JP4938588B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガスなどの被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための酸素センサ,NOxセンサ,HCセンサといったガスセンサなどのように、ガス検出用のガス検出素子と、ガス検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、ガス検出素子を保護する有底筒状のプロテクタと、を備えたガスセンサに関する。
従来、排気ガスなどの被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための酸素センサ,NOxセンサ,HCセンサといったガスセンサなどのように、ガス検出用のガス検出素子と、ガス検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、ガス検出素子を保護する有底筒状のプロテクタと、を備えたガスセンサが知られている。
このようなガスセンサに求められる特性の1つとしては、ガス検出の応答性の速さがあり、応答性を向上させるには、例えば、被測定ガスを速やかに導入するためにプロテクタのガス流通口を大きくする(開口面積を拡大する)方法がある。
しかし、ガス流通口の開口面積を拡大すると、被測定ガスとともに水滴などの異物が侵入しやすくなる。そして、活性化のために高温(例えば、300[℃]以上)に維持されたガス検出素子に対して水滴などの低温の異物が付着すると、熱衝撃によりガス検出素子が破損する虞がある。
そこで、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くなるように、外側筒状部材のガス流通口と内側筒状部材のガス流通口とを互いに重ならないよう配置した構成のガスセンサが提案されている(特許文献1)。
また、外側筒状部材に内向きに延設されたガイド部を設けることで、被測定ガスの導入時に旋回流を生じさせて、水滴などの異物がガス検出素子に到達するのを抑制する構成のガスセンサが提案されている(特許文献2)。
特開2001−074686号公報(請求項1など) 特開2004−109125号公報(請求項1など)
しかしながら、上記従来のガスセンサにおいては、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くなるものの、それに伴い被測定ガスを速やかにガス検出素子に到達させることが難しくなる虞がある。
つまり、上記従来のガスセンサは、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くなる構成を採ることに伴い、異物のみならず被測定ガスについてもガス検出素子に到達しがたくなり、ガス検出の応答性が低下する可能性がある。
そこで、本発明はこうした問題に鑑みなされたものであり、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子に到達しやすくなる構成のガスセンサを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、後端側から先端側にかけて軸線方向に延びると共に、先端部に被測定ガスに接触させるガス接触部を有するガス検出素子と、ガス接触部を先端から突き出させた状態でガス検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、ガス検出素子のガス接触部を覆うように、ハウジングに固定させた有底筒状のプロテクタと、を備えたガスセンサであって、プロテクタは、筒状の外側側壁を有するともに外側側壁の先端側に設けられる外側底壁を有してなる有底筒状の外側筒状部材と、外側側壁の内部に少なくとも一部が配置される筒状の内側側壁を有するともに、内側側壁の先端側に設けられる内側底壁を有してなる有底筒状の内側筒状部材と、を備えており、外側筒状部材は、被測定ガスを内部に導入するための複数の外壁ガス流通口を外側側壁に備えており、内側筒状部材は、外側筒状部材の内部に導入された被測定ガスを内部に導入するための複数の内壁ガス流通口を内側側壁に備えており、全ての外壁ガス流通口、全ての内壁ガス流通口、ガス検出素子のガス接触部は、軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置されており、軸線方向における全ての外壁ガス流通口の形成領域は、全ての内壁ガス流通口の形成領域とは重ならず、軸線方向における外壁ガス流通口の形成領域と内壁ガス流通口の形成領域との最短の間隔寸法は、軸線方向に対する垂直方向における外側側壁と内側側壁との間隔寸法よりも小さいこと、を特徴とするガスセンサである。
全ての外壁ガス流通口,全ての内壁ガス流通口,ガス接触部における相対的な位置関係を、上記のように設定したガスセンサは、プロテクタ内部(外側側壁の内面と内側側壁の外面との間の隙間領域、内側筒状部材の内部領域)において、軸線方向における被測定ガスの流通方向を一方向(先端側向き方向)に設定できる。
そして、このようなガスセンサは、プロテクタ内部での軸線方向におけるガスの流通方向が複数となる構成のガスセンサに比べて、プロテクタ内部での被測定ガスの移動が円滑となり、ガス検出素子のガス接触部に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、このガスセンサは、軸線方向における全ての外壁ガス流通口の形成領域が全ての内壁ガス流通口の形成領域と重ならない構成であるため、水滴などの異物が被検出ガスとともに外側筒状部材に侵入した場合であっても、その異物が直ちに内壁ガス流通口に到達することはない。このため、このガスセンサは、異物が内側筒状部材の内部に到達しがたくなり、被水によるガス検出素子の破損が生じがたい構成となる。
さらに、このガスセンサにおいては、軸線方向における外壁ガス流通口と内壁ガス流通口との最短の間隔寸法が、軸線方向に対する垂直方向における外側側壁と内側側壁との間隔寸法よりも小さいことから、軸線方向における外壁ガス流通口から内壁ガス流通口までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、このガスセンサは、外壁ガス流通口から導入された被測定ガスが内壁ガス流通口に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子のガス接触部に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
よって、本発明によれば、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難く、被水による破損が生じがたい構成であるとともに、被測定ガスがガス検出素子に到達しやすく、応答性に優れた構成のガスセンサを実現できる。
なお、軸線方向における内壁ガス流通口とガス検出素子のガス接触部との相対的な位置関係は、それぞれの最も先端側となる部分の配置位置を比較した場合に、内壁ガス流通口がガス検出素子のガス接触部よりも後端側に配置されていれば良く、軸線方向におけるそれぞれの配置位置の一部が互いに重なる構成であっても良い。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項2に記載のように、内側筒状部材が、内側底壁において、被測定ガスを外部に排出するための内側底壁流通口を備える、という構成を採ることができる。
このように内側底壁流通口を設けることで、内側筒状部材は、内壁ガス流通口から内側底壁流通口に至るガスの移動経路を確保できるため、被測定ガスを速やかに導入できる構成となる。
よって、本発明によれば、内側筒状部材における被測定ガスの導入を迅速に行うことができるため、応答性の向上を図ることができる。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項3に記載のように、外側筒状部材は、外側底壁において、内側筒状部材を挿通するための挿通孔を備えており、内側筒状部材は、挿通孔に挿通されるとともに、少なくとも内側底壁が外側筒状部材の外部に配置される、という構成を採ることができる。
このような構成の内側筒状部材および外側筒状部材を備えるプロテクタは、内側筒状部材よりも外側筒状部材の軸線方向寸法が小さくなるため、内側筒状部材よりも外側筒状部材の軸線方向寸法が大きい構成に比べて、外側側壁と内側側壁との間の隙間領域における軸線方向寸法が小さくなり、この隙間領域の体積が小さくなる。このように隙間領域の体積が小さいプロテクタは、隙間領域に滞留する被測定ガスの量を低減できるため、少ない量の被測定ガスであっても、迅速に内側筒状部材の内部まで導入することができる。
よって、本発明によれば、少ない量の被測定ガスであっても、迅速に内側筒状部材の内部まで導入できることから、応答性の向上を図ることができる。
さらに、このような構成のプロテクタは、内側筒状部材よりも外側筒状部材の軸線方向寸法が小さくなるため、内側筒状部材よりも外側筒状部材の軸線方向寸法が大きい構成に比べて、プロテクタ全体としての体積を縮小できる。これにより、ガスセンサ全体としても小型化を図ることができる。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項4に記載のように、軸線方向における内壁ガス流通口の形成領域がガス接触部の形成領域と重ならない、という構成を採ることができる。
このような構成のガスセンサは、軸線方向における内壁ガス流通口の形成領域がガス接触部の形成領域と重ならない構成であるため、水滴などの異物が被検出ガスとともに内側筒状部材に侵入した場合であっても、その異物が直ちにガス接触部に到達しがたい構成となる。つまり、このガスセンサは、異物がガス検出素子のガス接触部に到達するのを抑制でき、被水による破損が生じがたい構成となる。
そして、このガスセンサは、軸線方向における外壁ガス流通口の形成領域が内壁ガス流通口の形成領域と重ならない構成であるとともに、軸線方向における内壁ガス流通口の形成領域がガス接触部の形成領域と重ならない構成であることから、より一層、被水によるガス検出素子の破損が生じがたい構成となる。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項5に記載のように、軸線方向における内壁ガス流通口の形成領域とガス接触部の形成領域との間隔寸法は、軸線方向に対する垂直方向における内側側壁とガス接触部との間隔寸法よりも小さい、という構成を採ることができる。
このガスセンサにおいては、軸線方向における内壁ガス流通口の形成領域とガス接触部の形成領域との間隔寸法が、軸線方向に対する垂直方向における内側側壁とガス接触部との間隔寸法よりも小さいことから、軸線方向における内壁ガス流通口からガス接触部までの距離が遠く離れすぎることがない。
このため、このガスセンサは、内壁ガス流通口から導入された被測定ガスがガス接触部に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子のガス接触部に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
よって、本発明によれば、より一層、被測定ガスがガス検出素子に到達しやすくなり、応答性に優れた構成のガスセンサを実現できる。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項6に記載のように、外側筒状部材は、外壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される外側ガイド体を備える、という構成を採ることができる。
外側ガイド体は、被測定ガスが内側筒状部材の外周面を取り囲むように、被測定ガスの旋回流を生じさせる機能を有する。このため、外側ガイド体を備えるプロテクタは、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い成分(水滴など)と相対的に軽い成分(被測定ガス)とを分離できる。
このとき、分離された重い成分(水滴など)は、外側筒状部材の内周面に押しつけられるため、被測定ガスとともに異物(水滴など)が導入された場合でも、内側筒状部材の内部まで異物(水滴など)が到達しにくくなり、ガス検出素子を保護できる。
そして、外壁ガス流通口,内壁ガス流通口,ガス検出素子のガス接触部が軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置される構成のガスセンサに対して、外側ガイド体を備える外側筒状部材を組み合わせることで、被測定ガスをガス検出素子に到達しやすくしつつ、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くすることができる。
よって、本発明によれば、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子に到達しやすくなる構成のガスセンサを実現できる。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項7に記載のように、内側筒状部材は、内壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される内側ガイド体を備える、という構成を採ることができる。
内側ガイド体は、被測定ガスが内側筒状部材の内部に導入される際に、被測定ガスがガス検出素子(ガス接触部)を取り囲むように、被測定ガスの旋回流を生じさせる機能を有している。このため、内側ガイド体を備えるプロテクタは、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い成分(水滴など)と相対的に軽い成分(被測定ガス)とを分離できる。
このとき、分離された重い成分(水滴など)は、内側筒状部材の内周面に押しつけられるため、被測定ガスとともに異物(水滴など)が導入された場合でも、ガス検出素子まで異物(水滴など)が到達しにくくなり、ガス検出素子を保護できる。
そして、外壁ガス流通口,内壁ガス流通口,ガス検出素子のガス接触部が軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置される構成のガスセンサに対して、内側ガイド体を備える内側筒状部材を組み合わせることで、被測定ガスをガス検出素子に到達しやすくしつつ、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くすることができる。
よって、本発明によれば、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子に到達しやすい構成のガスセンサを実現できる。
次に、上述のガスセンサにおいては、請求項8に記載のように、複数の内壁ガス流通口のうち少なくとも1つの内壁ガス流通口は、外壁ガス流通口とガス接触部とを結ぶ直線上に配置される、という構成を採ることができる。
このような構成のガスセンサは、少なくとも1つの内壁ガス流通口に関して、外壁ガス流通口,内壁ガス流通口,ガス接触部が一直線上に配置される状態となるため、プロテクタの内部のうち、外壁ガス流通口とガス接触部とを結ぶ最短経路を被測定ガスが移動可能な構成となる。
このため、被測定ガスは、プロテクタの内部における最短経路を移動してガス検出素子(ガス接触部)に到達できるため、このガスセンサは、被測定ガスを速やかに導入できる構成となる。
よって、本発明によれば、内側筒状部材における被測定ガスの導入を迅速に行うことができるため、応答性の向上を図ることができる。
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
なお、以下に示す実施形態では、ガスセンサの一種であって、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガスを検出するガス検出素子(ガスセンサ素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される全領域空燃比センサ2(以下、空燃比センサ2ともいう)について説明する。
(1)空燃比センサ全体の構成
図1は、本発明を適用した実施形態の空燃比センサ2の全体構成を示す断面図である。
空燃比センサ2は、排気管に固定するためのネジ部39が外表面に形成された筒状のハウジング38と、軸線方向(空燃比センサ2の長手方向:図中上下方向)に延びる板状形状をなすガス検出素子4と、ガス検出素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔68の内壁面がガス検出素子4の後端部の周囲を取り囲む状態で配置される絶縁コンタクト部材66と、ガス検出素子4と絶縁コンタクト部材66との間に配置される5個の接続端子10と、ガス検出素子4の先端部周囲を覆うようにハウジング38の先端側外周に固定された有底筒状のプロテクタ42と、を備えている。
ガス検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に保護層に覆われた検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,31,32,34,36が形成されている。接続端子10は、ガス検出素子4と絶縁コンタクト部材66との間に配置されることで、ガス検出素子4の電極端子部30,31,32,34,36にそれぞれ電気的に接続される。また、接続端子10は、外部からセンサの内部に配設されるリード線46にも電気的に接続されており、リード線46が接続される外部機器と電極端子部30,31,32,34,36との間に流れる電流の電流経路を形成する。
なお、ガス検出素子4は、特定ガスが検出部8に接触すると、特定ガスの濃度等に応じたセンサ出力信号を電極端子部から出力する構成である。
ハウジング38は、軸線方向に貫通する貫通孔54を有し、貫通孔54の径方向内側に突出する棚部52を有する略筒状形状に構成されている。また、ハウジング38は、検出部8を貫通孔54の先端側外部に配置し、電極端子部30,31,32,34,36を貫通孔54の後端側外部に配置する状態で貫通孔54に挿通されたガス検出素子4を保持するよう構成されている。さらに、棚部52は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
なお、ハウジング38の貫通孔54の内部には、ガス検出素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ51、粉末充填層53,56(以下、滑石リング53,56ともいう)、および上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ6とハウジング38の後端部40との間には、加締パッキン57が配置されており、セラミックホルダ51とハウジング38の棚部52との間には、滑石リング53やセラミックホルダ51を保持し、気密性を維持するための金属ホルダ58が配置されている。なお、ハウジング38の後端部40は、加締パッキン57を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。
つまり、ハウジング38は、検出部8を先端から突き出させた状態でガス検出素子4の径方向周囲を取り囲む構成である。
ガス検出素子4は、軸線方向に延びる板状形状に形成された素子部と、同じく軸線方向に延びる板状形状に形成されたヒータとが積層されて、長方形状の軸断面を有する板状形状に形成されている。なお、空燃比センサ2として用いられるガス検出素子4は従来公知のものであるため、その内部構造等の詳細な説明は省略する。
ガス検出素子4は、図1に示すように、先端側(図1における下方)の検出部8が排気管に固定されるハウジング38の先端より突出すると共に、後端側の電極端子部30,31,32,34,36がハウジング38の後端より突出した状態で、ハウジング38の内部に固定される。
そして、ハウジング38の後端側外周には、外筒44が固定されている。また、外筒44の後端側(図1における上方)の開口部には、ガス検出素子4の各電極端子部30,31,32,34,36とそれぞれ電気的に接続される5本のリード線46(図1では3本が図示)が挿通されるリード線挿通孔61が形成されたグロメット50が配置されている。
また、ハウジング38の後端部40より突出されたガス検出素子4の後端側(図1における上方)には、絶縁コンタクト部材66が配置される。なお、この絶縁コンタクト部材66は、ガス検出素子4の後端側の表面に形成される電極端子部30,31,32,34,36の周囲に配置されている。
(2)プロテクタ42の構成
次に、プロテクタ42は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側(図1における下方)外周に溶接等によって取り付けられている。
プロテクタ42は、金属製(例えば、ステンレスなど)であり、有底筒状の外側筒状部材81と、外側筒状部材81の内側に配置した有底筒状の内側筒状部材91と、を備えた二重構造に形成されている。
外側筒状部材81は、筒状の外側側壁82を有するともに外側側壁82の先端側に設けられる外側底壁83を有して構成される。また、外側筒状部材81は、外側側壁82に複数(本実施形態では、8個)の外壁ガス流通口84を備えて構成されている。さらに、外側筒状部材81は、外側底壁83において、内側筒状部材91を挿通するための挿通孔86を備えている。
外壁ガス流通口84は、外側側壁82のうちハウジング38に近い位置(軸線方向における後端側位置)において、周方向にわたり複数箇所に形成されている。
内側筒状部材91は、外側側壁82の内部に配置される筒状の内側側壁92を有するともに、内側側壁92の先端側に設けられる内側底壁93を有して構成される。また、内側筒状部材91は、内側側壁92に複数(本実施形態では、8個)の内壁ガス流通口94を備えて構成される。
内側側壁92は、軸線方向の後端側から先端側にかけて、固定部95,固定用段差部96,側壁本体部97を備えて構成されている。
内壁ガス流通口94は、内側側壁92のうち側壁本体部97において、周方向にわたり複数箇所に形成されている。また、内壁ガス流通口94は、内側側壁92における断面形状として、直径寸法がD1の円形状に形成されている。さらに、内壁ガス流通口94は、軸線方向における形成位置が外壁ガス流通口84よりも先端側に設定されている。
内側底壁93は、軸線方向の後端側から先端側にかけて、テーパ部98,先端底面部99を備えて構成されている。内側底壁93の先端底面部99には、被測定ガスを内側筒状部材91の内部から外部に排出するための内側底壁流通口100が形成されている。
このような外側筒状部材81および内側筒状部材91を備えるプロテクタ42は、外壁ガス流通口84が内壁ガス流通口94よりも軸線方向における後端側に配置される構成となる。また、プロテクタ42は、軸線方向における外壁ガス流通口84の形成領域が内壁ガス流通口94の形成領域とは重ならない構成である。
さらに、プロテクタ42は、軸線方向における外壁ガス流通口84の形成領域と内壁ガス流通口94の形成領域との間隔寸法(流通口間隔寸法L1)と、軸線方向に対する垂直方向における外側側壁82と内側側壁92との間隔寸法(側壁間隔寸法L2)とを比較した場合に、流通口間隔寸法L1が側壁間隔寸法L2よりも小さい構成である。
また、プロテクタ42は、ハウジング38に取り付けられたときに、軸線方向における内壁ガス流通口94の形成領域が、ガス検出素子4の検出部8の形成領域(図1における網目模様部分)よりも後端側に配置される構成である。
つまり、空燃比センサ2は、軸線方向における後端側から先端側にかけて、外壁ガス流通口84、内壁ガス流通口94、ガス検出素子4の検出部8(ガス接触部)がこの順に配置される構成である。
さらに、空燃比センサ2は、軸線方向における内壁ガス流通口94の形成領域とガス検出素子4における検出部8(ガス接触部)の形成領域との間隔寸法(流通口接触部間隔寸法L3)と、軸線方向に対する垂直方向における内側側壁92と検出部8(ガス接触部)との間隔寸法(側壁接触部間隔寸法L4)を比較した場合に、流通口接触部間隔寸法L3が側壁接触部間隔寸法L4よりも小さい構成である。
また、空燃比センサ2においては、外側筒状部材81は、外側底壁83に挿通孔86を備えており、内側筒状部材91は、挿通孔86に挿通されるとともに、少なくとも内側底壁93が外側筒状部材81の外部に配置される。
(3)実施形態の効果
以上説明したように、空燃比センサ2は、外壁ガス流通口84および内壁ガス流通口94の軸線方向における形成位置がそれぞれ異なっており、外側筒状部材81のガス流通口と内側筒状部材91のガス流通口とが互いに重ならないため、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難い構成である。
また、空燃比センサ2は、外壁ガス流通口84、内壁ガス流通口94、ガス検出素子4の検出部8が軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置される構成であるため、プロテクタ42の内部での軸線方向における被測定ガスの流通方向を一方向(先端側向き方向)に設定できる。なお、プロテクタ42の内部とは、外側側壁82の内面と内側側壁92の外面との間の隙間領域や、内側筒状部材91の内部領域などである。
このような構成の空燃比センサ2は、プロテクタ内部での軸線方向におけるガスの流通方向が複数となる構成のガスセンサに比べて、プロテクタ42の内部における被測定ガスの移動が円滑となり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、空燃比センサ2は、軸線方向における外壁ガス流通口84の形成領域が内壁ガス流通口94の形成領域と重ならない構成であるため、水滴などの異物が被検出ガスとともに外側筒状部材81に侵入した場合であっても、その異物が直ちに内壁ガス流通口94に到達することはない。このため、空燃比センサ2は、異物が内側筒状部材91の内部に到達しがたくなり、被水によるガス検出素子4の破損が生じがたい構成となる。
さらに、この空燃比センサ2においては、流通口間隔寸法L1が側壁間隔寸法L2よりも小さい構成であることから、軸線方向における外壁ガス流通口84から内壁ガス流通口94までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、空燃比センサ2は、外壁ガス流通口84から導入された被測定ガスが内壁ガス流通口94に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
これらのことから、本実施形態の空燃比センサ2によれば、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難く、被水による破損が生じがたい構成であるとともに、被測定ガスがガス検出素子4に到達しやすく、応答性に優れた構成のガスセンサを実現できる。
また、空燃比センサ2は、軸線方向における内壁ガス流通口94の形成領域がガス検出素子4における検出部8の形成領域とは重ならない構成であるため、水滴などの異物が被検出ガスとともに内側筒状部材91に侵入した場合であっても、その異物が直ちに検出部8に到達しがたい構成となる。つまり、この空燃比センサ2は、異物がガス検出素子4の検出部8に到達するのを抑制でき、被水によるガス検出素子4の破損が生じがたい構成となる。
そして、この空燃比センサ2は、軸線方向における外壁ガス流通口84の形成領域が内壁ガス流通口94の形成領域と重ならない構成であるとともに、軸線方向における内壁ガス流通口94の形成領域が検出部8の形成領域と重ならない構成であることから、より一層、被水によるガス検出素子4の破損が生じがたい構成となる。
また、この空燃比センサ2は、流通口接触部間隔寸法L3が側壁接触部間隔寸法L4よりも小さい構成であることから、軸線方向における内壁ガス流通口94から検出部8までの距離が遠く離れすぎることがない。
このため、空燃比センサ2は、内壁ガス流通口94から導入された被測定ガスがガス検出素子4の検出部8に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
さらに、空燃比センサ2は、内側筒状部材91の内側底壁93において、被測定ガスを外部に排出するための内側底壁流通口100を備えることから、内側筒状部材91の内部において、内壁ガス流通口94から内側底壁流通口100に至るガスの移動経路を確保できるため、被測定ガスを速やかに導入できる構成となる。
よって、この空燃比センサ2によれば、内側筒状部材91における被測定ガスの導入を迅速に行うことができるため、応答性の向上を図ることができる。
また、空燃比センサ2においては、内側筒状部材91は、外側筒状部材81の挿通孔86に挿通されるとともに、少なくとも内側底壁93が外側筒状部材81の外部に配置される構成である。
このような内側筒状部材91を備えるプロテクタ42は、内側筒状部材91よりも外側筒状部材81の軸線方向寸法が小さくなるため、内側筒状部材91よりも外側筒状部材81の軸線方向寸法が大きい構成に比べて、外側側壁82と内側側壁92との間の隙間領域における軸線方向寸法が小さくなり、この隙間領域の体積が小さくなる。このように隙間領域の体積が小さいプロテクタ42は、隙間領域に滞留する被測定ガスの量を低減できるため、少ない量の被測定ガスであっても、迅速に内側筒状部材の内部まで導入することができる。
よって、空燃比センサ2によれば、少ない量の被測定ガスであっても、迅速に内側筒状部材91の内部まで導入できることから、応答性の向上を図ることができる。
さらに、このような構成のプロテクタ42は、内側筒状部材91の軸線方向寸法よりも外側筒状部材81の軸線方向寸法が小さくなるため、内側筒状部材91よりも外側筒状部材81の軸線方向寸法が大きい構成に比べて、プロテクタ全体としての体積を縮小できる。これにより、本実施形態の空燃比センサ2は、ガスセンサ全体としても小型化を図ることができる。
なお、本実施形態においては、検出部8が特許請求の範囲におけるガス接触部に相当している。
(4)第2実施形態
次に、第2実施形態として、上記実施形態(以下、第1実施形態ともいう)の全領域空燃比センサ2と比べて、内壁ガス流通口の開口面積が大きく形成された第2内側筒状部材191を備えて構成される第2空燃比センサ102について説明する。
なお、第2空燃比センサ102は、第1実施形態の全領域空燃比センサ2と比べて、プロテクタ以外の構成は基本的に同様であるため、共通する構成部分については同一符号を付して詳細な説明は省略し、特徴的な構成部分を中心に説明する。
図2に、第2空燃比センサ102の先端部分の拡大断面図を示す。
図2に示すように、第2プロテクタ142は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
第2プロテクタ142は、金属製(例えば、ステンレスなど)であり、有底筒状の外側筒状部材81と、外側筒状部材81の内側に配置した有底筒状の第2内側筒状部材191と、を備えた二重構造に形成されている。なお、外側筒状部材81は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明は省略する。
第2内側筒状部材191は、外側側壁82の内部に配置される筒状の第2内側側壁192を有するともに、第2内側側壁192の先端側に設けられる第2内側底壁193を有して構成される。また、第2内側筒状部材191は、第2内側側壁192に複数(本実施形態では、8個)の第2内壁ガス流通口194を備えて構成されている。
第2内側側壁192は、軸線方向の後端側から先端側にかけて、固定部195,固定用段差部196,側壁本体部197を備えて構成されている。
第2内壁ガス流通口194は、第2内側側壁192のうち側壁本体部197において、周方向にわたり複数箇所に形成されている。また、第2内壁ガス流通口194は、第2内側側壁192における断面形状として、直径寸法がD2の円形状に形成されている。さらに、第2内壁ガス流通口194は、軸線方向において、外壁ガス流通口84よりも後端側に形成されている。
なお、第2内壁ガス流通口194の直径寸法D2は、第1実施形態の内壁ガス流通口94の直径寸法D1よりも大きい(D2>D1)。つまり、第2内壁ガス流通口194は、第1実施形態の内壁ガス流通口94と比べて、開口面積が大きく形成されている。
第2内側底壁193は、軸線方向の後端側から先端側にかけて、第2テーパ部198,第2先端底面部199を備えて構成されている。第2内側底壁193の第2先端底面部199には、被測定ガスを第2内側筒状部材191の内部から外部に排出するための第2内側底壁流通口200が形成されている。
このような外側筒状部材81および第2内側筒状部材191を備える第2プロテクタ142は、外壁ガス流通口84が第2内壁ガス流通口194よりも軸線方向における後端側に配置される構成となる。また、第2プロテクタ142は、軸線方向における外壁ガス流通口84の形成領域が第2内壁ガス流通口194の形成領域とは重ならない構成である。
さらに、第2プロテクタ142は、軸線方向における外壁ガス流通口84の形成領域と第2内壁ガス流通口194の形成領域との間隔寸法(第2流通口間隔寸法L5)と、軸線方向に対する垂直方向における外側側壁82と第2内側側壁192との間隔寸法(第2側壁間隔寸法L6)とを比較した場合に、第2流通口間隔寸法L5が第2側壁間隔寸法L6よりも小さい構成である。
つまり、第2空燃比センサ102においては、第2流通口間隔寸法L5が第2側壁間隔寸法L6よりも小さい構成であることから、軸線方向における外壁ガス流通口84から第2内壁ガス流通口194までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、第2空燃比センサ102は、外壁ガス流通口84から導入された被測定ガスが第2内壁ガス流通口194に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、第2プロテクタ142は、ハウジング38に取り付けられたときに、軸線方向における第2内壁ガス流通口194の形成領域が、ガス検出素子4の検出部8の形成領域(図2における網目模様部分)よりも後端側に配置される構成である。
つまり、第2空燃比センサ102は、軸線方向における後端側から先端側にかけて、外壁ガス流通口84、第2内壁ガス流通口194、ガス検出素子4の検出部8(ガス接触部)がこの順に配置される構成である。
さらに、第2空燃比センサ102は、軸線方向における第2内壁ガス流通口194の形成領域とガス検出素子4における検出部8(ガス接触部)の形成領域との間隔寸法(第2流通口接触部間隔寸法L7)と、軸線方向に対する垂直方向における第2内側側壁192と検出部8(ガス接触部)との間隔寸法(第2側壁接触部間隔寸法L8)を比較した場合に、第2流通口接触部間隔寸法L7が第2側壁接触部間隔寸法L8よりも小さい構成である。
つまり、第2空燃比センサ102は、第2流通口接触部間隔寸法L7が第2側壁接触部間隔寸法L8よりも小さい構成であることから、軸線方向における第2内壁ガス流通口194から検出部8までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、第2空燃比センサ102は、第2内壁ガス流通口194から導入された被測定ガスがガス検出素子4の検出部8に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、第2空燃比センサ102においては、外側筒状部材81は、外側底壁83に挿通孔86を備えており、第2内側筒状部材191は、挿通孔86に挿通されるとともに、少なくとも第2内側底壁193が外側筒状部材81の外部に配置される。
さらに、第2空燃比センサ102においては、複数のうち少なくとも1つの第2内壁ガス流通口194は、外壁ガス流通口84とガス検出素子4の検出部8(ガス接触部)とを結ぶ直線79の上に配置されている。
このような構成の第2空燃比センサ102は、少なくとも1つの第2内壁ガス流通口194に関して、外壁ガス流通口84,第2内壁ガス流通口194,検出部8(ガス接触部)が一直線上に配置される状態となる。このため、第2空燃比センサ102は、第2プロテクタ142の内部のうち、外壁ガス流通口84とガス検出素子4の検出部8とを結ぶ最短経路を被測定ガスが移動可能な構成となる。
このことから、この第2空燃比センサ102は、被測定ガスが第2プロテクタ142の内部における最短経路を移動してガス検出素子4の検出部8(ガス接触部)に到達できるため、被測定ガスを速やかに導入できる構成となる。つまり、第2空燃比センサ102は、第2内側筒状部材191における被測定ガスの導入を迅速に行うことができるため、応答性の向上を図ることができる。
以上説明したように、第2空燃比センサ102は、第1実施形態の空燃比センサ2と同様に、外側筒状部材81のガス流通口と第2内側筒状部材191のガス流通口とが互いに重ならないため、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難い構成である。
また、第2空燃比センサ102は、空燃比センサ2と同様に、外壁ガス流通口84、第2内壁ガス流通口194、ガス検出素子4の検出部8が軸線方向にかけてこの順に配置される構成であるため、第2プロテクタ142の内部での軸線方向における被測定ガスの流通方向を一方向(先端側向き方向)に設定できる。このため、第2空燃比センサ102は、第2プロテクタ142の内部における被測定ガスの移動が円滑となり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
さらに、第2空燃比センサ102は、第2内壁ガス流通口194の直径寸法D2が第1実施形態における内壁ガス流通口94の直径寸法D1よりも大きい(D2>D1)ことから、第2内壁ガス流通口194における被測定ガスの通過が円滑となり、より一層、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
(5)第3実施形態
次に、第3実施形態として、外側ガイド体を有する第3プロテクタ242を備えて構成される第3空燃比センサ202について説明する。
なお、第3空燃比センサ202は、第2実施形態の第2空燃比センサ102と比べて、プロテクタ以外の構成は基本的に同様であるため、共通する構成部分については同一符号を付して詳細な説明は省略し、特徴的な構成部分を中心に説明する。
図3に、第3空燃比センサ202の先端部分の拡大断面図を示す。
図3に示すように、第3プロテクタ242は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
第3プロテクタ242は、金属製(例えば、ステンレスなど)であり、有底筒状の第2外側筒状部材181と、第2外側筒状部材181の内側に配置した有底筒状の第2内側筒状部材191と、を備えた二重構造に形成されている。なお、第2内側筒状部材191は、第2実施形態と同様の構成であるため、説明は省略する。
第2外側筒状部材181は、筒状の第2外側側壁182を有するともに、第2外側側壁182の先端側に設けられる第2外側底壁183を有して構成される。また、第2外側筒状部材181は、第2外側側壁182に複数(本実施形態では、8個)の第2外壁ガス流通口184を備えて構成されるとともに、さらに、第2外壁ガス流通口184の端部から内側に向けて延設される外側ガイド体185を備えて構成されている。また、第2外側筒状部材181は、第2外側底壁183において、第2内側筒状部材191を挿通するための第2挿通孔186を備えている。
なお、第2外壁ガス流通口184は、第2外側側壁182のうち第2内側側壁192の第2内壁ガス流通口194よりも軸線方向の後端側となる位置において、周方向にわたり複数箇所に形成されている。つまり、第2外壁ガス流通口184は、軸線方向における形成位置が第2内壁ガス流通口194よりも後端側となる。
そして、外側ガイド体185は、第2外側側壁182のうち第2外壁ガス流通口184に隣接して設けられており、第2外側側壁182の一部をコ字状に切り欠いて、その切り欠け片を内向きに曲げ加工することで形成される。
ここで、図3に示す第2外側筒状部材181におけるA−A線端面図を図5に示す。なお、図5では、第2外側筒状部材181のみを図示しており、第2内側筒状部材191,ガス検出素子4については、図示を省略している。
図5に示すように、外側ガイド体185は、軸線方向に垂直な断面における第2外側側壁182の外周の接線に対して所定角度αをなす位置まで曲げ加工されることで形成される。
なお、第2外側側壁182のうち、外側ガイド体185の加工にあたりコ字状に切り欠いた部分は、第2外壁ガス流通口184として形成される。また、図5に示すように、第2外壁ガス流通口184は、軸線方向に垂直な断面における第2外側側壁182の外周において、45°間隔で複数(具体的には8個)形成されている。
このように構成された外側ガイド体185は、被測定ガスが第2外壁ガス流通口184を通じて第2外側筒状部材181に導入される際に、被測定ガスが第2内側筒状部材191の外周面を取り囲むように、被測定ガスの旋回流を生じさせる機能を有する。
このため、外側ガイド体185を備える第3プロテクタ242は、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い成分(水滴など)と相対的に軽い成分(被測定ガス)とを分離できる。
このとき、分離された重い成分(水滴など)は、第2外側筒状部材181の内周面に押しつけられるため、被測定ガスとともに異物(水滴など)が導入された場合でも、第2内側筒状部材191の内部まで異物(水滴など)が到達しにくくなり、ガス検出素子4の被水を防止できる。
また、第3空燃比センサ202は、第1実施形態の空燃比センサ2と同様に、第2外壁ガス流通口184、第2内壁ガス流通口194、ガス検出素子4の検出部8が軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置される構成であるため、第3プロテクタ242の内部での軸線方向における被測定ガスの流通方向を一方向(先端側向き方向)に設定できる。
このような構成の第3空燃比センサ202は、プロテクタ内部での軸線方向におけるガスの流通方向が複数となる構成のガスセンサに比べて、第3プロテクタ242の内部における被測定ガスの移動が円滑となり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、第3プロテクタ242は、軸線方向における第2外壁ガス流通口184の形成領域と第2内壁ガス流通口194の形成領域との間隔寸法(第3流通口間隔寸法L9)と、軸線方向に対する垂直方向における第2外側側壁182と第2内側側壁192との間隔寸法(第3側壁間隔寸法L10)とを比較した場合に、第3流通口間隔寸法L9が第3側壁間隔寸法L10よりも小さい構成である。
つまり、第3空燃比センサ202においては、第3流通口間隔寸法L9が第3側壁間隔寸法L10よりも小さい構成であることから、軸線方向における第2外壁ガス流通口184から第2内壁ガス流通口194までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、第3空燃比センサ202は、第2外壁ガス流通口184から導入された被測定ガスが第2内壁ガス流通口194に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
さらに、第3空燃比センサ202は、軸線方向における第2内壁ガス流通口194の形成領域とガス検出素子4における検出部8(ガス接触部)の形成領域との間隔寸法(第3流通口接触部間隔寸法L11)と、軸線方向に対する垂直方向における第2内側側壁192と検出部8(ガス接触部)との間隔寸法(第3側壁接触部間隔寸法L12)を比較した場合に、第3流通口接触部間隔寸法L11が第3側壁接触部間隔寸法L12よりも小さい構成である。
つまり、第3空燃比センサ202は、第3流通口接触部間隔寸法L11が第3側壁接触部間隔寸法L12よりも小さい構成であることから、軸線方向における第2内壁ガス流通口194から検出部8までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、第3空燃比センサ202は、第2内壁ガス流通口194から導入された被測定ガスがガス検出素子4の検出部8に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、第3空燃比センサ202においては、第2外側筒状部材181は、第2外側底壁183に第2挿通孔186を備えており、第2内側筒状部材191は、第2挿通孔186に挿通されるとともに、少なくとも第2内側底壁193が第2外側筒状部材181の外部に配置される。
以上説明したように、第3空燃比センサ202は、第2外壁ガス流通口184、第2内壁ガス流通口194、ガス検出素子4の検出部8が軸線方向にかけてこの順に配置される構成と、外側ガイド体185を有する構成と、を組み合わせたものであり、被測定ガスをガス検出素子4に到達しやすくしつつ、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難くすることができる。
よって、第3空燃比センサ202によれば、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子4に到達しやすくなる構成のガスセンサを実現できる。
(6)第4実施形態
次に、第4実施形態として、外側ガイド体および内側ガイド体を有する第4プロテクタ342を備えて構成される第4空燃比センサ302について説明する。
なお、第4空燃比センサ302は、第1実施形態の空燃比センサ2と比べて、プロテクタ以外の構成は基本的に同様であるため、共通する構成部分については同一符号を付して詳細な説明は省略し、特徴的な構成部分を中心に説明する。
図4に、第4空燃比センサ302の先端部分の拡大断面図を示す。
図4に示すように、第4プロテクタ342は、複数のガス流通口を有する有底筒状に形成されており、ガス検出素子4の突出部分を覆う状態で、ハウジング38の先端側外周に溶接等によって取り付けられている。
第4プロテクタ342は、金属製(例えば、ステンレスなど)であり、有底筒状の第2外側筒状部材181と、第2外側筒状部材181の内側に配置した有底筒状の第3内側筒状部材291と、を備えた二重構造に形成されている。なお、第2外側筒状部材181は、第3実施形態と同様の構成であるため、説明は省略する。
第3内側筒状部材291は、第2外側側壁182の内部に配置される筒状の第3内側側壁292を有するともに、第3内側側壁292の先端側に設けられる第3内側底壁293を有して構成される。また、第3内側筒状部材291は、第3内側側壁292に複数(本実施形態では、8個)の第3内壁ガス流通口294を備えるとともに、第3内壁ガス流通口294の端部から内側に向けて延設される内側ガイド体290を備えて構成される。
第3内側側壁292は、軸線方向の後端側から先端側にかけて、固定部295,固定用段差部296,側壁本体部297を備えて構成されている。
第3内壁ガス流通口294は、第3内側側壁292のうち側壁本体部297において、周方向にわたり複数箇所に形成されている。また、第3内壁ガス流通口294は、第3内側側壁292における断面形状が四角形状に形成されている。さらに、第3内壁ガス流通口294は、軸線方向において、第2外壁ガス流通口184よりも先端側に形成されている。
第3内側底壁293は、軸線方向の後端側から先端側にかけて、第3テーパ部298,第3先端底面部299を備えて構成されている。第3内側底壁293の第3先端底面部299には、被測定ガスを第3内側筒状部材291の内部から外部に排出するための第3内側底壁流通口300が形成されている。
そして、内側ガイド体290は、第3内側側壁292のうち第3内壁ガス流通口294に隣接して設けられており、第3内側側壁292の一部をコ字状に切り欠いて、その切り欠け片を内向きに曲げ加工することで形成される。
なお、内側ガイド体290の詳細についての図示は省略するが、内側ガイド体290は、図5に示す外側ガイド体185と略同様の構成である。つまり、内側ガイド体290は、軸線方向に垂直な断面における第3内側側壁292の外周の接線に対して所定角度αをなす位置まで曲げ加工される。
なお、第3内側側壁292のうち、内側ガイド体290の加工にあたりコ字状に切り欠いた部分は、第3内壁ガス流通口294として形成される。また、第3内壁ガス流通口294は、軸線方向に垂直な断面における第3内側側壁292の外周において、45°間隔で複数(具体的には8個)形成されている。
このように構成された内側ガイド体290は、被測定ガスが第3内壁ガス流通口294を通じて第3内側筒状部材291に導入される際に、被測定ガスがガス検出素子4を取り囲むように、被測定ガスの旋回流を生じさせる機能を有する。
このため、内側ガイド体290を備える第4プロテクタ342は、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い成分(水滴など)と相対的に軽い成分(被測定ガス)とを分離できる。
このとき、分離された重い成分(水滴など)は、第3内壁ガス流通口294の内周面に押しつけられるため、被測定ガスとともに異物(水滴など)が導入された場合でも、ガス検出素子4の検出部8まで異物(水滴など)が到達しにくくなり、ガス検出素子4の被水を防止することができる。
また、第4プロテクタ342は、内側ガイド体290のみならず外側ガイド体185を併せて備えており、上述したように、外側ガイド体185についても被測定ガスの旋回流を生じさせる機能を有することから、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い成分(水滴など)と相対的に軽い成分(被測定ガス)とを分離できる。
とりわけ、第4プロテクタ342は、外側ガイド体185および内側ガイド体290の2箇所で重い成分と軽い成分とを分離できることから、被測定ガスとともに異物(水滴など)が導入された場合でも、より一層、第3内側筒状部材291の内部まで異物(水滴など)が到達しにくくなり、ガス検出素子4の被水を防止できる。
次に、第2外側筒状部材181および第3内側筒状部材291を備える第4プロテクタ342は、第2外壁ガス流通口184が第3内壁ガス流通口294よりも軸線方向における後端側に配置される構成となる。また、第4プロテクタ342は、軸線方向における第2外壁ガス流通口184の形成領域が第3内壁ガス流通口294の形成領域とは重ならない構成である。
さらに、第4プロテクタ342は、軸線方向における第2外壁ガス流通口184の形成領域と第3内壁ガス流通口294の形成領域との間隔寸法(第4流通口間隔寸法L13)と、軸線方向に対する垂直方向における第2外側側壁182と第3内側側壁292との間隔寸法(第4側壁間隔寸法L14)とを比較した場合に、第4流通口間隔寸法L13が第4側壁間隔寸法L14よりも小さい構成である。
つまり、第4空燃比センサ302においては、第4流通口間隔寸法L13が第4側壁間隔寸法L14よりも小さい構成であることから、軸線方向における第2外壁ガス流通口184から第3内壁ガス流通口294までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、第4空燃比センサ302は、第2外壁ガス流通口184から導入された被測定ガスが第3内壁ガス流通口294に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、第4プロテクタ342は、ハウジング38に取り付けられたときに、軸線方向における第3内壁ガス流通口294の形成領域が、ガス検出素子4の検出部8の形成領域(図4における網目模様部分)よりも後端側に配置される構成である。
つまり、第4空燃比センサ302は、軸線方向における後端側から先端側にかけて、第2外壁ガス流通口184、第3内壁ガス流通口294、ガス検出素子4の検出部8(ガス接触部)がこの順に配置される構成である。
このように、第4空燃比センサ302は、第1実施形態の空燃比センサ2と同様に、第2外壁ガス流通口184、第3内壁ガス流通口294、ガス検出素子4の検出部8が軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置される構成であるため、第4プロテクタ342の内部での軸線方向における被測定ガスの流通方向を一方向(先端側向き方向)に設定できる。
このような構成の第4空燃比センサ302は、プロテクタ内部での軸線方向におけるガスの流通方向が複数となる構成のガスセンサに比べて、第4プロテクタ342の内部における被測定ガスの移動が円滑となり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
さらに、第4空燃比センサ302は、軸線方向における第3内壁ガス流通口294の形成領域とガス検出素子4における検出部8(ガス接触部)の形成領域との間隔寸法(第4流通口接触部間隔寸法L15)と、軸線方向に対する垂直方向における第3内側側壁292と検出部8(ガス接触部)との間隔寸法(第4側壁接触部間隔寸法L16)を比較した場合に、第4流通口接触部間隔寸法L15が第4側壁接触部間隔寸法L16よりも小さい構成である。
つまり、第4空燃比センサ302は、第4流通口接触部間隔寸法L15が第4側壁接触部間隔寸法L16よりも小さい構成であることから、軸線方向における第3内壁ガス流通口294から検出部8までの距離が遠く離れすぎることがない。このため、第4空燃比センサ302は、第3内壁ガス流通口294から導入された被測定ガスがガス検出素子4の検出部8に到達するまでの時間が短くなり、ガス検出素子4の検出部8に対して被測定ガスを迅速に導入できる構成となる。
また、第4空燃比センサ302においては、第2外側筒状部材181は、第2外側底壁183に第2挿通孔186を備えており、第3内側筒状部材291は、第2挿通孔186に挿通されるとともに、少なくとも第3内側底壁293が第2外側筒状部材181の外部に配置される。
以上説明したように、第4空燃比センサ302は、第2外壁ガス流通口184、第3内壁ガス流通口294、ガス検出素子4の検出部8が軸線方向にかけてこの順に配置される構成と、外側ガイド体185を有する構成と、内側ガイド体290を有する構成とを組み合わせたものであり、被測定ガスをガス検出素子4に到達しやすくしつつ、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難くすることができる。
よって、第4空燃比センサ302によれば、水滴などの異物がガス検出素子4に到達し難くしつつ、被測定ガスがガス検出素子4に到達しやすくなる構成のガスセンサを実現できる。
(7)実施形態の効果の確認
上述した各実施形態の効果を確認するために、被測定ガス中の特定ガス成分を検出する応答速度試験と、被水によるガス検出素子の耐性を確認する被水耐性試験とを行った。
まず、応答速度試験は、ガスセンサを内径が50[mm]の排気管内に突き出すように取り付けて、次いで、ガスバーナを用いてプロパンガスを燃焼させて排気管内に流速2.5[m/sec]で燃焼ガスを噴射することで実施した。このとき、ガスバーナの噴射開始の−2〜0秒間は、空気の過剰率λを0.95とし、2秒間経過後に空気の過剰率λを1.05に切り換えて、ガスセンサのセンサ出力を検出することにより、応答速度試験を行った。
なお、比較例として、軸線方向における後端側から先端側にかけて、外側ガス挿通孔,ガス検出素子の検出部,内側ガス挿通孔がこの順に配置された比較用プロテクタ43を備える比較用ガスセンサについても、応答速度試験を行った。比較用ガスセンサは、プロテクタ以外の構成は、第1実施形態の空燃比センサ2(ガスセンサ)と同様の構成である。
図7に、比較用ガスセンサの先端部分の拡大断面図を示す。
比較用プロテクタ43は、二重構造であり、軸線方向における後端側から先端側にかけて、外側ガス挿通孔45,ガス検出素子4の検出部8,内側ガス挿通孔47がこの順に配置されている。
ここで、図6に、各実施形態のガスセンサおよび比較用ガスセンサを用いた応答速度試験の試験結果を示す。
図6の試験結果は、横軸がガスバーナによる燃焼ガスの噴射経過時間であり、切換時間を0秒として表しており、縦軸がガス成分を検出したセンサ出力値である。
ここでは、噴射経過時間が−2秒〜0秒間における平均出力値を0[%]とし、噴射経過時間が18秒〜20秒間における平均出力値を100[%]として、センサ出力値を表した。そして、100[%]出力値に至るまでの推移をグラフで表した。
図6の試験結果によれば、本発明の実施形態に係る各ガスセンサは、比較用ガスセンサに比べて、センサ出力値の立ち上がりが若干遅いものの、センサ出力値が80%値を超えるまでの所要時間が約0.7[sec]以下である。このレベルの応答性を備えるガスセンサは、実用条件下において使用可能な能力を備えていると判断できる。
次に、被水耐性試験について説明する。図8に被水耐性試験の試験方法を表した説明図を示す。
被水耐性試験は、ガスセンサを内径50[mm]の排気管内に突き出すように取り付け、次いで、図8に示すように、この排気管内において、水滴73をガスセンサに向けてノズル70から0.2[MPa]の噴射圧で噴射するとともに、流速3.0[m/sec]で5秒間送風した後に5秒間停止することを3回繰り返して行った。また、この際、ガスセンサの軸Zに対し、20度傾けて水蒸気を噴射した。ここで、ガスセンサは通常測定状況、即ちヒータを加熱した状況で試験を行った。
ここで、表1に、各実施形態のガスセンサおよび比較用ガスセンサを用いた被水耐性試験の試験結果を示す。
Figure 0004938588
被水耐性試験の直後に、プロテクタ内のガス検出素子の外観を観察して水滴付着の有無を確認するとともに割れ破損の有無を確認した結果、[表1]に示すように、第1実施形態〜第4実施形態のガスセンサは、全試験実施数(10本)においてガス検出素子の割れが認められず、良好であった。しかし、比較用プロテクタ43を備える比較用ガスセンサは、10本中8本について、ガス検出素子の割れ破損が認められた。
これら2つの試験結果によれば、本実施形態のガスセンサは、水滴などの異物がガス検出素子に到達し難く、被水による破損が生じがたいガスセンサであるとともに、実用上使用可能な応答性を発揮できる程度に被測定ガスがガス検出素子に到達しやすい構成のガスセンサであることが判る。
(9)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されることはない。
例えば、ガスセンサは、全領域空燃比センサに限られることはなく、プロテクタを備えるガスセンサであればNOxセンサ、酸素センサなどであっても良い。
また、ガス検出素子は、板型形状の素子に限られることはなく、プロテクタにより保護される用途に用いられるガス検出素子であれば任意の形状を採ることができる。
さらに、プロテクタの内側筒状部材は、内側側壁の側壁本体部のうち軸線方向に垂直な断面における内径寸法が一定となる形状に限られることはなく、内径寸法を変更するための寸法変更部を備える構成としてもよい。なお、寸法変更部は、軸線方向に垂直な断面における内径寸法が軸線方向にかけて徐々に変化するテーパ部、または軸線方向に垂直な板面形状の段差部を有する形状として構成できる。
また、プロテクタの外側筒状部についても、外側側壁のうち軸線方向に垂直な断面における内径寸法が一定となる形状に限られることはなく、内径寸法を変更するための寸法変更部を備える構成としても良い。
さらに、プロテクタは、外側ガイド体のみを備える構成、外側ガイド体および内側ガイド体を備える構成に限られることはなく、外側ガイド体を備えず内側ガイド体のみ有する構成のプロテクタを備えて構成してもよい。
また、プロテクタは、外側筒状部材および内側筒状部材のうちガス流通口よりも先端側の領域に、内部に溜まった水などを排出するための水抜き用開口部を設けても良い。
全領域空燃比センサの全体構成を示す断面図である。 第2空燃比センサの先端部分の拡大断面図である。 第3空燃比センサの先端部分の拡大断面図である。 第4空燃比センサの先端部分の拡大断面図である。 図3に示す第2外側筒状部材におけるA−A線端面図である。 各実施形態のガスセンサおよび比較用ガスセンサを用いた応答速度試験の試験結果である。 比較用ガスセンサの先端部分の拡大断面図である。 被水耐性試験の試験方法を表した説明図である。
符号の説明
2…全領域空燃比センサ、4…ガス検出素子、8…検出部、38…ハウジング、42…プロテクタ、81…外側筒状部材、82…外側側壁、83…外側底壁、84…外壁ガス流通口、86…挿通孔、91…内側筒状部材、92…内側側壁、93…内側底壁、94…内壁ガス流通口、100…内側底壁流通口、102…第2空燃比センサ、142…第2プロテクタ、181…第2外側筒状部材、182…第2外側側壁、183…第2外側底壁、184…第2外壁ガス流通口、185…外側ガイド体、186…第2挿通孔、191…第2内側筒状部材、192…第2内側側壁、193…第2内側底壁、194…第2内壁ガス流通口、200…第2内側底壁流通口、202…第3空燃比センサ、242…第3プロテクタ、290…内側ガイド体、291…第3内側筒状部材、292…第3内側側壁、293…第3内側底壁、294…第3内壁ガス流通口、300…第3内側底壁流通口、302…第4空燃比センサ、342…第4プロテクタ。

Claims (8)

  1. 後端側から先端側にかけて軸線方向に延びると共に、先端部に被測定ガスに接触させるガス接触部を有するガス検出素子と、
    前記ガス接触部を先端から突き出させた状態で前記ガス検出素子の径方向周囲を取り囲むハウジングと、
    前記ガス検出素子の前記ガス接触部を覆うように、前記ハウジングに固定させた有底筒状のプロテクタと、
    を備えたガスセンサであって、
    前記プロテクタは、
    筒状の外側側壁を有するともに前記外側側壁の先端側に設けられる外側底壁を有してなる有底筒状の外側筒状部材と、
    前記外側側壁の内部に少なくとも一部が配置される筒状の内側側壁を有するともに、前記内側側壁の先端側に設けられる内側底壁を有してなる有底筒状の内側筒状部材と、
    を備えており、
    前記外側筒状部材は、前記被測定ガスを内部に導入するための複数の外壁ガス流通口を前記外側側壁に備えており、
    前記内側筒状部材は、前記外側筒状部材の内部に導入された前記被測定ガスを内部に導入するための複数の内壁ガス流通口を前記内側側壁に備えており、
    全ての前記外壁ガス流通口、全ての前記内壁ガス流通口、前記ガス検出素子の前記ガス接触部は、前記軸線方向における後端側から先端側にかけてこの順に配置されており、
    前記軸線方向における全ての前記外壁ガス流通口の形成領域は、全ての前記内壁ガス流通口の形成領域とは重ならず、
    前記軸線方向における前記外壁ガス流通口の形成領域と前記内壁ガス流通口の形成領域との最短の間隔寸法は、前記軸線方向に対する垂直方向における前記外側側壁と前記内側側壁との間隔寸法よりも小さいこと、
    を特徴とするガスセンサ。
  2. 前記内側筒状部材は、前記内側底壁において、前記被測定ガスを外部に排出するための内側底壁流通口を備えること、
    を特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記外側筒状部材は、前記外側底壁において、前記内側筒状部材を挿通するための挿通孔を備えており、
    前記内側筒状部材は、前記挿通孔に挿通されるとともに、少なくとも前記内側底壁が前記外側筒状部材の外部に配置されること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ。
  4. 前記軸線方向における前記内壁ガス流通口の形成領域は、前記ガス接触部の形成領域と重ならないこと、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記軸線方向における前記内壁ガス流通口の形成領域と前記ガス接触部の形成領域との間隔寸法は、前記軸線方向に対する垂直方向における前記内側側壁と前記ガス接触部との間隔寸法よりも小さいこと、
    を特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記外側筒状部材は、前記外壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される外側ガイド体を備えること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 前記内側筒状部材は、前記内壁ガス流通口の端部から内側に向けて延設される内側ガイド体を備えること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサ。
  8. 前記複数のうち少なくとも1つの内壁ガス流通口は、前記外壁ガス流通口と前記ガス接触部とを結ぶ直線上に配置されること、
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガスセンサ。
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