JP2008145288A - ガスセンサ取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ2を被測定ガスが流通するガス流通部3に取り付けてなるガスセンサ取付構造1。ガスセンサ2は、特定ガス濃度を検出するセンサ素子21と、該センサ素子21を保持しガス流通部3に固定されるハウジング22と、該ハウジング22の先端側に固定されセンサ素子21を保護する素子カバー23とを有する。該素子カバー23は、少なくとも最外周に配された外側カバー24とその内側に配された内側カバー25とを有する。外側カバー24の側面部240に形成されたガス導入孔241に、側方からの被測定ガスの流れを遮る遮蔽部材4が対向配置されている。
【選択図】図1
Description
被測定ガスGは、例えば内燃機関の排気管93を流れてきて、上記外側ガス導入孔941及び上記内側ガス導入孔951を通って、素子カバー923の内部へと導入される。
水滴が付着した状態で内燃機関を始動した場合、特に始動直後の排気ガス温度が低い場合は、凝縮水が気化することなく排気ガスによって吹き飛ばされ、排気ガスとともに排気管93内をガスセンサ9に対して側方から流れてくる。そして、水滴を含む被測定ガスGは外側ガス導入孔941から浸入する。
その結果、センサ素子921が被水してしまい、その表面において被水割れが生ずるおそれがある。
その結果、充分な量の被測定ガスGをセンサ素子921に到達させることが困難となり、ガスセンサ92の応答性が低下してしまうおそれがある。
上記ガスセンサは、上記特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、該センサ素子を保持し上記ガス流通部に固定されるハウジングと、該ハウジングの先端側に固定され上記センサ素子を保護する素子カバーとを有し、
該素子カバーは、少なくとも最外周に配された外側カバーとその内側に配された内側カバーとを有し、
上記外側カバーの側面部と上記内側カバーの側面部とには、それぞれ外側ガス導入孔と内側ガス導入孔とを形成してなり、
上記外側ガス導入孔に、側方からの上記被測定ガスの流れを遮る遮蔽部材が対向配置されていることを特徴とするガスセンサ取付構造にある(請求項1)。
上記ガスセンサにおいては、上記外側カバーの側面部に形成された外側ガス導入孔に、側方からの上記被測定ガスの流れを遮る遮蔽部材が対向配置されている。そのため、上記外側ガス導入孔は、ガス流通部内を流れてくる速度の速い被測定ガスに直接曝されることがない。すなわち、速度の速い被測定ガスが、上記外側ガス導入孔に直接導入されることを防ぐことができる。それゆえ、被測定ガスとともに流れてくる水滴が外側カバー内に勢いよく入ってくることもないため、水滴が内側カバー内に直接浸入してくることを抑制することができる。
その結果、センサ素子が被水することを防いで、その表面において被水割れが生ずることを防ぐことができる。
その結果、ガスセンサの応答性を向上させることができる。
また、上記センサ素子は、積層型センサ素子であってもよく、有底筒状のコップ型センサ素子であってもよい。
なお、本明細書において、ガスセンサを上記ガス流通部内に挿入する側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
この場合には、外側カバーの側面部に形成された全てのガス導入孔が、ガス流通部内を流れてくる速度の速い被測定ガスに直接曝されることを確実に防ぐことができる。
その結果、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。
この場合には、ガス流通部内を流れてくる被測定ガスを、素子カバーの側面に衝突させることができるとともに、外側カバーと遮蔽部材との間へと容易に導くことができる。それゆえ、ガスセンサの応答性の向上を充分に図ることができる。
この場合には、ガスセンサの側方から到来する被測定ガスの流れを遮蔽部材が遮ることがなく、外側カバーと遮蔽部材との間に被測定ガスを効率的に導入することができる。
なお、上記遮蔽部材は、上記ガスセンサの軸方向と直交する方向に延びていることがより一層好ましい。
この場合には、ガス流通部を流れる被測定ガスの流れを遮蔽部材が遮ることがなく、外側カバーと遮蔽部材との間に被測定ガスをより一層効率的に導入することができる。
この場合には、応答性に優れたガスセンサを得ることができる。すなわち、速度の速い被測定ガスが流れている素子カバーの先端の外側は、素子カバー内、すなわち内側カバー内よりも相対的に負圧となっている(ベルヌイの定理)。それゆえ、相対的に負圧となっている素子カバーの外側に向かって、内側カバー内に導入されている被測定ガスが上記先端孔から吐出されることとなる。そして、被測定ガスが吐出された分、内側カバー内が外側カバーと内側カバーとの間よりも負圧となるため、内側カバー内に対して被測定ガスを補填するように、外側カバーと内側カバーとの間の被測定ガスが新たに内側カバー内へと導入される。
その結果、被測定ガスをセンサ素子に充分に供給することができるため、応答性に優れたガスセンサを得ることができる。
本発明の実施例に係るガスセンサの取付構造につき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ取付構造1は、図1、図3に示すごとく、被測定ガスG中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ2を被測定ガスGが流通するガス流通部3に取り付けてなる。
素子カバー23は、外周に配された外側カバー24とその内側に配された内側カバー25とを有する。
外側カバー24の側面部240と内側カバー25の側面部250とには、それぞれ外側ガス導入孔241と内側ガス導入孔251とが形成してなる。
そして、外側ガス導入孔241に、側方からの被測定ガスGの流れを遮る遮蔽部材4が対向配置されている。
素子カバー23は、図1、図3に示すごとく、内側カバー25の先端部が外側カバー24の先端部よりも先端側に突出した状態で、内側カバー25と外側カバー24とを重ね合わせることにより形成されている。すなわち、外側カバー24の先端部には、内側カバー25の先端部の外形よりも大きい大径開口部242が形成されている。そして、該大径開口部242に対して内側カバー25の先端部が挿通されている。
なお、素子カバー23の先端は、遮蔽部材4の先端よりも先端側に突出して配されている。
また、外側ガス導入孔241は、外側カバー24の側面部240において、軸方向の一箇所に形成されている。
なお、内側カバー25の先端部は、本例においては外側カバー24の先端部よりも先端側に突出させてあるが、外側カバー24の先端部と面一であってもよく、また、外側カバー24の先端部よりも基端側へ後退していてもよい。
また、センサ素子21にはヒータ(図示略)が内蔵されており、ガスセンサ2の使用時において、センサ素子21を400℃以上の高温に加熱して、活性状態とする。
また、本例におけるセンサ素子21は、積層型センサ素子であるが、図4に示すような有底筒状のコップ型センサ素子とすることもできる。
一方、ハウジング22の外側の先端部には取付用ネジ部220が形成されている。
そして、遮蔽部材4の内側に形成された雌ネジ部40と、ハウジング22の取付用ネジ部220とが螺合されてガスセンサ2が排気管3に取り付けられている。
また、遮蔽部材4は、外側カバー24の側面部240に形成された全てのガス導入孔241に対向するように配置されている。
また、外側カバー24の側面部240と遮蔽部材4との間の距離は、例えば、1〜10mmとすることができる。
なお、排気管3における被測定ガスGの主流は、図2の紙面の上から下に向かう流れとする。
排気管3内を流れてきた被測定ガスGは外側カバー24の側面部240に衝突する。その被測定ガスGは、速度を緩めて遮蔽部材4と外側カバー24との間に導入され、その後、外側カバー24の側面部240に形成されたガス導入孔241から外側カバー24内へと導入される。このとき、外側カバー24内に導入された被測定ガスGは、大きな流速となっていないため、外側カバー24の他のガス導入孔241から排気管3へと出て行くことがない。それゆえ、外側カバー24内に導入された被測定ガスGは、内側カバー25に形成された内側流通孔251よりその内部へと充分に導入されて、その後、センサ素子21へと供給される。
上記ガスセンサ2においては、図1、図3に示すごとく、外側カバー24の側面部240に形成された外側ガス導入孔241に、側方からの被測定ガスGの流れを遮る遮蔽部材4が対向配置されている。そのため、外側ガス導入孔241は、ガス流通部3内を流れてくる速度の速い被測定ガスGに直接曝されることがない。すなわち、速度の速い被測定ガスGが、外側ガス導入孔241に直接導入されることを防ぐことができる。それゆえ、被測定ガスGとともに流れてくる水滴が外側カバー内に勢いよく入ってくることもないため、水滴が内側カバー25内に直接浸入してくることを抑制することができる。
その結果、センサ素子21が被水することを防いで、その表面において被水割れが生ずることを防ぐことができる。
その結果、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。
また、遮蔽部材4の交差先端面400は、ガス流通部3の内壁面30と略連続した面を構成している。これにより、ガス流通部3を流れる被測定ガスGの流れを遮蔽部材4が遮ることがなく、外側カバー24と遮蔽部材4との間に被測定ガスGを充分に導入することができる。
その結果、被測定ガスGをセンサ素子21に充分に供給することができるため、応答性に優れたガスセンサ2を得ることができる。
本例は、図5、図6に示すごとく、本発明の効果確認試験を行った例である。
まず、本発明品として実施例1に示したガスセンサ取付構造(図1参照)を採用したものを、従来品として従来例に示したガスセンサ取付構造(図9参照)を採用したものを、それぞれ用意した。
そして、これらのガスセンサ取付構造について、同図に示すごとく、センサ素子21への水滴付着の抑制効果を評価した。
なお、本例において使用した符号は、図1において使用した符合に準ずる。
ガスセンサの取付位置は、配管31の上端開口部311から100mmの位置である。そして、配管31の上端開口部311から水滴を含む空気を、噴射機52から5回噴射する。一回あたりの噴射エア中の水量は、0.2mLであり、エア圧0.15kg/cm2である。
このとき、ガスセンサに内蔵されたセンサ素子21への被水面積を評価した。
図6からわかるように、従来品においては、被水面積が約7.7mm2であるのに対して、本発明品においては、被水面積が約0.5mm2である。本例の結果からわかるように、本発明のガスセンサ取付構造によれば、センサ素子21の被水を充分に抑制することができる。
本例は、図7、図8に示すごとく、本発明のガスセンサ取付構造における応答性について評価した例である。
すなわち、まず、3L、直列6気筒エンジンの排気管3にガスセンサを設置した。そして、エンジンを回転数2000回転/分で運転した。また、図7(a)の曲線L1に示すごとく、エンジンの空燃比を制御して、λ値(空気過剰率)が0.9となる状態と、1.1となる状態とを、周波数4.16Hzの周期Tで交互に形成した。
評価結果を図8に示す。
評価は、実施例2と同様に、本発明品としての実施例1のガスセンサ取付構造と、従来品としてのガスセンサ取付構造との双方についてそれぞれ行った。
2 ガスセンサ
21 センサ素子
22 ハウジング
23 素子カバー
24 外側カバー
25 内側カバー
240 側面部
3 ガス流通部
4 遮蔽部材
Claims (6)
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサを上記被測定ガスが流通するガス流通部に取り付けてなるガスセンサ取付構造であって、
上記ガスセンサは、上記特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、該センサ素子を保持し上記ガス流通部に固定されるハウジングと、該ハウジングの先端側に固定され上記センサ素子を保護する素子カバーとを有し、
該素子カバーは、少なくとも最外周に配された外側カバーとその内側に配された内側カバーとを有し、
上記外側カバーの側面部と上記内側カバーの側面部とには、それぞれ外側ガス導入孔と内側ガス導入孔とを形成してなり、
上記外側ガス導入孔に、側方からの上記被測定ガスの流れを遮る遮蔽部材が対向配置されていることを特徴とするガスセンサ取付構造。 - 請求項1において、上記遮蔽部材は、上記外側カバーの側面部に形成された全てのガス導入孔に対向するように配置されていることを特徴とするガスセンサ取付構造。
- 請求項1又は2において、上記素子カバーの先端は、上記遮蔽部材の先端よりも先端側に突出して配されていることを特徴とするガスセンサ取付構造。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記遮蔽部材は、上記ガスセンサの軸方向と交差する方向に延びる交差先端面を有することを特徴とするガスセンサ取付構造。
- 請求項4において、上記遮蔽部材の上記交差先端面は、上記ガス流通部の内壁面と略連続した面を構成していることを特徴とするガスセンサ取付構造。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、上記素子カバーの先端部には先端孔が形成されていることを特徴とするガスセンサ取付構造。
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