JP2008177601A - 半導体装置用の外装樹脂ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】クラック発生を抑制することが可能な半導体装置用の外装樹脂ケースを提供する。
【解決手段】半導体装置用の外装樹脂ケースの端子台2は、ナット挿入部20とナット支持部30とを備えている。ナット挿入部20にはナット40を遊嵌可能なナット挿入穴21が設けられている。ナット挿入穴21の内側面121には、突起部22a,22bが設けられている。そして、所定の締め付けトルクでナット40にネジ等が螺合される際に当該ナット40に作用する回転力によって、ナット40は突起部22aを押圧する。また、所定の締め付けトルクでナット40に螺合されたネジ等を当該ナット40から取り外す際に当該ナット40に作用する回転力によって、ナット40は突起部22bを押圧する。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置用の外装樹脂ケースに関する。
特許文献1〜4には電力用半導体装置が開示されている。特許文献1〜4の半導体装置の外装樹脂ケースにはナットが埋め込まれており、また半導体素子と電気的に接続された外部導出端子が取り付けられている。そして、当該ナットとそれに挿入されるネジとでもって、外部導出端子にブスバーなどの外部配線が連結される。
特開平9−69603号公報 特開平9−232512号公報 特開平10−116961号公報 特開平10−256411号公報
上述のような半導体装置用の外装樹脂ケースでは、外部導出端子に外部配線を連結する際に、ネジの締め付けトルクによって当該外装樹脂ケースにクラックが生じることがあった。また、ナットからネジを取り外す際にも、ナットが外装樹脂ケースに接触し、当該外装樹脂ケースにクラックが生じることがあった。
そこで、本発明は上述の問題に鑑みて成されたものであり、クラック発生を抑制することが可能な半導体装置用の外装樹脂ケースを提供することを目的とする。
この発明の半導体装置用の外装樹脂ケースは、ナットを遊嵌可能なナット挿入穴を備え、前記ナット挿入穴の内側面には、当該ナット挿入穴の深さ方向に沿って延在する部分を含む突起部が設けられており、前記突起部を押圧しないように前記ナット挿入穴に遊嵌された前記ナットに回転力が作用することによって、初めて前記ナットは前記突起部を押圧する。
この発明の半導体装置用の外装樹脂ケースによれば、ナットにネジ等が螺合される際、あるいはナットからネジ等を取り外す際にナットに回転力が作用することによって、当該ナットは突起部を押圧する。そのため、ナットに作用する回転力は突起部で吸収される。その結果、外装樹脂ケースに発生する応力を低減でき、外装樹脂ケースでのクラック発生を抑制できる。
実施の形態1.
図1は本実施の形態1に半導体装置用の外装樹脂ケース100の構造を示す斜視図である。図1に示されるように、本実施の形態1に係る外装樹脂ケース100は樹脂から成り、略長方形の3つの枠体1を備えている。ここで、枠体1の短辺方向をX軸方向、長辺方向をY軸方向とする、図1に示されるようなXYZ直交座標系を定義して、以後このXYZ直交座標系を用いて本外装樹脂ケース100の構造について説明する。
3つの枠体1はX軸方向に並んで配置されており、一体的に形成されている。そして、各枠体1内には、例えばIGBTやパワーMOSトランジスタなどの電力用半導体素子を搭載した基板や、当該電力用半導体素子から発生する熱を放熱するための放熱板などが収納される。
各枠体1のY軸方向の両端部には、外側に突出するように2つの端子台2が接続されており、当該2つの端子台2は枠体1と一体的に形成されている。各端子台2には金属製のナット40が埋め込まれており、そのナット40の近傍には半導体素子に電気的に接続される外部導出端子10の挿入孔2aがZ軸方向に貫通して設けられている。外部導出端子10は、略L字型に曲げられた板状部材から成り、その一方の端部にはネジ挿入孔10aが設けられている。外部導出端子10は、ネジ挿入孔10aが設けられている端部が端子台2からZ軸方向に突出するように、当該端子台2に設けられた挿入孔2aに挿入される。そして、外部導出端子10のもう一方の端部は、枠体1の底部に設けられ当該枠体1と一体的に形成された板状の支持部4によって支持される。
外部導出端子10は、端子台2の挿入孔2aに挿入された図1の状態の後、ナット40のネジ穴40aの中心とネジ挿入孔10aの中心とが一致するようにナット40側に折り曲げられて(図示せず)、当該ナット40上に外部導出端子10の一部が重ね合わされる。そして、ナット40上の外部導出端子10の一部にはブスパーなどの外部配線(図示せず)が重ね合わされて、ナット40には、当該外部配線及び外部導出端子10を間に挟んでボルトあるいはネジ(図示せず)が所定の締め付けトルクで螺合される。これにより、当該外部配線が外装樹脂ケース100の端子台2にネジ止めされ、外装樹脂ケース100に収納された半導体素子からの電気信号を外部配線を介して外部装置に出力したり、外部装置からの電気信号を外部配線を介して外装樹脂ケース100内の半導体素子に供給することができる。
また各枠体1の角部には、外側に突出するように当該枠体1と一体的に形成された板状部材3が設けられており、当該板状部材3には、外装樹脂ケース100を基板等に取り付ける際に使用される貫通孔3aが設けられている。そして、枠体1、端子台2、板状部材3及び支持部4は同一の材料で形成されており、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂で形成されている。
次に本実施の形態1に係る端子台2の構造について詳細に説明する。図2は本端子台2の上方から見た際の拡大平面図であって、図3は図2の矢視A−Aにおける端子台2の断面図である。また、図4は図2の部分Bを更に拡大して示す平面図である。なお説明の便宜上、図2及び後述の図5〜8,10〜12ではナット40を破線で示し、図3ではナット40を図示していない。
図2〜4に示されるように、本実施の形態1に係る端子台2は、互いに一体的に形成されたナット挿入部20とナット支持部30とを備えている。ナット挿入部20には、正多角柱形状、本例では正六角柱形状のナット挿入穴21がナットを遊嵌可能に設けられている。そして、ナット挿入穴21には、それと同じ角数の正多角柱形状、本例では正六角柱形状のナット40が挿入されている。
ナット挿入穴21の内側面121、言い換えればナット挿入穴21によって露出するナット挿入部20の内側面は6つの面121a〜121fで構成されており、各面121a〜121fには突起部22a,22bが設けられている。各突起部22a,22bは細長の直方体であって、ナット挿入穴21の内側面121の上端から下端までZ軸方向に沿って延在している。そして、各突起部22a,22bはナット挿入部20と一体的に形成されている。
また図4に示されるように、突起部22aのZ軸方向に垂直な断面形状は長方形であり、当該長方形の短辺の長さbは例えば0.2mmに設定されており、長辺の長さcは0.5mmに設定されている。そして突起部22aは、当該長辺の一方を含む側面がナット挿入穴21の内側面121に接触するように配置されている。なお、突起部22bも図4に示される突起部22aと同じ形状を成しており、そのZ軸方向に垂直な断面形状における長辺の一方を含む側面がナット挿入穴21の内側面121に接触するように配置されている。
本実施の形態1に係るナット40には、JIS規格に適合したM6ナットが採用されている。そして、図2に示されるように、ナット挿入穴21の上面視上の形状は正六角形であり、当該正六角形の一辺の長さaは例えば6mmに設定されている。これにより、ナット挿入穴21がナット40を遊嵌することができる。
なお、本実施の形態1に係る外装樹脂ケース100の製造時には、ナット40は、その複数の外側面40bが、ナット挿入穴21の内側面121を構成する面121a〜121fにそれぞれ対向するように挿入され、かつそのネジ穴40aのZ軸方向に延びる中心軸と、ナット挿入穴21のZ軸方向に延びる中心軸とが一致するように、ナット挿入穴21に挿入される。
ナット支持部30には、ナット40に螺合するネジやボルトの先端を逃がすための逃がし穴31が設けられている。逃がし穴31は例えば円柱形状であり、ナット挿入穴21と連通している。そして、ナット支持部30はナット挿入穴21に挿入されたナット40の底面を支持する。
突起部22aは、外部配線を端子台2に取り付けるためにナット40にネジやボルトを螺合する際に当該ナット40が接触する位置に配置されている。また突起部22bは、外部配線を端子台2から取り外すためにナット40からネジやボルトを取り外す際に当該ナット40が接触する位置に配置されている。以下に、この突起部22a,22bの配置位置について詳細に説明する。
図5は、ナット40にネジ等が螺合する際の当該ナット40の動きを示す図であって、図6はナット40からネジ等を取り外す際の当該ナット40の動きを示す図である。図5に示されるように、所定の締め付けトルクでナット40にネジ等を螺合する際、当該ナット40には、そのネジ穴40aの中心軸を回転軸とする上面視上で時計回りの回転力50が作用し、当該回転力50によってナット40は上面視上で時計回りに回転する。突起部22aは、この回転力50によってナット40が回転した際に当該ナット40の角と接触する位置に配置されている。そして、金属製のナット40はこの回転力50の作用によって樹脂製の突起部22aを押圧する。これによって、回転力50が突起部22aに吸収される。なお、回転力50によるナット40の回転は、突起部22aにナット40の角が当接することによって停止する。そのため、当該ナット40が回転し続けることは無い。
また図6に示されるように、所定の締め付けトルクでナット40に螺合したネジ等を当該ナット40から取り外す際、当該ナット40には、そのネジ穴40aの中心軸を回転軸とする上面視上で反時計回りの回転力51が作用する。そして、当該回転力51によってナット40は上面視上で反時計回りに回転する。突起部22bは、この回転力51によってナット40が回転した際に当該ナット40の角が接触する位置に配置されている。そして、ナット40はこの回転力51の作用によって突起部22bを押圧する。これによって、回転力51が突起部22bに吸収される。なお、回転力51によるナット40の回転は、突起部22bにナット40の角が当接することによって停止する。そのため、当該ナット40が回転し続けることは無い。
図7はナット挿入部20に突起部22a,22bが設けられていない場合の図5に対応する平面図であって、かかる場合の回転力50の作用によるナット40の動きを示している。図7に示されるように、ナット挿入部20に突起部22a,22bが設けられていない場合には、ナット40の角は、回転力50によってナット挿入穴21の内側面121に直接当接して、ナット40の回転は停止する。そのため、ナット40の角とナット挿入部20との接触箇所Oに応力が集中し、端子台2にクラックが発生することがある。また、ナット40からネジ等を取り外す際に作用する回転力51によっても、ナット40の角はナット挿入穴21の内側面121に直接当接し、端子台2にクラックが発生することがある。
上述のように、本実施の形態1に係る外装樹脂ケース100では、ナット40は回転力50の作用によって突起部22aに当接して、突起部22aを押圧する。そのため、回転力50が突起部22aで吸収され、所定の締め付けトルクでナット40にネジ等を螺合する際に端子台2に発生する応力を低減することができる。その結果、ナット40にネジ等を螺合する際の端子台2でのクラック発生を抑制することできる。
また、本実施の形態1に係る外装樹脂ケース100では、ナット40は回転力51の作用によって突起部22bに当接し、更に突起部22bを押圧するため、回転力51が突起部22bに吸収される。そのため、所定の締め付けトルクでナット40に螺合されたネジ等を当該ナット40から取り外す際に端子台2に発生する応力を低減することができる。その結果、ナット40からネジ等を取り外す際の端子台2でのクラック発生を抑制することができる。
なお突起部22aは、図4に示されるように、その側面のうちのナット挿入穴21の内側面121と接触する面のZ軸方向に延びる中心軸が、上記接触箇所Oと一致するように配置されており、この突起部22aの配置と形状によって、ナット40がナット挿入穴21の内側面121に直接接触することなく回転力50によって突起部22aに当接し、ナット40の回転が停止するようになる。また、ナット挿入部20に突起部22bが設けられていない場合の回転力51によるナット40の角とナット挿入部20との接触箇所を「接触箇所O´」とすると、突起部22bも、その側面のうちのナット挿入穴21の内側面121と接触する面のZ軸方向に延びる中心軸が、当該接触箇所O´と一致するように配置されている。そして、この突起部22bの配置と形状によって、ナット40がナット挿入穴21の内側面121に直接接触することなく回転力51によって突起部22bに当接し、ナット40の回転が停止するようになる。
また本実施の形態1では、ナット挿入穴21の内側面121を構成する多角柱形状の複数の面121a〜121fのそれぞれに突起部22a,22bを設けているため、ナット40にネジ等を螺合する際に当該ナット40に作用する回転力50、あるいはナット40からネジ等を取り外す際に当該ナット40に作用する回転力51を各面121a〜121fに分散することができる。従って、ナット40に作用する回転力50,51がナット挿入穴21の内側面121の特定部分に集中することが緩和され、端子台2でのクラック発生を更に抑制することができる。
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2に係る外装樹脂ケース100の端子台2の平面図であって、図9は図8の部分Cを拡大して示す平面図である。なお、図9ではナット40の図示を省略している。
上述の実施の形態1では、端子台2に設けられた突起部22a,22bとして直方体形状のものを採用したが、本実施の形態2では、突起部22a,22bとして、Z軸方向に延在する細長の台形柱形状のものを採用している。以下に図8,9を参照して本実施の形態2に係る外装樹脂ケース100について詳細に説明する。なお、本実施の形態2に係る外装樹脂ケース100では、突起部22a,22b以外の構造については実施の形態1と同じであるため、その説明を省略する。
図8,9に示されるように、本実施の形態2に係る突起部22aでは、そのZ軸方向に垂直な断面形状は台形であり、当該台形の高さdは例えば0.2mmに設定されており、短い方の底の長さe及び長い方の底の長さfはそれぞれ0.5mm,0.9mmに設定されている。また、当該台形は等脚台形であり、平行でない2つの辺のどちらか一方と、長い方の底とが成す角度αは45°に設定されている。そして突起部22aは、当該台形の長い方の底を含む側面がナット挿入穴21の内側面121に接触するように配置されている。なお、台形柱形状の突起部22bも図9に示される突起部22aと同じ形状を成しており、そのZ軸方向に垂直な断面形状における長い方の底を含む側面がナット挿入穴21の内側面121に接触するように配置されている。
更に突起部22aは、図9に示されるように、その側面のうちのナット挿入穴21の内側面121と接触する面のZ軸方向に延びる中心軸が、上記接触箇所Oと一致するように配置されており、この突起部22aの配置と形状とによって、図8に示されるように、ナット40が回転力50の作用によって突起部22aに当接するようになる。また突起部22bも、その側面のうちのナット挿入穴21の内側面121と接触する面のZ軸方向に延びる中心軸が、上記接触箇所O´と一致するように配置されており、この突起部22bの配置と形状とによって、ナット40が回転力51の作用によって突起部22bに当接するようになる。
このように、突起部22a,22bに上述のような台形柱形状のものを採用することによって、図9に示されるように、各突起部22a,22bにおける、ナット挿入穴21の内側面121と連続する側面122と、当該内側面121とが成す角度θは鈍角となる。
一方、実施の形態1に係る突起部22a,22bでは、図4に示されるように上記角度θは90°となる。従って、ナット40に回転力50,51が作用して当該ナット40が突起部22a,22bを押圧する際には、ナット挿入部20における、突起部22a,22bの側面122とナット挿入穴21の内側面121との接続箇所付近に応力が集中し、端子台2にクラックが発生し易くなる。
上述のように、本実施の形態2に係る突起部22a,22bは、ナット挿入穴21の内側面121と連続し、かつ当該内側面121と鈍角を成す側面122を有しているため、ナット挿入部20における上記接続箇所付近には応力が集中しにくくなり、端子台2でのクラック発生を抑制することができる。その結果、外装樹脂ケース100にはクラックが更に発生しにくくなる。
実施の形態3.
図10は本実施の形態3に係る外装樹脂ケース100の端子台2の平面図である。上述の実施の形態1に係る外装樹脂ケース100では、ナット挿入穴21の内側面121を構成する面121a〜121fのそれぞれに突起部22a,22bを設けていたが、本実施の形態3に係る外装樹脂ケース100では、図10に示されるように、面121a〜121fは突起部22a,22bが設けられていない面を含んでいる。具体的には、本例では、面121dだけに突起部22a,22bが設けられていない。更に本実施の形態3では、突起部22a,22bが設けられていない面121dと、ナット挿入部20の外側面70とが成す距離lは、実施の形態1よりも小さく設定されている。なお、本実施の形態3に係る外装樹脂ケース100のその他の構造は実施の形態1と同じであるため、その説明は省略する。
図10に示されるように、所定の締め付けトルクでナット40にネジ等が螺合される際にナット40に回転力50が作用すると、ナット40の角が面121a〜121c,121e,121fに設けられた突起部22aに当接することによって、ナット40の回転は停止する。ここで、ナット挿入穴121及びナット40は正多角柱形状であるため、上述の図7に示されるように、各面121a〜121fに突起部22aが設けられていない際には、回転力50の作用によってナット40が各面121a〜121fに当接する。言い換えれば、ナット挿入穴21の形状は、各面121a〜121fに突起部22aが設けられていない際には、回転力50の作用によってナット40が各面121a〜121fに当接するような形状となっている。従って、本実施の形態3のように、ナット40の角が面121a〜121c,121e,121fに設けられた突起部22aにそれぞれ当接してナット40の回転が停止することによって、突起部22a,22bが設けられていない面121dにはナット40の角が接触しなくなる。
また、所定の締め付けトルクで螺合されたネジ等をナット40から取り外す際に当該ナット40に回転力51が作用すると、ナット40の角が面121a〜121c,121e,121fに設けられた突起部22bに当接することによって停止する。このときも、同様の理由で、突起部22a,22bが設けられていない面121dにはナット40の角が接触することはない。
このように、本実施の形態3に係る外装樹脂ケース100では、ナット挿入穴21の内側面121を構成する多角柱形状の複数の面121a〜121fは、突起部22a,22bが設けられていない面121dを含むため、本実施の形態3のように、ナット40に回転力50,51が作用した場合に、当該面121dにはナット40が接触しないようにすることによって、当該面121dに応力を発生しないようにすることができる。従って、図10に示されるように、面121dとナット挿入部20の外側面70との間の距離lを十分に確保できない場合であっても、面121dと外側面70との間の薄肉部60にクラックを発生しにくくすることができる。
なお図10では、直方体形状の突起部22a,22bを示したが、図11に示されるように、実施の形態2と同様に突起部22a,22bを台形柱形状にしてもよい。この場合であっても、面121dに突起部22a,22bを設けないことによって同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図12は本実施の形態4に係る外装樹脂ケース100の端子台2の平面図である。上述の実施の形態1〜3に係る外装樹脂ケース100では、ナット挿入穴21は正多角柱形状であったが、本実施の形態4に係る外装樹脂ケース100では、ナット挿入穴21を正多角柱形状でない多角柱形状にして、ナット40と非相似形にしている。更に、ナット挿入穴21の内側面121には突起部22a,22bを全く設けていない。
図12に示されるように、本実施の形態4に係るナット挿入穴21の上面視上の形状は正六角形でない六角形である。当該六角形の6つの辺のうち、連続する3つの辺の長さaは6mmに設定されている。そして、残りの3つの辺のうち、互いに連続しない2つの辺の長さgは6.6mmに設定されており、残りの1つの辺の長さhは5.2mmに設定されている。これにより、当該六角形の各内角は約120°となり、正六角形の内角の角度とほぼ同じになる。
前記六角形における長さaを有する3つの辺は、ナット挿入穴21の内側面121における面121a,121b,121fにそれぞれ含まれており、長さgを有する2つの辺は面121c,121eにそれぞれ含まれており、長さhを有する辺は面121dに含まれている。
このように、本実施の形態4に係るナット挿入穴21の上面視上の形状である六角形は、実施の形態1〜3に係るナット挿入穴21の上面視上の形状である正六角形において、各内角を120°に維持しつつ、面121c,121eに含まれる辺を長く、面121dに含まれる辺を短くしたものである。
また、本実施の形態4に係る外装樹脂ケース100の製造時には、ナット40は、その複数の外側面40bが、ナット挿入穴21の内側面121を構成する面121a〜121fにそれぞれ対向するように挿入され、かつ外側面40bと面121a〜121c,121e,121dとの距離mが互いに等しくなるように、ナット挿入穴21に挿入される。そして、ナット挿入部20は、所定の締め付けトルクでナット40にネジ等が螺合される際、あるいは所定の締め付けトルクで螺合されたネジ等をナット40から取り外す際に、ナット40の回転が停止するように当該ナット40の外側面を覆っている。本実施の形態4に係る外装樹脂ケース100のその他の構造は実施の形態3と同じであるため、その説明は省略する。
次に、ナット40にネジ等を螺合する際、あるいはナット40からネジ等を取り外す際のナット40の動きについて説明する。図13はナット40に回転力50が作用した場合の当該ナット40の動きを示す図である。図13に示されるように、所定の締め付けトルクでナット40にネジ等が螺合される際にナット40に回転力50が作用すると、ナット挿入穴21の上面視上の形状である六角形の内角は正六角形の内角とほぼ同じであるため、ナット40の角は、面121a〜121c,121e,121fに当接し、それによってナット40の回転は停止する。このとき、上述の長さgを有する辺は、長さaを有する辺よりも長いため、面121dにはナット40が接触することはない。
また、所定の締め付けトルクで螺合されたネジ等をナット40から取り外す際に当該ナット40に回転力51が作用すると、同様の理由で、ナット40の角が面121a〜121c,121e,121fに当接し、それによってナット40の回転が停止する。このときも、同様の理由で面121dにはナット40が接触することはない。
このように、本実施の形態4に係る外装樹脂ケース100では、多角柱形状のナット挿入穴21は、正多角柱形状のナット40とは非相似形であるため、ナット挿入穴21の内側面121を構成する面121a〜121fは、ナット40に回転力50,51が作用した際に、当該ナット40と接触しない面を含むようになる。このナット40と接触しない面には応力は発生しないため、図13に示されるように、当該ナット40と接触しない面(面121d)とナット挿入部20の外側面70との間の距離lを十分に確保できない場合であっても、当該ナット40と接触しない面と当該外側面70との間の薄肉部60にクラックが発生しにくくなる。
本発明の実施の形態1に係る外装樹脂ケースの構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る端子台の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係る端子台の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る端子台の構造を示す拡大平面図である。 本発明の実施の形態1に係るナットの動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るナットの動作を示す図である。 従来のナットの動作を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る端子台の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る端子台の構造を示す拡大平面図である。 本発明の実施の形態3に係る端子台の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る端子台の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る端子台の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態4にナットの動作を示す図である。
符号の説明
21 ナット挿入穴、22a,22b 突起部、40 ナット、50,51 回転力、100 外装樹脂ケース、121 内側面、121a〜121f 面、122 側面。

Claims (4)

  1. ナットを遊嵌可能なナット挿入穴を備え、
    前記ナット挿入穴の内側面には、当該ナット挿入穴の深さ方向に沿って延在する部分を含む突起部が設けられており、
    前記突起部を押圧しないように前記ナット挿入穴に遊嵌された前記ナットに回転力が作用することによって、初めて前記ナットは前記突起部を押圧する、半導体装置用の外装樹脂ケース。
  2. 前記突起部は、前記ナット挿入穴の前記内側面と連続し、かつ前記内側面と鈍角を成す側面を有する、請求項1に記載の半導体装置用の外装樹脂ケース。
  3. 前記ナット挿入穴は多角柱形状であって、
    前記突起部は、前記ナット挿入穴の前記内側面を構成する前記多角柱形状の複数の面のそれぞれに設けられている、請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の半導体装置用の外装樹脂ケース。
  4. 前記ナット挿入穴は多角柱形状であって、
    前記ナット挿入穴の前記内側面を構成する前記多角柱形状の複数の面は、前記突起部が設けられていない面を含む、請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の半導体装置用の外装樹脂ケース。
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