JP5765394B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
ガスセンサとしては、例えば、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、センサ素子を内側に挿通して保持するハウジングと、ハウジングの先端側に配設された素子カバーとを備えたものがある。
このガスセンサにおいて、アウタカバーには、アウタカバー内に被測定ガスを導入するためのアウタ導入開口部が設けられている。また、インナカバーには、インナカバー内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部が設けられている。
該センサ素子を内側に挿通して保持するハウジングと、
該ハウジングの軸方向先端側に配設された素子カバーとを備え、
上記センサ素子の先端部には、その内部に被測定ガスを導入するためのガス導入部が設けられており、
上記素子カバーは、上記センサ素子の先端部を覆うように配設されたインナカバーと、該インナカバーの外側に配設されたアウタカバーとを有し、
該アウタカバーには、該アウタカバー内に被測定ガスを導入するためのアウタ導入開口部が設けられており、
上記インナカバーには、該インナカバー内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部が設けられており、
上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向中間位置は、上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあり、
上記センサ素子(2)の軸方向先端位置(C3)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向先端側(X1)にあることを特徴とするガスセンサにある。
本発明者らは、このような被測定ガスの流れにおいて、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離が、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性に大きく寄与することを見出した。
また、上記センサ素子の外表面には、少なくとも拡散抵抗層の露出した部分(ガス導入部)を覆うように、被測定ガス中の被毒成分を捕獲するための保護層等が設けられていてもよい。
また、上記インナカバーには、上記インナ導入開口部が周方向に並んで複数設けられていてもよい。
また、上記インナ導入開口部が複数設けられている場合には、上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向中間位置は、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあることが好ましい。
この場合には、インナ導入開口部からセンサ素子のガス導入部までの距離のばらつきを抑制し、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をより一層高めることができる。
この場合には、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをより一層短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
この場合には、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをより一層短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
また、センサ素子のガス導入部の軸方向先端位置は、インナ導入開口部が複数設けられている場合、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあることが好ましい。
これにより、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをより一層短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
また、センサ素子の軸方向先端位置は、インナ導入開口部が複数設けられている場合、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側にあることが好ましい。
この場合には、被測定ガスの多くを、インナ導入開口部からルーバー部を介してインナカバー内の軸方向基端側へ流れ込ませることができる。これにより、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離をより適切に短くすることができる。
この場合には、ルーバー部は、インナカバーから切り開くことによって、容易に形成することができる。
なお、上記ルーバー部が軸方向基端側に向かって形成されている状態には、ルーバー部がインナ導入開口部の軸方向先端側の端部から軸方向基端側へ向けて、軸方向に平行に伸びる状態、又はルーバー部がインナ導入開口部の軸方向先端側の端部から軸方向基端側へ向けて、軸方向に傾斜して伸びる状態がある。
上記ルーバー開度が2.0mmを超える場合には、インナ導入開口部からルーバー部を介してインナカバー内に流れ込む被測定ガスの流量を適切に制御することが困難となるおそれがある。
この場合には、アウタ導入開口部からアウタカバー内(アウタカバーとインナカバーとの間)に導入された被測定ガスは、軸方向先端側に向かって流れ、途中で向きを変えてインナ導入開口部からインナカバー内に流れ込む。このとき、被測定ガスと共に流れる水滴は、被測定ガスよりも質量が大きいため、その自重によってそのまま軸方向先端側に流れる。そのため、被測定ガスと水滴とをより分離しやすくなり、水滴がインナカバー内に侵入することを防止する効果をより高めることができる。これにより、センサ素子の被水及びそれに伴うセンサ素子の割れをより一層防止することができる。そして、耐被水性を向上させながら、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性を十分に確保することができる。
なお、アウタカバーのアウタ導入開口部の軸方向先端位置をインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側とすることもできる。
上記ガスセンサにかかる実施例について、図を参照して説明する。
図1、図2に示すごとく、本例のガスセンサ1は、被測定ガスG中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子2と、センサ素子2を内側に挿通して保持するハウジング13と、ハウジング13の軸方向先端側X1に配設された素子カバー3とを備えている。
センサ素子2の先端部201には、その内部に被測定ガスGを導入するためのガス導入部271が設けられている。
センサ素子2のガス導入部271の軸方向中間位置C1は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。
以下、本例のガスセンサ1についてさらに詳説する。
同図に示すごとく、ガスセンサ1において、板状のセンサ素子2は、第1絶縁碍子11の内側に挿通して保持されている。また、第1絶縁碍子11は、ハウジング13の内側に保持されている。
なお、図4は、センサ素子2の先端部201における軸方向Xに直交する断面を示したものである。
なお、図示を省略したが、センサ素子2の外表面には、拡散抵抗層27の露出した部分(ガス導入部271)を覆うように、被測定ガスG中の被毒成分を捕獲するための保護層等が設けられていてもよい。
アウタ側面部511には、複数のアウタ導入開口部52が周方向に所定の間隔で設けられている。アウタ導入開口部52の軸方向先端位置E1は、後述するインナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。また、アウタ底面部513には、アウタ排出開口部53が設けられている。
インナ底面部415は、アウタカバー5のアウタ底面部513と略同一平面上であって、アウタ底面部513のアウタ排出開口部53内に配置されている。
また、センサ素子2の軸方向先端位置C3は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向先端側X1にある。本例では、すべてのインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向先端側X1にある。
また、インナカバー4におけるインナ導入開口部42よりも軸方向基端側X2の部分(本例のインナ第1側面部411)とルーバー部44との間の最短距離であるルーバー開度Aは、2.0mm以下に設定されている。
なお、図5、図6は、インナカバー4からルーバー部44を取り出して示したものである。
本例のガスセンサ1において、センサ素子2の先端部201には、その内部に被測定ガスGを導入するためのガス導入部271が設けられている。また、センサ素子2の先端部201を覆うインナカバー4には、インナカバー4内に被測定ガスGを導入するためのインナ導入開口部42が設けられている。そして、センサ素子2のガス導入部271の軸方向中間位置C1は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。また、インナカバー4におけるインナ導入開口部42の内側位置には、インナ導入開口部42からインナカバー4内に流入する被測定ガスGが、軸方向基端側X2へ流れるようにするルーバー部44が設けられている。
図9には、ガスセンサ1によって測定される被測定ガスGのガス濃度の時間変化を示す。同図に示すごとく、ガスセンサ1においては、リッチ側の被測定ガスG1とリーン側の被測定ガスG2とが交互に測定されることになると考えられる。
本例においては、ルーバー部44に沿って軸方向基端側X2へ流れる被測定ガスGが、センサ素子2のガス導入部271に到達するまでの距離を短くしている。これにより、時間的に前後して排気された被測定ガスGの混ざり合いを抑制し、ガスセンサ1における内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を向上させることができると考えられる。
そのため、図7に示すごとく、被測定ガスGがルーバー部44の表面に沿って、ルーバー部44の根元側から先端側に向かって流れやすくなる。そして、被測定ガスGの一部がルーバー部44の側端部443、444から両側に漏れてインナカバー4内に流れ込むことを抑制することができる。つまり、ルーバー部44の先端部441を通過して流れ込む被測定ガスGの流量の割合をさらに高めることができる。
そのため、図7に示すごとく、アウタ導入開口部52からアウタカバー5内(アウタカバー5とインナカバー4との間)に導入された被測定ガスGは、軸方向先端側X1に向かって流れ、途中で向きを変えてインナ導入開口部42からインナカバー4内に流れ込む。このとき、被測定ガスGと共に流れる水滴Wは、被測定ガスGよりも質量が大きいため、その自重によってそのまま軸方向先端側X1に流れる。
本例は、図12に示すごとく、センサ素子2のガス導入部271とインナカバー4のインナ導入開口部42との位置関係を変更した例である。
同図に示すごとく、センサ素子2のガス導入部271の軸方向先端位置C2は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。本例では、ガス導入部271の軸方向先端位置C2は、すべてのインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。
その他の基本的な構成は、実施例1と同様である。また、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略している。
その他の基本的な作用効果は、実施例1と同様である。
本例は、ガスセンサについて、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を評価したものである。
本例では、インナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置からセンサ素子のガス導入部の軸方向中間位置までの軸方向距離a(図2参照)が異なる複数のガスセンサを準備した。準備したガスセンサのその他の基本的な構成は、実施例1のガスセンサ(図1〜図4等参照)と同様である。
本例では、図13に示すごとく、4つの気筒(第1気筒811、第2気筒812、第3気筒813、第4気筒814)を有する直列4気筒型の内燃機関81を準備した。内燃機関81の各気筒811〜814は、それぞれ排気管82の排気枝部821に連通している。4つの排気枝部821は、その下流側において集合して排気管82の排気集合部822に連通している。そして、この排気管82の排気集合部822に、ガスセンサ89を取り付けた。
ここで、ガスセンサの出力値の波形は、内燃機関の1燃焼サイクルを1周期として変動する。内燃機関の1燃焼サイクルは、クランク角が0度の時に開始され、クランク角が720度のときに終了する。また、1燃焼サイクルの間、第1気筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順に燃焼が行われる。また、各気筒では、燃焼の後に排気が行われるため、1燃焼サイクルの間、第2気筒、第1気筒、第3気筒、第4気筒の順に排気が行われる。したがって、理想的には、第2気筒、第1気筒、第3気筒、第4気筒の順に、各気筒から排出された排ガスがガスセンサのセンサ素子のガス導入部に到達する。
図14に示すごとく、取得したガスセンサの出力値(空燃比:A/F)の波形から、1燃焼サイクル中の波形の振幅P(最大値と最小値との差)をインバランス応答値として求めた。
本例では、軸方向距離aが異なるガスセンサに対して、それぞれ上述したインバランス応答値を求めた。そして、軸方向距離aが−1.5mmのガスセンサ(従来の仕様のガスセンサ)のインバランス応答値を基準(=100%)とし、その他のガスセンサのインバランス応答値比(%)を求めた。なお、インバランス応答値比が高いほうが内燃機関の気筒間インバランスの検出精度がより高いことを示す。
なお、軸方向距離aが0mmの場合は、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置とインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置とが同じ位置であることを示す。また、軸方向距離aが0mm未満の場合は、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置がインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側にあることを示す。
一方、軸方向距離aが3.0mmあたりを超えると、インバランス応答値比が少し低くなることがわかった。
また、このような効果を十分に得るためには、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置からインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置までの軸方向距離aを0.7mm以上とすることが好ましく、3.0mm以下とすることが好ましいことがわかった。
13 ハウジング
2 センサ素子
201 先端部(センサ素子の先端部)
271 ガス導入部
3 素子カバー
4 インナカバー
42 インナ導入開口部
5 アウタカバー
52 アウタ導入開口部
C1 軸方向中間位置(ガス導入部の軸方向中間位置)
D1 軸方向基端位置(インナ導入開口部の軸方向基端位置)
X1 軸方向先端側
X2 軸方向基端側
Claims (5)
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(2)と、
該センサ素子(2)を内側に挿通して保持するハウジング(13)と、
該ハウジング(13)の軸方向先端側(X1)に配設された素子カバー(3)とを備え、
上記センサ素子(2)の先端部(201)には、その内部に被測定ガスを導入するためのガス導入部(271)が設けられており、
上記素子カバー(3)は、上記センサ素子(2)の先端部(201)を覆うように配設されたインナカバー(4)と、該インナカバー(4)の外側に配設されたアウタカバー(5)とを有し、
該アウタカバー(5)には、該アウタカバー(5)内に被測定ガスを導入するためのアウタ導入開口部(52)が設けられており、
上記インナカバー(4)には、該インナカバー(4)内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部(42)が設けられており、
上記センサ素子(2)の上記ガス導入部(271)の軸方向中間位置(C1)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向基端側(X2)にあり、
上記センサ素子(2)の軸方向先端位置(C3)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向先端側(X1)にあることを特徴とするガスセンサ(1)。 - 上記センサ素子(2)の上記ガス導入部(271)の軸方向先端位置(C2)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向基端側(X2)にあることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ(1)。
- 上記インナカバー(4)には、上記インナ導入開口部(42)の内側において、被測定ガスの流れを遮り、該被測定ガスが軸方向基端側(X2)へ流れるようにするルーバー部(44)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ(1)。
- 上記ルーバー部(44)は、上記インナ導入開口部(42)の軸方向先端側(X1)の端部(421)から上記インナカバー(4)の内側に折り曲げられ、軸方向基端側(X2)に向かって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ(1)。
- 上記アウタカバー(5)の上記アウタ導入開口部(52)の軸方向先端位置(E1)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向基端側(X2)にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ(1)。
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