JP4938587B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
よって、本発明のガスセンサは、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子に到達しやすくなる。
また、本発明のガスセンサは、最小内径部の先端に連結する内側底壁には、被測定ガスを内側筒状部材の外部に排出するための内側底壁流通口を有し、ガス検出素子の先端が最小内径部の内側に位置してなるよう構成されている。
このように内側底壁流通口を設けることで、内側筒状部材は、内壁ガス流通口から内側底壁流通口に至るガスの移動経路を確保できるため、被測定ガスを速やかに導入できる構成となる。
よって、本発明によれば、内側筒状部材における被測定ガスの導入を迅速に行うことができるため、応答性の向上を図ることができる。
また、本発明のガスセンサにおいては、外壁ガス流通口は、内壁ガス流通口よりも軸線方向の後端側に配置される。
このように外壁ガス流通口と内壁ガス流通口との相対的な位置関係を設定したプロテクタは、外側側壁の内面と内側側壁の外面との間の隙間領域において、被測定ガスの流通方向を一方向(軸線方向の先端側向き方向)に設定できる。そして、このようなプロテクタは、隙間領域でのガスの流通方向が複数となる構成のプロテクタに比べて、隙間領域での被測定ガスの移動が円滑となり、内側筒状部材に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
よって、本発明によれば、内側筒状部材における被測定ガスの導入を迅速に行うことができるため、応答性の向上を図ることができる。
また、本発明のガスセンサにおいては、ガス検出素子の先端は、内壁ガス流通口よりも軸線方向の先端側に配置される。
つまり、外壁ガス流通口が内壁ガス流通口よりも軸線方向の後端側に配置される場合には、内側筒状部材への被測定ガスの流入方向は先端側向きになる。このため、ガス接触部が内壁ガス流通口よりも軸線方向の先端側に配置されたガスセンサは、導入された被測定ガスが速やかにガス接触部の近傍に移動する構成となる。
よって、本発明によれば、導入された被測定ガスが速やかにガス接触部の近傍に移動することから、応答性の向上を図ることができる。
なお、寸法変更部は、テーパ部および段差部の組み合わせ構成としても良い。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項4に記載のように、内側筒状部材は、内壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される内側ガイド体を備える、という構成を採ることができる。
なお、以下に示す実施形態では、ガスセンサの一種であって、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出するガス検出素子(ガスセンサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。
(1)空燃比センサ全体の構成
図1は、本発明を適用した実施形態の空燃比センサ2の全体構成を示す断面図である。
ハウジング38は、軸線方向に貫通する貫通孔54を有し、貫通孔54の径方向内側に突出する棚部52を有する略筒状形状に構成されている。また、ハウジング38は、検出部8を貫通孔54の先端側外部に配置し、電極端子部30,31,32,34,36を貫通孔54の後端側外部に配置する状態で貫通孔54に挿通されたガス検出素子4を保持するよう構成されている。さらに、棚部52は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
ガス検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状に形成された素子部と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータとが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられるガス検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略する。
(2)プロテクタ42の構成
次に、プロテクタ42は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側(図1における下方)外周に溶接等によって取り付けられている。
寸法変更段差部98は、軸線方向に垂直な板面形状に形成されており、軸線方向に垂直な断面における内側側壁92の内径寸法を変更するために備えられている。また、最大内径部97は、軸線方向に垂直な断面における内径寸法が寸法変更段差部98の最大内径寸法と等しい寸法となるように形成されている。さらに、最小内径部99は、軸線方向に垂直な断面における内径寸法が寸法変更段差部98の最小内径寸法と等しい寸法となるように形成されている。
内側筒状部材91は、内側底壁93において、被測定ガスを内側筒状部材91の内部から外部に排出するための内側底壁流通口100を備えて構成されている。
そして、内側筒状部材91は、軸線方向に垂直な断面における内側側壁92の内径寸法のうち、外壁ガス流通口84の形成位置に対応する位置の内径寸法(外壁流通口内径寸法D1)と、内壁ガス流通口94の形成位置における内径寸法(内壁流通口内径寸法D2)とを比較した場合において、内壁流通口内径寸法D2が外壁流通口内径寸法D1よりも小さい形状(D2<D1となる形状)に構成されている。
(3)実施形態の効果
以上説明したように、空燃比センサ2は、外壁ガス流通口84および内壁ガス流通口94の軸線方向における形成位置がそれぞれ異なっており、外側筒状部材81のガス流通口と内側筒状部材91のガス流通口とが互いに重ならないため、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難い構成である。
よって、本実施形態の空燃比センサ2は、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子4に到達しやすくなる。これにより、空燃比センサ2は、ガス検出素子4が破損しがたく、ガス検出の応答性に優れたものとなる。
このように内側底壁流通口100を設けることで、内側筒状部材91は、内壁ガス流通口94から内側底壁流通口100に至るガスの移動経路を確保できるため、被測定ガスを速やかに導入できる構成となる。
次に、本実施形態の空燃比センサ2は、外壁ガス流通口84が内壁ガス流通口94よりも軸線方向の後端側に配置される構成である。
そして、本実施形態の空燃比センサ2は、外壁ガス流通口84が内壁ガス流通口94よりも軸線方向の後端側に配置されるとともに、ガス検出素子4の検出部8(ガス接触部)が内壁ガス流通口94よりも軸線方向の先端側に配置される構成である。
(4)第2実施形態
次に、第2実施形態として、寸法変更部としてのテーパ部を有する第2プロテクタ142を備えて構成される第2空燃比センサ102について説明する。
図2に示すように、第2プロテクタ142は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
第2内側筒状部材191は、第2内側底壁193に被測定ガスを外部に排出するための内側底壁流通口200を備えて構成されている。
このようなテーパ形状の寸法変更テーパ部198を備える第2内側筒状部材191は、寸法変更テーパ部198において、軸線方向に垂直な断面における内径寸法が後端側から先端側にかけて徐々に縮小する構成となる。
(5)第3実施形態
次に、第3実施形態として、外側ガイド体を有する第3プロテクタ242を備えて構成される第3空燃比センサ202について説明する。
図3に示すように、第3プロテクタ242は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
(6)第4実施形態
次に、第4実施形態として、内側ガイド体を有する第4プロテクタ342を備えて構成される第4空燃比センサ302について説明する。
図4に示すように、第4プロテクタ342は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
第3内側筒状部材291は、第3内側底壁293に被測定ガスを外部に排出するための第3内側底壁流通口300を備えて構成されている。
(7)第5実施形態
次に、第5実施形態として、外側ガイド体および内側ガイド体を有する第5プロテクタ442を備えて構成される第5空燃比センサ402について説明する。
図5に示すように、第5プロテクタ442は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
(8)実施形態の効果の確認
上述した各実施形態の効果を確認するために、被測定ガス中の特定ガス成分を検出する応答速度試験と、被水によるガス検出素子の耐性を確認する被水耐性試験とを行った。
比較用プロテクタ43は、二重構造であり、外側ガス挿通孔45が内側ガス挿通孔47よりも軸線方向における後端側に配置されており、内側ガス挿通孔47がガス検出素子4の検出部8よりも先端側に配置されている。また、比較用プロテクタ43は、内壁流通口内径寸法と外壁流通口内径寸法とが等しい内側筒状部材を備えている。
図7の試験結果は、横軸がガスバーナによる燃焼ガスの噴射経過時間であり、切換時間を0秒として表しており、縦軸がガス成分を検出したセンサ出力値である。
被水耐性試験は、ガスセンサを内径50[mm]の排気管内に突き出すように取り付け、次いで、図9に示すように、この排気管内において、水滴73をガスセンサに向けてノズル70から0.2[MPa]の噴射圧で噴射するとともに、流速3.0[m/sec]で5秒間送風した後に5秒間停止することを3回繰り返して行った。また、この際、ガスセンサの軸Zに対し、20度傾けて水蒸気を噴射した。ここで、ガスセンサは通常測定状況、即ちヒータを加熱した状況で試験を行った。
(9)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることはない。
また、ガス検出素子は、板型形状の素子に限られることはなく、プロテクタにより保護される用途に用いられるガス検出素子であれば任意の形状を採ることができる。
Claims (4)
- 後端側から先端側にかけて軸線方向に延びると共に、先端部に被測定ガスに接触させるガス接触部を有するガス検出素子と、
前記ガス接触部を先端から突き出させた状態で前記ガス検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、
前記ガス検出素子の前記ガス接触部を覆うように、前記ハウジングに固定させた有底筒状のプロテクタと、
を備えたガスセンサであって、
前記プロテクタは、
筒状の外側側壁を有するともに前記外側側壁の先端側に設けられる外側底壁を有してなる有底筒状の外側筒状部材と、
前記外側側壁の内部に少なくとも一部が配置される筒状の内側側壁を有するともに、前記内側側壁の先端側に設けられる内側底壁を有してなる有底筒状の内側筒状部材と、
を備えており、
前記外側筒状部材は、前記被測定ガスを内部に導入するための複数の外壁ガス流通口を前記外側側壁に備えており、
前記内側筒状部材は、前記外側筒状部材の内部に導入された前記被測定ガスを内部に導入するための複数の内壁ガス流通口を前記内側側壁に備えており、
前記外壁ガス流通口は、前記内壁ガス流通口よりも前記軸線方向の後端側に配置されると共に、前記ガス検出素子の先端は、前記内壁ガス流通口よりも前記軸線方向の先端側に配置され、
前記軸線方向に垂直な断面における前記内側側壁の内径寸法のうち、前記外壁ガス流通口の形成位置に対応する位置の内径寸法を外壁流通口内径寸法とし、前記内壁ガス流通口の形成位置における内径寸法を内壁流通口内径寸法とした場合において、
前記内側筒状部材は、前記内壁流通口内径寸法が前記外壁流通口内径寸法よりも小さい形状であり、
前記内側側壁は、
前記軸線方向に垂直な断面における前記内側側壁の内径寸法を変更するための寸法変更部と、
前記寸法変更部の先端側に接続し、前記軸線方向に垂直な断面における内径寸法が前記寸法変更部の最小内径寸法と等しい寸法をなす最小内径部と、
前記寸法変更部の後端側に接続し、前記軸線方向に垂直な断面における内径寸法が前記寸法変更部の最大内径寸法以上となる最大内径部と、
を備えており、
前記内壁ガス流通口は、前記内側側壁のうち前記寸法変更部または前記最小内径部に形成されており、
前記外壁ガス流通口は、前記外側側壁のうち前記内側側壁の前記最大内径部に対応する位置に形成されており、
さらに、前記最小内径部の先端に連結する前記内側底壁には、前記被測定ガスを該内側筒状部材の外部に排出するための内側底壁流通口を有し、前記ガス検出素子の先端が前記最小内径部の内側に位置してなること、
を特徴とするガスセンサ。 - 前記寸法変更部は、前記軸線方向に垂直な断面における内径寸法が前記軸線方向にかけて徐々に変化するテーパ部、または前記軸線方向に垂直な板面形状の段差部を有する形状であること、
を特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記外側筒状部材は、前記外壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される外側ガイド体を備えること、
を特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ。 - 前記内側筒状部材は、前記内壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される内側ガイド体を備えること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
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