JP5880487B2 - 間隔管保持治具、及び間隔管保持部材 - Google Patents
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Description
なお、間隔管には円柱パイプ形状のタイプもあるが、本明細書においては、特に高ナット、又は両端に雌ネジが螺刻された六角支柱を間隔管として用いる場合について説明する。
図12は、2枚のプリント基板を連結する際の間隔管の取り付け例を模式的に示す。間隔管6の両端において、ネジ用の穴が形成されたプリント基板4を、それぞれワッシャ5を介して雄ネジ8で締める。これら2枚のプリント基板4の他の個所も同様に、同じ長さの間隔管を用いて固定することにより、2枚のプリント基板4を間隔管6の長さの間隔で平行に重ねたスタック構造が実現する。
受け治具12の上面16に、プリント基板4の間隔管レイアウトに合わせてボックスレンチ型凹部14が形成され、受け治具12の側部内周にプリント基板4の外形に沿った段部18が形成される。
まず各ボックスレンチ型凹部14に間隔管6を入れ、図14に示すように、段部18にプリント基板4の端を合わせてプリント基板4を間隔管6の上に重ねると、ボックスレンチ型凹部14に入れた間隔管6の上端がプリント基板4の下面に当接する。ドライバ等(図示せず)を用いて雄ネジ8を締め、各間隔管6をプリント基板4に取り付ける。間隔管6が取り付けられたプリント基板4を受け治具12から外すと、一枚目のプリント基板4に複数の間隔管6が取り付けられた状態となり、上述の組み立て手順前半が修了する。この後、プリント基板4を反転させ、そのプリント基板4に取り付けられた間隔管6の上にもう一枚のプリント基板4を載せ、雄ネジで留めることでスタック構造組み立てが完了する。
図15(b)は、受け治具12の変形例、すなわち四角形に形成されたボックスレンチ型凹部14を有する受け治具の例について、ボックスレンチ型凹部14に対して間隔管6が雄ネジ8の回転の向きにわずかに回転し、間隔管6がボックスレンチ型凹部14に嵌ってしまった様子を示す。
なお、図15(a)および15(b)においては、受け治具12の一つのボックスレンチ型凹部14およびその周辺の上面16のみを示す。
近年、電子部品の高密度実装の要求に応えるため電子部品の表面実装化が進められているが、表面実装部品は両面スルーホールで固定する電子部品よりも衝撃に弱いため、特に丁寧に扱う必要がある。
間隔管保持治具100は、ベース板90と、間隔管保持部材10とを備える。
ベース板90は、間隔管6を取り付けるプリント基板4と同程度の大きさに形成され、プリント基板4の間隔管取り付け位置に合わせて、間隔管保持部材10が設けられる。
ソケット部20は本体22及び突起26を備える。ソケット部20の本体22には間隔管6を固定するための間隔管保持穴24が形成される。図には面取りした四角柱形状の間隔管保持穴24を示したが、間隔管保持穴24はこれに限られず、例えば間隔管6に合わせて六角柱形状に形成されてもよい。
支持部30には、ソケット部20の突起26を支持し、ソケット部20のベース板90に対する動きを制限するための支持穴32が形成される。支持穴32は、突起26の断面よりも大きく、支持部30の上面34側で幅が広く、底面36側で幅が狭くなるよう形成される。すなわち、支持穴32は、ベース板90から離れるほど幅広となるよう形成される。
なお、支持部30が雄ネジによりベース板90に固定される場合、支持部30の底面36にはネジ穴(図示せず)が形成される。
2個の支持部30は、その間隔がソケット部20の本体22の幅より若干大きくなるようベース板90上に配置される。具体的には、2個の支持部30の間隔は、ソケット部20の本体22が可動となり、かつソケット部20が支持部30に対して動いた際、ソケット部20の突起26が支持部30から外れぬように定められる。
組み立て作業者は、間隔管6をプリント基板4に取り付ける際、まず、ソケット部20の間隔管保持穴24に、間隔管6を差し込む。
図5は、間隔管保持部材10において、間隔管保持穴24に間隔管6が差し込まれ、ベース板90とソケット部20の底面が接している状態を示す。ここで、ソケット部20の底面とは、間隔管保持穴24の形成されている面の反対側の面をいう。なお、図5においてベース板90の図示は省略している。
この際、間隔管6は、雄ネジ8を締める向きにトルクを受け、よってソケット部20は間隔管6から雄ネジ8を締める向きにトルクを受ける。
これにより、組み立て作業者は各間隔管6をプリント基板4の指定位置に効率よく取り付けられる。
全ての間隔管6のネジ留めを終えると、組み立て作業者はプリント基板4を持ち上げて、間隔管保持治具100から外そうとする。間隔管6が間隔管保持穴24に噛んでしまっている場合、この際にソケット部20も一緒に持ち上げられ、ソケット部20の底面がベース板90から離れる。
前述のように、支持部30の支持穴32はベース板90から離れるほど幅が広くなるよう形成される。よって、ソケット部20の底面がベース板90から離れ、突起26が支持穴32内でベース板90から遠ざかる向きに動くと、突起26が支持穴32の狭い部分に挟持された状態から外れて幅広の部分へと移動する。したがって、ソケット部20は、ベース板90に垂直な方向のみならず、ベース板90に平行な面内でも可動となる。例えば、ベース板90の法線を回転軸とするソケット部20の回転運動が可能となる。なお、本明細書において「回転」とは、回転可能範囲が制限されている場合も含む。
ソケット部20の底面がベース板90から離れ、突起26が支持穴32の狭い部分から外れると、間隔管6からトルクを受けているソケット部20は間隔管6の回転と同じ向きに回転し、間隔管保持穴24から間隔管6が外れる。
よって、作業者が間隔管保持部材10をもとの位置に戻す作業をする必要がなく、次のプリント基板4へ間隔管6を取り付けるために間隔管保持治具100を利用できる。
支持部40には、ソケット部20の突起26を支持し、ソケット部20のベース板90に対する動きを制限するための支持穴42が形成される。
支持穴42は、突起26を保持できる程度の幅の、ベース板90の法線に対して斜め方向の細長い穴として形成される。また2個の支持部40は、その中間に位置するベース板90の法線について線対称となるよう配置される。
具体的には、突起26が支持穴42の上面44に近い側に移動したときに、ソケット部20の間隔管保持穴24に噛んでしまった間隔管6がソケット部20から外れる向き、すなわち間隔管を留めるための雄ネジ8を締める向きにソケット部20が回転するよう支持穴42が形成され、2個の支持部40が配置される。
2個の支持部40の配置の間隔は、上述の支持部30と同様に定められる。
支持穴は、ソケット部20の底面がベース板90に接触しているときにソケット部20が実質的に固定され、ベース板90から離れたときにソケット部20が回転可能となる形状であればよく、材質や加工の容易性、使用する間隔管6の長さ等によって適宜定めればよい。
なお、支持部40が雄ネジによりベース板90に固定される場合、支持部40の底面46にはネジ穴(図示せず)が形成される。
組み立て作業者は、間隔管6をプリント基板4に取り付ける際、まず、ソケット部20の間隔管保持穴24に間隔管6を差し込む。
図8は、ベース板90に取り付けられた間隔管保持部材50において、間隔管保持穴24に間隔管6が差し込まれ、ベース板90とソケット部20の底面が接している状態を示す。図8においてベース板90の図示は省略している。
この際、間隔管6は、雄ネジ8を締める向きにトルクを受け、よってソケット部20は間隔管6から雄ネジ8を締める向きにトルクを受ける。
これにより、組み立て作業者は各間隔管6をプリント基板4の指定位置に効率よく取り付けられる。
全ての間隔管6のネジ留めを終えると、組み立て作業者はプリント基板4を持ち上げて、間隔管保持治具100から外そうとする。間隔管6が間隔管保持穴24に噛んでしまっている場合、この際にソケット部20も一緒に持ち上げられ、ソケット部20の底面がベース板90から離れる。
前述のように、支持部40の支持穴42はベース板90の法線に対して斜め方向に細長い穴として形成されている。よって、ソケット部20の底面がベース板90から離れ、突起26が支持穴42内でベース板90から遠ざかる向きに動くと、突起26が支持穴42に沿って回転し、ソケット部20がベース板90に垂直な軸を中心に図の白抜き矢印の向きに回転する。
これにより、間隔管保持穴24に嵌まってしまった間隔管6が外れる。
よって、作業者が間隔管保持部材10をもとの位置に戻す作業をする必要がなく、次のプリント基板4へ間隔管6を取り付けるために間隔管保持治具100を利用できる。
ソケット部60は本体22及び突起66を備える。ソケット部60の本体22には間隔管6を固定するための間隔管保持穴24が形成される。図には面取りした四角柱の間隔管保持穴24を示したが、間隔管保持穴24はこれに限られず、例えば間隔管6に合わせて六角柱に形成されてもよい。
突起66は、ソケット部60の本体22の側面に沿って斜め方向に細長い形状、かつその中央部においてその両端部よりも本体22から突出するように構成される。また、2個の突起66は、本体22の中心に位置するベース板90の法線について線対称となるよう配置される。
支持部70には、ソケット部60の突起66を支持し、ソケット部60のベース板90に対する動きを制限するための支持穴72が形成される。
なお、支持部70が雄ネジによりベース板90に固定される場合、支持部70の底面76にはネジ穴(図示せず)が形成される。
すなわち、突起66が支持穴72に係合し、支持部70の上面74に近い側にスライドしたとき、ソケット部60の間隔管保持穴24に噛んでしまった間隔管6がソケット部60から外れる向きにソケット部60が回転するよう、支持穴72が形成され、2個の支持部70が配置される。
2個の支持部70の配置間隔は、上述の支持部30の場合と同様に定められる。
すなわち、組み立て作業者が雄ネジ8を締める際、ソケット部60はベース板90側に押しつけられ、その底面がベース板90に接した状態で動かぬよう実質的に固定される。そして、組み立て作業者がプリント基板4を持ち上げると、間隔管6が間隔管保持穴24に噛んでいる場合、ソケット部60も一緒に持ち上げられ、ソケット部60の底面がベース板90から離れる。すると、突起66が支持穴72に沿ってスライドし、ソケット部60がベース板90の法線を中心軸として回転する。これにより、間隔管6が間隔管保持穴24から外れる。
よって、間隔管保持治具100を用いて効率よく間隔管6をプリント基板4にネジ留めし、プリント基板4に余計な力をかけずに、間隔管保持治具100から間隔管6を取り外すことができる。
また、上記ではソケット部が突起を有し、および支持部が支持穴を有する構成について説明したが、逆にソケット部が支持穴を有し、支持部が突起を有してもよい。
いずれの場合も、間隔管保持治具100を用いて効率よく間隔管6をプリント基板4にネジ留めし、プリント基板4に余計な力をかけずに、間隔管保持治具100から間隔管6を取り外すことができる。
また、実施形態においては基板スタック構造組み立てに関連して説明した。本発明にかかる間隔管保持治具及び間隔管保持部材はこれに限られず、接続や嵩上げなど様々な用途で取り付け対象部材にネジ留めされる高ナットや六角支柱等の六角柱形状部品の取付作業において、上述の実施形態と同様に用いることができる。
Claims (6)
- ベース板と、
ベース板に固定される支持部と、
間隔管保持穴が形成され、前記支持部に遊嵌されるソケット部とを備え、
前記ソケット部は、
前記ベース板と該ソケット部の底面が接しているとき、前記ベース板上で摺動不可に固定され、
前記ベース板と該ソケット部の底面が離れているとき、可動となるよう、
前記支持部に遊嵌されることを特徴とする間隔管保持治具。 - 前記ソケット部は、前記ベース板から該ソケット部の底面が離れたとき、間隔管固定用ネジを締める向きに可動となるよう前記支持部に遊嵌されることを特徴とする請求項1に記載の間隔管保持治具。
- 前記ソケット部は突起を備え、
前記支持部は前記突起と係合可能な支持穴を備え
前記支持穴は、
前記ソケット部の底面が前記ベース板に接しているとき、前記ソケット部が前記ベース板上で摺動不可となるよう前記突起を挟持し、
前記ソケット部の底面が前記ベース板から離れているとき、前記ソケット部が可動となるよう前記突起を保持することを特徴とする請求項1または2に記載の間隔管保持治具。 - 前記支持穴は、前記ベース板の法線に対して傾斜を有する長穴として形成されることを特徴とする請求項3に記載の間隔管保持治具。
- 前記支持穴は、前記ベース板から離れるにしたがい幅が広がるよう形成されることを特徴とする請求項3または4に記載の間隔管保持治具。
- ベース板に固定される支持部と、
間隔管保持穴が形成され、前記支持部に遊嵌されるソケット部とを備え、
前記ソケット部は、
前記ベース板と該ソケット部の底面が接しているとき、前記ベース板上で摺動不可に固定され、
前記ベース板と該ソケット部の底面が離れているとき、可動となるよう、
前記支持部に遊嵌されることを特徴とする間隔管保持部材。
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