JP2008176899A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現できるようにする。
【解決手段】ピックアップ装置は、光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子12を備えている。回折格子12は、光情報記録媒体のトラックの接線に対して平行方向に延びる直線により4つの領域に分割されている。第2の領域12Bにおける周期構造の位相は、第3の領域12Cにおける周期構造の位相と略180度異なり、第1の領域12Aにおける周期構造の位相は、第4の領域12Dにおける周期構造の位相と略180度異なる。
【選択図】図3

Description

本発明は、光情報記録媒体に対する情報の記録及び光情報記録媒体に記録された情報の再生又は消去等の処理を行う光学式情報処理装置に用いる光ピックアップ装置に関する。
CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の光情報記録媒体(光ディスク)からの記録の読み出しは、半導体レーザ装置等の光源から出射された光ビームを、対物レンズを用いて光ディスクの記録トラック上に集光し、光ディスクからの反射光を光検出器で電気信号に変換することにより行う。高速回転する光ディスクに対して、所望の記録トラックに正確に光ビームを集光するために、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出を行い、光ディスクの面ぶれ及び偏芯等にあわせて対物レンズの位置制御を行う。
トラッキングエラー信号の代表的な検出方法として、差動プッシュプル(DPP)方式が知られている。DPP方式は、光ビームをメインビームと+1次回折光及び−1次回折光との3本に分岐し、分割した各ビームを光ディスク上において所定のピッチで隣り合うように設けられた3つの案内溝に集光する。各ビームの反射光を検出して演算することにより得られる各プッシュプル信号の位相は、メインビームと+1次回折光及び−1次回折光とでは互いに180度ずれている。このため、各プッシュプル信号を演算処理することにより、各プッシュプル信号に含まれるオフセット成分だけを選択的に打ち消しあわせ、良好なトラッキングエラー信号を検出することができる。このため、特に、DVD記録用光ピックアップにおいてDPP方式が広く使用されている(例えば特許文献1を参照。)。
現在普及している光ディスクには種々の規格が存在し、光ディスクの規格により案内溝のピッチが異なっている。例えば、追記型のDVD−R(Recordable)及び書き換え型のDVD−RW(Disk ReWritable)等の案内溝のピッチは0.74μmであり、書き換え型のDVD−RAM(Random Access Memory)等の案内溝ピッチは1.23μmである。これら規格の異なる2種類以上の光ディスクに対しても、1台の装置で記録及び再生を可能にする光ピックアップが要求されている。このような要求に対して、以下のような光ピックアップ装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献2に開示された光ピックアップ装置は、光ビームを分岐する特殊回折格子が3つの領域に分割されており、各領域に周期的に設けられた格子溝の位相を順次90度ずつずらせている。このような特殊回折格子を用いるインライン型DPP方式と呼ばれるトラッキング誤差検出方式により、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行うことが可能となる。
特公平4−34212号公報 特開2004−145915号公報
しかしながら、前記従来のインライン型DPP方式を用いた従来の光ピックアップ装置には、次のような問題が生じる。
図18は、従来の光ピックアップ装置により光情報記録媒体の上に光ビームを集光した集光スポットを表している。+1次回折光に対応する集光スポット101は、光情報記録媒体の半径方向Xに対して右側において強度が大きくなり、左側において強度が小さくなる。これに対して、−1次回折光に対応する集光スポット102は右側において強度が小さくなり、左側において強度が大きくなる。これは以下のように説明できる。
図19に示すように、従来のインライン型DPP方式で用いられる特殊回折格子は、中央部領域120における格子溝120aに対して、領域119における格子溝119aの位相は90度進んでおり、領域121における格子溝121aの位相は90度遅れている。従って、中央部領域120を透過した+1次回折光の位相に対して、領域119を透過した+1次回折光の位相は90度進み、領域121を透過した+1次回折光の位相は90度遅れる。一方、−1次回折光については、格子溝の位相と回折光の位相の関係が逆転する。すなわち、中央部領域120を透過した−1次回折光の位相に対して、領域119を透過した−1次回折光の位相は90度遅れ、領域121を透過した−1次回折光の位相は90度進む。
このため、+1次回折光は位相が遅れる領域121側に強度分布がかたより、光情報記録媒体上における+1次回折光に対応する集光スポット101は右側の強度が大きく、左側の強度が小さくなる。逆に、−1次回折光は位相が遅れる領域119側に強度分布がかたより、−1次回折光に対応する集光スポット102は右側の強度が小さくなり、左側の強度が大きくなる。
以上のような集光スポットで得られるDPP信号の信号波形を図20に示す。図20において縦軸は信号強度を示し、横軸は集光スポットの光情報記録媒体における相対的な位置を示している。MPPは0次回折光に対応するメインビームのプッシュプル信号、SPP1は+1次回折光に対応する先行サブビームのプッシュプル信号、SPP2は−1次回折光に対応する後行サブビームのプッシュプル信号、DPPは式(1)で示す、MPP、SPP1及びSPP2から得られるトラッキング誤差信号(差動プッシュプル信号)である。
DPP = MPP − k×(SPP1 + SPP2) ・・・ 式(1)
但し、kは任意の増幅率である。+1次回折光及び−1次回折光に対応する集光スポットの強度分布が左右非対称となるため、SPP1及びSPP2の位相はMPPに対して180度から前後してしまう。そのため、SPP1とSPP2に信号強度差が生じるとDPPが適正値からずれてしまい、各集光スポットを同一の案内溝上に形成できなくなり、インライン型DPP方式による安定したトラッキング誤差信号検出を行うことができなくなる。なお、図20において、SPP1、SPP2及びDPPが適正値となる位置を一点鎖線で表している。
本発明は前記従来の問題を解決し、インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は光ピックアップ装置を、互いに位相が異なる4つの領域に分割された回折格子を備える構成とする。
具体的に、本発明に係る光ピックアップ装置は、光情報記録媒体に対する情報の記録並びに光情報記録媒体に記録された情報の読み出し及び消去を行う光ピックアップ装置を対象とし、光源と、光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子と、各光ビームが光情報記録媒体において反射された反射光を受光する光検出器とを備え、回折格子は、光情報記録媒体のトラックの接線方向に対して平行な方向に延びる分割線により、それぞれが互いに位相が異なる周期構造を有する第1の領域、第2の領域、第3の領域及び第4の領域に分割されており、第2の領域及び第3の領域は、第1の領域と第4の領域との間に第1の領域側から順に配置され、第2の領域における周期構造の位相は、第3の領域における周期構造の位相と略180度異なり、第1の領域における周期構造の位相は、第4の領域における周期構造の位相と略180度異なることを特徴とする。
本発明の光ピックアップ装置は第2の領域内における周期構造の位相は、第3の領域における周期構造の位相と略180度異なり、第1の領域における周期構造の位相は、第4の領域における周期構造の位相と略180度異なる回折格子を備えている。このため、第2の領域及び第3の領域に対して、第1の領域を透過した+1次回折光の位相は、第2の領域を透過した+1次回折光の位相に対して進み、第4の領域を透過した+1次回折光の位相は、第3の領域を透過した+1次回折光の位相に対して進む。また、−1次回折光の場合には逆にどちらも遅れる。従って、従来のインライン型DPP方式のようなスポット形状が左右非対称となる現象は発生せず、案内溝が延びる方向を軸とした左右対称の強度分布となる。その結果、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現できる。
本発明の光ピックアップ装置において、第1の領域と第2の領域とを分割する分割線と第2の領域と第3の領域を分割する分割線との間の距離と、第2の領域と第3の領域とを分割する分割線と第3の領域と第4の領域とを分割する分割線との間の距離とは互いに等しいことが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、各光ビームは、0次回折光、+1次回折光及び−1次回折光を含むことが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光情報記録媒体の記録面上には複数の案内溝が周期的に配置されており、各光ビームは、複数の案内溝のうちの一の案内溝に集光することが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光検出器からの出力信号に基づいて、差動プッシュプル法によりトラッキング誤差信号を検出する演算処理回路をさらに備えていることが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光検出器は、各反射光にそれぞれ対応する少なくとも3つの受光素子を有し、各受光素子は、それぞれ複数の受光領域に分割されていることが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光源から出射された出射光ビームの中心は、第2の領域内又は第3の領域内に配置されることが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光源は第1の光源及び第2の光源を含み、第1の光源から出射される出射光ビームの中心と第2の光源から出射される出射光ビームの中心とを結んだ直線は、第1の領域と第2の領域とを分割する分割線、第2の領域と第3の領域とを分割する分割線及び第3の領域と第4の領域とを分割する分割線のうちの少なくとも1本と交差することが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光源は第1の光源及び第2の光源を含み、第1の光源から出射される光ビームの中心と第2の光源から出射される光ビームの中心とを結んだ直線は、第2の領域と第3の領域とを分割する分割線と交差することが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、光源は複数であり、複数の光源からそれぞれ出射される光ビームのうちの少なくとも1本の中心は、第2の領域内又は第3の領域内に配置されることが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、回折格子の第1の領域における周期構造の位相は、第2の領域における周期構造の位相と10度以上且つ350度以下の範囲で異なっていることが好ましい。
本発明の光ピックアップ装置において、少なくとも3本の光ビームをそれぞれ集光して光情報記録媒体の記録面上に、それぞれ独立した集光スポットとして照射する対物レンズをさらに備え、回折格子は、出射光ビームのうち対物レンズの開口径によって決まる有効ビーム径の範囲が入射する部分が、第1の領域、第2の領域、第3の領域及び第4の領域を含むことが好ましい。
この場合において、第2の領域の幅と第3の領域の幅との合計は、有効ビーム径の10%以上且つ40%以下の範囲であることが好ましい。
本発明に係る光ピックアップ装置によれば、インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現できる。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は一実施形態に係る光ピックアップ装置の概略の構成を示している。
図1に示すように本実施形態の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体51への情報の記録及び光情報記録媒体51に記録された情報の再生を行うための光ビーム31を出射する半導体レーザ素子等の光源11と、光ビーム31を少なくとも0次回折光のメインビーム、+1次回折光のサブビーム及び−1次回折光のサブビーム(いずれも図示省略)に回折分岐する回折格子12と、分岐された光ビーム31を光情報記録媒体51に導くハーフミラー15と、光ビーム31が光情報記録媒体51において反射された反射光を受光する光検出器16を搭載した集積回路基板17とを備えている。
ハーフミラー15と光情報記録媒体51との間には、コリメートレンズ18と対物レンズ19とが設けられている。光源11から出射された光ビーム31は、回折格子12によって少なくとも0次光、+1次回折光及び−1次回折光の3本の光ビームに回折分岐された後、ハーフミラー15により反射され、その後、コリメートレンズ18を通過して対物レンズ19に達する。回折格子12によって回折分岐された0次光、+1次回折光及び−1次回折光は、対物レンズ19によって各々独立に光情報記録媒体51の記録面上に集光されて3個の集光スポットを形成する。
図2は、図1に示す光ピックアップ装置における光検出器16を搭載した集積回路基板17の回路構成を示している。図2に示すように、集積回路基板17は、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cと、受光素子からの信号を演算する演算処理回路23とを有している。回折格子12によって光ビーム31から分岐されたメインビーム31a並びに2つのサブビーム31b及びサブビーム31cはそれぞれ、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cによって受光される。受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cは、それぞれ複数の受光領域に分割されている。
受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cにより検出された信号は、演算処理回路23に入力される。演算処理回路23は、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cからの信号をそれぞれ受ける減算器24、減算器25及び減算器26と、減算器24、減算器25及び減算器26の出力を受ける加算器27、増幅器28及び減算器29とを有している。減算器24、減算器25及び減算器26は、それぞれ受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cからの信号を受けてプッシュプル信号MPP、SPP1及びSPP2を出力する。演算処理回路23のうち加算器27、増幅器28及び減算器29については後述する。
なお、図2は各受光素子が2つの受光領域に2分割されている場合の回路構成を示しているが、各受光素子は3つ以上の受光領域に分割されていてもよい。また、図2において、各受光素子における各ビームの形状を模式的に円形状に表しているが、ビームの形状はこれに限定されるものではない。また、フォーカス誤差信号に非点収差方式を採用した場合は、各受光素子上における各ビームは略90度回転してしまう。そのため、各受光素子も90度回転しておく必要がある。
本実施形態の光ピックアップ装置は、光源11から出射された光ビーム(出射光ビーム)を回折する回折格子12、特に、その周期構造に特徴を有する。図3は、回折格子12の周期構造つまり格子パターンを示している。
図3に示すように回折格子12の格子面は、光情報記録媒体51の案内溝が延びる方向(以下、Y方向という。)つまり、光情報記録媒体51のトラックの接線方向と実質的に平行な方向に延びる分割線D1、分割線D2及び分割線D3によって第1の領域12A、第2の領域12B、第3の領域12C及び第4の領域12Dの4つの領域に区画されている。なお、この場合において平行な方向とは、これは回折格子12と光情報記録媒体51との間に設けられた光学系を考慮した平行方向を意味する。第1の領域12Aと第2の領域12Bとは分割線D1を挟んで隣接し、第2の領域12Bと第3の領域12Cとは分割線D2を挟んで隣接し、第3の領域12Cと第4の領域12Dとは分割線D3を挟んで隣接している。
図3に示すように、第1の領域12A、第2の領域12B、第3の領域12C及び第4の領域12Dは、それぞれ光情報記録媒体51の半径方向(以下、X方向という。)に沿って格子溝12a、格子溝12b、格子溝12c及び格子溝12dが周期的に設けられている。なお、本実施形態においては、格子溝12a、格子溝12b、格子溝12c及び格子溝12dのそれぞれの幅及び各格子溝の間の部分(凸部)の幅は同じに設定されている。
第1の領域12Aに形成されている格子溝12aによって形成されている周期構造の位相は、第2の領域12Bに形成されている周期構造の位相に対して実質的に90度進んでいる(+90度ずれている。)。すなわち、第1の領域12Aにおける格子溝12aの配置周期は、第2の領域12Bにおける格子溝12bの配置周期を基準として4分の1周期だけ+Y方向にずれている。また、第4の領域12Dに形成されている周期構造の位相は、第2の領域12Bに形成されている周期構造の位相に対して実質的に90度遅れている(−90度ずれている。)。すなわち、第4の領域12Dにおける格子溝12dの配置周期は、第2の領域12Bにおける格子溝12bの配置周期を基準として4分の1周期だけ−Y方向にずれている。従って、第1の領域12Aの周期構造の位相と、第4の領域12Dの周期構造の位相とは実質的に180度異なっている。また、第3の領域12Cの周期構造の位相は、第2の領域12Bの周期構造の位相に対して実質的に180度ずれている。すなわち、第3の領域12Cにおける格子溝12cの配置周期は、第2の領域12Bにおける格子溝12bの配置周期を基準として2分の1周期だけ+Y方向にずれている。
なお、各領域における周期構造の位相のずれは、正確に90度又は180度である必要はない。光情報記録媒体51の記録面上における集光スポットが、後で述べるような形状となればよいため、±10度程度の誤差を含んでいてもよい。
本実施形態では図3に示すように、光源11から出射された出射光ビームの中心(発光点中心)L1を、装置の組み立て精度の範囲内で、分割線D2の位置に配置している。
回折格子12に入射した出射光ビームは、第1の領域12A、第2の領域12B、第3の領域12C及び第4の領域12Dにそれぞれ形成された周期構造によって所定の位相差を有するサブビームに分岐され、光情報記録媒体51に導かれる。
以下に、本実施形態の光ピックアップ装置により、案内溝の周期が異なる光情報記録媒体に対して安定してトラッキング誤差検出ができる理由を説明する。
図4は、回折格子12によって生成された光ビームのメインビーム31a並びに2つのサブビーム31b及びサブビーム31cの光情報記録媒体51の記録面上における集光スポットの形状を示している。なお、図4においてもX方向は光情報記録媒体の半径方向を示しY方向は案内溝が延びる方向を示す。
回折格子12の第2の領域12Bと第3の領域12Cとは回折格子の位相が180度異なる。このため、第2の領域12Bを透過した回折光と第3の領域12Cを透過した回折光とは互いに打ち消しあい、図4に示すサブビーム31b及びサブビーム31cの光情報記録媒体51の記録面上における集光スポットの強度分布は、中央部の強度が小さくなる。この場合、サブビーム31b及びサブビーム31cの集光スポットの中央部の強度を小さくできればよく、第2の領域12Bと第3の領域12Cとの位相のずれは180度に対して±10度程度の誤差を含んでいても問題ない。
また、第1の領域12Aの回折格子の位相は第2の領域12Bに対して90度進んでおり、第4の領域12Dの回折格子の位相は第3の領域12Cに対して90度進んでいる。従って、第1の領域12Aを透過した+1次回折光の位相は、第2の領域12Bを透過した+1次回折光の位相に対して90度進み、第4の領域12Dを透過した+1次回折光の位相は、第3の領域12Cを透過した+1次回折光の位相に対して90度進む。逆に、−1次回折光の位相は90度遅れる。従って、従来のインライン型DPP方式のようなスポット形状が左右非対称となる現象は発生せず、Y方向を軸とした左右対称の強度分布となる。この場合においても、第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相のずれ及び第4の領域12Dと第3の領域12Cとの位相のずれはそれぞれ90度に対して±10度程度の誤差を含んでいても問題ない。
図4に示すように、光情報記録媒体51の記録面上には複数の案内溝51aが周期的に配置されている。また、図4に示すように、光ビーム31のメインビーム31a、サブビーム31b及びサブビーム31cがそれぞれ対物レンズ19によって集光された集光スポットは同一の案内溝51aに配置される。
各集光スポットにおいてメインビーム31a、サブビーム31b及びサブビーム31cはそれぞれ反射され、各集光スポットに対応する反射光は、光検出器16に設けられた受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cによってそれぞれ受光される。受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cは、メインビーム31aに対応するプッシュプル信号MPP、サブビーム31bに対応するプッシュプル信号SPP1及びサブビーム31cに対応するプッシュプル信号SPP2を出力する。
対物レンズ19のラジアルシフト(光情報記録媒体の半径方向のシフト)及び光情報記録媒体51の傾きに起因するMPP、SPP1及びSPP2のオフセット成分は、対物レンズ19のラジアルシフト又は光情報記録媒体51の傾きのそれぞれについて同じ側(同相)に発生する。従って、対物レンズ19のラジアルシフト及び光情報記録媒体51の傾きに起因するオフセットをキャンセルした作動プッシュプル(DPP)信号は、図2に示す加算器27、増幅器28及び減算器29を用いて、式(2)に示すような演算処理を行うことにより検出することができる。
DPP = MPP − k×(SPP1 + SPP2) ・・・ 式(2)
但し、kは増幅器28の増幅率である。
図5は、プッシュプル信号MPP、プッシュプル信号SPP1、プッシュプル信号SPP2及び式(2)に基づいて求めたDPP信号の出力波形を示している。図5において縦軸は信号強度を示し、横軸は集光スポットの光情報記録媒体51における相対的な位置を示している。図5に示すように、SPP1及びSPP2の位相はMPPの位相に対して正確に180度ずれている。そのため、SPP1とSPP2に信号強度差が生じても式(2)に基づいて求めたDPP信号は、適正値となっているため、各集光スポットを同一の案内溝上に形成できる。
図2に示すように、加算器27の入力側は減算器25及び減算器26の出力と接続され、増幅器28の入力は加算器27の出力と接続されている。減算器29の入力は減算器24及び増幅器28の出力と接続されている。これにより、式(2)に示す演算を行うことができる。なお、式(2)の係数kは、光情報記録媒体51から反射されるメインビーム31a、サブビーム31b及びサブビーム31cの光強度の違いを補正するためのものである。メインビーム31aとサブビーム31bとサブビーム31cとの光強度の比がa:b:bの場合には、係数kはa/2bとすればよい。すなわち、係数kは、光情報記録媒体51に応じて決められる定数である。なお、信号処理回路は、従来構成のものを利用してもよい。
光情報記録媒体51は、特に限定されるものではなくDVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW等を含むDVD及びCD−ROM、CD−R、CD−RW等を含むCDを用いることができる。また、光ビーム31の波長は光情報記録媒体51応じて決めればよく、DVD及びCDの場合には約650nmから約780nmとすればよい。また、DVDについては、DVD−R等の案内溝ピッチが0.74μmのもの及びDVD−RAM等の案内溝ピッチが1.23μmのもののいずれの場合であっても、安定したトラッキング誤差信号検出を行うことが可能である。
また、本実施形態において、回折格子12を図1に示す光学系における光源11とハーフミラー15との間に配置した場合について説明したが、これに代えて、回折格子12を例えばハーフミラー15とコリメートレンズ18との間に配置してもよい。また、図1に示す光学系に代えて、光源と光検出器とが一体化した光学系(例えばハーフミラーを用いない光学系)を用い、光源とコリメートレンズとの間に回折格子を配置してもよい。
また、本実施形態において、回折格子12の各領域に設けた格子溝をいずれも光情報記録媒体の半径方向であるX方向に沿って形成したが、これに代えて、格子溝をX方向に対して斜め方向に設けてもよい。また、回折格子12の第2の領域12Bの幅と第3の領域12Cの幅とが等しい例を示したが、必ずしも等しくなくてもよい。
また、本実施形態において、光源から出射される出射光ビームが1つの場合について説明したが、これに代えて、複数の光源を有し、複数の光ビームが出射される光ピックアップ装置においても同様の効果が得られる。
例えば、図6に示すように、装置の組み立て精度の範囲内で、第1の光源の発光点中心L1が分割線D2上に位置し、第2の光源の発光点中心L2が分割線D3上に位置するようにしてもよい。また、図7に示すように、装置の組み立て精度の範囲内で、第1の光源の発光点中心L1が分割線D2上に位置し、第2の光源の発光点中心L2が分割線D3近傍の第4の領域12D内に位置するようにしてもよい。また、図8に示すように、装置の組み立て精度の範囲内で、第1の光源の発光点中心L1が第2の領域12B内に位置し、第2の光源の発光点中心L2が第3の領域12C内に位置するようにしてもよい。また、図9に示すように、装置の組み立て精度の範囲内で、第1の光源の発光点中心L1が分割線D1近傍の第1の領域12A内に位置し、第2の光源の発光点中心L2が分割線D3近傍の第4の領域12D内に位置するようにしてもよい。
また、光源は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。例えば光源が3つの場合には、図10に示すように、装置の組み立て精度の範囲内で、少なくとも1つの光源の発光点中心を第2の領域12B内又は第3の領域12C内に位置するようにすればよく、残る光源の発光点中心の位置は特に限定する必要はない。
さらに、本実施形態においては、回折格子12の全体を第1の領域12A、第2の領域12B、第3の領域12C及び第4の領域12Dに分割する例を示している。しかし、回折格子12のうち対物レンズの開口径により決まる有効ビーム径の範囲内の領域において、第1の領域〜第4の領域が分割されていればよく、有効ビーム径の範囲外の領域については、分割状態が異なっていてもよい。例えば、図11に示すように有効ビーム径の範囲外の領域においては、第2の領域12B及び第3の領域12Cが形成されていなくてもよい。
本実施形態は、第1の領域12Aの周期構造の位相と第2の領域12Bの周期構造との位相とが90度ずれ、第4の領域12Dの周期構造の位相と第3の領域12Cの周期構造の位相とが90度すれている場合を示している。しかし、第1の領域12Aの位相と第4の領域12Dの位相とが実質的に180度異なり、第2の領域12Bの位相と、第3の領域12Cの位相とが実質的に180度異なっていれば、第1の領域12Aの位相と第2の領域12Bの位相及び第3の領域12Cの位相と第4の領域12Dの位相のずれはどのような値であってもかまわない。但し、回折格子12に周期構造を形成する際の製造誤差を考えると、第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相のずれ及び第4の領域12Dと第3の領域12Cとの位相のずれをそれぞれ10度以上且つ350度以下とすることが好ましい。また、70度以上且つ290度以下とすることがさらに好ましい。
図12は、第1の領域12Aと第4の領域12Dとの位相が実質的に180度異なり、第2の領域12Bと第3の領域12Cとの位相が実質的に180度異なり、第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相及び第4の領域12Dと第3の領域12Cとの位相がそれぞれ実質的に45度異なる場合を示している。また、図13は、第1の領域12Aの周期構造と第4の領域12Dの周期構造との位相が実質的に180度異なり、第2の領域12Bの周期構造と第3の領域12Cの周期構造との位相が実質的に180度異なり、第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相及び第4の領域12Dと第3の領域12Cとの位相がそれぞれ180度異なる場合を示している。このような場合にも、図3に示した回折格子と同様の効果が得られる。
図14(a)〜(c)は、光情報記録媒体51にDVD−RAMを用いた場合に、対物レンズ19のシフト量とDPP信号振幅との関係を示している。(a)〜(c)は第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相のずれが0度、90度、180度の場合をそれぞれ示している。なお、図14において縦軸は、対物レンズ19のシフト量が0μmの場合のDPP信号振幅の値を100%として規格化した値を示している。また、第1の領域12Aの周期構造の位相と第4の領域12Dの周期構造の位相とは実質的に180度異なっており、第2の領域12Bの周期構造の位相と第3の領域12Cの周期構造の位相とは実質的に180度異なっている。
図14に示すように、第1の領域12Aの周期構造と第2の領域12Bの周期構造との位相のずれが180度の場合と比べて、0度の場合には、対物レンズのシフトに伴うDPP信号振幅の変化が大きくなっている。
図15は、第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相のずれ量と、DPP信号振幅の変化率との関係を示している。ここで、DPP信号振幅の変化率は、対物レンズのシフト量が0μm場合のDPPの信号振幅に対する対物レンズのシフト量が300μmの場合のDPP信号振幅の割合として示している。
図15に示すように、第1の領域12Aの周期構造と第2の領域12Bの周期構造との位相のずれが180度の場合にDPP信号振幅の変化率が最も100%に近くなり、位相のずれが0度又は360度に向かうに従い、DPP信号振幅の変化率は小さくなっている。
光ピックアップにおいては、対物レンズがシフトしても、DPP信号振幅が一定であることが好ましいため、DPP信号振幅の変化率は100%に近い方が好ましい。このため、第1の領域12Aの周期構造と第2の領域12Bの周期構造との位相のずれは10度以上且つ350度以下とすれば十分であるが、DPP信号振幅をより均一にするという観点からは70度以上290度以下とすることが好ましい。
また、DPP信号振幅の変化率を小さくするためには、有効に利用される光ビームが、回折格子12の第1の領域12Aと透過した部分と、第2の領域12Bを透過した部分と、第3の領域12Cを透過した部分と、第4の領域12Dを透過した部分を含んでいることが好ましい。つまり、回折格子12における出射光ビームが入射する領域のうち、対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径の範囲が入射する部分に、第1の領域12A〜第4の領域12Dが含まれていることが好ましい。
具体的には、光源がDVD系である場合には、回折格子12の第2の領域12Bの幅W1と第3の領域12Cの幅W2の合計である幅W1+W2が対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径の10%から40%の範囲内とすることが好ましい。このような構成とした場合の効果を以下に説明する。
まず、幅W1+W2が対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径の10%よりも小さい場合について説明する。図16は、DVD−RAMのDPP信号振幅の変化率と、対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径に対する幅W1+W2の割合との関係を示している。なお、DPP信号振幅の変化率とは、対物レンズのシフト量が0μmの場合のDPP信号振幅に対する対物レンズのシフト量300μmの場合のDPP信号振幅の割合である。幅W1+W2が対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径の10%よりも小さくなると、図16に示すように、DPP信号振幅の変化率が、66%よりも小さくなっている。このように、対物レンズのシフト量が0μmの場合のDPP信号振幅を基準として34%以上DPP信号振幅が小さくなり、DPP信号振幅の変化が大きくなり好ましくない。
次に、幅W1+W2が対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径の40%よりも大きい場合について説明する。図17は、DVD−RAMのプッシュプル信号SPP1の信号振幅とプッシュプル信号SPP2の信号振幅との和(SPP振幅)と、対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径に対する幅W1+W2の割合との関係を示している。図17に示すように、幅W1+W2が対物レンズ19の開口径により決まる有効ビーム径の40%よりも大きくなると、信号振幅は0に近づく。このように、信号振幅の絶対値が小さくなり、光ピックアップ装置の特性が悪化してしまう。
以上のように、幅W1+W2は、対物レンズの開口径により決まる有効ビーム径の10%以上且つ40%以下であることが好ましい。
さらに、DVD系とCD系の2個の光源を用いる場合は、回折格子12の第2の領域12Bの幅W1と第3の領域12Cの幅W2の合計である幅W1+W2が対物レンズ19の開口径により決まるDVD系における有効ビーム径の10%以上35%以下の範囲内にあることが好ましい。
以上のように、本実施形態に係る光ピックアップ装置は、案内溝のピッチの異なる各種光情報記録媒体へ対応することを可能にするものであって、より安定した記録・再生を実現するトラッキング誤差信号検出が達成される。すなわち、本実施形態に係る光ピックアップ装置は、DVD系及びCD系の記録装置及び再生装置において小型化、簡素化、低コスト化及び高効率化等を実現することができる。また、光ディスクなどの光情報記録媒体に情報の記録、再生及び消去等の処理を行う光学式情報処理装置において、その基幹部品である光学式ヘッド装置に使用される再生信号、記録信号及び各種サーボ信号等の検出機能を有する光ピックアップ装置として、本実施形態に係る光ピックアップ装置は非常に有用である。
本発明の光ピックアップ装置は、インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現でき、光情報記録媒体に対する情報の記録及び光情報記録媒体に記録された情報の再生又は消去等の処理を行う光学式情報処理装置に用いる光ピックアップ装置等として有用である。
本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の光検出器を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置によって光情報記録媒体の記録面上に形成された集光スポットの形状を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置によって得られる信号の波形を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子の変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子の変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子の変形例を示す平面図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の対物レンズのシフト量と差動プッシュプル信号の振幅の変化量との関係を示すグラフであり、(a)〜(c)はそれぞれ第1の領域と第2の領域との位相のずれが0度、90度及び180度の場合を示している。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子の第1の領域の位相と第2の領域の位相とのずれ量と差動プッシュプル信号の振幅の変化率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子の第2の領域及び第3の領域の幅と差動プッシュプル信号の振幅の変化率との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子の第2の領域及び第3の領域の幅とプッシュプル信号の振幅との関係を示すグラフである。 従来例に係る光ピックアップ装置によって光情報記録媒体の記録面上に形成された集光スポットの形状を示す平面図である。 従来例に係る光ピックアップ装置の回折格子を示す平面図である。 従来例に係る光ピックアップ装置によって得られる信号の波形を示すグラフである。
符号の説明
11 光源
12 回折格子
12A 第1の領域
12B 第2の領域
12C 第3の領域
12D 第4の領域
12a 格子溝
12b 格子溝
12c 格子溝
12d 格子溝
15 ハーフミラー
16 光検出器
17 集積回路基板
18 コリメートレンズ
19 対物レンズ
21A 受光素子
21B 受光素子
21C 受光素子
23 演算処理回路
24 減算器
25 減算器
26 減算器
27 加算器
28 増幅器
29 減算器
31 光ビーム
31a メインビーム

Claims (13)

  1. 光情報記録媒体に対する情報の記録並びに前記光情報記録媒体に記録された情報の読み出し及び消去を行う光ピックアップ装置であって、
    光源と、
    前記光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子と、
    前記各光ビームが前記光情報記録媒体において反射された反射光を受光する光検出器とを備え、
    前記回折格子は、前記光情報記録媒体のトラックの接線方向に対して平行な方向に延びる分割線により、それぞれが互いに位相が異なる周期構造を有する第1の領域、第2の領域、第3の領域及び第4の領域に分割されており、
    前記第2の領域及び前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第4の領域との間に前記第1の領域側から順に配置され、
    前記第2の領域における前記周期構造の位相は、前記第3の領域における前記周期構造の位相と略180度異なり、
    前記第1の領域における前記周期構造の位相は、前記第4の領域における前記周期構造の位相と略180度異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記第1の領域と前記第2の領域とを分割する分割線と前記第2の領域と前記第3の領域を分割する分割線との間の距離と、前記第2の領域と前記第3の領域とを分割する分割線と前記第3の領域と前記第4の領域とを分割する分割線との間の距離とは互いに等しいことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記光ビームは、0次回折光、+1次回折光及び−1次回折光を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光情報記録媒体の記録面上には複数の案内溝が周期的に配置されており、
    前記各光ビームは、前記複数の案内溝のうちの一の案内溝に集光することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記光検出器からの出力信号に基づいて、差動プッシュプル法によりトラッキング誤差信号を検出する演算処理回路をさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記光検出器は、前記各反射光にそれぞれ対応する少なくとも3つの受光素子を有し、
    前記各受光素子は、それぞれ複数の受光領域に分割されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記光源から出射された出射光ビームの中心は、前記第2の領域内又は前記第3の領域内に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光源は第1の光源及び第2の光源を含み、
    前記第1の光源から出射された出射光ビームの中心と前記第2の光源から出射された出射光ビームの中心とを結んだ直線は、前記第1の領域と前記第2の領域とを分割する分割線、前記第2の領域と前記第3の領域とを分割する分割線及び前記第3の領域と前記第4の領域とを分割する分割線のうちの少なくとも1本と交差することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記光源は第1の光源及び第2の光源を含み、
    前記第1の光源から出射された出射光ビームの中心と前記第2の光源から出射された出射光ビームの中心とを結んだ直線は、前記第2の領域と前記第3の領域とを分割する分割線と交差することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記光源は複数であり、
    前記複数の光源からそれぞれ出射された出射光ビームのうちの少なくとも1本の中心は、前記第2の領域内又は前記第3の領域内に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記回折格子の前記第1の領域における前記周期構造の位相は、前記第2の領域における前記周期構造の位相と10度以上且つ350度以下の範囲で異なっていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記少なくとも3本の光ビームをそれぞれ集光して前記光情報記録媒体の記録面上に、それぞれ独立した集光スポットとして照射する対物レンズをさらに備え、
    前記回折格子は、前記出射光ビームのうち前記対物レンズの開口径によって決まる有効ビーム径の範囲が入射する部分が、前記第1の領域、第2の領域、第3の領域及び第4の領域を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記第2の領域の幅と前記第3の領域の幅との合計は、前記有効ビーム径の10%以上且つ40%以下の範囲であることを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップ装置。
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