JP2008166909A - コンデンサマイクロホン - Google Patents

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Abstract

【課題】単一指向性マイクロホンユニットの金属メッシュで覆われている後方音響端子における電磁シールドを確実にする。
【解決手段】前面に前方音響端子21を有し側面に後方音響端子22を備えている金属製で円筒状のユニットケース20内に、振動板と固定極とをスペーサ部材を介して対向的に配置してなる音響電気変換器30が内蔵されている単一指向性のマイクロホンユニット10Aを含み、ユニットケース20内に後方音響端子22をその内側から覆う金属メッシュ40が設けられているコンデンサマイクロホンにおいて、ユニットケース20内に、金属メッシュ40をユニットケース20の内壁面に向けて押圧するコイルバネ50を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンデンサマイクロホンに関し、さらに詳しく言えば、外乱電磁波などによる雑音の発生を防止する技術に関するものである。
まず図2に、コンデンサマイクロホンが備えるマイクロホンユニットの一般的な構成例を断面図として示す。このマイクロホンユニット10Bは単一指向性であり、この例においては、図示しないマイクロホン本体に対して着脱(交換)可能である例えばタイピン型もしくはグースネック型マイクロホンなどに適用されるマイクロホンユニットとして示されている。
このマイクロホンユニット10Bは、例えば黄銅合金からなる円筒状のユニットケース20を備え、ユニットケース20内には、よく知られているように振動板と固定極とをスペーサリング(いずれも図示省略)を介して対向的に配置してなり、到来する音波を電気信号に変換する静電型の音響電気変換器30が収納されている。
単一指向性であることから、ユニットケース20には、前面の前方音響端子(音源に向けられる前方の音波導入口)21のほかに、その側面側に速度成分を取り入れる後方音響端子(後方の音波導入口)22が設けられている。
通常、ユニットケース20内には、後方音響端子22をその内側から覆う金属メッシュ40が設けられている。この金属メッシュ40は、後方音響端子22からユニットケース20内への異物の入り込みを阻止するために設けられ、それ自体のバネ性でユニットケース20の内壁面に接触するが、振動などで外れないように接着材で固定される(例えば、特許文献1,2参照)。
なお、前方音響端子21の内面側にも、同様に異物の侵入阻止の目的で金属メッシュが設けられるが、ここではその図示が省略されている。
音響電気変換器30からは上記固定極に接続されている信号引出電極31が引き出されており、マイクロホンユニット10Bを上記マイクロホン本体に連結するに伴って、信号引出電極31がマイクロホン本体内の図示しない音声出力回路と接続されるが、音響電気変換器30はきわめてインピーダンスが高いことから、上記音声出力回路の入力側にはインピーダンス変換器が設けられている。
希にインピーダンス変換器として真空管が用いられることもあるが、多くの場合、インピーダンス変換器にはFET(電界効果トランジスタ)が用いられ、信号引出電極31はFETのゲート電極に接続され、上記音声出力回路はFETのソース−ドレイン間に接続されている。
この種のインピーダンス変換器は検波素子としても作用するため、マイクロホンユニット10Bに外乱として例えば電磁波による高周波電流が加わると、それがインピーダンス変換器により検波されて可聴周波数の雑音が発生する。この種の雑音は、マイクロホンユニット10Bの電磁的シールドが確実である場合にはほとんど発生しない。
前方音響端子21には、これに対向して振動板が配置され、振動板に形成されている金属層が金属製の支持リング(ダイアフラムリング)を介して接地であるユニットケース20と接続されるため、前方音響端子21から入り込む電磁波は余り問題とならない。
特開昭55−105492号公報 特開昭56−43985号公報
しかしながら、後方音響端子22について言えば、それを内側から覆う金属メッシュ40とユニットケース20の内壁面との接触が、上記したように金属メッシュ40自体のバネ性だけに依存し、接点面積が小さく必ずしもシールド性が十分とは言えない。
近年、携帯電話機が急速に普及しているが、携帯電話機からはかなり強い電磁波(例えば、数cm〜数10cm程度の範囲内では商用電波により市中で生じている電界強度の数万倍に達する電界強度)が放射される。
そのため、マイクロホンの近傍で携帯電話機が使用されると、金属メッシュ40とユニットケース20との接触が不十分であることから、その接触部分が高周波的に大きなインピーダンスを持ち、それによる高周波電流がマイクロホン本体内に入り込み、大きな雑音が発生することがある。
また、接触状態も個々に異なるため、高周波電流による雑音の発生具合にもばらつきが生ずる。また、音響特性をよくするために後方音響端子22の開口を大きくすると、さらに高周波電流が入り込みやすくなる。
したがって、本発明の課題は、単一指向性マイクロホンユニットの金属メッシュで覆われている後方音響端子における電磁シールドを確実にすることにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、前面に前方音響端子を有し側面に後方音響端子を備えている金属製で円筒状のユニットケース内に、振動板と固定極とをスペーサ部材を介して対向的に配置してなる音響電気変換器が内蔵されている単一指向性のマイクロホンユニットを含み、上記ユニットケース内に上記後方音響端子をその内側から覆う金属メッシュが設けられているコンデンサマイクロホンにおいて、上記ユニットケース内に、上記金属メッシュを上記ユニットケースの内壁面に向けて押圧するコイルバネが設けられていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1のコンデンサマイクロホンにおいて、上記コイルバネに金めっきが施されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、後方音響端子をその内側から覆う金属メッシュをコイルバネによりユニットケースの内壁面に向けて押圧するようにしたことにより、ユニットケースに対して金属メッシュが数多くの点で接触するため、確実な電磁シールドが得られる。また、金属メッシュを接着材で固定する必要もなくなる。
請求項2に記載の発明によれば、コイルバネに金めっきを施すことにより、コイルバネと金属メッシュとの接触抵抗がきわめて低くなり、その接触部分が高周波的にもインピーダンスを持たない。
次に、図1により本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明が備えるマイクロホンユニットを示す断面図である。なお、この実施形態の説明において、先の図2で説明した従来例と同一の構成要素には同じ参照符号を用いる。
図1に示すように、このマイクロホンユニット10Aにおいても、先の図2で説明した従来例と同じく、例えば黄銅合金からなる円筒状のユニットケース20を備え、ユニットケース20内には、よく知られているように振動板と固定極とをスペーサリング(いずれも図示省略)を介して対向的に配置してなり、到来する音波を電気信号に変換する静電型の音響電気変換器30が収納されている。
このマイクロホンユニット10Aは単一指向性であるため、ユニットケース20には、前面の前方音響端子(音源に向けられる前方の音波導入口)21のほかに、その側面側に速度成分を取り入れる後方音響端子(後方の音波導入口)22が設けられている。後方音響端子22からの音波は静電型の音響電気変換器30内の所定の経路を通って振動板の裏面側に作用する。
このマイクロホンユニット10Aは、図示しないマイクロホン本体に対して着脱(交換)可能であり、音響電気変換器30から引き出されている信号引出電極31は、上記マイクロホン本体側に設けられているインピーダンス変換器としてのFETのゲート端子に接続される。
ユニットケース20内には、後方音響端子22からユニットケース20内への異物の入り込みを阻止するため、後方音響端子22をその内側から覆う金属メッシュ40が設けられている。なお、前方音響端子21の内面側にも、同様に異物の侵入阻止の目的で金属メッシュが設けられるが、ここではその図示が省略されている。
金属メッシュ40は、図示しない金網母材からユニットケース20の内周長に相当する長さで短冊状に切り出され、円筒状の丸めた状態でユニットケース20内に挿入され、それ自体のバネ性でユニットケース20の内壁面に接触するが、その接触は上記したように金属メッシュ40自体のバネ性だけに依存し、接点面積が小さく必ずしもシールド性が十分とは言えない。
そこで、本発明では、ユニットケース20内にコイルバネ50を押し込み、金属メッシュ40をユニットケース20の内壁面に強く押し付けることにより、ユニットケース20に対して金属メッシュ40を数多くの点で接触させて電磁シールド性を高めるようにしている。
コイルバネ50には、外径がユニットケース20の内径よりも若干大きな圧縮コイルバネを用い、その圧縮コイルバネを好ましくは回しながらユニットケース20内に同軸的に圧入する(強制的に挿入する)。
これによれば、金属メッシュ40がユニットケース20に対して強く押し付けられ、数多くの点で接触するため、電磁シールドが確実になる。また、コイルバネ50の応力が安定しているため、個体差がでない。また、金属メッシュ40を固定するための接着材も不要となる。
好ましくは、コイルバネ50に金っきを施すことにより、コイルバネと金属メッシュとの接触抵抗がきわめて低くなり、その接触部分が高周波的にもインピーダンスを持たなくなるため、電磁波による雑音発生をより効果的に防止することができる。
なお、上記実施形態では、マイクロホンユニット10Aがマイクロホン本体に対して着脱可能となっているが、マイクロホンユニット10Aはマイクロホン本体と一体であってもよい。
本発明のコンデンサマイクロホンが備えるマイクロホンユニットを示す断面図。 従来のマイクロホンユニットを示す断面図。
符号の説明
10A マイクロホンユニット
20 ユニットケース
21 前方音響端子
22 後方音響端子
30 音響電気変換器
40 金属メッシュ
50 コイルバネ

Claims (2)

  1. 前面に前方音響端子を有し側面に後方音響端子を備えている金属製で円筒状のユニットケース内に、振動板と固定極とをスペーサ部材を介して対向的に配置してなる音響電気変換器が内蔵されている単一指向性のマイクロホンユニットを含み、上記ユニットケース内に上記後方音響端子をその内側から覆う金属メッシュが設けられているコンデンサマイクロホンにおいて、
    上記ユニットケース内に、上記金属メッシュを上記ユニットケースの内壁面に向けて押圧するコイルバネが設けられていることを特徴とするコンデンサマイクロホン。
  2. 上記コイルバネに金めっきが施されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
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