JP2008143791A - ヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒドロキシビニルナフタレン化合物を高収率で得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】酸触媒存在下、含水アルコール溶媒中でビニルナフタレン化合物の脱保護反応を行ない下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物を含む反応液を得る工程(A)と、前記工程(A)で得られた反応液に水を加え、下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の結晶を該反応液から析出させる工程(B)と、を有する、下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法。
Figure 2008143791

【選択図】なし

Description

本発明は、ヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法に関する。
ヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法としては、いろいろな製造方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。特許文献1および2には、6−ヒドロキシ−2−ナフチルアルデヒドの水酸基を保護した後ウィッティヒ反応を行い、酸性条件下脱保護反応を行なう合成方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載されている方法は、いずれも最後に脱保護反応を行なう必要があり、収率が低いという問題があった。これは、特許文献1および2に記載されている条件下では、ヒドロキシビニルナフタレン化合物の安定性が悪いため、脱保護反応により生成したヒドロキシビニルナフタレン化合物の重合反応が起こるためである。
特開2004−163877号公報 特開2006−201778号公報
本発明の目的は、ヒドロキシビニルナフタレン化合物を高収率で得ることができる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は、酸触媒存在下、含水アルコール溶媒中で下記式(2)で示されるビニルナフタレン化合物の脱保護反応を行ない下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物を含む反応液を得る工程(A)と、前記工程(A)で得られた反応液に水を加え、下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の結晶を該反応液から析出させる工程(B)と、を有する、下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法である。
Figure 2008143791
Figure 2008143791
(式(2)中、Rは酸性条件化で脱離可能な水酸基の保護基である。)
本発明の製造方法によれば、合成反応中におけるヒドロキシビニルナフタレン化合物の副反応(重合反応)を抑制できるため、簡便に収率良くヒドロキシビニルナフタレン化合物を得ることができる。本発明の製造方法により得られるヒドロキシビニルナフタレン化合物は、医薬中間体、電子材料、光関連材料などの原料として利用され、特にレジスト材料用の樹脂原料モノマーとして好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.ヒドロキシビニルナフタレン化合物
本発明の製造方法により得られるヒドロキシビニルナフタレン化合物は、下記式(1)で示される化合物である。
Figure 2008143791
水酸基の位置は、ビニル基の位置を6位としたとき、5位、2位又は4位の位置であることが好ましい。水酸基の位置が5位、2位又は4位の位置にある場合に、193nmエキシマレーザー光に対する透明性が高くなる傾向にある。中でも、水酸基の位置は、2位の位置であることが特に好ましい。
式(1)で表される化合物としては、193nmエキシマレーザー光に対する透明性やディフェクト、あるいはラインエッジラフネスの点から、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンが好ましい。
2.工程(A)について
工程(A)は、酸触媒存在下、含水アルコール溶媒中で下記式(2)で示されるビニルナフタレン化合物の脱保護反応を行ない上記式(1)で示されるヒドロキシナフタレン化合物を含む反応液を得る工程である。
Figure 2008143791
(式(2)中、Rは酸性条件化で脱離可能な水酸基の保護基である。)
式(2)中のORは、酸触媒の存在下、含水アルコール溶媒中で脱保護反応により脱保護されるものであれば特に限定されないが、収率などの点で、Rがtert−ブチル基などであるアルコキシ基、Rがtert−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基であるアルコキシカルボニルオキシ基、又はRがメトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、1−n−ブトキシエチル基などであるアセタール基等が好ましく、工程(A)の反応収率などの点から、Rは1−エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、1−n−ブトキシエチル基がより好ましい。
置換基ORの位置は、特に限定はされないが、ビニル基を6位とすると5位、2位又は4位の位置であることが好ましい。置換基ORの位置が5位、2位又は4位の位置にある場合に、193nmエキシマレーザー光に対する透明性が高くなる傾向にある。中でも、置換基ORの位置は、2位の位置であることが特に好ましい。
式(2)で表される化合物としては、例えば、2−メトキシメトキシ−6−ビニルナフタレン、2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、2−(1−メチル−1−メトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、2−テトラヒドロピラニルオキシ−6−ビニルナフタレン、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、4−メトキシメトキシ−6−ビニルナフタレン、4−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、4−(1−メチル−1−メトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、4−テトラヒドロピラニルオキシ−6−ビニルナフタレン、4−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、5−メトキシメトキシ−6−ビニルナフタレン、5−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、5−(1−メチル−1−メトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、5−テトラヒドロピラニルオキシ−6−ビニルナフタレン、5−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン等が挙げられる。中でも、工程(A)の反応収率などの点から、2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、2−テトラヒドロピラニルオキシ−6−ビニルナフタレン、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンが好ましく、2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンが特に好ましい。
式(2)で示されるビニルナフタレン化合物の製造方法は、特に制限されないが、ウィッティヒ反応またはグリニヤール反応など公知の技術を用いて合成できる。
次に、式(2)で表されるビニルナフタレン化合物の脱保護反応について説明する。脱保護反応は、酸触媒存在下、含水アルコール中で行なう。
脱保護反応とは、ある反応条件下(例えばウィッティヒ反応またはグリニヤール反応等の条件下)で反応性官能基(例えば本発明における水酸基)が当該反応に関与しないように、反応性官能基を保護して不活性化させた場合に、もとの反応性官能基に戻す操作を言う。
脱保護反応において使用する酸触媒の使用量は、特に制限されないが、式(2)で表されるビニルナフタレン化合物1モルに対して0.005〜0.5モルとすることが好ましい。酸触媒の量が、0.005モル以上の場合にヒドロキシビニルナフタレン化合物の反応収率が高くなる傾向にあり、0.5モル以下の場合にヒドロキシビニルナフタレン化合物の副反応(重合反応)が抑制される傾向にある。酸触媒の使用量は、0.010モル以上がより好ましく、0.015モル以上がさらに好ましく、0.025モル以上が特に好ましい。また、酸触媒の使用量は、0.40モル以下がより好ましく、0.25モル以下がさらに好ましく、0.15モル以下が特に好ましい。
酸触媒としては、特に制限されないが、反応収率の点で鉱酸が好ましい。鉱酸としては、特に制限されないが、硫酸、塩酸、硝酸、又はリン酸が挙げられ、反応収率の点で硫酸、又は塩酸が好ましい。
反応溶媒としては、特に制限されないが、脱保護反応後にヒドロキシビニルナフタレン化合物を容易に回収できることから、アルコールが好ましく、回収収率の点から水溶性アルコールが特に好ましい。ここでいう水溶性アルコールとは23℃、1013hPaにおける水の溶解度が5質量%以上、好ましくは10質量%以上ないし自由に水が溶解するアルコールのことである。水溶性アルコールとしては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、シクロヘキシルアルコール、エチレングリコールなどが挙げられる。回収収率の点からメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブタノールが好ましい。
また、脱保護反応の反応収率の点から、反応溶媒として含水アルコールを用いることがより好ましい。含水アルコール中の水の濃度は、特に限定されないが、含水アルコール中の水の濃度は0.5〜40質量%が好ましい。水の濃度が0.5質量%以上であると反応収率が高くなる傾向があり、40質量%以下であると反応液が均一系となり操作性が良くなる傾向がある。含水アルコール中の水の濃度は1質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上が特に好ましい。また含水アルコール中の水の濃度は30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
式(2)で表されるビニルナフタレン化合物の脱保護反応は、酸触媒と該ビニルナフタレン化合物を含水アルコール中で混合し、溶液の温度を一定の範囲内に保ちながら行なう。ビニルナフタレン化合物の濃度は、特に制限されないが、反応液中1〜60質量%の範囲が好ましい。ビニルナフタレン化合物の濃度が1質量%以上であると反応収率が高くなる傾向があり、60質量%以下であると反応液が均一系となり操作性が良くなる傾向がある。ビニルナフタレン化合物の濃度は2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上が特に好ましい。またビニルナフタレン化合物の濃度は50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。またビニルナフタレン化合物をアルコール溶媒に溶解させた後に酸触媒水溶液を加えてもよく、あるいはビニルナフタレン化合物を含水アルコール溶媒に溶解させた後に酸触媒を加えてもよく、結果として前述条件範囲内で反応液が調製できれば操作手段は限定されない。
反応温度は、特に制限されないが、−40℃〜40℃の範囲が好ましい。反応温度が−40℃以上であると反応収率が高くなる傾向にあり、40℃以下であるとヒドロキシビニルナフタレン化合物の副反応(重合反応)が抑制される傾向にある。反応温度は、−30℃以上がより好ましく、−20℃以上がさらに好ましく、−10℃以上が特に好ましい。また反応温度は30℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましく、10℃以下が特に好ましい。
上述の条件で式(2)で表されるビニルナフタレン化合物の転化率が90%モル以上に達するまで脱保護反応を行なうことが好ましい。転化率が90モル%以上であると、式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の回収収率が高くなる傾向がある。転化率は95%モル以上がより好ましく、97%モル以上がさらに好ましく、98%モル以上が特に好ましい。通常、転化率が90%モル以上に達するのに要する反応時間は1〜48時間である。
3.工程(B)について
工程(B)は、工程(A)で得られた反応液に水を加え、式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の結晶を該反応液から析出させる工程である。
工程(A)で得られた反応液は、反応後直ぐにそのまま工程(B)の結晶析出操作を行ってもよく、またヒドロキシビニルナフタレン化合物の重合反応が起こるのを防ぐため、反応液中に残存する酸触媒を塩基性化合物で中和してから行なってもよい。中和に用いる塩基性化合物としては、特に制限されないが、無機塩基性化合物が好ましい。無機塩基性化合物としては、特に制限されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。また、工程(B)の結晶析出操作前に、ろ過、洗浄、吸着などの不純物除去操作を行ってもよい。さらに、工程(B)の結晶析出操作前に回収収率を向上させる目的で、溶媒の溜去操作を行ってもよい。
続いて、反応液にヒドロキシビニルナフタレン化合物の回収収率を向上させるために、貧溶媒を添加し該化合物結晶を選択的に析出させる。貧溶媒としては、特に制限されないが、回収収率の点で水が好ましい。貧溶媒の添加量は、特に制限されないが、ヒドロキシビニルナフタレン化合物を含む反応液100質量部に対して10〜400質量部が好ましい。貧溶媒の添加量が、10質量部以上の場合にヒドロキシビニルナフタレン化合物の回収収率が高くなる傾向があり、400質量部以下の場合に回収されたヒドロキシビニルナフタレン化合物の化学純度が高くなる傾向にある。貧溶媒の添加量は、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、50質量部以上が特に好ましい。また、貧溶媒の添加量は、350質量部以下がより好ましく、300質量部以下がさらに好ましく、200質量部以下が特に好ましい。
貧溶媒を添加する温度は、特に制限されないが、−40℃〜40℃の範囲が好ましい。貧溶媒を添加する温度が−40℃以上の場合に回収されたヒドロキシビニルナフタレン化合物の化学純度が高くなる傾向にあり、40℃以下の場合にヒドロキシビニルナフタレン化合物の副反応(重合反応)が抑制される傾向にある。貧溶媒を添加する温度は、−30℃以上がより好ましく、−20℃以上がさらに好ましく、−10℃以上が特に好ましい。貧溶媒を添加する温度は35℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましく、20℃以下が特に好ましい。
また、この範囲内の温度で貧溶媒に該反応液を加えてもよい。
貧溶媒添加後、溶液を式(1)で表されるヒドロキシナフタレン化合物結晶の単離温度まで冷却してもよい。冷却速度は、特に制限されないが、1〜30℃/hの範囲が好ましい。冷却速度が、1℃/h以上の場合に温度制御が容易になる傾向があり、30℃/h以下の場合に回収されたヒドロキシビニルナフタレン化合物の化学純度が高くなる傾向にある。冷却速度は2℃/h以上がより好ましく、5℃/hがさらに好ましい。また冷却速度は20℃/h以下がより好ましく、15℃/h以下がさらに好ましい。
ヒドロキシビニルナフタレン化合物の単離温度は、特に制限されないが、−40〜40℃の範囲が好ましい。単離温度が−40℃以上の場合に回収されたヒドロキシビニルナフタレン化合物の化学純度が高くなる傾向にあり、単離温度が40℃以下であるとヒドロキシビニルナフタレン化合物の回収収率が高くなる傾向にある。単離温度は−30℃以上がより好ましく、−25℃以上がさらに好ましく、−20℃以上が特に好ましい。また、単離温度は、30℃以下がより好ましく、25℃以下がさらに好ましく、20℃以下が特に好ましい。
上述のようにして、ヒドロキシビニルナフタレン化合物結晶を単離することにより式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物を得ることができる。
本発明の製造方法で式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物を製造すると収率や操作効率などの点で有利であり、特に回収収率80%以上の高収率で、式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物を製造することができる。回収収率の好ましい範囲については、特に制限されないが、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。
なお、ビニルナフタレン化合物およびヒドロキシビニルナフタレン化合物の転化率、反応収率は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて評価した。
<2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン(EEVNと表すことがある)、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン(BEVNと表すことがある)、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン(HOVNと表すことがある)量のHPLC分析条件>
・試料調製:反応液1.00gを秤量し、アセトニトリル25.0mL溶液を調製
・カラム:イナートシルODS−3V(4.6×250mm、GLサイエンス社製)2本を直列に連結
・カラムオーブン温度:40℃
・移動層:アセトニトリル
・流速:0.5mL/min
・検出:RI
・サンプル注入量:5μL
・2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの保持時間:約14.0分
・2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの保持時間:約18.0分
・2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの保持時間:約18.9分
なお、転化率は、以下の式を用いて求めた。
EEVNの転化率(%)=100×[(EEVNの仕込量−EEVNの残量)/EEVNの仕込量]
BEVNの転化率(%)=100×[(BEVNの仕込量−BEVNの残量)/BEVNの仕込量]
[参考例1]式(2)においてRが1−エトキシエチル基であるビニルナフタレン化合物の合成
(1)6−(1−エトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒド:
ポリテトラフルオロエチレン(PTFEと表すことがある。)製攪拌翼、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を取り付けた2000mL四つ口フラスコに6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド68.9g(400mmol)と酢酸エチル830mLを加え、25℃でPTFE攪拌翼をスリーワンモーターを用い回転させ、溶液を攪拌した。3時間攪拌した後、これにp−トルエンスルホン酸ピリジニウム9.10g(36.2mmol)を加え、溶液を70℃まで昇温した。内温を70℃付近に保ちながらエチルビニルエーテル57.9g(803mmol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、溶液の温度を25℃まで冷却した後、25〜30℃で20時間さらに攪拌を継続した。減圧下溶媒を溜去した後、得られた粗成生物をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル60(0.063−0.200mm、メルク社製)、溶出液:塩化メチレン)で精製して、精製6−(1−エトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒド67.4gを得た(276mmol、収率69%)。
(2)2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン:
PTFE製攪拌翼、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を取り付けた3000mLセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下でメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド151.8g(425mmol)、無水テトラヒドロフラン(THFと表すことがある)1000mL、カリウム−tert−ブトキシド(500mmol)56.0gを加え、25℃でPTFE攪拌翼をスリーワンモーターを用い回転させ、溶液を攪拌した。1時間攪拌した後上記(1)で得られた6−(1−エトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒド67.4g(276mmol)を無水THF170mLに溶解した溶液を100分かけて滴下した。滴下終了後、さらに反応液を24時間攪拌した後、蒸留水670mLを滴下漏斗から滴下して加え、1時間攪拌・混合した後分液した。水相を300mLのジエチルエーテルで2回抽出し、抽出液を合わせ、全有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物をろ別し、減圧下溶媒を溜去した後、得られた粗成生物をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル60(0.063−0.200mm、メルク社製)、溶出液:ヘキサン/塩化メチレン 40/60から5/95)で精製して、2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン(式(2)においてRが1−エトキシエチル基であるビニルナフタレン化合物)の精製物62.2g(257mmol、収率93%)を得た。
[実施例1]
参考例1で得た2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン48.4g(200mmol)をエタノール150.0gに溶解させた後、該溶液を冷却し、内温を1〜3℃に保ちながら0.5N塩酸34mL(17mmol)(98質量%の水を含有)を30分かけて滴下した。滴下終了後、内温を10℃に保ちながら7時間攪拌を継続した。この時の反応液をHPLC分析したところ、2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの転化率は99%であり、生成した2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの反応収率は96%であった(工程(A))。
反応後、内温を10℃に保ちながら攪拌を継続し、反応液に水300.0gを滴下した。滴下終了後、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶の析出が確認された。30分かけて5℃まで冷却し、さらにこの温度の下で1時間攪拌して、析出させた(工程(B))。
析出した2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶を減圧ろ過によりろ別し、エタノール/水混合液(質量比1/2)10gで結晶を洗浄した後、得られた湿結晶を真空乾燥して2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶31.0g得た。得られた2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの回収収率(2−(1−エトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンに対しての収率)は、91.0%と高かった。
[参考例2] 式(2)においてRが1−n−ブトキシエトキシ基であるビニルナフタレン化合物の合成
(1)6−(1−n−ブトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒド:
エチルビニルエーテルの代わりにn−ブチルビニルエーテル80.4g(803mmol)を用いた以外は参考例1と同様に合成および精製を行い、精製6−(1−n−ブトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒド67.5gを得た(248mmol、収率62%)。
(2)2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン:
6−(1−エトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒドの代わりに前記6−(1−n−ブトキシエトキシ)−2−ナフトアルデヒド67.5g(248mmol)を用いた以外は参考例1と同様にして合成および精製を行い、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン(式(2)においてRが1−n−ブトキシエトキシ基であるビニルナフタレン化合物)の精製物61.1g(226mmol、収率91%)を得た。
[実施例2]
参考例2で得た2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン55.0g(203mmol)をメタノール200.0gに加え溶解させた後、該溶液を冷却し、内温を0〜3℃に保ちながら0.5N塩酸31mL(15.5mmol)(98質量%の水を含有)を25分かけて滴下した。滴下終了後、内温を0〜5℃に保ちながら10時間攪拌を継続した。この時の反応液をHPLC分析したところ、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの転化率は99%であり、生成した2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの反応収率は97%であった(工程(A))。
反応後、内温を10℃に保ちながら攪拌を継続し、反応液に水500.0gを滴下した。滴下終了後、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶の析出が確認された。冷却速度10℃/hrで5℃まで冷却し、さらに2時間攪拌して、析出させた(工程(B))。
析出した2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶を減圧ろ過によりろ別し、メタノール/水混合液(質量比2/5)15gで結晶を洗浄した後、得られた湿結晶を真空乾燥して2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶33.1g得た。得られた2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの回収収率(2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンに対しての収率)は、96.0%と高かった。
[実施例3]
実施例2と同様にして参考例2で得た2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンから2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンを含む反応液を得た(工程(A))。
反応後内温を0〜3℃に保ちながら1N水酸化カリウム溶液15.5mL(15.5mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、内温を15〜20℃まで昇温し水255.0gを滴下した。滴下終了後は実施例2と同様の操作を行い(工程(B))、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶31.1gを得た。得られた2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの回収収率(2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンに対しての収率)は、90.0%と高かった。
[比較例1]
参考例2で得た2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレン55.0g(203mmol)をメタノール230.0gに加え溶解させた後溶液を冷却し、内温を0〜3℃に保ちながらp−トルエンスルホン酸ピリジニウム5.10g(20.3mmol)を添加した。添加終了後、内温を20℃に保ちながら10時間攪拌を継続した。この時の反応液をHPLC分析したところ、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの転化率は89%であり、生成した2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの反応収率は85%であった。
2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの転化率を高める目的で、内温を60℃まで昇温しさらに3時間攪拌を継続した。この時の反応液をHPLC分析したところ、2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの転化率は96%であり、生成した2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの反応収率は60%であった。2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンの転化率は向上したが、反応収率は、かえって低下してしまった(工程(A)に相当)。
上記反応後、反応溶液に水を滴下せずに、冷却速度10℃/hrで5℃まで冷却し、さらに2時間攪拌して、析出させた(工程(B)に相当)。
その後、実施例2と同様の操作を行い、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶14.9gを得た。得られた2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレンの回収率(2−(1−n−ブトキシエトキシ)−6−ビニルナフタレンに対しての収率)は、48%と低かった。
[比較例2]
工程(B)において、水の代わりにn−ヘプタンを用いた以外は、実施例2と同様の操作行なった。n−ヘプタン滴下終了後、溶液は2相に分離し、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン結晶の析出は認められなかった。
本発明の製造方法により得られたヒドロキシビニルナフタレン化合物は、医薬中間体、電子材料、光関連材料などの原料として利用され、特にレジスト材料用の樹脂原料モノマーとして好適である。

Claims (2)

  1. 酸触媒存在下、含水アルコール溶媒中で下記式(2)で示されるビニルナフタレン化合物の脱保護反応を行ない下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物を含む反応液を得る工程(A)と、
    前記工程(A)で得られた反応液に水を加え、下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の結晶を該反応液から析出させる工程(B)と、を有する、下記式(1)で示されるヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法。
    Figure 2008143791
    Figure 2008143791
    (式(2)中、Rは酸性条件化で脱離可能な水酸基の保護基である。)
  2. 酸触媒が鉱酸である請求項1記載のヒドロキシビニルナフタレン化合物の製造方法。
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