JP2008181122A - 電子写真用トナーバインダーおよびトナー - Google Patents

電子写真用トナーバインダーおよびトナー Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性、耐ホットオフセット性、および画像安定性に優れた電子写真用トナー並びにこれに用いるトナーバインダーを提供する。
【解決手段】スチレン(共)重合体を含有するトナーバインダーにおいて、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおける分子量2.5万未満の成分を成分(P)、2.5万以上30万以下の成分を成分(Q)、30万より大きい成分を成分(R)としたときに、成分(P)の酸価[AV(P)]が9〜30、成分(Q)の酸価[AV(Q)]が2〜26、成分(R)の酸価[AV(R)]が0〜6であり、かつAV(P)、AV(Q)およびAV(R)が下記の関係を満たす電子写真用トナーバインダーである。AV(P)>AV(Q)>AV(R)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられるトナーおよびこれに用いられる電子写真用トナーバインダーに関する。
電子写真において、トナーで可視化された静電潜像を定着するのにヒートローラーを用いる方式が広く採用されている。
この方式を用いた場合、トナーの最低定着温度(定着率70%が得られるヒートローラーの最低温度)が低く(優れた低温定着性)、ホットオフセット温度(ホットオフセットが発生するヒートローラーの最低温度)が高いこと(優れた耐ホットオフセット性)が望まれる。また、長時間使用しても鮮明な画像を得られること(優れた画像安定性)が望まれている。これらの要望を満足させるために、トナーバインダーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲としたり、酸価付与の仕方を調整することが提唱されている(特許文献1および2参照)。
米国特許5518848号明細書(対応国際出願パンフレットWO93/13461) 特開平9−127722号公報
しかしながら、分子量を低分子量から高分子量にわたる広範囲のものにしたり、酸価付与の仕方を調整しただけでは、十分な低温定着性、耐ホットオフセット性および画像安定性は得られない。本発明の目的は、低温定着性、耐ホットオフセット性および画像安定性に優れた電子写真用トナー並びにこれに用いるトナーバインダーを提供することである。
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、スチレン(共)重合体を含有するトナーバインダーにおいて、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおける分子量2.5万未満の成分を成分(P)、2.5万以上30万以下の成分を成分(Q)、30万より大きい成分を成分(R)としたときに、成分(P)の酸価[AV(P)]が9〜30、成分(Q)の酸価[AV(Q)]が2〜26、成分(R)の酸価[AV(R)]が0〜6であり、かつAV(P)、AV(Q)およびAV(R)が下記式(1)の関係を満たす電子写真用トナーバインダー;並びにこの電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有するトナーである。
なお、成分(P)、成分(Q)および成分(R)は、トナーバインダー中に、スチレン(共)重合体のみを含有する場合、それぞれの成分はスチレン(共)重合体を意味する。一方、トナーバインダー中に、スチレン(共)重合体、並びにその他の樹脂及び/又は離型剤(G)を含有する場合、それぞれの成分はこれらの混合物を意味する。
AV(P)>AV(Q)>AV(R) (1)
本発明の電子写真用トナーバインダーは、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性および画像安定性をもつ電子写真用トナーを容易に得ることができる。
本発明の電子写真用トナーは、上記のトナーバインダーを含むので、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性および画像安定性を発揮する。さらに、優れた貯蔵安定性をもつ。
ゲルパーミエーションクロマトグラムにおける分子量2.5万未満の成分(P)、2.5万以上30万以下の成分(Q)、30万より大きい成分(R)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により以下の条件またはこれと同等の条件により分取して、酸価を測定することができる。
酸価は、JIS K0070−1992に準拠して測定される(電位差滴定法)。
なお、以下、「%」は、定着率(%)を除き、特記しない限り「重量%」を意味する。
装置 :日本分析工業株式会社製LC−09型
カラム:JAIGEL−1H、JAIGEL−3HおよびLS−255(東ソー株式会社製)を直列に接続したカラム
測定温度 :25℃
試料溶液 :2%のクロロホルム溶液
溶液注入量 :3.5ml
検出装置 :屈折率検出器
成分(P)の酸価[AV(P)]は、9〜30であり、好ましくは10〜25、さらに好ましくは12〜20である。
成分(Q)の酸価[AV(Q)]は、2〜26であり、好ましくは2〜20、さらに好ましくは3〜15である。
成分(R)の酸価[AV(R)]は、0〜6であり、好ましくは0〜4、さらに好ましくはおよび0〜3である。
これらの範囲であると、トナーにしたときの画像安定性、低温定着性および耐ホットオフセット性がさらによくなる。
成分(P)の含有量は、成分(P)、成分(Q)および成分(R)の重量に基づいて、45〜70%が好ましく、さらに好ましくは48〜68%、特に好ましくは50〜65%である。
成分(Q)の含有量は、成分(P)、成分(Q)および成分(R)の重量に基づいて、5〜30%が好ましく、さらに好ましくは7〜27%、特に好ましくは10〜25%である。
成分(R)の含有量は、成分(P)、成分(Q)および成分(R)の重量に基づいて、7〜45%が好ましく、さらに好ましくは8〜42%、特に好ましくは10〜40%である。
本発明のトナーバインダーは、例えば、スチレン共重合体(A)、スチレン共重合体(B)、スチレン(共)重合体(C)、および必要により他のスチレン(共)重合体(D)を含有することが好ましい。
スチレン共重合体(A):3000〜2万(低温定着性の観点から、好ましくは3500〜1.9万、さらに好ましくは4000〜1.8万である。)の重量平均分子量を有し、酸価[AV(A)]が10〜30(11〜25が好ましく、さらに好ましくは12〜20)である共重合体。
スチレン共重合体(B):3万〜20万(スチレン共重合体(A)とスチレン(共)重合体(C)との混合性をよくし、トナーバインダーの強靭性を高めるため、好ましくは3.5万〜15万、さらに好ましくは4万〜12万、特に好ましくは5万〜10万である。)の重量平均分子量を有し、酸価[AV(B)]が3〜25(4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜15)である共重合体。
酸価[AV(B)]は、0.3×〔AV(A)+AV(C)〕〜0.7×〔AV(A)+AV(C)〕が好ましく、さらに好ましくは0.325×〔AV(A)+AV(C)〕〜0.69×〔AV(A)+AV(C)〕、とくに好ましくは0.35×〔AV(A)+AV(C)〕〜0.68×〔AV(A)+AV(C)〕である。この範囲に設計すると、トナーにしたときの画像安定性がさらに良好となる。
この理由としては、AV(A)、AV(B)、およびAV(C)を上記および下記の範囲とし、酸価[AV(B)]を酸価[AV(A)]と酸価[AV(C)]の間、とくに中間付近にすることにより、スチレン(共)重合体(A)、(B)および(C)の均一性がさらに良好となり、この結果、長時間使用したときの微小トナーの発生が抑えられるためではないかと考えられる。
スチレン(共)重合体(C):40万〜120万(トナーバインダーの耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは45万〜110万、さらに好ましくは50万〜100万、特に好ましくは60万〜90万である。)の重量平均分子量し、酸価[AV(C)]が0〜5(0〜4が好ましく、さらに好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜2)である(共)重合体。
他のスチレン(共)重合体(D):スチレン(共)重合体(A)〜(C)以外のスチレン(共)重合体。酸価[AV(D)]は、0〜3が好ましく、さらに好ましくは0〜2.5、とくに好ましくは0〜2である。重量平均分子量は、トナーバインダーの低温定着性や強靭性を高めるため、好ましくは3000〜20万、さらに好ましくは3500〜15万、とくに好ましくは4000〜10万である。
ただし、AV(A)、AV(B)、およびAV(C)は、下記式(2)の関係を満たす。
AV(A)>AV(B)>AV(C) (2)
ここで、「(共)重合体」とは、「単独重合体」または「共重合体」を意味し、「スチレン(共)重合体」とは、「スチレンモノマーの単独重合体」または「スチレンモノマーと他のモノマーの共重合体」を意味する。
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、以下の条件またはこれと同等の条件で測定される。
装 置 :東ソー株式会社製 HLC−8220
カ ラ ム:TSKgel SuperMultiporeHZ−M(東ソー株式会社製)を3本直列に接続したカラム
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量:10μl
検出装置 :屈折率検出器
標準物質 :東ソー株式会社製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量500、1050、2800、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)
スチレン共重合体(A)、(B)を構成するモノマーとしては、スチレンモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー〔とくに、(メタ)アクリル酸〕、および必要により(メタ)アクリルモノマーを含有することが好ましい。
スチレン(共)重合体(C)、(D)を構成するモノマーとしては、スチレンモノマー、並びに必要によりカルボキシル基含有ビニルモノマーおよび/または(メタ)アクリルモノマーを含有することが好ましい。
ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」または「メタアクリル」を意味する。
スチレンモノマーとしては、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレン(たとえばα−メチルスチレン、p−メチルスチレン)などが挙げられる。これらのうち、好ましくはスチレンである。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、炭素数3〜15のモノカルボン酸〔例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、炭素数4〜15のジカルボン酸〔例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕およびジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル〕などが挙げられる。
これらのうち、好ましくは(メタ)アクリル酸、ジカルボン酸モノアルキルエステル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸である。
(メタ)アクリルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート〔例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート〕、アルキル基の炭素数1〜18のヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート〔たとえばヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート〕、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート〔たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート〕、および(メタ)アクリロイル基含有ニトリル〔たとえばアクリロニトリル、メタアクリロニトリル〕などが挙げられる。
これらのうち、好ましくはアルキル(メタ)アクリレート、さらに好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
スチレンモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび(メタ)アクリルモノマーは、それぞれ、1種でも2種以上の混合物でもよい。
スチレン(共)重合体(A)、(B)、(C)、および(D)は、必要により、さらに他のモノマー(他のビニルエステルモノマーや脂肪族炭化水素ビニルモノマーなど)を構成モノマーとして含んでもよい。
他のビニルエステルモノマーとしては、炭素数4〜15の脂肪族ビニルエステル〔たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート〕、炭素数8〜200の不飽和カルボン酸多価(2〜3価)アルコールエステル〔たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレートおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〕、および炭素数9〜15の芳香族ビニルエステル(たとえばメチル−4−ビニルベンゾエート)などが挙げられる。
脂肪族炭化水素ビニルモノマーとしては、炭素数2〜10のオレフィン〔たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、オクテン〕、炭素数4〜10のジエン〔たとえばブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエン〕などが挙げられる。
他のモノマーを構成モノマーとして含む場合、この含有量は、全構成モノマーの重量に基づいて、好ましくは15%以下、さらに好ましくは0.001〜5%である。
スチレン共重合体(A)、スチレン共重合体(B)、スチレン(共)重合体(C)および他のスチレン(共)重合体(D)は、それぞれ、1種でも2種以上の混合物でもよい。
スチレン共重合体(A)、スチレン共重合体(B)、スチレン(共)重合体(C)、および他のスチレン(共)重合体(D)の重量比率[(A):(B):(C):(D)]は、定着性と画像安定性の観点から、好ましくは、(45〜70):(3〜25):(15〜50):(0〜10)、さらに好ましくは、(45〜70):(3〜20):(15〜50):(0〜10)、特に好ましくは(50〜65):(5〜15):(25〜44):(1〜5)である。
スチレン(共)重合体は、構成モノマーをラジカル重合開始剤(e)を用いて、溶液重合、塊状重合、懸濁重合または乳化重合等の公知の重合法で製造することができる。重合方法のうち、好ましくは溶液重合、懸濁重合、塊状重合及びこれらの組み合わせである。
重合温度は、好ましくは60〜230℃、さらに好ましくは80〜230℃である。重合時間は、好ましくは1〜30時間、さらに好ましくは2〜20時間である。
ラジカル重合開始剤(e)としては、アゾ系重合開始剤〔例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルおよびアゾビスシアノ吉草酸〕および有機過酸化物系重合開始剤〔例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕等が挙げられる。これらのうち好ましいのはジ−t−ブチルパーオキサイドおよび2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜8%、特に好ましくは0.1〜6%である。
溶液重合の場合の溶剤としては、炭素数5〜12のシクロアルカン溶剤(シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等);炭素数6〜12の芳香族溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびクメン等);エステル溶剤(酢酸エチルおよび酢酸ブチル等);エーテル溶剤(メチルセルソルブ、エチルセルソルブおよびブチルセルソルブ等)等が用いられる。これらのうち好ましいものは芳香族溶剤であり、さらに好ましくはトルエン、キシレンおよびエチルベンゼンである。
懸濁重合を行う場合、無機分散剤(炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウム等)および有機分散剤(ポリビニルアルコールおよびメチルセルロース等)等を用いて水中で重合することができる。
本発明のトナーバインダーがスチレン(共)重合体から構成される場合、本発明のトナーバインダーは、(1)分子量が2.5万未満の成分(P){成分(P)を含む(共)重合体}、分子量が2.5万以上30万以下の成分(Q){成分(Q)を含む(共)重合体}、分子量が30万より大きい成分(R){成分(R)を含む(共)重合体}をそれぞれ公知の重合法により製造し、これらを混合する方法;(2)公知の重合方法により成分(P){成分(P)を含む(共)重合体}を製造し、この成分(P)の存在下にスチレンモノマー等を重合して、成分(P)および成分(Q)の混合物{成分(P)および成分(Q)を含む(共)重合体}を製造した後、この混合物の存在下に、スチレンモノマー等を重合して、成分(P)、成分(Q)および成分(R)の混合物{成分(P)、成分(Q)および成分(R)を含む(共)重合体}を得る方法(成分や混合物の製造する順序は適宜変更できる。)等によって得ることができる。
成分(P)はスチレン共重合体(A)に、成分(Q)はスチレン共重合体(B)に、成分(R)はスチレン(共)重合体(C)に、それぞれほぼ対応し、たとえば、成分(P)はスチレン共重合体(A)と少量のスチレン共重合体(B)とから構成され、成分(Q)はスチレン共重合体(B)と少量のスチレン共重合体(A)及び少量のスチレン(共)重合体(C)とから構成され、成分(R)はスチレン(共)重合体(C)とごく少量のスチレン(共)重合体(B)とから構成される。
本発明のトナーバインダーは、公知の重合方法により、(1)スチレン共重合体(A)、スチレン共重合体(B)およびスチレン(共)重合体(C)をそれぞれ製造した後、これらを混合する方法;(2)公知の重合方法によりスチレン共重合体(A)を製造し、スチレン共重合体(A)の存在下にスチレンモノマー等を重合して、スチレン共重合体(A)およびスチレン共重合体(B)の混合物を製造した後、この混合物の存在下に、スチレンモノマー等を重合して、スチレン共重合体(A)、スチレン共重合体(B)およびスチレン(共)重合体(C)の混合物を得る方法(共重合体や混合物の製造する順序は適宜変更できる。)等によって得ることができる。
本発明の電子写真用トナーバインダーには、スチレン(共)重合体の他に、必要によりその他の樹脂(ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等)を含有できる。
その他の樹脂を含有しない方が好ましいが、その他の樹脂を含有する場合、スチレン(共)重合体の均一性を阻害しないことが必要であり、その添加量は、スチレン(共)重合体の合計重量に対して、好ましくは1〜30%、さらに好ましくは2〜20%、とくに好ましくは3〜10%である。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物等{たとえば、米国公開公報2003−40554号(対応国際出願パンフレットWO01/69325)に記載されたもの}が挙げられる。末端カルボン酸、末端アルコールを封止する目的でモノアルコール、モノカルボン酸、またはその無水物を併用することもできる。
ポリアミド樹脂としては、炭素数6〜12のラクタムの開環重合体、炭素数2〜12のアミノカルボン酸の重縮合体およびポリカルボン酸とポリアミンの重縮合体等が挙げられる。
ラクタムとしては、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、例えばアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸が挙げられる。
ポリカルボン酸とポリアミンの重縮合体としては、特開平7−160040号公報に記載された重合体等が挙げられる。
本発明のトナーバインダーの酸価は、好ましくは5〜25、さらに好ましくは6〜20、とくに好ましくは7〜16である。
また、本発明のトナーバイダーの重量平均分子量は、好ましくは15万〜35万、さらに好ましくは16万〜32万、とくに好ましくは17万〜30万、最も好ましくは19万〜28万である。
本発明の電子写真用トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は、貯蔵安定性と低温定着性の観点から、好ましくは50〜75℃、さらに好ましくは51〜70℃、とくに好ましくは53〜65℃である。
ガラス転移点(Tg)はASTM D3418−82(DSC法)に準拠して、たとえば、セイコー電子工業株式会社製DSC20,SSC/580で測定される。
なお、酸価、重量平均分子量およびガラス転移温度は、離型剤を含まない場合の値である。
本発明の電子写真用トナーバインダーには、更に低温定着性や耐オフセット性を向上させるために公知の離型剤(G)を含有することができる。
離型剤(G)としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、ポリオレフィン(G−1)、ポリオレフィンの酸化物(G−2)、ポリオレフィンのマレイン酸変性物(G−3)、オレフィンと不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体(G−4)等が挙げられる。
ポリオレフィン(G−1)としては、オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体およびプロピレン/1−ヘキセン共重合体)が挙げられる。
ポリオレフィン(G−1)には、オレフィンの(共)重合により得られるもの(G−1−1)および重量平均分子量(Mw)5万〜500万のポリオレフィン(例えばポリエチレンおよびポリプロピレン)を熱減成して得られる熱減成型ポリオレフィンが含まれる。
ポリオレフィンの酸化物(G−2)としては、ポリオレフィン(G−1)を酸素および/またはオゾン等を用いて公知の方法(例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法)で酸化した酸化物などが挙げられる。
ポリオレフィンのマレイン酸変性物(G−3)としては、ポリオレフィン(G−1)をマレイン酸モノマー[マレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸の炭素数1〜4のモノまたはジアルキルエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等))]で変性した変性物等が挙げられる。
変性は、公知の方法で行うことができ、例えばポリオレフィン(G−1)とマレイン酸モノマーを、公知の過酸化物触媒を用いて、溶液法または溶融法のいずれかの方法で反応させることにより行うことができる。
オレフィンと不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体(G−4)としては、上記オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体が挙げられる。
共重合は、公知の触媒を用いて公知の方法等で行うことができる。
ポリオレフィンワックスの数平均分子量(JIS K0124:2002;対応国際規格ISO11843−1)は、キャリアー等へのフィルミングおよび離型性の観点から、好ましくは1000〜3万、更に好ましくは1500〜25000、特に2000〜2万である。
ポリオレフィンワックスの融点(JIS K0064−1992)は、キャリアー等へのフィルミングおよび離型性の観点から、好ましくは50〜165℃、更に好ましくは60〜160℃、特に65〜155℃である。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。
フィッシャートロプシュワックスとしては、例えばサゾールワックスH1等が挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびこれらの混合物であり、さらに好ましくは熱減成型ポリエチレン、熱減成型ポリプロピレン、パラフィンワックスおよびフィッシャートロプシュワックスである。
本発明のトナーバインダーに、その他の樹脂および/または離型剤を含有する場合、本発明のトナーバインダーは、スチレン(共)重合体と、離型剤および/またはその他の樹脂とを溶液状で混合する方法、粉体混合する方法、または二軸押出機や加熱攪拌のできる配合釜等で溶融混合する方法のいずれの方法によっても得ることができる。離型剤および/またはその他の樹脂の存在下で、スチレン(共)重合体を製造してもよい。
本発明のトナーは、上記の電子写真用トナーバインダーと着色剤とから構成され、必要に応じて、種々の添加剤(離型剤、荷電制御剤および流動化剤等)を混合することができる。
着色剤としては、公知の顔料、染料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOPおよび磁性粉[例えば強磁性金属の粉末(鉄、コバルトおよびニッケル等)、マグネタイト、ヘマタイトおよびフェライト]等が挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合、トナーの重量に基づいて、好ましくは1〜15%、さらに好ましくは2〜10%であり、磁性粉を使用する場合、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは30〜60%である。
離型剤としては、前述の離型剤と同様のものが挙げられる。
トナーに離型剤を含む場合、離型剤の含有量は、好ましくは0.5〜10%、さらに好ましくは1〜8%である。
荷電制御剤としては、例えば含金属アゾ染料、ニグロシン染料および四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。
トナーに荷電制御剤を含む場合、荷電制御剤の含有量は、好ましくは0.5〜5%、さらに好ましくは1〜5%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
トナーに流動化剤を含む場合、流動化剤の含有量は、好ましくは0.5〜5%である。
本発明のトナーとしては、公知の混練粉砕法等により容易に製造できる。例えば、トナーバインダー、着色剤、並びに必要に応じて、種々の添加剤(離型剤、荷電制御剤および流動化剤等)をヘンシェルミキサー等で乾式ブレンドした後、二軸押出機等を用いて70℃〜190℃で溶融混練して、その後粗粉砕し、最終的にジェット粉砕機などを用いて微粒子化し、更に分級して体積平均粒径(D50)が5〜15ミクロンの微粒子として得る。
尚、D50は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、上記方法において、流動化剤はトナーを微粒子化した後に混合(外添)することもできる。
本発明のトナーは、必要に応じて、ガラスビーズおよび/または樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて現像剤として用いられる。また、キャリアー粒子のかわりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、帯電させることもできる。次いでトナーを感光体上の静電潜像に移動させ、さらに支持体(紙、ポリエステルフィルム等)上に移動させる。更に、公知の熱ロール定着方法等により支持体に定着して記録材料とされる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
<製造例1>
オートクレーブにキシレン250部を仕込み、窒素ガスで置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。これに、スチレン472部、n−ブチルアクリレート15部、アクリル酸13部、ジ−t−ブチルパーオキサイド15部およびキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を185℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させて、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(A−1)を得た。
<製造例2>
オートクレーブにキシレン250部を仕込み、窒素ガスで置換した後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温した。これに、スチレン411部、n−ブチルアクリレート80部、メタクリル酸9部、ジ−t−ブチルパーオキサイド8部およびキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させて、スチレン/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体の溶液(A−2)を得た。
<製造例3>
スチレンの量を472部から462部に変更したこと、およびアクリル酸の量を13部から23部に変更したこと以外、製造例1と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(RA−3)を得た。
<製造例4>
スチレンの量を472部から485部に変更したこと、およびアクリル酸の量を13部から0部に変更したこと以外、製造例1と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体の溶液(RA−4)を得た。
<製造例5>
オートクレーブにキシレン100部を仕込み、窒素ガスで置換した後、撹拌下密閉状態で140℃まで昇温した。スチレン358部、n−ブチルアクリレート135部、アクリル酸7部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.8部およびキシレン50部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保った後、175℃に昇温し1時間重合させて、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(B−1)を得た。
<製造例6>
オートクレーブにキシレン100部を仕込み、窒素ガスで置換した後、撹拌下密閉状態で150℃まで昇温した。スチレン392部、n−ブチルアクリレート105部、アクリル酸3部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2部およびキシレン50部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を150℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保った後、175℃に昇温し1時間重合させて、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(B−2)を得た。
<製造例7>
スチレンの量を358部から350部に変更したこと、n−ブチルアクリレートの量を135部から137部に変更したこと、およびアクリル酸の量を7部から13部に変更したこと以外、製造例5と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(B−3)を得た。
<製造例8>
スチレンの量を358部から360.5部に変更したこと、n−ブチルアクリレートの量を135部から130部に変更したこと、およびアクリル酸の量を7部から9.5部に変更したこと以外、製造例5と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(B−4)を得た。
<製造例9>
スチレンの量を358部から365部に変更したこと、およびアクリル酸の量を7部から0部に変更したこと以外、製造例5と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体の溶液(RB−5)を得た。
<製造例10>
スチレンの量を392部から370部に変更したこと、およびアクリル酸の量を3部から25部に変更したこと以外、製造例6と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体の溶液(RB−6)を得た。
<製造例11>
4口フラスコに水950部およびポリビニルアルコール[株式会社クラレ製PVA235]の2%水溶液50部を加え、これにスチレン375部、n−ブチルアクリレート125部および1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン1.5部からなる混合液を加えて撹拌し懸濁液とした。フラスコ内を充分窒素ガスで置換した後、87℃まで昇温し、重合を開始した。同温度で重合を継続させ、24時間後に転化率が98%になったことを確認した後、100℃に昇温し、同温度で2時間保ち、重合を完結させた。後処理として濾別、水洗、乾燥して、スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(C−1)を得た。
<製造例12>
スチレン375部をスチレン371部およびマレイン酸モノブチル4部に変更したこと、および重合温度を87℃から95℃に変更したこと以外、製造例11と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/マレイン酸モノブチル共重合体(C−2)を得た。
<製造例13>
スチレン375部をスチレン368部およびアクリル酸7部に変更したこと以外、製造例11と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(RC−3)を得た。
<製造例14>
スチレンの量を392部から395部に変更したこと、アクリル酸の量を3部から0部に変更したこと以外、製造例6と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体の溶液(D−1)を得た。
<製造例15>
ジ−t−ブチルパーオキサイドの量を8部から3.5部に変更したこと以外、製造例2と同様に重合し、スチレン/n−ブチルアクリレート/メタアクリル酸共重合体の溶液(A−5)を得た。
<製造例16>
オートクレーブを窒素ガスで置換した後、スチレン368.5部、n−ブチルアクリレート130部、アクリル酸1.5部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02部および2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン4部を仕込み、1時間で95℃まで昇温し、同温度で4時間塊状重合し、重合体を得た。この重合体に、キシレン120部を1時間かけて滴下した後、110℃まで1時間で昇温し、同温度で1時間重合した。さらに、キシレン30部および2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.5部の混合液を0.5時間かけて滴下した後、同温度で4時間重合した。さらに、150℃に昇温して1時間重合した後、キシレン700部を加えて希釈して、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸/1,6−ヘキサンジオールジアクリレート共重合体の溶液(C−4)を得た。
製造例で得た共重合体について、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価およびガラス転移温度(Tg)を測定し、表1に示した。
Figure 2008181122
<実施例1>
オートクレーブに、共重合体溶液(A−1)1038部、共重合体溶液(B−1)195部および共重合体(C−1)250部を仕込み、キシレン還流下で均一に溶解した。次にキシレンを留去しながら170℃に昇温した後、オートクレーブ内の圧力を1kPa以下とし、脱溶剤を完結させて(ガスクロマトグラフィーにより、トナーバインダー中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認した。)、本発明のトナーバインダー(TB−1)を得た。
<実施例2>
共重合体溶液(A−1)1038部を共重合体溶液(A−2)1115部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)195部を共重合体溶液(B−2)65部に変更したこと、および共重合体(C−1)250部を共重合体(C−2)300部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のトナーバインダー(TB−2)を得た。
<実施例3>
共重合体溶液(A−1)の量を1038部から917部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)の量を195部から130部に変更したこと、共重合体(C−1)250部を共重合体(C−1)250部、共重合体(C−2)70部および共重合体溶液(D−1)65部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のトナーバインダー(TB−3)を得た。
<実施例4>
共重合体溶液(A−1)の量を1038部から865部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)を重合体溶液(B−4)に変更したこと、共重合体(C−1)250部を共重合体(C−2)300部および共重合体溶液(D−1)65部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のトナーバインダー(TB−4)を得た。
<実施例5>
共重合体溶液(A−1)の量を1038部から865部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)195部を共重合体溶液(B−4)325部に変更したこと、および共重合体(C−1)を共重合体(C−2)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のトナーバインダー(TB−5)を得た。
<実施例6>
共重合体溶液(A−1)1038部を共重合体溶液(A−5)875部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)195部を重合体溶液(B−2)65部に変更したこと、共重合体(C−1)250部を共重合体溶液(C−4)1188部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のトナーバインダー(TB−6)を得た。
<比較例1>
共重合体溶液(B−1)を重合体溶液(RB−5)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のトナーバインダー(RTB−1)を得た。
<比較例2>
共重合体(C−1)を共重合体(RC−3)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のトナーバインダー(RTB−2)を得た。
<比較例3>
共重合体溶液(A−1)1038部を共重合体溶液(A−2)1115部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)の量を195部から65部に変更したこと、および共重合体(C−1)250部を共重合体(RC−3)300部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のトナーバインダー(RTB−3)を得た。
<比較例4>
共重合体溶液(A−1)1038部を共重合体溶液(A−2)978部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)を重合体溶液(B−3)に変更したこと、および共重合体(C−1)250部を共重合体(C−2)220部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のトナーバインダー(RTB−4)を得た。
<比較例5>
共重合体溶液(A−1)を共重合体溶液(RA−3)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のトナーバインダー(RTB−5)を得た。
<比較例6>
共重合体溶液(A−1)1038部を共重合体溶液(RA−4)951部に変更したこと、共重合体溶液(B−1)195部を共重合体溶液(RB−6)261部に変更したこと、および共重合体(C−1)の量を250部から0部に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のトナーバインダー(RTB−6)を得た。
実施例および比較例で得たトナーバインダーについて、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価およびガラス転移温度(Tg)を測定し、表2および3に示した。
Figure 2008181122
Figure 2008181122
<実施例7〜12、比較例7〜12>
〔トナーの作成〕
トナーバインダー(TB−1)〜(TB−6)、および(RTB−1)〜(RTB−6)の各々88部に、カーボンブラック[三菱化学株式会社製MA100]7部、低分子量ポリプロピレン[三洋化成工業株式会社製ビスコール550P]3部、および荷電調整剤(保土谷化学工業株式会社製スピロンブラックTRH)2部をヘンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機株式会社製)内で均一混合した後、樹脂温度130℃の二軸押出機(PCM30、株式会社池貝製)で混練し、冷却物をジェット粉砕機(ラボジェットLJ、日本ニューマチック工業株式会社製)で微粉砕し、デイスパージョンセパレータ(MDS−II、日本ニューマチック工業株式会社製)で分級して体積平均粒径9μmの本発明のトナー(T−1)〜(T−6)、および比較のトナー(RT−1)〜(RT−6)を得た。
なお、体積平均粒径は、コールターカウンター(マルチサイザーTM3、ベックマンコールター社製)で測定した。
トナー(T−1)〜(T−6)、および(RT−1)〜(RT−6)の最低定着温度およびホットオフセット発生温度の測定、並びに画像安定性および貯蔵安定性の評価を行った。結果を表4に示す。
(1)最低定着温度
評価試料(トナー)30部とフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製、F−150)800部とを均一混合して、二成分現像剤を得た後、以下の試験に供した。
二成分現像剤及びモノクロ複写機[AR5030、シャープ株式会社製]を用いて現像した未定着画像を、モノクロ複写機[SF8400A、シャープ株式会社製]の定着ユニットを改造し、ヒートローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード145mm/secで定着した。画像濃度(I.D.)=0.6の画像を学振式摩擦堅牢度試験(紙で摩擦)により5回の往復回数で摩擦し、定着率(摩擦後のI.D.×100/摩擦前のI.D.)が70%以上となるヒートローラー温度を最低定着温度とした。
(2)ホットオフセット発生温度
上記(1)と同様に定着し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視判定し、ホットオフセットが発生しはじめた温度をホットオフセット発生温度とした。
(3)画像安定性
上記(1)と同様にして得た二成分現像剤およびモノクロ複写機[AR5030、シャープ株式会社製]を用いて連続コピーを行い、画質変化を以下の基準で評価した。
○:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
△:1万枚コピー後カブリが発生している。
×:5千枚コピー後でカブリが発生している。
(4)貯蔵安定性
評価試料(トナー)20部をガラス瓶に入れ密封し、50℃の恒温水槽中で8時間放置した後、目開き355μmのフルイ上で10秒間一定の振動を与え、フルイ上に残ったトナー量を計量し、フルイに載せた量に対する割合(W)を算出して、以下の基準で評価した。なお、一定の振動はホソカワミクロン株式会社製パウダーテステーPT−Eを用い、振動数1600/分で与えた。
○:割合が10%未満
△:割合が10%以上20%未満
×:割合が20%以上
Figure 2008181122
比較用のトナー(RT−1)〜(RT−6)は、最低定着温度が高く、ホットオフセット発生温度が低く、定着温度幅が狭かった。また、カブリを生じるなど画像安定性に劣った。これに対して、本発明のトナー(T−1)〜(T−5)は、最低定着温度が低く、ホットオフセット発生温度が高く、定着温度幅が著しく広かった。また、画像安定性に優れていた。
このように本発明のトナーバインダーを使用することにより、長時間使用しても画質劣化に問題のないトナーを容易に得ることが出来た。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、トナーとして、低温定着性、耐ホットオフセット性を高いレベルにすることができ、さらに長時間使用時の画質劣化といったトラブルがない優れたトナーを得ることができ、極めて有用である。

Claims (7)

  1. スチレン(共)重合体を含有するトナーバインダーにおいて、ゲルパーミエーションクロマトグラムにおける分子量2.5万未満の成分を成分(P)、2.5万以上30万以下の成分を成分(Q)、30万より大きい成分を成分(R)としたときに、成分(P)の酸価[AV(P)]が9〜30、成分(Q)の酸価[AV(Q)]が2〜26、成分(R)の酸価[AV(R)]が0〜6であり、かつAV(P)、AV(Q)およびAV(R)が下記式(1)の関係を満たす電子写真用トナーバインダー。
    AV(P)>AV(Q)>AV(R) (1)
  2. 3000〜2万の重量平均分子量を有するスチレン共重合体(A)、3万〜20万の重量平均分子量を有するスチレン共重合体(B)、40万〜120万の重量平均分子量を有するスチレン(共)重合体(C)、および必要により他のスチレン(共)重合体(D)を含有し、(A)の酸価[AV(A)]が10〜30、(B)の酸価[AV(B)]が3〜25、(C)の酸価[AV(C)]が0〜5であり、かつAV(A)、AV(B)、およびAV(C)が下記式(2)の関係を満たす請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
    AV(A)>AV(B)>AV(C) (2)
  3. スチレン共重合体(B)の酸価[AV(B)]が、
    0.3×〔AV(A)+AV(C)〕〜0.7×〔AV(A)+AV(C)〕である請求項2記載の電子写真用トナーバインダー。
  4. スチレン(共)重合体(A)、(B)、(C)、および(D)の重量比が、(A):(B):(C):(D)=(45〜70):(3〜25):(15〜50):(0〜10)である請求項2または3記載の電子写真用トナーバインダー。
  5. スチレン共重合体(A)および/または(B)が、スチレンモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー、および必要により(メタ)アクリルモノマーを構成モノマーとして含有する請求項2〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーバインダー。
  6. スチレン(共)重合体(C)および/または(D)が、スチレンモノマー、並びに、必要によりカルボキシル基含有ビニルモノマーおよび/または(メタ)アクリルモノマーを構成モノマーとして含有する請求項2〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーバインダー。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有するトナー。
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