JP2008144213A - Oh基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材 - Google Patents

Oh基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材 Download PDF

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Abstract

【課題】 Pbを添加することなく切削性を向上させた快削Al合金押出材として、OH基を含むアルコール液に有する耐食性に優れたものを提供する。
【解決手段】 Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%、残部が実質的にAlよりなる快削アルミニウム合金押出材。さらに、上記各元素のほか、Fe0.75〜0.9%あるいはTi0.01〜0.20%を添加した快削アルミニウム合金押出材。
【選択図】 なし

Description

この発明は、切削性に優れた快削アルミニウム合金押出材、特にPbを添加することなく切削性を向上させた快削アルミニウム合金押出材に関するものであり、OH基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材を提供するものである。
周知のようにアルミニウム合金は一般に切削性が良好であるため、軸受け、光学部品、自動車部品など、切削加工が必要とされる部品、部材に従来から広く使用されている。このようなアルミニウム合金の切削加工においては、切粉が連続した長いものとならずに細かく分断されること、すなわち切粉分断性が良好であることが望ましいとされている。
ところで従来、切削性に優れたアルミニウム合金材としては、Al−Cu合金に、Pb、Biを添加したJIS2011合金や、Al−Mg−Si系合金にPb、Biを添加したJIS6262合金などの押出材が多用されている。しかしながら、Pbは環境に悪影響を及ぼすおそれがあるところから、近年は環境問題重視の観点から、Pbを添加せずに切削性を向上させたアルミニウム合金が要求されるようになっている。そこで最近では、Pb−Biを添加したJIS6262合金(Pb−Bi添加)に代えて、Pbを添加しないSn−Bi添加合金が提案されており、切削性、耐食性などにおいてJIS6262合金とほぼ同等の性能を持つ快削アルミニウム合金が流通されつつある(例えば特許文献1参照)。
特開平9−25533号公報
前記提案に示されるようなSn−Bi添加快削アルミニウム合金においては、120℃以上の高温において、OH基を1つ以上含むアルコール液に接すれば腐食もしくは溶解するという現象が生じてしまう問題がある。この現象は、Sn添加合金に顕著に見られるものであり、高温で反応が著しく、またガスを発生しながら反応すること、さらに反応に潜伏期間が存在すること、そして特にOH基が存在するアルコール液で溶解することなどが確認されており、これらの点から、アルコキシド反応によるものと推定されている。そのためSn−Bi添加アルミニウム合金を、例えばブレーキ部品として使用して、OH基を1つ以上含む高温ブレーキ液と接触させた場合には、Sn−Bi添加アルミニウム合金が、腐食もしくは溶解してしまって、ブレーキ部品としての機能を果たさなくなることが懸念される。そのためSn−Bi添加快削アルミニウム合金は、Pbを添加せずに良好な切削性を確保できる利点はあるものの、ブレーキ部品など、高温のOH基含有アルコール液と接するような環境での使用はためらわれていたのが実情である。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、Al−Mg−Si系合金において、Pbを添加せずにSnおよびBiを添加して良好な切削性を維持すると同時に、OH基を1つ以上含む高温アルコール液との腐食反応を抑制し得る快削アルミニウム合金押出材を提供することを課題とするものである。
本発明者等は、前述の課題を解決するべく、鋭意実験・検討を重ねた結果、Pbを添加しないAl−Mg−Si系合金において、Sn、Biを添加しつつも、Sn添加量を適切に規制すると同時に、新たにCuを適切な量だけ添加することによって、良好な切削性を確保しつつ、OH基を含有する高温アルコール液との接触による腐食、溶解を抑制し得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
すなわち請求項1の快削アルミニウム合金押出材は、Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とするものである。
また請求項2の発明の快削アルミニウム合金押出材は、Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%、Fe0.75〜0.9%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とするものである。
そしてまた請求項3の発明の快削アルミニウム合金押出材は、Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%、Ti0.01〜0.20%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とするものである。
また請求項4の発明の快削アルミニウム合金押出材は、Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%、Fe0.75〜0.9%、Ti0.01〜0.20%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とするものである。
さらに請求項5快削アルミニウム合金押出材は、請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の快削アルミニウム合金押出材において、OH基を含むアルコール液に、120℃で120時間接した際の腐食減量が0.5重量%以下であることを特徴とするものである。
この発明の快削アルミニウム合金押出材は、Al−Mg−Si系合金押出材として、Pbを添加することなく、従来の快削合金、例えばJIS6262合金などと同等の良好な切削性を得ることができると同時に、耐アルコール腐食性に優れたものであり、そのため120℃程度以上の高温でOH基を含有するアルコール液と接する環境下で使用される切削加工部品として、そのような環境下で腐食もしくは溶解することが有効に抑制され、したがってブレーキ部品等として安全に使用することができる。
以下に、この発明の実施形態について説明する。
先ずこの発明の快削アルミニウム合金押出材における各合金元素の限定理由について説明する。
Si、Mg:
SiとMgは、Mg2Siを析出して強度向上に寄与する。Si量が0.4%未満またはMg量が0.8%未満では、強度向上の効果が小さく、一方、Si量が0.8%を越えるかまたはMg量が1.2%を越えれば、押出性等の加工性が低下する。したがってSi量は0.4〜0.8%の範囲内、Mg量は0.8〜1.2%の範囲内とした。
Sn、Bi:
Sn、Biの添加は切削性、特に切粉分断性の向上に寄与する。すなわちSn、Biは、アルミニウムにはほとんど固溶せずにSn−Bi系化合物として存在し、かつその融点は低く、そのため切削加工時には加工熱により化合物が溶融して、切粉にノッチが入って切粉分断性が向上すると考えられる。ここで、Snの融点は232℃、Biの融点は271℃と、ともに低融点ではあるが、Sn−Bi化合物では融点が139℃と、より一層低融点となるため、切粉分断性向上の効果が大きい。そのため切粉分断性を充分に向上させるために、Sn、Biを同時に添加することとした。切粉分断性は、Sn、Biの添加量が多いほど向上し、Sn、Bi同時添加の効果を発揮させるためには、Biを0.3%以上とする必要があり、またSnは0.1%以上とすることが必要である。またSn、Biの合計添加量が0.5%未満では充分な切粉分断性が得られず、一方合計添加量が1.5%を越えれば耐食性が低下する。一方、Snを多量に添加すれば、OH基を含む高温のアルコール液と接した場合に溶解反応を引起こしてしまうおそれがあり、特にSn添加量が0.5%を越えればその傾向が著しくなる。そしてSn量を0.5%以下に制限すれば、OH基との反応が顕著に軽減されて、120℃の高温アルコール液に120時間接したときの腐食もしくは溶解による重量減少率が0.5%以下となる。一方、Biが1.0%を越えれば、耐食性が劣化するので好ましくない。したがってこれらの理由から、Snは0.1〜0.5%の範囲内、Biは0.3〜1.0%の範囲内、さらにSnとBiの合計添加量を0.5〜1.5%の範囲内に規制することとした。
Cu:
Cuは、マトリックス中に固溶することにより強度向上に寄与する元素であるが、本発明者等は、Cuの添加は強度向上のみならず、OH基を含むアルコール液への溶解を抑制する効果を奏することを新規に見出し、この発明ではCuを積極添加することとした。ここで、Cu量が0.1%未満ではその効果が充分に得られず、一方Cu添加量が0.4%を越えれば、一般的な耐食性が低下してしまう。そこでCuの添加量は0.1〜0.4%の範囲内とした。
Fe:
Feは、Al−Fe系あるいはAl−Fe−Si系などの化合物を形成して、切粉分断性の向上に寄与する元素であり、そこで請求項2、請求項4の発明の合金においてFeを積極添加することとした。ここで、Feを0.75%以上添加することにより切粉分断性を向上させることができるが、Fe量が0.9%を越えれば押出成形性を低下させてしまうから、Feを積極添加する場合のFe量は0.75〜0.9%の範囲内とした。なお通常のアルミニウム合金においてもFeは不可避的不純物として含有される元素であり、したがって請求項1、請求項3の発明の合金の場合も、0.75%未満のFeが不可避的不純物として含有されることは許容される。
Ti:
Tiは、通常のアルミニウム合金において鋳塊結晶粒微細化材として添加することが多い元素であり、この発明の場合も、Ti添加による結晶粒微細化を通じて、強度向上および切粉分断性向上の効果を得ることができ、そこで請求項3、請求項4の発明の合金においてTiを添加することとした。但しTi添加量が0.01%未満では前述の効果が充分に得られず、一方Ti添加量が0.20%を越えてもそれ以上効果は向上しないから、Tiを添加する場合のTi添加量は0.01〜0.20%の範囲内とした。なお請求項1、請求項2の発明の合金でも、不可避的不純物として0.01%未満のTiが含有されることは許容される。
以上の各合金元素のほかは、基本的にはAlおよび不可避的不純物とすればよい。
上述のように、Al−Mg−Si系合金に対して、適切な量だけSn、Biを添加し、かつCuを少量だけ添加したこの発明のアルミニウム合金押出材は、Pbの添加なしで良好な切削性を得ると同時に、良好な耐アルコール腐食性を得て、OH基を含むアルコール液に高温で接した場合でも、溶解もしくは腐食することを有効に抑制することができる。ここで、耐アルコール腐食性の指標としては、OH基を1つ以上含むアルコール液に120℃で120時間接した場合の腐食減量が0.5重量%以下であれば、耐アルコール腐食性が良好と認めることができる。そして前述のようなこの発明で規定する成分組成範囲内の合金であれば、上記の指標を充分に満たすことができる。
なおOH基を含むアルコールの例としては、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(C7H15O3−OH)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
なおまた、この発明の快削アルミニウム合金押出材を製造する方法は特に限定されるものではなく、常法に従って製造すれば良い。例えば通常の方法により溶解・鋳造し、必要に応じて均質化処理を行なってから押出加工(通常は熱間押出)を行なえば良い。さらに押出加工後の処理・調質についても特に限定されるものではなく、通常の製造条件により、用途に応じて調質を選択すれば良い。例えば、熱間押出上がりままのT1でも良いし、溶体化・人工時効を施したT6でも良く、さらには溶体化・冷間加工・人工時効を施したT8、T9でも良い。なお切粉分断性は、一般に硬度が高い方が良好であることから、溶体化後に冷間加工や人工時効を施すT3、T8、T9等の調質が特に好ましい。
以下にこの発明の実施例を、比較例とともに示す。なお以下の各実施例は、飽くまで説明のためのものであり、この発明の技術的範囲を制限するものでないことはもちろんである。
表1の合金No.1〜No.28に示す組成の各合金を溶解し、常法に従ってDC鋳造を行なって直径220mmの鋳塊(ビレット)を得た。この鋳塊に550℃×6時間の均質化処理を施した後、400℃で熱間押出を行なって直径35mmの丸棒材とした。これに520℃×2時間の溶体化処理を施した後、直ちに水冷することにより焼入れし、さらに180℃×8時間の人工時効処理を行った。
以上のようにして得られた各押出材について、次のように切削試験およびアルコールへの浸漬試験を行なった。
(1)切削試験
上記の押出材を用いて、外削による切削試験を行なって、切粉分断性を評価した。切削条件は、回転数2000rpm、切り込み量1mm、送り量0.04mm/rev、とした。
(2)アルコールへの浸漬試験
OH基を含むアルコール液に対する浸漬試験を行なって、耐アルコール腐食性を評価した。具体的には、前述のようにして得られた直径35mmの棒状押出材を切削加工して、直径30mm、厚さ5mmの円盤状試験片とし、その試験片を、OH基を有するアルコール類であるトリエチレングリコールモノメチルエーテル(C7H15O3−OH)を主成分として含有する市販の自動車用ブレーキ液(米国連邦安全基準:Federal Motor Vehicle Safety StandardのDOT3規格品)に浸漬し、120℃×120時間の浸漬保持を行なった。
これらの切削試験による切粉分断性評価結果、およびアルコール液への浸漬試験による耐アルコール腐食性評価(−OH溶液溶解性評価)結果を表2に示す。なおこれらの試験、評価のほか、一般的な耐食性評価として、常法に従って塩水噴霧試験を行ない、また強度評価として、常法に従って、引張強さ、耐力、伸びおよび硬さを調べた。
ここで、切粉分断性の評価にあたっては、切粉100個当りの質量で4段階評価した。評価基準は、A:4g以下、B:4gを越え8g以下、C:8gを越え30g以下、D:30gより大、とした。
また耐アルコール腐食性評価については、前述のように120℃×120時間の浸漬保持による重量減少率を調べ、重量減少量が0%のものをa、0.5%以下(0%を含まず)のものをb、0.5%を越えたものをcとして3段階評価を行なった。
Figure 2008144213
Figure 2008144213
合金No.1〜No.12は、いずれもSn、Bi、Cuをこの発明で規定する範囲内で添加し、さらにSi、Mg、Fe、Tiの各元素の量もこの発明で規定する範囲内とした発明合金であり、これらの発明合金は、いずれも良好な切粉分断性を示すとともに、良好な耐アルコール腐食性を示すことが判明し、またそのほか一般的な耐食性や、強度、押出性等の点でも特に問題がないことが確認された。なおこれらの発明合金No.1〜No.12のうち、Feを0.75%以上0.9%以下添加した発明合金No.11、No.12は、前記の切粉分断性の評価指標では他の発明合金と変わらなかったが、目視による切粉形状の評価において、他の発明合金よりも切粉が分断され易く良好であることが確認された。
一方、合金No.13〜No.28は、成分元素のうちのいずれか一つ以上がこの発明で規定する範囲を外れた比較合金であり、これらの比較合金では、切粉分断性(切削性)、耐アルコール腐食性、あるいは塩水噴霧試験耐性などの一般的な耐食性、強度、押出性のいずれかの特性が劣っていることが判明した。
すなわち、先ず比較合金No.16、No.21、No.22の場合は、SnあるいはBiの添加量がこの発明で規定する量より少ないため、アルコール液による腐食はほとんどないものの、切粉分断性に劣っていた。このうち、比較合金No.16、No.22は、Sn添加量およびSn+Bi添加量がともにこの発明で規定する下限量に満たないため、切粉分断性評価がCと悪かったが、比較合金No.21は、Bi添加量は本発明で規定する下限量に若干満たないものの、Sn添加量およびSn+Bi添加量がこの発明で規定する範囲を満たしていることから、切粉分断性評価はBとなった。一方、Sn添加量がこの発明で規定する上限(0.5%)より多い比較合金No.17、No.18、あるいはSn+Bi添加量がこの発明で規定する上限量(1.5%)より多い比較合金No.13、No.14、No.17では、切粉分断性は優れるものの、アルコール液への溶解が激しくなってしまった。
また比較合金No.20の場合、切粉分断性およびアルコール液への溶解性は、ともに問題がなかったが、Biが1.0%を越えているため、塩水噴霧試験耐性などの一般的な耐食性で若干劣っていることが確認された。
さらに、比較合金No.23の場合は、切粉分断性およびアルコール液への溶解性は、ともに問題がなかったが、Fe量が0.9%を越えているため、押出性が低下した。
一方、比較合金No.15、No.19、No.24〜No.28は、主に強度に影響するSi、Cu、Mg量がこの発明で規定する範囲から外れているものであり、これらの合金元素の添加量の多少は、切粉分断性には大きな影響を与えないが、添加量の少ないものは強度低下、また添加量の多いものは押出性の低下が見られた。
具体的には、比較合金No.15は、Mg添加量が不足しているため、充分な強度が得られなかった。また比較合金No.19は、Cuが添加されていないため、充分な強度が得られず、同時にOH基を含むアルコール液への溶解が生じた。ここで、比較合金No.19のアルコール液への溶解量は、表2に示すように評価としてはbに相当したが、重量減少率は0.5%に近くてc評価に近く、このことは、Cuがこの発明の規定量に不足していればOH基を含むアルコール液に対する耐食性が充分には得られなくなることを示している。さらに比較合金No.24は、Si添加量が不足しているため、充分な強度が得られなかった。一方比較合金No.25、No.26、No.28は、Si量またはMg量が多過ぎたため、押出性等の加工性に劣り、試験合金を作製できなかった。そしてまた比較合金No.27は、Cu量が多過ぎたため、塩水噴霧試験耐性などの一般的な耐食性が劣ることが確認された。

Claims (5)

  1. Si0.4〜0.8%(mass%、以下同じ)、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする、OH基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材。
  2. Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%、Fe0.75〜0.9%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする、OH基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材。
  3. Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%、Ti0.01〜0.20%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする、OH基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材。
  4. Si0.4〜0.8%、Cu0.1〜0.4%、Mg0.8〜1.2%、Sn0.1〜0.5%、Bi0.3〜1.0%、Fe0.75〜0.9%、Ti0.01〜0.20%を含有し、かつSnとBiの合計量が0.5〜1.5%の範囲内にあり、残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを特徴とする、OH基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の快削アルミニウム合金押出材において、
    OH基を含むアルコール液に、120℃で120時間接した際の腐食減量が0.5重量%以下であることを特徴とする、OH基を含むアルコール液に対する耐食性に優れた快削アルミニウム合金押出材。
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