JP2009098665A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏光子と、光学補償フィルムと、23℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上である粘着剤とを積層してなる偏光板において、前記偏光子は、前記偏光板の辺に対して45°で交差する偏光軸を有し、TNモード及びOCBモードのいずれかの液晶表示装置に用いられることを特徴とする偏光板等である。
【選択図】図1
Description
しかしながら、表示性能(視野角)を維持すること、及び耐久性能(光漏れの環境経時劣化の抑制性能)を向上させることを両立することは困難であった。
さらに、TNモードやOCBモードの液晶表示装置に用いられる偏光板は、通常、片側のみに光学異方性層を有するため、偏光板が非対称となってカール(反り)等が発生しやすいという問題があった。
即ち、本発明は、表示性能(視野角及び対称性)を維持すること、及び耐久性能(光漏れ及び偏光板剥がれの環境経時劣化の抑制性能)を向上させることを両立する偏光板及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
<1> 偏光子と、光学補償フィルムと、23℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上である粘着剤とを積層してなる偏光板において、前記偏光子は、前記偏光板の辺に対して45°で交差する偏光軸を有し、TNモード及びOCBモードのいずれかの液晶表示装置に用いられることを特徴とする偏光板である。
<2> 光学補償フィルムが、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する前記<1>に記載の偏光板である。
<3> 光学異方性層の膜厚が1μm以下である前記<2>に記載の偏光板である。
<4> 光学異方性層の屈折率異方性Δnが0.1以上である前記<2>から<3>のいずれかに記載の偏光板である。
<5> 偏光子と、光学補償フィルムと、23℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上である粘着剤とを積層してなる偏光板において、前記偏光子は、前記偏光板の辺に対して平行である偏光軸を有し、VAモード及びIPSモードのいずれかの液晶表示装置に用いられることを特徴とする偏光板である。
<6> 光学補償フィルムの膜厚が10μm〜90μmであることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載の偏光板である。
<7> 光学補償フィルムの光弾性係数が13×10−13cm2/dyn以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の偏光板である。
<8> 光学補償フィルムがセルロースアセテートフィルムを有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の偏光板である。
<9> 粘着剤が、(A) アクリル系共重合体と、(B)
活性エネルギー線硬化型化合物とを含む粘着性材料からなる前記<1>から<8>のいずれかに記載の偏光板である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置である。
<11> TNモードである前記<10>に記載の液晶表示装置である。
<12> OCBモードである前記<10>に記載の液晶表示装置である。
<13> VAモードである前記<10>に記載の液晶表示装置である。
<14> IPSモードである前記<10>に記載の液晶表示装置である。
なお、本実施形態の説明において、「45°」及び「平行」は、基準となる面や、軸、及び方向等の対象に対して、±5°未満の誤差を含む。この誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
本発明の偏光板11、22は、図1に示すように、偏光子30、光学補償フィルム40と、粘着剤50とを、少なくともこの順に積層してなり、必要に応じてその他の層(例えば、保護フィルム60等)を備える。
前記偏光子は、TNモード及びOCBモードのいずれかの液晶表示装置に用いられる場合は、図2に示すように、偏光板11の辺11aに対して45°で交差する偏光軸30aを有し、VAモード及びIPSモードのいずれかの液晶表示装置に用いられる場合は、図3に示すように、偏光板11の辺11aに対して平行(0°)である偏光軸30bを有することが好ましい。
液晶表示装置がTNモード及びOCBモードのいずれかである場合において、偏光板11の辺11aに対して45°で交差する偏光軸30aを有する偏光子を用いることにより搬送方向(MD)に発生しやすいカール(反り)等を抑制し、ハンドリング性を向上すると共に膜剥がれを防止する。
TN・OCBモード用の光学補償フィルムの場合、偏光板の片側の保護フィルムは支持体に光学異方性層を積層した構成となり、その非対称性からカールがおきやすい。カールはフィルム搬送方向(偏光子吸収軸)に平行または垂直方向におきやすく、偏光子吸収軸を偏光板の辺に対して45°にすることでこのカールを緩和する。前記の要因からと考えているが、(特に本発明の粘着剤との組み合わせでは、)、パネルに貼り合わせた形態で、耐久性試験を行うと0°偏光軸品は偏光板剥がれが生じてしまい、45°に偏光軸を持つ偏光板が必要である。
一方、VA、IPSモードは、電圧無印加時に黒表示となるため、光学異方性層を積層した構成が必須でないため、カールによる偏光板剥がれの問題があまりない。表示性能の対象性のためマルチドメイン化が必要であるが(VAは4ドメイン、IPSは2ドメイン)、画素電極のエッジ部での電界の乱れの影響で画素周辺部では配向が乱れる。電圧印加で液晶が傾く方位が画素電極の辺に対して水平方向だと、すなわち偏光板偏光軸が辺に対して45°の場合、前記配向乱れの影響が大きくなるため開口率が下がり透過率が減少してしまうことが分かった。したがって、透過率低下を抑制するため0°方向に偏光軸を持つ偏光板が必要である。
前記偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子から構成することが好ましいが、特開平11−248937に記載されているように、PVAやポリ塩化ビニルを脱水、及び脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子を使用してもよい。
また、PVAの重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,000〜10,000が好ましく、1,500〜5,000がより好ましい。
PVAのシンジオタクティシティーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第2978219号公報に記載されているように、耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号公報に記載されているように、45〜52.5%も好ましく用いることができる。PVAはフィルム化した後、二色性分子を導入して偏光子を構成することが好ましい。
PVAフィルムの製造方法としては、PVA系樹脂を水又は有機溶媒に溶解した原液を流延して成膜する方法が一般に好ましく用いられる。原液中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、通常5〜20質量%であり、この原液を流延法により製膜することによって、膜厚10〜200μmのPVAフィルムを製造できる。
PVAフィルムの製造は、特許第3342516号公報、特開平09−328593号公報、特開2001−302817号公報、及び特開2002−144401号公報に記載の製造方法を参考にして行うことができる。
PVAフィルムの複屈折(△n)は、小さいことが好ましく、特許第3342516号公報に記載されている複屈折が1.0×10−3以下のPVAフィルムを好ましく用いることができる。但し、特開2002−228835号に記載されているように、PVAフィルムの延伸時の切断を回避しながら高偏光度を得るため、PVAフィルムの複屈折を0.02以上0.01以下としてもよいし、特開2002−060505号に記載されているように、(nx+ny)/2−nzの値を0.0003以上0.01以下としてもよい。
PVAフィルムの波長550nmにおける面内レターデーションReは、0nm以上100nm以下が好ましく、0nm以上50nm以下がより好ましい。
また、PVAフィルムの波長550nmにおける(膜)厚さ方向のレターデーションRthは、0nm以上500nm以下が好ましく、0nm以上300nm以下がより好ましい。
この他、本発明の偏光板としては、特許3021494号公報に記載されている1、2−グリコール結合量が1.5モル%以下のPVAフィルム、特開2001−316492号公報に記載されている5μm以上の光学的異物が100cm2当たり500個以下であるPVAフィルム、特開2002−030163号公報に記載されているフィルムのTD方向の熱水切断温度斑が1.5℃以下であるPVAフィルム、更にグリセリンなどの3〜6価の多価アルコ−ルを1〜100質量部あたり、特開平06−289225号公報に記載されている可塑剤を15質量%以上混合した溶液から製膜したPVAフィルムが好ましく用いられる。
二色性分子はI3 −やI5 −などの高次のヨウ素イオン、もしくは二色性染料が好ましく使用される。その中でも、本発明では高次のヨウ素イオンが特に好ましく使用される。高次のヨウ素イオンは、「偏光板の応用」永田良編、CMC出版や工業材料、第28巻、第7号、p39〜p45に記載されているようにヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶解した液及び/もしくはホウ酸水溶液にPVAを浸漬し、PVAに吸着・配向した状態で生成することができる。
二色性分子として二色性染料を用いる場合は、アゾ系色素が好ましく、その中でもビスアゾ系とトリスアゾ系色素がより好ましい。二色性染料は水溶性のものが好ましく、このため二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入され、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として好ましく用いられる。
これ以外にも、C.I.DirectYellow8、C.I.DirectYellow28、C.I.DirectYellow86、C.I.DirectYellow87、C.I.DirectYellow142、C.I.DirectOrange26、C.I.DirectOrange39、C.I.DirectOrange72、C.I.DirectOrange106、C.I.DirectOrange107、C.I.DirectRed2、C.I.DirectRed39、C.I.DirectRed83、C.I.DirectRed89、C.I.DirectRed240、C.I.DirectRed242、C.I.DirectRed247、C.I.DirectViolet48、C.I.DirectViolet51、C.I.DirectViolet98、C.I.DirectBlue15、C.I.DirectBlue67、C.I.DirectBlue71、C.I.DirectBlue98、C.I.DirectBlue168、C.I.DirectBlue202、C.I.DirectBlue236、C.I.DirectBlue249、C.I.DirectBlue270、C.I.DirectGreen59、C.I.DirectGreen85、C.I.DirectBrown44、C.I.DirectBrown106、C.I.DirectBrown195、C.I.DirectBrown210、C.I.DirectBrown223、C.I.DirectBrown224、C.I.DirectBlack1、C.I.DirectBlack17、C.I.DirectBlack19、C.I.DirectBlack54等が、更に特開昭62−70802号公報、特開平1−161202号公報、特開平1−172906号公報、特開平1−172907号公報、特開平1−183602号公報、特開平1−248105号公報、特開平1−265205号公報、及び特開平7−261024号公報に記載の二色性染料等が好ましく使用される。各種の色相を有する二色性分子を製造するため、これらの二色性染料は2種以上を配合してもかまわない。二色性染料を用いる場合、特開2002−082222号公報に記載されているように、吸着厚みが4μm以上であってもよい。
偏光子の好ましい膜厚としては、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。また、特開2002−174727号に記載されているように、偏光子の厚さと後述する保護膜の厚さとの比を、0.01≦A(偏光子膜厚)/B(保護膜膜厚)≦0.8の範囲とすることも好ましい。
本発明は、粘着剤を選定することにより、力学的に光漏れを防止することを目的としているが、更なる光漏れを防止する施策として、光学補償フィルムの光学特性で補填することが望ましい。その観点では、光学補償フィルムが光学異方性層(膜厚1μm以下、屈折率異方性Δn0.1以上)を有することが好ましい。光学補償フィルムの膜厚は10μm〜90μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、20〜65μmであることがさらに好ましい。光学補償フィルムの光弾性係数が13×10−13cm2/dyn以下であること、光学補償フィルムが支持体(例えば、セルロースアセテートフィルム)を有すること等が好ましい。
また、前記光学補償フィルムとしては、保護フィルム(例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム)と、偏光子及び保護フィルムからなる偏光フィルムの片面に塗布されて形成された光学異方性層(例えば、ディスコティック液晶からなる視野角拡大機能層)とを備えたもの、或いは、前記保護フィルムと、前記偏光フィルムの片面に接着剤で貼り合わされた光学補償フィルムとを備えたものなどを挙げることができる。なお、この場合、後述する粘着剤は、前記光学異方性層、又は、前記光学補償フィルム側に設ける。
前記偏光板は、TNモードの液晶表示装置に以下の様にして適用することによって、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。TNモード用の光学補償フィルムとしては、日本印刷学会誌第36巻第3号(1999)p40〜44、月刊ディスプレイ8月号(2002)p20〜24、特開平4−229828、特開平6−75115、特開平6−214116号、特開平8−50206等に記載されたWVフィルム(富士フイルム(株)製)を好ましく組み合わせて使用される。TNモード用の光学補償フィルムの好ましい構成は、透明支持体上に配向層と光学異方性層をこの順に有したものである。光学補償フィルムは粘着剤を介して偏光板と貼合され、用いられてよいが、SID’00Dig.、p551(2000)に記載されているように、前記偏光子の保護膜の一方も兼ねて使用されることが薄手化の観点から特に好ましい。
更に、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により配向機能が生じる配向層も知られているが、ポリマーのラビング処理により形成する配向層が特に好ましい。ラビング処理はポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより好ましく実施される。偏光子の偏光軸(吸収軸)方向とラビング方向は実質的に平行であることが好ましい。配向層に使用するポリマーの種類は、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等を好ましく使用することができる。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることが更に好ましい。
光学異方性層は、液晶性化合物を含有していることが好ましい。本発明に使用される液晶性化合物は円盤状液晶化合物(ディスコティック液晶分子)を有していることが特に好ましい。円盤状液晶化合物特開2006−76992号公報明細書中の段落番号[0052]、特開2007−2220号公報明細書中の段落番号[0040]〜[0063]に記載の化合物が適しており、例えば下記一般式(D−1)で表される化合物が好ましい。
これらは、高い複屈折性を示すので好ましい。下記一般式(D−1)表される化合物の中でも、ディスコティック液晶性を示す化合物が好ましく、特に、ディスコティックネマチック相を示す化合物が好ましい。
上記光学異方性層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向層上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマティック相形成温度まで加熱した後、UV光の照射等により重合させ、更に冷却することにより得られる。本発明に用いるディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度としては、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がより好ましい。
また、上記以外にも光学補償フィルムと本発明の偏光板を組み合わせる場合、例えば、特開平07−198942号に記載されているように板面に対し交差する方向に光軸を有して複屈折に異方性を示す位相差板と積層したり、特開2002−258052号に記載されているように保護膜と光学異方性層の寸法変化率が実質的に同等とすることも好ましく行うことができる。
また、特開2000−258632号に記載されているように光学補償フィルムと貼合される偏光板の水分率を2.4%以下としたり、特開2002−267839号に記載されているように光学補償フィルム表面の水との接触角を70°以下とすることも好ましく行うことができる。
前記偏光板は、以下の様にしてOCBモードの液晶表示装置に適応した際にも、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。
OCBモードは、液晶分子の配向状態から,ベンドモード,パイセルモードと呼ばれることもある。電界無印加時とOFF電界印加時,ON電界印加時で液晶配向状態が大きく変化する。電界印加時に液晶セル内での液晶分子の配向状態が自己相互光学補償の関係にあり,視野角が広い。また他の表示モードに比べて応答速度が速いことが特長である。課題はON状態で黒表示を行うため,光学補償層の配置が必須であることである。
OCBモードの液晶セル用光学補償フィルムは、電界印加により液晶層中央部で垂直配向し、基板界面付近で傾斜配向した液晶層の光学補償を行い、黒表示の視野角特性を改善するために使用される。
前記偏光板をOCBモード液晶セルに用いる場合は、米国特許5805253号に記載されたような円盤状の液晶性化合物をハイブリット配向させた光学補償フィルムと好ましく組み合わせて用いられる。
この際、用いるセルロースアシレート基板の波長550nmにおける正面レターデーション値Re(単位:nm)は10〜100nmの範囲が好ましく、20〜70nmがより好ましい。また、波長550nmにおける膜厚方向のレターデーション値Rth(単位:nm)は、50〜300nmの範囲が好ましく、100〜250nmがより好ましい。また、保護フィルム上に設ける光学異方性層の波長550nmにおけるReは、10〜100nmが好ましく、20〜70nmがより好ましく、25〜40nmが更に好ましい。
<<VAモード>>
前記偏光板は、以下のようにしてVAモードの液晶表示装置に適応した際、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。
VAモードの液晶セル用光学補償フィルムは、電界無印加状態で液晶分子が基板面に対して垂直配向した状態の黒表示の視野角特性を改善する。
このような光学補償フィルムとしては、面内の位相差が0に近く、かつ厚さ方向に位相差を有するシートが適する(特許番号第2866372号公報)。液晶分子は、棒状で垂直配向しており、光学的に補償するには円盤状の化合物が基板に平行に配列しているとよい。同じ面内レターデーション値を有する延伸フィルムを遅相軸が直交になるように積層配置したり、円盤状の液晶性化合物を塗布形成したりする例がある。更に偏光板の斜め方向の直交透過率悪化を防止するために液晶分子のような棒状化合物からなるシートを積層する例もある。
そして、偏光板は、上記保護フィルムを偏光子の少なくとも片面側に積層したものとして構成される。このようにして得られた偏光板が、VA(Virtical Alignment)型液晶セルの一面側又は両面側に設けられることによりVA型液晶表示装置が得られる。
また、波長550nmにおける厚み方向レターデーション値Rth(単位:nm)は、50〜250nmであることが好ましく、80〜170nmであることがより好ましい。
波長550nmにおける厚み方向レターデーション値(Rth値)が上記の範囲である光学用フィルムを保護フィルムとして用いた偏光板を使用とすることでVA型液晶表示装置での良好な視角特性を得ることができる。
また、上記の光学異方性を有する保護フィルムの他に、上記偏光板と液晶セルの間に、任意の位相差フィルムを用いることができる。特に限定されないが、延伸されたノルボルネン系樹脂フィルムやポリカーボネート系樹脂フィルム、又は、ポリアミド、ポリエステル、等の樹脂フィルムから形成された位相差フィルムを用いることができる。
上記の組み合わせは特に限定されるものではないが、保護フィルムのみで光学異方性を実現する際の、良好な視野角特性を得るための代表的な組み合わせとしては、保護フィルムとして、厚みが40〜100μmで、アシル置換度SA+SBが2.30≦SA+SB<2.80、0≦SB≦1.00のセルロースアシレートフィルムを上述の方法により10〜35%延伸し、所望の光学特性をもったセルロースアシレートからなる位相差板を有する偏光板を作製し、VAモードの液晶セルの少なくとも一方の側に粘着剤を介して貼り合わせる方法が挙げられる。なかでも、アシル置換度SA+SBが2.30≦SA+SB<2.60、0.50<SB<0.80のセルロースアシレートフィルムを延伸した保護フィルムを有する偏光板を、セルの両面に貼り合わせる方法、アシル置換度SA+SBが2.30≦SA+SB<3.00、SB=0のセルロースアシレートフィルムを延伸した保護フィルムを有する偏光板をセルのバックライト側に用いて補償する方法などがある。
前記偏光板は以下の様にしてIPSモードの液晶表示装置に適応した際、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い液晶表示装置を提供することができる。
IPSモード液晶セル用光学補償フィルムは、電界無印状態の黒表示時において、基板面に平行配向した液晶分子の光学補償及び偏光板の直交透過率の視野角特性向上に用いる。
IPSモードは、電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の透過軸は直交している。
しかし、斜めから観察した場合は、透過軸の交差角が90°ではなくなり、漏れ光が生じてコントラストが低下する。
前記偏光板をIPSモード液晶セルに用いる場合は、漏れ光を低下するため特開平10−54982号公報に記載されているような面内の位相差が0に近く、かつ厚さ方向に位相差を有する光学補償フィルムと好ましく組み合わせて用いられる。
例えば、波長550nmにおけるReが0〜100nm、波長550nmにおけるRthが0〜200nmの範囲にあるセルロースアシレートフィルムを保護フィルムとして有する偏光板と、波長550nmにおけるReが50〜300nm、波長550nmにおけるRthが0〜200nmの範囲にある位相差板を組み合わせて用いる場合や、波長550nmにおけるReが0〜100nm、波長550nmにおけるRthが0〜200nmの範囲にあるセルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を設けた保護フィルムを有する偏光板を波長550nmにおけるReが50〜300nm、波長550nmにおけるRthが0〜200nmの位相差板と組み合わせて用いる場合等が挙げられる。
上述したような手段により、セルロースアシレートフィルムに膜厚方向に屈折率が最大となるような特性を持たせることによって保護フィルムとして用いることができる。
このような膜厚方向に屈折率最大となるフィルムの好ましい光学特性は、組み合わせる位相差フィルムの特性にもよるが、以下の特性のものが好適に用いられる。例えば、波長550nmにおけるReは0〜50nmが好ましく、0〜10nmがより好ましい。一方、波長550nmにおけるRthは−20〜−300nmが好ましく、−80〜―160nmがより好ましい。
また、これらの偏光板は、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、又はこれらの樹脂上に液晶性化合物を塗設した位相差フィルム等と組み合わせて用いることもできる。
具体的な例として、セルのバックライト側には、保護フィルムとしてZ−TAC(富士フイルム(株)製)を用いた偏光板を貼り合わせ、視認者側には、保護フィルムとして、2.30≦SA+SB<2.50、0.80<SB<1.00、膜厚が40μmのセルロースアシレートフィルム、もしくは、膜厚方向に最大屈折率を有するセルロースアシレートフィルムを有する偏光板を用い、且つ該偏光板と液晶セルの間に、延伸したノルボルネン系フィルム、又は、ポリカーボネート系フィルムを設ける実施形態が挙げられる。
また、セルのバックライト側には、保護フィルムとして、2.30≦SA+SB<2.50、0.80<SB<1.00、膜厚が40μmのセルロースアシレートフィルムを有する偏光板と液晶セルの間に、厚み80〜100μmのノルボルネン系フィルムを延伸し、波長550nmにおけるReが100〜250nm、波長550nmにおけるRthが50〜150nmを有する位相差板を設け、視認者側には、保護フィルムとして、2.30≦SA+SB<2.50、0.80<SB<1.00、膜厚が40μmのセルロースアシレートフィルムを有する偏光板と液晶セルの間に、厚みが50〜100μmで波長550nmにおけるReが200〜300nm、波長550nmにおけるRthが0〜50nmの範囲にある延伸されたポリカーボネート系位相差板を設ける補償方式等がある。
前記粘着剤は、前記光学補償フィルムを有する偏光板に、又は偏光板に位相差板が積層される場合に好適に適用され、該偏光板を液晶セル又は位相差板に耐久性よく接着し得ると共に、得られた液晶表示装置が、高温高湿環境下でも光漏れが生じにくいなどの特性を有するものである。
なお、前記貯蔵弾性率(G’)は、下記の方法で測定した値である。
<<貯蔵弾性率(G’)の測定方法>>
貯蔵弾性率(G’)は、厚さ30μmの粘着剤を積層し、8mmφ×3mm厚の円柱状の試験片を作製し、ねじり剪断法により、下記の条件で測定する。
測定装置:レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDAII」
周波数 :1Hz
温度 :23℃、80℃
また、前記粘着剤は、無アルカリガラスに対する粘着力が、0.2N/25mm以上であることが好ましい。この粘着力が0.2N/25mm以上であれば、偏光板を十分な粘着力でもって、例えば液晶ガラスセルに貼合することができる。より好ましい粘着力は1.0〜30N/25mmである。
また、ポリカーボネートに対する粘着力が、5N/25mm以上であることが好ましい。この粘着力が5N/25mm以上であれば、偏光板を十分な粘着力でもって、例えば位相差板に貼合することができる。より好ましい粘着力は10〜50N/25mmである。なお、上記粘着力の測定方法については、以下詳述する。
<<<粘着力(無アルカリガラス又はポリカーボネートとの粘着力)>>>
粘着剤付き偏光板から、25mm幅、100mm長のサンプルを切り出し、剥離シートを剥がして(粘着剤層の厚さ25μm)、無アルカリガラス[コーニング社製「1737」]又はポリカーボネートに貼付したのち、栗原製作所製オートクレーブにて、0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧する。その後、23℃、50%RH環境下で24時間放置したのち、引張試験機(オリエンテック社製テンシロン)を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度180°の条件で粘着力を測定する。
当該粘着性材料における(A)成分のアクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を挙げることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、各種架橋方法によって架橋が可能な架橋点を有するものが用いられる。このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては特に制限はなく、従来粘着剤の樹脂成分として慣用されている(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の中から、任意のものを適宣選択して用いることができる。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明においては、この(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この分子量1,000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの2官能型;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどの3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能型などが挙げられる。
また、(B)成分として活性エネルギー線硬化型のアクリレート系オリゴマーを用いることができる。このアクリレート系オリゴマーは重量平均分子量50,000以下のものが好ましい。このようなアクリレート系オリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。
上記アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の値で、50,000以下が好ましく、より好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲で選定される。
これらのアクリレート系オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、(B)成分として、前記の多官能アクリレート系モノマー、アクリレート系オリゴマー及びアダクトアクリレート系ポリマーの中から、適宜1種を選び用いてもよく、2種以上を選び併用してもよい。
本発明においては、前記(A)成分のアクリル系共重合体と、(B)成分の活性エネルギー線硬化型化合物の含有割合は、得られる粘着剤の性能の面から、質量比で、100:1〜100:100が好ましく、より好ましくは100:5〜100:50、さらに好ましくは100:10〜100:40の範囲である。
なお、本発明の粘着剤が、上記(A)成分及び(B)成分を含有する場合は、活性エネルギー線を照射した後の貯蔵弾性率(G’)が、前記条件を満足するものである。すなわち、23℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上であり、さらに80℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上であることが好ましい。
ここで、ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、前記(A)成分のアクリル系共重合体100質量部に対し、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部である。
前記シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の偏光板用粘着剤は、このようにして得られた前記粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなるものである。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、粘着剤を形成することができる。
当該粘着性材料に対する活性エネルギー線の照射量としては、前述の貯蔵弾性率、無アルカリガラス及びポリカーボネートに対する粘着力を有する架橋化粘着剤が得られるように、適宜選定されるが、紫外線の場合は照度50〜1000mW/cm2、光量50〜1
000mJ/cm2、電子線の場合は10〜1000kradの範囲が好ましい。
また、偏光板と液晶ガラスセルの間に位相差板がある場合にも、前記粘着剤は好適に使用し得る。すなわち、偏光板と位相差板を前記粘着剤で貼合して光学フィルムを製造し、該光学フィルムの位相差板と液晶ガラスセルを粘着剤で貼合するものである。ここで位相差板と液晶ガラスセルを貼合する粘着剤としては特に限定されず、通常偏光板と液晶ガラスセルの貼合に用いられる粘着剤を使用することができる。具体的には、特開平11−131033に開示されるアクリル系共重合体、架橋剤及びシランカップリング剤からなる粘着性材料などが挙げられる。なお、偏光板と液晶ガラスセルの貼合に、前記粘着剤を用いることもできる。
前記粘着剤はゲル分率が85%以上であることが好ましい。すなわち、有機溶媒にて抽出される程度の低分子量成分が少ない場合は、加熱下や温熱下の環境で浮きや剥がれ、被着体への汚染が少なく、ゲル分率が85%以上である粘着性材料は耐久性や安定性が高い。ゲル分率はさらに90〜99.9%であることが好ましい。
前記粘着剤を用いて、前記のようにして液晶ガラスセル又は位相差板に偏光板を接着させることにより作製した液晶表示装置は、高温高湿環境下でも光漏れが生じにくい上、偏光板と液晶ガラスセルとの接着耐久性に優れている。
偏光板、光学補償フィルム、及び粘着剤層層間には、必要に応じてその他の層が形成されていてもよい。例えば、保護フィルム、位相差板などが挙げられる。
次に、本発明の偏光板が使用される液晶表示装置について説明する。
図4は、本発明の偏光板が使用される液晶表示装置の一例である。
偏光板は、偏光子と、光学補償フィルムと、粘着剤とが積層されたものであるが、図4中では一体化された偏光板として示し、詳細構造は省略する。
液晶セルは、上側基板15及び下側基板18と、これらに挟持される液晶分子17から形成される液晶層からなる。液晶セルは、ON・OFF表示を行う液晶分子の配向状態の違いで、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)のような表示モードに分類されるが、本発明の偏光板は透過及び反射型によらず、いずれの表示モードにも使用できる。
基板15及び18の液晶分子17に接触する表面(以下、「内面」という場合がある)には、配向膜(不図示)が形成されていて、配向膜上に施されたラビング処理等により、電界無印加状態もしくは低印加状態における液晶分子17の配向が制御されている。また、基板15及び18の内面には、液晶分子17からなる液晶層に電界を印加可能な透明電極(不図示)が形成されている。
なお、ツイスト角は、ノートパソコンやパソコンモニタ、テレビ用の液晶表示装置の場合は90°近傍(85から95°)に、携帯電話などの反射型表示装置として使用する場合は0から70°に設定する。またIPSモードでは、ツイスト角が0°となる。IPSモードでは電極が下側基板18のみに配置され、基板面に平行な電界が印加される。また、OCBモードでは、ツイスト角がなく、チルト角を大きくされ、VAモードでは液晶分子17が上下基板に垂直に配向する。
上側偏光板11の吸収軸(偏光子の偏光軸)12と下側偏光板22の吸収軸(偏光軸の偏光軸)23の交差角は一般に概略直交に積層することで高コントラストが得られる。
液晶セルの上側偏光板11の吸収軸(偏光子の偏光軸)12と上側基板15のラビング方向の交差角は液晶表示モードによって異なるが、TN、IPSモードでは一般に平行か垂直に設定する。OCBモードでは45°に設定することが多い。ただし、表示色の色調や視野角の調整のために各表示モードで最適値が異なり、この範囲に限定されるわけではない。
前記偏光板が使用される液晶表示装置は、図4の構成に限定されず、他の部材を含んでいてもよい。例えば、液晶セルと偏光子との間にカラーフィルター13、20を配置してもよい。
<偏光板の作製>
<<光学補償フィルムC−1の作製>>
<<<支持体S−1の作製>>>
[セルロースアセテート溶液の調製]
下記表1に示す組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
なお、レターデーション値(Re、Rth)は、王子計測器社製KOBRA−21ADHを用いて測定した。
得られたセルロースアセテートを鹸化処理することにより得られた支持体S−1上に、下記に示す組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、更に90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜を作製した。乾燥後の配向膜の厚みは、1.1μmであった。なお、鹸化処理は、以下のように行った。作製したセルロースアセテートの一方の面に、1.5Nの水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間放置した後、流水で10秒洗浄し、25℃の空気を吹き付けることでフィルムの表面を乾燥した。
・下記一般式(3)に示す変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・10質量部
・水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・371質量部
・メタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・119質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5質量部
・クエン酸エステル(三協化学(株)製 AS−3)・・・・・・・・・0.35質量部
配向膜を塗設した支持体S−1に対して、搬送方向に対して平行に配向するように配向膜設置表面にラビング処理を施した。ラビングロールは450rpmで回転させた。
支持体S−1のラビング処理面に、下記表2に示した組成の塗布液を#2.5のワイヤーバーで塗布した。その後、120℃の恒温槽中で90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で160W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。得られた光学異方性層の、波長633nmで測定したReレターデーション値は42nmであった。膜厚は0.8μmであった。また、光学異方性層の屈折率異
方性Δnは0.11であった。このようにして光学補償フィルムC−1を作製した。作製した光学補償フィルムC−1の光弾性係数は、12×10−13cm2/dynであった。
光学異方性層の塗布液から溶媒を除去した組成物を、ダイレクタを面内に平行配向させる2μmのガラスセル中に加熱しながら注入し、2分間放置した。このセルを、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて波長550nmの光でレターデーション値Re_m(550)を測定した。Δn=Re_m(550)/dで表されることより、上記測定値Re_m(550)およびセルギャップdの2μmを用いてΔnを求めた。
光弾性係数とは、応力(σ)をかけたときに発生する複屈折(Δn)で定義され、以下のように表すことができる。
実施例1としては、光学補償フィルムC−1を使用したときの評価値を代表として後述の表等に記載するが、光学補償シート1〜7は光学補償フィルムC−1と同様の結果であった。
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。その後、市販のセルロースアセテートフィルム フジタックTF80UL(富士フイルム(株)製)に鹸化処理を行い、ビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片側に貼り付けた。さらに前記偏光膜の他方の面には前記作製した光学補償フィルムC−1を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前記偏光膜に貼り付け偏光板サンプルP−1を作製した。このとき、光学補償フィルムの搬送方向と偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)が平行となるようにした。また、偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)は、前記偏光板の辺に対して45°になるように打抜いた。
下記表4に示す組成の粘着性材料を調製し、剥離シートとしての厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET3811」)の剥離層上に、乾燥後の厚さが25μmになるように、ナイフ式塗工機で塗布したのち、90℃で1分間乾燥処理して粘着剤(粘着性材料層)A−1を形成した。次いで、前記作製した偏光板サンプルP−1を、粘着剤(粘着性材料層)A−1と光学異方性層が接するように貼合した。貼合してから30分後に剥離フィルム側から、紫外線(UV)を下記の条件で照射し、粘着剤付き偏光板サンプルP−1を作製した。
<<<UV照射条件>>>
・フュージョン社製無電極ランプ Hバルブ使用
・照度600mW/cm2
、光量150mJ/cm2
UV照度・光量計は、アイグラフィックス社製「UVPF−36」を使用した。
粘着剤の貯蔵弾性率を下記表4に示す。
1)M−315:トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、分子量=423、3官能型(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)
2)アクリル系共重合体(A):アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル及びアクリル酸を、質量比77:20:3の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量800,000の共重合体
3)光重合開始剤:ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア500」4)イソシアネート系架橋剤(C):
トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシア
ネート(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)
5)シランカップリング剤(D):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」)
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(AL2216W エイサー社製)に設けられている一対の偏光板(上側偏光板、及び下側偏光板)を剥がし、代わりに作製した偏光板を、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、バックライト側に貼り付け、バックライト側と同じ光学補償フィルムが液晶セル側となるように観察者側に一枚ずつ貼り付けた。このとき、バックライト側の偏光板(上側偏光板)の透過軸と、観察者側の偏光板(下側偏光板)の透過軸とが直交するように各偏光板を配置した。
作製した液晶表示装置を下記の2条件で耐久試験を行った。
(1)60℃90%RHの環境に200時間保持し、25℃60%RH環境に取り出し24時間後に液晶表示装置を黒表示させ、光漏れ強度を評価した。
(2)80℃dryの環境に200時間保持し、25℃60%RH環境に取り出し1時間後に液晶表示装置を黒表示させ、光漏れ強度を評価した。
結果を表5の実施例1に示す。
次に、前記液晶表示装置を測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)、白表示(L7)の輝度を測定しコントラストを算出し、上下左右方向のCR>10以上の視野角を評価した。また、BM−5A(トプコン社製)を用いて、バックライトユニットのみでの正面輝度に対するセル等を含めた液晶表示装置の白表示輝度を透過率として求めた。また、表示性能の対称性を許容できるかという観点で官能的に評価した(〇:許容できる、×許容できない)。結果を表5の実施例1に示す。
<偏光板剥がれ>
次に、偏光板を液晶セルに貼り合わせた状態で、80℃dryの環境に1000時間保持した後に偏光板の剥がれがないか確認した。結果を表5の実施例1に示す。
粘着剤としてA−2(表4)を使用した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、TNモード液晶表示装置に実装し、光漏れおよび表示性能を評価した。結果を表5の比較例1に示す。
偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)を偏光板の辺に対して平行(0°)になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製し、TNモード液晶表示装置に一対の偏光板の偏光軸が直交するように貼り合せた。結果を表5の比較例2に示す。
偏光板の辺に対して偏光軸が46°となるように打抜いた以外は実施例1と同様にして偏光板を作製し、液晶セル両側の偏光板の偏光軸が直交するように貼り合せた。結果を表5の実施例2に示す。
偏光板の辺に対して偏光軸が48°となるように打抜いた以外は実施例1と同様にして偏光板を作製し、液晶セル両側の偏光板の偏光軸が直交するように貼り合せた。結果を表5の実施例3に示す。
光学異方性層の塗布液組成として下記のものを用い、#3.2のワイヤーバーで塗布した以外は実施例1と同様にして、光学補償フィルム、偏光板を作製し、液晶表示装置に貼り合せて評価を行った。結果を表5の実施例4に示す。得られた光学異方性層の膜厚は1.3μm、波長550nmにおけるレタデーションRe(550)は46nm、Δnは0.07であった。
下記の組成物を、96質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
ディスコティック液晶性化合物(化5で表される化合物(化44(特開2001−166144))) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.27質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.09質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.03質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー3 0.23質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
<偏光板の作製>
<<光学補償フィルムC−2の作製>>
<<<支持体S−2の作製>>>
[セルロースアセテート溶液の調製]
下記表7の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
別のミキシングタンクに、酢化度60.9%のセルロースアセテート(リンター)4質量部、下記一般式(2)に示すレターデーション上昇剤25質量部、シリカ微粒子(平均粒子サイズ:20nm)0.5質量部、メチレンクロライド80質量部及びメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
その後、残留溶剤量が35質量%のフィルムをバンドから剥離した後、140℃の温度で、フィルムのテンターを用いて38%の延伸倍率で横延伸した後、クリップを外して130℃で45秒間乾燥させ、第2の光学異方性層としてのセルロースアセテートフィルムを製造した。製造された第2の光学異方性層の残留溶剤量は0.2質量%であり、膜厚は65μmであった。光学特性は波長550nmにおける面内レタデーションRe=35nm、波長550nmにおける膜厚方向のレタデーションRth=180nmであった。
実施例1と同様にして、セルロースアセテートの片面を鹸化処理することにより得られた支持体S−2に、配向膜層を塗設した。
配向膜を塗設した支持体S−2に対して、搬送方向に対して45°に配向するように配向膜設置表面にラビング処理を施した。ラビングロールは450rpmで回転させた。
400.0質量部のメチルエチルケトンに、ディスコティック液晶性化合物1(上記一般式(4))を90質量部、ディスコティック液晶化合物2(上記一般式(5))を10重量部、フルオロ脂肪族基含有ポリマー(メガファックF780、大日本インキ製)を0.2質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー907)3質量部、増感剤(日本化薬(株)製、カヤキュアーDETX)1質量部を溶解して塗布液(1)を調製した。
次に、上記で作製した配向膜上に塗布液(1)を、#2.0のワイヤーバーで塗布して、液晶化合物層を形成した。
ここで、塗布液(1)を、前記配向膜上に#2.0のワイヤーバーで塗布し、偏光顕微鏡下、125℃で過熱しながら、シュリーレン欠陥が消失するまでに要する時間を計測したところ、約90秒で配向することが分かった。
その後、これを金属の枠に貼り付けて、125℃の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、120W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し、ディスコティック液晶性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、光学異方性層を形成し、光学補償フィルムC−2を作製した。光学異方性層の膜厚は0.7μm、屈折率異方性Δnは0.11であった。作製した光学補償フィルムの光弾性係数は、12×10−13cm2/dynであった。
光学補償フィルムC−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板サンプルP−2を作製した。
偏光板サンプルP−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤付き偏光板サンプルP−2を作製した。
ITO電極付きのガラス基板に、ポリイミド膜を配向膜として設け、配向膜にラビング処理を行った。得られた二枚のガラス基板をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを4.1μmに設定した。セルギャップに、Δn(550)が0.1396の液晶性化合物(メルク社製、ZLI1132)を注入し、ベンド配向液晶セルを作製した。
ITO電極付きのガラス基板上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行った。
ラビング処理は、2枚のガラス基板において反対方向となるように実施した。セルギャップ(d)が8μmとなるように2枚のガラス基板を向かい合わせた。セルギャップに、屈折率異方性Δnが0.1396の液晶性化合物(ZLI1132、メルク社製)を注入し、OCBモード液晶セルを作製した。
OCBモード液晶セルに、上記で作製した偏光板を、液晶セルを挟むように2枚、光学補償フィルムの光学的異方性層と液晶セルのガラス基板とが対面するように配置した。
OCBモード液晶セルの配向膜のラビング方向と光学補償フィルムの配向膜のラビング方向は、逆平行になるように配置した。これらの両側に、偏光素子をクロスニコルに配置した。
評価した結果を表5の実施例5に示す。
<光学補償フィルムC−3〜C−5の作製>
セルロースアシレートフィルムC−3〜C−5の作製にあたっては、表8に示す特性のセルロースアシレートCTA−1〜CTA−3、及び表9に示す溶剤S−1〜S−2を用いて、表10に示すように、ドープD1〜D3を調製した。また、各ドープの調製は、溶剤S−1、溶剤S−2、のそれぞれの場合に分けて下記のようにして調製した。
また、得られた光学特性を表11に示す
撹拌羽根を有し、外周を冷却水が循環する400Lのステンレス製溶解タンクに、ドープD2の溶媒を混合し、次いでセルロースアシレート以外の添加剤を溶解する。次にセルロースアシレート粉体を撹拌しながら徐々に添加し、全体が300kgになるように仕込んだ。なお、溶媒であるジクロロメタン、ブタノール、メタノールは、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用した。
タンクを密閉し、タンク外周の冷却水を60℃に変えて撹拌しながら2時間溶解してセルロースアシレート溶液を調製した。次に本溶液を絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)でろ過し、更に絶対濾過精度2.5μmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾過した。
別のミキシングタンクに下記第二溶液組成の液を調製し、上記ドープD2(474質量)部と第二溶液(25質量部)を混合する。
メチレンクロライド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87質量部
メタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13質量部
攪拌羽根を有し、外周を冷却水が循環する400Lのステンレス性溶解タンクに、表9に示したS−2の組成になるように溶媒を投入混合し、更に表10に示した可塑剤、剥離剤及び添加剤を加えて溶解した。撹拌しながらセルロースアシレート粉体を徐々に添加し、全体が200kgになるように仕込んだ。
なお、溶媒である酢酸メチル、1−ブタノール、アセトン、エタノール及びメタノールは、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用した。
まず、セルローストリアシレートの粉末は、分散タンクに紛体が投入されタンク内を1,300Paに減圧し、撹拌剪断速度を最初は15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2)の周速で撹拌するディゾルバータイプの偏芯撹拌軸、及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2)で撹拌する条件下で30分間分散した。分散の開始温度は25℃であり、冷却水を流水することにより最終到達温度を35℃とした。
分散終了後、高速撹拌は停止し、アンカー翼の周速を0.5m/secとして更に100分間攪拌し、セルローストリアシレートフレークを膨潤させた。膨潤終了までは窒素ガスでタンク内を0.12MPaになるように加圧した。この際のタンク内の酸素濃度は2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保った。
また、ドープ中の水分量は0.2質量%以下であることを確認した。ドープD1又はD3(470質量部)と別途調製済の下記第二溶液組成液25質量部を混合した。
酢酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85質量部
アセトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7質量部
エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量部
冷却は、冷凍機で冷却した−80℃の冷媒を用いて実施した。
そして、冷却により得られた溶液はスクリューポンプで送液中に35℃に加温されてステンレス製の容器に移送した。
50℃で2時間攪拌し均一溶液とした後、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)でろ過し、更に絶対濾過精度2.5μmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾過した。
得られたセルロース誘導体溶液は、送液パイプの加温部圧力部で110℃、1MPaに加温し、常圧(約0.1Mpa)に放出することで有機溶媒を揮発させて、冷却して温度40℃の固形分濃度約24%の溶液を得た。
<偏光板の作製>
<<偏光板サンプルP−3作製>>
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。その後、市販のセルロースアセテートフィルム フジタックTF80UL(富士フイルム(株)製)に鹸化処理を行い、ビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片側に貼り付けた。その後、さらに前記偏光膜の他方の面には、上記で作製したセルロースアシレートフィルムC−3を鹸化処理をした後、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、前記偏光膜に貼り付け偏光板サンプルP−3を作製した。このとき、セルロースアシレートフィルムC−3の延伸方向と偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)が直交するように貼り付けた。また、偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)は前記偏光板の辺に対して平行(0°)になるように打抜いた。
<粘着剤層の付設>
また、実施例1と同様にして粘着剤(粘着性材料層)A−1を付設して、粘着剤付き偏光板サンプルP−3を作製した。
VA型液晶表示装置(LC−26GD3、シャープ(株)製)に設けられている偏光板及び位相差膜を剥がし、代わりに前記作製した粘着剤付き偏光板サンプルP−3を互いの偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)が直交するようにして貼り付けた。評価結果を表5の実施例6に示す。
粘着剤としてA−2(表4)を使用した以外は実施例6と同様にして偏光板を作製し、VAモード液晶表示装置に実装し、光漏れおよび表示性能を評価した。評価結果を表5の比較例3に示す。
偏光板の吸収軸(偏光子の偏光軸)を偏光板の辺に対して45°になるようにしたこと以外は、実施例6と同様にして偏光板を作製し、VAモード液晶表示装置に一対の偏光板の偏光軸が直交するように貼り合せた。評価結果を表5の比較例4に示す。
偏光板の辺に対して偏光軸が1°となるように打ち抜いた以外は、実施例6と同様にして偏光板を作製し、液晶セル両側の偏光板の偏光軸が直交するように貼り合わせた。評価結果を表5の実施例7に示す。
偏光板の辺に対して偏光軸が3°となるように打ち抜いた以外は、実施例6と同様にして偏光板を作製し、液晶セル両側の偏光板の偏光軸が直交するように貼り合わせた。評価結果を表5の実施例8に示す。
<位相差フィルムC−6の作製>
厚さ135μmのノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製、アートン)をテンター延伸機にて175℃延伸処理して、nx>ny>nzの屈折率特性を有して、波長550nmにおけるReが40nm、波長550nmにおけるRthが200nmの位相差フィルムC−6を作製した。
<<粘着剤付き偏光板サンプルP−4作製>>
また、実施例6と同様の方法でセルロースアシレートフィルムC−3の代わりにセルロースアシレートフィルムC−4を貼り合せた後、粘着剤A−1を介して位相差フィルムC−6を貼り合せ、その上にさらに粘着剤A−1を貼り合せ粘着剤付き偏光板サンプルP−4を作製した。
なお、粘着剤付き偏光板サンプルP−4には、実施例1と同様にしてUVを照射した。
セルロースアシレートフィルムC−3の代わりにセルロースアシレートフィルムC−5を用いた以外は実施例6と同様にして、粘着剤付き偏光板サンプルP−5を作製した。
なお、粘着剤付き偏光板サンプルP−5には、実施例1と同様にしてUVを照射した。
IPS型液晶表示装置(Th−26LX300 松下電器産業(株)製)に設けられている偏光板、及び位相差フィルムを剥がし、代わりに粘着剤付き偏光板サンプルP−5を液晶セルのバックライト側、粘着剤付き偏光板サンプルP−4を液晶セルの観察者側に貼り付けた。偏光板の透過軸が直交するように貼り付けた。評価結果を表5の実施例9に示す。
11a 辺
12 上側偏光板吸収軸
13 上光学異方性層
15 液晶セル上側基板
16 上側基板配向制御方向
17 液晶分子
18 液晶セル下側基板
19 下基板配向制御方向
20 下光学異方性層
22 下側側偏光板
23 下側偏光板吸収軸
30 偏光子
30a 偏光軸
30b 偏光軸
40 光学補償フィルム
50 粘着剤
60 保護フィルム
Claims (10)
- 偏光子と、光学補償フィルムと、23℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上である粘着剤とを積層してなる偏光板において、前記偏光子は、前記偏光板の辺に対して45°で交差する偏光軸を有し、TNモード及びOCBモードのいずれかの液晶表示装置に用いられることを特徴とする偏光板。
- 光学補償フィルムが、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する請求項1に記載の偏光板。
- 光学異方性層の膜厚が1μm以下である請求項2に記載の偏光板。
- 光学異方性層の屈折率異方性Δnが0.1以上である請求項2から3のいずれかに記載の偏光板。
- 偏光子と、光学補償フィルムと、23℃における貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上である粘着剤とを積層してなる偏光板において、前記偏光子は、前記偏光板の辺に対して平行である偏光軸を有し、VAモード及びIPSモードのいずれかの液晶表示装置に用いられることを特徴とする偏光板。
- 光学補償フィルムの膜厚が10μm〜90μmであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の偏光板。
- 光学補償フィルムの光弾性係数が13×10−13cm2/dyn以下である請求項1から6のいずれかに記載の偏光板。
- 光学補償フィルムがセルロースアセテートフィルムを有する請求項1から7のいずれかに記載の偏光板。
- 粘着剤が、(A) アクリル系共重合体と、(B)
活性エネルギー線硬化型化合物とを含む粘着性材料からなる請求項1から8のいずれかに記載の偏光板。 - 請求項1から9のいずれかに記載の偏光板を有することを特徴とする液晶表示装置。
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