JP2008161429A - 脈拍検出機能を備えたヘッドフォン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘッドフォンの基本構造は、バーチカル・イン・ザ・イヤー・タイプである。脈拍検出器3は、脈拍センサを内蔵し、左のハウジング2側に結合されているバンド根元部1aとの間を、検出器コード4により接続されている。図2(a)に示すように脈拍検出をしないとき、バンド根元部1aの左右側面を、脈拍検出器3の挟圧保持対象となる取付部とする。延在部2bの先端は頭部前方に曲面をなして直角に曲がり脈拍検出器当接部2cとなり、ここに、主クリップ片3aの先端部が当接する。脈拍検出をする際には、主クリップ片3aと副クリップ片3bの先端で耳たぶを挟む。
【選択図】図2
Description
例えば、耳たぶ(耳朶、耳垂)に装着されて、耳たぶにおける血流の透過光又は反射光を利用して脈拍数を測定する脈拍センサが知られている(特許文献1参照)。
しかし、この脈拍センサは、据付型の自転車エルゴメータにコードで接続されたものであるから、ランニングやウオーキングのように自由に動き回る運動には使用できない。
この脈拍センサは、回路ボックスを介し、手首や衣服に付ける表示部にコードで接続されている。イヤフォンコードが回路ボックスに着脱可能となっており、ドップラー音を聞くことができる。
この脈拍センサは、自由に動き回る運動に使用できるが、ヘッドフォンで高音質の音楽を聴きながら運動するような場合には、メガネ型や耳かけ型のフレームが邪魔になるために使用しづらい。
この脈拍センサは、ヘッドフォンのパッド部分に受光部を備え、この受光部に耳たぶを介して対向するように光源部がアームに取り付けられている。
ヘッドフォンが内蔵するスピーカ及び脈拍センサは、無線により、「バイオ情報フィードバックモジュール」に接続される。この「バイオ情報フィードバックモジュール」は、移動型の携帯通信機器(携帯電話)、PDA、腕時計型の情報端末機などである。
しかし、イヤーパッドを備えているヘッドフォンであるために、重量があり、耳介への圧迫感もある。また、音楽を聴くだけの場合でも、光源部を耳たぶに当接させておかなければならないため、装着感が良くない。
また、イヤーパッドがあると、周囲音を遮蔽しやすいので、一般道路でのランニング等には適さないという問題もある。
従って、脈拍検出をしないで音楽を聴くときには、耳たぶから脈拍検出器を取り外すことができる。その結果、脈拍検出器のクリップ片が耳たぶに食い込んだり、脈拍検出器が頬に触れて気になるようなことがなくなる。
脈拍検出器を取り外しても、コードでヘッドフォン本体側に接続されているから、脈拍検出器を紛失することはない。この脈拍検出器を少し移動させるだけで、ヘッドフォン本体側の取付部を挟むことができるから、脈拍検出器の取扱が容易となる。また、脈拍検出器を取り外したとき、脈拍検出器が運動中に揺れ動くような状態にはならない。
その結果、脈拍検出ができるという利便性を備えるとともに、単に音楽を聴くだけのときには、脈拍検出器を備えないヘッドフォンの機能及び装着感を損なわない。
左右のハウジングの音響放射面は、略同一平面上に配置されていることから、ヘッドフォンとしては、バーチカル・イン・ザ・イヤー・タイプとなる。イヤーパッドを有しないため、軽量であり耳への圧迫感が少なくなる。インナーイヤー(intra concha)型であるため、周囲環境音が聞こえやすいから、一般道路を走るランニング等にも適している。
より具体的な構造をみると、一方のハウジング側におけるバンドの根元部は、当該一方のハウジングの音響放射面側に結合されたものであり、このバンドの根元部に脈拍検出器のクリップ片が取り付けられるため、脈拍検出器が耳輪に当たることがない。
さらに、このバンドの根元部は、ハウジングの音響放射面側に対し、垂直となる角度を0度として左右に±30度以内の角度で結合されたものであるから、取付部に取り付けられた状態の脈拍検出器が、側頭面に沿って取り付けられるから、頬に当たったり風圧で揺れたりしにくい。
なお、前記左右のハウジングの上下幅と前記脈拍検出器の一対のクリップ片の横幅とを等しくすれば、取付部に取り付けられた脈拍検出器は、ハウジングと外形上一体化されることにより、風圧の影響を受けにくくなる。
従って、脈拍検出器が位置決めされて保持されやすくなる。
取付部が略平行面であることから、ユーザがクリップ片を摘んで、このクリップ片で取付部を挟んで挟圧保持させたり、このクリップ片を取付部から取り外したりする操作がやりやすくなっている。
特に、ヘッドフォンの基本構成を、装着感の良好なバーチカル・イン・ザ・イヤー・タイプとした場合に、不使用時の脈拍検出器の挟圧保持対象、及び、挟圧保持の位置決め部を形成しやすくなる。
図1(a)は平面図であって、紙面上方向が頭部前方となる。
図1(b)は後正面図(後頭から見た立面図)である。
図示の例では、ヘッドフォンの基本構造として、公知のバーチカル・イン・ザ・イヤー・タイプ(例えば、特開平5−336587号公報参照)を使用している。
頭部に掛け渡したバンドの弾力性を利用してハウジングが耳甲介腔内に挿入される。このタイプのヘッドフォンは、圧迫感が少なく、ヘッドフォンを耳に装着していても、周囲環境音が聞こえやすい。
7はブッシュ(検出器コード引出口)であり、バンド根元部1aの湾曲した上側面に設けられている。
8もブッシュであり、主クリップ片3aの下側面、先端寄りに設けられている。検出器コード4は、ブッシュ8とブッシュ7との間に配設されている。
11は使用者の大まかな頭部位置、12,13は使用者の大まかな左耳位置、右耳位置である。
左耳位置12及び右耳位置13に、左右のハウジング2が対応する。各ハウジング2はバンド1により連結されている。
バンド根元部1aは、ハウジング2の前面(音響放射面2dのある側)に対し垂直に結合されているが、引き続き、上方向にU字状に曲がってハウジング2の上を越え、頭部後方に伸びて、後頭部を後方に下降するように巡り、再び前方に上昇するように巡ると、反対側のハウジング2を越え、今度は下方向にU字状に曲がり、他方のハウジング2の前面に垂直に結合している。
各ハウジング2は、スピーカユニット収容部2aと、ここから外方に矩形断面形状で延びている延在部2bと、延在部2bの先端が頭部前方に曲面をなして直角に曲がり脈拍検出器当接部2cとなる部分とで構成される。
その結果、図3を参照して後述するように、音響放射面2dは外耳道(位置12b)の入口に対向する。この音響放射面2dには複数の放音孔が設けられている。
なお、脈拍検出器3から出た検出器コード4は、バンド根元部1aではなく、左のハウジング2の、例えば延在部2bから内部に入るようにしてもよい。
より具体的には、図3を参照して後述するように、主クリップ片3aと副クリップ片3bとが軸3cを介して結合され、ねじりコイルばねにより、主クリップ片3aと副クリップ片3bの先端開口部3dを閉じる方向に付勢する。
なお、図面上において、クリップ片を特定するために主と副とに区別するが、主と副とに機能上の差異は特にない。
図中、図1と同じ部分には同じ符号を付している。
図2(a)に示す、脈拍検出をしていない状態のとき、湾曲したバンド根元部1aの左右側面を、脈拍検出器3の挟圧保持対象となる取付部としている。脈拍検出器3の主クリップ片3a及び副クリップ片3bの先端開口部3d(図3(b)参照)を開き、この取付部に頭部前方方向から挿入して挟圧することにより、脈拍検出器3がハウジング2に合体状態で挟圧保持される。
バンド根元部1aの左右側面を略平行面(図3(a)のA,B)となるように設計したので、主クリップ片3aと副クリップ片3bの先端でバンド根元部1aを挟んで挟圧保持させたり、バンド根元部1aから取り外したりする操作がやりやすくなっている。
主クリップ片3a及び副クリップ片3bの横幅(図示の状態では上下幅)は、ハウジング2の上下幅と等しくなるように設計したので、ハウジング2と外形上一体化され、ランニング運動中に、脈拍検出器3の挟圧保持状態では風圧の影響を受けにくくなる。また、脈拍検出器3の外表面(主クリップ片3aの外表面)とハウジング2とは、脈拍検出器当接部2cにおいて、段差がなく、連続している点でも風圧の影響を受けにくい。
主クリップ片3aと副クリップ片3bの先端で挟む対象を替えるため、検出器コード4は、容易に曲がることができるように弾力性を備えた可撓性(フレキシブル)のコードであることが望ましい。
検出器コード4は、図2(a)に示すように、1周分のループとなる長さにしておけば、コード長に無駄がなく、かつ、揺れにくい。
検出器コード4を長くすれば、主クリップ片3aと副クリップ片3bで反対側の耳たぶ(右耳位置13)を挟圧することにより、右耳の耳たぶで脈拍を検出することもできる。
脈拍検出器3に内蔵された脈拍センサの出力信号は、検出器コード4とバンド1の内部を通るコードを介してヘッドフォンコード引出部5に至り、ヘッドフォンコード6を介して図示しない外部機器(例えば、使用者の腕又は胴に装着される携帯ユニット)に供給される。
一方、外部機器からヘッドフォンコード6を介して供給された音楽信号は、ヘッドフォンコード引出部5からバンド1の内部を通るコードを介して左右のハウジング2に内蔵されたスピーカユニット6に供給され、放音される。ヘッドフォンコード6に代えて、ヘッドフォンと携帯ユニットとの間を無線で相互接続してもよい。
図3(a)は、ハウジング2の内部構成を、左耳位置12の大まかな断面構造とともに示す説明図である。
12aは耳甲介腔、12bは外耳道、12cは耳珠、12dは対珠の位置である。
21はスピーカユニットであり、例えば、ドーム型ダイナミックスピーカである。
血流の透過光を利用する脈拍センサであれば、主クリップ片3a及び副クリップ片3bの先端開口部3dの近傍に、相対向する発光素子23、受光素子24が収容されている。発光素子23、受光素子24の配置は逆でもよい。脈拍検出器3は、受光素子24の信号を増幅するヘッドアンプ等が搭載された回路基板を内蔵してもよい。
図4(a)において、25はバンド、26はハウジング、26aはスピーカユニット収容部、26bは延在部、26cは脈拍検出器当接部、26dは音響放射面である。
上述したバンド根元部25aの左右側面のなす角に対応し、主クリップ片27aと副クリップ片27bの取り付け角度(図示、C,Dのなす角度)が決まる。
ハウジング26は、図1〜図3を参照して説明したハウジング部2と略同様である。しかし、バンド根元部25a及び脈拍検出器27の形状に合うように設計されている。
図1に示した脈拍検出器3と同様に、主クリップ片27a及び副クリップ片27bの横幅は、ハウジング26の上下幅と等しくなるように設計し、脈拍検出器27の外表面(主クリップ片27aの外表面)とハウジング26とは、脈拍検出器当接部26cにおいて、段差がなく、連続している。
図5(a)において、31はバンド、31aはバンド根元部、7はブッシュである。32はハウジング、32aはそのスピーカユニット収容部、32bは延在部、32cは脈拍検出器当接部、32dは音響放射面である。
この具体例では、バンド根元部31aが延在部32bの前面(音響放射面32d側)に垂直な法線(0度とする)に対し左に+30度の角度で、前方にU字状に突き出ている。
脈拍検出器3は、バンド根元部31a(取付部)を挟み込むことにより、ハウジング32と一体化されて挟圧保持される。この脈拍検出器当接部32cは、延在部32bの前面から左に+30度で後退させた傾斜面を有している。脈拍検出器の主クリップ片3aの先端部は、脈拍検出器当接部32cにより位置決めされる。
この具体例では、バンド根元部41aが延在部42bの前面(音響放射面42d側)に垂直な法線の角度で、前方にU字状に突き出ている。
脈拍検出器3は、バンド根元部41a(取付部)を挟み込むことにより、ハウジング42と一体化されて挟圧保持される。脈拍検出器3の主クリップ片3aの先端部と副クリップ片3bの先端部とは、いずれも、延在部42bの前方の脈拍検出器当接部42cにより位置決めされる。
この具体例では、バンド根元部51aが延在部52bの前面(音響放射面52d側)の法線に対し右に−30度の角度で、前方にU字状に突き出ている。
脈拍検出器3は、バンド根元部51aを挟み込むことにより、ハウジング52と一体化されて挟圧保持される。この脈拍検出器当接部52cは、延在部52bの前面から右に−30度で起こした傾斜面を有している。脈拍検出器3の副クリップ片3bの先端部は、脈拍検出器当接部52cにより位置決めされる。
そのため、図5(a)〜図5(c)に示したように、延在部の前面に垂直な法線を0度として左右に±30度以内の範囲の角度で結合されることが望ましい。
図5(a)〜図5(c)に示したバンド根元部31a,41a,51aは、いずれも略平行となる左右側面を有していたが、図4を参照して説明したように、バンド根元部31a,41a,51aにおいて、脈拍検出器が取り付けられる部分の左右側面の間隔を、ハウジング32,42,52から前方に広がる形状にし、かつ、これに適合した、図4に示したような脈拍検出器27を用いるようにしてもよい。
図5(d)において、61はバンド、61aはバンド根元部(取付部)、7はブッシュである。62はハウジング、62aはスピーカユニット収容部、62bは延在部、62cは脈拍検出器当接部、62dは音響放射面である。
脈拍検出器3は、延在部62bの端部を挟み込むことにより、ハウジング62と一体化され挟圧保持される。従って、延在部62bの延長上に脈拍検出器3が取り付けられることになる。
また、図示の例では、このとき、副クリップ片3bの先端部はバンド根元部61aの平面状の左側面に当接する。
上述した図5(d)においては、延在部62bの端部が、略平行となる前後の側面を有している。これに代えて、前後の側面の間隔が、切り欠きの付け根から離れる方向(図示、左側)に広がる形状としてもよい。例えば、前後の側面のなす角を20度、又はこれ以下とする。
図4,図5に示した具体例は、いずれも、脈拍検出器3が設けられている左耳(位置12)側のハウジング3及びバンド根元部31a〜61aの構造であった。
一方、右耳(位置13)側におけるハウジング及びバンド根元部の構造は、図4,図5に示した左耳(位置12)側と全く同じ構成にする必要はないから、図1〜図3に示したものと同じ構造でもよい。
しかし、脈拍検出器をその不使用時に挟み込んで挟圧保持できる取付部を設けることが可能なものであれば、他の基本構造を前提としたヘッドフォンであってもよい。
その際、取付部が略平行な2平面を有するようにすれば、ユーザがクリップ片を摘んで、このクリップ片で取付部を挟んで挟圧保持させたり、このクリップ片を取付部から取り外したりする操作がやりやすくなる。また、挟圧保持時に脈拍検出器の先端部の少なくとも一部が当接する当接面を有するようにすれば、位置決めされるのでクリップ片を保持しやすくなる。
22…ねじりコイルバネ、23…発光素子、24…受光素子、
25,31,41,51,61…バンド、25a,31a,41a,51a,61a…バンド根元部、26,32,42,52,62…ハウジング、26a,32a,42a,52a,62a…スピーカユニット収容部、26b,32b,42b,52b,62b…延在部、26c,32c,52c,62c…脈拍検出器当接部、26d,32d,42d,52d,62d…音響放射面
Claims (4)
- 電気音響変換ユニットを内蔵する左右のハウジングと、
該左右のハウジングを連結するバンドと、
脈拍センサを内蔵し、一対のクリップ片を備え、該一対のクリップ片により耳たぶを挟圧することにより脈拍を検出する脈拍検出器と、
前記左右のハウジングの一方又は該一方のハウジング側における前記バンドの根元部と、前記脈拍検出器とを接続するケーブルを有し、
前記一方のハウジング又は該一方のハウジング側における前記バンドの根元部に、前記脈拍検出器のクリップ片が前記耳たぶを挟圧していないときに前記クリップ片の挟圧保持対象となる取付部を有する、
ことを特徴とする脈拍検出機能を備えたヘッドフォン。 - 前記左右のハウジングは、複数の放音孔が設けられた音響放射面を有し、
前記左右のハウジングの音響放射面は、略同一平面上に配置されており、
前記一方のハウジング側における前記バンドの根元部は、当該一方のハウジングの音響放射面側に対し、垂直となる角度を0度として左右に±30度以内の角度で結合されたものであり、
前記一方のハウジング側における前記バンドの根元部の左右側面を前記取付部とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の脈拍検出機能を備えたヘッドフォン。 - 前記脈拍検出器が前記取付部に取り付けられるとき、前記一方のハウジングの音響放射面側が、前記クリップ片の先端部に当接する、
ことを特徴とする請求項2に記載の脈拍検出機能を備えたヘッドフォン。 - 前記一方のハウジング側における前記バンドの根元部の左右側面を略平行面とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の脈拍検出機能を備えたヘッドフォン。
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