JP2004125246A - 高純度Siの溶解方法およびこれに用いる溶解装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原料の金属Siをプラズマアークにより溶融する際における最適且つ効率的な高純度Siの溶解方法およびこれに用いる溶解装置を提供する。
【解決手段】Siルツボ3と黒鉛ルツボ4の外周に誘導コイル9を巻き付けた誘導溶解炉2に金属Si(原料Si)を装入し、プラズマアークaにて金属Siを溶解して高純度Siを製造する際、溶解温度を1500℃以上とする、高純度Siの溶解方法。また、Siルツボ3、その外周に配置され且つ軸方向に沿ったスリット6を有する黒鉛ルツボ4、およびその外周側に巻き付けた誘導コイル9からなる誘導溶解炉2と、上記Siルツボ3の上方に配置したプラズマトーチ10と、上記Siルツボ3の開口部の上方を覆い且つ上記トーチ10を貫通させる密閉容器15と、係る容器15の内側に酸素含有ガスを供給するガス供給部16と、を含む、高純度Siの溶解装置1も含まれる。
【選択図】 図1
【解決手段】Siルツボ3と黒鉛ルツボ4の外周に誘導コイル9を巻き付けた誘導溶解炉2に金属Si(原料Si)を装入し、プラズマアークaにて金属Siを溶解して高純度Siを製造する際、溶解温度を1500℃以上とする、高純度Siの溶解方法。また、Siルツボ3、その外周に配置され且つ軸方向に沿ったスリット6を有する黒鉛ルツボ4、およびその外周側に巻き付けた誘導コイル9からなる誘導溶解炉2と、上記Siルツボ3の上方に配置したプラズマトーチ10と、上記Siルツボ3の開口部の上方を覆い且つ上記トーチ10を貫通させる密閉容器15と、係る容器15の内側に酸素含有ガスを供給するガス供給部16と、を含む、高純度Siの溶解装置1も含まれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池のパネルなどに使用される高純度Si(シリコン)の溶解方法およびこれに用いる溶解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池に用いるパネルには、純度が99.9995%(5N5)以上の高純度Siが使用され、係る高純度Siは、原料単価が安価な金属Siから不純物を除去・精製して製造される。係る不純物のうち、Fe,Al,およびCaは、溶融したSiを凝固させる方法により、また、P,Al,およびCaは、溶融したSiを真空中で蒸発処理する方法により除去される。一方、不純物のうち、CおよびBは、最も除去が困難である。
【0003】
【特許文献1】
上記CやBを除去するため、溶融したSi中に酸素を吹き込んだり、あるいは水蒸気や珪酸(SiO2)などの酸化剤を添加して、COガスやBOガスとして除去する酸化処理方法も提案されている(特開平11−49510号公報)。
しかしながら、上記方法で水蒸気などを添加してCやBをCOガスやBOガスとして除去するには、長時間にわたる酸化処理が必要となるため、処理コストが嵩むという問題があった。
【0004】
【特許文献2】
また、金属SiからCやBを経済的に除去するため、図5に示すようなシリコン精製装置30も提案されている(特開平4−228414号公報)。
上記精製装置30は、図5に示すように、シリカ坩堝32および断熱ライニング33からなる容器31、その外周に巻き付けた誘導加熱コイル34、前記容器31の開口部の上方に配置したプラズマトーチ38、および上記容器31の底面下方に配置した水冷電極44を備えている。
上記プラズマトーチ38は、配管43から図5中の矢印で示す不活性ガスを供給され、内部陰極39と上記水冷電極(陽極)44との間で、下向きの開口部41から(移行型)プラズマジェット40および電子線42を放射する。尚、図5に示すように、上記トーチ38と水冷電極44との間には、配線45を介してアーク電源46が導通可能に配置されている。
【0005】
上記容器31内に装入された原料の金属Siは、上記プラズマジェット40および誘導コイル34により励磁される磁界により加熱されて、溶融Si(36)となるが、容器31の底面に設けた開孔35内では凝固Si(37)となって、上記電子線42と水冷電極44との間を導通している。そして、前記プラズマトーチ38には、水蒸気を含む不活性ガスが供給され、係る水蒸気中の酸素が、溶融Si(36)中のCやBを酸化し、COガスやBOガスとして除去している。
しかし、以上のシリコン精製装置30を用いる精製方法では、金属Siを大気圧下で1430℃で溶解しており、溶融Si(36)の湯面に珪酸(SiO2)からなる酸化膜が生成されるため、効率的に精製できない、という問題があった。また、上記不活性ガス中には、0.1〜10vol%の水蒸気が含まれているが、上記酸化処理に必要な酸素を供給しているかについては不明確であった。
【0006】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、原料の金属Siをプラズマアークにより溶融する際における最適且つ効率的な高純度Siの溶解方法およびこれに用いる溶解装置を提供する、ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、溶融Siの湯面に酸化膜が生成しない温度域で溶解すると共に、溶融Si中のCやBを効果的に酸化処理できる酸素濃度の雰囲気下において溶解する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の高純度Siの溶解方法(請求項1)は、外周に誘導コイルを巻き付けた誘導溶解炉に原料Siを装入し、プラズマアークにより前記原料Siを溶解して高純度Siを製造するに際し、溶解温度を1500℃以上とする、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、上記原料Siが溶けて溶融Siとなった際に、係る溶湯Siの湯面に酸化膜(固体酸化珪素:SiO2)が十分に生成しないため、溶融Siに含まれるCやBなどの不純物をCOガスやBOガスなどにして排出できる。従って、前記原料Siを高純度Siに確実に精製することが可能となる。
尚、溶解温度が1500℃未満では、溶融Siの湯面に上記酸化膜が生成されて精製反応が阻害されるため、この範囲を除外したものである。また、上記プラズマアークには、非移行型および移行型プラズマアークの双方が含まれる。
【0009】
また、前記溶解温度は、1520℃〜1650℃である、高純度Siの溶解方法(請求項2)も含まれる。これによれば、溶融Siの湯面に前記酸化膜が確実に生成されず、且つ誘導溶解炉の素材が膨れや脆化を生じることなく、高純度Siの溶解・精製を一層確実に行うことができる。
尚、溶解温度が1520℃未満では、溶融Siの湯面に前記酸化膜が部分的に生成するおそれがあり、一方、1650℃を越えると、前記誘導溶解炉の素材が膨れや脆化を生じるおそれがあるため、上記温度範囲としたものである。
【0010】
更に、本発明には、前記誘導溶解炉内の雰囲気における酸素の濃度を5〜15vol%の範囲にして前記原料Siを溶解する、高純度Siの溶解方法(請求項3)も含まれる。これによれば、溶融Si中に残留するCを5ppm未満とし且つBを1ppm未満とした高純度Siに確実に精製することが可能となる。
尚、上記酸素濃度が5vol%未満で且つ15vol%超の場合には、CやBが上記の微量な範囲を越えて残留するため、係る範囲を除外したものである。
【0011】
一方、本発明の高純度Siの溶解装置(請求項4)は、高純度のSiルツボ、係るSiルツボの外周に配置され且つほぼ軸方向に沿ったスリットを有する黒鉛ルツボ、および係る黒鉛ルツボの外周側に巻き付けた誘導コイルからなる誘導溶解炉と、上記Siルツボの開口部の上方に配置したプラズマトーチと、上記Siルツボの開口部の上方を覆い且つ上記プラズマトーチを貫通させる密閉容器と、係る密閉容器の内側に酸素含有ガスを供給するガス供給部と、を含む、ことを特徴とする。これによれば、原料Siを前記溶解温度で且つ前記酸素濃度の雰囲気下にて溶解し、CやBを微量にした高純度の溶融Siを確実に得ることができる。
【0012】
しかも、上記黒鉛ルツボは、スリットを有するため、上記誘導コイルにより励磁される磁界によって誘導される電流のうち、当該黒鉛ルツボの円周方向に沿った電流を低減できるため、原料Siに上記磁界を集中させてその溶解を迅速に行うことも可能となる。従って、高純度Siの溶湯を効率良く得ることができる。尚、上記プラズマトーチには、非移行型および移行型プラズマアークを放射する双方のタイプのプラズマトーチが含まれる。後者の場合、上記Siルツボの底面側に、水冷式などの陽極を配置する。また、上記スリットは、黒鉛ルツボのほぼ軸方向に沿って少なくとも1つ形成されておれば良い。且つ、係るスリット内には、耐熱性の絶縁材を充填するか、後述する耐火物の一部を充填する。
【0013】
また、本発明には、前記黒鉛ルツボは、底面がなく且つ前記スリットを含む円筒体である、高純度Siの製造装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、黒鉛ルツボは円筒形となるため、前記誘導コイルにより励磁される磁界を更にSiルツボ内の原料Siに集中でき、係る磁界による誘導電流により迅速に溶解できると共に、溶融Siの攪拌を十二分に行うこともできる。
【0014】
更に、本発明には、前記黒鉛ルツボの外周側で且つ前記誘導コイルの内周側には、耐火物が配置されている、高純度Siの製造装置(請求項6)も含まれる。
これによれば、上記Siルツボや黒鉛ルツボからの放熱を防ぎ且つ黒鉛ルツボを含む誘導溶解炉全体を十分に保護することができる。尚、上記耐火物には、MgOやCaOなどのスタンプが用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の高純度Siの溶解装置1を示す概略図である。
この溶解装置1は、図1に示すように、誘導溶解炉2、その上方に配置したプラズマトーチ10、上記誘導溶解炉2の上方を覆う密閉容器15、および係る容器15に酸素を含むガスを供給するガス供給部16を備えている。
図1に示すように、誘導溶解炉2は、内周に位置する有底円筒形で高純度のSiルツボ3と、中間に位置する有底円筒形の黒鉛ルツボ4と、係る黒鉛ルツボ4の側面5および底面7に貼り付けたMgOからなる耐火物8と、これらの外周側に螺旋状に巻き付けた誘導コイル9とからなる。
【0016】
上記Siルツボ3は、本発明の溶解方法の目標となる高純度Siと同じレベル(C<5ppm×B<1ppm)の高純度Siからなる。
また、黒鉛ルツボ4は、図2(A)に示すように、円筒形の側面5に軸方向に沿ったスリット6を有する。係る黒鉛ルツボ4に替えて、図2(B)に示すように、底面7がなく、1つのスリット6を有する全体がほぼ円筒形の黒鉛ルツボ4aを用いることもできる。係るスリット6内には、耐火性の絶縁材が充填される。
図1に示すように、誘導溶解炉2におけるSiルツボ3の開口部の上方には、円筒形の密閉容器15が配置され、係る容器15の天井中央で且つSiルツボ3の開口部の上方には、プラズマトーチ10が貫通して配置されている。
【0017】
係るプラズマトーチ10は、図1に示すように、円筒形の本体11内の中心部に配置したタングステンの棒状陰極12と、その下方に位置する銅製のノズル陽極13と、係る陰極12と陽極13との間を導通するアーク電源14とを備えている。上記陰極12と陽極13との間には、上方の配管17からAr(アルゴン:不活性ガス)およびNH3(アンモニア)の混合ガスが供給され、上記陰極12と陽極13との間に印加される高電圧にて移行型プラズマアークaが放射される。図1に示すように、密閉容器15には、その内側にArおよび酸素(O2)を供給する配管(ガス供給部)16の一端が接続されている。また、密閉容器15の側面からは排出管18が延出し、その先端19は、水封タンク20内の水Wの底面付近に位置している。係る水封タンク20の天井には、排気管22が配置され、その内側にファン24付きモータ26が取り付けてある。
【0018】
以上のような溶解装置1を用いる本発明の溶解方法は、以下の通りである。
誘導溶解炉2のSiルツボ3内に金属Si(原料Si)を装入し且つその上方を密閉容器15で密閉した後、図示しない高周波電源から誘導コイル9に高周波電流を送電すると共に、プラズマトーチ10から(非移行型)プラズマアークaを上記金属Siに放射する。尚、上記トーチ10には、予め配管17からArおよびNH3からなる混合ガスが送給されると共に、配管(ガス供給部)16から密閉容器15内にArおよびO2からなる混合ガスが供給されている。
上記金属Siは、上記プラズマアークaによって加熱される。また、誘導コイル9の周囲にはその軸方向に沿った磁界が励磁され、係る磁界は金属Siを貫通する際に渦電流を誘導することによっても係る金属Siを加熱する。
【0019】
上記プラズマアークaおよび磁界によって加熱された金属Siは、溶解して溶融Siとなる。上記磁界は、係る溶融Siを攪拌する働きも行う。係る攪拌も相まって、図1中に示すように、溶融Si中のCやBは、雰囲気ガス中のO2と酸化反応を生じ、COガスやBOガスとして放出される。係るCOガスやBOガスは、排出管18を経て、水封タンク20内の水W中に溶け込まされる。このうち、COガスは、水中のO2と反応して無害なCO2ガスとなり、上記BOガスと共に排気管22の先端28から外部に放出される。尚、排出管18内への上記各ガスの吸引は、排気管22中のファン24によって行われる。
【0020】
ここで、上記溶融Siの溶解温度を変化させて、当該溶融Siの湯面における酸化膜(SiO2)の生成の有無を観察した。その結果を図3(A)に示した。
図3(A)のグラフに示すように、溶解温度が1500℃未満では、溶融Siの湯面に酸化膜が生成していた。一方、1520〜1560℃の範囲では、酸化膜は生成されなかった。1500以上〜1520℃未満の範囲では、酸化膜は部分的に生成したが、上記COガスやBOガスの放出(精製)には、支障なかった。
更に、溶解温度が1650℃を越えると、図3(A)のグラフに示すように、前記Siルツボ3に膨れが生じたり、耐火物8が脆化する事態が生じた。
以上の結果から、本発明の溶解方法は、溶融Siの溶解温度を1500以上とし、具体的には、1520〜1560℃の温度範囲が推奨される。
【0021】
次いで、前記配管(ガス供給部)16から吹き込むO2の量を変化させ、密閉容器15内における酸素濃度を変化させた場合における各溶融Si中のCおよびBの残留濃度を測定した。尚、密閉容器15内の雰囲気中における酸素濃度の計算には、プラズマトーチ10を経て供給されるArやNH3も算入されている。
上記酸素濃度を3〜20vol%に変化された場合における溶融Si中のCおよびBの残留濃度を図3(B)のグラフに示した。
図3(B)のグラフによれば、Cは、酸素濃度が3〜10vol%に増加する連れて7ppmから4ppm未満に一旦減少したが、10〜20vol%に増加する連れて約9ppmに増加した。係る結果から、溶融Si中のCの望ましい目標値である5ppm未満にするため、酸素濃度を5〜15vol%の範囲内にする必要があることが判明した。
【0022】
一方、Bは、図3(B)のグラフによれば、上記酸素濃度が3〜10vol%に増加する連れて5ppmから1ppm未満に一旦減少したが、10〜20vol%に増加する連れて約8ppmに増加した。係る結果から、溶融Si中のBの望ましい目標値である1ppm未満にするにも、酸素濃度を5〜15vol%の範囲内にする必要があることが判明した。
以上の結果から、本発明の溶解方法において、誘導溶解炉2内の雰囲気ガスにおける酸素濃度を5〜15vol%の範囲内にしたことの有意性が理解されよう。
【0023】
【実施例】
ここで、前記溶解装置1の実施例について、比較例と併せて説明する。
外径160mm×高さ180mm×厚み8mmのSiルツボ3を3個用意した。それらの外側に、厚み12mmで幅2mmのスリット6を有する前記黒鉛ルツボ4、同じ厚みで上記スリット6を有し且つ底面7のない前記黒鉛ルツボ4a、または上記スリット6がなく且つ底面7を有する黒鉛ルツボを個別に配置した。更に、それぞれの外側にMgOからなり厚みが30mmの耐火物8を貼り付け、外周側に同じ誘導コイル9を巻き付けた3種類の誘導溶解炉(2)を製作した。
【0024】
各誘導溶解炉(2)に同じプラズマトーチ10、アーク電源(50V×500A)14、密閉容器15、および配管16,17を配置して、3種類の溶解装置(1)を用意した。このうち、スリット6付きの黒鉛ルツボ4を含むものを実施例1、スリット6を有し且つ底面7のない黒鉛ルツボ4aを含むものを実施例2、スリット6がなく且つ底面7を有する黒鉛ルツボを含むものを比較例とした。
次に、各例の誘導溶解炉(2)のSiルツボ3内に2.5kgの金属Siを装入すると共に、各例の誘導コイル9に対し投入電力を10〜18kWの範囲として高周波電流を調整しつつ通電した。得られた各例の溶融Siにおける各例のSiルツボ3の中心部で且つ湯面の上と湯面の下とにおける磁束密度(G)をそれぞれ測定し、その平均値を算出した。それらの結果を図4(A)のグラフに示した。
【0025】
図4(A)のグラフによれば、投入電力が10〜18kWに増加するに連れて、実施例1では約90Gから100G超に、実施例2では約130Gから150Gに、比較例では約70Gから100Gに上昇していた。
実施例1が比較例よりも常に磁束密度が高いのは、その黒鉛ルツボ4にスリット6があるため、誘導コイル9からの磁界による誘導電流が少なくなった相当分に応じて磁束が増えたものと思われる。また、実施例2が高い磁束密度で推移したのは、その黒鉛ルツボ4aに底面7がなく且つスリット6があるため、内側のSiルツボ3に多くの磁束が通過したためと思われる。
以上の結果から、実施例1,2の溶解装置1の優位性が容易に理解されよう。
【0026】
更に、実施例1,2の溶解装置1と比較例の溶解装置とを用いて、各例の誘導溶解炉(2)のSiルツボ3内に2.5kgの金属Siを装入し、各例の誘導コイル9に同じ高周波電流を通電し且つ各例のプラズマトーチ10に同じ電力を印加すると共に、密閉容器15内の酸素濃度が10vol%に保たれるように各例の配管16から同じ酸素含有ガスを供給した。
各例の金属Si中および得られた溶融Si中におけるC濃度とB濃度との変化を、上記酸素含有ガスの供給時間の経過と共に、図4(B)のグラフに示した。
図4(B)のグラフによれば、当初10ppmのCは、実施例2では60分後に1ppmに低下し、実施例1および比較例では90分後に5ppmに低下した。
【0027】
また、当初10ppmのBは、実施例1,2ではほぼ40分後に1ppmに低下し且つ90分後では約0.1ppmになった。一方、比較例のBは、60分後に1ppm以下となり、90分後では0.3ppmとなった。
実施例2が、Cを迅速に除去し且つBも速く除去できたのは、その黒鉛ルツボ4aに底面7がなく且つスリット6があるため、誘導コイル9からの多くの磁束が溶融Siを通過し且つこれを十分に攪拌した結果による。これにより、溶融SiのCやBをCOガスやBOガスとして速やかに除去したものと思われる。
また、実施例1が比較例よりもBを速く除去できたのは、その黒鉛ルツボ4にスリット6を有るため、磁束が溶融Siを多く通過したことによると思われる。以上の結果から、実施例1,2の溶解装置1の優位性が容易に理解されよう。
【0028】
本発明は、以上に説明した実施の形態や実施例に限定されるものではない。
例えば、前記黒鉛ルツボ4,4aのスリット6内には、耐熱性の絶縁物を充填する他、前記耐火物8の一部を突出させても良い。且つ、スリット6は、黒鉛ルツボ4,4aの軸方向に対し、多少の傾斜したりカーブしていても良い。
また、黒鉛ルツボ4,4aの周囲または前記耐火物8の周りには、冷却水が循環する水冷部を配置しても良い。
更に、前記プラズマトーチ10は棒状陰極12のみを内蔵し、アーク電源14と接続する陽極を、誘導溶解炉2のSiルツボ3の底面に冷却可能に配置しても良い。これにより、移行型のプラズマアークaを放射することができる。
また、ガス供給部である前記配管16は、プラズマトーチ10に不活性ガスを送る配管17と一本化し、係るガス供給部を兼ねる配管17から所要量の酸素を密閉容器15内に供給することも可能である。
【0029】
更に、前記密閉容器15内に光ファイバの先端を配置し且つその後端に温度センサまたは放射温度計を配置しても良い。これにより、誘導溶解炉2内の溶融Siの溶解温度を、前記1500℃以上の前記温度域に保つことが容易となる。
また、前記密閉容器15内に酸素センサを配置し且つガス供給部である前記配管16中に例えば開度調整バルブを配置しても良い。これにより、誘導溶解炉2内の酸素濃度を前記5〜15vol%の範囲内に自動的に保つことが可能となる。
更に、上記溶解温度や酸素濃度を含め、前記プラズマトーチ10のアーク電源14の電力や誘導コイル9への高周波電流の通電などを時間的に設定したプログラムを含む自動制御手段によってコントロールすることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の高純度Siの溶解方法(請求項1,2)によれば、原料Siが溶融Siとなった際に、その湯面に酸化膜が十分に生成せず、溶融Si中のCやBなどの不純物をCOガスやBOガスなどにして排出できるため、原料Siを高純度Siに確実に精製することが可能となる。
また、請求項2の溶解方法によれば、溶融Siの湯面に酸化膜が生成せず且つ誘導溶解炉の素材が膨れや脆化を生じずに、確実に精製することができる。
更に、請求項3の溶解方法によれば、溶融Si中のCを5ppm未満とし且つBを1ppm未満とした高純度Siに確実に精製することが可能となる。
【0031】
一方、本発明の高純度Siの溶解装置(請求項4)によれば、CやBを微量にした高純度の溶融Siを確実に得ることができる。しかも、黒鉛ルツボは、前記スリットを有するため、上記誘導コイルにより誘導される電流のうち、当該黒鉛ルツボの円周方向に沿った電流を低減できるため、原料Siに上記磁界を集中させてその溶解を迅速行うことも可能となる。
また、請求項5の溶解装置によれば、黒鉛ルツボは底面のない円筒形で、前記誘導コイルにより励磁される磁界を更にSiルツボ内の原料Siに集中できるため、係る磁界により誘導される電流により迅速に溶解できると共に、溶融Siの攪拌を十二分に行うこともできる。
加えて、請求項6の溶解装置によれば、耐火物によりSiルツボとスリット付き黒鉛ルツボからの放熱を防ぎ、且つこれらを十分に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶解装置を示す概略図。
【図2】(A)は図1の溶解装置に用いる黒鉛ルツボの斜視図、(B)は異なる形態の黒鉛ルツボを示す斜視図。
【図3】(A)は本発明の溶解方法における溶融Siの溶解温度に伴う変化を示すグラフ、(B)は溶融Si中におけるCおよびBの濃度と雰囲気ガス中の酸素濃度との関係を示すグラフ。
【図4】(A)は実施例と比較例の溶解装置におけるコイル投入電力と溶融Siの中心部の磁束密度との関係を示すグラフ、(B)は各例の溶解装置における酸素含有ガスの供給時間と溶融Si中におけるCおよびBの濃度との関係を示すグラフ。
【図5】従来のシリコン精製装置を示す概略図。
【符号の説明】
1…………高純度Siの溶解装置
2…………誘導溶解炉
3…………Siルツボ
4,4a…黒鉛ルツボ
6…………スリット
7…………底面
8…………耐火物
9…………誘導コイル
10………プラズマトーチ
15………密閉容器
16………配管(ガス供給部)
a…………プラズマアーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池のパネルなどに使用される高純度Si(シリコン)の溶解方法およびこれに用いる溶解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池に用いるパネルには、純度が99.9995%(5N5)以上の高純度Siが使用され、係る高純度Siは、原料単価が安価な金属Siから不純物を除去・精製して製造される。係る不純物のうち、Fe,Al,およびCaは、溶融したSiを凝固させる方法により、また、P,Al,およびCaは、溶融したSiを真空中で蒸発処理する方法により除去される。一方、不純物のうち、CおよびBは、最も除去が困難である。
【0003】
【特許文献1】
上記CやBを除去するため、溶融したSi中に酸素を吹き込んだり、あるいは水蒸気や珪酸(SiO2)などの酸化剤を添加して、COガスやBOガスとして除去する酸化処理方法も提案されている(特開平11−49510号公報)。
しかしながら、上記方法で水蒸気などを添加してCやBをCOガスやBOガスとして除去するには、長時間にわたる酸化処理が必要となるため、処理コストが嵩むという問題があった。
【0004】
【特許文献2】
また、金属SiからCやBを経済的に除去するため、図5に示すようなシリコン精製装置30も提案されている(特開平4−228414号公報)。
上記精製装置30は、図5に示すように、シリカ坩堝32および断熱ライニング33からなる容器31、その外周に巻き付けた誘導加熱コイル34、前記容器31の開口部の上方に配置したプラズマトーチ38、および上記容器31の底面下方に配置した水冷電極44を備えている。
上記プラズマトーチ38は、配管43から図5中の矢印で示す不活性ガスを供給され、内部陰極39と上記水冷電極(陽極)44との間で、下向きの開口部41から(移行型)プラズマジェット40および電子線42を放射する。尚、図5に示すように、上記トーチ38と水冷電極44との間には、配線45を介してアーク電源46が導通可能に配置されている。
【0005】
上記容器31内に装入された原料の金属Siは、上記プラズマジェット40および誘導コイル34により励磁される磁界により加熱されて、溶融Si(36)となるが、容器31の底面に設けた開孔35内では凝固Si(37)となって、上記電子線42と水冷電極44との間を導通している。そして、前記プラズマトーチ38には、水蒸気を含む不活性ガスが供給され、係る水蒸気中の酸素が、溶融Si(36)中のCやBを酸化し、COガスやBOガスとして除去している。
しかし、以上のシリコン精製装置30を用いる精製方法では、金属Siを大気圧下で1430℃で溶解しており、溶融Si(36)の湯面に珪酸(SiO2)からなる酸化膜が生成されるため、効率的に精製できない、という問題があった。また、上記不活性ガス中には、0.1〜10vol%の水蒸気が含まれているが、上記酸化処理に必要な酸素を供給しているかについては不明確であった。
【0006】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、原料の金属Siをプラズマアークにより溶融する際における最適且つ効率的な高純度Siの溶解方法およびこれに用いる溶解装置を提供する、ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、溶融Siの湯面に酸化膜が生成しない温度域で溶解すると共に、溶融Si中のCやBを効果的に酸化処理できる酸素濃度の雰囲気下において溶解する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の高純度Siの溶解方法(請求項1)は、外周に誘導コイルを巻き付けた誘導溶解炉に原料Siを装入し、プラズマアークにより前記原料Siを溶解して高純度Siを製造するに際し、溶解温度を1500℃以上とする、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、上記原料Siが溶けて溶融Siとなった際に、係る溶湯Siの湯面に酸化膜(固体酸化珪素:SiO2)が十分に生成しないため、溶融Siに含まれるCやBなどの不純物をCOガスやBOガスなどにして排出できる。従って、前記原料Siを高純度Siに確実に精製することが可能となる。
尚、溶解温度が1500℃未満では、溶融Siの湯面に上記酸化膜が生成されて精製反応が阻害されるため、この範囲を除外したものである。また、上記プラズマアークには、非移行型および移行型プラズマアークの双方が含まれる。
【0009】
また、前記溶解温度は、1520℃〜1650℃である、高純度Siの溶解方法(請求項2)も含まれる。これによれば、溶融Siの湯面に前記酸化膜が確実に生成されず、且つ誘導溶解炉の素材が膨れや脆化を生じることなく、高純度Siの溶解・精製を一層確実に行うことができる。
尚、溶解温度が1520℃未満では、溶融Siの湯面に前記酸化膜が部分的に生成するおそれがあり、一方、1650℃を越えると、前記誘導溶解炉の素材が膨れや脆化を生じるおそれがあるため、上記温度範囲としたものである。
【0010】
更に、本発明には、前記誘導溶解炉内の雰囲気における酸素の濃度を5〜15vol%の範囲にして前記原料Siを溶解する、高純度Siの溶解方法(請求項3)も含まれる。これによれば、溶融Si中に残留するCを5ppm未満とし且つBを1ppm未満とした高純度Siに確実に精製することが可能となる。
尚、上記酸素濃度が5vol%未満で且つ15vol%超の場合には、CやBが上記の微量な範囲を越えて残留するため、係る範囲を除外したものである。
【0011】
一方、本発明の高純度Siの溶解装置(請求項4)は、高純度のSiルツボ、係るSiルツボの外周に配置され且つほぼ軸方向に沿ったスリットを有する黒鉛ルツボ、および係る黒鉛ルツボの外周側に巻き付けた誘導コイルからなる誘導溶解炉と、上記Siルツボの開口部の上方に配置したプラズマトーチと、上記Siルツボの開口部の上方を覆い且つ上記プラズマトーチを貫通させる密閉容器と、係る密閉容器の内側に酸素含有ガスを供給するガス供給部と、を含む、ことを特徴とする。これによれば、原料Siを前記溶解温度で且つ前記酸素濃度の雰囲気下にて溶解し、CやBを微量にした高純度の溶融Siを確実に得ることができる。
【0012】
しかも、上記黒鉛ルツボは、スリットを有するため、上記誘導コイルにより励磁される磁界によって誘導される電流のうち、当該黒鉛ルツボの円周方向に沿った電流を低減できるため、原料Siに上記磁界を集中させてその溶解を迅速に行うことも可能となる。従って、高純度Siの溶湯を効率良く得ることができる。尚、上記プラズマトーチには、非移行型および移行型プラズマアークを放射する双方のタイプのプラズマトーチが含まれる。後者の場合、上記Siルツボの底面側に、水冷式などの陽極を配置する。また、上記スリットは、黒鉛ルツボのほぼ軸方向に沿って少なくとも1つ形成されておれば良い。且つ、係るスリット内には、耐熱性の絶縁材を充填するか、後述する耐火物の一部を充填する。
【0013】
また、本発明には、前記黒鉛ルツボは、底面がなく且つ前記スリットを含む円筒体である、高純度Siの製造装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、黒鉛ルツボは円筒形となるため、前記誘導コイルにより励磁される磁界を更にSiルツボ内の原料Siに集中でき、係る磁界による誘導電流により迅速に溶解できると共に、溶融Siの攪拌を十二分に行うこともできる。
【0014】
更に、本発明には、前記黒鉛ルツボの外周側で且つ前記誘導コイルの内周側には、耐火物が配置されている、高純度Siの製造装置(請求項6)も含まれる。
これによれば、上記Siルツボや黒鉛ルツボからの放熱を防ぎ且つ黒鉛ルツボを含む誘導溶解炉全体を十分に保護することができる。尚、上記耐火物には、MgOやCaOなどのスタンプが用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の高純度Siの溶解装置1を示す概略図である。
この溶解装置1は、図1に示すように、誘導溶解炉2、その上方に配置したプラズマトーチ10、上記誘導溶解炉2の上方を覆う密閉容器15、および係る容器15に酸素を含むガスを供給するガス供給部16を備えている。
図1に示すように、誘導溶解炉2は、内周に位置する有底円筒形で高純度のSiルツボ3と、中間に位置する有底円筒形の黒鉛ルツボ4と、係る黒鉛ルツボ4の側面5および底面7に貼り付けたMgOからなる耐火物8と、これらの外周側に螺旋状に巻き付けた誘導コイル9とからなる。
【0016】
上記Siルツボ3は、本発明の溶解方法の目標となる高純度Siと同じレベル(C<5ppm×B<1ppm)の高純度Siからなる。
また、黒鉛ルツボ4は、図2(A)に示すように、円筒形の側面5に軸方向に沿ったスリット6を有する。係る黒鉛ルツボ4に替えて、図2(B)に示すように、底面7がなく、1つのスリット6を有する全体がほぼ円筒形の黒鉛ルツボ4aを用いることもできる。係るスリット6内には、耐火性の絶縁材が充填される。
図1に示すように、誘導溶解炉2におけるSiルツボ3の開口部の上方には、円筒形の密閉容器15が配置され、係る容器15の天井中央で且つSiルツボ3の開口部の上方には、プラズマトーチ10が貫通して配置されている。
【0017】
係るプラズマトーチ10は、図1に示すように、円筒形の本体11内の中心部に配置したタングステンの棒状陰極12と、その下方に位置する銅製のノズル陽極13と、係る陰極12と陽極13との間を導通するアーク電源14とを備えている。上記陰極12と陽極13との間には、上方の配管17からAr(アルゴン:不活性ガス)およびNH3(アンモニア)の混合ガスが供給され、上記陰極12と陽極13との間に印加される高電圧にて移行型プラズマアークaが放射される。図1に示すように、密閉容器15には、その内側にArおよび酸素(O2)を供給する配管(ガス供給部)16の一端が接続されている。また、密閉容器15の側面からは排出管18が延出し、その先端19は、水封タンク20内の水Wの底面付近に位置している。係る水封タンク20の天井には、排気管22が配置され、その内側にファン24付きモータ26が取り付けてある。
【0018】
以上のような溶解装置1を用いる本発明の溶解方法は、以下の通りである。
誘導溶解炉2のSiルツボ3内に金属Si(原料Si)を装入し且つその上方を密閉容器15で密閉した後、図示しない高周波電源から誘導コイル9に高周波電流を送電すると共に、プラズマトーチ10から(非移行型)プラズマアークaを上記金属Siに放射する。尚、上記トーチ10には、予め配管17からArおよびNH3からなる混合ガスが送給されると共に、配管(ガス供給部)16から密閉容器15内にArおよびO2からなる混合ガスが供給されている。
上記金属Siは、上記プラズマアークaによって加熱される。また、誘導コイル9の周囲にはその軸方向に沿った磁界が励磁され、係る磁界は金属Siを貫通する際に渦電流を誘導することによっても係る金属Siを加熱する。
【0019】
上記プラズマアークaおよび磁界によって加熱された金属Siは、溶解して溶融Siとなる。上記磁界は、係る溶融Siを攪拌する働きも行う。係る攪拌も相まって、図1中に示すように、溶融Si中のCやBは、雰囲気ガス中のO2と酸化反応を生じ、COガスやBOガスとして放出される。係るCOガスやBOガスは、排出管18を経て、水封タンク20内の水W中に溶け込まされる。このうち、COガスは、水中のO2と反応して無害なCO2ガスとなり、上記BOガスと共に排気管22の先端28から外部に放出される。尚、排出管18内への上記各ガスの吸引は、排気管22中のファン24によって行われる。
【0020】
ここで、上記溶融Siの溶解温度を変化させて、当該溶融Siの湯面における酸化膜(SiO2)の生成の有無を観察した。その結果を図3(A)に示した。
図3(A)のグラフに示すように、溶解温度が1500℃未満では、溶融Siの湯面に酸化膜が生成していた。一方、1520〜1560℃の範囲では、酸化膜は生成されなかった。1500以上〜1520℃未満の範囲では、酸化膜は部分的に生成したが、上記COガスやBOガスの放出(精製)には、支障なかった。
更に、溶解温度が1650℃を越えると、図3(A)のグラフに示すように、前記Siルツボ3に膨れが生じたり、耐火物8が脆化する事態が生じた。
以上の結果から、本発明の溶解方法は、溶融Siの溶解温度を1500以上とし、具体的には、1520〜1560℃の温度範囲が推奨される。
【0021】
次いで、前記配管(ガス供給部)16から吹き込むO2の量を変化させ、密閉容器15内における酸素濃度を変化させた場合における各溶融Si中のCおよびBの残留濃度を測定した。尚、密閉容器15内の雰囲気中における酸素濃度の計算には、プラズマトーチ10を経て供給されるArやNH3も算入されている。
上記酸素濃度を3〜20vol%に変化された場合における溶融Si中のCおよびBの残留濃度を図3(B)のグラフに示した。
図3(B)のグラフによれば、Cは、酸素濃度が3〜10vol%に増加する連れて7ppmから4ppm未満に一旦減少したが、10〜20vol%に増加する連れて約9ppmに増加した。係る結果から、溶融Si中のCの望ましい目標値である5ppm未満にするため、酸素濃度を5〜15vol%の範囲内にする必要があることが判明した。
【0022】
一方、Bは、図3(B)のグラフによれば、上記酸素濃度が3〜10vol%に増加する連れて5ppmから1ppm未満に一旦減少したが、10〜20vol%に増加する連れて約8ppmに増加した。係る結果から、溶融Si中のBの望ましい目標値である1ppm未満にするにも、酸素濃度を5〜15vol%の範囲内にする必要があることが判明した。
以上の結果から、本発明の溶解方法において、誘導溶解炉2内の雰囲気ガスにおける酸素濃度を5〜15vol%の範囲内にしたことの有意性が理解されよう。
【0023】
【実施例】
ここで、前記溶解装置1の実施例について、比較例と併せて説明する。
外径160mm×高さ180mm×厚み8mmのSiルツボ3を3個用意した。それらの外側に、厚み12mmで幅2mmのスリット6を有する前記黒鉛ルツボ4、同じ厚みで上記スリット6を有し且つ底面7のない前記黒鉛ルツボ4a、または上記スリット6がなく且つ底面7を有する黒鉛ルツボを個別に配置した。更に、それぞれの外側にMgOからなり厚みが30mmの耐火物8を貼り付け、外周側に同じ誘導コイル9を巻き付けた3種類の誘導溶解炉(2)を製作した。
【0024】
各誘導溶解炉(2)に同じプラズマトーチ10、アーク電源(50V×500A)14、密閉容器15、および配管16,17を配置して、3種類の溶解装置(1)を用意した。このうち、スリット6付きの黒鉛ルツボ4を含むものを実施例1、スリット6を有し且つ底面7のない黒鉛ルツボ4aを含むものを実施例2、スリット6がなく且つ底面7を有する黒鉛ルツボを含むものを比較例とした。
次に、各例の誘導溶解炉(2)のSiルツボ3内に2.5kgの金属Siを装入すると共に、各例の誘導コイル9に対し投入電力を10〜18kWの範囲として高周波電流を調整しつつ通電した。得られた各例の溶融Siにおける各例のSiルツボ3の中心部で且つ湯面の上と湯面の下とにおける磁束密度(G)をそれぞれ測定し、その平均値を算出した。それらの結果を図4(A)のグラフに示した。
【0025】
図4(A)のグラフによれば、投入電力が10〜18kWに増加するに連れて、実施例1では約90Gから100G超に、実施例2では約130Gから150Gに、比較例では約70Gから100Gに上昇していた。
実施例1が比較例よりも常に磁束密度が高いのは、その黒鉛ルツボ4にスリット6があるため、誘導コイル9からの磁界による誘導電流が少なくなった相当分に応じて磁束が増えたものと思われる。また、実施例2が高い磁束密度で推移したのは、その黒鉛ルツボ4aに底面7がなく且つスリット6があるため、内側のSiルツボ3に多くの磁束が通過したためと思われる。
以上の結果から、実施例1,2の溶解装置1の優位性が容易に理解されよう。
【0026】
更に、実施例1,2の溶解装置1と比較例の溶解装置とを用いて、各例の誘導溶解炉(2)のSiルツボ3内に2.5kgの金属Siを装入し、各例の誘導コイル9に同じ高周波電流を通電し且つ各例のプラズマトーチ10に同じ電力を印加すると共に、密閉容器15内の酸素濃度が10vol%に保たれるように各例の配管16から同じ酸素含有ガスを供給した。
各例の金属Si中および得られた溶融Si中におけるC濃度とB濃度との変化を、上記酸素含有ガスの供給時間の経過と共に、図4(B)のグラフに示した。
図4(B)のグラフによれば、当初10ppmのCは、実施例2では60分後に1ppmに低下し、実施例1および比較例では90分後に5ppmに低下した。
【0027】
また、当初10ppmのBは、実施例1,2ではほぼ40分後に1ppmに低下し且つ90分後では約0.1ppmになった。一方、比較例のBは、60分後に1ppm以下となり、90分後では0.3ppmとなった。
実施例2が、Cを迅速に除去し且つBも速く除去できたのは、その黒鉛ルツボ4aに底面7がなく且つスリット6があるため、誘導コイル9からの多くの磁束が溶融Siを通過し且つこれを十分に攪拌した結果による。これにより、溶融SiのCやBをCOガスやBOガスとして速やかに除去したものと思われる。
また、実施例1が比較例よりもBを速く除去できたのは、その黒鉛ルツボ4にスリット6を有るため、磁束が溶融Siを多く通過したことによると思われる。以上の結果から、実施例1,2の溶解装置1の優位性が容易に理解されよう。
【0028】
本発明は、以上に説明した実施の形態や実施例に限定されるものではない。
例えば、前記黒鉛ルツボ4,4aのスリット6内には、耐熱性の絶縁物を充填する他、前記耐火物8の一部を突出させても良い。且つ、スリット6は、黒鉛ルツボ4,4aの軸方向に対し、多少の傾斜したりカーブしていても良い。
また、黒鉛ルツボ4,4aの周囲または前記耐火物8の周りには、冷却水が循環する水冷部を配置しても良い。
更に、前記プラズマトーチ10は棒状陰極12のみを内蔵し、アーク電源14と接続する陽極を、誘導溶解炉2のSiルツボ3の底面に冷却可能に配置しても良い。これにより、移行型のプラズマアークaを放射することができる。
また、ガス供給部である前記配管16は、プラズマトーチ10に不活性ガスを送る配管17と一本化し、係るガス供給部を兼ねる配管17から所要量の酸素を密閉容器15内に供給することも可能である。
【0029】
更に、前記密閉容器15内に光ファイバの先端を配置し且つその後端に温度センサまたは放射温度計を配置しても良い。これにより、誘導溶解炉2内の溶融Siの溶解温度を、前記1500℃以上の前記温度域に保つことが容易となる。
また、前記密閉容器15内に酸素センサを配置し且つガス供給部である前記配管16中に例えば開度調整バルブを配置しても良い。これにより、誘導溶解炉2内の酸素濃度を前記5〜15vol%の範囲内に自動的に保つことが可能となる。
更に、上記溶解温度や酸素濃度を含め、前記プラズマトーチ10のアーク電源14の電力や誘導コイル9への高周波電流の通電などを時間的に設定したプログラムを含む自動制御手段によってコントロールすることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の高純度Siの溶解方法(請求項1,2)によれば、原料Siが溶融Siとなった際に、その湯面に酸化膜が十分に生成せず、溶融Si中のCやBなどの不純物をCOガスやBOガスなどにして排出できるため、原料Siを高純度Siに確実に精製することが可能となる。
また、請求項2の溶解方法によれば、溶融Siの湯面に酸化膜が生成せず且つ誘導溶解炉の素材が膨れや脆化を生じずに、確実に精製することができる。
更に、請求項3の溶解方法によれば、溶融Si中のCを5ppm未満とし且つBを1ppm未満とした高純度Siに確実に精製することが可能となる。
【0031】
一方、本発明の高純度Siの溶解装置(請求項4)によれば、CやBを微量にした高純度の溶融Siを確実に得ることができる。しかも、黒鉛ルツボは、前記スリットを有するため、上記誘導コイルにより誘導される電流のうち、当該黒鉛ルツボの円周方向に沿った電流を低減できるため、原料Siに上記磁界を集中させてその溶解を迅速行うことも可能となる。
また、請求項5の溶解装置によれば、黒鉛ルツボは底面のない円筒形で、前記誘導コイルにより励磁される磁界を更にSiルツボ内の原料Siに集中できるため、係る磁界により誘導される電流により迅速に溶解できると共に、溶融Siの攪拌を十二分に行うこともできる。
加えて、請求項6の溶解装置によれば、耐火物によりSiルツボとスリット付き黒鉛ルツボからの放熱を防ぎ、且つこれらを十分に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶解装置を示す概略図。
【図2】(A)は図1の溶解装置に用いる黒鉛ルツボの斜視図、(B)は異なる形態の黒鉛ルツボを示す斜視図。
【図3】(A)は本発明の溶解方法における溶融Siの溶解温度に伴う変化を示すグラフ、(B)は溶融Si中におけるCおよびBの濃度と雰囲気ガス中の酸素濃度との関係を示すグラフ。
【図4】(A)は実施例と比較例の溶解装置におけるコイル投入電力と溶融Siの中心部の磁束密度との関係を示すグラフ、(B)は各例の溶解装置における酸素含有ガスの供給時間と溶融Si中におけるCおよびBの濃度との関係を示すグラフ。
【図5】従来のシリコン精製装置を示す概略図。
【符号の説明】
1…………高純度Siの溶解装置
2…………誘導溶解炉
3…………Siルツボ
4,4a…黒鉛ルツボ
6…………スリット
7…………底面
8…………耐火物
9…………誘導コイル
10………プラズマトーチ
15………密閉容器
16………配管(ガス供給部)
a…………プラズマアーク
Claims (6)
- 外周に誘導コイルを巻き付けた誘導溶解炉に原料Siを装入し、プラズマアークにより上記原料Siを溶解して高純度Siを製造するに際し、溶解温度を1500℃以上とする、
ことを特徴とする高純度Siの溶解方法。 - 前記溶解温度は、1520℃〜1650℃である、
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度Siの溶解方法。 - 前記誘導溶解炉内の雰囲気における酸素の濃度を5〜15vol%の範囲にして前記原料Siを溶解する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高純度Siの溶解方法。 - 高純度のSiルツボ、係るSiルツボの外周に配置され且つほぼ軸方向に沿ったスリットを有する黒鉛ルツボ、および黒鉛ルツボの外周側に巻き付けた誘導コイルからなる誘導溶解炉と、
上記Siルツボの開口部の上方に配置したプラズマトーチと、
上記Siルツボの開口部の上方を覆い且つ上記プラズマトーチを貫通させる密閉容器と、
上記密閉容器の内側に酸素含有ガスを供給するガス供給部と、を含む、
ことを特徴とする高純度Siの溶解装置。 - 前記黒鉛ルツボは、底面がなく且つ前記スリットを含む円筒体である、ことを特徴とする請求項4に記載の高純度Siの溶解装置。
- 前記黒鉛ルツボの外周側で且つ前記誘導コイルの内周側には、耐火物が配置されている、
ことを特徴とする請求項4または5に記載の高純度Siの溶解装置。
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