JP2008144126A - アクリレート系粘着剤ならびにそれを用いた偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

アクリレート系粘着剤ならびにそれを用いた偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温湿度変化や液晶表示装置の連続点灯による画面周辺部における光漏れ、および偏光板の剥離を改善することが可能な粘着剤、ならびにそれを用いた偏光板および液晶表示装置を提供する。
【解決手段】アクリレート系高分子を少なくとも一種、および正の固有複屈折を有する架橋剤を少なくとも一種含有する粘着剤であって、前記正の固有複屈折を有する架橋剤が、前記アクリレート系高分子に対し、2〜30質量%含まれていることを特徴するアクリレート系粘着剤、ならびにそれを用いた偏光板および液晶表示装置である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリレート系粘着剤ならびにそれを用いた偏光板および液晶表示装置に関し、詳しくは、偏光板等に用いた際に、偏光板等の光学特性を経時的に安定に保つことができるアクリレート系粘着剤およびこれを使用して製造された偏光板および液晶表示装置に関するものである。
最近、液晶表示装置(以下、LCD)が、薄型で、軽量であり、また消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されるようになっている。偏光板は、LCDの普及に伴いその需要が急増している。その使用分野も、従来の電卓や時計などの小型品から、自動車用計器、PCのモニター、テレビといった大型品へ拡大されつつある。表示装置は、常時長時間に亘って使用状態にあることが多いので、偏光板は、長期使用でもLCDの画像品質が劣化しないような、長期の耐久性が要求されるようになってきた。
TN(Twisted Nematic)型表示方式では、一般に配向層を形成した2枚の透明電極基板を、スペーサを介して所定の間隔になるように配向層を内側にして配置し、その周辺をシールして、該電極基板間の間隙に液晶材料を挟持させ液晶セルを形成し、さらに、2枚の電極基板の外側表面に、それぞれ粘着剤層を介して偏光板を貼付する。なお、偏光板の透過軸は、画面端辺に対し∠45°、135°(クロスニコル)とする。このような液晶セルに用いられる偏光板は、高温高湿条件下で処理すると、偏光板に生ずる内部応力によって偏光板周縁部の吸収軸にゆがみが生じ、光の透過率が変化し、光漏れ現象が発生しやすい。
このような問題を解決するため、TN型液晶方式による光漏れについては、粘着剤を適度に柔らかくし、応力緩和性を付与する手段が報告されている(特許文献1参照)。しかし、一般に応力緩和機能を有するアクリレート系粘着剤はあまりにも柔軟性が良いため、長時間使用時や高温多湿状態で発生する応力により起泡が発生する、剥離する等の、液晶表示機能に致命的な問題点を抱えている。また、柔軟性の高い接着層を用いると、偏光板接着剤品を精密に切断する時に接着剤が伸びやすく製品が汚染される等の問題点も有している。
また、これらの問題を解決するため、正の光弾性係数を有する成分を含む偏光板用アクリレート系粘着剤を用い、偏光板を作成することにより、前記光漏れ現象を改善させる技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開平9−137143号公報 特表2004−516359号公報
特許文献1に開示されている粘着剤に応力緩和性を付与する方法は、小サイズであればある程度抑制することができるが、近年、大型液晶テレビに対応するモードとして普及してきているIPS、MVA方式等はTNモードと比較し、大型であるため十分に光漏れは抑制することができない等、大型サイズ液晶テレビに要求される品質には到達していない。また、特許文献2記載の偏光用アクリレート系粘着剤は、正の光弾性係数を有する成分を含むことを特徴としているが、具体的な光弾性係数の数値および符号は開示されておらず、また、光弾性係数の光漏れに対する効果は不明確である。更に、特許文献2に例示されている正の光弾性係数を有する成分は、一般的に溶解性が低く、粘着剤の光弾性係数を所望の値にするために、量を多めに添加すると添加物の溶出等により、偏光板の剥がれ等が生じ、特に、大サイズの液晶テレビには耐久性に問題が生じ得る。また、正の光弾性係数を有する成分の添加量を減らすと必ずしも十分な光漏れに対する効果を得ることができないことが分かった。
そこで、本発明の目的は、温湿度変化や液晶表示装置の連続点灯による画面周辺部における光漏れ、および偏光板の剥離を改善することが可能な粘着剤、ならびにそれを用いた偏光板および液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アクリレート系粘着剤に、ベースポリマーに対し、正の固有複屈折を有する架橋剤を2〜30質量%添加することにより、粘着剤の歪により発生するレタデーションを経時的にコントロールし、かつ、偏光板の剥離も抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
(1)アクリレート系高分子を少なくとも一種、および正の固有複屈折を有する架橋剤を少なくとも一種含有する粘着剤であって、前記正の固有複屈折を有する架橋剤が、前記アクリレート系高分子に対し、2〜30質量%含まれていることを特徴するアクリレート系粘着剤。
(2)前記架橋剤が芳香環を2つ以上持つ(1)に記載のアクリレート系粘着剤。
(3)前記架橋剤がベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル構造を有する(1)に記載のアクリレート系粘着剤。
(4)前記架橋剤が高分子である(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(5)前記アクリレート系高分子の少なくとも一種が、架橋部位を有するモノマーを含有する組成物から形成され、該組成物中、該架橋部位を有するモノマーが、モノマー全体に対して、0.1〜5質量%含有する(1)〜(4)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(6)前記アクリレート系高分子が少なくとも二種以上であり、少なくとも一種が架橋部位を有するアクリレート系高分子、少なくとも一種が架橋部位を有さないアクリレート系高分子であり、該架橋部位を有しないアクリレート系高分子の総量が、アクリレート系高分子総量に対し、1〜30質量%含まれる(1)〜(5)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(7)更に、正の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有する(1)〜(6)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(8)更に、負の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有する(1)〜(7)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(9)前記アクリレート系高分子の少なくとも一種が、単独で正の固有複屈折を有するモノマーを少なくとも一種と、単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマーを少なくとも一種と、架橋部位を有するモノマーを少なくとも一種と、を含有する組成物から形成されている(1)〜(8)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(10)前記単独で正の固有複屈折を有するモノマーが、芳香環を少なくとも1つ有する(9)に記載のアクリレート系粘着剤。
(11)ゲル分の割合が70〜90%である(1)〜(10)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
(12)(1)〜(11)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤により形成された粘着剤層が塗設されていることを特徴する偏光板。
(13)偏光板を二枚有し、該二枚の偏光板の透過軸が互いに直行している画像表示装置において、前記二枚の偏光板のうち少なくとも一方が(12)に記載の偏光板であることを特徴する液晶表示装置。
(14)前記偏光板の透過軸が表示画面の辺に対し、45度方向となるように、前記偏光板が貼合されており、(1)〜(11)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤を用い形成された粘着剤層の面内の光弾性係数が+250〜+800(×10-12Pa-1)である(13)に記載の液晶表示装置。
(15)液晶セルの表示モードが、TNモードである(14)に記載の液晶表示装置。
(16)前記偏光板の透過軸が表示画面の辺に対し、0度または90度方向となるように、前記偏光板が貼合されており、(1)〜(11)のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤を用い形成された粘着剤層の面内の光弾性係数が−400〜+250(×10-12Pa-1)である(13)に記載の液晶表示装置。
(17)液晶セルの表示モードが、IPSモードまたはVAモードである(16)に記載の液晶表示装置。
(18)(12)に記載の偏光板の中心点と液晶セルの中心点との、前記偏光板面方向の距離が0〜10mmで貼合された(13)〜(17)のうちいずれか一項に記載の液晶表示装置。
(19)(12)に記載の偏光板の各4辺部と、該偏光板が貼合された液晶セルを構成するガラスの対応する各4辺部との、前記偏光板面方向の距離が0.0〜5.0mmである(13)〜(18)のうちいずれか一項に記載の液晶表示装置。
本発明の粘着剤を用い、粘着剤層を形成することにより、所望の光弾性係数を有する粘着剤層を得ることができ、また、当該粘着剤層を有する本発明の偏光板は経時的に光漏れを防止し、かつ、偏光板の剥がれを抑制することができる。
本発明のアクリレート系粘着剤は、アクリレート系高分子を少なくとも一種、および正の固有複屈折を有する架橋剤を少なくとも一種含有する粘着剤であって、前記正の固有複屈折を有する架橋剤が、前記アクリレート系高分子に対し、2〜30質量%含まれていることを特徴するものである。従来のアクリレート系接着剤のベースポリマーであるアクリレート共重合体は負の光弾性係数を有する。これにより、粘着剤層の歪みが生じた際にレタデーションが発生し、光漏れ等が生じる。本発明は、ベースポリマーに対し、少なくとも一種の正の固有複屈折を有する架橋剤を2〜30質量%含有させることにより、粘着剤層の歪により発生するレタデーションを、コントロールし、かつ、光漏れを防止するものである。なお、架橋剤により発生するレタデーションをコントロールするために、特許文献2に記載されているように、別途、正の固有複屈折を有する化合物を添加した際に生じる偏光板の剥がれを防止することができる。従来のアクリレート系粘着剤には、耐久性および接着力等の性能を保つため1%以上の架橋剤は添加されていない。また、粘着剤の光弾性係数をコントロールするという考え方はこれまで一般的でなかったため、粘着剤層の光弾性係数をコントロールする添加物をして、架橋剤を使用することはまったくこれまでの通常の理論の範疇から外れていた。
粘着剤としては、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく使用される。このような特徴を示すものとしてアクリレート系粘着剤が知られおり、本発明の粘着剤は、アクリレート系粘着剤であり、アクリレート系高分子(アクリレート系モノマーを含有する組成物から形成された共重合体)を必須の成分とするものである。アクリレート系高分子は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマーユニットを主骨格とするアクリレート系ポリマーをベースポリマーとするものである。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルはアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。なお、一般的に使用されているアクリレート系高分子であれば、特に制限されるものではなく、アクリレート系ポリマーの主骨格を構成する、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等を例示できる。これらは、一般的にアクリレート系粘着剤に使用されており、これらのモノマーは通常、25℃60%において、負の固有複屈折を有しており、それらモノマーから形成されるアクリレート系高分子は、負の光弾性係数を有する。
本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤の種類、および量を調整することにより、接着剤層の光弾性係数を所望のものとすることができる。例えば、粘着剤層の光弾性係数の数値を大きくする場合には、正の固有複屈折を有する架橋剤の固有複屈折の絶対値が大きいものを使用する、または、添加量を増やす等により調整可能であり、逆に、粘着剤層の光弾性係数の数値を小さくする場合には、正の固有複屈折を有する架橋剤の固有複屈折の絶対が小さいものを使用する、またはて添加量を減らす等により調整可能である。
なお、固有複屈折とは、分子構造に依存した固有の複屈折であり、分子内の分極率の異方性により生ずる。また、マクロな複屈折の大きさは固有の複屈折と分子の配向に支配される。配向が全くランダムであれば単一分子の固有複屈折が大きい場合にも巨視的な複屈折はゼロとなる。正の固有複屈折とは分子の延伸方向(液晶等の場合にはラビング方向)に対して同じ方向に遅相軸ができるものであり、負の固有複屈折とは垂直方向に遅相軸ができるものである。測定方法は、各組成物単独のサンプルを、環境温湿度25℃60%において偏光顕微鏡を用い鋭敏色板を通して観察した時の色変化に遅相軸の決定を行い、ポリマーの場合には延伸またはせん断力を加えた時の遅相軸方向、低分子の液晶等の場合にはポリビニルアルコール表面をアクリル毛でラビングしその上に配向させた場合の遅相軸方向より決定できる。なお、本発明において、本発明に係る単独で正の固有複屈折を有するモノマーおよび単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマー、それぞれの固有複屈の数値は厳密に特定しなくとも、適宜、上記記載の方法により、粘着剤層を所望の光弾性係数に調整することができる。
また、光弾性係数とは、応力(σ)をかけたときに発生する複屈折(Δn)で定義され、以下のように表すことができる。
光弾性係数(C)=Δn/σ 式(1−1)
厚み方向の光弾性係数(Cth)=Δnth/σ 式(1−2)
なお、本明細書において、別途説明がある場合を除き、面内方向の光弾性係数の測定法は以下のように行われたものである。25℃60%の環境において日本分光製エリプソメーターM−220を用い、2cm角のサンプルに0〜10Nの範囲で引っ張り力をかけることにより(測定波長は630nm)、測定を行う。サンプルが変形により荷重面積が変化した場合には面積の補正を行い正確な応力を算出する。
厚み方向の光弾性係数(Cth)の測定は、粘着剤が1軸または2軸の屈折率楕円で表現できると仮定し、引っ張り力をかけた時の粘着剤を0度と40度に傾斜した時のレタデーションを元に、下記の式(2)、(3)により算出した。遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフイルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレタデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、式(1−2)(2)(3)よりCthを算出した。
Figure 2008144126
注記:上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタデーション値をあらわす。式(2)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。
Δnth=((nx+ny)/2 - nz) --- 式(3)
周辺ムラが発生する状況では、粘着剤にはせん断変形が発生し、粘着剤における屈折率楕円体は斜め方向に傾斜した状態となっている。従って、せん断変形の場合にはCだけでなくCthも重要なパラメーターとなる。
本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤は、特に制限されるものではなく、粘着剤に配合できる多官能化合物としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートがあげられる。有機系架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、などがあげられる。これら架橋剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。有機系架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤が好ましい。前記イソシアネート系架橋剤は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びそれらのメチロール付加物などを含む。また、高分子化された物も好ましい。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合又は配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等があげられる。共有結合又は配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等があげられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等があげられる。
本発明では、これら架橋剤の少なくとも1種が正の固有複屈折を持つ事を特徴とする。
架橋剤は正の固有複屈折を持てばどのようなものでもかまわないが、芳香族系であることが少量添加で効果を発揮することが出来るため好ましい。なお、芳香環は、芳香族炭化水素を好適に使用することができる。また、該芳香族系化合物のπ共役系が大きい、または多いものが好ましい。後者の観点より、本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤は芳香環を2つ以上持つことが好ましい。例えば、ナフタレン環、アントラセン環を持つものやベンゼン環を多く持つものが好ましい。ここで、ベンゼン環等の芳香環を複数有する場合には、該複数の芳香環が、直接連結または縮合されていることが、好ましい。当該観点より、ナフタレン環またはビフェニル構造を有するものが好ましい。更に、芳香族系の場合には、芳香族性が高いものが好ましい。芳香族性の目安としてはトポロジカル共鳴エネルギー(TRE)があり、このエネルギーが高いほど芳香族性が高いことを示す。TREの計算方法はJ.Aihara、J.Am.Chem.Soc.,2048,99(7)(1999)に記載されている。この観点より、本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤は、ベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル構造を有するものが好ましく、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニルのTRE値はそれぞれ0.273、0.389、0.502であり、この順に芳香族性が高いことになる。効果の観点からは、ナフタレン環またはビフェニル構造を有するものが好ましく、コストの面からはベンゼン環を有するものが好ましい。好ましい架橋剤としては、1,6‐ナフタレンジイルジイソシアナート、(1,3,5‐ベンゼントリイル)トリス(4,1‐フェニレン)トリスイソシアナート、トリレンジイソシアネート、またはこれらのポリマーがあげられる。更にまた、本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤は、液晶性であることが好ましい。液晶性を有することにより、正の固有複屈折を有する架橋剤の配向性が向上し、効率的に粘着剤層の光弾性係数を大きくすることができると推定される。
本発明の粘着剤において、アクリレート系高分子(ベースポリマー)の総量に対し、正の固有複屈折を有する架橋剤(二種以上ある場合にはその総量)を2〜30質量%添加するものであるが、好ましくは、3〜20質量%、より好ましくは、5〜20質量%である。本発明に係る架橋剤は、芳香環を二つ以上含んだものが好ましい。例えば、日本ウレタン製コロネートL、ミリオネートMR,ミリオネートMTなどが好ましく用いられる。また、架橋剤が高分子であることも好ましい。
本発明では、架橋剤を多量に添加するため、架橋反応が進みすぎて粘着剤の緩和性の低減を防止することが好ましい。この方法としては、後に詳述する本発明に係るアクリレート系高分子の少なくとも一種が、架橋部位を有するモノマー成分を含有する組成物から形成され、該組成物中、該架橋部位を有するモノマー成分が、モノマー成分全体に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%と設定することにより達成することができる。また、緩和性を保持する別の方法として、本発明に係るアクリレート系高分子が少なくとも二種以上であり、少なくとも一種が架橋部位を有するアクリレート系高分子、少なくとも一種が架橋部位を有さないアクリレート系粘着剤であり、架橋部位を有しないアクリレート系高分子の総量が、アクリレート系高分子総量に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%と設定することによっても達成することができる。また、これらの組み合わせも可能である。なお、架橋部位を有するアクリレート系高分子と架橋部位の有しないアクリレート系高分子との比率を変更することにより、後に詳述するゲル分率を調整することが可能となる。架橋部位を有しないアクリレート系高分子の比率を上げることにより、ゲル分率を下げることができ、逆に、架橋部位を有するアクリレート系高分子の比率を上げることにより、ゲル分率を上げることができる。
本発明に係るアクリレート系高分子の少なくとも一種が、単独で正の固有複屈折を有するモノマーを少なくとも一種と、単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマーを少なくとも一種と、架橋部位を有するモノマーを少なくとも一種と、を含有する組成物から形成されていることが好ましい。なお、単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマーとは、従来のアクリレート系高分子に使用されているモノマーが該当し、好適なものも前記したものと同様である。更に、単独で正の固有複屈折を有するモノマーを使用することにより、本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤と同様に、粘着剤層の光弾性係数を調整することが可能となる。また、共重合させることにより、特許文献2に記載されているように、別途、正の固有複屈折を有する化合物を添加した際に生じる偏光板の剥がれを防止することもできる。
また、単独で正の固有複屈折を有するモノマーとしては、特に制限をされるものではないが、負の固有複屈折と有するモノマーと同様に、アクリレート系モノマーが好ましい。当該アクリレート系モノマーとしてはエステルのアルコール成分部分にフッ素原子を含む側鎖を有する化合物等を好適に挙げることができる。例えば、メタクリル酸フルオロヘキシルが挙げられる。また、主鎖に共役系等の動きやすい電子を持つことが好ましい。また、液晶性であったり、芳香環を少なくとも1つ有することが好ましい。当該置換基を有する場合には、高分子とした際に、主鎖に対し直接ではなく、sp3結合等の結合軸周りの回転の許された結合を介して芳香環が結合される化合物が好ましく用いられる。芳香環としては、特に制限されるものではないが、ベンゼン、ナフタレン等を挙げることができる。芳香族系の場合には、芳香族性が高いものが好ましい。たとえば、ベンジルアクリレート、フェキシエチルアクリレート、N−置換マレイミド(シクロヘキシルマレイミド等)および下記に示した様な化合物があげられる。
Figure 2008144126
Figure 2008144126
なお、共重合体を合成する上で、正の固有複屈折を有するモノマーおよび負の固有複屈折を有するモノマーの相溶性のよいものが合成上、好ましい。相溶性の目安として、例えば、オクタノール−水分配係数(logP値)を使用することができ、logP値の違いが5以内であるものが好ましい。
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS Z−7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法または経験的方法により見積もることも可能である。
計算方法としては、Crippen's fragmentation法("J.Chem.Inf.Comput.Sci.",27巻、p21(1987年))、Viswanadhan's fragmentation法("J.Chem.Inf.Comput.Sci.",29巻、p163(1989年))、Broto's fragmentation法("Eur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.",19巻、p71(1984年))などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法("J.Chem.Inf.Comput.Sci.",27巻、p21(1987年))がより好ましい。
ある化合物のlogPの値が測定方法または計算方法により異なる場合に、該化合物が上記の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
架橋部位を有するモノマーの架橋部位は、架橋剤との反応点となる。架橋部位を有するモノマーは、特に制限されるものではなく、従来のアクリレート系粘着剤のベースポリマーに使用されるものを好適に使用することができる。光学フィルム用途として液晶セルへの接着性、耐久性の点から、α、β−不飽和カルボン酸含有モノマーを好適に挙げられる。例えば、アクリル酸が好適に用いられる。
α、β−不飽和カルボン酸含有モノマーは、接着強度または粘着力を付与する。さらに、架橋部位を有するモノマーとして水酸基含有モノマーも好ましく用いられ、水酸基含有モノマーは、単独でまたは架橋剤と反応して高温時に粘着剤の粘着力破壊が起こらないように化学結合による粘着力を付与する。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びこれらの混合物等が挙げられる。
なお、組成物中、単独で正の固有複屈折を有するモノマーと、単独で負の固有複屈折を有するモノマーとの比は、用いるモノマーの種類および所望の光弾性係数により、適宜、選択することになるが、単独で正の固有複屈折を有するモノマーの総量は、前記単独で負の固有複屈折を有するモノマーの総量に対し、好ましくは、0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。また、架橋部位を有するモノマーの含有量は特に制限されるものではないが、モノマー成分全体に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。0.01未満となると接着力向上効果が低下するおそれがある。
アクリレート系高分子の平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程度であるのが好ましい。前記アクリレート系ポリマーの製造は、各種公知の手法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。また、前記製造法の中でも溶液重合法が好ましく、アクリレート系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度とされる。
また、粘着剤層の光弾性係数を調整する際に、本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤および上記共重合体だけでなく、アクリレート系粘着剤に、更に、正の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有させることによって行うこともできる。また、更に、負の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有させることによって行うこともできる。なお、単独で正の固有複屈折を有する化合物を添加し調整することが好ましい。これにより、粘着剤層を所望の光弾性係数の調整を容易に行うことができる。例えば、本発明に係る正の固有複屈折を有する架橋剤(適宜、上記共重合体も使用する)により、粘着剤層の光弾性係数を所望の値に大まかに近づけ、更に、固有複屈折を有する化合物を添加し微調整を行う方法等を挙げることができる。これにより、例えば、正の固有複屈折を有する化合物の添加量は、少量ですみ、偏光板の剥離も抑制することが可能となる。
単独で正の固有複屈折を有する化合物としては、特に制限されるものではないが、棒状液晶化合物等が有効である。さらに、芳香族系の場合には、芳香族性が高いものが好ましい。また、上記正の固有複屈折を有するモノマーを単独で正の固有複屈折を有する化合物として使用こともできる。なお、固有複屈折を有する化合物は、有機分子である必要はなく、無機物、有機無機複合体であっても問題ない。以下、単独で正の固有複屈折を有する化合物に関し、具体例を以下に示す。下記化合物は液晶性化合物であり、LC−1およびLC−2は、前記正の固有複屈折を有するモノマーとしても使用することができる。
Figure 2008144126
本発明の正の固有複屈折を有する化合物の添加量は、負の固有複屈折モノマー100質量部に対し、正の固有複屈折成分(正の固有複屈折を有する架橋剤、正の固有複屈折を有するモノマーおよび正の固有複屈折を有する化合物の総量)が、好ましくは、0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。
なお、正の固有複屈折を有する化合物は、固有複屈折が高いほど好ましい。また、正の固有複屈折を有する化合物と、アクリレート系高分子との配向性が重要なファクターであり、同じように配向することにより、例えば、各成分の分子間相互作用が強いものとすることにより、正の固有複屈折を有する化合物の添加の効果をより得ることができる。これにより、相溶性が格段に向上して低添加量で効果が発現し、さらに、耐久性も上がる。例えば、logP値の違いが5以内とすることにより、当該効果を得ることができる。
また、本発明の粘着剤は、上記線分以外にも、従来のアクリレート系粘着剤に使用されている成分等を、任意に使用することができる。例えば、界面活性剤等を添加する事も相溶性をよくする上で効果があり、粘着剤の剥離を抑制する効果が得られる。
さらには、本発明の粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を、本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしてもよい。
添加剤としては、シランカップリング剤が好適であり、ベースポリマー(固形分)100重量部に対して、シランカップリング剤(固形分)0.001〜10重量部程度が好ましく、さらには0.005〜5重量部程度を配合するのが好ましい。シランカップリング剤としては、従来から知られているものを特に制限なく使用できる。たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤を例示できる。
本発明の偏光板は、上記本発明の粘着剤により形成された粘着剤層が塗設されていることを特徴するものである。偏光板に本発明の粘着剤を塗布する場合、リワーク時にガラス面に成分が残らないこと、各成分が相分離しないことは重要である。相分離は、各成分の相溶性に起因し、各成分の相溶性がよいほど、相分離を起こしにくく、本発明の効果を効果的に得ることができる。なお、相溶性を向上させる方法は、前述のとおりである。相分離の有無を判断する際には、粘着剤を単独で80℃dry 1000hまたは60℃90% 1000h
処理後に顕微鏡観察することにより、確かめることができる。
本発明の粘着剤のゲル分率は、好ましくは、70%以上90%以下、より好ましくは、80%以上90%以下である。ゲル分率が当該範囲より小さいと、耐久性試験後の偏光板のズレ量が大きくなり光漏れも大きくなるおそれがあり、一方、当該範囲を超えると適当な緩和性および接着性が得られなくなるおそれがある。架橋部位を有さないアクリレート系ポリマーを添加することにより、ゲル分率を下げることができ、ゲル分率の調整が可能となる。なお、ゲル分率の測定方法は、粘着剤バルクを取り出して重量(w1)を測定し、酢酸エチル中に1日放置する。次いで、酢酸エチルに不溶のポリマー(ゲル分)を取り出し、100℃のオーブンで2時間乾燥させ、残った固形分の重量(w2)を測定し、下記式により算出することができる。
ゲル分率(%)=(w2/w1)×100
偏光板に粘着剤層を形成する方法は特別の制限はなく、この偏光フィルム表面に直接バーコーターなどを使用して前記粘着剤を塗布して乾燥させる方法、または前記粘着剤を一応剥離性基材表面に塗布して乾燥させた後、この剥離性基材表面に形成された粘着剤層を偏光フィルム表面に転写し、続いて熟成させる方法等を採用することもできる。
粘着剤層の厚みは、特に制限されるものではないが、好ましくは、10μm以上40μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下、さらに好ましくは10μm以上20μmである。厚みが上記範囲より、小さいと接着力が十分取れなくなるおそれがあり、一方、上記範囲を超えると耐久性試験後の偏光板のズレ量が大きくなり光漏れも大きくなるおそれがある。
粘着剤の接着力は高すぎるとリワーク時に糊残りやパネル破損が発生するため、180°剥離試験における接着力は20N/25mm以下が好ましい。また、0.5N/25mm以下であると耐久性が劣るため好ましくない。より好ましい範囲としては1〜10N/25mmである。
粘着剤層を介して接着面積10mm×25mmで基板に固定し、80℃dryで1kgの荷重を1時間かけるクリープ試験から得られる粘着剤層のひずみ量をA:μmとし、荷重を除去した後、1分が経過した際の粘着剤層のひずみ量をB:μmとするとき、{(A−B)/A}×100が50(%)以下の粘着剤がよい。より好ましくは20(%)以下がよい。
粘着剤層を介して接着面積10mm×25mmで基板に固定し、25℃60%で1kgの荷重を1分かけるクリープ試験から得られる粘着剤層のひずみ量(D:μm)は20μm以下がよい。80℃で1kgの荷重を1時間かけるクリープ試験から得られる粘着剤層のひずみ量(A:μm)は30μm以上100μm以下がよい。
粘着剤層のTgは、−40℃≦Tg≦−10℃が好ましい。-40℃以下であると耐久性試験後の偏光板のズレ量が大きくなり光漏れも大きくなるおそれがあり、一方、−10℃以上であるとヒートショック等の耐久性試験での剥がれ等の原因となる。
本発明の偏光板は、本発明のアクリレート系粘着剤により形成された粘着剤層が塗設されていることを特徴するものである。
(偏光板保護膜)
本発明の偏光板は、偏光子の両面に保護膜を有する。該保護膜としては、偏光板に保護膜として通常用いられる保護膜のいずれも使用できる。本発明においては、セルロースアシレートフィルムまたはシクロオレフィン系ポリマーを用いることが好ましい。両側の保護膜は、同一であっても、異なっていてもよい。例えば、偏光子の両側の保護膜のうち、片側をセルロースアシレートフィルム、もう片側をシクロオレフィン系ポリマーを用いることもできる。また、お互いに異なる組成や異なる光学特性のフィルムを用いることもできる。さらに、セルロースアシレートフィルムやシクロオレフィン系ポリマーフィルムなどの上にポリマー層を設けて保護膜としてもよい。例えば、セルロースアシレートフィルムの上にポリイミド層を設けて保護膜とすることができる。そして、本発明の偏光板は、少なくとも片面(偏光子の片側)の保護膜(1)の表面または保護膜の表面に他の機能層を介して粘着層が設けられる。この場合粘着剤の光弾性係数の選定は、偏光板保護膜の光弾性係数により適宜調整する事が好ましい。特に偏光板の吸収軸が画面の辺に対し45度貼りの場合には、光漏れを低減させるために偏光板保護膜で発生するレタデーションを相殺しなければならないため粘着剤の光弾性係数は偏光板保護膜の光弾性係数に合わせて変更する必要がある。
(セルロースアシレートフィルム)
次に、保護膜として好ましく用いられるセルロースアシレートフィルムについて説明する。
セルロースアシレートフィルムは、特定のセルロースアシレートを原料として用いて形成することができる。光学異方性の発現性を大きくする場合と、小さくする場合で使用するセルロースアシレートを使い分けるとよい。前記セルロースアシレートの原料綿や合成方法は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、7−12頁、発明協会)に詳細に記載されている原料綿や合成方法を採用できる。
(セルロースアシレートフィルムの製造)
前記セルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートフィルムを通常作製する方法であればいずれの方法においても製造することができるが、特にソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することができる。
有機溶媒は、炭素原子数が3乃至12のエーテル、炭素原子数が3乃至12のケトン、炭素原子数が3乃至12のエステルおよび炭素原子数が1乃至6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。炭素原子数が3乃至12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。炭素原子数が3乃至12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3乃至12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1または2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25乃至75モル%であることが好ましく、30乃至70モル%であることがより好ましく、35乃至65モル%であることがさらに好ましく、40乃至60モル%であることが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18乃至35質量%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶媒を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
セルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロースアシレートの量の0.1乃至25質量%であることが好ましく、1乃至20質量%であることがさらに好ましく、3乃至15質量%であることが最も好ましい。
セルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例えば酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、劣化防止剤添加による効果が発現し、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)を抑制する観点から、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1質量%であることが好ましく、0.01乃至0.2質量%であることがさらに好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
(シクロオレフィン系ポリマー)
ノルボルネン系付加(共)重合体は、特開平10−7732号公報、特表2002−504184号公報、US2004229157A1号明細書あるいは国際公開第2004/070463A1号パンフレット等に開示されているものを用いることができる。ノルボルネン系多環状不飽和化合物同士を付加重合する事によって得られる。また、必要に応じ、ノルボルネン系多環状不飽和化合物と、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;エチリデンノルボルネンのような非共役ジエン;アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの線状ジエン化合物とを付加重合することもできる。このノルボルネン系付加(共)重合体としては、市販品を用いることもできる。具体的には、三井化学(株)よりアペルの商品名で発売されており、ガラス転移温度(Tg)の異なる例えばAPL8008T(Tg70℃)、APL6013T(Tg125℃)あるいはAPL6015T(Tg145℃)などのグレードがある。ポリプラスチック(株)よりTOPAS8007、同6013、同6015などのペレットが発売されている。更に、プロメラス社よりAppear3000が発売されている。
ノルボルネン系重合体水素化物は、特開平1−240517号公報、特開平7−196736号公報、特開昭60−26024号公報、特開昭62−19801号公報、特開2003−1159767号公報あるいは特開2004−309979号等公報に開示されているように、多環状不飽和化合物を付加重合あるいはメタセシス開環重合したのち水素添加することにより作られるものを用いることができる。具体的にはJSR(株)からアートン(Arton)GあるいはアートンFという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor)ZF14、ZF16、ゼオネックス(Zeonex)250あるいはゼオネックス280という商品名で市販されており、これらを使用することができる。
(偏光板)
偏光板は、偏光子およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。セルロースアシレートフィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護膜処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護膜で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
偏光板の単板透過率TT、平行透過率PT、直交透過率CTはUV3100PC(島津製作所社製)を用いた。測定では、380nm〜780nmの範囲で測定し、単板、平行、直交透過率ともに、10回測定の平均値を用いた。偏光板耐久性試験は(1)偏光板のみと(2)偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた、2種類の形態で次のように行った。偏光板のみの測定は、2つの偏光子の間に光学補償膜が挟まれるように組み合わせて直交、同じものを2つ用意し測定した。ガラス貼り付け状態のものはガラスの上に偏光板を光学補償膜がガラス側にくるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作成する。単板透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を単板の透過率とする。偏光性能の好ましい範囲としては単板透過率TT、平行透過率PT、直交透過率CTの順でそれぞれ、40.0≦TT≦45、0、30.0≦PT≦40.0、CT≦2.0であり、より好ましい範囲としては41.0≦TT≦44.5、34≦PT≦39.0、CT≦1.3(単位はいずれも%)である。また偏光板耐久性試験ではその変化量はより小さいほうが好ましい。
また、本発明の偏光板は、60℃95%RHに500時間静置させたときの直交単板透過率の変化量ΔCT(%)、偏光度変化量ΔPが下記式(j)、(k)の少なくとも1つ以上を満たしている。
(j)−6.0≦ΔCT≦6.0
(k)−10.0≦ΔP≦0.0
ここで、変化量とは試験後測定値から試験前測定値を差し引いた値である。
この要件を満たすことによって偏光板の使用中あるいは保管中の安定性が確保される。
(光学補償)
保護フィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
(ポリマーフィルムからなる光学異方性層)
光学異方性層はポリマーフィルムから形成してもよい。ポリマーフィルムは、光学異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルおよびセルロースエステル(例、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート)、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド又はポリエステルイミドが含まれる。具体的には、特開2004-4474号公報、特開昭61-162512号公報に記載のポリアミド、ポリイミドを使うことがえきる。また、これらのポリマーの共重合体あるいはポリマー混合物を用いてもよい。
ポリマーフィルムの光学異方性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸または二軸延伸であることが好ましい。具体的には、2つ以上のロールの周速差を利用した縦一軸延伸、またはポリマーフィルムの両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸、これらを組み合わせての二軸延伸が好ましい。なお、二枚以上のポリマーフィルムを用いて、二枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ポリマーフィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜100μmであることが最も好ましい。具体的には例えば特願2005-302992に記載の方法を用いることが出来る。
Reλレターデーション値、Rthλレターデーション値が、それぞれ、以下の数式(2)、(3)を満たすことが、液晶表示装置、特にVAモード液晶表示装置の視野角を広くするために好ましい。また特にセルロースアシレートフィルムが、偏光板の液晶セル側の保護膜に用いられる場合に好ましい。
数式(2):0nm≦Re590≦200nm
数式(3):0nm≦Rth590≦400nm
[式中、Re590、Rth590は、波長λ=590nmにおける値(単位:nm)である。]
また、セルロースアシレートフィルムの光学異方性の影響を小さくしたい場合は、液晶セル側に配置される保護膜(セルロースアシレートフィルム)のRe(λ)及びRth(λ)が、数式(8)〜(11)を満たすことが好ましい。
数式(8):0≦Re590≦10
数式(9):|Rth590|≦25
数式(10):|Re400−Re700|≦10
数式(11):|Rth400−Rth700|≦35
[式中、Re590、Rth590は、波長λ=590nmにおける値、Re400、Rth400は、波長λ=400nmにおける値、Re700、Rth700は、波長λ=700nmにおける値(いずれも単位:nm)である。]
セルロースアシレートフィルムをVAモードに使用する場合、セルの両側に1枚ずつ合計2枚使用する形態(2枚型)と、セルの上下のいずれか一方の側にのみ使用する形態(1枚型)の2通りがある。2枚型の場合、Re590は20〜100nmが好ましく、30〜70nmがさらに好ましい。Rth590については70〜300nmが好ましく、100〜200nmがさらに好ましい。1枚型の場合、Re590は30〜150nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。Rth590については100〜300nmが好ましく、150〜250nmがさらに好ましい。
また、光学異方性層を形成するポリマーフィルムとして、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドポリエステルイミド、およびポリアリールエーテルケトン、からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマー材料を用い、これを溶媒に溶解した溶液を基材に塗布し、溶媒を乾燥させてフィルム化する方法も好ましく用いることができる。この際、上記ポリマーフィルムと基材とを延伸して光学異方性を発現させて光学異方性層として用いる手法も好ましく用いることができる。また、上記ポリマーフィルムを別の基材の上で作製しておき、ポリマーフィルムを基材から剥離させたのちにフィルムと貼合し、あわせて光学異方性層として用いることも好ましい。この手法ではポリマーフィルムの厚さを薄くすることができ、50μm以下であることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
(光学異方性層(円盤状化合物))
さらに、保護フィルムは、高分子フィルム上に光学異方性層を設けたものであっても良い。光学異方性層は、透明なポリマーフィルム上に配向層と光学異方性層をこの順に有したものが好ましい。配向層は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成のような手段で設けることができる。さらに電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により配向機能が生じる配向層も知られているが、ポリマーのラビング処理により形成する配向層が特に好ましい。ラビング処理はポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより好ましく実施される。配向層に使用するポリマーの種類は、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等を好ましく使用することができる。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
光学異方性層は液晶性化合物を含有していることが好ましい。液晶性化合物はディスコティック化合物(ディスコティック液晶)を有していることが特に好ましい。ディスコティック液晶分子は、D−1のトリフェ・BR>Jレン誘導体ように円盤状のコア部を有し、そこから放射状に側鎖が伸びた構造を有している。また一旦配向させた状態を固定化するため、熱、光等で反応する基をさらに導入することも好ましく行われる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載されている。
Figure 2008144126
ディスコティック液晶分子は、配向層付近ではラビング方向にプレチルト角を持ってほぼフィルム平面に平行に配向しており、反対の空気面側ではディスコティック液晶分子が面に垂直に近い形で立って配向している。配向層付近および空気界面近傍のディスコティック液晶分子の傾斜角度は、ディスコティック液晶材料の種類、配向層材料の種類、ラビング条件、添加剤の使用により制御することができる。ディスコティック液晶層全体としては、ハイブリッド配向を取っており、この層構造によって保護フィルムを使用した液晶表示装置の視野角拡大を実現することができる。
上記光学異方性層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向層上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱した後、UV光の照射等により重合させ、さらに冷却することにより得られる。ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度としては、70〜300℃が好ましく、特に70〜170℃が好ましい。
また、上記光学異方性層に添加するディスコティック化合物以外の化合物としては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物に好ましい傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)、含フッ素トリアジン化合物等の空気界面側の配向制御用添加剤が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレート等のポリマーを挙げることができる。これらの化合物は、ディスコティック化合物に対して一般に0.1〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%の添加量にて使用される。
光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
また、光学異方性層は、非液晶性化合物を溶媒中に溶解させ、支持体上に塗布し、加熱乾燥させて作製した非液晶性ポリマー層でも良い。この場合、非液晶性化合物は例えば、耐熱性、耐薬品性、透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーを用いることができる。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリアリールエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性、高延伸性であることから、ポリイミドが好ましい。また、支持体としては、TACフィルムが好ましい。
また、非液晶層と支持体の積層体を、1.05倍以上1.50倍以下にテンター横軸延伸し、支持体側を偏光子に貼合することも好ましい。
さらには、光学異方性層は、選択反射の波長域が350nm以下であるコレステリック液晶の配向固化層であっても良い。コレステリック液晶としては、例えば特開平3−67219号公報や特開平3−140921号公報、特開平5−61039号公報や特開平6−186534号公報、特開平9−133810号公報などに記載された、前記の選択反射特性を示す適宜なものを用いうる。配向固化層の安定性等の点より好ましく用いうるものは、例えばコレステリック液晶ポリマーやカイラル剤配合のネマチック液晶ポリマー、光や熱等による重合処理で斯かる液晶ポリマーを形成する化合物などからなるコレステリック液晶層を形成しうるものである。
この場合の光学異方性層は、例えば支持基材上にコレステリック液晶をコーティングする方法などにより形成することができる。その場合、位相差の制御等を目的に必要に応じて、同種又は異種のコレステリック液晶を重ね塗りする方式なども採ることができる。コーティング処理には、例えばグラビア方式やダイ方式、ディッピング方式などの適宜な方式を採ることができる。前記の支持基材にはTACフイルム、又はその他のポリマーフィルムなどの適宜なものを用いうる。
前記において光学異方性層の形成に際しては、液晶を配向させるための手段が採られる。その配向手段については特に限定はなく、液晶化合物を配向させうる適宜な手段を採ることができる。ちなみにその例としては、配向膜上に液晶をコーティングして配向させる方式があげられる。またその配向膜としては、ポリマー等の有機化合物からなるラビング処理膜や無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、あるいはω−トリコサン酸やジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチルの如き有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB膜を累積させた膜などがあげられる。さらに光の照射で配向機能が生じる配向膜などもあげられる。一方、延伸フィルム上に液晶をコーティングして配向させる方式(特開平3−9325号公報)、電場や磁場等の印加下に液晶を配向させる方式などもなどもあげられる。なお液晶の配向状態は、可及的に均一であることが好ましく、またその配向状態で固定された固化層であることが好ましい。
(液晶表示装置)
偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができる。
液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。更に、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード又はECBモードであることが好ましい。VAモード、IPSモードでは偏光板の透過軸が裏表で直交しかつ表示画面の辺に対し0または90度方向に貼合されている事が一般的であり好ましい。
本発明の液晶表示装置は、偏光板を二枚有し、該二枚の偏光板の透過軸が互いに直交している画像表示装置において、前記二枚の偏光板のうち少なくとも一方が本発明の偏光板であることを特徴するものである。なお、前記二枚の偏光板のうち両方が本発明の偏光板であることが好ましい。本発明の液晶表示おいて、上記本発明のアクリレート系粘着剤組成物を用いて、面内の光弾性係数を−400〜+800(×10-12Pa-1)とすることで15インチ以上の大型の表示装置であっても十分に光漏れを低減できる。本発明の液晶表示装置において、前記偏光板の透過軸が表示画面の辺に対し、45度方向となるように、前記偏光板が貼合されており(図1(a)参照。図中、実線の矢印はフロント偏光板の吸収軸方向を、点線の矢印はリア偏光板の吸収軸方向を示す。)、本発明の粘着剤を用い形成された粘着層の面内の光弾性係数が+250〜+800(×10-12Pa-1)であるものが好ましく、+300〜+600(×10-12Pa-1)であることがより好ましい。当該液晶表示装置の液晶セルの表示モードとしては、TNモードを好適に挙げることができる。なお、粘着層の光弾性係数を当該範囲とすることができれば、本発明のアクリレート系粘着剤組成物を用い形成された粘着剤層でなくても、同様の光漏れを抑制する効果を得ることができる。
また、本発明の液晶表示装置において、前記偏光板の透過軸が表示画面の辺に対し、0度または90度方向となるように(図1(b)参照。図中、実線の矢印はフロント偏光板の吸収軸方向を、点線の矢印はリア偏光板の吸収軸方向を示す。)、前記偏光板が貼合されており、本発明の粘着剤を用い形成された粘着層の面内の光弾性係数が−400〜+250(×10-12Pa-1)であるものも好ましく、−200〜+100(×10-12Pa-1)であることがより好ましく、−100〜+50(×10-12Pa-1)であることが更に好ましい。当該液晶表示装置の液晶セルの表示モードとしては、IPSモードまたはVAモードを好適に挙げることができる。なお、粘着層の光弾性係数を当該範囲とすることができれば、本発明のアクリレート系粘着剤組成物を用い形成された粘着剤層でなくても、同様の光漏れを抑制する効果を得ることができる。
なお、上記好適な光弾性係数は、400〜700nmの波長にて満たされている事が好ましく、630nmにおける光弾性係数を目安とすることができる。また、該光弾性係数は粘着剤の厚み方向の光弾性係数(Cth)に関しては−800〜+800(×10-12Pa-1)である事が好ましい。なお、当該好適な光弾性係数は、400〜700nmの波長にて満たされている事が好ましく、630nmにおける光弾性係数を目安とすることができる。
本発明の偏光板をパネルに各種モードの液晶セルに貼り合せる際には、本発明の偏光板の中心点と液晶セルの中心点との、前記偏光板面方向の距離が0〜10mmで貼合することが好ましく、0〜5mmで貼合することがより好ましい。なお、ここで、偏光板の中心点とは、図2に示すように、偏光板の対角線を二本引いた際に、対角線が交差した点を意味し、液晶セルの中心点とは、同様に、液晶セルの対角線を二本引いた際に、対角線が交差した点を意味する。この様にする事で、セルおよび偏光板にかかる歪みを均等に分散できるようになり本粘着剤のムラ改良効果がより顕著に出る。偏光板面方向の距離とは、図2に示すように、偏光板の厚み方向の距離を考慮せずに、偏光板面方向の成分のみを考慮した距離である。なお、図2において、直線はセルの形状および対角線を示し、太破線は偏光板の形状および対角線を示す。
また、本発明の偏光板の各4辺部と、該偏光板が貼合された液晶セルを構成するガラスの対応する各4辺部との、前記偏光板面方向の距離が0.0〜5.0mmであることが好ましい。ここで、偏光板の辺と、対応するガラスの辺とは、図2に示すように、距離の一番近い辺を意味する。ここで、4辺すべての距離(a,b,c,d)が、0.0〜5.0mmであることが好ましく、0〜2.0mmであることがより好ましい。当該範囲とすることにより、各部材の応力により発生するレタデーションが打ち消しあい本粘着剤のムラ改良効果がより顕著に出る。なお、前記偏光板面方向の距離とは、前述と同様の意味である。
以下の手順に従い、本発明に係るアクリレート系ポリマーを調整した。
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸3部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3部を酢酸エチルと共に加えて固形分濃度30%とし窒素ガス気流下、60℃で4時間反応させ、アクリレート系重合体(A1)溶液を得た。また、A1と同様の操作にて、下記表1に示すアクリレート系ポリマー(A2〜A8)を調整した。また、得られたアクリレート系ポリマーの固有複屈折は以下の方法により測定した。測定結果を表1に併せて示す。
(アクリレート系ポリマーの固有複屈折の測定)
それぞれの単独膜を作成し、それぞれの膜に25℃60%で延伸力(アクリル酸の場合)またはガラス板に挟みせん断(ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2-ヒドロキエチルメタクリレート)を加えたサンプルを用い、クロスニコルに設定した偏光顕微鏡で5倍の倍率で観察し、顕微鏡備え付けの鋭敏色板を通して観察し、その色変化より固有複屈折の正負を決定した。
Figure 2008144126
次に得られたアクリレート系ポリマーを、以下の手順に従い、本発明のアクリレート系粘着剤を作製した。
アクリレート系ポリマー固形分100部あたり2部のトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートL)、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1部、を加えシリコーン系剥離剤で表面処理したセパレートフィルムにダイコーターを用いて塗布し150℃で3時間乾燥させ、アクリレート系粘着剤を得た。アクリレート系粘着剤の組成を下記表2に示す。また、架橋剤であるコロネートL(日本ポリウレタン)は、二つ以上の芳香環を持つ架橋剤であり、ALCH-TR(川研)はアルミキレートであり、コロネート1130(日本ポリウレタン)は高分子系架橋剤である。
コロネートL
Figure 2008144126
ゲル分率、固有複屈折および光弾性係数を以下の方法により測定した。表2に併せて示す。
(ゲル分率の測定)
粘着剤バルクを取り出して重量(w1)を測定し、酢酸エチル中に1日放置する。次いで、酢酸エチルに不溶のポリマー(ゲル分)を取り出し、100℃のオーブンで2時間乾燥させ、残った固形分の重量(w2)を測定する。ゲル分率は、次の式で算出する。
ゲル分率(%)=(w2/w1)×100
(LC3の固有複屈折の測定)
LC3の場合にはアクリル毛でラビングしたPVA上に配向させたサンプルをクロスニコルに設定した偏光顕微鏡で5倍の倍率で観察し、顕微鏡備え付けの鋭敏色板を通して観察し、その色変化より固有複屈折の正負を決定した。
(光弾性係数の測定)
25℃60%の環境温湿度において日本分光製エリプソメーターM-220を用い厚み0.5μm、2cm角の粘着剤サンプルに両端部より0〜10Nの範囲で引っ張り力をかけることにより波長630nmにおいて測定した。サンプルが変形により荷重面積が変化した場合には変形量をメジャーで測定し面積の補正を行い正確な応力を算出した。
Figure 2008144126
以下の手順に従い、本発明の液晶表示装置(評価用TV)を作製した。
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、沃化カリウム2質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し、50℃で4倍に延伸し、偏光子を作製した。また、偏光板保護フィルムには、市販のWVフィルム(富士フイルム(株)製)、WVBZ438フィルム(富士フイルム(株)製)、Z−TACフィルム(富士フイルム(株)製)、TD80(富士フイルム(株)製)、TF80(富士フイルム(株)製)を使用した。
VAモードについてはLC−26GD3(シャープ(株)製)、IPSモードについては32LC100(東芝(株)製)、TNモードについてはMRT−191S(三菱電機(株)製)を購入し、それぞれの偏光板を剥離し評価用TVとした。
(VAモード評価用偏光板の作製)
TD80を、濃度1.5モル/Lで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、濃度0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。TF80についても同様の処理を行った。得られた鹸化処理を行ったタックフィルムを、偏光子を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合せ光学フィルムを作製した。次いで、粘着剤を光学フィルムの表面に、TD80/偏光子/TF80/粘着剤/セパレーターの順になるよう粘着剤層を貼合した後25℃、60%RHで7日間熟成させ偏光板を作製した。得られた偏光板をフロント偏光板として用いた。リア偏光板は、TF80をWVBZ438に変更したこと以外は、フロント偏光板と同様にして偏光板を作製した。使用した粘着剤を下記表3に示す。
(IPSモード評価用偏光板の作製)
フロント偏光板の作製は、TF80に代えてZ−TACフィルムを使用したこと以外はVAモードと同様にして行い、リア偏光板の作製は、WVBZ438に代えてZ−TACフィルムを使用したこと以外はVAモードのと同様にして行った。
(TNモード評価用偏光板の作製)
フロント偏光板の作製は、TF80に代えてWVフィルムを使用したこと以外はVAモードと同様にして行い、リア偏光板の作製は、WVBZ438に代えてWVフィルムを使用したこと以外はVAモードのと同様にして行った。
得られた評価用偏光板を用い、以下の方法により、光漏れの評価を行った。
作製した偏光板をそれぞれの画面サイズにカットし、パネル周辺に対して偏光板の透過軸がTNモードについてはフロントが45°、リアが135°、VAモードとIPSモードについてはフロントが0°、リアが90°となるように、偏光板の吸収軸が裏表で直交するようパネルの両面に貼り付け、50℃ 、0.5MPaの圧力で30分間オートクレーブ処理を行った。表3には偏光板貼り付け位置をパネル周辺4辺(a,b,c,d:図2と同義)よりの距離および中心ズレ位置を示した。その後、80℃dryまたは60℃90%RHにて、1000時間処理評価用サンプルを得た。サンプルを25℃60%に24時間保管した後、周辺の光漏れの有無を目視にて観察評価した。評価基準を以下に示す。また、湿熱処理後の偏光板の剥がれ状態を観察した。得られた結果を下記表3に示す。なお、湿熱処理前の光漏れはどのサンプルも問題なく評価は「5」のレベルであった。
(評価基準)
5:光漏れの発生が認められなかった場合
4:光漏れの発生がわずかに認められるが実用上問題のない場合
3:光漏れの発生が弱く認められるが実用上問題のない場合
2:光漏れの発生が強く認められるが実用上問題のない場合
1:実用上問題のあるレベルで光漏れの発生が認められた場合
Figure 2008144126
上記表3より、通常のアクリレート系粘着剤に単純に正の固有複屈折を有する化合物を添加したのみでは、光漏れは抑制されるが偏光板剥がれが生じるのに対し、正の固有複屈折を有する架橋剤により、光弾性係数を調整したものは、そのような問題が発生しない事が分かる。また、0/90度貼りでは光弾性係数が−400〜+250(×10-12Pa-1)であること好ましく、さらに−100〜+50(×10-12Pa-1)であると効果が高いことが分かる。それに対し、45度貼りでは、+250〜+800(×10-12Pa-1)であるものが好ましく、さらに+300〜+600(×10-12Pa-1)であると効果が高いことが分かった。粘着剤10と粘着剤14の比較より、コロネートLの様にフェニル基が共役せずに存在するより、ナフタレンの様に共役し芳香族性が高いほど添加量が少なく光弾性係数を上昇させる効果も高い事が分かる。さらに、パネルに対する貼り合せ位置が中心部であり、5mm以上の間隔を明けない事が有効である事が分かる。
本発明の偏光板の吸収軸方向を示す概略図である。 本発明の偏光板と液晶セルの中心点と面方向の距離を示す概略図である。

Claims (19)

  1. アクリレート系高分子を少なくとも一種、および正の固有複屈折を有する架橋剤を少なくとも一種含有する粘着剤であって、前記正の固有複屈折を有する架橋剤が、前記アクリレート系高分子に対し、2〜30質量%含まれていることを特徴するアクリレート系粘着剤。
  2. 前記架橋剤が芳香環を2つ以上持つ請求項1に記載のアクリレート系粘着剤。
  3. 前記架橋剤がベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル構造を有する請求項1に記載のアクリレート系粘着剤。
  4. 前記架橋剤が高分子である請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  5. 前記アクリレート系高分子の少なくとも一種が、架橋部位を有するモノマーを含有する組成物から形成され、該組成物中、該架橋部位を有するモノマーが、モノマー全体に対して、0.1〜5質量%含有する請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  6. 前記アクリレート系高分子が少なくとも二種以上であり、少なくとも一種が架橋部位を有するアクリレート系高分子、少なくとも一種が架橋部位を有さないアクリレート系高分子であり、該架橋部位を有しないアクリレート系高分子の総量が、アクリレート系高分子総量に対し、1〜30質量%含まれる請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  7. 更に、正の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有する請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  8. 更に、負の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有する請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  9. 前記アクリレート系高分子の少なくとも一種が、単独で正の固有複屈折を有するモノマーを少なくとも一種と、単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマーを少なくとも一種と、架橋部位を有するモノマーを少なくとも一種と、を含有する組成物から形成されている請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  10. 前記単独で正の固有複屈折を有するモノマーが、芳香環を少なくとも1つ有する請求項9に記載のアクリレート系粘着剤。
  11. ゲル分の割合が70〜90%である請求項1〜10のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤。
  12. 請求項1〜11のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤により形成された粘着剤層が塗設されていることを特徴する偏光板。
  13. 偏光板を二枚有し、該二枚の偏光板の透過軸が互いに直行している画像表示装置において、前記二枚の偏光板のうち少なくとも一方が請求項12に記載の偏光板であることを特徴する液晶表示装置。
  14. 前記偏光板の透過軸が表示画面の辺に対し、45度方向となるように、前記偏光板が貼合されており、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤を用い形成された粘着剤層の面内の光弾性係数が+250〜+800(×10-12Pa-1)である請求項13に記載の液晶表示装置。
  15. 液晶セルの表示モードが、TNモードである請求項14に記載の液晶表示装置。
  16. 前記偏光板の透過軸が表示画面の辺に対し、0度または90度方向となるように、前記偏光板が貼合されており、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載のアクリレート系粘着剤を用い形成された粘着剤層の面内の光弾性係数が−400〜+250(×10-12Pa-1)である請求項13に記載の液晶表示装置。
  17. 液晶セルの表示モードが、IPSモードまたはVAモードである請求項16に記載の液晶表示装置。
  18. 請求項12に記載の偏光板の中心点と液晶セルの中心点との、前記偏光板面方向の距離が0〜10mmで貼合された請求項13〜17のうちいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  19. 請求項12に記載の偏光板の各4辺部と、該偏光板が貼合された液晶セルを構成するガラスの対応する各4辺部との、前記偏光板面方向の距離が0.0〜5.0mmである請求項13〜18のうちいずれか一項に記載の液晶表示装置。
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