JP2013178507A - 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境変化等の影響から偏光板の歪みにより生じる応力が原因で発生する光漏れが生じ難い粘着剤層と透明支持体を有する偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、上記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、上記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤層と透明支持体を有する偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は偏光板と液晶セルを有し、偏光板と液晶セルは粘着剤を用いて貼り合わされて使用される。偏光板はPVA(ポリビニルアルコール)系偏光膜と該偏光膜を挟むように2枚のフィルムで構成されるが、その材料特性から、寸法安定性に乏しい。
従って、このような偏光板を粘着剤で液晶セルに貼り合せた場合、粘着剤層により、偏光板の動きを抑制してしまうため、偏光膜と粘着剤間のフィルムに応力が集中して、位相差が発生することがあり、これが原因となり、液晶表示装置の黒表示時に光漏れが生じ、表示画像の表示均一性が損なわれる場合があった。
特許文献1では、位相差特性が変化し難い光学補償板等の提供を目的として、位相差フィルムの光弾性係数と粘着層の弾性率との積が1.2×10-5以下とすることが提案されている。
特許文献2では、表示ムラの改善された光学補償フィルム付き偏光板の提供を目的として、偏光板と光学補償フィルムとの間の粘着剤層の弾性率が0.06(MPa)以下とすることが提案されている。
特許文献3では、熱等の歪みによる光漏れなどの問題を生じることがない、粘着層を設けた偏光板を提供することを目的として、粘着剤層の光弾性係数の絶対値を500×10−12(1/Pa)以下とすることが記載されている。
特許文献4では、熱等の歪みによる光漏れなどの問題を生じることがない、粘着層を設けた偏光板を提供することを目的として、粘着剤層の光弾性係数をCn(1/Pa)、光学補償フィルムの弾性率をE(Pa)とするとき、下記式の値Yの絶対値が6.0×10−4以下とすることが提案されている。
Y=−7.0×10×Cn+4.3×10−13×E−1.34×10−3
特開2001−264538号公報 特開2001−272542号公報 特開2006−259664号公報 特開2008−181105号公報
しかし、近年の液晶表示装置の性能向上、特に正面コントラスト(正面における白輝度と黒輝度の比)向上のため、正面の黒輝度が非常に低くなっていることや、また、画素の高精細化(フルハイビジョン化)により、画面のアスペクト比が4:3から16:9となっている状況において、上記各文献に規定されている範囲の物性を有する光学補償フィルムや粘着剤を使用しても、光漏れの低減効果が不十分であることがわかった。この原因は定かではないが、偏光板のアスペクト比が画面に従って変化すると、歪みのアスペクト比が変わるため、応力もより異方性を有するようになる。そのため、上下もしくは左右どちらかの辺における応力がより強くなる可能性があり、光漏れ低減効果が十分でなくなることが考えられる。
このような状況を鑑み、本発明の目的は、環境変化等の影響から偏光板の歪みにより生じる応力が原因で発生する光漏れが生じ難い粘着剤層と透明支持体を有する偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供することである。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、偏光板を粘着剤で液晶セルに貼り合せた場合、環境変化による偏光膜の収縮もしくは伸長がドライビングフォースとなり、液晶セルのガラス、粘着剤層、粘着剤層と偏光膜の間にある透明支持体のそれぞれに応力がかかることにより、各層に位相差が発生し光が漏れてしまうとの知見を得た。
これらの知見に基づいてさらに検討を重ねた結果、粘着剤層の緩和弾性率(緩和率と弾性率の積)および光弾性係数、ならびに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数と、光漏れとの間に特定の関係があることを見出した。粘着剤層の緩和弾性率および光弾性係数、ならびに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数が所定の関係を満足していると、上記光漏れの問題が解決された偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供できることを見出した。
より詳細には、偏光板の歪みにより生じる応力が原因で、偏光板の偏光膜の吸収軸とは水平若しくは直交ではない方向に透明支持体の光弾性に応じた位相差が生じ、また従来の粘着剤層は光弾性係数が負のものが一般的であり、応力により発生した透明支持体の位相差を打ち消すことができないため、光漏れが発生する。しかし、本発明の偏光板は、特定範囲の光弾性係数及び緩和弾性率を有する透明支持体と、下記式(1)及び(2)を満たす粘着剤層とを有する偏光板とすることで、上記位相差を略打ち消す方向に位相差が発生するため、光漏れを抑制することができる。
後述する実施例及び図3より、特定範囲の光弾性係数及び緩和弾性率を有する透明支持体と、下記式(1)及び(2)を満たす粘着剤層とを用いた偏光板は上記課題を解決できることが分かる。
上記課題は、以下の手段により解決される。
[1]
少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、
上記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、
上記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
[2]
上記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(3)である[1]に記載の偏光板。
式(3)195≦RMPSA<550
[3]
上記粘着剤層が満たす式(2)が下記式(4)である[1]又は[2]に記載の偏光板。
式(4)0.91×RMPSA+600≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
[4]
上記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(5)である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の偏光板。
式(5)225≦RMPSA<550
[5]
上記RMPSAが500以下である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の偏光板。
[6]
上記透明支持体の光弾性係数が3×10‐12〜15×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜3(GPa)である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の偏光板。
[7]
上記粘着剤層がアクリレート系高分子を含有する[1]〜[6]のいずれか1項に記載の偏光板。
[8]
上記偏光板の幅と長さのアスペクト比が4/3よりも大きい[1]〜[7]のいずれか1項に記載の偏光板。
[9]
光弾性係数が0.5×10‐12〜7×10‐12(1/Pa)であり、弾性率が30〜100(GPa)であるガラスを有する液晶セルと[1]〜[8]のいずれか1項に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
本発明によれば、光漏れが生じ難い粘着剤層と透明支持体を有する偏光板、及び該偏光板を有する液晶表示装置を提供することができる。
本発明の偏光板の一例の断面模式図である。 本発明の偏光板の他の例の断面模式図である。 実施例1〜15及び比較例1〜4における粘着剤層の緩和弾性率RMPSAと光弾性係数PEMPSAの関係を表すグラフである。
以下に、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書中、「MD方向」は、偏光板の送り出し方向、及び「TD方向」はそれに直交する方向を意味し、長尺状の偏光板では、「MD方向」は長手方向と一致し、「TD方向」は幅方向と一致する。実際に使用される矩形状に切断された形態の偏光板では、「MD方向」及び「TD方向」が特定困難な場合もあるが、その場合は吸収軸の分かっている偏光板を切断された偏光板面に対して平行に配置し、回転させ、最も暗くなる方向をTD、最も明るくなる方向をMDとする。また、切断された偏光板に偏光変化もしくは解消する層が付与されている場合、それを取り除いて回転を行い、判断する。
[偏光板]
まず、本発明の偏光板について説明する。
本発明は、
少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、
上記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、
上記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板に関する。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
[各パラメータの測定方法]
以下に、本発明で使用した測定法について記載する。
粘着剤層の光弾性係数PEMPSA(1/Pa)、弾性率をEMPSA(Pa)、緩和率をRRPSA(%)は、それぞれ以下の測定方法により測定した値を用いる。
粘着剤層の光弾性係数PEMPSAは、25℃60%RH環境下で、厚み750μmに積層した粘着剤層をエリプソメーターM‐220(日本分光社製)を用いて波長633nmにて測定した値である。
粘着剤層の弾性率EMPSAは、60℃環境下で、動的粘弾性測定装置DVA-225(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、せん断モード、周波数1Hzにて測定して得られた貯蔵弾性率である。
本発明における粘着剤層の緩和率RRPSAは、粘着剤層内に生じた応力が時間とともに減少する割合をいい、下記式により算出されるものである。初期荷重とは、所定の拘束状態(引張状態)の下で、応力緩和が開始する以前に粘着剤層に生じる荷重をいう。また、24時間後の荷重とは、24時間の引張試験を実施した後に、粘着剤層に残存している荷重をいう。
緩和率(%)=24時間後の荷重÷初期荷重×100(%)
緩和率RRPSAは、60℃環境下で、厚み750μmに積層した粘着剤層をテンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、歪み100%まで延伸した後(初期荷重)、歪み一定で荷重を測定した。ここで、歪み[%]=(延伸後の長さ-初期長)÷初期長×100[%]である。
また、RMPSAは粘着剤層の弾性率EMPSAと粘着剤層の緩和率RRPSAの積である。
透明支持体の光弾性係数は、25℃60%RH環境下で、エリプソメーターM‐220(日本分光社製)を用いて波長633nmにて測定し、MD方向とTD方向の平均値を用いた。
本発明における透明支持体の緩和弾性率は以下の式のように算出するものである。
緩和弾性率(Pa)=弾性率(Pa)×緩和率(%)÷100(%)
透明支持体の弾性率測定法は、25℃60%RH環境下で、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、MD方向/TD方向それぞれにおいて、引張り測定し、MD方向とTD方向の平均値を用いた。
透明支持体の緩和率測定法は、25℃60%RH環境下で、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて、MD方向/TD方向それぞれにおいて、歪み0.3%まで延伸した後(初期荷重)、歪み一定で荷重を測定し、MD方向とTD方向の平均値を用いた。
粘着剤層と接着する液晶セルのガラスにおけるガラスの光弾性係数は、25℃60%RH環境下で、エリプソメーターM‐220(日本分光社製)を用いて波長633nmにて測定した。
ガラスの緩和弾性率は、25℃60%RH環境下で、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製)を用いて測定した。
粘着剤層の緩和弾性率および光弾性係数が上記式(1),(2)の関係を共に満足するとともに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数が上記所定の範囲を満足することにより、前述の各層(透明支持体/粘着剤層/液晶セルのガラス)に発生する位相差の合計を0にする、もしくは、0に近づけることにより、上記光漏れの問題を解決することができる。
特に、近年の液晶表示装置の性能向上に伴い、正面の黒輝度が非常に低くなっていることや、画素の高精細化により、画面のアスペクト比が4:3から16:9となっている状況において、優れた効果を奏するものである。
偏光板の幅と長さのアスペクト比は、4/3よりも大きいことが好ましく、より好ましくは4/3よりも大きく21/9以下であり、最も好ましくは16/9以上、21/9以下である。
図1に本発明の偏光板の一例の断面模式図を示す。図1に示す偏光板は、粘着剤層1、透明支持体2、偏光膜3、保護層4を順次積層した構造を有する。液晶表示装置に組み込まれる際は、粘着剤層1により、他の部材、例えば、液晶セルのガラス基板の表面に貼り付けられる。また、図2に示す様に、粘着剤層1の表面に剥離紙5を配置して、保管及び搬送等を行ってもよい。保護層4は、光透過率が80%以上の通常のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。該ポリマーフィルムとしてセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。セルロースアセテートフィルムについては、後述する透明支持体2の例と同じものを用いることができる。
なお、図1及び図2の構成では、透明支持体2が、偏光膜3の保護層でもある構成を示したが、透明支持体2と偏光膜3との間に、別途、他の層を配置してもよいが、該層の膜厚は2.5μm以下であることが好ましく、例として、液晶セルの位相差補償を行うための層(光学異方性層、配向膜など)が挙げられる。
《偏光膜》
本発明の偏光板に用いる偏光膜は、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜、及びポリエン系偏光膜のいずれであってもよい。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。製造方法としては、従来公知の方法が適用でき、例えば上記特許文献1に記載の方法が挙げられる。
《粘着剤層》
本発明の偏光板に用いられる粘着剤層は、粘着剤層の光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率をEMPSA(Pa)、緩和率をRRPSA(%)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たすものであり、この条件を満たせば、特に制限なく使用することができる。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
ここで、RMPSA(kPa)はEMPSA(Pa)とRRPSA(%)の積である。
さらに、後述する実施例から分かるように、上記式(1)は、下記式(3)であることが好ましく、下記式(5)であることがより好ましい。また、上記式(2)は、下記式(4)であることが好ましい。
式(3) 195≦RMPSA<550
式(4) 0.91×RMPSA+600≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
式(5) 225≦RMPSA<550
また、RMPSAは500以下であることが特に好ましい。
粘着剤層としては、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく使用される。このような特徴を示すものとしてアクリレート系粘着剤が知られている。アクリレート系粘着剤としては、アクリレート系高分子(アクリレート系モノマーを含有する組成物から形成された共重合体)を含有するものが好ましい。アクリレート系高分子は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマーユニットを主骨格とするアクリレート系ポリマーをベースポリマーとするものが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルはアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルをいう。なお、アクリレート系ポリマーの主骨格を構成する、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等を例示できる。これらは、一般的にアクリレート系粘着剤に使用されており、これらのモノマーは通常、25℃60%RHにおいて、負の固有複屈折を有しており、それらモノマーから形成されるアクリレート系高分子は、負の光弾性係数を有する。一方、本発明における粘着剤層は、上記式(1)及び(2)を満たすものであり、上記式(1)及び(2)から、本発明における粘着剤層の光弾性係数は0以上である。負の光弾性係数を有するアクリレート系高分子に対して、正の固有複屈折を有する化合物を添加することにより、光弾性係数を0以上にすることができる。したがって、本発明においては、アクリレート系高分子と正の固有複屈折を有する化合物とを含む粘着剤層が好ましい。アクリレート系高分子とともに使用する正の固有複屈折を有する化合物としては、弾性率と光弾性係数の両方を調整できるという観点から、正の固有複屈折を有する架橋剤が好ましい。
アクリレート系高分子の平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程度であるのが好ましい。前記アクリレート系ポリマーの製造は、各種公知の手法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。また、前記製造法の中でも溶液重合法が好ましく、アクリレート系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80質量%程度とされる。
粘着剤層の光弾性係数は、正の固有複屈折を有する架橋剤の種類、および量を調整することにより、所望のものとすることができる。例えば、粘着剤層の光弾性係数の数値を大きくする場合には、正の固有複屈折を有する架橋剤層の固有複屈折の絶対値が大きいものを使用する、または、添加量を増やす等により調整可能であり、逆に、粘着剤の光弾性係数の数値を小さくする場合には、正の固有複屈折を有する架橋剤の固有複屈折の絶対が小さいものを使用する、または添加量を減らす等により調整可能である。
なお、固有複屈折とは、分子構造に依存した固有の複屈折であり、分子内の分極率の異方性により生ずる。また、マクロな複屈折の大きさは固有の複屈折と分子の配向に支配される。配向が全くランダムであれば単一分子の固有複屈折が大きい場合にも巨視的な複屈折はゼロとなる。正の固有複屈折とは分子の延伸方向(液晶等の場合にはラビング方向)に対して同じ方向に遅相軸ができるものであり、負の固有複屈折とは垂直方向に遅相軸ができるものである。
また、光弾性係数とは、応力(σ)をかけたときに発生する複屈折(Δn)で定義され、以下のように表すことができる。
光弾性係数(C)=Δn/σ
正の固有複屈折を有する架橋剤は、特に制限されるものではない。粘着剤層に配合できる正の固有複屈折を有する架橋剤(多官能化合物)としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートがあげられる。有機系架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、などがあげられる。これら架橋剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。有機系架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤が好ましい。前記イソシアネート系架橋剤は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びそれらのメチロール付加物などを含む。また、高分子化された物も好ましい。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合又は配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等があげられる。共有結合又は配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等があげられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等があげられる。
また、正の固有複屈折を持つ架橋剤として、芳香族化合物は、少量添加で効果を発揮することが出来る点で好ましい。なお、芳香環は、芳香族炭化水素を好適に使用することができる。また、該芳香族化合物のπ共役系が大きい、または多いものが好ましい。後者の観点より、正の固有複屈折を有する架橋剤は芳香環を2つ以上持つことが好ましい。例えば、ナフタレン環、アントラセン環を持つものやベンゼン環を多く持つものが好ましく、具体的には、日本ウレタン製コロネートL、ミリオネートMR,ミリオネートMTなどが好ましく用いられる。ここで、ベンゼン環等の芳香環を複数有する場合には、該複数の芳香環が、直接連結または縮合されていることが、好ましい。当該観点より、ナフタレン環またはビフェニル構造を有するものが好ましい。更に、芳香族系の場合には、芳香族性が高いものが好ましい。芳香族性の目安としてはトポロジカル共鳴エネルギー(TRE)があり、このエネルギーが高いほど芳香族性が高いことを示す。TREの計算方法はJ.Aihara,J.Am.Chem.Soc.,2048, 99(7)(1999)に記載されている。この観点より、ベンゼン環、ナフタレン環またはビフェニル構造を有するものが好ましく、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニルのTRE値はそれぞれ0.273、0.389、0.502であり、この順に芳香族性が高いことになる。効果の観点からは、ナフタレン環またはビフェニル構造を有するものが好ましく、コストの面からはベンゼン環を有するものが好ましい。好ましい架橋剤としては、1,6‐ナフタレンジイルジイソシアナート、(1,3,5‐ベンゼントリイル)トリス(4,1‐フェニレン)トリスイソシアナート、トリレンジイソシアネート、またはこれらのポリマーがあげられる。更にまた、正の固有複屈折を有する架橋剤は、液晶性であることが好ましい。液晶性を有することにより、正の固有複屈折を有する架橋剤の配向性が向上し、効率的に粘着剤層の光弾性係数を大きくすることができると推定される。また、架橋剤が高分子であることも好ましい。
正の固有複屈折を有する架橋剤(二種以上ある場合にはその総量)は、アクリレート系高分子(ベースポリマー)の総量に対し、2〜30質量%添加することが好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤を多量に添加する場合は、架橋反応が進みすぎて粘着剤層の緩和性の低減を防止することが好ましい。この方法としては、後に詳述するアクリレート系高分子の少なくとも一種が、架橋部位を有するモノマー成分を含有する組成物から形成され、該組成物中、該架橋部位を有するモノマー成分が、モノマー成分全体に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%と設定することが好ましい。また、緩和性を保持する別の方法として、アクリレート系高分子が少なくとも二種以上であり、少なくとも一種が架橋部位を有するアクリレート系高分子、少なくとも一種が架橋部位を有さないアクリレート系粘着剤であり、架橋部位を有しないアクリレート系高分子の総量が、アクリレート系高分子総量に対し、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%と設定することが好ましい。また、これらの組み合わせも可能である。
アクリレート系高分子の少なくとも一種が、単独で正の固有複屈折を有するモノマーを少なくとも一種と、単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマーを少なくとも一種と、架橋部位を有するモノマーを少なくとも一種と、を含有する組成物から形成されていることが好ましい。なお、単独で負の固有複屈折を有するアクリレート系モノマーとは、従来のアクリレート系高分子に使用されているモノマーが該当し、好適なものも前記したものと同様である。更に、単独で正の固有複屈折を有するモノマーを使用することにより、正の固有複屈折を有する架橋剤と同様に、粘着剤層の光弾性係数を調整することが可能となる。
また、単独で正の固有複屈折を有するモノマーとしては、特に制限をされるものではないが、負の固有複屈折と有するモノマーと同様に、アクリレート系モノマーが好ましい。当該アクリレート系モノマーとしてはエステルのアルコール成分部分にフッ素原子を含む側鎖を有する化合物等を好適に挙げることができる。例えば、メタクリル酸フルオロヘキシルが挙げられる。また、主鎖に共役系等の動きやすい電子を持つことが好ましい。また、液晶性であったり、芳香環を少なくとも1つ有することが好ましい。当該置換基を有する場合には、高分子とした際に、主鎖に対し直接ではなく、sp3結合等の結合軸周りの回転の許された結合を介して芳香環が結合される化合物が好ましく用いられる。芳香環としては、特に制限されるものではないが、ベンゼン、ナフタレン等を挙げることができる。芳香族系の場合には、芳香族性が高いものが好ましい。たとえば、ベンジルアクリレート、フェキシエチルアクリレート、N−置換マレイミド(シクロヘキシルマレイミド等)および下記に示した様な化合物があげられる。
なお、共重合体を合成する上で、正の固有複屈折を有するモノマーおよび負の固有複屈折を有するモノマーの相溶性のよいものが合成上、好ましい。相溶性の目安として、例えば、オクタノール−水分配係数(logP値)を使用することができ、logP値の違いが5以内であるものが好ましい。
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS Z−7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法または経験的方法により見積もることも可能である。
計算方法としては、Crippen's fragmentation法("J.Chem.Inf.Comput.Sci.",27巻、p21(1987年))、Viswanadhan's fragmentation法("J.Chem.Inf.Comput.Sci.",29巻、p163(1989年))、Broto's fragmentation法("Eur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.",19巻、p71(1984年))などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法("J.Chem.Inf.Comput.Sci.",27巻、p21(1987年))がより好ましい。
ある化合物のlogPの値が測定方法または計算方法により異なる場合に、該化合物が上記の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
架橋部位を有するモノマーの架橋部位は、架橋剤との反応点となる。架橋部位を有するモノマーは、特に制限されるものではなく、従来のアクリレート系粘着剤のベースポリマーに使用されるものを好適に使用することができる。光学フィルム用途として液晶セルへの接着性、耐久性の点から、α、β−不飽和カルボン酸含有モノマーを好適に挙げられる。例えば、アクリル酸が好適に用いられる。
α、β−不飽和カルボン酸含有モノマーは、接着強度または粘着力を付与する。さらに、架橋部位を有するモノマーとして水酸基含有モノマーも好ましく用いられ、水酸基含有モノマーは、単独でまたは架橋剤と反応して高温時に粘着剤の粘着力破壊が起こらないように化学結合による粘着力を付与する。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びこれらの混合物等が挙げられる。
なお、組成物中、単独で正の固有複屈折を有するモノマーと、単独で負の固有複屈折を有するモノマーとの比は、用いるモノマーの種類および所望の光弾性係数により、適宜、選択することになるが、単独で正の固有複屈折を有するモノマーの総量は、前記単独で負の固有複屈折を有するモノマーの総量に対し、好ましくは、0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。また、架橋部位を有するモノマーの含有量は特に制限されるものではないが、モノマー成分全体に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。0.01未満となると接着力向上効果が低下するおそれがある。
また、粘着剤層の光弾性係数を調整する際に、正の固有複屈折を有する架橋剤および上記共重合体だけでなく、アクリレート系粘着剤に、更に、正の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有させることによって行うこともできる。また、更に、負の固有複屈折を有する化合物を少なくとも一種含有させることによって行うこともできる。なお、単独で正の固有複屈折を有する化合物を添加し調整することが好ましい。これにより、粘着剤層を所望の光弾性係数の調整を容易に行うことができる。例えば、正の固有複屈折を有する架橋剤(適宜、上記共重合体も使用する)により、粘着剤層の光弾性係数を所望の値に大まかに近づけ、更に、固有複屈折を有する化合物を添加し微調整を行う方法等を挙げることができる。これにより、例えば、正の固有複屈折を有する化合物の添加量は、少量ですみ、偏光板の剥離も抑制することが可能となる。
単独で正の固有複屈折を有する化合物としては、特に制限されるものではないが、棒状液晶化合物等が有効である。さらに、芳香族系の場合には、芳香族性が高いものが好ましい。また、上記正の固有複屈折を有するモノマーを単独で正の固有複屈折を有する化合物として使用こともできる。なお、固有複屈折を有する化合物は、有機分子である必要はなく、無機物、有機無機複合体であっても問題ない。以下、単独で正の固有複屈折を有する化合物に関し、具体例を以下に示す。下記化合物は液晶性化合物であり、LC−1およびLC−2は、前記正の固有複屈折を有するモノマーとしても使用することができる。
正の固有複屈折を有する化合物の添加量は、負の固有複屈折モノマー100質量部に対し、正の固有複屈折成分(正の固有複屈折を有する架橋剤、正の固有複屈折を有するモノマーおよび正の固有複屈折を有する化合物の総量)が、好ましくは、0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。
なお、正の固有複屈折を有する化合物は、固有複屈折が高いほど好ましい。また、正の固有複屈折を有する化合物と、アクリレート系高分子との配向性が重要なファクターであり、同じように配向することにより、例えば、各成分の分子間相互作用が強いものとすることにより、正の固有複屈折を有する化合物の添加の効果をより得ることができる。これにより、相溶性が格段に向上して低添加量で効果が発現し、さらに、耐久性も上がる。例えば、logP値の違いが5以内とすることにより、当該効果を得ることができる。
粘着剤層の緩和弾性率は、粘着剤に使用されるポリマーの分子量を調整したり、架橋剤/可塑剤などの素材の混合比を調整したりすることで調整できる。
また、粘着剤層は、上記成分以外にも、従来のアクリレート系粘着剤に使用されている成分等を、任意に使用することができる。例えば、界面活性剤等を添加する事も相溶性をよくする上で効果があり、粘着剤層の剥離を抑制する効果が得られる。
さらには、粘着剤層には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を、本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしてもよい。
可塑剤としてはフタル酸エステル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸トリエステル、グリコールエステル等のエステル類や、プロセスオイル、液状ポリエーテル、液状ポリテルペン、その他の液状樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
可塑剤の添加量は、粘着剤の種類、組成等の諸条件により異なり、特に限定されないが、通常は、粘着剤100質量部に対し、0.1〜50質量部であるのが好ましく、1.0〜30質量部であるのがより好ましい。0.1質量部以上であると、可塑剤の添加による軟化が十分となり応力緩和がしやすくなり、また、50質量部以下であると、凝集破壊等の物性低下を招きにくい。
粘着剤層には、シランカップリング剤を添加することが好適であり、ベースポリマー(固形分)100質量部に対して、シランカップリング剤(固形分)0.001〜10質量部程度が好ましく、さらには0.005〜5質量部程度を配合するのが好ましい。シランカップリング剤としては、従来から知られているものを特に制限なく使用できる。たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤を例示できる。
偏光板に粘着剤層を形成する方法は特別の制限はなく、この偏光フィルム表面に直接バーコーターなどを使用して粘着剤を塗布して乾燥させる方法、または粘着剤を一旦剥離性基材表面に塗布して乾燥させた後、この剥離性基材表面に形成された粘着剤層を偏光フィルム表面に転写し、続いて熟成させる方法等を採用することもできる。
粘着剤層の厚みは、特に制限されるものではないが、応力による位相差を発生させないためには薄い方が好ましいが、接着力の観点からは厚い方が好ましい。それらを両立するには、5〜50μmが好ましく、より好ましくは10〜40μm、最も好ましくは10〜30μmである。
[透明支持体]
本発明の偏光板における粘着剤層と偏光膜の間に用いられる透明支持体は、透明支持体の光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)であり、この条件を満たせば、特に制限なく使用することができる。
また、透明支持体は光学補償フィルムとしての機能を有することが好ましい。
光学補償フィルムの例は、透明支持体、もしくは、透明支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を有するものが挙げられる。
応力による位相差の発生を調節し、かつ抑制するためには、透明支持体の光弾性係数は3×10‐12〜15×10‐12(1/Pa)であるのがより好ましく、同様の理由から、透明支持体の緩和弾性率は0.5〜3(GPa)であるのがより好ましい。また、光学補償フィルムの厚さは、特に制限はないが、応力による位相差を発生させないためには薄い方が好ましいが剛性の観点からは厚い方が好ましく、それらを両立する観点から、20〜200μmが好ましく、より好ましくは20〜100μm、最も好ましくは40〜80μmである。
以下、透明支持体の構成材料について説明する。
透明支持体は、透明なポリマーフィルムであるのが好ましく、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムを構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースのモノ乃至トリアシレート体)、ノルボルネン系ポリマー及びポリメチルメタクリレートが含まれる。市販のポリマー(ノルボルネン系ポリマーでは、アートン及びゼオネックスいずれも商品名))を用いてもよい。又、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーは、国際公開第00/26705号パンフレットに記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御したものを用いるのが好ましい。
中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。具体的に好ましいセルロースエステルとしては、特開2007−286324[0183]〜[0189]に記載のものを用いることができる。
ポリマーフィルムのレターデーションを調整するためには延伸のような外力を与える方法が一般的であるが、又、光学異方性を調節するためのレターデーション上昇剤が、場合により添加される。例えば、欧州特許出願公開第911656号明細書、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報等記載の化合物等が挙げられる。
ポリマーフィルムには種々の目的に応じて添加剤を添加剤でき、例えば、可塑剤、紫外線防止剤、剥離剤、帯電防止剤、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)、赤外吸収剤を等を添加してもよい。これらの添加剤は固体でもよく油状物でもよい。また、フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。これらの詳細は、公技番号2001−1745号の16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されないが、ポリマーフィルム全組成物中、0.001〜25質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
可塑剤を添加する場合、数平均分子量が200〜10000の可塑剤を含有することも好ましく、負の固有複屈折を有する可塑剤を含むことも好ましい。具体的な可塑剤としては、特開2010−253929号公報の[0038]〜[0102]記載のもの等を用いることができる。なお、数平均分子量は公知の方法で測定することが出来る。これにより、フィルム弾性率を低減させることも出来る。
添加剤として、以下のポリマー又はオリゴマーを用いてもよい。
ポリマー又はオリゴマーの中には、フィルムの光弾性係数を低下させる作用があるものもある。かかる特性のポリマー又はオリゴマーの例としては、シアノ基を含む繰り返し単位、及びメチルメタクリレート由来の繰り返し単位の少なくとも一方を有するポリマーもしくはオリゴマーが挙げられる。なお、前記ポリマー又はオリゴマーは粒子や粉末の形態で添加されてもよい。
シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーを重合または共重合させて得ることができる。
シアノ基を含む繰り返し単位は、分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位であっても、分子内にシアノ基を有していないエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位に置換基としてシアノ基を導入して得られるものであってもよい。中でも、分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーを重合して得られる繰り返し単位であることが好ましい。
分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーは、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、シアン化ビニル基、2−シアノアクリルオキシ基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基等のエチレン性重合性基を有するものが好ましく、より好ましくは、シアン化ビニル基である。また、分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーは、分子内にシアノ基を1つ有していても、複数有していてもよい。また、シアノ基は、エチレン性不飽和モノマーが重合体になったときに主鎖に直接連結している置換基であってもよく、連結基を介して主鎖に連結している置換基であってもよい。中でも、分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーは、分子内にシアノ基を1つ有し、かつ、重合体になったときに主鎖に直接連結しているシアノ基を有する繰り返し単位を誘導するモノマーであるのが好ましい。コンパクトで分極率の大きい、シアノ基を含む側鎖を有するポリマー又はオリゴマーは、光弾性係数を低減することができる。
また、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位のみからなるポリマーまたはオリゴマーであっても、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位とシアノ基を含まない繰り返し単位とを含むポリマーまたはオリゴマーであってもよい。1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位のみからなるポリマーまたはオリゴマーは、光弾性係数の低減の観点から好ましい。一方、1種または2種以上のシアノ基を含む繰り返し単位とシアノ基を含まない繰り返し単位とを含むポリマーまたはオリゴマーは、セルロースアシレートとの相溶性確保の観点から好ましい。
シアノ基を含む繰り返し単位を誘導するモノマーの一例は、下記一般式(1)で表されるモノマーである。
一般式(1)
式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシル基、−NH−COOH、炭素数1〜6のアシルアミノ基またはカルバモイル基を表す。
は水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子またはシアノ基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
は水素原子、メチル基またはシアノ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
式(1)の例としては、メタクリロニトリルが特に好ましい。
さらに、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーは、一般式(1)で表される構造以外のその他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を、シアノ基を含む繰り返し単位として有していないことがより好ましい。
なお、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーにおけるシアノ基を含む繰り返し単位が、一般式(1)で表される構造以外のその他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマー由来の繰り返し単位を含む場合、該その他の骨格を有するエチレン性不飽和モノマーとしては後述する一般式(2)におけるRやR、後述する一般式(4)におけるR、R、及びRがシアノ基を含む置換基であるエチレン性不飽和モノマーなどを用いることができる。
分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーは市販品として入手または公知の文献を参照して合成することができる。
シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマー又はオリゴマーは、シアノ基を有さないその他のエチレン性不飽和モノマー(以下、その他のエチレン性不飽和モノマーとも言う)を重合して得られる繰り返し単位を含んでいてもよい。分子内にシアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとの共重合に用いられる、その他のエチレン性不飽和モノマーとしては、以下のモノマーが挙げられる。以下のモノマーを1種又は2種以上用いることができる。
(1)アクリレートモノマー
その他のエチレン性不飽和モノマーとしてはアクリレートモノマーが好ましい。アクリレートモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、クロルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アセト酢酸エチルエメタクリレート等が挙げられる。又、特に好ましいものとしては、メチル(メタ)アクリレートモノマー、アセト酢酸エチルエメタクリレートを挙げることができる。
(2)下記一般式(2)で表されるモノマー
また、下記一般式(2)で表されるモノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
一般式(2)
一般式(2)の式中、Rは、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよい芳香族基、または置換基を有していてもよい複素環基を表し、mは0〜8の整数を表し、mが2〜8のときRは同じでも、異なっていてもよい。Rは、エチレン性不飽和結合を部分構造として有する基を表し、X1は、酸素原子または硫黄原子を表す。
で表される基としては、特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの置換基は同様の置換基によって更に置換されていてもよい。
はエチレン性不飽和結合を有するが、具体例としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられるが、好ましくは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基である。
以下に分子内に前記一般式(2)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーの好ましい具体例を例示するが、これらに限定されるものではない。
一般式(2)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーとして特に好ましくはN−メタクリロイルモルホリンまたはN−アクリロイルモルホリンであり、さらに好ましくはN−アクリロイルモルホリンである。
(3)βケトエステルモノマー
また、下記一般式(3)で表されるモノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
一般式(3)
一般式(3)中、Rは水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、前記脂肪族基、芳香族基および複素環基は置換基を有していてもよい。Lは、単結合、あるいは、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R)−またはそれらの組合せを表し、前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基は置換基を有していてもよい。Rは水素原子またはアルキル基を表す。
一般式(3)におけるRは水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表し、脂肪族基、芳香族基および複素環基は置換基を有していてもよい。
における脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などを挙げることができ、その中でも炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
における芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができ、その中でもフェニル基が好ましい。
前記複素環基としては、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、ピロリル基、モルホリノ基、チアモルホリノ基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリドニル基、ピペリドニル基を挙げることができ、その中でもモルホリノ基、ピリジル基が好ましい。
前記脂肪族基、芳香族基または複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基)、炭素原子数2〜6のアルケニル基(例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、炭素原子数2〜6のアルキニル基(例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アミノ基(例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基)、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基。)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば(フェニルオキシカルボニルアミノ基)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基)、スルファモイル基(例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基)、カルバモイル基(例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基)、スルホニル基(例えばメシル基、トシル基)、スルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、ウレイド基(例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基)、リン酸アミド基(例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基)などを挙げることができる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。その中でもメチル基、フルオロ基が好ましい。
一般式(3)におけるRは、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることがより特に好ましい。
一般式(3)におけるLは単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R)−またはそれらの組合せを表し、前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基は置換基を有していてもよい。
前記Lは、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、−C(=O)−、または−L−L−であることが好ましい(但し、LおよびLの一方が、−C(=O)−、−O−、−N(R)−またはそれらの組合せを表し、他方が2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基を表す。前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基は置換基を有していてもよい。Rは水素原子またはアルキル基を表す。)。ここで、前記−L−L−はLが主鎖に連結する。
前記Lは−L−L−であることがより好ましい。
前記Lは、Lが−C(=O)−、−O−、−N(R)−またはそれらの組合せであり、かつ、Lが2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基であることが特に好ましい。
前記Lにおける2価の脂肪族基としては、アルキレン基、アルキニル基であることが好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基であることがより好ましく、エチレン基であることがより特に好ましい。
前記Lにおける2価の芳香族基としては、炭素数6〜12の芳香族基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基であることがより好ましく、無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
前記Lにおける2価の複素環基としては、ピリジレン基、ピロリジレン基、ピペリジレン基、ピペラジレン基、ピロリレン基、モルホリニレン基、チアモルホリレニン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピロリドニレン基、ピペリドニレン基を挙げることができ、その中でもモルホリニレン基が好ましい。
前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン基を挙げることができ、その中でもアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記Lは、−C(=O)−、−O−、−N(R)−またはそれらの組合せであることが好ましく、前記−C(=O)−、−O−、−N(R)−またはこれらの組合せとしては、−C(=O)−、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−N(R)−C(=O)−、−C(=O)−N(R)−、−N(R)−C(=O)−N(R)−が好ましい。さらに前記Lは、−C(=O)−O−、−C(=O)−N(R)−であることがより好ましく、−C(=O)−O−であることが特に好ましい。
前記Lは2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基であることが好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基、フェニレン基、であることがより好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基またはフェニレン基であることが特に好ましく、炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基であることがより特に好ましく、エチレン基であることがさらにより特に好ましい。
なお、前記LおよびLにおける前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基の好ましい範囲は、前記Lにおける前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基および2価の複素環基の好ましい範囲と同じである。
一般式(3)におけるRおよびLの好ましい組み合わせは、一般式(3)におけるRが水素原子またはメチル基であり、Lが2価の脂肪族基、2価の芳香族基、−C(=O)−、または−L−L−である態様である。
より好ましくは、一般式(3)におけるRが水素原子またはメチル基であり、LがL−L−である態様である。
特に好ましくは、Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−C(=O)−O−であり、Lが炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基である態様である。
より特に好ましくは、Rが水素原子またはメチル基であり、Lが−C(=O)−O−であり、Lがエチレン基である態様である。すなわち、一般式(3)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートまたはアセト酢酸エチルアクリレートである態様がより好ましい。
さらに、一般式(3)におけるRがメチル基である態様がさらにより特に好ましく、すなわち、一般式(3)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートであることがさらにより特に好ましい。
は水素原子またはアルキル基を表す。
は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
(4)下記一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマー
また、下記一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーも前記その他のエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
一般式(4)
一般式(4)の式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよい芳香族基、及び置換基を有していてもよい複素環基を表す。またR、R、及びRの何れか二つが互いに結合してそれらが結合している窒素原子、あるいは窒素原子及び炭素原子と一緒になって、環状構造を形成していてもよい。R、R、及びRで表される置換基を有していてもよい脂肪族基、置換基を有していてもよい芳香族基、及び置換基を有していてもよい複素環基としては、特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの置換基は同様の置換基によって更に置換されていてもよい。
、R、及びRの何れか二つが互いに結合してそれらが結合している窒素原子、或いは窒素原子及び炭素原子と一緒になって、5〜7員の環状構造を形成することが好ましいが、その場合の環としては、環中に更に窒素原子、硫黄原子または酸素原子を有していても良く、飽和または不飽和の単環、多環または縮合環式のものが挙げられる。具体例としては、例えば、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロール環、モルホリン環、チアモルホリン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピロリドン環、ピペリドン等の複素環が挙げられ、これらの環は更に、R、R、及びRで表される基が有しても良い置換基によってさらに置換されていてもよい。
分子内に一般式(1)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーは分子内にエチレン性不飽和結合を有するが、R、R、及びRで表される基の少なくとも一つがエチレン性不飽和結合を有する基としてアルケニル基を表すか、或いはR、R、及びRで表される基の少なくとも一つが部分構造としてエチレン性不飽和結合を有することを意味する。エチレン性不飽和結合の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられるが、好ましくは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基である。
以下に分子内に一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーの好ましい具体例を例示するが、これらに限定されるものではない。
分子内に前記一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーは1種或いは2種以上組み合わせて用いることができ、特に好ましくはN−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタムまたはこれらの混合物である。
分子内に前記一般式(4)で表される部分構造を有するエチレン性不飽和モノマーは市販品として入手または公知の文献を参照して合成することができる。
分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーと前記その他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合比率については特に制限はない。前記共重合比(モル比)は前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマー/前記その他のエチレン性不飽和モノマー=5/95〜100/0であることが好ましく、50/50〜100/0であることがより好ましく、100/0であること(すなわち前記分子内にシアノ基を部分構造として有するエチレン性不飽和モノマーの単独重合体であること)が、フィルムの光弾性率および含水率を低減させる観点から好ましい。
シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーの重量平均分子量は1000〜100000であることが好ましい。さらに好ましくは1000〜50000であり、最も好ましくは、1000〜10000である。
シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーのセルロースアシレートに対する含有率は1.5〜49質量%である。さらに好ましくは5質量〜20質量%であり、特に好ましくは10〜15質量%である。
メチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するポリマー又はオリゴマーは、好ましくはメチルメタクリレート由来の繰り返し単位のみを有する、ポリマー又はオリゴマーも、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーと同様の作用がある。当該ポリマー又はオリゴマーについては、特開2009−249394号等に記載があり、本発明に適用することができる。また、添加量の好ましい範囲についても、シアノ基を含む繰り返し単位を有するポリマーまたはオリゴマーと同様である。
《ポリマーフィルム(支持体)の製造方法》
ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラム又はバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延してもよい。
これらのソルベントキャスト方法の製造工程については、特開2001−1745号の22頁〜30頁に詳細に記載され、溶解、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
フィルム(支持体)の厚さは、15〜120μmであることが好ましく、更には20〜80μmが好ましい。
さらに、ポリマーフィルムは各種延伸、熱処理等を加えることで所望の光学特性を達成することもできる。具体的には、特願2009−085568号[0134]〜[0165]に記載の方法等を用いることができる。
《ポリマーフィルム(支持体)の表面処理》
ポリマーフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。表面処理には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理が含まれる。これらについては、詳細が前記の公技番号2001−1745号の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。具体的には、例えば、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに記載の内容が挙げられる。
[光学補償フィルム]
本発明の偏光板における粘着剤層と偏光膜の間に配置される透明支持体は、光学補償フィルムであることが好ましい。光学補償フィルムは、所望の位相差に調整した透明支持体単体でもよいし、もしくは、透明支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムであってもよい。光学補償フィルムとしては、透明支持体の少なくとも片側表面に光学異方性層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。また、光学補償フィルムが透明支持体単体の場合は、透明支持体を延伸して作製することで所望の位相差を調整することができる。
以下、光学補償フィルムの構成材料について説明する。
《光学異方性層》
光学異方性層の好ましい態様について詳細を記述する。光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶化合物の配向状態に関しては、IDW’00、FMC7−2、P411〜414に記載されている。光学異方性層は、ラビング軸等の配向軸によって配向制御され、その配向状態に固定された液晶性化合物を含有するのが好ましい。
光学異方性層の形成に用いる液晶性化合物の例には、分子構造が棒状である棒状液晶性化合物、及び分子構造が円盤状である円盤状液晶性化合物が含まれる。棒状液晶性化合物及び円盤状液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。光学異方性層の作製に棒状液晶性化合物を用いた場合は、棒状液晶性分子は、その長軸を支持体面へ投影した軸の平均方向が、配向軸に対して平行であるのが好ましい。また、光学異方性層の作製に円盤状液晶性化合物を用いた場合は、層中において円盤状液晶性分子は、その短軸を支持体面へ投影した軸の平均方向が配向軸に対して平行であるのが好ましい。また、円盤面と層平面とのなす角(傾斜角)が深さ方向に変化する、後述のハイブリッド配向が好ましい。
《棒状液晶性分子》
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、日本化学会編、「季刊化学総説」、第22巻、液晶の化学(1994)の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性分子は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、ラジカル重合性不飽基或はカチオン重合性基が好ましく、具体的には、例えば特開2002−62427号公報明細書中の段落番号[0064]〜[0086]記載の重合性基、重合性液晶化合物が挙げられる。
《円盤状液晶性化合物》
円盤状(ディスコティック)液晶性化合物の例には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett、A、78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.、1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶性化合物としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性化合物を含有する組成物から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物が液晶性である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合又は架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。円盤状液晶性分子の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜[0168]記載の化合物等が挙げられる。
ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の円盤面と層平面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ支持体(又は配向膜)表面からの距離の増加と共に増加又は減少している。角度は、距離の増加と共に増加することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加及び減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加又は減少していればよい。さらに、角度は連続的に変化することが好ましい。
支持体(又は配向膜)側の円盤状液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法を選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の円盤状液晶性分子の円盤面方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
《光学異方性層中の他の添加物》
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。具体的には、特開2002−296423号、特開2001−330725号、特開2000−155216号等に記載されたものが好ましい。
《光学異方性層の形成》
光学異方性層は、少なくとも一種の液晶性化合物及び必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む組成物を、例えば塗布液として調製し、該塗布液を配向膜の表面(例えば、ラビング処理面)に塗布することで形成できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N、N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1、2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
《液晶性分子の配向状態の固定》
配向膜等の表面上で配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の使用量は、組成物(塗布液である場合は固形分)の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
なお、光学異方性層の上に保護層を設けてもよい。
《配向膜》
光学異方性層中の液晶性化合物は配向軸によって配向制御され、その状態に固定されているのが好ましい。前記液晶性化合物を配向制御する配向軸としては、光学異方性層と前記ポリマーフィルム(支持体)との間に形成された配向膜のラビング軸が挙げられる。但し、配向軸はラビング軸に限定されるものではなく、ラビング軸と同様に液晶性化合物を配向制御し得るものであれば、いかなるものであってもよい。
配向膜は、液晶性分子の配向方向を規定する機能を有する。従って、配向膜は本発明の好ましい態様を実現する上では必須である。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光膜上に転写して本発明の偏光板を作製することも可能である。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。配向膜に使用するポリマーは、原則として、液晶性分子を配向させる機能のある分子構造を有する。本発明では、液晶性分子を配向させる機能に加えて、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖を主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができし、これらの組み合わせを複数使用することができる。ポリマーの例には、例えば特開平8−338913号公報明細書中段落番号[0022]記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリカーボネート等が含まれる。シランカップリング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。重合度が異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが特に好ましい。変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0022]〜[0145]、同2002−62426号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0022]に記載のもの等が挙げられる。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000であることが好ましい。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償フィルムの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜ポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報明細書中の段落番号[0023]〜[024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。が発生することがある。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマー、架橋剤を含む透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行ってよい。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜形成時に利用する塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は、20℃〜110℃で行うことができる。充分な架橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行うことができるが、好ましくは1分〜30分である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合は、pH4.5〜5.5で、特に5が好ましい。
配向膜は、透明支持体上又は上記下塗層上に設けられる。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。
次に、配向膜を機能させて、配向膜の上に設けられる光学異方性層の液晶性分子を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させる。
配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
また、光学補償フィルムは、フィルムを延伸して作製してもよい。
《液晶表示装置》
本発明の偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。本発明の液晶表示装置の一態様は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板からなり、その一方又は双方が本発明の偏光板であることを特徴とする。
液晶セルは、一般的には、二枚の電極基板の間に液晶を担持した構成である。TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
また本発明の偏光板は、TNモードの液晶セル以外にも、OCB(Optically
Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In Plane Switching)等の液晶表示装置にも有利に利用できる。すなわち、本発明の液晶表示装置は、TNモード、OCB、VA、IPSなどに適用することができる。
粘着剤層と接着する液晶セルのガラスは、特に制限なく従来公知のものを使用することができる。応力による位相差の発生を調節し、かつ抑制する観点から、ガラスの光弾性係数は、0.5×10‐12〜7×10‐12(1/Pa)が好ましく、3.5×10‐12〜7×10‐12(1/Pa)がより好ましい。また、同様の観点から、ガラスの弾性率は30〜100(GPa)であるのが好ましく、50〜100(GPa)であるものがより好ましい。
ガラスの厚さは、特に制限はないが、応力による位相差を発生させないためには薄い方が好ましいが、剛性の観点からは厚い方が好ましいため、それらを両立する観点から、200〜2000μmが好ましく、300〜1500μmがより好ましく、400〜1000μmがさらに好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[光学補償フィルムの作製]
(透明支持体B1の作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、溶液C−1を調製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−1)
───────────────────────────────────
アセチル置換度2.85のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.0質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 434質量部
メタノール(第2溶媒) 65.4質量部
───────────────────────────────────
得られたドープを、流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10質量%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(厚み80μm)の透明支持体B1を作製した。
(透明支持体B2の作製)
次に、上記で作製した溶液C−1に、下記組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して各成分を溶解し、溶液C−2を調製した。得られた溶液C−2を溶液C−1同様に溶液製膜法で製膜して透明支持体B2を作製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−2)
───────────────────────────────────
溶液C−1 12.8質量部
PMCN(光弾性軽減剤) 30.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 62.8質量部
メタノール(第2溶媒) 9.4質量部
───────────────────────────────────
(透明支持体B3の作製)
組成物を下記に変更した以外は、上記作製した溶液C−1、透明支持体B1と同様に、C−3溶液を調製し、透明支持体B3を作製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−3)
────────────────────────────────────
溶液C−1 12.8質量部
ペンタエリスリトールトリベンゾエート(可塑剤) 10.0質量部
水素結合性化合物C4 6.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.5質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
────────────────────────────────────
(透明支持体B4の作製)
組成物を下記に変更した以外は、上記作製した溶液、透明支持体と同様に、C−4溶液を調製し、透明支持体B4を作製した。
セルロースアセテート溶液組成(C−4)
───────────────────────────────────
溶液C−1 12.8質量部
ペンタエリスリトールベンゾエート(可塑剤) 10.0質量部
水素結合性化合物C4 6.0質量部
PMCN(光弾性軽減剤) 30.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 67.2質量部
メタノール(第2溶媒) 10.0質量部
───────────────────────────────────
(透明支持体の緩和弾性率・光弾性係数の測定)
作製した透明支持体B1〜B4の緩和弾性率、光弾性係数について、上記測定方法によりそれぞれ測定した値を下記表1に示す。
(配向膜の作製)
上記で作製した透明支持体B1〜B4上に、それぞれ下記の組成の塗布液H−1を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に平行な方向に500回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜を作製した。
──────────────────────────────────
(配向膜塗布液組成 H−1)
──────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 370質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
──────────────────────────────────
(光学異方性層の作製)
上記配向膜を作製した透明支持体B1〜B4に対して、下記塗布液K−1を、#3.2のワイヤーバーを用いて、フィルムの配向膜面にそれぞれ連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで約90秒間加熱し、ディスコティック液晶性化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置により、照度600mWの紫外線を10秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶性化合物を重合した。その後、室温まで放冷し、光学異方性層を形成し、光学補償フィルムF1〜F4を作製した。
(光学異方性層塗布液組成 K−1)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
メチルエチルケトン 98質量部
下記のディスコティック液晶性化合物1 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.34質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.11質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.13質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.03質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、BASF社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[粘着剤の作製]
次に、以下の手順に従い、アクリレート系ポリマーを調製した。
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、アクリル酸ブチル(ブチルアクリレート)100質量部、アクリル酸3質量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を酢酸エチルと共に加えて固形分濃度30質量%とし窒素ガス気流下、60℃で4時間反応させ、アクリレート系重合体(A1)溶液を得た。また、A1と同様の操作にて、下記表2に示すアクリレート系ポリマー(A2〜A10)を調製した。
次に得られたアクリレート系ポリマーを、以下の手順に従い、アクリレート系粘着剤を作製した。
下記表3に示すように、アクリレート系ポリマー固形分100質量部あたり表3に記載した量(質量部)のトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートL)、表3に記載した量(質量部)のアジピン酸ジ2−エチルヘキシル、添加剤(シランカップリング剤)として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1質量部、を加えて、シリコーン系剥離剤で表面処理したセパレートフィルムにダイコーターを用いて塗布し150℃で3時間乾燥させ、アクリレート系粘着剤層(PSA1〜PSA19)を有するセパレートフィルムを得た。アクリレート系粘着剤の組成を下記表3に示す。また、粘着剤層の膜厚は全て25μmとなるように調整した。ここで、コロネートL(日本ポリウレタン)は、正の固有複屈折を有する、二つ以上の芳香環を持つ架橋剤であり、LC3は正の固有複屈折を有する、上記の液晶性化合物であり、アジピン酸ジ2−エチルヘキシルは可塑剤である。
(偏光板の作製)
上記で作製した光学補償フィルムを、透明支持体側と偏光膜の片側が合うように貼合し、また光学補償フィルムが貼り付けてある側とは反対側の偏光膜に市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)を貼合し、偏光板を作製した。なお、フィルムの貼合面には、アルカリ鹸化処理を施した。また、偏光膜は、厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して作製した、厚さ20μmの直線偏光膜を用い、また接着剤としては、ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を用いた。この偏光板の光学補償フィルム側に上記作製した粘着剤を貼合した後、25℃60%RHで7日間熟成させ、下記表5及び6のように各偏光板を作製した。偏光板の大きさは、対角線の長さが23インチ、及び19インチ、横と縦の比を16/9とした。
(TNモード液晶表示装置の作製)
TNモード液晶表示装置(23インチ:S23A350H サムスン電子(株)製、19インチ:G922HDPL BenQ製)に使用されている偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した各偏光板を、視認側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付け、TNモード液晶表示装置をそれぞれ作製した(実施例1〜19、比較例1〜5)。
各TNモード液晶表示装置について、25℃60%RH環境下で黒表示点灯状態の輝度を正面から測定した。更に、60℃環境下で100時間経時させた後、25℃60%RH環境下で経時前と同様に測定した。
評価には、経時前の輝度と経時後の面内最大輝度の差を用いた。評価基準は官能評価を行った結果から以下の表4のように定めた。結果を下記表5及び6に示す。
実施例19では、実施例1のTNモード液晶表示装置:サムスン電子(株)製S23A350H(23インチ)を、LGエレクトロニクス製W2363Dに代えて評価した。19インチについては評価を行わなかったので、表6には「−」と記載した。
上記表5及び6より、粘着剤層の緩和弾性率および光弾性係数、ならびに、透明支持体の緩和弾性率および光弾性係数が所定の関係を満足していると、上記光漏れの問題が解決されることが分かる。特に、画素の高精細化により、画面のアスペクト比が16:9となっているもの、大画面のものに対して顕著な効果が認められる。
図3は、実施例1〜15及び比較例1〜4における粘着剤層の緩和弾性率RMPSAと光弾性係数PEMPSAの関係を表すグラフである。図3より、下記式(1)及び(2)を満たす粘着剤層を有する偏光板(実施例1〜15)は、式(1)及び(2)を満たさない粘着剤層を有する偏光板(比較例1〜4)に対して、光漏れが抑制されていることが分かる。
式(1) 1≦RMPSA<550
式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
また、TNモード液晶表示装置の代わりに、VAモードやIPSモードの液晶表示装置に適用した場合でも、同様の効果を確認することができたが、TNモードで特に有効であった。これは、偏光板の吸収軸が45度貼り、0度−90度貼りのものあるが、偏光板の収縮もしくは伸長時にかかる応力は、液晶パネルの4辺に対して上下左右方向であることから、画像表示均一性における周辺ムラよりも額縁ムラのほうが顕著な効果が得られるものと推測される。
1 粘着剤層
2 透明支持体
3 偏光膜
4 保護層
5 剥離紙

Claims (9)

  1. 少なくとも、粘着剤層と透明支持体と偏光膜とをこの順に有する偏光板であって、
    前記粘着剤層は、光弾性係数をPEMPSA(1/Pa)、弾性率と緩和率の積である緩和弾性率をRMPSA(kPa)としたとき、下記式(1)、(2)を共に満たし、
    前記透明支持体は、光弾性係数が3×10‐12〜20×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜5(GPa)である、偏光板。
    式(1) 1≦RMPSA<550
    式(2) 0.91×RMPSA‐0.91≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
  2. 前記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(3)である請求項1に記載の偏光板。
    式(3)195≦RMPSA<550
  3. 前記粘着剤層が満たす式(2)が下記式(4)である請求項1又は2に記載の偏光板。
    式(4)0.91×RMPSA+600≦PEMPSA/10‐12<0.91×RMPSA+999
  4. 前記粘着剤層が満たす式(1)が下記式(5)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
    式(5)225≦RMPSA<550
  5. 前記RMPSAが500以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 前記透明支持体の光弾性係数が3×10‐12〜15×10‐12(1/Pa)であり、且つ、緩和弾性率が0.5〜3(GPa)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記粘着剤層がアクリレート系高分子を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 前記偏光板の幅と長さのアスペクト比が4/3よりも大きい請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
  9. 光弾性係数が0.5×10‐12〜7×10‐12(1/Pa)であり、弾性率が30〜100(GPa)であるガラスを有する液晶セルと請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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