JP2013178507A - 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、上記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、上記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
【選択図】なし
Description
従って、このような偏光板を粘着剤で液晶セルに貼り合せた場合、粘着剤層により、偏光板の動きを抑制してしまうため、偏光膜と粘着剤間のフィルムに応力が集中して、位相差が発生することがあり、これが原因となり、液晶表示装置の黒表示時に光漏れが生じ、表示画像の表示均一性が損なわれる場合があった。
特許文献2では、表示ムラの改善された光学補償フィルム付き偏光板の提供を目的として、偏光板と光学補償フィルムとの間の粘着剤層の弾性率が0.06(MPa)以下とすることが提案されている。
特許文献3では、熱等の歪みによる光漏れなどの問題を生じることがない、粘着層を設けた偏光板を提供することを目的として、粘着剤層の光弾性係数の絶対値を500×10−12(1/Pa)以下とすることが記載されている。
特許文献4では、熱等の歪みによる光漏れなどの問題を生じることがない、粘着層を設けた偏光板を提供することを目的として、粘着剤層の光弾性係数をCn(1/Pa)、光学補償フィルムの弾性率をE(Pa)とするとき、下記式の値Yの絶対値が6.0×10−4以下とすることが提案されている。
Y=−7.0×105×Cn+4.3×10−13×E−1.34×10−3。
このような状況を鑑み、本発明の目的は、環境変化等の影響から偏光板の歪みにより生じる応力が原因で発生する光漏れが生じ難い粘着剤層と透明支持体を有する偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供することである。
これらの知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、粘着剤層の緩和弾性率(緩和率と弾性率の積)および光弾性係数、ならびに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数と、光漏れとの間に特定の関係があることを見出した。粘着剤層の緩和弾性率および光弾性係数、ならびに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数が所定の関係を満足していると、上記光漏れの問題が解決された偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供できることを見出した。
より詳細には、偏光板の歪みにより生じる応力が原因で、偏光板の偏光膜の吸収軸とは水平若しくは直交ではない方向に透明支持体の光弾性に応じた位相差が生じ、また従来の粘着剤層は光弾性係数が負のものが一般的であり、応力により発生した透明支持体の位相差を打ち消すことができないため、光漏れが発生する。しかし、本発明の偏光板は、特定範囲の光弾性係数及び緩和弾性率を有する透明支持体と、下記式(1)及び(2)を満たす粘着剤層とを有する偏光板とすることで、上記位相差を略打ち消す方向に位相差が発生するため、光漏れを抑制することができる。
後述する実施例及び図3より、特定範囲の光弾性係数及び緩和弾性率を有する透明支持体と、下記式(1)及び(2)を満たす粘着剤層とを用いた偏光板は上記課題を解決できることが分かる。
少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、
上記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、
上記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
[2]
上記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(3)である[1]に記載の偏光板。
式(3)195≦RMPSA<550
[3]
上記粘着剤層が満たす式(2)が下記式(4)である[1]又は[2]に記載の偏光板。
式(4)0.91×RMPSA+600≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
[4]
上記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(5)である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の偏光板。
式(5)225≦RMPSA<550
[5]
上記RMPSAが500以下である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の偏光板。
[6]
上記透明支持体の光弾性係数が3×10‐12〜15×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜3(GPa)である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の偏光板。
[7]
上記粘着剤層がアクリレート系高分子を含有する[1]〜[6]のいずれか1項に記載の偏光板。
[8]
上記偏光板の幅と長さのアスペクト比が4/3よりも大きい[1]〜[7]のいずれか1項に記載の偏光板。
[9]
光弾性係数が0.5×10‐12〜7×10‐12(1/Pa)であり、弾性率が30〜100(GPa)であるガラスを有する液晶セルと[1]〜[8]のいずれか1項に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
また、本明細書中、「MD方向」は、偏光板の送り出し方向、及び「TD方向」はそれに直交する方向を意味し、長尺状の偏光板では、「MD方向」は長手方向と一致し、「TD方向」は幅方向と一致する。実際に使用される矩形状に切断された形態の偏光板では、「MD方向」及び「TD方向」が特定困難な場合もあるが、その場合は吸収軸の分かっている偏光板を切断された偏光板面に対して平行に配置し、回転させ、最も暗くなる方向をTD、最も明るくなる方向をMDとする。また、切断された偏光板に偏光変化もしくは解消する層が付与されている場合、それを取り除いて回転を行い、判断する。
まず、本発明の偏光板について説明する。
本発明は、
少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、
上記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、
上記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板に関する。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
以下に、本発明で使用した測定法について記載する。
粘着剤層の光弾性係数PEMPSA(1/Pa)、弾性率をEMPSA(Pa)、緩和率をRRPSA(%)は、それぞれ以下の測定方法により測定した値を用いる。
粘着剤層の光弾性係数PEMPSAは、25℃60%RH環境下で、厚み750μmに積層した粘着剤層をエリプソメーターM‐220(日本分光社製)を用いて波長633nmにて測定した値である。
本発明における粘着剤層の緩和率RRPSAは、粘着剤層内に生じた応力が時間とともに減少する割合をいい、下記式により算出されるものである。初期荷重とは、所定の拘束状態(引張状態)の下で、応力緩和が開始する以前に粘着剤層に生じる荷重をいう。また、24時間後の荷重とは、24時間の引張試験を実施した後に、粘着剤層に残存している荷重をいう。
緩和率(%)=24時間後の荷重÷初期荷重×100(%)
緩和率RRPSAは、60℃環境下で、厚み750μmに積層した粘着剤層をテンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、歪み100%まで延伸した後(初期荷重)、歪み一定で荷重を測定した。ここで、歪み[%]=(延伸後の長さ-初期長)÷初期長×100[%]である。
また、RMPSAは粘着剤層の弾性率EMPSAと粘着剤層の緩和率RRPSAの積である。
本発明における透明支持体の緩和弾性率は以下の式のように算出するものである。
緩和弾性率(Pa)=弾性率(Pa)×緩和率(%)÷100(%)
透明支持体の弾性率測定法は、25℃60%RH環境下で、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、MD方向/TD方向それぞれにおいて、引張り測定し、MD方向とTD方向の平均値を用いた。
透明支持体の緩和率測定法は、25℃60%RH環境下で、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、MD方向/TD方向それぞれにおいて、歪み0.3%まで延伸した後(初期荷重)、歪み一定で荷重を測定し、MD方向とTD方向の平均値を用いた。
ガラスの緩和弾性率は、25℃60%RH環境下で、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて測定した。
特に、近年の液晶表示装置の性能向上に伴い、正面の黒輝度が非常に低くなっていることや、画素の高精細化により、画面のアスペクト比が4:3から16:9となっている状況において、優れた効果を奏するものである。
偏光板の幅と長さのアスペクト比は、4/3よりも大きいことが好ましく、より好ましくは4/3よりも大きく21/9以下であり、最も好ましくは16/9以上、21/9以下である。
なお、図1及び図2の構成では、透明支持体2が、偏光膜3の保護層でもある構成を示したが、透明支持体2と偏光膜3との間に、別途、他の層を配置してもよいが、該層の膜厚は2.5μm以下であることが好ましく、例として、液晶セルの位相差補償を行うための層(光学異方性層、配向膜など)が挙げられる。
本発明の偏光板に用いる偏光膜は、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜、及びポリエン系偏光膜のいずれであってもよい。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。製造方法としては、従来公知の方法が適用でき、例えば上記特許文献1に記載の方法が挙げられる。
本発明の偏光板に用いられる粘着剤層は、粘着剤層の光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率をEMPSA(Pa)、緩和率をRRPSA(%)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たすものであり、この条件を満たせば、特に制限なく使用することができる。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
ここで、RMPSA(kPa)はEMPSA(Pa)とRRPSA(%)の積である。
式(3) 195≦RMPSA<550
式(4) 0.91×RMPSA+600≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
式(5) 225≦RMPSA<550
また、RMPSAは500以下であることが特に好ましい。
光弾性係数(C)=Δn/σ
α、β−不飽和カルボン酸含有モノマーは、接着強度または粘着力を付与する。さらに、架橋部位を有するモノマーとして水酸基含有モノマーも好ましく用いられ、水酸基含有モノマーは、単独でまたは架橋剤と反応して高温時に粘着剤の粘着力破壊が起こらないように化学結合による粘着力を付与する。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びこれらの混合物等が挙げられる。
粘着剤層の緩和弾性率は、粘着剤に使用されるポリマーの分子量を調整したり、架橋剤/可塑剤などの素材の混合比を調整したりすることで調整できる。
本発明の偏光板における粘着剤層と偏光膜の間に用いられる透明支持体は、透明支持体の光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)であり、この条件を満たせば、特に制限なく使用することができる。
また、透明支持体は光学補償フィルムとしての機能を有することが好ましい。
光学補償フィルムの例は、透明支持体、もしくは、透明支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を有するものが挙げられる。
透明支持体は、透明なポリマーフィルムであるのが好ましく、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースのモノ乃至トリアシレート体)、ノルボルネン系ポリマー及びポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン及びゼオネックスいずれも商品名))を用いてもよい。又、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーは、国際公開第00/26705号パンフレットに記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御したものを用いるのが好ましい。
ポリマー又はオリゴマーの中には、フィルムの光弾性係数を低下させる作用があるものもある。かかる特性のポリマー又はオリゴマーの例としては、シアノ基を含む繰り返し単位、及びメチルメタクリレート由来の繰り返し単位の少なくとも一方を有するポリマーもしくはオリゴマーが挙げられる。なお、前記ポリマー又はオリゴマーは粒子や粉末の形態で添加されてもよい。
シアノ基を含む繰り返し単位は、分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位であっても、分子内にシアノ基を有していないエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位に置換基としてシアノ基を導入して得られるものであってもよい。中でも、分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位であることが好ましい。
R1は水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子またはシアノ基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R2は水素原子、メチル基またはシアノ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
式(1)の例としては、メタクリロニトリルが特に好ましい。
なお、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーにおけるシアノ基を含む繰り返し単位が、一般式(1)で表される構造以外のその他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を含む場合、該その他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマーとしては後述する一般式(2)におけるR3やR4、後述する一般式(4)におけるR7、R8、及びR9がシアノ基を含む置換基であるエチレン性不飽和モノマーなどを用いることができる。
(1)アクリレートモノマー
その他のエチレン性不飽和モノマーとしてはアクリレートモノマーが好ましい。アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、クロルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アセト酢酸エチルエメタクリレート等が挙げられる。又、特に好ましいものとしては、メチル(メタ)アクリレートモノマー、アセト酢酸エチルエメタクリレートを挙げることができる。
また、下記一般式(2)で表されるモノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
また、下記一般式(3)で表されるモノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
R5における脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などを挙げることができ、その中でも炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
R5における芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができ、その中でもフェニル基が好ましい。
前記複素環基としては、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、ピロリル基、モルホリノ基、チアモルホリノ基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリドニル基、ピペリドニル基を挙げることができ、その中でもモルホリノ基、ピリジル基が好ましい。
前記脂肪族基、芳香族基または複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基)、炭素原子数2〜6のアルケニル基(例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、炭素原子数2〜6のアルキニル基(例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アミノ基(例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基。)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば(フェニルオキシカルボニルアミノ基)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基)、スルファモイル基(例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基)、スルホニル基(例えばメシル基、トシル基)、スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、ウレイド基(例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基)、リン酸アミド基(例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基)などを挙げることができる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。その中でもメチル基、フルオロ基が好ましい。
一般式(3)におけるR5は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることがより特に好ましい。
前記Lは、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、−C(=O)−、または−L1−L2−であることが好ましい(但し、L1およびL2の一方が、−C(=O)−、−O−、−N(R2)−またはそれらの組合せを表し、他方が2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基を表す。前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R2は水素原子またはアルキル基を表す。)。ここで、前記−L1−L2−はL1が主鎖に連結する。
前記Lは−L1−L2−であることがより好ましい。
前記Lは、L1が−C(=O)−、−O−、−N(R2)−またはそれらの組合せであり、かつ、L2が2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基であることが特に好ましい。
前記Lにおける2価の芳香族基としては、炭素数6〜12の芳香族基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基であることがより好ましく、無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
前記Lにおける2価の複素環基としては、ピリジレン基、ピロリジレン基、ピペリジレン基、ピペラジレン基、ピロリレン基、モルホリニレン基、チアモルホリレニン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピロリドニレン基、ピペリドニレン基を挙げることができ、その中でもモルホリニレン基が好ましい。
前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン基を挙げることができ、その中でもアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記L2は2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基であることが好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基、フェニレン基、であることがより好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基またはフェニレン基であることが特に好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基であることがより特に好ましく、エチレン基であることがさらにより特に好ましい。
なお、前記L1およびL2における前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基の好ましい範囲は、前記Lにおける前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基の好ましい範囲と同じである。
より好ましくは、一般式(3)におけるR5が水素原子またはメチル基であり、LがL1−L2−である態様である。
特に好ましくは、R5が水素原子またはメチル基であり、L1が−C(=O)−O−であり、L2が炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基である態様である。
より特に好ましくは、R5が水素原子またはメチル基であり、L1が−C(=O)−O−であり、L2がエチレン基である態様である。すなわち、一般式(3)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートまたはアセト酢酸エチルアクリレートである態様がより好ましい。
さらに、一般式(3)におけるR5がメチル基である態様がさらにより特に好ましく、すなわち、一般式(3)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートであることがさらにより特に好ましい。
R6は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
また、下記一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
R7、R8、及びR9の何れか二つが互いに結合してそれらが結合している窒素原子、或いは窒素原子及び炭素原子と一緒になって、5〜7員の環状構造を形成することが好ましいが、その場合の環としては、環中に更に窒素原子、硫黄原子または酸素原子を有していても良く、飽和または不飽和の単環、多環または縮合環式のものが挙げられる。具体例としては、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロール環、モルホリン環、チアモルホリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピロリドン環、ピペリドン等の複素環が挙げられ、これらの環は更に、R7、R8、及びR9で表される基が有しても良い置換基によってさらに置換されていてもよい。
分子内に一般式(1)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーは分子内にエチレン性不飽和結合を有するが、R7、R8、及びR9で表される基の少なくとも一つがエチレン性不飽和結合を有する基としてアルケニル基を表すか、或いはR7、R8、及びR9で表される基の少なくとも一つが部分構造としてエチレン性不飽和結合を有することを意味する。エチレン性不飽和結合の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられるが、好ましくは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基である。
ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
これらのソルベントキャスト方法の製造工程については、特開2001−1745号の22頁〜30頁に詳細に記載され、溶解、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
フィルム(支持体)の厚さは、15〜120μmであることが好ましく、更には20〜80μmが好ましい。
ポリマーフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。表面処理には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理が含まれる。これらについては、詳細が前記の公技番号2001−1745号の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。具体的には、例えば、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに記載の内容が挙げられる。
本発明の偏光板における粘着剤層と偏光膜の間に配置される透明支持体は、光学補償フィルムであることが好ましい。光学補償フィルムは、所望の位相差に調整した透明支持体単体でもよいし、もしくは、透明支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムであってもよい。光学補償フィルムとしては、透明支持体の少なくとも片側表面に光学異方性層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。また、光学補償フィルムが透明支持体単体の場合は、透明支持体を延伸して作製することで所望の位相差を調整することができる。
以下、光学補償フィルムの構成材料について説明する。
《光学異方性層》
光学異方性層の好ましい態様について詳細を記述する。光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2、P411〜414に記載されている。光学異方性層は、ラビング軸等の配向軸によって配向制御され、その配向状態に固定された液晶性化合物を含有するのが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、日本化学会編、「季刊化学総説」、第22巻、液晶の化学(1994)の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物の例には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett、A、78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.、1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。具体的には、特開2002−296423号、特開2001−330725号、特開2000−155216号等に記載されたものが好ましい。
光学異方性層は、少なくとも一種の液晶性化合物及び必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む組成物を、例えば塗布液として調製し、該塗布液を配向膜の表面(例えば、ラビング処理面)に塗布することで形成できる。
配向膜等の表面上で配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の使用量は、組成物(塗布液である場合は固形分)の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
光学異方性層中の液晶性化合物は配向軸によって配向制御され、その状態に固定されているのが好ましい。前記液晶性化合物を配向制御する配向軸としては、光学異方性層と前記ポリマーフィルム(支持体)との間に形成された配向膜のラビング軸が挙げられる。但し、配向軸はラビング軸に限定されるものではなく、ラビング軸と同様に液晶性化合物を配向制御し得るものであれば、いかなるものであってもよい。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。本発明の液晶表示装置の一態様は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板からなり、その一方又は双方が本発明の偏光板であることを特徴とする。
液晶セルは、一般的には、二枚の電極基板の間に液晶を担持した構成である。TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
また本発明の偏光板は、TNモードの液晶セル以外にも、OCB(Optically
Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In Plane Switching)等の液晶表示装置にも有利に利用できる。すなわち、本発明の液晶表示装置は、TNモード、OCB、VA、IPSなどに適用することができる。
ガラスの厚さは、特に制限はないが、応力による位相差を発生させないためには薄い方が好ましいが、剛性の観点からは厚い方が好ましいため、それらを両立する観点から、200〜2000μmが好ましく、300〜1500μmがより好ましく、400〜1000μmがさらに好ましい。
(透明支持体B1の作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、溶液C−1を調製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−1)
───────────────────────────────────
アセチル置換度2.85のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 434質量部
メタノール(第2溶媒) 65.4質量部
───────────────────────────────────
次に、上記で作製した溶液C−1に、下記組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、溶液C−2を調製した。得られた溶液C−2を溶液C−1同様に溶液製膜法で製膜して透明支持体B2を作製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−2)
───────────────────────────────────
溶液C−1 12.8質量部
PMCN(光弾性軽減剤) 30.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 62.8質量部
メタノール(第2溶媒) 9.4質量部
───────────────────────────────────
組成物を下記に変更した以外は、上記作製した溶液C−1、透明支持体B1と同様に、C−3溶液を調製し、透明支持体B3を作製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−3)
────────────────────────────────────
溶液C−1 12.8質量部
ペンタエリスリトールトリベンゾエート(可塑剤) 10.0質量部
水素結合性化合物C4 6.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.5質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
────────────────────────────────────
組成物を下記に変更した以外は、上記作製した溶液、透明支持体と同様に、C−4溶液を調製し、透明支持体B4を作製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−4)
───────────────────────────────────
溶液C−1 12.8質量部
ペンタエリスリトールベンゾエート(可塑剤) 10.0質量部
水素結合性化合物C4 6.0質量部
PMCN(光弾性軽減剤) 30.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 67.2質量部
メタノール(第2溶媒) 10.0質量部
───────────────────────────────────
作製した透明支持体B1〜B4の緩和弾性率、光弾性係数について、上記測定方法によりそれぞれ測定した値を下記表1に示す。
上記で作製した透明支持体B1〜B4上に、それぞれ下記の組成の塗布液H−1を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に平行な方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。
──────────────────────────────────
(配向膜塗布液組成 H−1)
──────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 370質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
──────────────────────────────────
上記配向膜を作製した透明支持体B1〜B4に対して、下記塗布液K−1を、#3.2のワイヤーバーを用いて、フィルムの配向膜面にそれぞれ連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで約90秒間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置により、照度600mWの紫外線を10秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶性化合物を重合した。その後、室温まで放冷し、光学異方性層を形成し、光学補償フィルムF1〜F4を作製した。
(光学異方性層塗布液組成 K−1)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
メチルエチルケトン 98質量部
下記のディスコティック液晶性化合物1 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.13質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.03質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次に、以下の手順に従い、アクリレート系ポリマーを調製した。
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル(ブチルアクリレート)100質量部、アクリル酸3質量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を酢酸エチルと共に加えて固形分濃度30質量%とし窒素ガス気流下、60℃で4時間反応させ、アクリレート系重合体(A1)溶液を得た。また、A1と同様の操作にて、下記表2に示すアクリレート系ポリマー(A2〜A10)を調製した。
下記表3に示すように、アクリレート系ポリマー固形分100質量部あたり表3に記載した量(質量部)のトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートL)、表3に記載した量(質量部)のアジピン酸ジ2−エチルヘキシル、添加剤(シランカップリング剤)として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1質量部、を加えて、シリコーン系剥離剤で表面処理したセパレートフィルムにダイコーターを用いて塗布し150℃で3時間乾燥させ、アクリレート系粘着剤層(PSA1〜PSA19)を有するセパレートフィルムを得た。アクリレート系粘着剤の組成を下記表3に示す。また、粘着剤層の膜厚は全て25μmとなるように調整した。ここで、コロネートL(日本ポリウレタン)は、正の固有複屈折を有する、二つ以上の芳香環を持つ架橋剤であり、LC3は正の固有複屈折を有する、上記の液晶性化合物であり、アジピン酸ジ2−エチルヘキシルは可塑剤である。
上記で作製した光学補償フィルムを、透明支持体側と偏光膜の片側が合うように貼合し、また光学補償フィルムが貼り付けてある側とは反対側の偏光膜に市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を貼合し、偏光板を作製した。なお、フィルムの貼合面には、アルカリ鹸化処理を施した。また、偏光膜は、厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して作製した、厚さ20μmの直線偏光膜を用い、また接着剤としては、ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を用いた。この偏光板の光学補償フィルム側に上記作製した粘着剤を貼合した後、25℃60%RHで7日間熟成させ、下記表5及び6のように各偏光板を作製した。偏光板の大きさは、対角線の長さが23インチ、及び19インチ、横と縦の比を16/9とした。
TNモード液晶表示装置(23インチ:S23A350H サムスン電子(株)製、19インチ:G922HDPL BenQ製)に使用されている偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した各偏光板を、視認側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付け、TNモード液晶表示装置をそれぞれ作製した(実施例1〜19、比較例1〜5)。
評価には、経時前の輝度と経時後の面内最大輝度の差を用いた。評価基準は官能評価を行った結果から以下の表4のように定めた。結果を下記表5及び6に示す。
上記表5及び6より、粘着剤層の緩和弾性率および光弾性係数、ならびに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数が所定の関係を満足していると、上記光漏れの問題が解決されることが分かる。特に、画素の高精細化により、画面のアスペクト比が16:9となっているもの、大画面のものに対して顕著な効果が認められる。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
2 透明支持体
3 偏光膜
4 保護層
5 剥離紙
Claims (9)
- 少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、
前記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、
前記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999 - 前記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(3)である請求項1に記載の偏光板。
式(3)195≦RMPSA<550 - 前記粘着剤層が満たす式(2)が下記式(4)である請求項1又は2に記載の偏光板。
式(4)0.91×RMPSA+600≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999 - 前記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(5)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
式(5)225≦RMPSA<550 - 前記RMPSAが500以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
- 前記透明支持体の光弾性係数が3×10‐12〜15×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜3(GPa)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
- 前記粘着剤層がアクリレート系高分子を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
- 前記偏光板の幅と長さのアスペクト比が4/3よりも大きい請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
- 光弾性係数が0.5×10‐12〜7×10‐12(1/Pa)であり、弾性率が30〜100(GPa)であるガラスを有する液晶セルと請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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