JP2008158137A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体ドラムに巻きついた記録媒体を、剥離する際に生じる記録媒体へのトナー付着を防止可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】感光体ドラム5表面から記録媒体を剥離して搬送方向に誘導するための剥離手段24を備えた画像形成装置Xであって、上記剥離手段は、感光体ドラムと接触する剥離爪25と、その両脇に配置され、感光体ドラムに対して非接触の補助爪26とからなり、この補助爪は、上記剥離爪によって剥離された記録媒体を該剥離爪の背部25aに接触させないよう搬送を案内することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式を採用した画像形成装置に関し、詳しくは、感光体ドラム表面から記録媒体を剥離して搬送方向に誘導するための剥離手段を備えた画像形成装置に関する。
このような電子写真方式の画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ或いはこれらの機能を備えた所謂複合機等として多用されている。画像形成装置には、感光体ドラムの周囲に、コロナ帯電方式の帯電器、LED等からなる露光器、現像器、転写ローラ(転写器)及び転写残トナーのクリーニング装置をこの順序で配したプロセス部と、その下流側の定着器とより構成されるものがある。画像情報に基づく光学画像が露光器によって感光体ドラムの表面に照射され、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成されると、この静電潜像は、バイアス印加された現像器で逐次現像されてトナー画像として感光体ドラムと転写ローラとの対合部に至る。転写ローラは、回転駆動されながら感光体ドラムと共に記録紙をニップ搬送し、この間に感光体ドラムの表面のトナー画像が記録紙に転写されるようになっている。
このとき、トナー画像が転写された記録紙が、感光体ドラムに吸着され巻きついてしまう場合がある。そこで従来より、感光体ドラムの記録紙搬送方向下流側に、記録紙の先端の剥離を補助する剥離爪が設けられている。
しかしながらこのような剥離爪の先端部は、記録紙を感光体ドラムから剥離させるため、感光体ドラムに対して摺接するように設けられているので、感光体ドラムの表面に残ったトナーが、摺接する剥離爪によりそぎ落とされて飛散したり、剥離爪の背部に付着し、記録紙を剥離した後、記録紙がこの背部と接触してトナーが付着してしまう点が問題となっている。
下記特許文献1には、上記問題を解決するため、用紙剥離爪の先端部に、感光体ドラムに接触する第1エッジ部と、この第1エッジ部から用紙搬送方向下流側に位置し、記録媒体における先端縁以外の部分が第1エッジ部に接触しないように搬送される記録媒体の通過軌跡を規制する第2エッジ部とが一体的に設けられたものが開示されている。
このように形成された用紙剥離爪によれば、用紙剥離動作時に、用紙先端縁以外の部分は、第1エッジ部から浮き上がり、この第1エッジ部は、剥離した後の記録媒体が剥離爪の先端に接触し続けることがないようにこの剥離爪先端から離間する方向に記録媒体を案内する第2エッジ部と一体的に形成されているため、仮に第1のエッジ部にトナーが付着していたとしても、このトナーが記録媒体の中央部に付着してしまうことはなく、記録媒体中央部のトナー汚れを防止できるとされている。
特開2005−189320号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の用紙剥離爪は、剥離機能部分である第1エッジ部と通過軌跡規制部分である第2エッジ部とが一体的に形成されているため、第1エッジ部に付着したトナーが堆積し、第2エッジ部まで及んだ場合、トナー汚れを防止することができないという問題があった。
また感光体ドラムと転写ローラとの対合部によってニップ搬送される記録紙の後端が、該対合部から離れると、記録紙の後端がフリーの状態となる。このとき、上記特許文献1のように第1エッジ部と第2エッジ部とが一体的、即ちひとつの剥離爪に形成されている場合、フリーとなった記録紙の後端が第1エッジ部に触れ、トナーが付着するという懸念もある。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、感光体ドラムに吸着されようとする記録媒体を、剥離する際に生じる記録媒体へのトナー付着を防止可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラム表面から記録媒体を剥離して搬送方向に誘導するための剥離手段を備えたものであって、上記剥離手段は、感光体ドラムと接触する剥離爪と、その両脇に配置され、感光体ドラムに対して非接触の補助爪とからなり、この補助爪は、上記剥離爪によって剥離された記録媒体を該剥離爪の背部に接触させないよう搬送を案内することを特徴とする。
本発明において、補助爪の記録媒体搬送側の形状は、山形状でなり、前記補助爪の先端部は前記剥離爪の背部より感光体ドラム側とし、山形状の最頂部は、前記剥離爪より記録媒体搬送側となるよう形成されているものとすることができる。
また、剥離爪の基部側には、記録媒体を搬送方向へ誘導する回転自在なスターローラが設けられているものとすることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、転写後の記録媒体は剥離手段により、感光体ドラムの表面から剥離され、感光体ドラムに記録媒体が巻きつくことがなく、記録媒体を適切な搬送方向にスムーズに誘導させることができる。また、本発明の剥離爪と補助爪とからなる剥離手段によれば、剥離爪が感光体ドラムから記録媒体の先端を分離するよう作用し、その際、剥離爪の先端に感光体ドラムに残留したトナーが付着しても、剥離爪とは別に構成され、感光体ドラムとは非接触で且つ剥離爪によって剥離された記録媒体を該剥離爪の背部に接触させないよう搬送を案内する補助爪によって、分離・搬送される記録媒体に、トナーが付着することを防止できる。更に記録媒体が感光体ドラムと転写ローラとの対合部によってニップ搬送されているときだけでなく、記録媒体の後端が該対合部から離れ、フリーの状態になった場合でも、剥離爪とは別に構成される補助爪によって剥離爪の背部に記録媒体の後端が接触することなく、搬送することができるので、トナー汚れが生じるおそれがない。
そして補助爪の記録媒体搬送側の形状を、山形状とし、補助爪の先端部は剥離爪の背部より感光体ドラム側とし、山形状の最頂部は、剥離爪より記録媒体搬送側となるよう形成すれば、より効果的に分離・搬送される記録媒体へのトナー付着を防止することができる。
また、剥離爪の基部側には、記録媒体を搬送方向へ誘導する回転自在なスターローラが設けられているので、上記補助爪との相乗効果により、一層スムーズに記録媒体を感光体ドラムから剥離した後、適切な搬送方向に誘導させることができる。また記録媒体の後端が上記対合部から離れてフリーとなり、その後端がカールしても、スターローラによる誘導によって、剥離爪の先端に接触することなく、搬送させることができる。
以下に、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態の画像形成装置を示す概略的縦断面図、図2は同画像形成装置におけるドラムユニットの要部縦断面図、図3は同画像形成装置に組み込まれるクリーニング装置のクリーニング筐体の斜視図、図4は図3におけるZ部の拡大図、図5はクリーニング筐体に装着される剥離部材の分解斜視図である。
図1の画像形成装置Xは、電子写真方式の記録部を備えたプリンタを例に採って示しているが、これに限らず、画像読取装置を備えた複写機、ファクシミリ装置或いはこれらの機能を兼ね備えた所謂複合機等であっても良い。図において、画像形成装置Xの装置本体1は、記録紙等の記録媒体(以下、記録紙(用紙)にプリントする例について説明する。)の給紙部2と、電子写真方式の画像記録部3と、印字後の記録紙の排出部4とが、この順序で高さ方向に層積されて構成されている。記録紙の給紙部2は、多数枚の記録紙を堆積収納し得る抜差し可能な給紙カセット2aと、該給紙カセット2aの給紙方向前端部に設置された分離給紙ローラ2bと、該分離給紙ローラ2bの周面に弾接する分離パッド2cとよりなる。
尚、給紙カセット2aの下に、更に同様のカセットを段積みして多段カセットとし、或いは、オプションカセット(不図示)を設置し得るよう構成することも可能である。また、上記分離パッド2cに代えリタードローラとすることも可能である。
画像記録部3は、感光体ドラム5の周囲に、コロナ帯電方式の帯電器6、LED等からなる露光器7、現像器8、転写ローラ(転写器)9及び転写残トナーのクリーニング装置10をこの順序で配したプロセス部と、その下流側の定着器11とより構成される。これら画像形成プロセス部は、露光器7及び転写ローラ9を除き、感光体ドラム5、帯電器6及びクリーニング装置10を一括したドラムユニット50と、現像器ハウジング81、攪拌搬送スクリュー82,83、供給パドル84及び現像ローラ85等を一括した現像器ユニット80とよりなる画像形成プロセスユニットとされる。
図例の現像器ユニット80は、2成分現像剤を用いる方式の現像器であって、樹脂成型された現像剤容器を兼ねる現像器ハウジング81内にトナーとキャリアを収容し、2本の平行な攪拌・搬送スクリュー82、83で攪拌・搬送しながら、供給パドル84によりバイアス印加された現像ローラ85に現像剤を供給するよう構成されている。現像器ハウジング81の外面には磁気センサー86が付設され、現像器ハウジング81内のトナー濃度(トナーとキャリアの混合比)が検出される。この現像器ユニット80から離間した位置には、トナー収容部としてのトナータンク12及びトナーホッパー13が設置され、上記磁気センサー86により現像器ハウジング81内のトナー濃度が低下したことが検出されると、トナーホッパー13よりスクリューコンベア(パイプスクリュー)14を介してトナーが現像器ハウジング81内に補給される。トナータンク12内には、トナー攪拌用アジテータ15及びトナーホッパー13へのトナー搬送・排出用スクリュー16が配設され、このトナー攪拌用アジテータ15及びトナー搬送・排出用スクリュー16を備えたトナータンク12は、後記する廃トナータンク17と一体とされて、装置本体1に対して着脱可能に装着されるトナーカートリッジ18として構成されている。
ドラムユニット50は、現像器ユニット80の上方に一体に結合された状態で、装置本体1に対してその前面側より、着脱可能に装着される。また、露光器7及び転写ローラ9を除く全てのプロセス部を一括してプロセスユニットとすることも可能である。更に、上記トナーカートリッジ18も画像形成プロセスユニットの一構成部として装置本体1に対して、その前面側より着脱可能に装着される。これらプロセスユニット50,80及びトナーカートリッジ18は、消耗品として適宜新品に交換される。ここで、装置本体1の前面側とは、図1における紙面手前側を言い、給紙カセット2aも装置本体1に対して前面側より抜差し可能とされている。
上記トナーカートリッジ18を構成する廃トナータンク17には、前記クリーニング装置10で除去回収された廃トナーを逐次搬送投入するためのスクリューコンベア19が接続されている。その廃トナー排出口から排出・投入された廃トナーは、廃トナータンク17内に配設された搬送スクリュー17aによって廃トナータンク17内に分散堆積される。
定着器11の下流側には、切替ゲート4a、排出ローラ対4b及び排出トレイ4cが連設され、これらによって排出部4が構成される。上記プロセス部の上流側近傍には、レジストローラ対20が配設され、上記給紙カセット2aから、分離給紙ローラ2b及び分離パッド2cの作用により1枚ずつ分離繰出された記録紙(用紙)は、該レジストローラ対20によりレジストされて、前記感光体ドラム5と転写ローラ9との対合部に導入される。感光体ドラム5は図1の矢示方向に回転しながら、帯電器6によりその表面が一様にマイナス帯電され、画像情報に基づく光学画像が露光器7によって感光体ドラム5の表面に照射され、感光体ドラム5の表面には静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体ドラム5の表面の光導電体の特性により、光の照射部分の電位が変化し、その他の部位の電位が維持されて形成されるものである。
そして、この静電潜像は、バイアス印加された現像器8で逐次現像されてトナー画像として感光体ドラム5と転写ローラ9との対合部に至る。この現像の際、光の照射により電位が変化した部位には、現像器8との電位差によりトナーが感光体ドラム5に吸引されて黒部分となり、その他の部分にはトナーは吸引されず白部分となって、全体として、画像情報に基づく白黒のトナー画像が形成される。上記レジストローラ対20は、感光体ドラム5の表面のトナー画像に同期して記録紙がこの対合部に導入されるようレジスト制御されて回転駆動される。
転写ローラ9はバイアス印加されており、感光体ドラム5と対合され且つ矢示方向(感光体ドラム5とウイズ方向)に回転駆動されながら記録紙をニップ搬送し、この間感光体ドラム5の表面のトナー画像が記録紙に転写される。感光体ドラム5の表面に残ったトナー等(紙粉を含むことがある)は、クリーニング装置10で除去・回収される。トナー像が転写された記録紙は、定着器11に導入され、永久画像として定着された後、切替ゲート4aを押し上げ、排出ローラ対4bを経て排出トレイ4c上に排出される。この一連の記録紙の給送は、給紙カセット2aからの繰出し直後に略垂直(鉛直)に立ち上がり、排出ローラ対4bでは給紙カセット2aからの繰出し方向とは略180度の方向にUターンするような主給送パスPに沿ってなされる。このようなレイアウト構成により、装置全体のコンパクト化が図られる。
図例の画像形成装置Xは、両面記録機能を備えており、上記主給送パスPの切替ゲート4aの取付け位置から、前記レジストローラ対20の上流側で上記主給送パスPに循環合流する反転給送パスP1が形成されている。前記排出ローラ対4bは、正逆転可能とされ、また、反転給送パスP1には搬送ローラ対21、22が配設されており、両面記録する場合は、上記のように片面記録がされた記録紙が主給送パスPに沿って搬送され、記録紙の後端が排出ローラ対4bに至ると、該排出ローラ対4bは一旦停止して記録紙の後端をニップする。次いで、排出ローラ対4bが逆転し、記録紙はその後端より搬送ローラ対21、22によって反転給送パスP1を搬送され、主給送パスPに合流し、レジストローラ対20に至る。該レジストローラ対20によってレジストされて、再度感光体ドラム5と転写ローラ9との対合部に導入されてその裏面の記録がなされる。両面記録された記録紙は、その後、上記同様主給送パスPに沿って排出トレイ4c上に排出される。
図例の画像形成装置Xは、記録紙の手差機能を更に備えており、装置本体1の側部には上下に開閉可能な3段スライド伸縮可能な手差給紙トレイ23が付設されている。該手差給紙トレイ23は、使用しない時は、図1の2点鎖線のように収縮された状態で閉止され、使用時には、把手23aをして開け、給紙の為に載置される記録紙のサイズに応じて適宜その伸張がなされる。該手差トレイ23の前端部には手差分離給紙ローラ23bと分離パッド23cとが弾接状態で配設され、その更に下流側には主給送パスPに合流する手差給送パスP2が連設されている。
トナーホッパー13は、トナータンク12から供給されたトナーを一時的に貯留する為のものであり、現像器8の前記磁気センサー86がトナー無し信号を送出すると、トナーホッパー13に連結されたスクリューコンベア14が作動し、現像器ハウジング81内にトナーが供給される。トナーホッパー13内には常時所定量のトナーが貯留されるよう、該トナーホッパー13内に設置されるセンサー(不図示)の検出信号により、上記トナー搬送・排出用スクリュー16の動作制御がなされる。トナーホッパー13内に貯留される所定量のトナー量は、例えば、トナータンク12内のトナーがなくなり、新しいトナーカートリッジ18に交換するまでの間もプリント動作を継続し得るに十分な量に設定される。
次に、感光体ドラム5の表面から記録紙を剥離して搬送方向に誘導するための剥離手段24が装着されるドラムユニット50について、図2を参照して詳しく説明する。
感光体ドラム5は、アルミニウム等の導電性円筒体の表面に光導電体をコーティングしてなり、その両端開口部には絶縁性樹脂等からなるフランジ部材(不図示)が固着されている。感光体ドラム5は、この両端のフランジ部材及び支軸5aを介し軸回転可能に支持され、フランジ部材の周面には、同心的にギヤ(不図示)が形成されており、ギヤは装置本体1内の不図示の駆動伝達系に噛合連結され、この駆動力を得て感光体ドラム5が矢示方向dへ軸回転し、反対側のギヤには、転写ローラ9等の機構部の被駆動伝達ギヤ(いずれも不図示)が噛合し、これら機構部への回転駆動伝達がなされる。
帯電器6は、スコロトロン型コロナ放電器からなり、感光体ドラム5の軸方向に沿った長尺の箱形帯電器筐体(シールドケース)6a内にその長手方向に沿って張架された放電用針電極6bを備え、且つ帯電器筐体6aの感光体ドラム5の表面に近接対峙する開口部にはグリッド6cが取付けられている。上記針電極6b及びグリッド6cは、ドラムユニット50が画像形成装置Xの所定位置に装着された時に、装置本体1内の電源電極(不図示)と接合し、夫々に所定の電圧が印加されるようになされている。
クリーニング装置10は、ドラムユニット50のユニット筐体の一部を構成するクリーニング筐体10bと、このクリーニング筐体10bに基部を固着し、先側自由端を感光体ドラム5の表面に当接させてトナー等を掻き取り除去するクリーニングブレード10aと、クリーニング筐体10b内に設置された収容トナー等の排出手段としての羽根車10c及び排出スクリュー10dとよりなる。クリーニング筐体10bは、除去トナー等の収容容器を兼ね、その一側部に形成された開口部10eが感光体ドラム5の表面に沿うよう配置されている。この開口部10eの下流側の縁部にクリーニングブレード10aがその基部をして固着されている。また、開口部10eの上流側の縁部には収容トナー等の漏出を防止するための掬いシート10fが貼着されている。
尚、上記排出スクリュー10dは、前記トナータンク12の下方に設けられた廃トナータンク17に通じるスクリューコンベア19(いずれも図1参照)に連接され、クリーニング筐体10b内の収容トナー等は、この羽根車10c、排出スクリュー10d及びスクリューコンベア19を作動させることにより、随時廃トナータンク17に排出されるようになされている。またクリーニングブレード10aは、例えば、ウレタンスポンジ(ウレタンゴム)等の弾性部材からなり、その先側自由端は、感光体ドラム5の表面に対して、その回転方向に対向する状態(カウンター状態)で弾性当接している。
クリーニング筐体10bの外側且つ記録紙搬送側には、剥離手段24が設けられている。該剥離手段24は、感光体ドラム5の表面から記録紙を剥離して搬送方向に誘導するために感光体ドラム5の長手方向に複数(図3では3個)等間隔に設けられ、感光体ドラム5と接触する剥離爪25と、その両脇に配置され(図4参照)、感光体ドラム5に対して非接触の補助爪26とからなる。
図2で示される一点鎖線は、記録紙の搬送経路を示し、Pは図1における主給送パスであり、感光体ドラム5と、これに対合する転写ローラ9とによって、ニップ搬送された場合の正規の搬送経路を示し、P3は感光体ドラム5に吸着された記録紙が剥離手段24によって分離され、搬送方向に誘導された場合の搬送経路を示している。尚、剥離手段24は図例のようにクリーニング筐体10bの外側に取り付けられたものに限定されず、剥離手段取付専用のユニットを構成するものとしてもよく、ドラムユニット50の構成によって、感光体ドラム5から剥離することを要する適所に取り付けられるものである。
剥離手段24は、上述のように、剥離爪25と補助爪26とからなり、剥離爪25は、感光体ドラム5に接触するよう設けられ、その先端部25bは、吸着した記録紙を剥離しやすいよう鋭利に形成されている。補助爪26は、図2の搬送経路P3が示すように、剥離爪25によって剥離された記録紙を該剥離爪25の背部25aに接触させることなく、搬送を案内できるよう形成されている。
即ち、図2に2点鎖線で囲ったY部拡大図に示すように、補助爪26の記録媒体搬送側の形状は、山形状でなり、補助爪26の先端部26aは剥離爪25の背部25aより感光体ドラム5側とし、山形状の最頂部26bは、剥離爪25より記録紙搬送側(P3側)となるよう形成されている。
これによれば、感光体ドラム5に記録紙が巻きつくことなく、記録紙をスムーズに感光体ドラム5から剥離し、適切な搬送経路P側に誘導させることができる。また、感光体ドラム5に接触し摺接する剥離爪25によって、感光体ドラム5に吸着され、適切な搬送経路P側に搬送されなかった記録紙の先端を剥離爪25が感光体ドラム5から分離するよう作用させることができる。この際、剥離爪25の先端部25bや背部25aに感光体ドラム5に残留したトナーが付着しても、剥離爪25とは別体に構成され、上述の形状に形成された補助爪26によって、分離・搬送される記録紙に、トナーが付着することがない。また、記録紙が感光体ドラム5と転写ローラ9との対合部によってニップ搬送されている際はもちろんのこと、記録紙の後端が該対合部から離れ、フリーの状態になった場合でも、剥離爪25とは別に構成される補助爪26の誘導によって剥離爪25の背部25aに記録紙の後端が接触することなく、搬送することができるので、トナー汚れが生じるおそれがない。
また剥離爪25の基部側には、記録紙を適切な搬送経路P側へ誘導する回転自在なスターローラ27が設けられており、これによれば、記録紙が感光体ドラム5と転写ローラ9との対合部によってニップ搬送されているときだけでなく、記録紙の後端が該対合部から離れ、フリーの状態になった場合でも、記録紙にトナーを付着させることなく、一層スムーズに適切な搬送経路P側に記録紙を誘導することができる。
次に図3乃至図5を参照しながら、剥離手段24の構成及び装着要領について説明する。
図3に示すようにクリーニング装置10のクリーニング筐体10bの外側で且つ記録紙搬送側の所定位置(図5の取付位置(A))には、剥離手段24が設けられており、図例のものは長手方向に等間隔に3箇所形成されている。
剥離手段24は、樹脂の成型体でなり、剥離爪部材(B)、補助爪部材(C)、スターローラ部材(D)とが夫々別体で成型され、これらを嵌め合せて構成されている(図5参照)。図3、図4は剥離手段24が図5における取付位置(A)に装着された状態の図、図5は剥離手段24の分解斜視図を示している。
剥離手段24の取付位置(A)には、後述する剥離爪部材(B)及び補助爪部材(C)が装着できるよう鉤状の取付空所A1(図5参照)が形成されており、取付凹所A2、係止壁A3、係止凹所A4を備えている。
剥離爪部材(B)は、剥離爪25、支持アーム25A、軸部25Bを備え、支持アーム25Aには、軸部25Bが取り付けられる取付孔25AAと、スターローラ27が取り付けられる開環状の軸受部取付片25ABと、後述する補助爪部材(C)の突片26AAを、上記取付凹所A2と共に嵌合し得る嵌合空所を構成する案内溝25ACが形成されている。剥離爪25と軸部25Bとは、一体に形成され、支持アーム25Aによって軸部25Bを支点として揺動自在に支持されている。軸部25Bにはトーションバネ(不図示)が巻かれており、この付勢弾力により、剥離爪25の先端部25bが、感光体ドラム5の表面に常に弾接した状態に維持されるようになされている。
補助爪部材(C)は、取付位置(A)に形成された取付凹所A2に嵌合する断面コの字形状の突片26AAを備えた支持枠体26Aと、取付位置(A)に形成された係止凹所A4と嵌合する突起部26Bと、補助爪26とを備え、補助爪26が剥離爪25の両脇に構成されるよう一体形成されている。スターローラ部材(D)は、剥離爪部材(B)の軸受部取付片25ABに取り付けられる拍車であり、軸部27Aと、その軸部27Aと一体に形成されるスターローラ27とからなり、スターローラ27が記録紙に当接すると、記録紙の搬送に従動して軸部27Aとともにスターローラ27が回転駆動し、これにより記録紙を適切な搬送経路P(図2参照)側にスムーズに誘導するよう構成されている。
ここでスターローラ27は、搬送する記録紙に点接触し、記録紙上の未定着のトナーによる汚染が極力ないよう星形状に形成されている。また上述の剥離爪25、補助爪26の背部25a、26cも同様の理由により、刃物状に形成されている。尚、この例ではサイズの異なる種々の記録紙をセンター合わせ方式で搬送するものであるので、剥離手段24をクリーニング筐体10の長手方向に3箇所、同じ要領で装着されるものを示しているがこれに限定されるものではない。
剥離手段24の装着要領は、以下の通りである。
まず取付位置(A)の取付空所A1に、剥離爪25が取付られた状態の剥離爪部材(B)の支持アーム25Aを上方から挿入嵌合し装着する。装着した剥離爪部材(B)は、係止壁A3によって前方向に離脱不能に保持される。次いで、剥離爪部材(B)を装着したその上方から、補助爪部材(C)を嵌め合わせる。このとき、補助爪部材(C)の支持枠体26Aに形成された突片26AAを案内溝25ACと取付凹所A2との間に形成される空所に挿入すれば、取付凹所A2と嵌合され、補助爪部材(C)の突起部26Bが取付位置(A)の係止壁A3の係止凹所A4に嵌り込むことにより、補助爪部材(C)が離脱不能に装着固定される。そして、スターローラ部材(D)を剥離爪部材(B)に形成された軸受部取付片25ABに取り付ければ、本発明の剥離手段24とすることができる(図4参照)。ここでスターローラ部材(D)を予め剥離爪部材(B)に取り付けておいてもよいことは言うまでもない。
尚、上記実施形態では、剥離手段24の装着位置は、感光体ドラム5に吸着され巻きつこうとする記録紙を分離し、該記録紙を搬送方向に誘導する位置であればよく、図例の構成に限定されるものではなく、ドラムユニット50(プロセス部)の配置構成も上述のものに限定されるものではない。また、プロセスユニット50,80及びトナーカートリッジ18を装置本体1の前面側から装着する例について述べたが、左右側面或いは背面側、更には上方から装着する場合にも本発明を適用することができる。更にまた、現像器8として、2成分現像剤を用いる方式を例示したが、これに限らず1成分現像方式の場合にも本発明を適用することができる。
本発明の一実施形態の画像形成装置を示す概略的縦断面図である。 同画像形成装置における感光体ドラム周辺の要部縦断面図である。 同画像形成装置に組み込まれるクリーニング装置のクリーニング筐体の斜視図である。 図3におけるZ部の拡大図である。 クリーニング筐体に装着される剥離部材の分解斜視図である。
符号の説明
X 画像形成装置
5 感光体ドラム
24 剥離手段
25 剥離爪
25a (剥離爪)背部
25b (剥離爪)先端部
26 補助爪
26a (補助爪)先端部
26b (補助爪)最頂部
27 スターローラ

Claims (3)

  1. 感光体ドラム表面から記録媒体を剥離して搬送方向に誘導するための剥離手段を備えた画像形成装置であって、
    上記剥離手段は、感光体ドラムと接触する剥離爪と、その両脇に配置され、感光体ドラムに対して非接触の補助爪とからなり、この補助爪は、上記剥離爪によって剥離された記録媒体を該剥離爪の背部に接触させないよう搬送を案内することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記補助爪の記録媒体搬送側の形状は、山形状でなり、前記補助爪の先端部は前記剥離爪の背部より感光体ドラム側とし、山形状の最頂部は、前記剥離爪より記録媒体搬送側となるよう形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記剥離爪の基部側には、記録媒体を搬送方向へ誘導する回転自在なスターローラが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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