JP2008143315A - 動力出力装置およびその制御方法並びに車両 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法並びに車両 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動軸が逆回転しているときに過大な電力による二次電池などの蓄電装置の充電を抑制すると共に駆動軸に正回転方向の駆動力を出力する。
【解決手段】坂路発進時に車両がずり下がり駆動軸としてのリングギヤ軸が逆回転したときには、要求トルクTr*とリングギヤ軸の回転数Nrとに基づいて定格値の充電が可能なバッテリを過大な電力で充電しない範囲内でエンジンから動力分配統合機構を介してリングギヤ軸に出力する際にエンジンに要求される仮直達出力用パワーPegtmpを設定すると共にこの仮直達出力用パワーPegtmpをバッテリの入力制限Winに基づく充電制限パワーPlimで制限して直達出力用パワーPegを求め(S140〜S160)、これを用いてエンジンから出力すべきエンジン要求パワーPe*を設定してエンジンと二つのモータMG1,MG2を制御する(S170〜S230)。
【選択図】図4

Description

本発明は、動力出力装置およびその制御方法並びに車両に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトと車軸側とにキャリアとリングギヤとが接続されたプラネタリギヤと、プラネタリギヤのサンギヤに接続されたモータMG1と、車軸側に動力を出力可能なモータMG2と、モータMG1,MG2と電力のやりとりを行なうバッテリと、を備える車載用のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−343839号公報
上述の動力出力装置では、車両を大きな駆動力を用いて発進させるときには、エンジンからの動力とモータMG2からの動力とを用いて行なわれるが、坂路発進の際に発進用の動力を出力し、ずり下がったときには、二つのモータMG1,MG2が共に発電するため、場合によってはバッテリを過大な電力で充電し、バッテリを破損させたり、バッテリの劣化を早めたりしたりする。この場合、エンジンの運転を停止すれば、モータMG1による発電は行なわれなくなるため、バッテリを過大な電力で充電するのを抑制することができるが、坂路発進に必要な十分な駆動力を得ることができなくなってしまう。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、駆動軸が逆回転しているときに過大な電力による二次電池などの蓄電装置の充電を抑制すると共に駆動軸に正回転方向の駆動力を出力することを目的とする。
本発明の動力出力装置およびその制御方法並びに車両は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限を設定する入力制限設定手段と、
前記駆動軸を正回転させる方向に該駆動軸に求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記駆動軸が逆回転しているとき、前記設定された入力制限の範囲内で、前記内燃機関からの動力の一部が前記駆動軸に出力されて前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する逆回転時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸が逆回転しているときには、蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限の範囲内で、内燃機関からの動力の一部が駆動軸に出力されて駆動軸を正回転させる方向に駆動軸に要求される要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。これにより、過大な電力による蓄電手段の充電を抑制することができると共に要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、前記検出された駆動軸回転数に緩変化処理を施して緩変化処理回転数を演算する緩変化処理回転数演算手段と、を備え、前記逆回転時制御手段は、前記設定された要求駆動力と前記演算された緩変化処理回転数との積に基づいて計算される駆動要求パワーと前記設定された入力制限と前記設定された要求駆動力と前記演算された緩変化処理回転数とに基づいて設定される充電許容パワーとの和に基づく機関要求パワーが前記内燃機関から出力されるよう制御する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、要求駆動力を出力するのに必要な駆動要求パワーと蓄電手段の入力制限を考慮した充電許容パワーとに応じて内燃機関を運転するから、過大な電力による蓄電手段の充電を抑制しつつ要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
こうした機関要求パワーが内燃機関から出力されるよう制御する態様の本発明の動力出力装置において、前記充電許容パワーは、前記要求駆動力と前記緩変化処理回転数とに基づく許容パワーを前記入力制限と前記緩変化処理回転数とに基づく制限パワーによって制限してなるパワーであるものとすることもできる。この場合、前記許容パワーは、絶対値が、前記要求駆動力が大きくなるほど大きくなると共に前記緩変化処理回転数が負方向の所定回転数に向けて近づくほど大きくなる関係に基づいて設定されてなり、前記制限パワーは、絶対値が、前記入力制限の絶対値が大きくなるほど小さくなると共に前記緩変化処理回転数が負方向の所定回転数に向けて近づくほど大きくなる関係に基づいて設定されてなる、ものとすることもできる。こうすれば、より適正に設定された許容パワーと制限パワーとを用いて機関要求パワーを得ることができ、これにより、過大な電力による蓄電手段の充電を抑制しつつ要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
また、機関要求パワーが内燃機関から出力されるよう制御する態様の本発明の動力出力装置において、前記逆回転時制御手段は、前記内燃機関が所定の低回転数で前記機関要求パワーを出力するよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、より大きいトルクを駆動軸に出力することができる。
さらに、機関要求パワーが内燃機関から出力されるよう制御する態様の本発明の動力出力装置において、前記機関要求パワーは、前記駆動要求パワーと前記充電許容パワーとに加えて補機の消費電力に相当する補機消費パワーとの和に基づくパワーであるものとすることもできる。こうすれば、より適正な機関要求パワーとすることができ、これにより、過大な電力による蓄電手段の充電を抑制しつつ要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力が入出力される3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限を設定する入力制限設定手段と、前記駆動軸を正回転させる方向に該駆動軸に求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記駆動軸が逆回転しているとき、前記設定された入力制限の範囲内で、前記内燃機関からの動力の一部が前記駆動軸に出力されて前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する逆回転時制御手段と、を備え、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、過大な電力による蓄電手段の充電を抑制することができると共に要求駆動力を駆動軸に出力することができる効果と同様の効果を奏することができる。ここで、駆動軸の正回転は車両の前進を意味し、駆動軸の逆回転は車両の後進を意味する。したがって、逆回転制御手段による制御は、車両の場合、坂路発進時にずり下がったときの制御となる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸が逆回転しているときには、前記蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限の範囲内で、前記内燃機関からの動力の一部が前記駆動軸に出力されて前記駆動軸を正回転させる方向に該駆動軸に求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
ことを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、駆動軸が逆回転しているときには、蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限の範囲内で、内燃機関からの動力の一部が駆動軸に出力されて駆動軸を正回転させる方向に駆動軸に求される要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを制御する。これにより、過大な電力による蓄電手段の充電を抑制することができると共に要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26の回転位置を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてエンジン22の回転数Neも計算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)やバッテリ50を充電する際の最大許容電力である入力制限Win,バッテリ50から放電する際の最大許容電力である出力制限Woutを計算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図2に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図3にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に坂路発進の際にずり下がったときの動作について説明する。図4は、車両がずり下がったときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるずり下がり時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
ずり下がり時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力したモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除してなまし処理を施すことにより緩変化処理によるリングギヤ軸32aの回転数Nrを演算する(ステップS110)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。また、リングギヤ軸32aの回転数Nrを緩変化処理(なまし処理)を用いるのは、回転数Nrが急変するのを抑制するためである。
続いて、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS120)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。いま、坂路発進時にずり下がったときを考えているから、車速Vは負の値となっている。
次に、設定した要求トルクTr*とリングギヤ軸32aのなまし処理後の回転数Nrとに基づいてバッテリ50を充放電する電流Ibが値0としたときの損失を損失パワーPlossとして設定する(ステップS130)。この損失パワーPlossは、実施例では、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aのなまし処理後の回転数Nrと損失パワーPlossとの関係を実験などにより求めて損失パワー設定用マップとして予めROM74に記憶しておき、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aのなまし処理後の回転数Nrとが与えられるとマップから対応する損失パワーPlossを導出することにより設定するものとした。なお、損失パワー設定用マップは、モータMG1やモータMG2,エンジン22などの諸元によって求めることができる。
そして、バッテリ50の入力制限Winとリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいてバッテリ50の入力制限Winに基づく充電制限パワーPlimを設定すると共に(ステップS140)、要求トルクTr*と回転数Nrとに基づいてエンジン22から動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する際にエンジン22に要求されるパワーとしての仮直達出力用パワーPegtmpを設定し(ステップS150)、設定した仮直達出力用パワーPegtmpを充電制限パワーPlimで制限することにより、即ち、仮直達出力用パワーPegtmpと充電制限パワーPlimとのうち小さい方を直達出力用パワーPegとして設定する(ステップS160)。ここで、充電制限パワーPlimは、実施例では、バッテリ50の入力制限Winとリングギヤ軸32aの回転数Nrと充電制限パワーPlimとの関係をバッテリ50を過大な電力で充電しない範囲内で予め定めて充電制限パワー設定用マップとしてROM74に記憶しておき、バッテリ50の入力制限Winとリングギヤ軸32aの回転数Nrとが与えられると記憶したマップから対応する充電制限パワーPlimを導出することにより設定するものとした。図6に充電制限パワー設定用マップの一例を示す。図6では、バッテリ50の最大入力電力(定格値)Winmaxに対する入力制限Winの百分率を用いて充電制限パワーPlimを設定するものとして表わした。充電制限パワーPlimは、坂路発進時に車両がずり下がっているときを考えているから、図示するように、リングギヤ軸32aの回転数Nrが負の値の範囲内で設定されており、基本的には、その絶対値は、入力制限Winの絶対値が大きく(値としては小さく)なるほど小さくなると共にリングギヤ軸32aの回転数Nrが負方向の所定回転数(例えば、200rpm)に向けて近づくほど大きくなるよう設定される。また、仮直達出力用パワーPegtmpは、実施例では、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrと仮直達出力用パワーPegtmpとの関係を定格値の充電が可能なバッテリ50を過大な電力で充電しない範囲内で予め定めて仮直達出力用パワー設定用マップとしてROM74に記憶しておき、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとが与えられると記憶したマップから対応する仮直達出力用パワーPegtmpを導出することにより設定するものとした。図7に仮直達出力用パワー設定用マップの一例を示す。図7では、要求トルクTr*の設定可能な最大値であるTrmaxに対する要求トルクTr*の百分率を用いて仮直達出力用パワーPegtmpを設定するものとして表わした。仮直達出力用パワーPegtmpは、基本的には、その絶対値は、要求トルクTr*が大きくなるほど大きくなると共にリングギヤ軸32aの回転数Nrが負方向の所定回転数(例えば、200rpm)に向けて近づくほど大きくなるよう設定される。さらに、仮直達出力用パワーPegtmpを充電制限パワーPlimで制限して直達出力用パワーPegを設定するのは、バッテリ50の入力制限Winの範囲内で直達出力用パワーPegを設定するためである。
こうして直達出力用パワーPegを設定すると、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものと直達出力用パワーPegと損失パワーPlossと補機消費電力Phとの和としてエンジン要求パワーPe*を設定する(ステップS170)。ここで、補機消費電力Phは、乗員室の空調を行なう空調装置のコンプレッサなどバッテリ50からの電力供給により作動する走行や走行以外に用いられる機器(補機)によって消費される電力の総和であり、各機器の駆動状態と各機器の定格値などから設定することができる。
エンジン要求パワーPe*を設定すると、設定したエンジン要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS180)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図8に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。なお、このルーチンでは、坂路発進時に車両がずり下がっているときを考えているから、エンジン要求パワーPe*はあまり大きな値とはならず、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインにおいてトルクTeが直線的に立ち上がる所定回転数(例えば、1000rpmや1200rpmなど)の範囲で設定される。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS190)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図9に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS200)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS210)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS220)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図9の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS230)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、坂路発進時に車両がずり下がったときには、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいて定格値の充電が可能なバッテリ50を過大な電力で充電しない範囲内でエンジン22から動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに出力する際にエンジン22に要求される仮直達出力用パワーPegtmpを設定すると共にこの仮直達出力用パワーPegtmpをバッテリ50の入力制限Winに基づく充電制限パワーPlimで制限して直達出力用パワーPegを求め、これを用いてエンジン要求パワーPe*を設定してエンジン22とモータMG1,MG2を制御するから、比較的大きな要求トルクTr*が設定されても、バッテリ50を過大な電力で充電することなく駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、充電制限パワーPlimを、その絶対値が、入力制限Winの絶対値が大きく(値としては小さく)なるほど小さくなると共にリングギヤ軸32aの回転数Nrが負方向の所定回転数(例えば、200rpm)に向けて近づくほど大きくなるよう設定するものとしたが、リングギヤ軸32aの回転数Nrが負方向の所定回転数に向けて近づくほど大きくなるよう設定しないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、仮直達出力用パワーPegtmpを、その絶対値が、要求トルクTr*が大きくなるほど大きくなると共にリングギヤ軸32aの回転数Nrが負方向の所定回転数(例えば、200rpm)に向けて近づくほど大きくなるよう設定するものとしたが、リングギヤ軸32aの回転数Nrが負方向の所定回転数に向けて近づくほど大きくなるよう設定しないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、緩変化処理(なまし処理)を施してリングギヤ軸32aの回転数Nrを演算するものとしたが、緩変化処理を施さずにリングギヤ軸32aの回転数Nrを演算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとして回転数Neが比較的低回転数でトルクTeが直線的に立ち上がるものを用いることによりエンジン要求パワーPe*が変化してもその回転数でエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしたが、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとして回転数Neが比較的低回転数でトルクTeが直線的に立ち上がらないものを用いることによりエンジン要求パワーPe*の変化に応じて目標回転数Ne*が変化するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものと直達出力用パワーPegと損失パワーPlossと補機消費電力Phとの和としてエンジン要求パワーPe*を設定するものとしたが、補機消費電力Phを考慮せずにエンジン要求パワーPe*を設定するものとしてもよい。また、バッテリ50の充放電をフィードバック制御する場合には、フィードバックするための補正量を考慮してエンジン要求パワーPe*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、減速ギヤ35を備えず、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに直接出力するものとしてもよい。また、図10の変形例のハイブリッド自動車20Bに示すように、リングギヤ軸32aを有段の変速機68を介して駆動輪63a,63bに接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30とモータMG1とが「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて入出力制限Winを設定するバッテリECU52が「入力制限設定手段」に相当し、坂路発進時に車両がずり下がっているときにアクセル開度Accと車速Vとに基づいて逆回転しているリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する図4のずり下がり時駆動制御ルーチンのステップS120の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとの積と要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいて設定される仮直達出力用パワーPegtmpをバッテリ50の入力制限Winとリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいて設定される充電制限パワーPlimによって制限して得られる直達出力用パワーPegと坂路発進時に車両がずり下がっているときに要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいて設定される損失パワーPlossと補機消費電力Phとの和としてエンジン要求パワーPe*を設定すると共に設定したエンジン要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力し且つ要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して設定値をエンジンECU24やモータECU40に送信する図4のずり下がり時駆動制御ルーチンのステップS130〜S230の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジン22の目標回転数Ne*,目標トルクTe*に基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「逆回転時制御手段」に相当する。また、クランクシャフト26の回転位置を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてエンジン22の回転数Neも計算するエンジンECU24が「駆動軸回転数検出手段」に相当し、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除してなまし処理を施すことにより緩変化処理によるリングギヤ軸32aの回転数Nrを演算する図4のずり下がり時駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「緩変化処理回転数演算手段」に相当する。さらに、要求トルクTr*とリングギヤ軸32aの回転数Nrとの積が「駆動要求パワー」に相当し、仮直達出力用パワーPegtmpが「許容パワー」に相当し、充電制限パワーPlimが「制限パワー」に相当し、直達出力用パワーPegが「充電許容パワー」に相当する。また、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。変形例のハイブリッド自動車220では、対ロータ電動機230が「電力動力入出力手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるずり下がり時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 充電制限パワー設定用マップの一例を示す説明図である。 仮直達出力用パワー設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車20Bの構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,20B,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (9)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限を設定する入力制限設定手段と、
    前記駆動軸を正回転させる方向に該駆動軸に求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記駆動軸が逆回転しているとき、前記設定された入力制限の範囲内で、前記内燃機関からの動力の一部が前記駆動軸に出力されて前記設定された要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する逆回転時制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段と、
    前記検出された駆動軸回転数に緩変化処理を施して緩変化処理回転数を演算する緩変化処理回転数演算手段と、
    を備え、
    前記逆回転時制御手段は、前記設定された要求駆動力と前記演算された緩変化処理回転数との積に基づいて計算される駆動要求パワーと前記設定された入力制限と前記設定された要求駆動力と前記演算された緩変化処理回転数とに基づいて設定される充電許容パワーとの和に基づく機関要求パワーが前記内燃機関から出力されるよう制御する手段である、
    動力出力装置。
  3. 前記充電許容パワーは、前記要求駆動力と前記緩変化処理回転数とに基づく許容パワーを前記入力制限と前記緩変化処理回転数とに基づく制限パワーによって制限してなるパワーである請求項2記載の動力出力装置。
  4. 請求項3記載の動力出力装置であって、
    前記許容パワーは、絶対値が、前記要求駆動力が大きくなるほど大きくなると共に前記緩変化処理回転数が負方向の所定回転数に向けて近づくほど大きくなる関係に基づいて設定されてなり、
    前記制限パワーは、絶対値が、前記入力制限の絶対値が大きくなるほど小さくなると共に前記緩変化処理回転数が負方向の所定回転数に向けて近づくほど大きくなる関係に基づいて設定されてなる、
    動力出力装置。
  5. 前記逆回転時制御手段は、前記内燃機関が所定の低回転数で前記機関要求パワーを出力するよう制御する手段である請求項2ないし4いずれか記載の動力出力装置。
  6. 前記機関要求パワーは、前記駆動要求パワーと前記充電許容パワーとに加えて補機の消費電力に相当する補機消費パワーとの和に基づくパワーである請求項2ないし5いずれか記載の動力出力装置。
  7. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力が入出力される3軸式動力入出力手段と、を備える手段である請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる車両。
  9. 内燃機関と、駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記駆動軸が逆回転しているときには、前記蓄電手段を充電する際の最大電力である入力制限の範囲内で、前記内燃機関からの動力の一部が前記駆動軸に出力されて前記駆動軸を正回転させる方向に該駆動軸に求される要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する
    ことを特徴とする動力出力装置の制御方法。
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