JP6626871B2 - 電子写真用トナーバインダー及びトナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる電子写真用トナーバインダー及び電子写真用トナーバインダーを含有するトナーに関する。
電子写真において、トナーで可視化された静電潜像を定着するのにヒートローラーを用いる方式が広く採用されている。
この方式を用いた場合、トナーの最低定着温度(定着率70%が得られるヒートローラーの最低温度)が低く、ホットオフセット温度(ホットオフセットが発生するヒートローラーの最低温度)が高いことが望まれ、トナーバインダーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲としたりTgを規定したりすることが提唱されている(特許文献1)。また、長時間使用しても鮮明な画像を得られることが望まれており、リン酸カルシウム系微粒子をトナー表面に付着させることが提唱されている(特許文献2参照)。
特開平9−297432号公報 特開2003−241422号公報
本発明は、トナーの性能として、低温定着性、耐ホットオフセット性、貯蔵安定性を高いレベルにすることができ、更に長時間使用時の画像劣化といったトラブルがない優れた電子写真用トナーバインダー及び電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有するトナーを提供することを目的とする。
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、離型剤(G1)の存在下で重合して得られる重量平均分子量が40万以上100万以下であるスチレン(共)重合体(A)からなる重合体組成物(P)と、離型剤(G2)の存在下で重合して得られる重量平均分子量が4000以上2万以下であるスチレン(共)重合体(B)からなる重合体組成物(Q)とを含む電子写真用トナーバインダーであって、(A)の重合の際に(A)の重量に基づいて(G1)を1.0〜15.0重量%含有し、(B)の重合の際に(B)の重量に基づいて(G2)を0.1〜2.0重量%含有する電子写真用トナーバインダー;並びにこの電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有するトナー;である。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、トナーの性能として、低温定着性、耐ホットオフセット性、貯蔵安定性を高いレベルにすることができ、更に長時間使用時の画質安定性を向上することができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、離型剤(G1)の存在下で重合して得られる重量平均分子量が40万以上100万以下であるスチレン(共)重合体(A)からなる重合体組成物(P)と、離型剤(G2)の存在下で重合して得られる重量平均分子量が4000以上2万以下であるスチレン(共)重合体(B)からなる重合体組成物(Q)とを含む電子写真用トナーバインダーであって、(A)の重合の際に(A)の重量に基づいて(G1)を1.0〜15.0重量%含有し、(B)の重合の際に(B)の重量に基づいて(G2)を0.1〜2.0重量%含有する電子写真用トナーバインダーである。本発明のトナーはこの電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有するトナーである。
ここで、(共)重合体とは、単独重合体又は共重合体を意味し、スチレン(共)重合体とは、スチレンモノマーの単独重合体又はスチレンモノマーと他のモノマーとの共重合体を意味する。また、後記する(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタアクリルを意味し、以下同様の記載法を用いる。
上記スチレンモノマーとしては、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキルスチレン(たとえばα−メチルスチレン、p−メチルスチレン)などが挙げられ、2種以上を併用してもよい。好ましくはスチレンである。
上記の他のモノマーとしては(メタ)アクリルモノマー及びカルボキシル基含有ビニルモノマー、ビニルエステルモノマー及び脂肪族炭化水素系ビニルモノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシルアルキル基の炭素数が1〜18であるヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、及びジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキルアミノ基の炭素数が1〜18であるアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート、及びアクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(モノアルキル基の炭素数1〜18)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノアルキルエステルなど〕などを挙げることができる。
これら(メタ)アクリルモノマー及びカルボキシル基含有ビニルモノマーのうち好ましくは、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、ジカルボン酸モノエステル及びそれらの2種以上の混合物である。
ビニルエステルモノマーとしては脂肪族ビニルエステル(炭素数4〜15、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテートなど)、不飽和カルボン酸多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールエステル〔炭素数8〜200、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど〕、芳香族ビニルエステル(炭素数9〜15、たとえばメチル−4−ビニルベンゾエートなど)などが挙げられる。
脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしてはオレフィン(炭素数2〜10、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、オクテンなど)、ジエン(炭素数4〜10、たとえばブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエンなど)などが挙げられる。
スチレン(共)重合体(A)及び(B)のそれぞれを構成するスチレンモノマーの含有量は、スチレン(共)重合体(A)及び(B)それぞれの重量に基づいて、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは72〜99重量%である。
スチレン(共)重合体(A)及び(B)のそれぞれを構成するスチレンモノマー以外の他のモノマーの含有量は、スチレン(共)重合体(A)又は(B)それぞれの重量に基づいて、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは1〜28重量%である。
本発明に使用されるスチレン(共)重合体(A)及び(B)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される。
(A)の重量平均分子量は、耐ホットオフセット性の観点から、40万以上100万以下、好ましくは45万〜98万、更に好ましくは50万〜95万、特に好ましくは50万〜80万である。
(B)の重量平均分子量は、低温定着性の観点から、4000以上2万以下、好ましくは4100〜1.8万、更に好ましくは4200〜1.5万、特に好ましくは4500〜1.2万である。
上記及び以下において、スチレン(共)重合体の分子量は、GPCを使用して、以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製 HLC−8220
カラム(一例):TSKgel SuperMultiporeHZ−M 3本(東ソー製)
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :10μl
検出装置 :屈折率検出器
標準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 355000 1090000 2890000)
また、(P)中の(A)と(Q)中の(B)の重量比(A):(B)[(A)及び(B)の合計重量に対する重量%]は、定着性と画像安定性の観点から、好ましくは、25:75〜60:40、更に好ましくは、35:65〜55:45である。
(A)及び(B)は、分子量が所定の範囲内であれば、それぞれ複数種のスチレン(共)重合体を組み合わせることができる。
スチレン(共)重合体(A)及び(B)は、離型剤(G)の存在下で、前記モノマーをラジカル重合開始剤(e)を用いて溶液重合、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合等の公知の重合法で合成することができる。好ましくは(A)を塊状重合と溶液重合の組み合わせ、(B)を溶液重合とした組み合わせである。この重合の際に、(A)は離型剤(G1)の存在下で重合して得られ、(B)は離型剤(G2)の存在下で重合して得られる。離型剤(G)の存在下で重合させることにより、長時間使用時の画質安定性が向上する。
重合温度は、好ましくは60〜230℃、更に好ましくは80〜230℃である。
重合時間は、好ましくは1〜30時間、更に好ましくは2〜20時間である。
(e)としては、アゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル及びアゾビスシアノ吉草酸)及び有機過酸化物系重合開始剤〔例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはジ−t−ブチルパーオキサイド及び2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に基づいて好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは0.1〜6重量%である。
溶液重合の場合の溶剤としては、炭素数5〜12のシクロアルカン溶剤(シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン等)、炭素数6〜12の芳香族溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びクメン等)、エステル溶剤(酢酸エチル及び酢酸ブチル等)及びエーテル溶剤(メチルセルソルブ、エチルセルソルブ及びブチルセルソルブ等)等が用いられる。
これらのうち好ましいものは芳香族溶剤であり、更に好ましくはトルエン、キシレン及びエチルベンゼンである。
溶液重合の場合、離型剤(G)を仕込む方法としては、(1)溶剤と離型剤(G)と前記モノマーとを混合する方法、(2)離型剤(G)と前記モノマーとを混合し、重合中に溶剤を添加する方法が可能である。離型剤(G)を仕込む際に、重合体組成物(P)又は重合体組成物(Q)を仕込み、(1)又は(2)の方法で混合することが可能である。
また、懸濁重合を行う場合、無機酸塩分散剤(炭酸カルシウム及びリン酸カルシウム等)及び有機分散剤(ポリビニルアルコール及びメチルセルロース等)等を用いて水中で重合することができる。
懸濁重合の場合、離型剤(G)を仕込む方法としては、(1)離型剤(G)と前記モノマーと水とを混合する方法が可能である。また、離型剤(G)を仕込む際に、重合体組成物(P)又は重合体組成物(Q)を仕込み、混合することが可能である。
重合体組成物(P)と(Q)とを含む本発明の電子写真用トナーバインダーの重量平均分子量は、好ましくは15万〜35万、更に好ましくは16万〜32万、とくに好ましくは17万〜30万である。
また、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)は、定着温度幅と画像安定性の観点から、好ましくは30〜150、更に好ましくは32〜100である。
重合体組成物(P)と(Q)とを含む本発明の電子写真用トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は、貯蔵安定性と低温定着性の観点から、好ましくは50〜75℃、更に好ましくは51〜70℃、とくに好ましくは53〜65℃である。
上記及び以下において、ガラス転移点(Tg)はセイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、重合体組成物(P)中に離型剤(G1)及び重合体組成物(Q)中に(G2)を含有し、(A)の重合の際に(A)の重量に基づいて(G1)を1.0〜15.0重量%含有し、(B)の重合の際に(B)の重量に基づいて(G2)を0.1〜2.0重量%含有する。
離型剤(G1)及び(G2)は同様の離型剤(G)を使用することができ、離型剤の種類は同じでも異なっていてもよい。離型剤(G)としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸、炭素数30〜100のエステルワックス及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィンの(共)重合体(g−1)、オレフィンの(共)重合体の酸化物(g−2)、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物(g−3)、オレフィンと不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体(g−4)等が挙げられる。
(g−1)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等の(共)重合体(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体及びプロピレン/1−ヘキセン共重合体)が挙げられる。
(g−1)には、オレフィンの(共)重合により得られるもの(g−1−1)及び熱減成型ポリオレフィン(g−1−2)が含まれる。
(g−1−1)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万〜500万である。
(g−1−2)としては、重量平均分子量(Mw)5万〜500万のポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン及びポリプロピレン)を熱減成して得られるポリオレフィンが挙げられる。
(g−2)としては、上記(g−1)の酸化物等が挙げられる。
酸化は酸素及び/又はオゾン等を用いて公知の方法で行うことができ、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。
(g−3)としては、上記(g−1)のマレイン酸系モノマー[マレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等のマレイン酸の炭素数1〜4のモノもしくはジアルキルエステル)]変性物等が挙げられる。
変性は、公知の方法で行うことができ、例えば(g−1)とマレイン酸系モノマーを公知の過酸化物触媒を用いて、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で反応させることにより行うことができる。
(g−4)としては、上記オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体が挙げられる。
共重合は、公知の触媒を用いて公知の方法等で行うことができる。
ポリオレフィンワックスの数平均分子量は、キャリアー等へのフィルミング及び離型性の観点から、好ましくは1000〜3万、更に好ましくは1500〜25000、特に2000〜2万である。
ポリオレフィンワックスの融点は、キャリアー等へのフィルミング及び離型性の観点から、好ましくは50〜165℃、更に好ましくは60〜160℃、特に65〜155℃である。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックスが挙げられる。
フィッシャートロプシュワックスとしては、例えばサゾールワックスH1等が挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
炭素数30〜100のエステルワックスとしては例えばベヘン酸ベヘニルが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス及びこれらの混合物であり、更に好ましくは熱減成型ポリエチレン、熱減成型ポリプロピレン、パラフィンワックス及びフィッシャートロプシュワックスである。
(G1)としては離型剤(G)のどれでもよいが、定着性の観点からポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスが好ましく、特に熱減成して得られるポリオレフィンワックスが好ましい。
(G2)としては離型剤(G)のどれでもよいが、画像安定性の観点からポリオレフィンワックスが好ましく、特に熱減成して得られるポリオレフィンワックスが好ましい。
本発明のトナーバインダーは、スチレン(共)重合体(A)の重合の際に(A)の重量に基づいて離型剤(G1)を1.0〜15.0重量%含有し、好ましくは2.0〜14.0重量%含有し、更に好ましくは3.0〜13.0重量%含有する。1.0重量%未満であると、ホットオフセット発生温度が低くなり、15.0重量%を超えると画像安定性が悪くなる。
スチレン(共)重合体(B)の重合の際に(B)の重量に基づいて(G2)を0.1〜2.0重量%含有し、好ましくは0.2〜1.8重量%含有し、更に好ましくは0.3〜1.8重量%含有する。0.1重量%未満であると、画像安定性が悪くなり、2.0重量%を超えても画像安定性が悪くなる。
理由は明確ではないが、離型剤(G1)の非存在下で重合してスチレン(共)重合体(A)からなる重合体組成物(P)得た後に、離型剤(G1)を加えて、離型剤の含有量を調整しても、本願発明の効果は得られない。また、離型剤(G2)の非存在下で重合してスチレン(共)重合体(B)からなる重合体組成物(Q)得た後に、離型剤(G2)を加えて、離型剤の含有量を調整しても、本願発明の効果は得られない。
また、(P)中の(G1)と(Q)中の(G2)の重量比(G1):(G2)[(G1)及び(G2)の合計重量に対する重量%]は、定着性と画像安定性の観点から、好ましくは、99:1〜70:30、更に好ましくは、95:5〜70:30である。
(G1)及び(G2)は、それぞれ複数種組み合わせることができる。
トナーバインダーに含まれる離型剤(G1)及び(G2)の合計含有量は、トナーバインダーの重量の基づいて好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜8重量%である。
本発明のトナーバインダーは、スチレン(共)重合体(A)からなる重合体組成物(P)とスチレン(共)重合体(B)からなる重合体組成物(Q)とを混合することで得られる。
重合体組成物(P)及び重合体組成物(Q)の混合方法はとくに限定されないが、前記の重合方法で得られた(P)と(Q)を溶剤に溶解して溶液状態で混合する方法、(P)または(Q)の存在下で他の重合体組成物を重合していく方法などが挙げられる。前記の重合方法で得られた(P)または(Q)の存在下で他の重合体組成物を重合していく方法において、他の重合体組成物を溶液重合により重合する場合には、(P)または(Q)を溶剤に溶解した溶液中で他の重合体組成物を重合する方法、(P)または(Q)を他の重合体組成物の重合に用いるモノマーに溶解して懸濁重合または塊状重合する方法、及び(P)または(Q)を同じ系中で同時又は順に懸濁重合する方法等による重合することができる。
本発明のトナーは、本発明の電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有し、必要に応じて荷電制御剤及び流動化剤等種々の添加剤をトナー構成成分として含むことができる。
着色剤としては、公知の顔料、染料及び磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP及び磁性粉[例えば強磁性金属の粉末(鉄、コバルト及びニッケル等)、マグネタイト、ヘマタイト及びフェライト]等が挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料又は顔料を使用する場合は、トナーの重量の基づいて好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは15〜70重量%、更に好ましくは30〜60重量%である。
荷電制御剤としては、例えば含金属アゾ染料、ニグロシン染料及び四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。
荷電制御剤を用いる場合、トナー中の荷電制御剤の含有量は、トナーの重量の基づいて好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等公知のものが挙げられる。
流動化剤を用いる場合、トナー中の流動化剤の含有量は、トナーの重量の基づいて好ましくは0.001〜5重量%である。
トナーの製造方法としては、公知の混練粉砕法等が挙げられる。例えば、上記トナー構成成分をヘンシェルミキサー等を用いて乾式ブレンドした後、二軸押出機等を用いて70℃〜190℃で溶融混練して、その後粗粉砕し、最終的にジェット粉砕機などを用いて微粒子化し、更に分級して体積平均粒径(D50)が5〜15ミクロンの微粒子として得られる。
尚、D50は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)]を用いて測定される。
また、上記方法において、流動化剤はトナーを微粒子化した後に混合(外添)して使用することもできる。
トナーは必要に応じて、ガラスビーズのキャリアー粒子及び/又は樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて現像剤として用いられる。また、キャリアー粒子のかわりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、帯電させることもできる。
次いでトナーを感光体上の静電潜像に移動させ、更に支持体(紙、ポリエステルフィルム等)上に移動させる。
更に、公知の熱ロール定着方法等により支持体に定着して記録材料とされる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
トナーの試験法は以下の通りである。
(1)最低定着温度
評価試料(トナー)30部とフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)800部とを均一混合して二成分現像剤を得た後、以下の試験に供した。
市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販モノクロ複写機[SF8400A、シャープ(株)製]の定着ユニットを改造し、ヒートローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード145mm/secで定着した。画像濃度(I.D.)=0.6の画像を学振式摩擦堅牢度試験(紙で摩擦)により5回の往復回数で摩擦し、定着率(摩擦後のI.D.×100/摩擦前のI.D.)が70%以上となるヒートローラー温度を最低定着温度とした。
(2)ホットオフセット発生温度
上記(1)と同様に定着し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視判定する。ホットオフセットが発生しはじめた温度をホットオフセット発生温度とした。
(3)画像安定性
上記(1)と同様に二成分現像剤として、市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて連続コピーを行い、長時間使用時の画質変化を以下の基準で評価した。
◎:2万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
○:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。2万枚コピー後、わずかにカブリが発生している。
△:1万枚コピー後カブリが発生している。
×:5千枚コピー後でカブリが発生している。
(4)貯蔵安定性
評価試料(トナー)20部をガラス瓶に入れ密封し、50℃の恒温水槽中で8時間放置した後、目開き355μmのフルイ上で振動強度5で10秒間振動を与え、フルイ上に残ったトナー量のフルイに載せた量に対する割合から、以下の基準で評価した。装置はホソカワミクロン製パウダーテステーPT−Eを用いた。
○:フルイ上の残存トナー量10重量%未満
△:フルイ上の残存トナー量10重量%以上〜20%未満
×:フルイ上の残存トナー量20重量%以上
製造例1
オートクレーブを窒素で置換した後、熱減成型ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P)(G−1a)50部、スチレン342部、n−ブチルアクリレート108部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.09部を仕込み、1時間で95℃まで昇温した。次に2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン4部を仕込み、95℃で6時間塊状重合を行った。引き続きキシレン120部を1時間かけて滴下した後、110℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間重合した。さらに2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン1.6部を仕込み、4時間重合した。その後150℃まで1時間で昇温し、同温度で1時間重合した後、キシレン700部を加えて希釈し、(共)重合体(A−1)を含む重合体組成物(P−1)のキシレン溶液を得た。(共)重合体(A−1)のMwは750,000であった。(共)重合体(A−1)の重量に基づいて離型剤(G−1a)の含有量は11.1重量%であった。
製造例2
オートクレーブを窒素で置換した後、熱減成型ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P)(G−1b)15部、スチレン359部、n−ブチルアクリレート126部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.09部を仕込み、1時間で95℃まで昇温した。次に2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン4部を仕込み、95℃で3時間塊状重合を行った。引き続きキシレン120部を1時間かけて滴下した後、110℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間重合した。さらに2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン1.6部を仕込み、4時間重合した。その後150℃まで1時間で昇温し、同温度で1時間重合した後、キシレン700部を加えて希釈し、(共)重合体(A−2)を含む重合体溶液(P−2)を得た。(共)重合体(A−2)のMwは500,000であった。(共)重合体(A−2)の重量に基づいて離型剤(G−1b)の含有量は3.1重量%であった。
製造例3
製造例1で使用するモノマーをスチレン340部、n−ブチルアクリレート120部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.12部、離型剤を熱減成型ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P)(G−1a)40部としたほかは製造例1と同様に重合し、重合体(A−3)を含む重合体組成物(P−3)のキシレン溶液得た。(共)重合体(A−3)のMwは800,000であった。(共)重合体(A−3)の重量に基づいて離型剤(G−1a)の含有量は8.7重量%であった。
製造例4
製造例1で使用するモノマーをスチレン324部、n−ブチルアクリレート114部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.15部、離型剤を熱減成型ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P)(G−1a)62部としたほかは製造例1と同様に重合し、重合体(A−4)を含む重合体組成物(P−4)のキシレン溶液得た。(共)重合体(A−4)のMwは950,000であった。(共)重合体(A−4)の重量に基づいて離型剤(G−1a)の含有量は14.2重量%であった。
製造例5
オートクレーブにキシレン250部、熱減成型ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P)(G−2a)2部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。スチレン493部、n−ブチルメタクリレート5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド15部、及びキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を185℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、(共)重合体(B−1)を含む重合体溶液(Q−1)を得た。(共)重合体(B−1)のMwは5,000であった。(共)重合体(B−1)の重量に基づいて離型剤(G−2a)の含有量は0.4重量%であった。
製造例6
オートクレーブにキシレン250部、熱減成型ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P)(G−2a)8部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温した。スチレン438部、n−ブチルメタクリレート54部、ジ−t−ブチルパーオキサイド8部、及びキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、(共)重合体(B−2)を含む重合体溶液(Q−2)を得た。(共)重合体(B−2)のMwは10,000であった。(共)重合体(B−2)の重量に基づいて離型剤(G−2a)の含有量は1.6重量%であった。
製造例7
製造例5で使用するモノマーをスチレン486部、n−ブチルアクリレート5部、熱減成型ポリプロピレンを三洋化成工業(株)製ビスコール660P(G−2b)9部、ジ−t−ブチルパーオキサイドを19部にするほかは製造例5と同様に重合し、重合体(B−3)を含む重合体組成物(Q−3)のキシレン溶液を得た。(共)重合体(B−3)のMwは4,500であった。(共)重合体(B−3)の重量に基づいて離型剤(G−2b)の含有量は1.8重量%であった。
製造例8
オートクレーブにキシレン250部、熱減成型ポリエチレン(三洋化成工業(株)製サンワックス151−P)(G−2c)9部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で150℃まで昇温した。スチレン417部、n−ブチルアクリレート74部、ジ−t−ブチルパーオキサイ7部、及びキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を150℃にコントロールしながら、2.5時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保った後170℃に昇温して1時間重合させ、(共)重合体(B−4)を含む重合体溶液(Q−4)を得た。(共)重合体(B−4)のMwは15,000であった。(共)重合体(B−4)の重量に基づいて離型剤(G−2c)の含有量は1.8重量%であった。
比較製造例1
製造例1で熱減成型ポリプロピレンを使用しないほかは製造例1と同様に重合し、重合体(RA−1)を含む比較用重合体組成物(RP−1)のキシレン溶液を得た。(共)重合体(RA−1)のMwは750,000であった。(共)重合体(RA−1)の重量に基づいて離型剤の含有量は0重量%であった。
比較製造例2
製造例5で熱減成型ポリプロピレンを使用しないほかは製造例5と同様に重合し、重合体(RB−1)を含む比較用重合体組成物(RQ−1)のキシレン溶液を得た。(共)重合体(RB−1)のMwは5,000であった。(共)重合体(RB−1)の重量に基づいて離型剤の含有量は0重量%であった。
比較製造例3
製造例2でスチレン359部、n−ブチルアクリレート126部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.09部を、スチレン365部、n−ブチルアクリレート120部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.01部に変更した以外は製造例2と同様の仕込みとし、95℃での塊状重合を2時間、110℃での重合2時間を3時間とするほかは製造例2と同様に重合し、重合体(RA−2)を含む比較用重合体組成物(RP−2)のキシレン溶液得た。(共)重合体(RA−2)のMwは350,000であった。(共)重合体(RA−2)の重量に基づいて離型剤の含有量は3.1重量%であった。
比較製造例4
製造例3でスチレン493部、n−ブチルメタクリレート5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド15部を、スチレン498部、ジ−t−ブチルパーオキサイド20部に変更した以外は製造例3と同様の仕込み、オートクレーブ内温度を200℃とするほかは製造例3と同様に重合し、重合体(RB−2)を含む比較用重合体組成物(RQ−2)のキシレン溶液を得た。(共)重合体(RB−2)のMwは3,700であった。(共)重合体(RB−2)の重量に基づいて離型剤の含有量は0.4重量%であった。
各製造例及び比較製造例で得られた重合体の分析結果を表1に示す。
Figure 0006626871
実施例1
オートクレーブに重合体組成物(P−1)のキシレン溶液531部、重合体組成物(Q−1)のキシレン溶液520部仕込み、キシレン還流下で1時間混合した。次にキシレンを留去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を行い、ガスクロマトグラフにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(TB−1)を得た。
実施例2
オートクレーブに重合体組成物(P−2)のキシレン溶液730部、重合体組成物(Q−2)のキシレン溶液386部仕込み、キシレン還流下で1時間混合した。次にキシレンを留去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を行い、ガスクロマトグラフにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(TB−2)を得た。
実施例3
オートクレーブに重合体組成物(P−3)のキシレン溶液477部、重合体組成物(Q−3)のキシレン溶液553部を仕込んだほかは実施例1と同様にし、トナーバインダー(TB−3)を得た。
実施例4
オートクレーブに重合体組成物(P−3)のキシレン溶液415部、重合体組成物(Q−4)のキシレン溶液600部を仕込んだほかは実施例1と同様にし、トナーバインダー(TB−4)を得た。
実施例5
オートクレーブに重合体組成物(P−4)のキシレン溶液531部、重合体組成物(Q−1)のキシレン溶液520部を仕込んだほかは実施例1と同様にし、トナーバインダー(TB−5)を得た。
比較例1
オートクレーブに重合体溶液(RP−1)を567部、重合体溶液(RQ−1)を520部仕込み、キシレン還流下で1時間混合した。次にキシレンを留去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を行い、ガスクロマトグラフにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(RTB−1)を得た。
比較例2
オートクレーブに重合体組成物(RP−2)のキシレン溶液を730部、重合体組成物(Q−1)のキシレン溶液を386部仕込み、キシレン還流下で1時間混合した。次にキシレンを留去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を行い、ガスクロマトグラフにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(RTB−2)を得た。
比較例3
オートクレーブに重合体組成物(P−1)のキシレン溶液を531部、重合体組成物(RQ−2)のキシレン溶液を523部仕込み、キシレン還流下で1時間混合した。次にキシレンを留去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を行い、ガスクロマトグラフにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(RTB−3)を得た。
各実施例及び比較例で得られたトナーバインダーの組成及び分析結果を表2に示す。
Figure 0006626871
[実施例6〜10]
〔トナーの作成〕
トナーバインダー(TB−1)〜(TB−5)各々91部に、着色剤としてカーボンブラック[三菱化成(株)製 MA100]7部、及び荷電調整剤(保土谷化学製 スピロンブラックTRH)2部、さらに(TB−2)には熱減成型ポリプロピレン[三洋化成工業(株)製 ビスコール550P]2部をヘンシェルミキサーFM10B〔三井三池化工機(株)製〕で均一混合した後、樹脂温度130℃の二軸押出機[PCM30、(株)池貝製]で混練し、冷却物をジェット粉砕機[ラボジェットLJ、日本ニューマチック工業(株)製]で微粉砕し、デイスパージョンセパレータ[MDS−II、日本ニューマチック工業(株)製]で分級した。ついで、トナー粒子100部と流動化剤としてコロイダルシリカ(日本アエロジル製アエロジルR972)1.0部とを均一混合して、体積平均粒径9μmの本発明のトナー(T−1)〜(T−5)を得た。
なお、体積平均粒径は、コールターカウンター(マルチサイザー3、ベックマンコールター社製)で測定した。
[比較例4〜6]
〔トナーの作成〕
比較用のトナーバインダー(RTB−1)〜(RTB−3)の各々91部に、着色剤としてカーボンブラック[三菱化成(株)製 MA100]7部、及び荷電調整剤(保土谷化学製 スピロンブラックTRH)2部、さらに(RTB−1)には熱減成型ポリプロピレン[三洋化成工業(株)製 ビスコール550P]4部、(RTB−2)には熱減成型ポリプロピレン[三洋化成工業(株)製 ビスコール550P]2部をヘンシェルミキサーFM10B〔三井三池化工機(株)製〕で均一混合した後、樹脂温度130℃の二軸押出機[PCM30、(株)池貝製]で混練し、冷却物をジェット粉砕機[ラボジェットLJ、日本ニューマチック工業(株)製]で微粉砕し、デイスパージョンセパレータ[MDS−II、日本ニューマチック工業(株)製]で分級した。ついで、トナー粒子100部と流動化剤としてコロイダルシリカ(日本アエロジル製アエロジルR972)1.0部とを均一混合して、体積平均粒径9μmの比較のトナー(RT−1)〜(RT−3)を得た。
なお、体積平均粒径は、コールターカウンター(マルチサイザー3、ベックマンコールター社製)で測定した。
〔試験例〕
トナー(T−1)〜(T−5)、及び(RT−1)〜(RT−3)のそれぞれについての評価結果を表3に示す。
表3に示したように、本発明のトナーバインダー(TB−1)〜(TB−5)を含有する本発明のトナー(T−1)〜(T−5)は、優れた定着温度幅を有しており、画像安定性、貯蔵安定性にも優れている。一方、比較のトナーバインダー(RTB−1)〜(RTB−3)を含有する比較のトナー(RT−1)〜(RT−3)は、定着温度幅が狭くなったり、カブリを生じるなど画像特性に劣ったりしていずれかの性能が劣るものであった。
このように本発明のトナーバインダーを使用することにより、特にトナーの長時間使用時の画質劣化に問題のないトナーを得ることが出来る。
Figure 0006626871
本発明の電子写真用トナーバインダーは、トナーとして、定着温度幅が広く、更に長時間使用時の画質劣化といったトラブルがない優れたトナーを得ることができ、極めて有用である。

Claims (4)

  1. 離型剤(G1)の存在下で重合して得られる重量平均分子量が40万以上100万以下であるスチレン(共)重合体(A)からなる重合体組成物(P)と、離型剤(G2)の存在下で重合して得られる重量平均分子量が4000以上2万以下であるスチレン(共)重合体(B)からなる重合体組成物(Q)とを含む電子写真用トナーバインダーであって、
    (A)の重合の際に(A)の重量に基づいて(G1)を1.0〜15.0重量%含有し、
    (B)の重合の際に(B)の重量に基づいて(G2)を0.1〜2.0重量%含有してなり、前記(P)中の前記(G1)と前記(Q)中の前記(G2)の重量比(G1):(G2)が99:1〜70:30である電子写真用トナーバインダー。
  2. 前記(P)中の前記(A)と前記(Q)中の前記(B)の重量比(A):(B)が25
    :75〜60:40である請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
  3. 前記(G1)及び前記(G2)が、それぞれ独立にポリオレフィンワックス、天然ワッ
    クス及びフィッシャートロプシュワックスからなる群から選ばれる1種以上の離型剤であ
    る請求項1又は2のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
  4. 請求項1〜のいずれか記載の電子写真用トナーバインダーと着色剤とを含有するトナ
    ー。
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