JP2009058364A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサ素子の被水割れ及び応答性の低下を防ぐことができるガスセンサを提供すること。
【解決手段】ガスセンサ素子2とハウジング3と素子カバー4とを有するガスセンサ1。アウターカバー42は、外側開口部421を有する。インナーカバー41は、外側開口部421よりも基端側となる位置に内側開口部411を有する。内側開口部411は、開口方向がガスセンサ1の軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。クリアランス43には、クリアランス43を軸方向に沿って仕切る仕切り部431が二つ以上形成されている。分割空間430には、内側開口部411と外側開口部421とのいずれか一方が配設される。内側開口部411が配設された分割空間430と外側開口部421が配設された分割空間430とは、両者の間を仕切る仕切り部431の基端側に形成された連通部432によって連通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気系等に配設され、被測定ガス中の特定ガス濃度を検知するガスセンサに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の排気系に、図17に示すような、排気ガスG中の酸素濃度等を検知するガスセンサ9を配設し、該ガスセンサ9による酸素濃度等の測定値から空燃比を検出し、これを利用して内燃機関の燃焼制御を行う技術がある。
上記ガスセンサ9は、ジルコニア等からなる固体電解質体を用いたガスセンサ素子92を内蔵しているとともに、このガスセンサ素子92をカバーする素子カバー93を有している。素子カバー93は、ステンレス鋼等の金属からなり、排気ガスGを通過させる通気孔933を有している。
排気管を流通する排気ガスGは、上記通気孔933から上記素子カバー93の内側に導入され、上記ガスセンサ素子92に到達する。そして、ガスセンサ素子92に排気ガスGが接触することにより、排気ガスG中の酸素濃度等の測定が可能となる。
ところで、内燃機関の低温始動時等において、排気ガスG中に含まれる水分が、停止時に冷えた排気管の内壁面に触れて水滴となり、凝縮することがある。
水滴が付着した状態で内燃機関を始動した場合、特に始動直後の排気ガス温度が低い場合は、凝縮水が気化することなく排気ガスGによって吹き飛ばされ、排気ガスGとともに素子カバー93の内部に浸入する。
一方、上記ガスセンサ9による測定に当たっては、固体電解質体からなるガスセンサ素子92の温度を400℃以上という高温に保ち、活性状態を保つ必要がある。
そのため、素子カバー93の内側に浸入した水滴がガスセンサ素子92の表面に付着した場合、熱衝撃により、ガスセンサ素子92に割れ(被水割れ)が発生するおそれがある。
かかる被水割れの対策として、素子カバー93を、図17に示すごとく、インナーカバー931とアウターカバー932とによる二重構造のカバーとしてある。さらに、排気管における排気ガスGの流れ方向に関して、アウターカバー932の通気孔933をインナーカバー931の通気孔933よりも先端側に配設することにより通気孔933の位置が重ならないようにして、ガスセンサ素子92への水滴付着を防止している。
しかし、図17に示すごとく、水滴Wがアウターカバー932の外側表面934に付着したとき、この外側表面934を伝って水滴Wが通気孔933まで移動して、アウターカバー932の内部に浸入する。そして、さらに、水滴Wがインナーカバー931の外側表面934やアウターカバー932の内側表面935を伝って、インナーカバー931の通気孔933まで移動して、インナーカバー931の内部に浸入することがある。これにより、この水滴Wがガスセンサ素子92に付着して、被水割れが生ずるおそれがある。
また、アウターカバー932の通気孔933がインナーカバー931の通気孔933よりも基端側に配設されている場合には、排気管等におけるガスセンサ9の搭載位置によっては、アウターカバー932の通気孔933から被測定ガスを充分に導入することができないおそれがある。そして、そのため、ガスセンサ素子92の感度が低下して、ガスセンサ9の応答性が低下してしまうおそれがある。
そこで、図18に示すごとく、ガスセンサ素子92自体の表面に撥水性の保護層94を設けて、水滴がガスセンサ素子92に付着することを防ぐ技術がある(特許文献1参照)。
ところが、ガスセンサ素子92の表面に過剰な保護層94を設けると、被測定ガス(排気ガス)が、ガスセンサ素子92のセンシング部に達する時間が長くなり、ガスセンサ9の応答性が低下するおそれがある。また、ガスセンサ素子92の熱容量が大きくなるため、活性時間が長くなるおそれもある。
また、図19に示すごとく、素子カバー93の通気孔933を覆うように保護層94を形成したガスセンサ90も開示されている(特許文献2参照)。
しかし、この場合にも、被測定ガス(排気ガス)が素子カバー93の内部に侵入してガスセンサ素子920に達するまでに時間がかかり、ガスセンサ90の応答性が低下するおそれがある。
特開平8−240559号公報 実開平4−11461号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ガスセンサ素子の被水割れ及び応答性の低下を防ぐことができるガスセンサを提供しようとするものである。
本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を内側に挿通するハウジングと、該ハウジングの先端側に固定された素子カバーとを有するガスセンサであって、
上記素子カバーは、インナーカバーと該インナーカバーの外周に配置されたアウターカバーとを備えており、
上記アウターカバーは、側面部に外側開口部を設けてなるとともに、該外側開口部よりも先端側に排出用開口部を設けてなり、
上記インナーカバーは、上記外側開口部よりも基端側となる位置に内側開口部を設けてなるとともに、先端部に先端開口部を設けてなり、
上記内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されており、
上記外側開口部が配置される軸方向位置における上記アウターカバーと上記インナーカバーとの間のクリアランスには、該クリアランスを軸方向に沿って仕切る仕切り部が二つ以上形成されており、
隣り合う上記仕切り部の間に形成される分割空間には、上記内側開口部と上記外側開口部とのいずれか一方が配設されており、
かつ、上記内側開口部が配設された分割空間と上記外側開口部が配設された分割空間とは、両者の間を仕切る上記仕切り部の基端側に形成された連通部によって連通していることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記クリアランスには、該クリアランスを軸方向に沿って仕切る仕切り部が二つ以上形成されている。そして、側方から流れて来る被測定ガスは、外側開口部からアウターカバーとインナーカバーとの間に導入される。この導入された被測定ガスの一部は、排出用開口部から排出されるが、他の一部は、仕切り部に沿って素子カバーの基端側に向かって移動する。このとき、基端側に向かう被測定ガスが素子カバーの周方向に沿って移動しようとすることがあるが、上記仕切り部によって、アウターカバーの内部に侵入した被測定ガスが素子カバーの周方向に沿って移動することを防ぐことができる。それゆえ、排出用開口部から排出されずに素子カバーの基端側へと向かった被測定ガスは、仕切り部に導かれるようにして軸方向に沿った流れを形成することができる。
また、上記内側開口部が配設された分割空間と上記外側開口部が配設された分割空間とは、両者の間を仕切る上記仕切り部の基端側に形成された連通部によって連通している。そのため、上記仕切り部に沿って素子カバーの基端側に移動してきた被測定ガスは、連通部を介して内側開口部が配設された分割空間へと移動し、そのまま向きを変えて素子側カバーの先端側へと移動する。
ここで、上記内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。それゆえ、連通部を通過して内側開口部が配設された分割空間へと移動してきた被測定ガスの多くは、比較的直線的な流れとなって排出用開口部へ向かう。そして、他の一部の被測定ガスが、曲線的な流れとなって内側開口部からインナーカバーの内部へ向かう。
そして、アウターカバーとインナーカバーとの間において基端側に導入された被測定ガスとともに流れる水滴は、その慣性力によって、排出用開口部へ向かって流れ、該排出用開口部から外部へ排出される。これは、水滴は被測定ガスに比べて比重が大きいため、慣性力が大きく働き、上記のごとく直線的な流れである排出用開口部へ向かう流れに沿って排出用開口部から外部へ排出されることによる。一方、比重の小さい被測定ガス自体は、上記の直線的な流れ以外にも、曲線的な流れであるインナーカバーの内部へ向かう流れをも形成することとなる。
また、隣り合う上記仕切り部の間に形成される分割空間には、上記内側開口部と上記外側開口部とのいずれか一方が配設されている。そのため、外側開口部から導入された水滴を含む被測定ガスが、その外側開口部と同じ分割空間内に形成された内側開口部へそのまま導入されるという不具合が生じることもない。
このように、被測定ガスとともに流れる水滴がインナーカバーの内部に浸入することを防ぎ、ガスセンサ素子の被水を防ぐことができる。すなわち、内側開口部へと向かう被測定ガスと、軸方向先端側へ向かう水滴とを充分に分離して、気液分離を充分に行うことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れを防ぐことができる。
また、ガスセンサ素子の表面に、例えば、撥水性の保護層を設ける等の処理を施さなくても、被測定ガスがガスセンサ素子のセンシング部へ到達することを妨げることがなく、ガスセンサの応答性の低下を防ぐことができる。また、ガスセンサ素子の熱容量を大きくすることもないため、活性時間の短縮を妨げることもない。
また、外側開口部は、素子カバーの先端側に配設されているため、排気管等におけるガスセンサの搭載位置によって被測定ガスが導入されにくくなるという不具合を防ぐことができる。そのため、ガスセンサの応答性の低下を充分に防ぐことができる。
以上のごとく、本発明によれば、ガスセンサ素子の被水割れ及び応答性の低下を防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記ガスセンサとしては、自動車エンジン等の各種車両用内燃機関の排気管に設置して、排気ガスフィードバックシステムに使用する空燃比センサ(A/Fセンサ)、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ(O2センサ)、排気管に設置する三元触媒の劣化検知等に利用するNOx濃度を調べるNOxセンサ等がある。
また、内側開口部の開口方向は、ガスセンサの軸方向基端方向の成分だけではなく、径方向の成分を有していてもよい。この場合には、開口方向は径方向に対して、例えば10〜90°の範囲内で傾斜させることができる。
また、上記ガスセンサ素子は、例えば、ジルコニア等からなる固体電解質体の一方の面と他方の面とに基準ガス側電極及び被測定ガス側電極とを設けてなる。
また、本明細書において、上記ガスセンサを内燃機関の排気管等の内部に挿入する側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、上記開口方向は、例えば、内側開口部の輪郭線を含む平面に直交する方向として定義することができる。また、上記輪郭線が単一平面上にない場合には、上記輪郭線に最も近似した平面状の曲線(二次元の曲線)を想定し、この曲線を含む平面に直交する方向を上記開口方向とすることができる。
また、上記仕切り部は、上記内側開口部が形成された軸方向位置よりも基端側まで延設されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、連通部が軸方向位置において内側開口部よりも基端側に配設されることとなる。そのため、内側開口部が形成された分割空間における被測定ガスの主流は、内側開口部が形成された位置においても確実に先端側へ向かう流れとなる。それゆえ、内側開口部から水滴が浸入することを効果的に防ぐことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れを一層防ぐことができる。
また、上記仕切り部は、上記インナーカバー又は上記アウターカバーと非接触であってもよい(請求項3)。
この場合には、インナーカバー又はアウターカバーと仕切り部とを接触させる必要がないため、仕切り部を容易に形成することができる。また、かかる構成であっても、水滴を含む被測定ガスを、軸方向に沿って容易に流すことができる。
また、上記仕切り部は、上記クリアランスの半分以上の高さを有することが好ましい(請求項4)。
この場合には、水滴を含む被測定ガスを充分に軸方向に沿って流すことができる。
また、上記外側開口部は、周方向よりも軸方向に長い形状に形成されていてもよい(請求項5)。
この場合には、外側開口部より素子カバー内に被測定ガスを充分に導入することができる。それゆえ、ガスセンサの応答性の低下を充分に防ぐことができる。
また、少なくとも一つの上記分割空間には、軸方向位置の異なる二箇所以上において上記外側開口部が形成されていてもよい(請求項6)。
この場合には、外側開口部より素子カバー内に被測定ガスを充分に導入することができる。それゆえ、ガスセンサの応答性の低下を充分に防ぐことができる。
また、上記内側開口部と上記外側開口部とは、周方向において交互に配設されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、素子カバーの周方向において内側開口部と外側開口部とを均等に配設することができる。これにより、排気管等におけるガスセンサの搭載位置や向きにかかわらず、素子カバー内に被測定ガスを充分に導入することができ、被測定ガスをガスセンサ素子へと充分に供給することができる。それゆえ、ガスセンサの応答性の低下を一層防ぐことができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るガスセンサにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例のガスセンサ1は、図1に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子2と、該ガスセンサ素子2を内側に挿通するハウジング3と、該ハウジング3の先端側に固定された素子カバー4とを有する。
素子カバー4は、図1〜図5に示すごとく、インナーカバー41と該インナーカバー41の外周に配置されたアウターカバー42とを備えている。
該アウターカバー42は、側面部に複数の外側開口部421を設けてなるとともに、該外側開口部421よりも先端側に排出用開口部422を設けてなる。
インナーカバー41は、外側開口部421よりも基端側となる位置に内側開口部411を設けてなるとともに先端部に先端開口部412を設けてなる。そして、内側開口部411よりも軸方向先端側にガスセンサ素子2のセンシング部が配設されている。
また、内側開口部411は、図3に示すごとく、インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向Xがガスセンサ1の軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。本例のガスセンサ1においては、内側開口部411の開口方向Xは径方向Xrに対して傾斜している。なお、開口方向Xと径方向成分Xrとのなす角θは、例えば、10〜90°とすることができる。
外側開口部421が配置される軸方向位置におけるアウターカバー42とインナーカバー41との間のクリアランス43には、該クリアランス43を軸方向に沿って仕切る仕切り部431が二つ以上形成されている。本例においては、図2に示すごとく、仕切り部431は六つ形成されている。
仕切り部431は、アウターカバー42の一部を外側から内側に向かって突出変形させてなるとともに、インナーカバー41の外側面に当接している。
また、仕切り部431は、図3〜図5に示すごとく、軸方向に細長い状態で形成されているとともに、内側開口部411が形成された軸方向位置まで延設されている。
なお、仕切り部431は、例えば、アウターカバー42とインナーカバー41とを固定した後にアウターカバー42の一部を外側から内側に向かって突出変形させることにより形成することもできるが、インナーカバー41とアウターカバー42とを固定する前にあらかじめ形成しておくこともできる。
隣り合う仕切り部431の間に形成される分割空間430には、内側開口部411と外側開口部421とのいずれか一方が配設されている。すなわち、内側開口部411と外側開口部421とは、同一の分割空間430には併存していない。そして、本例においては、図2に示すごとく、外側開口部421と内側開口部411とは、周方向においてそれぞれ三つずつ交互に配設されている。
また、図5に示すごとく、内側開口部411が配設された分割空間430と外側開口部421が配設された分割空間430とは、両者の間を仕切る仕切り部431の基端側に形成された連通部432によって連通している。なお、本例においては、連通部432は、内側開口部411の基端側よりもさらに基端側にまで形成されている。
本例のガスセンサ1につき、以下に詳細に説明する。
素子カバー4は、図1〜図5に示すごとく、インナーカバー41と該インナーカバー41の外周に配置されたアウターカバー42との二重構造を有している。
アウターカバー42は、ストレート形状の側面部に外側開口部421を設けてなる。そして、該外側開口部421は、図5に示すごとく、周方向よりも軸方向に長い形状に形成されているとともに、同一の分割空間430においては、一個だけ形成されている。ただし、外側開口部421は、同一の分割空間430において軸方向位置の異なる二箇所以上に形成することもできる。
また、インナーカバー41においては、図1、図3に示すごとく、ストレート形状の側面部の基端側の一部を内側に向かって突出させて開口させることにより、内側開口部411が形成されている。
また、インナーカバー41は、先端部に先端開口部412を形成してなる。そして、インナーカバー41内に導入された被測定ガスは、先端開口部412と排出用開口部422とを順に通過して素子カバー4の外部へと排出される。
また、図1に示すごとく、素子カバー4は、その基端部においてハウジング3の先端部にかしめ固定されている。すなわち、インナーカバー41とアウターカバー42とは、基端部419、429において互いに重ねられている。この重ねられた基端部419、429が、ハウジング3の先端かしめ部31においてかしめ固定されている。
また、ハウジング3の内側には、ガスセンサ素子2を挿通保持する素子側絶縁碍子11が保持されている。また、素子側絶縁碍子11の基端側には大気側絶縁碍子12が配設されており、大気側絶縁碍子12を覆うように配された大気側カバー13がハウジング3の基端部に固定されている。
大気側絶縁碍子12の内側には、ガスセンサ素子2との電気的導通を図るための金属端子14が保持されており、該金属端子14に接続された外部リード15が、大気側カバー13の基端部を閉塞するブッシュ16を挿通するように配線されている。
また、ガスセンサ素子2は、ジルコニアを主成分とする固体電解質体の一方の面と他方の面とに基準ガス側電極と被測定ガス側電極とを設けてなる(図示略)。また、ガスセンサ素子2には、ヒータが内蔵されており(図示略)、ガスセンサ1の使用時において、ガスセンサ素子2を400℃以上の高温に加熱して、活性状態とする。
次に、本例の作用効果につき説明する。
クリアランス43には、該クリアランス43を軸方向に沿って仕切る仕切り部431が二つ以上形成されている。そして、側方から流れて来る被測定ガスGは、図5に示すごとく、外側開口部421からアウターカバー42とインナーカバー41との間に導入される。この導入された被測定ガスGの一部は、排出用開口部422から排出されるが(G1)、他の一部は、仕切り部431に沿って素子カバー4の基端側に向かって移動する(G2)。このとき、基端側に向かう被測定ガスG2が素子カバー4の周方向に沿って移動しようとすることがあるが、仕切り部431によって、アウターカバー42の内部に侵入した被測定ガスが素子カバー4の周方向に沿って移動することを防ぐことができる。それゆえ、排出用開口部422から排出されずに素子カバー4の基端側へと向かった被測定ガスは、仕切り部431に導かれるようにして軸方向に沿った流れを形成することができる(G2)。
また、内側開口部411が配設された分割空間430と外側開口部411が配設された分割空間430とは、両者の間を仕切る仕切り部431の基端側に形成された連通部432によって連通している。そのため、仕切り部431に沿って素子カバー4の基端側に移動してきた被測定ガスは、連通部432を介して内側開口部411が配設された分割空間430へと移動し、そのまま向きを変えて素子側カバー4の先端側へと移動する。
ここで、内側開口部411は、インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向Xがガスセンサ1の軸方向基端方向Xzの成分を有する状態に形成されている。それゆえ、連通部432を通過して内側開口部411が配設された分割空間430へと移動してきた被測定ガスの多くは、比較的直線的な流れ(G21)となって排出用開口部422へ向かう。そして、他の一部の被測定ガスが、曲線的な流れ(G22)となって内側開口部411からインナーカバー41の内部へ向かう。
そして、連通部432に導入された被測定ガスとともに流れる水滴は、その慣性力によって、排出用開口部422へ向かって流れ、該排出用開口部422から外部へ排出される。これは、水滴は被測定ガスに比べて比重が大きいため、慣性力が大きく働き、上記のごとく直線的な流れである排出用開口部422へ向かう流れ(G21)に沿って排出用開口部422から外部へ排出されることによる。一方、比重の小さい被測定ガス自体は、上記の直線的な流れ(G21)以外にも、曲線的な流れであるインナーカバー42の内部へ向かう流れ(G22)をも形成することとなる。
また、隣り合う仕切り部431の間に形成される分割空間430には、内側開口部411と外側開口部421とのいずれか一方が配設されている。そのため、外側開口部421から導入された水滴を含む被測定ガスGが、その外側開口部421と同じ分割空間内430に形成された内側開口部411へそのまま導入されるという不具合が生じることもない。
このように、被測定ガスGとともに流れる水滴がインナーカバー41の内部に浸入することを防ぎ、ガスセンサ素子2の被水を防ぐことができる。すなわち、内側開口部411へと向かう被測定ガスと、軸方向先端側へ向かう水滴とを充分に分離して、気液分離を充分に行うことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子2の被水割れを防ぐことができる。
また、ガスセンサ素子2の表面に、例えば、撥水性の保護層(図18における符号94参照)を設ける等の処理を施さなくても、被測定ガスGがガスセンサ素子2のセンシング部へ到達することを妨げることがなく、ガスセンサ1の応答性の低下を防ぐことができる。また、ガスセンサ素子2の熱容量を大きくすることもないため、活性時間の短縮を妨げることもない。
また、外側開口部421は、素子カバー4の先端側に配設されているため、排気管等におけるガスセンサ1の搭載位置によって被測定ガスGが導入されにくくなるという不具合を防ぐことができる。そのため、ガスセンサ1の応答性の低下を充分に防ぐことができる。
また、仕切り部431は、内側開口部411が形成された軸方向位置よりも基端側まで延設されている。すなわち、連通部432が軸方向位置において内側開口部411よりも基端側に配設されることとなる。そのため、内側開口部411が形成された分割空間430における被測定ガスの主流は、内側開口部411の形成された位置においても確実に先端側へ向かう流れとなる。それゆえ、内側開口部411から水滴が浸入することを効果的に防ぐことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れを一層防ぐことができる。
また、外側開口部421は、周方向よりも軸方向に長い形状に形成されているため、外側開口部421より素子カバー4内に被測定ガスGを充分に導入することができる。それゆえ、ガスセンサ1の応答性の低下を充分に防ぐことができる。
また、内側開口部411と外側開口部421とは、周方向において交互に配設されているため、素子カバー4の周方向において内側開口部411と外側開口部421とを均等に配設することができる。これにより、排気管等におけるガスセンサ1の搭載位置や向きにかかわらず、素子カバー4内に被測定ガスGを充分に導入することができ、被測定ガスGをガスセンサ素子2へと充分に供給することができる。それゆえ、ガスセンサ1の応答性の低下を一層防ぐことができる。
以上のごとく、本例によれば、ガスセンサ素子の被水割れ及び応答性の低下を防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図6〜図8に示すごとく、インナーカバー41及びアウターカバー42の先端部において、先端側へ向かうにつれて径が小さくなる内側径変部413及び外側径変部423がそれぞれ形成されている素子カバー4の例である。
そして、内側径変部413よりも基端側に形成された内側開口部411は、実施例1と同様、インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向Xがガスセンサ1の軸方向基端方向の成分(Xz)と径方向の成分(Xr)とを有する状態に形成されている。
また、本例においても、上記実施例1と同様、クリアランス43には、仕切り部431や連通部432等が形成されている。
また、外側開口部421は、外側径変部423よりも基端側に形成されているとともに、仕切り部431の先端部よりも基端側に形成されている。
また、アウターカバー42の先端部は、図7、図8に示すごとく、インナーカバー41の先端部と軸方向の略同位置に配設されている。そして、アウターカバー42の先端側には、インナーカバー41の先端側よりも径の大きい外側大径開口部424が形成されており、そこにインナーカバー41の先端側が挿通されている。すなわち、排出用開口部422は、外側大径開口部424とインナーカバー41の先端側との間において形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図9に示すごとく、開口方向Xが軸方向基端方向の成分のみからなる内側開口部411を有する素子カバー4の例である。すなわち、インナーカバー41には、該インナーカバー41の基端側に形成された対向側面部415よりも先端側及びインナーカバー42の先端の二箇所において、先端側へ向かうにつれて径が小さくなる内側径変部413が形成されている。そして、そのうちの基端側の内側径変部413の複数箇所に凹部417が設けられ、該凹部417の基端を開口させることにより、内側開口部411が形成されている。
アウターカバー42の側面部は、インナーカバー41とは異なり、ストレート形状により形成されている。
また、外側開口部421は、先端側の内側径変部413よりも基端側に形成されている。
また、本例においても、上記実施例1、2と同様、クリアランス43には、仕切り部431や連通部432等が形成されている。
そして、仕切り部431は、内側開口部411よりも基端側まで延設されており、仕切り部431の基端側は、図9に示すごとく、基端側の内側径変部413に沿って形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図10〜図12に示すごとく、仕切り部431の形状や形成箇所、形成個数等を種々変更させて作製した素子カバー4の例である。
図10に示す素子カバー4においては、仕切り部431は、アウターカバー42に形成されているのではなく、インナーカバー41の一部を内側から外側へ向かって突出変形させることによって形成されている。
また、仕切り部431は、素子カバー4を突出変形させて形成するのではなく、図11に示すごとく、インナーカバー41とアウターカバー42との間に、別部材である仕切り用部材433を介設することによって形成することもできる。
また、図12(a)に示す素子カバー4のように、仕切り部431は、アウターカバー42においてインナーカバー41と非接触の状態で形成することもできる。なお、仕切り部431は、図12(b)に示すごとく、インナーカバー41とアウターカバー42との間のクリアランス43の幅Cの半分以上の高さhを有する。すなわち、h≧1/2Cである。
本例の場合には、インナーカバー41と仕切り部431とを接触させる必要がないため、仕切り部431を容易に形成することができる。また、上記構成であっても、水滴Wを含む被測定ガスを、軸方向に沿って容易に流すことができる。
なお、本例とは逆に、仕切り部431を、インナーカバー41においてアウターカバー42と非接触の状態で形成することもできる。
(実施例5)
本例は、図13、図14に示すごとく、本発明の効果確認試験を行った例である。
まず、本発明品として上記実施例1(図1〜図5)に示したガスセンサ1を、従来品として従来例(図17)に示したガスセンサ9を、それぞれ用意した。
そして、これらのガスセンサについて、図13、図14に示すごとく、ガスセンサ素子への水滴付着の抑制効果を評価した。
すなわち、図13に示すごとく、水平面に対して45°に傾斜させた内径35mmの配管51に、ガスセンサ1を取付ける。ガスセンサ1の取り付け位置は、配管51の上端開口部511から100mmの位置である。そして、配管51の上端開口部511から水滴を含む空気を、噴射機52から5回噴射する。一回当たりの噴射エア中の水量は、0.2mLであり、エア圧は0.15kg/cm2である。
このとき、ガスセンサ1に内蔵されたガスセンサ素子への被水面積を評価した。
同様の試験を従来品(ガスセンサ9)についても行った。
試験結果を、図14に示す。同図に示すように、本発明品は、被水面積が従来品に比べて2割以下であった。
本例の結果から、本発明によれば、充分にガスセンサ素子の被水を抑制することができることがわかる。
(実施例6)
本例は、図15、図16に示すごとく、本発明のガスセンサの応答性について評価した例である。
すなわち、まず、3L、直列6気筒直噴エンジンの排気管にガスセンサを設置した。そして、エンジンの回転数を2000回転/分として運転した。また、図15の曲線L1に示すごとく、エンジンの空燃比を制御して、λ値(空気過剰率)が0.9となる状態と、1.1となる状態とを、周波数4.16Hzの周期で交互に形成した。
また、ガスセンサの素子温度は750℃とした。
このときのガスセンサの出力の変化を図15の曲線L2に示す。そして、空燃比の変化(L1)に対するセンサ出力の変化(L2)を解析し、ゲイン(利得)を評価した。その結果を、図16に示す。
評価は、上記実施例5と同様に、本発明品としての実施例1のガスセンサ1と、従来品としてのガスセンサ9との双方についてそれぞれ行った。
図16に示すごとく、本発明品は、従来品よりも若干ゲイン値が小さくなっているだけであり、本発明品におけるガスセンサの応答性は、従来品と比較してもほとんど低下していない。
そして、上記実施例5及び6の結果は、本発明によれば、ガスセンサの応答性の低下防止と、ガスセンサ素子の被水抑制とを両立することができることを示している。
実施例1における、ガスセンサの縦断面図。 実施例1における、素子カバーの横断面図。 図2におけるA−A線断面図。 図2におけるB−B線断面図。 実施例1における、素子カバーの斜視図。 実施例2における、素子カバーの横断面図。 図6におけるC−C線断面図。 図6におけるD−D線断面図。 実施例3における、素子カバーの縦断面図。 実施例4における、素子カバーの横断面図。 実施例4における、別形態の素子カバーの横断面図。 実施例4における、(a)別形態の素子カバーの横断面図、(b)仕切り部付近の素子カバーの横断面説明図。 実施例5における、被水評価試験方法の説明図。 実施例5における、被水評価結果の線図。 実施例6における、応答性評価試験方法の説明図。 実施例6における、応答性評価結果の線図。 従来例における、ガスセンサ素子の被水割れの原因を説明する断面説明図。 従来例における、ガスセンサ素子に保護層を形成したガスセンサの断面図。 従来例における、通気孔を保護層によって覆ったガスセンサの断面図。
符号の説明
1 ガスセンサ
2 ガスセンサ素子
3 ハウジング
4 素子カバー
41 インナーカバー
411 内側開口部
42 アウターカバー
421 外側開口部
43 クリアランス
431 仕切り部
432 連通部

Claims (7)

  1. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を内側に挿通するハウジングと、該ハウジングの先端側に固定された素子カバーとを有するガスセンサであって、
    上記素子カバーは、インナーカバーと該インナーカバーの外周に配置されたアウターカバーとを備えており、
    上記アウターカバーは、側面部に外側開口部を設けてなるとともに、該外側開口部よりも先端側に排出用開口部を設けてなり、
    上記インナーカバーは、上記外側開口部よりも基端側となる位置に内側開口部を設けてなるとともに、先端部に先端開口部を設けてなり、
    上記内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されており、
    上記外側開口部が配置される軸方向位置における上記アウターカバーと上記インナーカバーとの間のクリアランスには、該クリアランスを軸方向に沿って仕切る仕切り部が二つ以上形成されており、
    隣り合う上記仕切り部の間に形成される分割空間には、上記内側開口部と上記外側開口部とのいずれか一方が配設されており、
    かつ、上記内側開口部が配設された分割空間と上記外側開口部が配設された分割空間とは、両者の間を仕切る上記仕切り部の基端側に形成された連通部によって連通していることを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1において、上記仕切り部は、上記内側開口部が形成された軸方向位置よりも基端側まで延設されていることを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項1又は2において、上記仕切り部は、上記インナーカバー又は上記アウターカバーと非接触であることを特徴とするガスセンサ。
  4. 請求項3において、上記仕切り部は、上記クリアランスの半分以上の高さを有することを特徴とするガスセンサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記外側開口部は、周方向よりも軸方向に長い形状に形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項において、少なくとも一つの上記分割空間には、軸方向位置の異なる二箇所以上において上記外側開口部が形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記内側開口部と上記外側開口部とは、周方向において交互に配設されていることを特徴とするガスセンサ。
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