JP2008162606A - 易開封性を有するピロー形状の包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】背シール部分も抵抗なく容易に横一直線に開封が可能な易開封性を有するピロー形状の包装袋を提供すること。
【解決手段】背シール部2として折り曲げられる側の折り曲げ部5と、開封きっかけ部を有する一方の端縁7には、天シール部3先端縁から地シール部4末端縁までそれぞれ一定幅で連続して背シール部に平行に、複合フィルム20を構成する基材フィルム21のみに、基材フィルムを貫通する連続した傷加工8が施され、連続した傷加工が施された背シール部の、横方向に対して包装袋の開封きっかけ部と同じ位置に、複合フィルムを構成する基材フィルム21のみに、一定幅で基材フィルムを貫通するピッチ傷加工9が施されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、易開封性を有するピロー形状の包装袋に関するものであり、特には、背シール部分も抵抗なく容易に横一直線に開封が可能な易開封性を有するピロー形状の包装袋に関する。
従来、ピロー形状の包装袋を側端面から背シール部分に向けて横方向(背シール部分とは垂直の方向)に手などで引き裂いて開封しようとする場合、通常背シール部分の合わせ目で切れなくなる。
そのため、開封きっかけ部分と背シール部分とに、包装袋の流れ方向に一定幅で連続した微細な孔開け加工のような傷加工を施して、背シール部分の合わせ目で切れなくなることを防止している(例えば、特許文献1、2参照)。
上記先行技術文献を示す。
実公平6−47783号公報。 特開平7−320495号公報。
しかしこれらの方法においては背シールの部分が上手く横一直線に開封できないことが多いという問題がある。
本発明は、ピロー形状の包装袋を側端部から背シール部分に向けて横方向に手などで引き裂いて開封しようとする場合に発生する以上のような問題を解決するためになされたもので、背シール部分も抵抗なく容易に横一直線に開封が可能な易開封性を有するピロー形状の包装袋を提供することを課題とする。
本発明の請求項1の発明は、基材フィルムと中間層とシーラント層が順次積層されてなる複合フィルムをシーラント層を内側にして筒状に折り曲げ、両端を突き合わせ熱融着して背シール部を形成させ、適宜の長さに裁断した筒状体の両端を押し重ねてそれぞれの端縁を熱融着して天シール部、地シール部を形成させたピロー形状の包装袋において、
前記包装袋の背シール部として折り曲げられる側の折り曲げ部と、開封きっかけ部を有する一方の端縁には、天シール部先端縁から地シール部末端縁までそれぞれ一定幅で連続して背シール部に平行に、複合フィルムを構成する基材フィルムのみに、基材フィルムを貫通する連続した傷加工が施され、連続した傷加工が施された背シール部の、横方向に対して包装袋の開封きっかけ部と同じ位置に、複合フィルムを構成する基材フィルムのみに、一定幅で基材フィルムを貫通するピッチ傷加工が施されていることを特徴とする、易開封性を有するピロー形状の包装袋である。
このように請求項1記載の発明によれば、包装袋の背シール部として折り曲げられる側の折り曲げ部と、開封きっかけ部を有する一方の端縁には、天シール部先端縁から地シール部末端縁までそれぞれ一定幅で連続して背シール部に平行に、複合フィルムを構成する基材フィルムのみに、基材フィルムを貫通する連続した傷加工が施され、連続した傷加工
が施された背シール部の、横方向に対して包装袋の開封きっかけ部と同じ位置に、複合フィルムを構成する基材フィルムのみに、一定幅で基材フィルムを貫通するピッチ傷加工が施されているので、開封きっかけ部から横幅方向に包装袋を引き裂く際、背シール部の基材フィルムを貫通する傷加工によって背シール部分の引っかかりがなくなり、包装袋は横一直線に引き裂け容易に開封することができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、天シール部と平行に開封きっかけ部にも同幅で施されていることを特徴とする、易開封性を有するピロー形状の包装袋である。
このように請求項2の発明によれば、基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、天シール部と平行に開封きっかけ部にも同幅で施されているので、開封きっかけ部から横方向に包装袋を引き裂く際、開封きっかけ部から背シール部にかけて背シール部分の引っかかりもなくなり、包装袋は横一直線に引き裂け容易に開封することができる。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、開封きっかけ部から背シール部を通して開封きっかけ部の反対側の端縁に向けて天シール部と平行に連続して同幅で施されていることを特徴とする、易開封性を有するピロー形状の包装袋である。
このように請求項3の発明によれば、基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、開封きっかけ部から背シール部を通して開封きっかけ部の反対側の端縁に向けて天シール部と平行に連続して同幅で施されているので、開封きっかけ部から横幅方向に包装袋を引き裂く際には、開封きっかけ部から背シール部にかけて背シール部分の引っかかりもなくなり、包装袋は最後まで横一直線に引き裂け容易に開封することができる。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の発明において、前記基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、ミシン目状の断続した切断線が3本以上平行に設けられた形状又は剣山状の点々加工であることを特徴とする、易開封性を有するピロー形状の包装袋である。
このように請求項4の発明によれば、基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、ミシン目状の断続した切断線が3本以上平行に設けられた形状又は剣山状の点々加工であるので、包装袋を横一直線に引き裂く際、横方向に反れる可能性が少ない。
このように本発明の易開封性を有するピロー形状の包装袋においては、背シール部分にポイント的に傷加工を施すのみで、開封時に背シール部分で引っかかり止まってしまうことがなく、容易に横一直線に開封することができるようになった。
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の易開封性を有するピロー形状の包装袋(1)は、例えば図1、図2に示すように、基材フィルム(21)と中間層(22)とシーラント層(23)が順次積層されてなる複合フィルム(20)をシーラント層(23)を内側にして筒状に折り曲げ、両端を突き合わせ熱融着して背シール部(2)を形成させ、適宜の長さに裁断した筒状体の両端を押し重ねてそれぞれの端縁を熱融着して天シール部(3)、地シール部(4)を形成させたものである。
そして、包装袋の背シール部(2)として折り曲げられる側の折り曲げ部(5)と、開
封きっかけ部(6)を有する一方の端縁(7)には、天シール部(3)先端縁から地シール部(4)末端縁までそれぞれ一定幅で連続して背シール部(2)に平行に、複合フィルムを構成する基材フィルム(21)のみに、基材フィルム(21)を貫通する連続した傷加工(8)が施されている。
さらに、連続した傷加工(8)が施された背シール部の、横方向に対して包装袋の開封きっかけ部(6)と同じ位置に、複合フィルムを構成する基材フィルム(21)のみに、一定幅で基材フィルムを貫通するピッチ傷加工(9)が施されているものである。
そして、基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、天シール部と平行に開封きっかけ部にも同幅(10)で施されていても良い(図3参照)。
さらには、基材フィルム(21)のみを貫通するピッチ傷加工は、開封きっかけ部から背シール部を通して開封きっかけ部の反対側の端縁に向けて天シール部と平行に連続して同幅(11)で施されていても良い(図4参照)。
基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工(9、10、11)は、ミシン目状の断続した切断線が3本以上平行に設けられた形状又は剣山状の点々加工であることが、横方向に引き裂いた際、真っ直ぐに引き裂け好ましい。ミシン目状の断続した切断線とは、具体的には、ハの字状をしたミシン目、Yの字状をしたミシン目、Iの字状をしたミシン目を指す(図5(a)、(b)参照)。
包装袋の背シール部(2)として折り曲げられる側の折り曲げ部(5)と、開封きっかけ部(6)を有する一方の端縁に、天シール部(3)の先端縁から地シール部(4)の末端縁まで連続して設けられる連続した傷加工(8)は、ミシン目状の切断線など、一般的に公知の傷加工が該当し、ピッチ傷加工と同様に複合フィルム(20)を構成する基材フィルムのみに施される。
包装袋に使用される複合フィルム(20)としては、特に限定はされず、包装する内容物の種類など使用条件に応じて適する材料を適宜選定して使用することができる。通常の包装袋にはプラスチックフィルムを主体とする複合フィルムが用いられる。
基材フィルム(21)は印刷基材となるフィルムで、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の延伸フィルムが好ましく使用できる。
シーラント層(23)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが好ましく使用できる。
基材フィルム(21)とシーラント層(23)の間に介在する中間層(22)はバリア層であって、アルミニウム箔が好適に使用できる。
基材フィルム(21)と中間層(22)、あるいは中間層(22)とシーラント層(23)の積層は一般的に公知の方法、例えば、溶融ポリエチレンを介してのサンドイッチラミネーション加工により行うことができる。
つぎに基材フィルム(21)から複合フィルム(20)を経てピロー形状の包装袋(1)が作製されるまでの作製方法の一例を述べる。
先ず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような基材フィルム(21)に印刷と同時に、開封で引っかかりやすい背シール部分の内側の折り曲げ部(5)等の所望
する部位に所望の形状の基材フィルムを貫通するピッチ傷加工(9)を行う。
ついで、ピロー形状の包装袋に仕上げた際、背シール部(2)として折り曲げられる側の折り曲げ部(5)の折り曲げ線(a)と、開封きっかけ部(6)を有する一方の端縁(7)の折り曲げ線(b)を中心に15mm幅程度の基材フィルムを貫通する、例えば、ミシン目状の連続した切断線のような連続した傷加工(8)を行う。
こうして作製された印刷絵柄やピッチ傷加工(9)、連続した傷加工(8)が施された基材フィルム(21)に、中間層(22)となるアルミニウム箔、シーラント層(23)となる、例えば、低密度ポリエチレンフィルムを順次、溶融ポリエチレンを介してのサンドイッチラミネーション加工等のラミネート方法により貼り合わせ、基材フィルム(21)/中間層(22)/シーラント層(23)の層構成からなる基材フィルム(21)にのみ連続した傷加工(8)やピッチ傷加工(9)が施された複合フィルム(20)を作製する。
この複合フィルム(20)を所望幅にスリット後、例えば、横ピロー形式の製袋機にセットして、シーラント層(23)を内側にしてスティック状のスナック菓子等の内容物(30)を包んで筒状に折り曲げ、両端を突き合わせて熱融着して背シール部(2)を形成させ、ついで、筒状体の両端を押し重ねて熱融着して天シール部(3)、地シール部(4)を形成させ、裁断して本発明の易開封性を有するピロー形状の包装袋(1)とすることができる。
このピロー形状の包装袋(1)は、一方の端縁に設けられた開封きっかけ部(6)を横方向に引き裂くと、ピッチ傷加工(9)が施されたことにより、背シール部(2)での引っかかりもなく、容易に横一直線に引き裂かれ、簡単に内容物(30)を取り出すことができる。
つぎに本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
先ず、基材フィルム(21)として厚さ16μmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを、中間層(22)として厚さ7μmのアルミニウム箔(Al)を、シーラント層(23)として厚さ30μmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムであるN280(アイセロ化学株式会社製)をそれぞれ準備した。
つぎに、基材フィルム(21)である厚さ16μmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、印刷加工と同時に、ピロー形状の包装袋に仕上げた際に背シール部(2)の開封きっかけ部(6)と同じ長さの位置に天シール部と平行に、15mm×15mmの図5(a)に示すような剣山状の点々加工からなるピッチ傷加工を施した(図2参照)。この傷加工はPETフィルムを貫通して形成されている。
ついで、このPETフィルムのピロー形状の包装袋に仕上げた際に、背シール部として折り曲げられる側の折り曲げ部(5)と、開封きっかけ部(6)を有する一方の端縁(7)とに、天シール部先端縁から地シール部末端縁まで、それぞれ15mm幅で連続して背シール部に平行に、基材フィルムを貫通する傷加工(8)を施した。なお傷加工の図柄は縦800μm、横1350μmの菱形が連続して形成された図柄である。
所望する個所に印刷絵柄やピッチ傷加工(9)、連続した傷加工(8)が施された基材フィルム(21)であるPETフィルムに、先に準備した中間層(22)であるAl箔と、シーラント層(23)であるLDPEフィルムを溶融ポリエチレンを介してのサンドイッチラミネーション法により順次貼り合わせ、PETフィルム(16μm)/LDPE(15μm)/Al箔(7μm)/LDPE(15μm)/N280(30μm)の層構成からなる複合フィルム(20)を作製した。
この複合フィルムを50mm幅のピロー形状の包装袋が製袋できるような幅にスリットし、横ピロー型製袋機にセットし、幅50mm、長さ150mmの実施例1の易開封性を有するピロー形状の包装袋(1)とした。
ピッチ傷加工(9)の模様を図5(b)に示すようなミシン目状に断続する切断線を3本平行に設けた模様とした以外は、実施例1と同じ材料、同じ方法で基材フィルムにピッチ傷加工や連続した傷加工を施し、Al箔やLDPEフィルムを貼り合わせ、複合フィルムを作製し、幅50mm、長さ150mmの実施例2の易開封性を有するピロー形状の包装袋(1)を作製した。
基材フィルム(21)に連続した傷加工を行わなかった以外は実施例1と同じ材料、同じ方法で複合フィルムを作製後、実施例1と同じ寸法の比較例となる、実施例3のピロー形状の包装袋を作製した。
基材フィルム(21)に連続した傷加工を行わなかった以外は実施例2と同じ材料、同じ方法で複合フィルムを作製後、実施例1と同じ寸法の比較例となる、実施例4のピロー形状の包装袋を作製した。
基材フィルムにピッチ傷加工を施さなかった以外は、実施例1と同じ材料、同じ方法で複合フィルムを作製し、その後、実施例1と同様に同じ寸法の比較例となる実施例5のピロー包装袋を作成した。
こうして作製した実施例2種類、比較例3種類、合計5種類のピロー形状の包装袋を実際に開封し、開封きっかけ部で開け易いか、背シール部で引っかからないか、を確認した。その結果を表1に示す。なお、n=100である。
Figure 2008162606
実施例1,2のように背シール部分にポイント的に傷加工を施すことで、開封時に背シール部分で引っかかることなく、容易に横一直線に引き裂き開封できることがわかる。
本発明の易開封性を有するピロー形状の包装袋の一実施例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。 基材フィルムに施されるピッチ傷加工と連続傷加工の一実施例を示す平面説明図である。 基材フィルムに施されるピッチ傷加工と連続傷加工の別の実施例を示す平面説明図である。 基材フィルムに施されるピッチ傷加工と連続傷加工のさらに別の実施例を示す平面説明図である。 (a)、(b)はピッチ傷加工の形状の一実施例を示す平面説明図である。
符号の説明
1‥‥易開封性を有するピロー形状の包装袋
2‥‥背シール部
3‥‥天シール部
4‥‥地シール部
5‥‥折り曲げ部
6‥‥開封きっかけ部
7‥‥開封きっかけ部を有する一方の端縁
8‥‥連続した傷加工
9‥‥ピッチ傷加工
10‥‥ピッチ傷加工
11‥‥ピッチ傷加工
20‥‥複合フィルム
21‥‥基材フィルム
22‥‥中間層
23‥‥シーラント層
30‥‥内容物
a‥‥背シール部として折り曲げられる側の折り曲げ線
b‥‥開封きっかけ部を有する一方の端縁に設けられる折り曲げ線

Claims (4)

  1. 基材フィルムと中間層とシーラント層が順次積層されてなる複合フィルムをシーラント層を内側にして筒状に折り曲げ、両端を突き合わせ熱融着して背シール部を形成させ、適宜の長さに裁断した筒状体の両端を押し重ねてそれぞれの端縁を熱融着して天シール部、地シール部を形成させたピロー形状の包装袋において、
    前記包装袋の背シール部として折り曲げられる側の折り曲げ部と、開封きっかけ部を有する一方の端縁には、天シール部先端縁から地シール部末端縁までそれぞれ一定幅で連続して背シール部に平行に、複合フィルムを構成する基材フィルムのみに、基材フィルムを貫通する連続した傷加工が施され、
    連続した傷加工が施された背シール部の、横方向に対して包装袋の開封きっかけ部と同じ位置に、複合フィルムを構成する基材フィルムのみに、一定幅で基材フィルムを貫通するピッチ傷加工が施されていることを特徴とする、易開封性を有するピロー形状の包装袋。
  2. 前記基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、天シール部と平行に開封きっかけ部にも同幅で施されていることを特徴とする、請求項1記載の易開封性を有するピロー形状の包装袋。
  3. 前記基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、開封きっかけ部から背シール部を通して開封きっかけ部の反対側の端縁に向けて天シール部と平行に連続して同幅で施されていることを特徴とする、請求項1記載の易開封性を有するピロー形状の包装袋。
  4. 前記基材フィルムのみを貫通するピッチ傷加工は、ミシン目状の断続した切断線が3本以上平行に設けられた形状又は剣山状の点々加工であることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の易開封性を有するピロー形状の包装袋。
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