応基材とシリコン融液との接触時間を減らすことにより、反応基材からの汚染を最小限に減らせるとしている。
特開平11−139817号公報 特開2002−29726号公報 再公表2002−100777号公報
ところで、従来の各種のシリコンの製造方法では、次のような問題点があった。
(1)シリコン粒体の製造方法では、電力原単位が低く、反応表面積を増加させることが可能であるものの、シリコンの反応温度が高々700℃であるために、反応ガスの分解速度が遅く、生産性をこれ以上高めることは難しい。
(2)析出シリコンを一旦溶融させ、この溶融したシリコンを回収する方法では、反応温度を高めることにより単位表面積当りの分解反応速度は速くなるものの、反応面積を増やすのが難しく、量産プロセスとして確立させるにはさらに工夫が必要とされている。
この他、反応時にシリコンが汚染されたり等の問題点が生じる場合もある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、シリコンの反応温度を高めると同時に、反応表面積を増加させることが可能であり、その結果、電力原単位が低く、低コストで効率よくシリコンを製造することが可能なシリコンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、粉末状、塊状、フレーク状等のシリコンを用いたシリコンの製造方法について鋭意検討を行った結果、筒状体の底部の開口端に蓋部が装着された反応容器に粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンを投入して加熱し、加熱されたシリコンにシラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかを通流させて前記シラン系ガスの分解または還元により生じたシリコンを前記粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンの表面に成長させ、次いで、このシリコンをその融点以上の温度にまで加熱することにより溶融、落下させて回収することとすれば、電力原単位が低く、低コストで効率よくシリコンを製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のシリコンの製造方法は、筒状体の底部の開口端に蓋部が装着された反応容器に粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンを投入し、次いで、このシリコンを1000℃以上かつシリコンの融点以下の温度に加熱し、この加熱されたシリコンに、前記蓋部に設けられた原料ガス導入管によりシラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかの反応ガスを通流させて前記シラン系ガスの分解または還元により生じたシリコンを前記粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンの表面に成長させ、次いで、前記反応容器から前記蓋部を取り外し、前記反応容器内のシリコンをその融点以上の温度にまで加熱することにより溶融、落下させて回収することを特徴とする。
前記シラン系ガスは、モノシラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記反応容器を石英製の反応容器とし、この反応容器を囲むようにグラファイトを配置し、このグラファイトを高周波誘導加熱により加熱する高周波誘導加熱コイルを配置し、前記グラファイトが発する放射熱により前記反応容器内のシリコンを加熱することが好ましい。
前記グラファイトには、前記高周波誘導加熱コイルと略直交する方向にスリットが形成されていることが好ましい。
また、前記反応容器を石英製の反応容器とし、この反応容器を囲むようにグラファイトヒータを配置し、このグラファイトヒータにより前記反応容器内のシリコンを加熱することとしてもよい。
また、前記反応容器をグラファイト製の反応容器とし、このグラファイト製の反応容器に高周波誘導加熱により加熱する高周波誘導加熱コイルを配置し、前記グラファイト製の反応容器が発する放射熱により該反応容器内のシリコンを加熱することとしてもよい。
さらに、前記反応容器をグラファイト製の反応容器とし、この反応容器を囲むようにグラファイトヒータを配置し、このグラファイトヒータにより前記反応容器内のシリコンを加熱することとしてもよい。
本発明のシリコンの製造方法によれば、筒状体の底部の開口端に蓋部が装着された反応容器に粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンを投入し、次いで、このシリコンを1000℃以上かつシリコンの融点以下の温度に加熱し、この加熱されたシリコンに、シラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかの反応ガスを通流させて前記シラン系ガスの分解または還元により生じたシリコンを前記粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンの表面に成長させるので、シリコンの反応温度を高めると同時に、反応表面積を増加させることができる。したがって、電力原単位を低減し、低コストで効率良くシリコンを製造することができる。
また、反応容器から蓋部を取り外した後、反応容器内のシリコンをその融点以上の温度にまで加熱することにより溶融、落下させて回収するので、溶融シリコンを効率よく、しかも短時間で回収することができ、したがって、シリコンの生産効率を高めることができる。
本発明のシリコンの製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態のシリコンの製造方法に用いられるシリコンの製造装置を示す横断面図、図2は同縦断面図であり、図において、1は反応容器であり、粉末状、塊状あるいはフレーク状の原料用のシリコンAが貯留される円筒(筒状体)の底部が開口端2aとされたルツボ本体2と、開口端2aに着脱可能とされたグラファイトからなる蓋部3とにより構成されている。
ルツボ本体2としては、シリコンに対して汚染の影響が少ない円筒状の断熱部材であれば良く、例えば、石英管、グラファイト等が好適に用いられる。
蓋部3としては、開口端2aと同等またはより大径の円板状の断熱部材であればよく、例えば、石英板、グラファイト板等が好適に用いられる。
また、4は蓋部2の中心部にそれを貫通するように設けられ反応容器1内にシラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかの反応ガスGを通流させる石英製の原料ガス導入管、5は反応容器1の外周面を囲むように配置された円筒状のグラファイト管、6はグラファイト管5の外周面を囲むように配置された断熱用の円筒状のアルミナ管、7はアルミナ管6の外周面に巻回されグラファイト5を高周波誘導加熱により加熱する高周波誘導加熱コイルである。
このグラファイト管5は、単に円筒状のグラファイト管であってもよく、図1に示すように、縦長のスリット5aが軸線に沿って複数個形成されたものであってもよい。スリット5aが形成されている場合、このスリット5aの延在方向は高周波誘導加熱コイル7の巻回方向と略直交している。
ここで使用される原料用のシリコンAとしては、シリコンウエハを破砕したシリコンウエハ屑、ポリシリコン(多結晶シリコン)を破砕したポリシリコン破砕品等が好適に用いられ、これらウエハ屑やポリシリコン破砕品の形状は、粉末状、塊状あるいはフレーク状等、様々な形状や大きさのものが使用可能である。
また、反応ガスGとしては、シラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかが用いられ、このシラン系ガスとしては、モノシラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランの群から選択される1種が好適に用いられる。なお、必要に応じて、これらのガスを2種以上混合した混合ガスとしてもよい。
上記のモノシラン、ジシラン、トリシランは、単独でも使用可能であるが、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランは、塩素を含んでいるために水素ガスと混合して使用することが好ましい。
次に、このシリコンの製造装置を用いてシリコンを製造する方法について説明する。
まず、ルツボ本体2の開口端2bに蓋部3を装着した反応容器1に、粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンAを投入する。次いで、高周波電源(図示略)により高周波誘導加熱コイル7に所定の高周波電圧を印加してグラファイト管5を高周波誘導加熱により加熱し、この加熱されたグラファイト5が発する放射熱によりシリコンAを1000℃以上かつシリコンの融点以下の温度に加熱する。
シリコンAの温度が、1000℃以上かつシリコンの融点以下の範囲内の所定の温度に到達した後に、このシリコンAに、原料ガス導入管4によりシラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかの反応ガスGを通流させる。
このシリコンAに反応ガスGを通流させると、反応ガスGに含まれるモノシラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン等のシラン系ガスが分解または還元され、この過程で生じたシリコンはシリコンAの表面に成長する。このように、シリコンAの表面には、CVD法によりシリコンが成長することとなる。
シリコンの所定量がシリコンAの表面に成長すると、原料ガス導入管4の内部における反応ガスGの圧力損失が大きくなり始める。
この圧力損失が大きくなり始めたことを確認した後、蓋部3をルツボ本体2の開口端2bから取り外し、高周波誘導加熱コイル7に所定の高周波電力を印加してグラファイト管5を高周波誘導加熱により加熱し、この加熱されたグラファイト管5が発する放射熱によりシリコンAをシリコンの融点以上の温度にまで加熱して溶融させる。この溶融したシリコンAはルツボ本体2の下方へ落下し、回収される。
本実施形態のシリコンの製造方法によれば、シリコンの反応温度を高めることができ、かつシリコンの反応表面積を増加させることができる。したがって、反応時間の短縮が可能となり、電力原単位を低減し、低コストでシリコンを製造することができる。
また、反応容器から蓋部を取り外した後、反応容器内のシリコンをその融点以上の温度にまで加熱することにより溶融、落下させて回収するので、溶融シリコンを効率よく、しかも短時間で回収することができ、したがって、シリコンの生産効率を高めることができる。
なお、上記のシリコンの製造装置においては、上記の構成の替わりに、反応容器1の外周面を囲むようにグラファイトヒータを配置し、このグラファイトヒータにより反応容器1内のシリコンAを加熱することとしてもよい。
また、反応容器1をグラファイト製とし、このグラファイト製の反応容器に高周波誘導加熱により加熱する高周波誘導加熱コイル7を配置し、この高周波誘導加熱によりグラファイト製の反応容器が発する放射熱により反応容器1内のシリコンAを加熱することとしてもよい。
さらに、反応容器1をグラファイト製とし、この反応容器の外周面を囲むようにグラファイトヒータを配置し、このグラファイトヒータにより反応容器1内のシリコンAを加熱することとしてもよい。
これらのような構成のシリコンの製造装置を用いても、上述したシリコンの製造方法と同様の効果を奏することができる。
以下、実施例により本発明のシリコンの製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
反応容器1として、内径300mmの透明石英管からなるルツボ本体2の開口端2bにグラファイト製の蓋部3を装着した石英ルツボを用い、この石英ルツボの蓋部3に原料ガス導入管4を取り付け、この石英ルツボの外周を取り巻くように、スリット5aが形成されていない単なる円筒状のグラファイト管5を配置し、その周りにさらに、高周波誘導加熱コイル7が外周面に巻回された断熱用のアルミナ管6を配置した。
次いで、石英ルツボに、原料用シリコンとして析出核となる外形が概略10mm以下1mm以上となるように破砕した太陽電池用のシリコンウエハ屑を30kg投入し、原料ガス導入管4からアルゴンガスを流してシリコンウエハ屑間の残留空気を追い出した後、アルミナ管6の外側から高周波誘導加熱コイル7によりグラファイト管5を高周波誘導加熱により加熱し、このグラファイト管5の放射熱により石英ルツボ内のシリコンウエハ屑を加熱した。
このシリコンウエハ屑の温度が外周部側から600℃以上に上昇し始めたのを確認した後、原料ガス導入管4からモノシランを250g/分の流量にて通流した。ここでは、モノシランの通流中、石英ルツボ内の温度が最高温度を示す部分でもシリコンの融点の1414℃よりも余裕をもって低い1350℃を越えない範囲内で、かつ1250℃を下回らないように制御した。
温度制御開始後、3時間経過後、圧力損失が大きくなり始めたのを確認して、モノシランの通流を停止して蓋3を取り外し、石英ルツボ内の未反応のシリコンを落下させて取り除いた後、高周波誘導加熱の電力負荷を増して石英ルツボ内のシリコンをシリコンの融点以上の温度にまで加熱して溶融させ、この溶融したシリコンを下方へ落下させて回収した。
未反応シリコンと回収シリコンそれぞれの重量を測定した結果、モノシランの分解反応により成長したシリコンの重量増加分は26.6kgであることが分かった。また、この回収シリコンの純度は6ナインクラスであり、太陽電池用のシリコンとして十分使える純度レベルであった。
また、消費電力量は重量増加分のシリコン1kg当り7.6kWhであり、半導体グレードのポリシリコンの代表的な製造法であるシーメンス法の電力原単位100〜200kWh/kgと比べて著しく低く、電力原単位の点でも優れていることが確認された。
「実施例2」
実施例2のシリコンの製造方法が、実施例1のシリコンの製造方法と異なる点は、反応容器1に、高周波誘導加熱コイル7で加熱する内径300mmの円筒状のグラファイト管5に、縦長のスリット5aを円周方向に等間隔に24個形成したものを用いた点であり、その他、シリコンの種類、形状、数量等は実施例1と全く同一とした。
ここでは、実施例1と同様に最初アルゴンガスを流し、加熱を開始した。実施例1よりも加熱開始初期は電力負荷がかかりにくく、昇温に時間を要した。
シリコンウエハ屑の温度が外周部側から600℃以上に上昇し始めたのを確認した後、原料ガス導入管4からモノシランを370g/分の流量にて通流した。温度が上昇するにつれて、シリコンウエハ屑にも直接電力負荷がかかるようになり、その後の加熱は実施例1より速まった。ここでは、モノシランの通流中、石英ルツボ内の温度を実施例1と同一条件にて制御した。
温度制御開始後、2時間経過後、圧力損失が大きくなり始めたため、モノシランの通流を停止して蓋3を取り外し、石英ルツボ内の未反応のシリコンを落下させて取り除いた後、高周波誘導加熱の電力負荷を増して石英ルツボ内のシリコンをシリコンの融点以上の温度にまで加熱して溶融させ、この溶融したシリコンを下方へ落下させて回収した。
未反応シリコンと回収シリコンそれぞれの重量を測定した結果、モノシランの分解反応により成長したシリコンの重量増加分は27.2kgであることが分かった。また、この回収シリコンの純度は6ナインクラスであり、太陽電池用のシリコンとして十分使える純度レベルであった。
また、消費電力量は重量増加分のシリコン1kg当り6.8kWhであり、実施例1よりさらに電力原単位が改善された。
「実施例3」
実施例3のシリコンの製造方法が、実施例1のシリコンの製造方法と異なる点は、反応容器1として、ハロゲンガスで純化処理を施した内径300mmのグラファイト管にグラファイト製の蓋部を装着したものを用い、このグラファイト管の外周に高周波誘導加熱コイルを配置して、この高周波誘導加熱コイルにより直接グラファイト管を加熱する構成とし、原料用のシリコンとして、太陽電池用のシリコンウエハ屑とポリシリコン破砕品の混合物を用い、反応ガスGとして、トリクロロシランを用いた点である。
まず、グラファイト管に、原料用のシリコンとして、1〜10mmに粉砕したシリコンウエハ屑と、半導体グレードのポリシリコンを1mm以下に粉砕したポリシリコン破砕品とを、それぞれ15kg、計30kg投入した。
次いで、実施例1と同様にして、アルゴンガスを流し、加熱を開始した。
このグラファイト管の表面温度が600℃以上に上昇し始めたのを確認した後、原料ガス導入管4からトリクロロシランを900g/分、及び水素ガスを450NL/分通流した。これらのガスの通流開始後、グラファイト管の内部の温度を実施例1と同じ条件で制御した。
温度制御開始後、4時間経過後、圧力損失が大きくなり始めたため、ガスの通流を停止して蓋3を取り外し、グラファイト管内の未反応のシリコンを落下させて取り除いた後、高周波誘導加熱の電力負荷を増してグラファイト管内のシリコンをシリコンの融点以上の温度にまで加熱して溶融させ、この溶融したシリコンを下方へ落下させて回収した。
未反応シリコンと回収シリコンそれぞれの重量を測定した結果、トリクロロシランの分解反応により成長したシリコンの重量増加分は26.2kgであることが分かった。また、この回収シリコンの純度は炭素(C)の含有率が3ppmと若干高くなったものの、その他の成分については6ナインクラスであり、太陽電池用のシリコンとして十分使える純度レベルであった。
また、消費電力量は重量増加分のシリコン1kg当り13.4kWhであり、シーメンス法との比較において、電力原単位が極めて低いことが確認された。
「実施例4」
実施例4のシリコンの製造方法が、実施例3のシリコンの製造方法と異なる点は、グラファイト管の外周にグラファイトヒータを配置して、このグラファイトヒータにより直接グラファイト管を加熱する構成とし、反応ガスGとして、テトラクロロシランを用いた点である。
実施例1と同様にして、アルゴンガスを流し、加熱を開始した。
このグラファイト管の表面温度が600℃以上に上昇し始めたのを確認した後、原料ガス導入管4からテトラクロロシランを900g/分、及び水素ガスを500NL/分通流した。これらのガスの通流開始後、グラファイト管の内部の温度を実施例1と同じ条件で制御した。
温度制御開始後、5時間経過後、圧力損失が大きくなり始めたため、ガスの通流を停止して蓋3を取り外し、グラファイト管内の未反応のシリコンを落下させて取り除いた後、グラファイトヒータの電力負荷を増してグラファイト管内のシリコンをシリコンの融点以上の温度にまで加熱して溶融させ、この溶融したシリコンを下方へ落下させて回収した。
未反応シリコンと回収シリコンそれぞれの重量を測定した結果、テトラクロロシランの分解反応により成長したシリコンの重量増加分は25.3kgであることが分かった。また、この回収シリコンの純度は炭素(C)の含有率が4ppmと若干高くなったものの、その他の成分については6ナインクラスであり、太陽電池用のシリコンとして十分使える純度レベルであった。
また、消費電力量は重量増加分のシリコン1kg当り16kWhであり、シーメンス法との比較において、電力原単位が極めて低いことが確認された。
本発明の一実施形態のシリコンの製造方法に用いられるシリコンの製造装置を示す横断面図である。 本発明の一実施形態のシリコンの製造方法に用いられるシリコンの製造装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1 反応容器
2 ルツボ本体
2a 開口端
3 蓋部
4 原料ガス導入管
5 グラファイト管
5a スリット
6 アルミナ管
7 高周波誘導加熱コイル
A 原料用シリコン
G 反応ガス

Claims (7)

  1. 筒状体の底部の開口端に蓋部が装着された反応容器に粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンを投入し、
    次いで、このシリコンを1000℃以上かつシリコンの融点以下の温度に加熱し、この加熱されたシリコンに、前記蓋部に設けられた原料ガス導入管によりシラン系ガス、シラン系ガス及び水素ガス、のいずれかの反応ガスを通流させて前記シラン系ガスの分解または還元により生じたシリコンを前記粉末状、塊状あるいはフレーク状のシリコンの表面に成長させ、
    次いで、前記反応容器から前記蓋部を取り外し、前記反応容器内のシリコンをその融点以上の温度にまで加熱することにより溶融、落下させて回収することを特徴とするシリコンの製造方法。
  2. 前記シラン系ガスは、モノシラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシランの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載のシリコンの製造方法。
  3. 前記反応容器を石英製の反応容器とし、
    この反応容器を囲むようにグラファイトを配置し、このグラファイトを高周波誘導加熱により加熱する高周波誘導加熱コイルを配置し、前記グラファイトが発する放射熱により前記反応容器内のシリコンを加熱することを特徴とする請求項1または2記載のシリコンの製造方法。
  4. 前記グラファイトには、前記高周波誘導加熱コイルと略直交する方向にスリットが形成されていることを特徴とする請求項3記載のシリコンの製造方法。
  5. 前記反応容器を石英製の反応容器とし、
    この反応容器を囲むようにグラファイトヒータを配置し、このグラファイトヒータにより前記反応容器内のシリコンを加熱することを特徴とする請求項1または2記載のシリコンの製造方法。
  6. 前記反応容器をグラファイト製の反応容器とし、
    このグラファイト製の反応容器に高周波誘導加熱により加熱する高周波誘導加熱コイルを配置し、前記グラファイト製の反応容器が発する放射熱により該反応容器内のシリコンを加熱することを特徴とする請求項1または2記載のシリコンの製造方法。
  7. 前記反応容器をグラファイト製の反応容器とし、
    この反応容器を囲むようにグラファイトヒータを配置し、このグラファイトヒータにより前記反応容器内のシリコンを加熱することを特徴とする請求項1または2記載のシリコンの製造方法。
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